JP2008144882A - プルタイプクラッチ用レリーズ装置 - Google Patents

プルタイプクラッチ用レリーズ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008144882A
JP2008144882A JP2006333740A JP2006333740A JP2008144882A JP 2008144882 A JP2008144882 A JP 2008144882A JP 2006333740 A JP2006333740 A JP 2006333740A JP 2006333740 A JP2006333740 A JP 2006333740A JP 2008144882 A JP2008144882 A JP 2008144882A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
release
pull
inner race
ring
locking portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006333740A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigemi Mori
茂巳 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ATS Inc
Original Assignee
ATS Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ATS Inc filed Critical ATS Inc
Priority to JP2006333740A priority Critical patent/JP2008144882A/ja
Publication of JP2008144882A publication Critical patent/JP2008144882A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 レリーズベアリングのインナーレース外面とプルリング内面との意図しない係合が生じても、レリーズベアリングを引き抜き分解することができるプルタイプクラッチ用レリーズ装置を提供する。
【解決手段】ダイヤフラムスプリングの内周端部に固定される係止部と、係止部の内周側に配置されたインナーレースを有するレリーズベアリングと、係止部の内面とインナーレースの外面とに係合することで係止部とインナーレースとを連結する連結リングと、を備えてなり、連結リングの外縁の所定位置である解除当接部に、解除部材が内側方向に向かって当接することで、解除当接部に隣接する両側を押し広げるものである、プルタイプクラッチ用レリーズ装置である。
【選択図】 図5

Description

本発明は、プルタイプクラッチ用レリーズ装置に関し、より詳細には、ダイヤフラムスプリングがプレッシャープレートをフライホイール側に押圧することで、プレッシャープレートとフライホイールとの間にクラッチディスクが挟持されクラッチ伝達状態(動力を伝える状態)となると共に、クラッチ伝達状態からダイヤフラムスプリングの内周部がレリーズ装置によりフライホイールとは反対側に引き出されることで(これによりダイヤフラムスプリングがプレッシャープレートをフライホイール側に押圧する力が減少又は消滅する)クラッチ遮断状態(動力を伝えない状態)となるプルタイプクラッチに用いられるレリーズ装置に関する。
ダイヤフラムスプリングがプレッシャープレートをフライホイール側に押圧することによりクラッチディスク(1枚又は2枚以上)がプレッシャープレートとフライホイールとの間に挟持されてクラッチ伝達状態となり、クラッチ伝達状態からダイヤフラムスプリングの内周部をフライホイール側か又はフライホイールとは反対側に駆動(通常、レリーズフォークと呼ばれるもので、ダイヤフラムスプリングの内周部を移動させる。)することでダイヤフラムスプリングがプレッシャープレートをフライホイール側に押圧する力を減少又は消滅させクラッチ遮断状態とするクラッチ装置が自動車(二輪、四輪等)を中心に多用されている。
ここにクラッチ伝達状態からクラッチ遮断状態に状態変化させる際、ダイヤフラムスプリングの内周部をフライホイール側に駆動するものを「プッシュタイプクラッチ」といい、フライホイールとは反対側に駆動するものを「プルタイプクラッチ」という。
プッシュタイプクラッチとプルタイプクラッチとは、クラッチの配置状況や周囲の状態を考慮してどちらかが選択されてこれまで用いられてきており、プルタイプクラッチに関する考案等も種々なされてきた(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4参照)。
例えば、特許文献3は、「耐久性が高く、製造が容易で、しかも連結時の信頼性が高いプルタイプクラッチ用レリーズ装置を提供する」(特許文献3、段落番号0008)目的でなされたものであり、具体的には「本考案に係るプルタイプクラッチ用レリーズ装置は、ダイヤフラムスプリングの内周端部をトランスミッション側に引き出すことによりクラッチを解除するための装置であ」(特許文献3、段落番号0009)り、「ダイヤフラムスプリングの内周端部に固定された係止部と、係止部の内周側に配置されたインナーレースを有するレリーズベアリングと、係止部とインナーレースとの間に配置されるワイヤリングと、ワイヤリング支持カラーとを備えている。前記係止部は、内周面に軸方向に延びる複数の溝を有している。前記ワイヤリング支持カラーは、インナーレースの外周に配置される環状部と、環状部と一体に形成され溝に挿入された状態でワイヤリングを保持する複数の爪とを有している。」(特許文献3、段落番号0010)ものが開示されている。
このようなプルタイプクラッチ201の断面を図1に示し、図1の一部拡大図(特に、プルタイプクラッチ201のレリーズ装置401近傍を拡大図示している。)を図2に示す。図1及び図2を参照して、従来のプルタイプクラッチ201を簡単に説明する。
