JP2008146939A - マイクロスイッチング素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動電圧の低減を図るのに適したマイクロスイッチング素子を提供する。
【解決手段】本発明の素子X1は、固定部11と、固定部11に固定された固定端を有して延びる可動部12と、接触部13a’,13b’を有するコンタクト電極13と、コンタクト電極13の接触部13a’に対向する接触部14a’を有し且つ固定部11に接合しているコンタクト電極14Aと、コンタクト電極13の接触部13b’に対向する接触部14b’を有し且つ固定部11に接合しているコンタクト電極14Bと、可動部12上に駆動力発生領域を有する駆動機構とを備える。接触部13a’,14a’間の距離は、接触部13b’,14b’間の距離より小さい。駆動力発生領域の重心は、コンタクト電極13における接触部13a’よりも接触部13b’に近い。
【選択図】図3

Description

本発明は、MEMS技術を利用して製造される微小なスイッチング素子に関する。
携帯電話など無線通信機器の技術分野では、高機能を実現するために搭載される部品の増加などに伴い、RF回路の小型化に対する要求が高まっている。このような要求に応えるべく、回路を構成する様々な部品について、MEMS(micro-electromechanical systems)技術の利用による微小化が進められている。
そのような部品の一つとして、MEMSスイッチが知られている。MEMSスイッチは、MEMS技術により各部位が微小に形成されたスイッチング素子であり、機械的に開閉してスイッチングを実行するための少なくとも一対のコンタクトや、当該コンタクト対の機械的開閉動作を達成するための駆動機構などを有する。MEMSスイッチは、特にGHzオーダーの高周波信号のスイッチングにおいて、PINダイオードやMESFETなどよりなるスイッチング素子よりも、開状態にて高いアイソレーションを示し且つ閉状態にて低い挿入損失を示す傾向にある。これは、コンタクト対間の機械的開離により開状態が達成されることや、機械的スイッチであるために寄生容量が少ないことに、起因する。MEMSスイッチについては、例えば下記の特許文献1〜4に記載されている。
特開2004‐1186号公報 特開2004‐311394号公報 特開2005‐293918号公報 特表2005‐528751号公報
図21から図25は、従来のマイクロスイッチング素子の一例であるマイクロスイッチング素子X4を表す。図21は、マイクロスイッチング素子X4の平面図であり、図22は、マイクロスイッチング素子X4の一部省略平面図である。図23から図25は、各々、図21の線XXIII−XXIII、線XXIV−XXIV、および線XXV−XXVに沿った断面図である。
マイクロスイッチング素子X4は、ベース基板S4と、固定部41と、可動部42と、コンタクト電極43と、一対のコンタクト電極44A,44B(図22において省略)と、駆動電極45と、駆動電極46(図22において省略)とを備える。
固定部41は、図23から図25に示すように、境界層47を介してベース基板S4に接合している。固定部41およびベース基板S4は単結晶シリコンよりなり、境界層47は二酸化シリコンよりなる。
可動部42は、例えば図22および図25に表れているように、固定部41に固定された固定端42aと自由端42bとを有してベース基板S4に沿って延び、スリット48を介して固定部41に囲まれている。また、可動部42は単結晶シリコンよりなる。
コンタクト電極43は、図22によく表れているように可動部42の自由端42b近くに設けられている。コンタクト電極44A,44Bの各々は、図23および図25に示すように、固定部41上に立設されており、且つ、コンタクト電極43に対向する部位を有する。また、コンタクト電極44A,44Bは、所定の配線(図示略)を介してスイッチング対象の所定の回路に接続されている。コンタクト電極43,44A,44Bは所定の導電材料よりなる。
駆動電極45は、図22によく表れているように、可動部42上および固定部41上にわたって設けられている。駆動電極46は、図24によく表れているように、その両端が固定部41に接合して駆動電極45の上方を跨ぐように立設されている。また、駆動電極46は、所定の配線(図示略)を介してグランド接続されている。駆動電極45,46は所定の導電材料よりなる。このような駆動電極45,46は、マイクロスイッチング素子X4における駆動機構を構成し、図22に示すように、可動部42上に駆動力発生領域R’を有する。この駆動力発生領域R’は、図24によく表れているように、駆動電極45において駆動電極46に対向する領域である。
このような構成のマイクロスイッチング素子X4において、駆動電極45に電位を付与すると、駆動電極45,46間には静電引力が発生する。付与電位が充分に高い場合、ベース基板S4に沿って延びる可動部42は、コンタクト電極43が両コンタクト電極44A,44Bに当接するまで弾性変形する。このようにして、マイクロスイッチング素子X4の閉状態が達成される。閉状態においては、コンタクト電極43により一対のコンタクト電極44A,44Bが電気的に橋渡しされ、電流が当該コンタクト電極44A,44B間を通過することが許容される。このようにして、例えば高周波信号のオン状態を達成することができる。
一方、閉状態にあるマイクロスイッチング素子X4において、駆動電極45に対する電位付与を停止することによって駆動電極45,46間に作用する静電引力を消滅させると、可動部42はその自然状態に復帰し、コンタクト電極43は、両コンタクト電極44A,44Bから離隔する。このようにして、図23および図25に示すような、マイクロスイッチング素子X4の開状態が達成される。開状態では、一対のコンタクト電極44A,44Bが電気的に分離され、電流が当該コンタクト電極44A,44B間を通過することは阻まれる。このようにして、例えば高周波信号のオフ状態を達成することができる。
マイクロスイッチング素子X4においては、上述の閉状態を実現するために駆動電極45に付与すべき電位、即ち駆動電圧は、大きい場合が多い。その理由は、以下のとおりである。
マイクロスイッチング素子X4の製造過程において、コンタクト電極43は、可動部42上、ないし、材料基板における可動部形成予定箇所上にて、薄膜形成技術を利用して形成される。具体的には、コンタクト電極43の形成においては、スパッタリングや蒸着法などによって所定面上に所定の導電材料が成膜された後、当該膜がパターニングされる。薄膜形成技術を利用して形成されるコンタクト電極43には、所定の内部応力が発生しやすい。この内部応力が発生すると、可動部42においてコンタクト電極43が接合する箇所およびその近傍は、コンタクト電極43とともに、例えば図26(a)や図26(b)に誇張して示すように変形することとなる。このような変形が生じると、非駆動時ないし開状態において、多くの場合、コンタクト電極43,44A間の距離と、コンタクト電極43,44B間の距離とは、異なる。
図27は、マイクロスイッチング素子X4が開状態から閉状態に至る過程の一例を表す。図27の(a)〜(c)は、各々、コンタクト電極43とコンタクト電極44Aの接離箇所およびその近傍の部分拡大断面、並びに、コンタクト電極43とコンタクト電極44Bの接離箇所およびその近傍の部分拡大断面を含む。
図27(a)に示す開状態、即ち、コンタクト電極43,44A間の距離がコンタクト電極43,44B間の距離より小さい開状態において、駆動電極45,46間に印加する電圧を0Vから次第に増大させると、駆動電極45,46間の静電引力も次第に増大する。この静電引力の作用により、ベース基板S4に沿って延びる可動部42は部分的に弾性変形し、所定の電圧V11にて、図27(b)に示すようにコンタクト電極43,44A間が閉じる。図27(a)に示す開状態から図27(b)に示す中間状態に至るまでのこのような過程(第1過程)では、可動部42において、図22に示す駆動力発生領域R’に対応する箇所から固定端42aまでの間が、主に曲げ変形する。また、この第1過程では、可動部42の固定端42aを支点ないし固定軸とし、且つ、駆動電極45において駆動電極46に対向する図22に示す領域(駆動力発生領域R’)の重心C’を力点として、可動部42に力が作用する、とみなすことができる。
