JP2008150583A - ソリッドタイヤ用組成物、及びソリッドタイヤ - Google Patents

ソリッドタイヤ用組成物、及びソリッドタイヤ Download PDF

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【課題】トレッド部において、外力を主要因とするクラックの発生を抑制しつつ、耐加水分解性を高めることのできるソリッドタイヤ用組成物、及びソリッドタイヤを提供する。
【解決手段】ソリッドタイヤ用組成物は、ポリカプロラクトン系エステルグリコールと、p−フェニレンジイソシアネートとの反応生成物であるポリウレタンプレポリマーを含有する。ソリッドタイヤは、ホイールと同ホイールの外周面を被覆するトレッド部とを備え、トレッド部はポリウレタンプレポリマーを含む原料組成物から成形されたものである。このポリウレタンプレポリマーは、ポリカプロラクトン系エステルグリコールと、p−フェニレンジイソシアネートとの反応生成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ソリッドタイヤ(中実車輪)のトレッド部を形成するためのソリッドタイヤ用組成物及びソリッドタイヤに関するものである。
従来、この種のソリッドタイヤは、無人搬送車、フォークリフト等の産業車両の車輪、自動倉庫、立体駐車場、各種製造設備等に備えられる搬送用ローラ、ジェットコースターの車輪等の用途に利用されている(例えば、特許文献1参照)。こうしたソリッドタイヤは、ホイールとそのホイールの外周面を被覆するトレッド部とを備え、トレッド部は樹脂、ゴム等の弾性材料から形成されている。
特開2004−161042号公報
一般に、ポリウレタンから形成されたトレッド部は、外力に対する耐久性が得られ易い。特に、トレッド部を成形するポリウレタンプレポリマーとして、ポリエステルポリオールとイソシアネートとの反応生成物を用いた場合には、外力に対する耐久性がさらに得られ易くなる傾向にある。一方、例えば屋外仕様の物流・搬送機器、屋外に設置される遊技設備等に装着されるソリッドタイヤでは、長期にわたる使用において耐候性が重要な要素となる。しかしながら、トレッド部を成形するポリウレタンプレポリマーとして、ポリエステルポリオールとイソシアネートとの反応生成物を用いた場合には、ポリウレタンが有するエステル結合の加水分解が要因になることで、トレッド部の耐候性が十分に得られ難くなる。この点、ポリウレタンプレポリマーとして、ポリエーテルポリオールとイソシアネートとの反応生成物を用いた場合には、エステル結合の加水分解は生じないものの、使用時の外力によってトレッド部にクラックが発生し易くなるという問題があった。このように従来では、耐加水分解性を高める構成にすると外力によるクラックの発生を促進してしまうことになり、反対に、外力によるクラックの発生を抑制する構成にすると耐加水分解性が十分に得られないという問題があった。
本発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、トレッド部において、外力を主要因とするクラックの発生を抑制しつつ、耐加水分解性を高めることのできるソリッドタイヤ用組成物、及びソリッドタイヤを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明のソリッドタイヤ用組成物は、ホイールと同ホイールの外周面を被覆するトレッド部とを備えるソリッドタイヤの前記トレッド部を成形するためのソリッドタイヤ用組成物であって、ポリカプロラクトン系エステルグリコールと、p−フェニレンジイソシアネートとの反応生成物であるポリウレタンプレポリマーを含むことを要旨とする。
請求項2に記載の発明のソリッドタイヤは、ホイールと同ホイールの外周面を被覆するトレッド部とを備えるソリッドタイヤであって、前記トレッド部はポリウレタンプレポリマーを含む原料組成物から成形されてなり、前記ポリウレタンプレポリマーは、ポリカプロラクトン系エステルグリコールと、p−フェニレンジイソシアネートとの反応生成物であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のソリッドタイヤにおいて、前記原料組成物がジオール類及びジアミン類から選ばれる少なくとも一種の鎖延長剤を含むことを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のソリッドタイヤにおいて、前記ジオール類として、1,4−ブタンジオール又はヒドロキノンジオキシエチルエーテルを用いたことを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載のソリッドタイヤにおいて、前記ジアミン類として、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタンを用いたことを要旨とする。
