JP2008150419A - 離型フィルム用樹脂組成物及び離型フィルム - Google Patents

離型フィルム用樹脂組成物及び離型フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、有機溶剤を含有するシリコーン化合物のコーティング工程が不要となり、押出加工性に優れ、基材との接着性を悪化させることのない離型フィルム用樹脂組成物ならびに離型フィルムを提供することである。
【解決手段】オレフィン系重合体92〜99.989重量%、ポリジメチルシロキサン0.01〜7重量%、および分子内に錫および/またはチタンを含む硬化触媒0.001〜1重量%からなる離型フィルム用樹脂組成物を製造し、用いる。

Description

本発明は離型フィルム用樹脂組成物及びそれを用いてなる離型フィルムに関するものである。更に詳しくは、粘着剤などに対する優れた離型性を有し、かつ離型剤の脱離が少ない離型フィルムに関するものである。
離型フィルムは、未使用時の接着材料の接着面を保護するために接着面上に積層され、使用時には接着面を損傷することなく容易に剥離される剥離面を備えるフィルム状材料であり、粘着テープやラベルなどの台紙として広く使用されている。離型フィルムは通常、基材と、その基材の少なくとも一方の表面上に設けられた離型剤を含んでなる離型層とを備えている。基材には、紙、プラスチックフィルム等が使用され、離型剤には、シリコーン化合物、長鎖アルキル基含有化合物等が使用される。このような離型フィルムにおいて、離型剤が基材と十分密着していない場合、離型フィルムからテープやラベルを剥離した際にテープやラベルの粘着剤表面に離型剤が転写し、テープやラベルの粘着性を悪化させる場合がある。
このため、離型フィルムの製造方法としては、基材にビニル基含有ポリジメチルシロキサンなどの離型剤をコーティングした後離型剤を硬化させる方法が一般的である。しかしながら、本方法では離型剤を均一に塗布するため有機溶剤が大量に用いられることや、離型剤を硬化させる際基材が高温に晒されるため、ピンホールが発生するなどといった問題が生じていた。
このため、コーティングする方法ではなく基材となるプラスチックに離型性を付与する方法が提案されている。
そこで、本発明者は、コーティングする方法ではなく基材となるプラスチックに離型性を付与する方法として、オレフィン系重合体に特定のエポキシ当量を示すポリジメチルシロキサンを少量配合した樹脂組成物、および該オレフィン系重合体表面を酸化処理した離型フィルムを提案した(特許文献1参照)。
この方法によれば、オレフィン系重合体とポリジメチルシロキサンの密着が良好であるものの粘着剤との離型性が不十分であり、改善が望まれていた。
また、オレフィン系樹脂とビニルシラン、末端官能化シリコーン、湿気硬化触媒からなる樹脂組成物が提案されている(特許文献2参照)。
この方法は、押出機においてオレフィン系重合体にビニルシランをグラフト反応させ、シランに存在するアルコキシ基とシリコーンの末端官能基を反応させることにより、オレフィン系重合体とシリコーンの密着性を向上させるものである。しかしながらこの方法によれば、オレフィン系重合体にビニルシランをグラフト反応させるために用いる有機過酸化物により、オレフィン系重合体がゲル化しフィルム外観を損ねること、さらに押出機においてシリコーンとオレフィン系重合体がビニルシランを介して反応することにより、フィルム表面に滲出するシリコーンの量が低下し、十分な離型性を発現できないことなどの問題があった。
特開2004−297398号公報 米国特許第4978436号明細書
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、押出加工性やオレフィン系重合体とポリジメチルシロキサンの密着性を維持しながら、粘着剤との離型性を改善した離型フィルム用樹脂組成物ならびに離型フィルムを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、オレフィン系重合体に対し、ポリジメチルシロキサンと特定の硬化触媒を併用することにより、離型剤とオレフィン系重合体との密着性を維持し、且つ粘着剤との離型性を改善した離型フィルムを製造することが可能となる事を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、オレフィン系重合体92〜99.989重量%、ポリジメチルシロキサン0.01〜7重量%、および分子内に錫および/またはチタンを含む硬化触媒0.001〜1重量%からなる離型フィルム用樹脂組成物に関するものである。