図27(b)に示すようにコンタクト電極43,44A間が閉じた後、駆動電極45,46間に印加する電圧を更に増大させると、駆動電極45,46間の静電引力も更に増大し、所定の電圧V12(>V11)にて、図27(c)に示すようにコンタクト電極43,44B間が閉じる。図27(b)に示す中間状態から図27(c)に示す閉状態に至るまでのこのような過程(第2過程)では、可動部42において、駆動力発生領域R’に対応する箇所から固定端42aまでの間が、主に捩り変形する。また、この第2過程では、可動部42の固定端42aとコンタクト電極43,44A間の接触箇所とを図22に示すように通る仮想線F’を固定軸ないし回転軸とし、且つ、駆動力発生領域R’の重心C’を力点として、可動部42に力が作用する、とみなすことができる。
一方、コンタクト電極43,44A間の距離がコンタクト電極43,44B間の距離より大きい開状態をとるマイクロスイッチング素子X4において閉状態が実現される過程では、コンタクト電極43,44B間が閉じた後に、コンタクト電極43,44A間が閉じることとなる。
マイクロスイッチング素子X4の閉状態を実現するためには、例えば上述のように、開状態から図27(b)に示す中間状態に至るまでの第1過程と、この中間状態から図27(c)に示す閉状態に至るまでの第2過程とを経なければならない。第1過程と第2過程とでは、可動部42の変形の態様ないしモードが異なる。第1過程の変形モードでは、可動部42の固定端42aが支点ないし固定軸であり、当該固定軸と駆動力発生領域R’の重心C’(力点)との間の距離は比較的長い。そのため、第1過程では、比較的小さな駆動電圧V11ないし静電引力により、可動部42が変形するのに必要なモーメントが例えば重心C’に発生する。これに対し、第2過程の変形モードでは、可動部42の固定端42aとコンタクト電極43,44A間の接触箇所とを図22に示すように通る仮想線F’が固定軸ないし回転軸であり、当該軸(仮想線F’)と駆動力発生領域R’の重心C’(力点)との間の距離は相当程度に短い。そのため、コンタクト電極43,44B間が閉じるまで第2過程の変形モードで可動部42を変形させるのに充分なモーメント間を重心C’に発生させるためには、相当程度に大きな駆動電圧V12を駆動電極45,46に印加することにより、相当程度に大きな静電引力を駆動電極45,46間に発生させる必要がある。
以上のように、従来のマイクロスイッチング素子X4では、コンタクト電極43,44A間の距離とコンタクト電極43,44B間の距離とが異なる場合が多く、且つ、その場合には、上述の第2過程における仮想線F’(固定軸)と駆動力発生領域R’の重心C’(力点)との間の距離が相当程度に短い。したがって、マイクロスイッチング素子X4においては、両コンタクト電極44A,44B共にコンタクト電極43が接触する閉状態を実現するのに要する電圧(駆動電圧)は、大きい場合が多いのである。
本発明は、以上のような事情の下で考え出されたものであり、駆動電圧の低減を図るのに適したマイクロスイッチング素子を提供することを、目的とする。
本発明の第1の側面により提供されるマイクロスイッチング素子は、固定部と、可動部と、可動コンタクト電極と、第1固定コンタクト電極と、第2固定コンタクト電極と、駆動機構とを備える。固定部は、例えば、支持基板に固定された部位である。可動部は、第1面および当該第1面とは反対の第2面を有し、且つ、固定部に固定された固定端を有して例えば支持基板に沿って延びる。可動コンタクト電極は、固定端から離隔して可動部の第1面上に設けられ、且つ、当該離隔の方向とは交差する方向に離隔する第1接触部および第2接触部を有する。第1固定コンタクト電極は、可動コンタクト電極の第1接触部に対向する第3接触部を有し、且つ、固定部に接合している。第2固定コンタクト電極は、可動コンタクト電極の第2接触部に対向する第4接触部を有し、且つ、固定部に接合している。駆動機構は、所定の態様で電圧が印加されることにより駆動力を発生させるためのものであり、可動部の第1面上に駆動力発生領域を有する。本素子の非駆動時ないし開状態において、第1接触部と第3接触部の間の距離(第1の距離)は、第2接触部と第4接触部の距離(第2の距離)よりも小さい。また、駆動力発生領域の重心は、可動コンタクト電極における第1接触部よりも第2接触部に近い。
このような構成のマイクロスイッチング素子においては、可動コンタクト電極が第1固定コンタクト電極にも第2固定コンタクト電極にも接触するように、駆動機構の駆動力発生領域にて充分に大きな駆動力を発生させて可動部を変形させることにより、閉状態(スイッチ オン状態)を実現することができる。閉状態においては、可動コンタクト電極により一対の固定コンタクト電極が電気的に橋渡しされ、電流が固定コンタクト電極間を通過することが許容される。非駆動時ないし開状態において第1の距離が第2の距離よりも小さいという上述の構成は、本素子の閉状態を実現する過程において、可動コンタクト電極の第1接触部を第2接触部よりも先に固定コンタクト電極に当接させるうえで、好適である。
また、本素子の駆動過程では、可動コンタクト電極の第1接触部が第1固定コンタクト電極の第3接触部に当接し且つ可動コンタクト電極の第2接触部が第2固定コンタクト電極の第4接触部に当接していない状態において、本素子にて充分に大きな駆動力が発生していると、第1接触部および第3接触部の接触箇所と可動部の固定端とを通る仮想線を固定軸ないし回転軸とし、且つ、駆動力発生領域の重心を力点として、可動部に駆動力が作用する、とみなすことができるところ、駆動機構の駆動力発生領域の重心が可動コンタクト電極の第1接触部よりも第2接触部に近いという上述の構成は、駆動力発生領域の重心(力点)と当該軸との間において長い距離を確保するうえで好ましい。駆動力発生領域の重心(力点)と当該軸との間の距離が長いほど、可動コンタクト電極(第2接触部)と第2固定コンタクト電極(第4接触部)の間が閉じるまで可動部が変形する過程において駆動力発生領域の重心にて大きなモーメントを発生させやすく、閉状態を実現するうえで駆動機構にて発生させる必要のある最小駆動力は小さい。この最小駆動力が小さいほど、閉状態を実現するうえで駆動機構に印加する必要のある最小電圧は小さい。
したがって、可動コンタクト電極の第1接触部が第1固定コンタクト電極の第3接触部に当接し且つ可動コンタクト電極の第2接触部が第2固定コンタクト電極の第4接触部に当接していない状態において、駆動力発生領域の重心(力点)と上記の軸との間に長距離を確保するうえで好ましい本マイクロスイッチング素子は、閉状態を実現するうえで駆動機構に印加すべき駆動電圧を低減するのに好適なのである。
本発明の第1の側面において、可動コンタクト電極は第1突起部および第2突起部を有し、当該第1突起部は前記の第1接触部を含み、当該第2突起部は前記の第2接触部を含む。この場合、第1突起部の突出長さと第2突起部の突出長さとは同じであってもよいが、好ましくは、第1突起部の突出長さは、第2突起部の突出長さより大きい。これらの構成は、本素子の閉状態を実現する過程において、可動コンタクト電極の第2接触部を第2固定コンタクト電極の第4接触部に当接させるよりも先に、可動コンタクト電極の第1接触部を第1固定コンタクト電極の第3接触部に当接させるうえで、好適である。
好ましくは、第1固定コンタクト電極は第3突起部を含み、当該第3突起部は前記の第3接触部を含み、且つ、第2固定コンタクト電極は第4突起部を含み、当該第4突起部は前記の第4接触部を含む。この場合、第3突起部の突出長さと第4突起部の突出長さとは同じであってもよいが、好ましくは、第3突起部の突出長さは、第4突起部の突出長さより大きい。これらの構成は、本素子の閉状態を実現する過程において、可動コンタクト電極の第2接触部を第2固定コンタクト電極の第4接触部に当接させるよりも先に、可動コンタクト電極の第1接触部を第1固定コンタクト電極の第3接触部に当接させるうえで、好適である。