プルタイプクラッチである摩擦クラッチ201は、クラッチカバー107と、エンジンの出力軸(クランクシャフト)に取りつけられるフライホイール103と、クラッチディスク13と、プレッシャープレート215と、ダイヤフラムスプリング117(クラッチスプリング)と、を備えてなる。そして、クラッチディスク13は、センターハブ15と摩擦ディスク11とを有している。ここでは摩擦ディスク11は、第1摩擦ディスク11a、第2摩擦ディスク11b及び第3摩擦ディスク11cの3枚によって構成されているが、この摩擦ディスクの枚数は何ら制限されるものではない(例えば、1枚、2枚、4枚以上であってもよい。)。また、センターハブ15の中空円筒形状をした筒状部分15aには、トランスミッションのメインシャフト301が内挿固定(筒状部分15aとメインシャフト301とは相対的に回転不可能)される。
クラッチカバー107は、無底無蓋(下面(フライホイール103側)は全て開放されており、上面には開口107hを有している。)の円筒形の容器を構成しており、上面には該円筒形の中心軸を中心とした円形の開口107hが設けられている。円形の開口107hの周囲に沿って短冊状の板ばねを構成するダイヤフラムスプリング117(クラッチスプリング)が取りつけられている(短冊状のダイヤフラムスプリング117それぞれは、外周端部117aがクラッチカバー107に取りつけられている。)。ダイヤフラムスプリング117の内周端部117bと外周端部117aとの間の部分はプレッシャープレート215に当接しており、それによってダイヤフラムスプリング117がプレッシャープレート215をフライホイール103の方向へ付勢している。そして、この付勢力によりプレッシャープレート215とフライホイール103との間に、第1摩擦ディスク11aと第1ミッドプレート12aと第2摩擦ディスク11bと第2ミッドプレート12bと第3摩擦ディスク11cが挟持されることで、フライホイール103からセンターハブ15へ動力が伝達される。即ち、この状態がクラッチがつながった状態(クラッチ伝達状態)である。
一方、ダイヤフラムスプリング117の内周端部117bは、レリーズ装置401に取り付けられており、図示しないレリーズフォーク(例えば、図示しないクラッチペダルを操作することで動作させることができる。)を動作させることでレリーズ装置401を(フライホイール103に対して)フライホイール103とは反対側(図1及び図2中、矢印R方向)に移動させることができる。このようにレリーズ装置401をフライホイール103とは反対側(図1及び図2中、矢印R方向)に移動させると、ダイヤフラムスプリング117の内周端部117bもフライホイール103とは反対側(図1及び図2中、矢印R方向)に移動し、それに伴いダイヤフラムスプリング117(ダイヤフラムスプリング117は板バネであり弾性変形可能である。)がプレッシャープレート215をフライホイール103方向へ付勢する付勢力が減少又は消滅するので、プレッシャープレート215が摩擦ディスク11(第1摩擦ディスク11a)をフライホイール103の方向へ付勢する付勢力が減少又は消滅する。これによって、プレッシャープレート215とフライホイール103との間に、第1摩擦ディスク11aと第1ミッドプレート12aと第2摩擦ディスク11bと第2ミッドプレート12bと第3摩擦ディスク11cが挟持(押し付けられた状態)されなくなり、フライホイール103からセンターハブ15へと動力が伝達されなくなる。即ち、この状態がクラッチが切れた状態(クラッチ遮断状態)である。
なお、センターハブ15は、トランスミッションのメインシャフト301が内挿固定される中空円筒形状をした筒状部分15aと、筒状部分15aの軸15r(センターハブ15の軸と一致する。)に対して略垂直な面に沿って筒状部分15aの外周面からのびるように形成された円盤部分15bと、を有している。筒状部分15aと円盤部分15bとは、特殊鋼(例えば、SCM420等)によって一体的に形成されている。なお、ここでは図示していないが、筒状部分15aの内周面には、トランスミッションのメインシャフト301の外周面のうち筒状部分15aに内挿される部分に形成されたスプライン軸の凸条に嵌合する凹溝が形成されている。そして、円盤部分15bは、筒状部分15aの軸15rから所定半径の円盤形状を有しており、該円盤の外周面はスプライン軸にされている。該スプライン軸は、センターハブ15の軸(筒状部分15aの軸15rと一致する。)方向に沿って形成された凸条によって形成されている。そして、円盤部分15bの外周面に形成されたスプライン軸を構成する凸条は、摩擦ディスク11(第1摩擦ディスク11a、第2摩擦ディスク11b、第3摩擦ディスク11c)の内周面に形成された凹溝と嵌合するように形成されている。
このようにしてセンターハブ15に対して摩擦ディスク11(第1摩擦ディスク11a、第2摩擦ディスク11b、第3摩擦ディスク11c)がセンターハブ15の軸(筒状部分15aの軸15rと一致する。)の周りに回動(回転)不可能に取り付けられている。なお、このようなセンターハブ15に対する摩擦ディスク11の固定方法は従来から知られているものである。
そして、プレッシャープレート215、第1ミッドプレート12a及び第2ミッドプレート12bは、いずれもフライホイール103の回転に伴って一緒に回転するように固定されている(プレッシャープレート215、第1ミッドプレート12a及び第2ミッドプレート12bのいずれも、フライホイール103に対して回動(回転)不可能に取り付けられている。)。このようなプレッシャープレート215、第1ミッドプレート12a及び第2ミッドプレート12bの取付方法等については、既知のクラッチ装置(多板クラッチ装置)におけるものと同様(具体的には、プレッシャープレート215、第1ミッドプレート12a及び第2ミッドプレート12bの外周面には、センターハブ15の軸(筒状部分15aの軸15rと一致する。)方向に沿ってスプライン軸の凸条が形成され、フライホイール103に固定されたクラッチカバー107の内周面には該凸条に嵌合する凹溝が形成されている。)であるので、ここでは詳しい説明を省略する。