さらに、本発明は、該離型フィルム用樹脂組成物を用いてなることを特徴とする離型フィルムに関するものであり、該離型フィルムの少なくとも一方の片面が、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の処理方法で酸化処理されていることを特徴とする離型フィルムに関するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明にて用いられるオレフィン系重合体は、一般的にポリオレフィン系樹脂と称されているものでよく、このようなポリオレフィン樹脂とは、エチレン、プロピレン、1−ブテンなど炭素数2〜12のα−オレフィンの単独重合体もしくは共重合体を示す。例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系重合体、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体などのプロピレン系重合体、ポリ1−ブテン、ポリ1−ヘキセン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、これらポリオレフィン樹脂は、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。このようなオレフィン系重合体の中では、エチレン系重合体が離型性、フィルム成形性、コストパフォーマンスに優れるため好ましく、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体が特に好ましい。
ここで、オレフィン系重合体の重合方法は、特に限定するものではなく、低密度ポリエチレンやエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等の場合、例えば高圧法によるラジカル重合法を挙げることができ、高密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、ポリ1−ブテン、ポリ1−ヘキセン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等の場合、チーグラーナッタ触媒やメタロセン触媒を用いた気相法、溶液法、スラリー法、高圧法等の重合法を挙げることができる。
該オレフィン共重合体は、フィルムの外観、フィルムの厚み精度を考慮すると、JIS K6922−1(1997年)によるMFRが0.1〜50g/10分であることが好ましい。JIS K6922−1(1997年)で測定した密度は、離型性等を考慮すると
880〜970kg/mが好ましく、880〜960kg/mの範囲にあるエチレン系共重合体であると、フィルム成形加工性や離型性に優れるためさらに好ましい。
本発明にて用いられるポリジメチルシロキサンは、特に限定されるものではないが、押出成形性の点から、25℃における粘度が50cSt以上を示すものが好ましい。
本発明にて用いられるポリジメチルシロキサンは側鎖および末端にメチル基を有するポリシロキサンであり、一部の側鎖および/または末端のメチル基が他の官能基で置換されたものでもよい。このような官能基は特に限定されるものではなく、ビニル基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、グリシジル基、脂環式エポキシ基、ポリエーテル基、アラルキル基、カルビノール基、メルカプト基、カルボキシル基、フェノール、水素などを例示することができる。
本発明にて用いられるポリジメチルシロキサンは、水酸基やアルコキシ基、アミノ基を分子内に含むと押出機内でポリジメチルシロキサン同士が反応してしまい離型性を悪化させる恐れがあるため、このような官能基を含まない構造であることが離型性やフィルム外観に優れるため好ましい。さらに、ポリジメチルシロキサンが下記構造式(1)で表されるものであり、Rが炭素数1以上30以下のアルキル基、フェニル基、炭素数3以上30以下のフルオロアルキル基、炭素数6以上30以下の脂肪酸アミド基、メタクリル基からなる群より選ばれる一種以上の官能基であると離型性に優れるため好ましく、なかでもメチル基、フェニル基が最も好ましい。
Figure 2008150419
(式中mは10以上の整数、nは1以上の整数である。ここで官能基Rは分子中にランダムに導入されていてもよい。)
炭素数1以上30以下のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、炭素数3以上30以下のフルオロアルキル基としてはフルオロエチル基、フルオロブチル基等、炭素数6以上30以下の脂肪酸アミド基としてはステアリン酸アミド基、オレイン酸アミド基、パルミチン酸アミド基、エルカ酸アミド基等が挙げられる。
このようなポリジメチルシロキサンとしては、メチル基以外の官能基を有さない未変性ポリジメチルシロキサン(ストレートシリコーンオイルと称されることがある)、フェニル基変性ポリジメチルシロキサン、メタクリル変性ポリジメチルシロキサン、フルオロ基変性ポリジメチルシロキサン、長鎖アルキル基変性ポリジメチルシロキサン、高級脂肪酸エステル変性ポリジメチルシロキサン、脂肪酸アミド変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、押出成形時の熱安定性からメチル基以外の官能基を有さない未変性ポリジメチルシロキサン(ストレートシリコーンオイルと称されることがある)、フェニル基変性ポリジメチルシロキサンが最も好ましい。これらのポリジメチルシロキサンは、1種を単独で用いても、また、2種以上を混合して用いてもよい。
このようなポリジメチルシロキサンは、例えば信越化学工業株式会社から商品名信越シリコーンKF−96、KF−50、KF−54等が、東レダウコーニング株式会社から商品名SH200などが市販されている。
本発明にて用いられる硬化触媒は、分子内に錫および/またはチタンを含む化合物である。この硬化触媒をオレフィン系重合体およびポリジメチルシロキサンと併用することにより、オレフィン系重合体とポリジメチルシロキサンからなるニ成分系の組成物に比べ、離型性が向上し、高価なポリジメチルシロキサンの配合量を低減することが可能となる。その作用は明らかになっていないが、フィルム表面の酸化処理によりポリジメチルシロキサンに生成した官能基を反応させ架橋させる効果があると考えられる。