好ましくは、本素子の非駆動時ないし開状態において、可動コンタクト電極の第1接触部と第1固定コンタクト電極の第3接触部との間の距離は0である。この場合、第1接触部と第3接触部とは接合していてもよい。このような構成は、本素子の非駆動時ないし開状態における、可動部上の可動コンタクト電極の、両固定コンタクト電極に対する配向のばらつき、を抑制するうえで好適である。当該ばらつき抑制は、駆動電圧を低減するのに資する。
好ましくは、可動部の固定端と可動コンタクト電極の第1接触部との間の距離、および、固定端と第2接触部との間の距離は、異なる。例えば、固定端と第2接触部との間の距離は、固定端と第1接触部との間の距離より小さい。また、可動部は屈曲構造を有してもよい。好ましくは、固定端の長さを2等分する点と、第1接触部および第2接触部の間を2等分する点とを通る仮想線よりも、第2接触部寄りに、駆動力発生領域の重心は位置する。これらの構成は、可動部上の駆動力発生領域の重心(力点)と上述の固定軸ないし回転軸との間において長い距離を確保するうえで好ましい。
本発明の第2の側面により提供されるマイクロスイッチング素子は、固定部と、可動部と、可動コンタクト電極と、第1固定コンタクト電極と、第2固定コンタクト電極と、駆動機構とを備える。固定部は、例えば、支持基板に固定された部位である。可動部は、第1面および当該第1面とは反対の第2面を有し、且つ、固定部に固定された固定端を有して延びる。可動コンタクト電極は、固定端から離隔して可動部の第1面上に設けられ、且つ、当該離隔の方向とは交差する方向に離隔する接触部および接合部を有する。第1固定コンタクト電極は、可動コンタクト電極の接合部と接合する部位を有し、且つ、固定部に接合している。第2固定コンタクト電極は、可動コンタクト電極の接触部に対向する部位を有し、且つ、固定部に接合している。駆動機構は、所定の態様で電圧が印加されることにより駆動力を発生させるためのものであり、可動部の第1面上に駆動力発生領域を有する。また、駆動力発生領域の重心は、可動コンタクト電極における接合部よりも接触部に近い。
このような構成のマイクロスイッチング素子においては、可動コンタクト電極の接触部が第2固定コンタクト電極に接触するように、駆動機構の駆動力発生領域にて充分に大きな駆動力を発生させて可動部を変形させることにより、閉状態(スイッチ オン状態)を実現することができる。閉状態においては、可動コンタクト電極により一対の固定コンタクト電極が電気的に橋渡しされ、電流が固定コンタクト電極間を通過することが許容される。
可動コンタクト電極の接合部が第1固定コンタクト電極と接合し且つ接触部が第2固定コンタクト電極に当接していない状態において本素子にて上述の駆動力を発生させると、接合部および第1固定コンタクト電極の接合箇所と可動部の固定端とを通る仮想線を固定軸ないし回転軸とし、且つ、駆動力発生領域の重心を力点として、可動部に駆動力が作用する、とみなし得るように動作するところ、駆動機構の駆動力発生領域の重心が可動コンタクト電極の接合部よりも接触部に近いという上述の構成は、駆動力発生領域の重心(力点)と当該軸との間において長い距離を確保するうえで好ましい。駆動力発生領域の重心(力点)と当該軸との間の距離が長いほど、可動コンタクト電極と第2固定コンタクト電極が閉じるまで可動部が変形する過程において駆動力発生領域の重心にて大きなモーメントを発生させやすく、閉状態を実現するうえで駆動機構にて発生させる必要のある最小駆動力は小さい。この最小駆動力が小さいほど、閉状態を実現するうえで駆動機構に印加する必要のある最小電圧は小さい。
したがって、可動コンタクト電極の接合部が第1固定コンタクト電極と接合し且つ接触部が第2固定コンタクト電極に当接していない状態において、駆動力発生領域の重心(力点)と固定軸(仮想線)との間に長距離を確保するうえで好ましい本マイクロスイッチング素子は、閉状態を実現するうえで駆動機構に印加すべき駆動電圧を低減するのに好適なのである。
本発明の第2の側面において、好ましくは、可動部の固定端と可動コンタクト電極の接合部との距離、および、可動部の固定端と接触部との距離は、異なる。可動部は屈曲構造を有してもよい。好ましくは、固定端の長さを2等分する点と、接触部および接合部の間を2等分する点とを通る仮想線よりも、接触部寄りに、駆動力発生領域の重心は位置する。可動部と当該可動部上の可動コンタクト電極の形状とに関するこれらの構成は、可動部上の駆動力発生領域の重心(力点)と上述の固定軸ないし回転軸との間において長い距離を確保するうえで好ましい。
本発明の第1および第2の側面における好ましい実施の形態では、駆動機構は、可動部の第1面上に設けられた可動駆動電極と、可動駆動電極に対向する部位を有し且つ固定部に接合している固定駆動電極と、を含む。本発明に係るマイクロスイッチング素子は、静電駆動型として構成するのが好ましい。
本発明の第1および第2の側面における他の好ましい実施の形態では、駆動機構は、可動部の第1面上に設けられた第1電極膜と、第2電極膜と、当該第1および第2電極膜の間に介在する圧電膜とからなる積層構造を含む。本発明のマイクロスイッチング素子は、圧電駆動型として構成されてもよい。
本発明の第1および第2の側面における他の好ましい実施の形態では、駆動機構は、熱膨張率の異なる複数の材料膜からなる積層構造を含む。本発明のマイクロスイッチング素子は、熱駆動型として構成されてもよい。
図1から図5は、本発明の第1の実施形態に係るマイクロスイッチング素子X1を表す。図1は、マイクロスイッチング素子X1の平面図であり、図2は、マイクロスイッチング素子X1の一部省略平面図である。図3から図5は、各々、図1の線III−III、線IV−IV、および線V−Vに沿った断面図である。
マイクロスイッチング素子X1は、ベース基板S1と、固定部11と、可動部12と、コンタクト電極13と、一対のコンタクト電極14A,14B(図2において省略)と、駆動電極15と、駆動電極16(図2において省略)とを備える。
固定部11は、図3から図5に示すように、境界層17を介してベース基板S1に接合している。また、固定部11は、単結晶シリコンなどのシリコン材料よりなる。固定部11を構成するシリコン材料は、1000Ω・cm以上の抵抗率を有するのが好ましい。境界層17は例えば二酸化シリコンよりなる。
可動部12は、例えば図1、図2、または図5に表れているように、第1面12aおよび第2面12bを有し、固定部11に固定された固定端12cと自由端12dとを有してベース基板S1に沿って延び、スリット18を介して固定部11に囲まれている。可動部12について図3および図4に示す厚さTは例えば15μm以下である。また、可動部12について、図2に示す長さL1は例えば650〜1000μmであり、長さL2は例えば
200〜400μmである。スリット18の幅は例えば1.5〜2.5μmである。可動部12は、例えば単結晶シリコンよりなる。
コンタクト電極13は、本発明における可動コンタクト電極であり、図2によく表れているように、可動部12の第1面12a上にて自由端12d近くに設けられている(即ち、コンタクト電極13は可動部12の固定端12cから離隔して設けられている)。また、コンタクト電極13は接触部13a’,13b’を有する。接触部13a’はコンタクト電極14Aと接触可能な箇所であり、接触部13b’はコンタクト電極14Bと接触可能な箇所である。図2においては、図の明確化の観点より、接触部13a’,13b’を黒ベタで表す。コンタクト電極13の厚さは例えば0.5〜2.0μmである。このような厚さ範囲は、コンタクト電極13の低抵抗化を図るうえで好ましい。コンタクト電極13は、所定の導電材料よりなり、例えば、Mo下地膜とその上のAu膜とからなる積層構造を有する。