本発明によれば、トレッド部において、外力を主要因とするクラックの発生を抑制しつつ、耐加水分解性を高めることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を詳細に説明する。
ソリッドタイヤ用組成物は、ポリカプロラクトン系エステルグリコールと、p−フェニレンジイソシアネートとの反応生成物であるポリウレタンプレポリマーを含む。このソリッドタイヤ用組成物は、ホイールと同ホイールの外周面を被覆するトレッド部とを備えるソリッドタイヤにおいて、そのトレッド部を成形するためのものである。
ポリウレタンプレポリマーは、ポリオールであるポリカプロラクトン系エステルグリコールを主鎖として、そのポリカプロラクトン系エステルグリコールの少なくとも両末端に、イソシアネートであるp−フェニレンジイソシアネートが反応したポリマーである。ポリカプロラクトン系エステルグリコールは、ε−カプロラクトンが開環重合したポリカプロラクトンのグリコールの他に、ポリカプロラクトン鎖と他のポリエステル鎖とが共重合した共重合体のグリコールを含む。ポリカプロラクトン鎖以外のポリエステル鎖としては、アジペート系ポリエステル鎖、ラクチドが開環重合したポリラクチド鎖等が挙げられる。グリコールとしては、ポリエステル鎖に付加重合可能なグリコールであれば、特に限定されず、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
そして、ポリウレタンプレポリマーは、主としてポリカプロラクトン系エステルグリコールの分子量の調整によって、成形金型への注入に適した粘度に設定されている。ポリウレタンプレポリマーを構成するポリカプロラクトン系エステルグリコールの重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、例えば200〜10000の範囲が挙げられ、その重量平均分子量は1000〜3000の範囲が好適である。この重量平均分子量が1000未満であると、所望とする物性が得られ難くなるおそれがある。一方、3000を超えると、組成物の流動性が低下することで、生産効率を高めることが困難になるおそれがある。このポリウレタンプレポリマーが、加熱や別途配合される鎖延長剤(硬化剤)の作用によって硬化されることにより、ポリウレタン樹脂を母材とするトレッド部が成形される。
ソリッドタイヤ用組成物には、必要に応じて各種安定剤、粘度調整剤、消泡剤、反応促進剤、反応遅延剤等の成分を別途含有させてもよい。なお、ポリウレタンプレポリマー以外の成分の含有量は特に限定されないが、トレッド部の物性を考慮するとソリッドタイヤ用組成物中において10質量%未満であることが好適である。
ソリッドタイヤ用組成物中に含まれる気泡は、トレッド部の物性を安定させるという観点から、ポリウレタンプレポリマーの硬化反応開始前に、十分に除去しておくことが好ましい。そうした気泡の除去、すなわち脱泡には、遠心分離の原理を利用した脱泡・混合装置や、真空中にて攪拌が可能な真空・攪拌装置を使用することができる。
トレッド部は、上述したポリウレタンプレポリマーを含む原料組成物から成形される。この原料組成物には、トレッド部の物性を制御し易いという観点から、ジオール類及びジアミン類から選ばれる少なくとも一種の鎖延長剤を含有させることが好ましい。ジオール類としては、例えば1,1,1−トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ヒドロキノンジオキシエチルエーテル等が挙げられる。ジアミン類としては、例えば2,2′,3,3′−テトラクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、ジメチルチオトルエンジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、1,4−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。