本発明にて用いられる硬化触媒の具体例としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレエート、ジオクチル錫ジラウレート、オクチル酸錫などの有機錫化合物、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタンなどのアルコキシチタン系化合物、テトライソプロピルチタネートやテトラノルマルブチルチタネートなどのチタネート化合物などの有機チタン化合物が挙げられる。この中で、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレエートなどのブチル錫系化合物、ジオクチル錫ジラウレート、オクチル酸錫などのオクチル錫系化合物が離型性改良効果が高いため好ましく、中でもジオクチル錫ジラウレートが押出加工性とのバランスに優れるため特に好ましい。
本発明の離型フィルム用樹脂組成物における配合は、オレフィン系重合体92〜99.989重量%、ポリジメチルシロキサン0.01〜7重量%、および分子内に錫および/またはチタンを含む硬化触媒0.001〜1重量%であり、最も好ましくは、オレフィン系重合体94.5〜99.69重量%、ポリジメチルシロキサン0.3〜5重量%、および錫および/またはチタンを含む硬化触媒0.01〜0.5重量%である。ポリジメチルシロキサンの配合割合が0.01重量%未満の場合、離型フィルムの離型性に劣るため好ましくなく、ポリジメチルシロキサンの割合が7重量%を超える場合、押出成形不良によりフィルム外観が悪化し、場合によってはフィルムを成形することができなくなるため好ましくない。また、硬化触媒の割合が0.001重量%未満の場合、離型性を改善する効果がないため好ましくなく、硬化触媒の割合が1重量%を超える場合は、該硬化触媒のブリード過多により離型性が悪化するため好ましくない。
また、本発明の離型フィルム用樹脂組成物には、必要に応じて酸化防止剤、滑剤、中和剤、ブロッキング防止剤、界面活性剤、スリップ剤等、通常オレフィン系重合体に使用される添加剤を添加してもよい。
本発明の離型フィルム用樹脂組成物は、インフレーション成形機、Tダイキャスト成形機、カレンダー成形機、プレス成形機、押出ラミネート成形機等の公知の方法により、離型フィルムを製造することが可能である。
本発明の離型フィルムの厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、柔軟性に優れ、破損などの問題が小さいことから、1μm〜5mmの厚みであることが好ましい。
本発明の離型フィルムは、テープやラベルの粘着剤表面への離型剤転写を抑制するため、その表面の少なくとも片面が酸化されているものが好ましい。
フィルム表面を酸化する際の酸化処理方法としては、クロム酸処理、硫酸処理、空気酸化、オゾン処理、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理等が挙げられ、フィルム表面に酸化物を効果的に形成させるためコロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理が好ましい。
コロナ放電処理は、プラスチックフィルムやシート表面の連続処理技術として広く使用されているものであり、コロナ放電処理機により発生したコロナ雰囲気にフィルムを通過させることにより行われる。コロナ放電密度として、1〜100W・分/mであると、オレフィン系重合体とポリジメチルシロキサンとの密着性が向上し粘着剤の表面汚染が防止されるとともに、離型性にも優れるため好ましい。
フレーム処理は、天然ガスやプロパン等を燃焼させたときに生じる火炎にフィルム表面を接することで処理が行われる。
プラズマ処理は、アルゴン、ヘリウム、ネオン、水素、酸素、空気等の単体又は混合気体をプラズマジェットで電子的に励起せしめた後、帯電粒子を除去し、電気的に中性とした励起不活性ガスをフィルム表面に吹き付けることにより行われる。
また、本発明の離型フィルムを用い、サンドイッチ法押出ラミネート成形やドライラミネート成形、サーマルラミネート成形などの公知のラミネート方法により、積層体を製造することができる。また、本発明の離型フィルム用樹脂組成物を用い、共押出インフレーション成形や共押出Tダイキャスト成形、押出ラミネート成形や共押出ラミネート成形等によっても、積層体を製造することができる。
また積層体を構成する基材としては合成高分子フィルム又はシート、織布、不織布、紙、金属箔等が挙げられる。合成高分子フィルム又はシートとして、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成高分子からなるフィルム又はシート等が挙げられる。更に、これら高分子フィルム又はシートは、その表面がアルミニウムやアルミナ、シリカなどにより蒸着されたものでもよく、また、表面がウレタン系インキ等を用い印刷されたものであってもよい。織布、不織布としては、ポリエステルやポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂製のもの、あるいはスフなどの天然材料を原料したものが挙げられる。紙としては、クラフト紙、クルパック紙、上質紙、グラシン紙、板紙等が挙げられる。この中で、紙、又は合成樹脂及び/又は天然材料からなる織布若しくは不織布が、得られた積層体の易裁断性に優れるため好ましい。