コンタクト電極14A,14Bは、本発明における第1および第2固定コンタクト電極であり、図3や図5に示すように、固定部11上に立設されており且つ突起部14a,14bを有する。突起部14aの先端は、コンタクト電極13内の図2に示す接触部13a’に対向する接触部14a’をなす。突起部14bの先端は、コンタクト電極13内の図2に示す接触部13b’に対向する接触部14b’をなす。図6(a)に示すように、突起部14aの突出長さL3は、突起部14bの突出長さL4より大きい。例えば、突出長さL3は1〜4μmであり、突出長さL4は、突出長さL3より小さい限りにおいて0.8〜3.8μmである。本素子の非駆動時ないし開状態において、突起部14aないし接触部14a’とコンタクト電極13ないし接触部13a’との間の距離は、突起部14bないし接触部14b’とコンタクト電極13ないし接触部13b’との間の距離より、小さい。本素子の非駆動時ないし開状態における突起部14aないし接触部14a’と接触部13a’との間の距離は、例えば0.1〜2μmであり、突起部14bないし接触部14b’と接触部13b’との間の距離は、例えば0.2〜3μmである。また、各コンタクト電極14A,14Bは、所定の配線(図示略)を介してスイッチング対象の所定の回路に接続されている。コンタクト電極14A,14Bの構成材料としては、コンタクト電極13の構成材料と同一のものを採用することができる。
駆動電極15は、図2によく表れているように可動部12上および固定部11上にわたって設けられている。駆動電極15の厚さは例えば0.5〜2μmである。駆動電極15の構成材料としては、Auを採用することができる。
駆動電極16は、駆動電極15との間に静電引力(駆動力)を発生させるためのものであり、図4によく表れているように、その両端が固定部11に接合して駆動電極15の上方を跨ぐように立設されている。駆動電極16の厚さは例えば15μm以上である。また、駆動電極16は、所定の配線(図示略)を介してグラウンド接続されている。駆動電極16の構成材料としては、駆動電極15の構成材料と同一のものを採用することができる。
駆動電極15,16は、本発明における駆動機構を構成し、図2に示すように、可動部12の第1面12a上に駆動力発生領域Rを有する。本実施形態の駆動力発生領域Rは、図4によく表れているように、駆動電極15において駆動電極16に対向する領域である。
マイクロスイッチング素子X1は、図2によく表れているように、可動部12の形状について非対称性を有する。例えば、可動部12の固定端12cとコンタクト電極13の接触部13a’を通る仮想線F1に対して、コンタクト電極13の接触部13b’と同じ側に可動部12の重心が位置するように、可動部12は非対称な形状を有する。また、マイクロスイッチング素子X1は、可動部12の形状に加え、コンタクト電極13の接触部13a’,13b’の配置(従って、コンタクト電極14A,14Bの接触部14a’,14b’の配置)、および、駆動電極15,16により構成される駆動機構における駆動力発生領域Rの配置について、非対称性を有する。例えば、駆動力発生領域Rの重心Cは、コンタクト電極13の接触部13a’よりも接触部13b’に近い。可動部12の固定端12cとコンタクト電極13の接触部13a’との間の距離より、固定端12cとコンタクト電極13の接触部13b’との間の距離は長い。可動部12の固定端12cの長さを2等分する点P1と、コンタクト電極13における接触部13a’,13b’間を2等分する点P2とを通る仮想線F2よりも、接触部13b’寄りに、駆動力発生領域Rの重心Cは位置する。
このような構成のマイクロスイッチング素子X1において、駆動電極15に電位を付与すると、駆動電極15,16間には静電引力が発生する。付与電位が充分に高い場合、可動部12は、コンタクト電極13が一対のコンタクト電極14A,14Bないし一対の突起部14a,14bに当接する位置まで弾性変形する。このようにして、マイクロスイッチング素子X1の閉状態が達成される。閉状態においては、コンタクト電極13により一対のコンタクト電極14A,14Bが電気的に橋渡しされ、電流がコンタクト電極14A,14B間を通過することが許容される。このようにして、例えば高周波信号のオン状態を達成することができる。
図6は、マイクロスイッチング素子X1が開状態から閉状態に至る過程の一例を表す。図6の(a)〜(c)は、各々、コンタクト電極14Aの突起部14aおよびその近傍の部分拡大断面、並びに、コンタクト電極14Bの突起部14bおよびその近傍の部分拡大断面を含む。
図6(a)に示すように、マイクロスイッチング素子X1の非駆動時ないし開状態においては、コンタクト電極13,14A間(即ち接触部13a’,14a’間)の距離がコンタクト電極13,14B間(即ち接触部13b’,14b’間)の距離より小さい。このような開状態において、駆動電極15,16間に印加する電圧を0Vから次第に増大させると、駆動電極15,16間の静電引力も次第に増大する。この静電引力の作用により、ベース基板S1に沿って延びる可動部12は部分的に弾性変形し、所定の電圧V1にて、図6(b)に示すようにコンタクト電極13,14A間(即ち接触部13a’,14a’間)が閉じる。マイクロスイッチング素子X1では、コンタクト電極14Bの突起部14bよりも先にコンタクト電極14Aの突起部14aにコンタクト電極13が当接するように、突起部14aの突出長さL3は、突起部14bの突出長さL4よりも充分に大きく設定されている。図6(a)に示す開状態から図6(b)に示す中間状態に至るまでのこのような過程(第1過程)では、可動部12において、駆動力発生領域Rに対応する箇所から固定端12cまでの間が、主に曲げ変形する。また、この第1過程では、可動部12の固定端12cを支点ないし固定軸とし、且つ、駆動電極15において駆動電極16に対向する領域(駆動力発生領域R)の重心Cを力点として、可動部12に力が作用する、とみなすことができる。
図6(b)に示すようにコンタクト電極13,14A間が閉じた後、駆動電極15,16間に印加する電圧を更に増大させると、駆動電極15,16間の静電引力も更に増大し、所定の電圧V2(>V1)にて、図6(c)に示すようにコンタクト電極13,14B間(即ち接触部13b’,14b’間)が閉じる。図6(b)に示す中間状態から図6(c)に示す閉状態に至るまでのこのような過程(第2過程)では、可動部12において、駆動力発生領域Rに対応する箇所から固定端12cまでの間が、主に捩り変形する。また、この第2過程では、可動部12の固定端12cとコンタクト電極13,14A間の接触箇所とを図2に示すように通る仮想線F1を固定軸ないし回転軸とし、且つ、駆動力発生領域Rの重心Cを力点として、可動部12に力が作用する、とみなすことができる。
マイクロスイッチング素子X1において閉状態を実現するうえでは、このように、開状態から図6(b)に示す中間状態に至るまでの第1過程と、この中間状態から閉状態に至るまでの第2過程とを経る。
第1過程と第2過程とでは、可動部12の変形の態様ないしモードが異なる。第1過程の変形モードでは、可動部12の固定端12cが支点ないし固定軸であり、当該軸と駆動力発生領域Rの重心C(力点)との間の距離は比較的長い。そのため、第1過程では、比較的小さな駆動電圧V1ないし静電引力により、可動部12が変形するのに必要なモーメントが重心Cに発生する。
続く第2過程の変形モードでは、可動部12の固定端12cとコンタクト電極13,14A間の接触箇所とを図2に示すように通る仮想線F1を固定軸ないし回転軸とし、且つ、駆動力発生領域Rの重心Cを力点として、可動部12に駆動力が作用する、とみなすことができるところ、駆動力発生領域Rの重心Cがコンタクト電極13の接触部13a’よりも接触部13b’に近いという構成は、駆動力発生領域Rの重心C(力点)と当該軸(仮想線F1)との間において長い距離を確保するうえで好ましい。駆動力発生領域Rの重心C(力点)と当該軸との間の距離が長いほど、コンタクト電極13とコンタクト電極14B(突起部14b,接触部14b’)の間が閉じるまで可動部12が変形する過程において駆動力発生領域Rの重心Cにて大きなモーメントを発生させやすく、閉状態を実現するうえで駆動機構(駆動電極15,16)にて発生させる必要のある最小駆動力(最小静電引力)は小さい。この最小駆動力が小さいほど、閉状態を実現するうえで駆動機構に印加する必要のある最小電圧は小さい。したがって、マイクロスイッチング素子X1は、閉状態を実現するうえで駆動機構に印加すべき駆動電圧を低減するのに好適である。