レリーズ装置401は、ダイヤフラムスプリング117の内周端部117bをクラッチの回転軸(センターハブ15の軸(筒状部分15aの軸15r)と一致する。)方向に係止し固定するプルコネクタ411(上記の特許文献中では係止部)と、プルコネクタ411の内周側に配置されたインナーレース473を有するレリーズベアリング471と、プルコネクタ411とインナーレース473との間に配置されるプルリング431(上記の特許文献中ではワイヤリング)と、プルリング431を支持するリングホルダ451(上記の特許文献中ではワイヤリング支持カラー)と、を備えている。
プルリング431は、図3(a)に示すように厚みが略均一の板状の部材から形成された環状部材であり(図3(a)は該板状の主表面に対して垂直方向(即ち、図1及び図2においては、クラッチの回転軸(センターハブ15の軸(15r)と一致する。)方向)から見ている。)、中心432(センターハブ15の軸(15r)が通過する)の周りの半径r2の内縁部435を有すると共に、内縁部435から内方に向けて突出するように半径r1(但し、r1<r2)の円弧の一部により形成される第1内向き爪部433a、第2内向き爪部433b及び第3内向き爪部433cを有している。また、プルリング431の外径はr3(r3>r2)である。
インナーレース473の外周面は、図2に示すように半径r4の直円柱の側面形状をしているが、センターハブ15の軸(15r)に対して垂直な平面に沿って溝473aが形成されている。溝473aは、第1内向き爪部433a、第2内向き爪部433b及び第3内向き爪部433cを収容することができる形状とされており、溝473aの底部の半径r5は半径r1と略等しくされている。インナーレース473の外周面の半径r4は、第1内向き爪部433a、第2内向き爪部433b及び第3内向き爪部433cの半径r1よりもやや大きいが、プルリング431(特に第1内向き爪部433a、第2内向き爪部433b及び第3内向き爪部433c)を弾性変形させ、第1内向き爪部433a、第2内向き爪部433b及び第3内向き爪部433cを図2にように溝473aに嵌入することができる。
リングホルダ451は、インナーレース473の外周面に外嵌される中空の筒状部分453と、筒状部分453の一端に一体に形成された外方に突出する一体フランジ部455と、筒状部分453の他端近傍に着脱自在に取り付け可能な軸用C型止め輪457(スナップリング)と、を備えており、さらに第1内向き爪部433a、第2内向き爪部433b及び第3内向き爪部433cが溝473aに嵌入された状態において半径r2の内縁部435とインナーレース473の外周面との間に貫入される貫入部453pを該他端側(一体フランジ部455とは反対側。軸用C型止め輪457側)に筒状部分453は有する。図11は、筒状部分453と一体フランジ部455とを示す図であり、具体的には、図11(a)は図1及び図2に示すようにプルタイプクラッチ201に組み込まれた一体の筒状部分453及び一体フランジ部455をセンターハブ15の軸(15r)に沿った方向のうちトランスミッション側からフライホイール103方向を見たときの図であり、図11(b)は図11(a)のW−W断面図を示している。貫入部453pは筒状部分453の該他端側の縁部に等間隔に3個形成されており、貫入部453pよりもさらに該他端側には軸用C型止め輪457が着脱自在に嵌入される嵌入溝453mが形成されている。
プルコネクタ411は、リングホルダ451に取り付けられたプルリング431を軸用C型止め輪457と一緒に一端側から内嵌可能な中空状の円筒本体部411aと、ダイヤフラムスプリング117の内周端部117bにフライホイール103側から当接し支持する第1支持部413と、ダイヤフラムスプリング117の内周端部117bにフライホイール103とは反対側から当接し支持する第2支持部415と、を有してなる。なお、円筒本体部411aに収容されたプルリング431は、円筒本体部411aの該一端側方向(フライホイール103方向)へは抜き取り可能であるが、円筒本体部411aの他端側方向(該一端側方向(フライホイール103方向)とは逆方向)へは円筒本体部411aが有する内方フランジ部411afにより抜き取りが禁止される。
図3(b)は、図2のA−A断面図であり、図3(b)を参照してインナーレース473、プルリング431、リングホルダ451及びプルコネクタ411の係合状態について説明する。インナーレース473の外周面に形成された溝473aに第1内向き爪部433a、第2内向き爪部433b及び第3内向き爪部433cが嵌入されている(これによりインナーレース473に対してプルリング431がセンターハブ15の軸(15r)方向に移動することが制限される。)。そして、半径r2の内縁部435とインナーレース473の外周面との間には、リングホルダ451の貫入部453pが貫入されている。プルリング431は、リングホルダ451の軸用C型止め輪457と、プルコネクタ411(円筒本体部411a)の内方フランジ部411afと、によりセンターハブ15の軸(15r)両方向から挟持されている。そして、リングホルダ451に取り付けられたプルリング431は、プルコネクタ411の円筒本体部411aに収容されている。
図1及び図2の状態(運転状態)から、プルタイプクラッチ201を分解する際には、図4(図2と同じ断面を示している。)に示すようにリングホルダ451(一体フランジ部455)にフライホイール103方向への力を加え(例えば、レリーズベアリング471とリングホルダ451との隙間Qにマイナスドライバーを差し込んで隙間Qを広げるようにひねることにより該力を加える。)、リングホルダ451をフライホイール103方向へ移動させる(図4)と共に、(図4の後に)レリーズベアリング471をリングホルダ451から矢印R方向に引き抜くようにする。このときプルリング431の第1内向き爪部433a、第2内向き爪部433b及び第3内向き爪部433cは弾性変形することにより溝473aから脱するので、レリーズベアリング471は、ダイヤフラムスプリング117の内周端部117bに取り付けられたプルコネクタ411と分離することができ、プルタイプクラッチ201を分解することができる(分解状態。エンジンとトランスミッションとが分離可能)。なお、分解状態から運転状態にするには、まず図4に示す状態を構成した後、図4に示す状態からレリーズベアリング471をリングホルダ451内へ挿入し、さらにレリーズベアリング471をフライホイール103方向へ押し込む。このときプルリング431の第1内向き爪部433a、第2内向き爪部433b及び第3内向き爪部433cは弾性変形することにより溝473aに嵌入され図1及び図2の状態(運転状態)とすることができる。