上述したポリウレタンプレポリマーとの反応性に優れるため、トレッド部の物性を一層制御し易いという観点から、ジオール類としては1,4−ブタンジオール又はヒドロキノンジオキシエチルエーテルが好適であり、ジアミン類としては3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタンが好適である。これらの鎖延長剤の中でも、上述した理由から1,4−ブタンジオールが最適である。原料組成物中における鎖延長剤の含有量は、p−フェニレンジイソシアネートが有するイソシアネート基(NCO基)と、鎖延長剤が有するヒドロキシル基(OH基)又はアミノ基(NH)との当量比(当量比=[OH]/[NCO]、又は[NH]/[NCO])において、0.9〜1の範囲が好適である。なお、ポリウレタンプレポリマーと鎖延長剤との混合には、周知の攪拌機を用いることができる。
原料組成物には、必要に応じて各種安定剤、粘度調整剤、消泡剤、反応促進剤、反応遅延剤等の成分を別途含有させてもよい。なお、ポリウレタンプレポリマー以外の成分の含有量は特に限定されないが、トレッド部の物性を考慮するとソリッドタイヤ用組成物中において10質量%未満であることが好適である。
原料組成物を用いてソリッドタイヤを製造するには、ソリッドタイヤのホイールとなる芯金を金型のキャビティに挿入し、そのキャビティ内に原料組成物を注入する。なお、芯金の材質は特に限定されず、例えば鉄、アルミニウム、ステンレス鋼等が挙げられる。続いて、その金型を所定時間加熱することにより、原料組成物を硬化させる。すると、原料組成物の硬化物であるポリウレタン樹脂からトレッド部が成形されるとともに、成形されたトレッド部が芯金(ホイール)と一体化されることにより、ソリッドタイヤが得られる。
このソリッドタイヤは、円筒状のホイールと、そのホイールの外周面を被覆するトレッド部を備えて構成され、無人搬送車、フォークリフト等の産業車両の車輪、自動倉庫、立体駐車場、各種製造設備等に備えられる搬送用ローラ、ジェットコースターの車輪等の用途に利用される。このソリッドタイヤのトレッド部は、耐加水分解性が高められている。このため、例えば高湿環境下の使用に際して、トレッド部における機械的物性の経時的な低下が抑制される。さらに、このトレッド部では上述したポリオールのセグメントとイソシアネートのセグメントとによって、靭性が高められていると推測される。このため、ソリッドタイヤの走行時において、トレッド部のクラックの発生を抑制することができる。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1) ソリッドタイヤ用組成物は、ポリカプロラクトン系エステルグリコールと、p−フェニレンジイソシアネートとの反応生成物であるポリウレタンプレポリマーを含む。こうしたソリッドタイヤ用組成物から成形されたトレッド部では、靭性が高められていると推測され、ソリッドタイヤの走行時において、トレッド部に加わる外力を主要因とするクラックの発生を抑制することができる。さらに、このトレッド部では耐加水分解性を高めることができるため、例えば屋外等の水と接触する環境下や、高湿環境となる屋内等の使用に際して、トレッド部における機械的物性の経時的な低下が抑制される。ここで、トレッド部におけるクラックは、外力が主要因となって発生する場合と、機械的物性の経時的な低下が主要因となって発生する場合とがあると考えられる。本実施形態のトレッド部は、外力を主要因とするクラック及び機械的物性の低下を主要因とするクラックのいずれのクラックについても抑制効果が得られるため、ソリッドタイヤの耐久性を向上させる点において、極めて有効である。
(2) トレッド部は、ポリウレタンプレポリマーと、ジオール類及びジアミン類から選ばれる鎖延長剤の少なくとも一種とを含む原料組成物から成形することが好ましい。この場合、トレッド部の物性の制御が容易になる。
(3) ジオール類として1,4−ブタンジオール又はヒドロキノンジオキシエチルエーテル、及びジアミン類として3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタンを鎖延長剤として使用した場合、トレッド部の物性を容易に制御することができる。このため、トレッド部の物性(硬度、強度、反撥弾性等)の最適化を図ることができる。特に、鎖延長剤として1,4−ブタンジオールを用いたトレッド部は、機械的物性に優れる。