本発明の離型フィルム用樹脂組成物を用いてなる離型フィルムは、ラベル、シール用の剥離紙やテープ等、広範囲にわたる産業用資材として極めて有用である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に、物性、加工性の測定方法と評価方法を示す。
(1)メルトマスフローレート(MFR)
JIS K6922−1(1997年)に準拠。
(2)密度
JIS K6922−1(1997年)に準拠。
(3)離型性
実施例により得られた積層体の離型フィルム側表面に巾50mm、長さ150mmのクラフト粘着テープ(ニチバン社製 商品名No.313)を貼付し、線圧5kg/cm、速度5m/分の条件でゴムロール間を通過させた後、40℃の雰囲気で7日間放置し、離型性測定用試料を得た。その後、クラフト粘着テープと離型フィルムとの剥離強度を引張試験機(島津製作所(株)社製、商品名オートグラフDCS−100)にて測定した。剥離速度は500mm/分である。
(4)再粘着性
上記離型性試験により離型フィルム表面から剥離した巾50mmのクラフト粘着テープを、アルミニウム板(東洋アルミニウム(株)製 商品名A1N30H−H18、厚み0.1mm)に5kg/cmの線圧で貼付した。23℃の雰囲気にて1日放置した後、クラフト粘着テープとアルミニウム板の接着強度を引張試験機(島津製作所製 オートグラフDCS−100)にて測定した。剥離速度は300mm/分である。粘着テープの粘着剤表面が離型フィルムにより汚染された場合、粘着テープの再粘着性が低下し、粘着テープとしての性能を損なう。すなわち、再粘着強度は高い方が好ましい。
(5)押出加工性
実施例により得られた離型フィルム用樹脂組成物ペレットを25mmΦのスクリューを有する押出ラミネーターの押出機へ供給し、305℃の温度で15分間Tダイより押出し、ダイリップに付着したメヤニの有無を観察した。
実施例1
オレフィン系重合体として、MFRが8g/10分、密度が918kg/mである低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213、以下LDPEと記す場合がある)96.95重量%、ポリジメチルシロキサンとしてストレートシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 商品名信越シリコーンKF−96、粘度10,000cSt、以下、Aと記す場合がある)を3重量%、硬化触媒としてジラウリン酸ジオクチル錫((株)ADEKA製 商品名OT−1、以下DOTLと記す場合がある)を0.05重量になるよう配合し、ニ軸押出機(東洋精機製 ラボプラストミル)にて溶融混練し離型フィルム用樹脂組成物のペレットを得た。
得られたペレットを25mmΦのスクリューを有する押出ラミネーター(プラコー(株)製)の押出機へ供給し、305℃の温度でTダイより押出し、基材として50W・分/mの条件でコロナ処理を施した上質紙(北越製紙(株)製 商品名キンマリSW 坪量50g/m)のコロナ処理面に、離型フィルム用樹脂組成物からなるTダイより押出された溶融フィルムを20μmの厚さになるようラミネートし積層体を得た後、積層体の離型フィルム用樹脂組成物表面に30W・分/mの条件でコロナ処理を施し、離型フィルムを得た。
得られた積層体を20時間40℃に保温されたオーブン中に保管した後、離型性、再粘着性、基材との接着性を測定し、その測定結果を表1に示した。
Figure 2008150419
実施例2
オレフィン系重合体としてLDPEを96.9重量%、ポリジメチルシロキサンAを3重量%、硬化触媒DOTLを0.1重量%とした以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。評価結果を表1に示した。
実施例3
オレフィン系重合体としてLDPEを96.8重量%、ポリジメチルシロキサンAを3重量%、硬化触媒DOTLを0.2重量%とした以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。評価結果を表1に示した。
比較例1
オレフィン系重合体としてLDPEを97重量%、ポリジメチルシロキサンAを3重量%とし、硬化触媒DOTLを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。評価結果を表1に示すが、剥離強度が高く離型性に劣っていた。
比較例2
オレフィン系重合体としてLDPEを95.8重量%、ポリジメチルシロキサンAを3重量%、硬化触媒DOTLを1.2重量%とした以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。評価結果を表1に示したが、剥離強度が高く離型性に劣っているばかりか、Tダイにメヤニが付着し押出加工性に劣っていた。
実施例4
ポリジメチルシロキサンとして、ストレートシリコーンオイルの代わりに、エポキシ当量3500g/mol、粘度17000cStであるエポキシ変性シリコーン(信越化学工業(株)製 商品名信越シリコーンKF−1001、以下、Bと記す場合がある)とした以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。評価結果を表2に示した。