実開平04−31335号公報(例えば、明細書第7頁第1行〜第16頁第11行、第1図〜第10図等) 実開平04−84927号公報(例えば、明細書第5頁第15行〜第13頁第9行、第1図〜第8図等) 実用新案登録第2523962号公報(例えば、考案の詳細な説明の段落番号0008〜0025、第1図〜第11図等) 実用新案登録第2523963号公報(例えば、考案の詳細な説明の段落番号0006、0007、0009〜0023、第1図〜第11図等)
上述したようなプルタイプクラッチ用レリーズ装置401においては、運転状態から分解状態にする際に次のような問題点があった。
即ち、運転状態(図1及び図2)からリングホルダ451をフライホイール103方向へ移動させた状態(図4)にした後、(図4の状態から)レリーズベアリング471をリングホルダ451から矢印R方向に引き抜き分解しようとする際に、プルリング431の変形や異物(例えば、砂粒、炭素粉、金属スラッジ等)のかみ込み等によってレリーズベアリング471のインナーレース473外面とプルリング431内面との係合(なお、インナーレース473外面とプルリング431内面とが直接接して係合する場合のみならず、インナーレース473外面とプルリング431内面とが異物を介して係合する場合をも含む。)により、レリーズベアリング471をリングホルダ451(プルリング431が取り付けられている)から矢印R方向に引き抜くことができずプルタイプクラッチ用レリーズ装置が分解できないことがあった。かかる場合には、エンジンとトランスミッションとを分離しないままでクラッチカバーをフライホイールから取り外すという極めて手間がかかる作業を行うか、さもなければクラッチハウジングを切断するといった大がかりな作業を要する。
そこで、本発明においては、上記したようなプルタイプクラッチ用レリーズ装置において、プルコネクタの内面とインナーレースの外面との間のプルリングによる係合を解除又は減弱させ分解しようとした状態(例えば、リングホルダをフライホイール方向へ移動させた図4の状態)において、レリーズベアリングのインナーレース外面とプルリング内面との意図しない係合が生じても、レリーズベアリングを引き抜き分解することができる(分解状態にすることができる)プルタイプクラッチ用レリーズ装置を提供することを目的とする。
本発明のプルタイプクラッチ用レリーズ装置(以下、「本装置」という。)は、ダイヤフラムスプリングの内周端部をトランスミッション側に引き出すことによりクラッチを解除するためのプルタイプクラッチ用レリーズ装置であって、ダイヤフラムスプリングの内周端部に固定される係止部と、係止部の内周側に配置されたインナーレースを有するレリーズベアリングと、係止部の内面とインナーレースの外面とに係合することで係止部とインナーレースとを連結する連結リングと、を備えてなり、連結リングの外縁の所定位置である解除当接部に、解除部材が内側方向に向かって当接することで、解除当接部に隣接する両側を押し広げるものである、プルタイプクラッチ用レリーズ装置である。
なお、本明細書において、「内」及び「外」は、フライホイールの回転軸に近い方(内)と遠い方(外)とをそれぞれいう。
本装置は、図1乃至図4に示したようなダイヤフラムスプリングの内周端部をトランスミッション側に引き出すことによりクラッチを解除するプルタイプクラッチに用いられるプルタイプクラッチ用レリーズ装置であり、本装置は、ダイヤフラムスプリングの内周端部に固定される係止部(図1乃至図4においてはプルコネクタ411が該当する。)と、係止部の内周側に配置されたインナーレース(図1乃至図4においてはインナーレース473が該当する。)を有するレリーズベアリング(図1乃至図4においてはレリーズベアリング471が該当する。)と、係止部の内面とインナーレースの外面とに係合することで係止部とインナーレースとを連結する連結リング(図1乃至図4においてはプルリング431が該当する。)と、を備えてなる。従って、本装置を有するプルタイプクラッチを分解するには、係止部の内面とインナーレースの外面との間の連結リングによる係合を解除又は減弱させ(例えば、上述した図4のように連結リング(図1乃至図4においてはプルリング431)を係止部及びインナーレースに対して移動させる等によって行われてもよい。)、レリーズベアリングを引き抜き分解すればよいが、もし、係止部の内面とインナーレースの外面との間の連結リングによる係合を解き分解しようとした状態(前述の図4)においてレリーズベアリングのインナーレース外面と連結リング内面との意図しない係合によりレリーズベアリングの引き抜きが妨げられた場合には、連結リングの外縁の所定位置である解除当接部に解除部材を内側方向に向かって当接させ、解除当接部に隣接する(連結リングの)両側を押し広げるようにすればよい。こうすることで連結リングの解除当接部の両側が押し広げられる(該両側間の距離が増加する)ので連結リング内面が広がり(例えば、インナーレース外面と連結リング内面との間の隙間を拡大することができる。)、レリーズベアリングのインナーレース外面と連結リング内面と間の意図しない係合を解除又は減弱させ、レリーズベアリングを引き抜き分解することを容易ならしめる。従って、本装置を有するプルタイプクラッチは、係止部の内面とインナーレースの外面との間の連結リングによる係合を解除又は減弱させ分解しようとした状態においてレリーズベアリングのインナーレース外面と連結リング内面との意図しない係合が生じても、解除当接部に解除部材を内側方向に向かって当接させ解除当接部に隣接する両側を押し広げることで、レリーズベアリングを引き抜き分解することができる。