一方、図6(c)に示す閉状態にあるマイクロスイッチング素子X1において、駆動電極15に対する電位付与を停止することによって駆動電極15,16の間に作用する静電引力を消滅させると、可動部12はその自然状態に復帰し、コンタクト電極13は、両コンタクト電極14A,14Bから離隔する。このようにして、図3および図5に示すような、マイクロスイッチング素子X1の開状態が達成される。開状態では、一対のコンタクト電極14A,14Bが電気的に分離され、電流がコンタクト電極14A,14B間を通過することは阻まれる。このようにして、例えば高周波信号のオフ状態を達成することができる。また、このような開状態にあるマイクロスイッチング素子X1については、上述した閉状態実現手法より再び閉状態に切り替えることが可能である。
以上のように、マイクロスイッチング素子X1においては、両コンタクト電極14A,14Bに対してコンタクト電極13が接触している閉状態と、両コンタクト電極14A,14Bからコンタクト電極13が離隔している開状態とを選択的に切り替えることができる。また、マイクロスイッチング素子X1は、上述のように、閉状態実現過程に係る駆動電圧を低減するのに適する。
マイクロスイッチング素子X1は、上述のように、可動部12の形状、コンタクト電極13の接触部13a’,13b’の配置(従って、コンタクト電極14A,14Bの接触部14a’,14b’の配置)、および、駆動電極15,16により構成される駆動機構における駆動力発生領域Rの配置について、非対称性を有する。例えば、可動部12の固定端12cとコンタクト電極13の接触部13a’を通る仮想線F1に対して、コンタクト電極13の接触部13b’と同じ側に可動部12の重心が位置するように、可動部12は非対称な形状を有する。駆動力発生領域Rの重心Cは、コンタクト電極13の接触部13a’よりも接触部13b’に近い。可動部12の固定端12cとコンタクト電極13の接触部13a’との間の距離より、固定端12cとコンタクト電極13の接触部13b’との間の距離は長い。可動部12の固定端12cの長さを2等分する点P1と、コンタクト電極13における接触部13a’,13b’間を2等分する点P2とを通る仮想線F2よりも、接触部13b’寄りに、駆動力発生領域Rの重心Cは位置する。非対称性に係るこれらの構成は、可動部12上の駆動力発生領域Rの重心C(力点)と上述の固定軸(仮想線F1)との間において長い距離を確保するうえで好ましい。
可動部12は、図7(a)に示すような屈曲構造を有してもよい。図7(a)に示す可動部12は、固定端12cにて固定部11に直接固定され且つ可動部12の主延び方向Mに対して直交する方向に延びる部位12Aを有する。
このような屈曲構造を可動部12が有する場合、図6(b)に示す中間状態から図6(c)に示す閉状態に至るまでの第2過程では、固定端12cにて固定部11に固定されている部位12Aが主に、図7(b)において矢印A1にて示すように、曲げ変形する。また、このような第2過程では、可動部12の固定端12cとコンタクト電極13,14A間の接触箇所とを通る仮想線を固定軸ないし回転軸とし、且つ、駆動力発生領域Rの重心Cを力点として、可動部12に力が作用する、とみなすことができる。
可動部12において駆動力発生領域Rに対応する箇所から固定端12cまでの間が捩り変形する、可動部12が図2に示す形状を有する場合の上述の第2過程よりも、部位12Aが曲げ変形する本変形例の第2過程の方が、駆動機構(駆動電極15,16)にて発生すべき駆動力は小さい傾向にある。このように、本変形例の可動部12の屈曲構造は、マイクロスイッチング素子X1において閉状態を実現するうえで駆動機構に印加すべき駆動電圧を低減するのに資する。
可動部12は、図8(a)に示すような屈曲構造を有してもよい。図8(a)に示す可動部12は、固定端12cにて固定部11に直接固定され且つ可動部12の主延び方向Mと交差する方向に延びる部位12Bを有する。
このような屈曲構造を可動部12が有する場合、図6(b)に示す中間状態から図6(c)に示す閉状態に至るまでの第2過程では、固定端12cにて固定部11に固定されている部位12Bが主に、図8(b)において矢印A2にて示すように、曲げ変形する。また、このような第2過程では、可動部12の固定端12cとコンタクト電極13,14A間の接触箇所とを通る仮想線を固定軸ないし回転軸とし、且つ、駆動力発生領域Rの重心Cを力点として、可動部12に力が作用する、とみなすことができる。
可動部12において駆動力発生領域Rに対応する箇所から固定端12cまでの間が捩り変形する、可動部12が図2に示す形状を有する場合の上述の第2過程よりも、部位12Bが曲げ変形する本変形例の第2過程の方が、駆動機構(駆動電極15,16)にて発生すべき駆動力は小さい傾向にある。また、本変形例では、図7に示す変形例よりも、駆動力発生領域Rの重心C(力点)と第2過程での固定軸ないし回転軸との間において、長い距離を確保しやすい。駆動力発生領域Rの重心C(力点)と当該軸との間の距離が長いほど、コンタクト電極13とコンタクト電極14B(突起部14b,接触部14b’)の間が閉じるまで可動部12が変形する過程において駆動力発生領域Rの重心Cにて大きなモーメントを発生させやすく、閉状態を実現するうえで駆動機構(駆動電極15,16)にて発生させる必要のある最小駆動力(最小静電引力)は小さい。このように、本変形例の可動部12の屈曲構造は、マイクロスイッチング素子X1において閉状態を実現するうえで駆動機構に印加すべき駆動電圧を低減するのに資する。
図9から図12は、マイクロスイッチング素子X1の製造方法を、図3内の部分断面および図4内の部分断面に相当する断面の変化として表す。本方法においては、まず、図9(a)に示すような材料基板S1’を用意する。材料基板S1’は、SOI(silicon on insulator)基板であり、第1層21、第2層22、および、これらの間の中間層23よりなる積層構造を有する。本実施形態では、例えば、第1層21の厚さは15μmであり、第2層22の厚さは525μmであり、中間層23の厚さは4μmである。第1層21は、例えば単結晶シリコンよりなり、固定部11および可動部12へと加工される。第2層22は、例えば単結晶シリコンよりなり、ベース基板S1へと加工される。中間層23は、例えば二酸化シリコンよりなり、境界層17へと加工される。
次に、図9(b)に示すように、第1層21上に導体膜24を形成する。例えば、スパッタリング法により、第1層21上にMoを成膜し、続いてその上にAuを成膜する。Mo膜の厚さは例えば30nmであり、Au膜の厚さは例えば500nmである。
次に、図9(c)に示すように、フォトリソ法により導体膜24上にレジストパターン25,26を形成する。レジストパターン25は、コンタクト電極13に対応するパターン形状を有する。レジストパターン26は、駆動電極15に対応するパターン形状を有する。
次に、図10(a)に示すように、レジストパターン25,26をマスクとして利用して導体膜24に対してエッチング処理を施すことにより、第1層21上に、コンタクト電極13および駆動電極15を形成する。本工程におけるエッチング手法としては、イオンミリング(例えばArイオンによる物理的エッチング)を採用することができる。後出の金属材料に対するエッチング手法としてもイオンミリングを採用することができる。