(4) 本実施形態のソリッドタイヤを成形するための原料組成物には、ポリカプロラクトン系エステルグリコールと、p−フェニレンジイソシアネートとの反応生成物であるポリウレタンプレポリマーが含まれている。このため、ポリウレタンプレポリマーとして、例えばポリテトラメチレンエーテルグリコールとトリレンジイソシアネートとの反応生成物を用いた場合よりも、転がり抵抗の小さいソリッドタイヤが得られるようになる。従って、ソリッドタイヤの走行に際して、省エネルギー化を図ることができる。その結果、産業車両、搬送用設備等のランニングコストを低減させることができる。例えば、バッテリー式のフォークリフトに上記ソリッドタイヤを装着することにより、バッテリーの消費電力が低減されるようになる結果、バッテリーの寿命を延ばすことができる。また、本実施形態のソリッドタイヤは、転がり抵抗が小さいことから、例えば自動倉庫、有人又は無人搬送車等のソリッドタイヤに適用した場合、それら自動倉庫、搬送車等を駆動する駆動源としてのモータを小型化することも可能である。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
ポリカプロラクトン系エステルグリコール(以下、「PCL」という)と、p−フェニレンジイソシアネート(以下、「PPDI」という。)との反応生成物であるポリウレタンプレポリマー(アジプレン(商品名)、LFP−2950A、クロンプトン社製)に対して鎖延長剤として1,4−ブタンジオール(以下、「1,4−BD」という。)を混合することによって原料組成物を調製した。なお、ポリウレタンプレポリマーに対する鎖延長剤の配合量は、ポリウレタンプレポリマーが有するNCO基に対する鎖延長剤が有するOH基の当量比(当量比=[OH]/[NCO])で0.95とした。
この原料組成物を金型に注入し、加熱することによって、ソリッドタイヤ及び耐加水分解性評価用の試験片を成形した。
(比較例1)
アジペート系ポリエステルグリコール(以下、「AJP」という。)と、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)との反応生成物であるポリウレタンプレポリマーを使用した以外は、実施例1と同様にして耐加水分解性評価用の試験片を成形した。
(比較例2)
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)と、トリレンジイソシアネート(TDI)との反応生成物であるポリウレタンプレポリマーを使用し、鎖延長剤として3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン(以下、「MOCA」という。)を使用した以外は、実施例1と同様にしてソリッドタイヤ及び耐加水分解性評価用の試験片を成形した。
(比較例3)
PTMEGとPPDIとの反応生成物であるポリウレタンプレポリマーを使用した以外は、実施例1と同様にしてソリッドタイヤを成形した。
(比較例4)
PTMEGとトリジンジイソシアネート(以下、「TODI」という。)を使用し、鎖延長剤としてMOCAを使用した以外は、実施例1と同様にしてソリッドタイヤを成形した。
<耐加水分解性の評価>
実施例1、比較例1,2で得られた試験片について、引張試験をJIS K 6251に準拠して行った。さらに、実施例1、比較例1,2で得られた試験片について、下記の(a)及び(b)に示される条件で加速試験をした後、その試験片について同様に引張試験を行った。引張試験の結果、及び加速試験における機械的物性の保持率を表1に示す。
(a)温度80℃、相対湿度95%の環境下において24時間保存。
(b)温度80℃、相対湿度95%の環境下において48時間保存。
Figure 2008150583
表1の結果から明らかなように、実施例1では成形直後の物性が維持されていることがわかる。この結果から、実施例1では機械的物性の低下を主要因とするクラックの発生が抑制されることがわかる。これに対して、各比較例ではポリウレタンプレポリマーにおいて、ポリオール成分及びイソシアネート成分の少なくとも一方が実施例1と異なるため、機械的物性の低下が確認されている。
<耐クラック性の評価>