連結リングの外縁の所定位置である解除当接部は、解除部材が内側方向(即ち、フライホイールの回転軸に近づく方向)に向かって当接することで、解除当接部の両側が押し広げられる(該両側間の距離が増加する)ものであればいかなるものであってもよく何ら限定されるものではないが、例えば、(イ)連結リングの外縁から内側方向に向かって狭まるように形成された切り欠き部(解除部材が内側方向に向かって当接することで切り欠き部の両側が押し広げられる。なお、解除部材が当接する前に該切り欠きにより連結リングが分断されているか否かは問わず、さらに解除部材が当接し解除当接部の両側が押し広げられた後にも該切り欠きにより連結リングが分断されているか否かは問わない。)、(ロ)連結リングの外縁から内側方向に向かって解除部材が当接することで、該当接した部分が延ばされるもの(当接する部分が当初屈曲しており、解除部材が当接することで屈曲が延ばされるものや、解除部材が当接することで当接する部分が延性により延ばされるもの等を含む。)、(ハ)連結リングの外縁から内側方向に向かって解除部材が当接することで、該当接した部分が切断され押し広げられるもの等を例示することができる。
解除当接部が、外縁から内側方向に向かって狭まるように形成された切り欠き部(イ)であれば、解除部材を内側方向に向かって当接させつつ移動させることで、切り欠き部という簡単な構成を用いて解除当接部の両側を円滑かつ確実に押し広げることができる。
係止部は、解除部材の先端が解除当接部に当接可能に解除部材を貫入可能な解除部材貫入孔を有するもの(以下、「解除部材貫入孔保有本装置」という。)であってもよい。
解除当接部を有する連結リングは、係止部の内面とインナーレースの外面とに係合することで係止部とインナーレースとを連結するものであり、通常、係止部により外側から(連結リングよりもフライホイールの回転軸に遠い方)取り囲まれることが多い。このとき連結リングの外縁の所定位置である解除当接部に解除部材を内側方向に向かって当接させようとすると、外側から連結リングを取り囲む係止部を解除部材が貫通する必要がある。そこで、係止部が、解除部材の先端が解除当接部に当接可能に解除部材を貫入可能な解除部材貫入孔を有するようにすれば、解除部材貫入孔に解除部材を嵌入させ解除部材の先端を解除当接部に当接させれば、連結リングの外縁の解除当接部に解除部材(先端)を内側方向に向かってうまく当接させることができる。
解除部材貫入孔保有本装置の場合、解除部材が、少なくとも一部の外面に雄ねじが螺刻され、先端が解除当接部に当接する棒状部材により構成され、解除部材貫入孔の内面に、該雄ねじが螺合可能な雌ねじが螺刻されているものであってもよい。
こうすることで解除部材貫入孔の内面に螺刻された雌ねじに、解除部材の外面に螺刻された雄ねじを螺合させ、解除部材を解除部材貫入孔に対して回転させれば、解除部材の先端を解除当接部に対して自由に進退させることができ解除当接部にうまく該先端を当接させることができる。
本装置においては、係止部の内面とインナーレースの外面とに係合する連結リングに該内面と該外面との間で係合する連結リング移動部材であって、インナーレースを内嵌し連結リングに係合する筒状部分と、連結リングが係止部とインナーレースとを連結した連結状態において、インナーレースの軸方向に沿って係止部との間に隙間が形成されるようインナーレースの軸方向に対して側方に突出するよう筒状部分に取り付けられたフランジ部分と、フランジ部分の外縁に取り付けられ該隙間の少なくとも一部を外方から覆う覆い部分と、を有してなる、連結リング移動部材を、さらに備え、連結状態からインナーレースの軸方向に沿った両方向のうちのいずれか一方向である解除方向に、係止部及びインナーレースに対して相対的に連結リング移動部材を移動させることで、連結リングを係止部及びインナーレースに対して解除方向に相対的に移動させ、係止部の内面とインナーレースの外面との間の連結リングの係合を解除可能なものであってもよい。
係止部の内面とインナーレースの外面とに係合する連結リングに該内面と該外面との間で係合する連結リング移動部材であって、インナーレースを内嵌し連結リングに係合する筒状部分と、連結リングが係止部とインナーレースとを連結した連結状態において、インナーレースの軸方向に沿って係止部との間に隙間が形成されるようインナーレースの軸方向に対して側方に突出するよう筒状部分に取り付けられたフランジ部分と、を有してなる連結リング移動部材は、図1乃至図4におけるリングホルダ451と同様のものである(具体的には、リングホルダ451は、係止部(プルコネクタ411)の内面とインナーレース473の外面とに係合する連結リング(プルリング431)に該内面と該外面との間で係合する連結リング移動部材であって、インナーレース473を内嵌し連結リング(プルリング431)に係合する筒状部分453と、連結リング(プルリング431)が係止部(プルコネクタ411)とインナーレース473とを連結した連結状態(例えば、図2)において、インナーレース473の軸方向(15r方向)に沿って係止部(プルコネクタ411)との間に隙間が形成されるようインナーレース473の軸方向(15r方向)に対して側方(ここでは該軸方向に対して略垂直方向)に突出するよう筒状部分453に取り付けられたフランジ部分(一体フランジ部455)と、を有してなる連結リング移動部材である。)。かかる連結リング移動部材は、連結状態(例えば、図2)からインナーレース473の軸方向(15r方向)に沿った両方向(トランスミッション方向とフライホイール方向)のうちのいずれか一方向である解除方向(ここではフライホイール方向)に、係止部(プルコネクタ411)及びインナーレース473に対して相対的に連結リング移動部材(リングホルダ451)を移動させることで、連結リング(プルリング431)を係止部(プルコネクタ411)及びインナーレース473に対して解除方向(ここではフライホイール方向)に相対的に移動させ、係止部(プルコネクタ411)の内面とインナーレース473の外面との間の連結リング(プルリング431)の係合を解除可能なものである。