次に、レジストパターン25,26を除去した後、図10(b)に示すように、第1層21にエッチング処理を施すことによってスリット18を形成する。具体的には、フォトリソ法により第1層21上に所定のレジストパターンを形成した後、当該レジストパターンをマスクとして利用して、第1層21に対して異方性のエッチング処理を施す。エッチング手法としては、反応性イオンエッチングを採用することができる。本工程にて、固定部11および可動部12がパターン形成されることとなる。
次に、図10(c)に示すように、スリット18を塞ぐように、材料基板S1’の第1層21側に犠牲層27を形成する。犠牲層材料としては例えば二酸化シリコンを採用することができる。また、犠牲層27を形成するための手法としては、例えばプラズマCVD法やスパッタリング法を採用することができる。
次に、図11(a)に示すように、犠牲層27においてコンタクト電極13に対応する箇所に凹部27a,27bを形成する。具体的には、フォトリソ法により犠牲層27上に所定のレジストパターンを形成した後、当該レジストパターンをマスクとして利用して犠牲層27に対してエッチング処理を施す。エッチング手法としては、ウエットエッチングを採用することができる。ウエットエッチングのためのエッチング液としては、例えばバッファードフッ酸(BHF)を採用することができる。犠牲層27に対する後出のウエットエッチングにおいてもBHFを採用することができる。凹部27aは、コンタクト電極14Aの突起部14aを形成するためのものであり、凹部27aの深さは1〜4μmである。凹部27bは、コンタクト電極14bの突起部14bを形成するためのものであり、凹部27bの深さは0.8〜3.8μmである。凹部27a,27bの深さを調節することにより、コンタクト電極13とコンタクト電極14A,14Bの突起部14a,14bとの間の各距離を調節することができる。
次に、図11(b)に示すように、犠牲層27をパターニングして開口部27c,27d,27eを形成する。具体的には、フォトリソ法により犠牲層27上に所定のレジストパターンを形成した後、当該レジストパターンをマスクとして利用して犠牲層27に対してエッチング処理を施す。エッチング手法としては、ウエットエッチングを採用することができる。開口部27c,27dは、各々、固定部11においてコンタクト電極14A,14Bが接合する領域を露出させるためのものである。開口部27eは、固定部11において駆動電極16が接合する領域を露出させるためのものである。
次に、材料基板S1’において犠牲層27が設けられている側の表面に通電用の下地膜(図示略)を形成した後、図11(c)に示すようにレジストパターン28を形成する。下地膜は、例えば、スパッタリング法により厚さ50nmのMoを成膜し、続いてその上に厚さ500nmのAuを成膜することによって形成することができる。レジストパターン28は、コンタクト電極14A,14Bに対応する開口部28a,28bおよび駆動電極16に対応する開口部28cを有する。
次に、図12(a)に示すように、コンタクト電極14A,14Bおよび駆動電極16を形成する。具体的には、開口部27a〜27e,28a〜28cにて露出する下地膜上に、電気めっき法により例えばAuを成長させる。
次に、図12(b)に示すように、レジストパターン28をエッチング除去する。この後、電気めっき用の上述の下地膜において露出している部分をエッチング除去する。これらエッチング除去においては、各々、ウエットエッチングを採用することができる。
次に、図12(c)に示すように、犠牲層27および中間層23の一部を除去する。具体的には、犠牲層27および中間層23に対してウエットエッチング処理を施す。本エッチング処理では、まず犠牲層27が除去され、その後、スリット18に臨む箇所から中間層23の一部が除去される。このエッチング処理は、可動部12の全体と第2層22との間に適切に空隙が形成された後に停止する。このようにして、中間層23において境界層17が残存形成される。また、第2層22は、ベース基板S1を構成することとなる。
次に、必要に応じて、コンタクト電極14および駆動電極16の下面に付着している下地膜の一部(例えばMo膜)をウエットエッチングにより除去した後、超臨界乾燥法により素子全体を乾燥する。超臨界乾燥法によると、可動部12がベース基板S1等に張り付いてしまうスティッキング現象を適切に回避することができる。
以上のようにして、マイクロスイッチング素子X1を製造することができる。本方法では、コンタクト電極13に対向する部位を有するコンタクト電極14A,14Bについて、めっき法によって犠牲層27上に厚く形成することができる。そのため、一対のコンタクト電極14A,14Bについては、所望の低抵抗を実現するための充分な厚さを設定することが可能である。厚いコンタクト電極14A,14Bは、マイクロスイッチング素子X1の挿入損失を低減するうえで好ましい。
マイクロスイッチング素子X1におけるコンタクト電極13,14A,14Bは、図3に示す構造に代えて図13に示す構造を有してもよい。図13に示す構造では、コンタクト電極13は突起部13a,13bを有する。突起部13aの先端は接触部13a’をなし、突起部13bの先端は接触部13b’をなす。突起部13aの突出長さは、突起部13bの突出長さより大きい。例えば、突起部13aの突出長さは1〜4μmであり、突起部13bの突出長さは0.8〜3.8μmである。一方、コンタクト電極14は、突起部を有さず、接触部14a’,14b’を有する。接触部14a’はコンタクト電極13の突起部13aないし接触部13a’と接触可能な箇所であり、接触部14b’は突起部13bないし接触部13b’と接触可能な箇所である。本素子の非駆動時ないし開状態において、突起部13aないし接触部13a’とコンタクト電極14ないし接触部14a’との間の距離は、突起部13bないし接触部13b’とコンタクト電極14ないし接触部14b’との間の距離より、小さい。非駆動時ないし開状態において、接触部13a’,14a’間の距離は、例えば0.1〜2μmであり、接触部13b’,14b’間の距離は、例えば0.2〜3μmである。
このような構造を有するマイクロスイッチング素子X1を作製する場合、例えば、図10(b)を参照して上述した工程の後にコンタクト電極13上に突起部13a,13bを形成し、その後、当該突起部13a,13bを覆うようにして、図10(c)を参照して上述したように犠牲層27を形成する。また、図11(a)を参照して言及した凹部27a,27bを形成しない。
マイクロスイッチング素子X1におけるコンタクト電極13,14A,14Bは、図3に示す構造に代えて図14に示す構造を有してもよい。図14に示す構造では、コンタクト電極14が突起部14a,14bを有するとともに、コンタクト電極13は突起部13a,13bを有する。突起部13aの先端は接触部13a’をなし、突起部13bの先端は接触部13b’をなす。非駆動時ないし開状態において、接触部13a’,14a’間の距離は、接触部13b’,14b’間の距離よりも小さい。非駆動時ないし開状態における接触部13a’,14a’間の距離は例えば0.1〜2μmであり、接触部13b’,14b’間の距離は例えば0.2〜3μmである。
このような構造を有するマイクロスイッチング素子X1を作製する場合、例えば、図10(b)を参照して上述した工程の後にコンタクト電極13上に突起部13a,13bを形成し、その後、当該突起部13a,13bを覆うようにして、図10(c)を参照して上述したように犠牲層27を形成する。
マイクロスイッチング素子X1においては、図3に示すコンタクト電極14Aの突起部14aの突出長さL3とコンタクト電極14Bの突起部14bの突出長さL4とを、同一に設定してもよい。可動部12の固定端12cとコンタクト電極13の接触部13a’を通る仮想線F1に対して、コンタクト電極13の接触部13b’と同じ側に可動部12の重心が位置するように、可動部12は非対称な形状を有する。このような非対称形状を有する可動部12は、その自重により変形して、その上のコンタクト電極13とコンタクト電極14Bの間がコンタクト電極13,14A間よりも広がった姿勢をとる場合が多い。この場合、突起部14aの突出長さL3と突起部14bの突出長さL4とを同一に設定しても、本素子の非駆動時ないし開状態において、突起部14aないし接触部14a’とコンタクト電極13ないし接触部13a’との間の距離を、突起部14bないし接触部14b’とコンタクト電極13ないし接触部13b’との間の距離より、小さくすることができる。