Figure 2008150419
比較例3
オレフィン系重合体としてLDPEを97重量%、ポリジメチルシロキサンBを3重量%とし、硬化触媒DOTLを添加しなかったこと以外は実施例4と同様にして離型フィルムを得た。評価結果を表2に示すが、剥離強度が高く離型性に劣っていた。
実施例5
ポリジメチルシロキサンとして、ストレートシリコーンオイルの代わりに、メチルフェニルシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 商品名信越シリコーンKF−50、粘度3,000cSt以下、Cと記す場合がある)とした以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。評価結果を表2に示した。
比較例4
オレフィン系重合体としてLDPEを97重量%、ポリジメチルシロキサンCを3重量%とし、硬化触媒DOTLを添加しなかったこと以外は実施例5と同様にして離型フィルムを得た。評価結果を表2に示すが、剥離強度が高く離型性に劣っていた。
比較例5
オレフィン系重合体としてLDPEを99.92重量%、ポリジメチルシロキサンAを0.005重量%とし、硬化触媒DOTLを0.075重量%とした以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。評価結果を表2に示すが、剥離強度が高く離型性に劣っていた。
比較例6
オレフィン系重合体としてLDPEを91.325重量%、ポリジメチルシロキサンAを8重量%とし、硬化触媒DOTLを0.075重量%とした以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。評価結果を表3に示すが、剥離強度が高く離型性に劣っていた。
Figure 2008150419
実施例6
硬化触媒としてDOTLの代わりに、ジブチル錫オキサイド(三共有機合成化学株式会社製 商品名STANN BO、以下DBTOと記す場合がある)とした以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。評価結果を表3に示した。
実施例7
オレフィン系重合体として、LDPEの代わりに、MFRが7.5g/10分、密度が902kg/mであるエチレン・1−オクテン共重合体(ダウケミカル製 商品名アフィニティPT1450、以下LLDPEと記す場合がある)とした以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。評価結果を表3に示した。
実施例8
オレフィン系重合体として、LDPEの代わりに、MFRが20g/10分、密度が900kg/mであるポリプロピレン(日本ポリプロ製 商品名FL02、以下PPと記す場合がある)とした以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。評価結果を表3に示した。

Claims (10)

  1. オレフィン系重合体92〜99.989重量%、ポリジメチルシロキサン0.01〜7重量%、並びに分子内に錫および/またはチタンを含む硬化触媒0.001〜1重量%からなる離型フィルム用樹脂組成物。
  2. ポリジメチルシロキサンが分子中に水酸基、アルコキシ基、アミノ基を含まないことを特徴とする請求項1に記載の離型フィルム用樹脂組成物。
  3. ポリジメチルシロキサンが下記構造式で表されるものであり、Rが炭素数1以上30以下のアルキル基、フェニル基、炭素数3以上30以下のフルオロアルキル基、炭素数6以上30以下の脂肪酸アミド基及びメタクリル基からなる群より選ばれる一種以上の官能基であることを特徴とする請求項1に記載の離型フィルム用樹脂組成物。
    Figure 2008150419
    (式中mは10以上の整数、nは1以上の整数である。)
  4. ポリジメチルシロキサンが(1)式で表されるものであり、Rがメチル基、フェニル基のいずれかであることを特徴とする請求項3に記載の離型フィルム用樹脂組成物。
  5. 硬化触媒がブチル錫系化合物および/またはオクチル錫系化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の離型フィルム用樹脂組成物。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の樹脂組成物を用いてなることを特徴とする離型フィルム。
  7. 少なくとも片面が酸化処理されていることを特徴とする請求項6に記載の離型フィルム。
  8. 酸化処理が、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理から選ばれる少なくとも1種以上の処理方法であることを特徴とする請求項7に記載の離型フィルム。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の離型フィルムを少なくとも1層以上含むことを特徴とする積層体。
  10. 紙、又は合成樹脂及び/又は天然材料からなる織布若しくは不織布から選ばれる少なくとも1種以上の基材を含むことを特徴とする請求項9に記載の積層体。
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