このような連結リング移動部材の場合、次の(1)及び(2)のような問題があった。
(1)連結リング(プルリング431)が係止部(プルコネクタ411)とインナーレース473とを連結した連結状態(例えば、図2)において、インナーレース473の軸方向(15r方向)に沿って係止部(プルコネクタ411)と連結リング移動部材(リングホルダ451)との間に隙間が形成されるので、係止部(プルコネクタ411)と連結リング移動部材(リングホルダ451)との間に該隙間から異物(砂、ダスト、粉塵等)をかみ込むことがあり、その際、連結リング移動部材(リングホルダ451)を解除方向(ここではフライホイール方向)へ移動させることができず、クラッチが分解できなくなる。
(2)連結リング移動部材(リングホルダ451)のフランジ部分(一体フランジ部455)に解除方向(ここではフライホイール方向)への力を加え(例えば、ねじ回しの先端でフランジ部分たる一体フランジ部455を探りながら行う。)、連結リング移動部材(リングホルダ451)を解除方向(ここではフライホイール方向)へ移動させなければならないが、間違えて係止部(プルコネクタ411)と連結リング移動部材(リングホルダ451)との間に力を加える等する間違いが生じることがあった(クラッチ分解作業性の悪化や、連結リング移動部材(リングホルダ451)のフランジ部分(一体フランジ部455)の破損等を生じうる。)。
フランジ部分の外縁に取り付けられ該隙間(連結状態(例えば、図2)において、インナーレース473の軸方向(15r方向)に沿って係止部(プルコネクタ411)と連結リング移動部材(リングホルダ451)との間に形成される隙間)の少なくとも一部を外方から覆う覆い部分を、連結リング移動部材がさらに備えるようにすれば、係止部(プルコネクタ411)と連結リング移動部材(リングホルダ451)との間に該隙間から異物(砂、ダスト、粉塵等)をかみ込むことを防止又は減少させると共に、係止部(プルコネクタ411)と連結リング移動部材(リングホルダ451)との間の該隙間に間違って力を加えることを防止又は減少させることができ、上記(1)及び(2)の問題を防止又は減少させることができる。
フランジ部分の外縁に取り付けられ該隙間(連結状態(例えば、図2)において、インナーレース473の軸方向(15r方向)に沿って係止部(プルコネクタ411)と連結リング移動部材(リングホルダ451)との間に形成される隙間)の少なくとも一部を外方から覆う覆い部分は、該隙間の一部のみを外方から覆うものであってもよいが、インナーレースの軸方向に対して垂直な全ての方向及び該軸方向の全ての前記隙間を覆うようにすれば、上記(1)及び(2)の問題を一層効果的に防止又は減少させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。しかしながら、これらによって本発明は何ら制限されるものではない。
図5は、一実施形態の本発明のプルタイプクラッチ用レリーズ装置(本装置)501を示す断面図(既に説明した図2と同様の断面を示している。)であり、図6は図5のAーA断面図(既に説明した図3(b)と同様の断面を示している。)であり、図7はプルリング531を示す図(既に説明した図3(a)と同様の方向からプルリング531を見たところを示している。)である。図5乃至図7を参照して、本装置501について説明する。
本装置501は、既に説明したプルタイプクラッチ201が有するレリーズ装置401に代えて用いられるものであり、レリーズ装置401以外の部分(クラッチカバー107、フライホイール103、クラッチディスク13、プレッシャープレート215及びダイヤフラムスプリング117(クラッチスプリング)等)はプルタイプクラッチ201と同様であるので、ここではプルタイプクラッチ201と同様の点についての説明は省略する(図5乃至図7において、プルタイプクラッチ201を構成する要素と同じ要素には同じ参照番号を付しているので、必要に応じプルタイプクラッチ201の説明を参照されたい。)。
なお、「内」とはセンターハブ15の軸(筒状部分15aの軸15r及びフライホイール103の回転軸と一致する。)に近い方をいい、「外」とはセンターハブ15の軸から遠い方をいう。
本装置501は、ダイヤフラムスプリング117の内周端部117bをクラッチの回転軸(センターハブ15の軸(筒状部分15aの軸15r)と一致する。)方向に係止し固定するプルコネクタ511と、プルコネクタ511の内周側に配置されたインナーレース473を有するレリーズベアリング471と、プルコネクタ511とインナーレース473との間に配置されるプルリング531と、プルリング531を支持するリングホルダ551と、を備えている。
なお、インナーレース473を含めレリーズベアリング471は、プルタイプクラッチ201のものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
プルリング531は、レリーズ装置401のプルリング431に比し、切り欠き部533が設けられている点(特に図7参照)が異なるのみであり、その余はプルリング431と同様であるので切り欠き部533以外の説明は省略する。
切り欠き部533は、プルリング531の外周535aから内周535bに向けて先細り(扇形)になるように形成されている。即ち、プルリング531がプルタイプクラッチに装着された場合、該クラッチの回転軸(センターハブ15の軸(筒状部分15aの軸15r)と一致する。)方向から見ると(図7に示した状態である。)、内周535bに向けて扇形(中心角は約60度)(「V」の字状)に切り欠かれており、該扇形の弧が外周535aに連なるようにかつ該弧の中点と該扇形の中心(内周535b側)とを結ぶ直線がクラッチの回転軸(センターハブ15の軸(筒状部分15aの軸15r)と一致する。)と略直交するよう切り欠き部533は設けられている。
なお、ここではプルリング531は、切り欠き部533により分断されており、アルファベットの「C」の字に類似の部材(プルリング431はアルファベットの「O」の字に類似の部材)を構成している。