マイクロスイッチング素子X1においては、コンタクト電極14Aの突起部14aないし接触部14a’と、コンタクト電極13の接触部13a’とが、図15に示すように当接していてもよい。
このような構造を形成する場合、図11(a)を参照して上述した工程において、凹部27aを充分に深く形成する。例えば、凹部27aとコンタクト電極13の間における犠牲層27の厚さが5μmとなるように、凹部27aを形成する。このように凹部27aを充分に深く形成し、そして、図12(a)を参照して上述した工程にて当該凹部27a内に長い突起部14aを形成しておくと、図12(c)を参照して上述した工程にて犠牲層27をエッチング除去した後、コンタクト電極14Aの当該突起部14aと、コンタクト電極13とは、図15に示すように当接するのである。薄膜形成技術により形成されたコンタクト電極13に生じている内部応力の作用により、当該コンタクト電極13とこれが接合する可動部12とは、12(c)を参照して上述した工程の後、コンタクト電極14A,14B側に反るためである。
マイクロスイッチング素子X1においては、コンタクト電極14Aの突起部14aと、コンタクト電極13とは、図16に示すように接合していてもよい。
このような構造を形成する場合、図11(a)を参照して上述した工程において、犠牲層27を貫通するように凹部27aを形成する。そして、図12(a)を参照して上述した工程では、コンタクト電極13に接合した突起部14aを当該凹部27a内に形成する。
図15および図16に示す構成は、マイクロスイッチング素子X1の非駆動時ないし開状態において、可動部12上のコンタクト電極13の、両コンタクト電極14A,14Bに対する配向のばらつき、を抑制するうえで好適である。当該ばらつき抑制は、マイクロスイッチング素子X1の駆動電圧を低減するのに資する。
図17および図18は、本発明の第2の実施形態に係るマイクロスイッチング素子X2を表す。図17は、マイクロスイッチング素子X2の平面図であり、図18は、図17の線XVIII−XVIIIに沿った断面図である。
マイクロスイッチング素子X2は、ベース基板S1と、固定部11と、可動部12と、コンタクト部13と、一対のコンタクト電極14A,14Bと、圧電駆動部31とを備える。マイクロスイッチング素子X2は、駆動電極15,16に代えて圧電駆動部31を有する点において、マイクロスイッチング素子X1と異なる。
圧電駆動部31は、駆動電極31a,31bと、これらの間の圧電膜31cとからなる。駆動電極31a,31bは、各々、例えば、Ti下地層およびAu主層からなる積層構造を有する。駆動電極31bは、所定の配線(図示略)を介してグランド接続されている。圧電膜31cは、電界が加えられることにより歪みが生じる性質(逆圧電効果)を示す圧電材料からなる。そのような圧電材料としては、例えば、PZT(PbZrO3とPbTiO3の固溶体)、MnがドープされたZnO、ZnO、またはAlNを採用することができる。駆動電極31a,31bの厚さは例えば0.55μmであり、圧電膜31cの厚さは例えば1.5μmである。
本発明に係るマイクロスイッチング素子における駆動機構としては、このような圧電駆動部31を利用することもできる。圧電駆動部31が稼動することによって、本素子におけるスイッチング動作が実現される。
図19および図20は、本発明の第3の実施形態に係るマイクロスイッチング素子X3を表す。図19は、マイクロスイッチング素子X3の平面図であり、図20は、図19の線XX−XXに沿った断面図である。
マイクロスイッチング素子X3は、ベース基板S1と、固定部11と、可動部12と、コンタクト部13と、一対のコンタクト電極14A,14Bと、熱駆動部32とを備える。マイクロスイッチング素子X3は、駆動電極15,16に代えて熱駆動部32を有する点において、マイクロスイッチング素子X1と異なる。
熱駆動部32は、熱膨張率の異なる熱電極32a,32bからなる。可動部12に直接接合している熱電極32aの方が、熱電極32bよりも、大きな熱膨張率を有する。熱電極32aは、例えばAuよりなる。熱電極32bは、例えばAlよりなる。
本発明に係るマイクロスイッチング素子における駆動機構としては、このような熱駆動部32を利用することもできる。熱駆動部32が稼動することによって、本素子におけるスイッチング動作が実現される。
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
(付記1)固定部と、
第1面および当該第1面とは反対の第2面を有し、且つ、前記固定部に固定された固定端を有して延びる、可動部と、
前記固定端から離隔して前記可動部の前記第1面上に設けられ、且つ、当該離隔の方向とは交差する方向に離隔する第1接触部および第2接触部を有する、可動コンタクト電極と、
前記可動コンタクト電極の前記第1接触部に対向する第3接触部を有し、且つ、前記固定部に接合している、第1固定コンタクト電極と、
前記可動コンタクト電極の前記第2接触部に対向する第4接触部を有し、且つ、前記固定部に接合している、第2固定コンタクト電極と、
前記可動部の前記第1面上に駆動力発生領域を有する駆動機構と、を備え、
前記第1接触部および前記第3接触部の間の距離は、前記第2接触部および前記第4接触部の間の距離より小さく、
前記駆動力発生領域の重心は、前記可動コンタクト電極における前記第1接触部よりも前記第2接触部に近い、マイクロスイッチング素子。
(付記2)前記可動コンタクト電極は第1突起部および第2突起部を有し、当該第1突起部は前記第1接触部を含み、当該第2突起部は前記第2接触部を含む、付記1に記載のマイクロスイッチング素子。
(付記3)前記第1突起部の突出長さは、前記第2突起部の突出長さより大きい、付記2に記載のマイクロスイッチング素子。
(付記4)前記第1突起部の突出長さと前記第2突起部の突出長さとは同じである、付記2に記載のマイクロスイッチング素子。
(付記5)前記第1固定コンタクト電極は第3突起部を有し、当該第3突起部は前記第3接触部を含み、且つ、前記第2固定コンタクト電極は第4突起部を有し、当該第4突起部は前記第4接触部を含む、付記1から4のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
(付記6)前記第3突起部の突出長さは、前記第4突起部の突出長さより大きい、付記5に記載のマイクロスイッチング素子。
(付記7)前記第3突起部の突出長さと前記第4突起部の突出長さとは同じである、付記5に記載のマイクロスイッチング素子。
(付記8)前記可動コンタクト電極の前記第1接触部と前記第1固定コンタクト電極の前記第3接触部との間の距離は0である、付記1から7のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
(付記9)前記第1接触部と前記3接触部とは接合している、付記8に記載のマイクロスイッチング素子。
(付記10)前記可動部の前記固定端と前記可動コンタクト電極の前記第1接触部との間の距離、および、前記固定端と前記第2接触部との間の距離は、異なる、付記1から9のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
(付記11)前記可動部は屈曲構造を有する、付記1から10のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
(付記12)前記固定端の長さを2等分する点と、前記第1接触部および前記第2接触部の間を2等分する点とを通る仮想線よりも、前記第2接触部の側に、前記駆動力発生領域の前記重心は位置する、付記1から11のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