実施例1、及び比較例2〜4のソリッドタイヤについて、耐クラック性の評価を行った。図1には各例のソリッドタイヤ11の形状が示されている。ソリッドタイヤ11は、ホイール12とトレッド部13とを備え、ソリッドタイヤ11の直径L1は216mm、トレッド部13の厚さL2は68mm、トレッド部13の幅L3は124mmである。図2に示すように、各例のソリッドタイヤ11に荷重Wとして1300kgを負荷させるとともに、ソリッドタイヤ11のトレッド部13を荷重によって回転ドラム21に押圧させた状態に配置する。そして、ソリッドタイヤ11の走行速度4.6km/hとなるように、回転ドラム21を回転させるとともに、その走行速度にてソリッドタイヤ11を336時間走行させた。そして、トレッド部13表面におけるクラックの有無を目視にて確認するとともに、クラックの本数をカウントした。336時間走行時にクラックが確認されないソリッドタイヤ11については、同条件で走行試験を続行し、1008時間走行させた時点で終了した。なお、回転ドラム21の外周面はクーラーで冷却されているため、トレッド部13の温度上昇は防止されている。すなわち、トレッド部13を構成するポリウレタンの加水分解が抑制される条件にて、耐クラック性の評価を実施している。従って、この耐クラック性の評価では、外力を主要因とするクラックの発生について評価される。
Figure 2008150583
表2の結果から明らかなように、実施例では1008時間走行時において、クラックは発生していない。この結果から、外力を主要因とするクラックの発生が抑制されていることがわかる。これに対して、各比較例ではポリウレタンプレポリマーにおいて、ポリオール成分及びイソシアネート成分の少なくとも一方が実施例1と異なるため、336時間走行時において、クラックが発生していた。
<消費電力の測定>
実施例1のソリッドタイヤを走行させたときの省エネルギー効果について、消費電力を測定することにより評価した。図3に示すように、ソリッドタイヤ11に所定の荷重を負荷させることによって、ソリッドタイヤ11のトレッド部13を回転ドラム21に押圧させた状態で配置する。そして、ソリッドタイヤ11を5km/hで走行させるとともに、回転ドラム21に接続されているモータ(図示せず)の消費電力を測定する。なお、ソリッドタイヤ11の寸法はφ200mm×60mmであり、トレッド部13の厚みは10mmである。また、回転ドラム21は円周1mである。ソリッドタイヤ11に負荷した荷重Wは1100kgfである。同様に、比較例2のソリッドタイヤについて、消費電力を測定した。各例のソリッドタイヤ11について消費電力の測定結果を表3に示す。
Figure 2008150583
表3の結果から明らかなように、実施例1における消費電力は、比較例2における消費電力よりも低くなっている。この結果から、実施例1のソリッドタイヤでは、省エネルギー化においても、有利であることがわかる。
耐クラック性の評価に用いたソリッドタイヤの部分断面図。 耐クラック性の評価方法を示す概略斜視図。 消費電力の測定方法を示す概略斜視図。

Claims (5)

  1. ホイールと同ホイールの外周面を被覆するトレッド部とを備えるソリッドタイヤの前記トレッド部を成形するためのソリッドタイヤ用組成物であって、
    ポリカプロラクトン系エステルグリコールと、p−フェニレンジイソシアネートとの反応生成物であるポリウレタンプレポリマーを含むことを特徴とするソリッドタイヤ用組成物。
  2. ホイールと同ホイールの外周面を被覆するトレッド部とを備えるソリッドタイヤであって、前記トレッド部はポリウレタンプレポリマーを含む原料組成物から成形されてなり、
    前記ポリウレタンプレポリマーは、ポリカプロラクトン系エステルグリコールと、p−フェニレンジイソシアネートとの反応生成物であることを特徴とするソリッドタイヤ。
  3. 前記原料組成物がジオール類及びジアミン類から選ばれる少なくとも一種の鎖延長剤を含む請求項2に記載のソリッドタイヤ。
  4. 前記ジオール類として、1,4−ブタンジオール又はヒドロキノンジオキシエチルエーテルを用いた請求項3に記載のソリッドタイヤ。
  5. 前記ジアミン類として、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタンを用いた請求項3又は請求項4に記載のソリッドタイヤ。
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