プルコネクタ511は、レリーズ装置401のプルコネクタ411に比し、貫通孔514が設けられている点(特に図5及び図6参照)が異なるのみであり、その余はプルコネクタ411と同様であるので貫通孔514以外の説明は省略する。
貫通孔514は、本装置501を構成するようにプルリング531とプルコネクタ511とが組み付けられたとき、プルリング531に形成された切り欠き部533に丁度対応する位置に穿設されている。即ち、後述するように、棒状部材を貫通孔514に貫入すれば、その棒状部材の先端が切り欠き部533に当接することができるような位置に貫通孔514は穿設されている。詳述すれば、貫通孔514の中心軸(貫通孔514は略円柱形状をしているので、該略円柱の軸)と軸15rとは略同一の平面に属し、さらに切り欠き部533が形成する前記扇形の前記弧の中点と前記扇形の中心とを結ぶ直線が該平面に略属すようにされている。
また、貫通孔514の内周面(直円柱の側面に沿った形状をしている。)には、雌ねじ(図示せず)が螺刻されている。従って、該雌ねじに螺合可能な雄ねじが外周に螺刻された棒状部材(例えば、該雄ねじが軸部に螺刻されたボルト等)であれば、貫通孔514に嵌入し、正逆に回転させることで該棒状部材の先端を切り欠き部533に対して進退させることができる。
リングホルダ551は、レリーズ装置401のリングホルダ451に比し、覆い部554が設けられている点(特に図5参照)が異なるのみであり、その余はリングホルダ451と同様であるので覆い部554以外の説明は省略する。
リングホルダ551は、インナーレース473の外周面に外嵌される中空の筒状部分453(リングホルダ451の筒状部分453に同じ)と、筒状部分453の一端に一体に形成された外方に突出する一体フランジ部455(リングホルダ451の一体フランジ部455に同じ)と、一体フランジ部455の外縁に一端が取り付けられた覆い部554と、筒状部分453の他端近傍に着脱自在に取り付け可能な軸用C型止め輪457(スナップリング)(リングホルダ451の軸用C型止め輪457に同じ)と、を備えており、さらに第1内向き爪部433a、第2内向き爪部433b及び第3内向き爪部433cが溝473aに嵌入された状態において、筒状部分453は、半径r2の内縁部435とインナーレース473の外周面との間に貫入される貫入部553p(上述の貫入部453pに同じ)を該他端側(一体フランジ部455とは反対側。軸用C型止め輪457側)に有する。
覆い部554は、両端が開放された中空の直円筒(クラッチの回転軸(センターハブ15の軸(筒状部分15aの軸15r)と一致する。)を軸とする直円筒)形状をしており、上述のように該両端のうち一端の縁部が一体フランジ部455の外縁に取り付けられている。覆い部554は、図5に示すように、プルコネクタ511と一体フランジ部455との間に形成される空間Sが、クラッチの回転軸(センターハブ15の軸(筒状部分15aの軸15r)と一致する。)に対して垂直ないずれの方向に対しても露出しないように覆っている。
本装置501を有するプルタイプクラッチを分解するには、従来のレリーズ装置401において図1及び図2の状態(運転状態)から図4に示すようにリングホルダ451(一体フランジ部455)にフライホイール103方向への力を加え(例えば、レリーズベアリング471とリングホルダ451との隙間Qにマイナスドライバーを差し込んで隙間Qを広げるようにひねることにより該力を加える。)、リングホルダ451をフライホイール103方向へ移動させるのと同様、図5の状態(運転状態)から図8に示すようにリングホルダ551(一体フランジ部455)にフライホイール103方向への力を加え(例えば、レリーズベアリング471とリングホルダ551との隙間Qにマイナスドライバーを差し込んで隙間Qを広げるようにひねることにより該力を加える。)、図8に示すようにリングホルダ551をフライホイール103方向へ移動させる。このときリングホルダ551をフライホイール103方向へ移動させる(図8)と共に、(図8の後に)レリーズベアリング471をリングホルダ551から矢印R方向に引き抜くようにする。このときプルリング531の第1内向き爪部433a、第2内向き爪部433b及び第3内向き爪部433cは弾性変形することにより溝473aから脱するので、レリーズベアリング471は、ダイヤフラムスプリング117の内周端部117bに取り付けられたプルコネクタ511と分離することができ、本装置501を有するプルタイプクラッチを分解することができる(分解状態。エンジンとトランスミッションとが分離可能)。
このように運転状態(図5)から分解状態(図8)にプルタイプクラッチを分解するには、リングホルダ551をフライホイール103方向(矢印Rとは逆方向)へ移動させる必要があるが、上述したように運転状態(図5)において本装置501のプルコネクタ511と一体フランジ部455との間に形成される空間Sを覆い部554が露出しないように覆うことで、従来のレリーズ装置401(図1〜図4)が有する次の(1)及び(2)の問題を防止又は減少させることができる。
(1)従来のレリーズ装置401において、図1及び図2の状態(運転状態)からプルタイプクラッチ201を分解する際には、図4に示すようにリングホルダ451(一体フランジ部455)にフライホイール103方向への力を加え(例えば、レリーズベアリング471とリングホルダ451との隙間Qにマイナスドライバーを差し込んで隙間Qを広げるようにひねることにより該力を加える。)、リングホルダ451をフライホイール103方向へ移動させる必要があるが、このときプルコネクタ411とリングホルダ451との間に異物(砂、ダスト、粉塵等)がかみ込まれていることで、リングホルダ451をフライホイール103方向へ移動させることができないことがあった。
しかしながら、本装置501においてはプルコネクタ511と一体フランジ部455との間に形成される空間Sを覆い部554が露出しないように覆うことにより、プルコネクタ511とリングホルダ551(一体フランジ部455)との間に形成される空間Sに異物(砂、ダスト、粉塵等)が進入することを防止又は減少させることでプルコネクタ511とリングホルダ551との間に異物(砂、ダスト、粉塵等)がかみ込まれリングホルダ551をフライホイール103方向へ移動させることができなくなることを防止又は減少させることができる。