(付記13)固定部と、
第1面および当該第1面とは反対の第2面を有し、且つ、前記固定部に固定された固定端を有して延びる、可動部と、
前記固定端から離隔して前記可動部の前記第1面上に設けられ、且つ、当該離隔の方向とは交差する方向に離隔する接触部および接合部を有する、可動コンタクト電極と、
前記可動コンタクト電極の前記接合部と接合する部位を有し、且つ、前記固定部に接合している、第1固定コンタクト電極と、
前記可動コンタクト電極の前記接触部に対向する部位を有し、且つ、前記固定部に接合している、第2固定コンタクト電極と、
前記可動部の前記第1面上に駆動力発生領域を有する駆動機構と、を備え、
前記駆動力発生領域の重心は、前記可動コンタクト電極における前記接合部よりも前記接触部に近い、マイクロスイッチング素子。
(付記14)前記固定端の長さを2等分する点と、前記接触部および前記接合部の間を2等分する点とを通る仮想線よりも、前記接触部寄りに、前記駆動力発生領域の前記重心は位置する、付記13に記載のマイクロスイッチング素子。
(付記15)前記駆動機構は、前記可動部の前記第1面上に設けられた可動駆動電極と、前記可動駆動電極に対向する部位を有し且つ前記固定部に接合している固定駆動電極とを含む、付記1から14のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
(付記16)前記駆動機構は、前記可動部の前記第1面上に設けられた第1電極膜と、第2電極膜と、当該第1および第2電極膜の間に介在する圧電膜とからなる積層構造を含む、付記1から14のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
(付記17)前記駆動機構は、熱膨張率の異なる複数の材料膜からなる積層構造を含む、付記1から14のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
本発明の第1の実施形態に係るマイクロスイッチング素子の平面図である。 図1に示すマイクロスイッチング素子の一部省略平面図である。 図1の線III−IIIに沿った断面図である。 図1の線IV−IVに沿った断面図である。 図1の線V−Vに沿った断面図である。 図1に示すマイクロスイッチング素子におけるスイッチング動作を表す。 図1に示すマイクロスイッチング素子の一変形例を表す。(a)は、素子の平面図であり、(b)は、(a)の線VII-VIIに沿った断面図である。 図1に示すマイクロスイッチング素子の他の変形例を表す。(a)は、素子の平面図であり、(b)は、(a)の線VIII-VIIIに沿った断面図である。 図1に示すマイクロスイッチング素子の製造方法における一部の工程を表す。 図9の後に続く工程を表す。 図10の後に続く工程を表す。 図11の後に続く工程を表す。 図1に示すマイクロスイッチング素子の一変形例の部分拡大断面図である。 図1に示すマイクロスイッチング素子の他の変形例の部分拡大断面図である。 図1に示すマイクロスイッチング素子の他の変形例の部分拡大断面図である。 図1に示すマイクロスイッチング素子の他の変形例の部分拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るマイクロスイッチング素子の平面図である。 図17の線XVIII−XVIIIに沿った断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るマイクロスイッチング素子の平面図である。 図19の線XX−XXに沿った断面図である。 従来のマイクロスイッチング素子の平面図である。 図21に示すマイクロスイッチング素子の一部省略平面図である。 図21の線XXIII−XXIIIに沿った断面図である。 図21の線XXIV−XXIVに沿った断面図である。 図21の線XXV−XXVに沿った断面図である。 変形態様が誇張された可動部およびその上のコンタクト電極の断面を表す。 図21に示すマイクロスイッチング素子におけるスイッチング動作を表す。
符号の説明
X1,X2,X3,X4 マイクロスイッチング素子
S1,S4 ベース基板
11,41 固定部
12,42 可動部
13,14A,14B,43,44A,44B コンタクト電極
13a,13b,14a,14b 突起部
13a’,13b’,14a’,14b’ 接触部
15,16,45,46 駆動電極
17 境界層
18 スリット
31 圧電駆動部
32 熱駆動部

Claims (10)

  1. 固定部と、
    第1面および当該第1面とは反対の第2面を有し、且つ、前記固定部に固定された固定端を有して延びる、可動部と、
    前記固定端から離隔して前記可動部の前記第1面上に設けられ、且つ、当該離隔の方向とは交差する方向に離隔する第1接触部および第2接触部を有する、可動コンタクト電極と、
    前記可動コンタクト電極の前記第1接触部に対向する第3接触部を有し、且つ、前記固定部に接合している、第1固定コンタクト電極と、
    前記可動コンタクト電極の前記第2接触部に対向する第4接触部を有し、且つ、前記固定部に接合している、第2固定コンタクト電極と、
    前記可動部の前記第1面上に駆動力発生領域を有する駆動機構と、を備え、
    前記第1接触部および前記第3接触部の間の距離は、前記第2接触部および前記第4接触部の間の距離より小さく、
    前記駆動力発生領域の重心は、前記可動コンタクト電極における前記第1接触部よりも前記第2接触部に近い、マイクロスイッチング素子。
  2. 前記可動コンタクト電極は第1突起部を有し、当該第1突起部は前記第1接触部を含み、且つ、前記可動コンタクト電極は第2突起部を有し、当該第2突起部は前記第2接触部を含む、請求項1に記載のマイクロスイッチング素子。
  3. 前記第1突起部の突出長さは、前記第2突起部の突出長さより大きい、請求項2に記載のマイクロスイッチング素子。
  4. 前記第1固定コンタクト電極は第3突起部を有し、当該第3突起部は前記第3接触部を含み、且つ、前記第2固定コンタクト電極は第4突起部を有し、当該第4突起部は前記第4接触部を含む、請求項1から3のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
  5. 前記第3突起部の突出長さは、前記第4突起部の突出長さより大きい、請求項4に記載のマイクロスイッチング素子。
  6. 前記可動コンタクト電極の前記第1接触部と前記第1固定コンタクト電極の前記第3接触部との間の距離は0である、請求項1から5のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
  7. 前記第1接触部と前記第3接触部とは接合している、請求項6に記載のマイクロスイッチング素子。
  8. 前記可動部の前記固定端と前記可動コンタクト電極の前記第1接触部との間の距離、および、前記固定端と前記第2接触部との間の距離は、異なる、請求項1から7のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
  9. 前記固定端の長さを2等分する点と、前記第1接触部および前記第2接触部の間を2等分する点とを通る仮想線よりも、前記第2接触部の側に、前記駆動力発生領域の前記重心は位置する、請求項1から8のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
  10. 前記駆動機構は、前記可動部の前記第1面上に設けられた可動駆動電極と、前記可動駆動電極に対向する部位を有し且つ前記固定部に接合している固定駆動電極とを含む、請求項1から9のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
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