(2)従来のレリーズ装置401において、図1及び図2の状態(運転状態)からプルタイプクラッチ201を分解する際には、図4に示すようにリングホルダ451(一体フランジ部455)にフライホイール103方向への力を加え、リングホルダ451をフライホイール103方向へ移動させる必要があるが、これは具体的には、例えば、レリーズベアリング471とリングホルダ451との隙間Qにマイナスドライバーを差し込んで隙間Qを広げるようにひねることにより該力を加えるようにされていた。このようにレリーズベアリング471とリングホルダ451との隙間Qにマイナスドライバーを差し込んで隙間Qを広げるように力を加えることは、実際の現場(例えば、自動車の整備工場等)においては手探り状態(隙間Qがうまく目視できない状態で行うこともあった)で行うこともあり、間違えてプルコネクタ411とリングホルダ451との間に力を加えるような間違い(レリーズベアリング471とリングホルダ451との隙間Qを広げなければならないのに、隙間Qを狭めることになる。)が生じることがあった。このことはクラッチの分解作業を手間取らせたり(作業効率の低下)、時にはプルコネクタ411やリングホルダ451(特に一体フランジ部455)を破損させることすらあった。
しかしながら、本装置501においてはプルコネクタ511と一体フランジ部455との間に形成される空間Sを覆い部554が露出しないように覆うことにより(図5)、間違えてプルコネクタ511とリングホルダ551(一体フランジ部455)との間(空間S)にマイナスドライバー等を差し込んで力を加えるような間違いをすることを防止することができる(マイナスドライバー等を差し込もうとしても、空間Sを覆い部554が覆っているので差し込めない。)。
そして、本装置501において運転状態(図5)からリングホルダ551をフライホイール103方向へ移動させた状態(図8)にした後、(図8の状態から)レリーズベアリング471をリングホルダ551から矢印R方向に引き抜き分解しようとする際に、プルリング531の変形や異物(例えば、砂粒、炭素粉、金属スラッジ等)のかみ込み等によってレリーズベアリング471のインナーレース473外面とプルリング531内面との係合(意図しない係合。なお、インナーレース473外面とプルリング531内面とが直接接して係合する場合のみならず、インナーレース473外面とプルリング531内面とが異物を介して係合する場合をも含む。)により、レリーズベアリング471をリングホルダ551(プルリング531が取り付けられている)から矢印R方向に引き抜くことができず本装置501がうまく分解できない場合には次のようにすればよい。
図8に示す状態において、インナーレース473外面とプルリング531内面との係合(意図しない係合)を解くには、まず、プルコネクタ511の貫通孔514にボルト701(後述の図9参照)を螺嵌する。なお、この貫通孔514にボルト701を螺嵌するときに覆い部554が邪魔にならないよう、図12(図8中の矢印Y方向から貫通孔514付近を見たところの一部を示している。)に示すよう覆い部554には半円状の切り欠き554hが形成されている。貫通孔514にボルト701を螺合させる際にボルト701が覆い部554に当接(干渉)することを、切り欠き554hによって防止している。ボルト701は、図9に示すように軸部711と頭部721とを有してなり(なお、理解を容易にするため図9においてはボルト701にハッチングを付していない。)、貫通孔514の内周面に螺刻された雌ねじに螺嵌可能な雄ねじが軸部711の外周には螺刻されている。このため軸部711を貫通孔514に螺合させたボルト701は、図示しないスパナ等のような工具を用いて頭部721を正逆に回転させることでボルト701の先端をプルリング531の切り欠き部533に対して進退させることができる(貫通孔514は、プルリング531に形成された切り欠き部533に丁度対応する位置に穿設されている。)。
ボルト701の軸部711を貫通孔514に螺合させ、ボルト701の先端をプルリング531の切り欠き部533に対し当接させ、さらにボルト701を貫通孔514に対し嵌入する方向(図9中、矢印M方向)に進めると、切り欠き部533はプルリング531の外周535aから内周535bに向けて先細り(扇形)になるように形成されているので、ボルト701の先端が切り欠き部533を押し広げる。このようにしてボルト701の先端が切り欠き部533を押し広げた状態を図9(図8のN−N断面と同じ位置を示している。)に示す。図9に示すようにボルト701の先端が切り欠き部533を押し広げたことにより、プルリング531が形成するアルファベットの「C」の字が広がり、第1内向き爪部433a、第2内向き爪部433b及び第3内向き爪部433cが外方に移動している。これによりインナーレース473外面とプルリング531内面(特に、第1内向き爪部433a、第2内向き爪部433b及び第3内向き爪部433c)との意図しない係合は解かれ又は弱まることで、レリーズベアリング471をリングホルダ551(プルリング531が取り付けられている)から矢印R方向に引き抜くことができ本装置501をうまく分解することができる。
また、上記ではプルリング531の切り欠き部533に対し先端を当接させ切り欠き部533を押し広げるための力は、貫通孔514の内周面に螺刻された雌ねじに軸部711の外周に螺刻された雄ねじが螺合し、該雄ねじを該雌ねじに対して回転させることで生じさせていたが、切り欠き部533を押し広げることができる力を生じるものであれば何ら制限されるものではなく、様々な方法により該力を生じさせるようにしてもよい。一例を挙げれば、図10に示すように、先端821aが貫通孔514に貫通可能な真っ直ぐな金属製の棒状部材たる棒状部821と、棒状部821の基端側に取り付けられた把持部831と、を有してなる棒状工具801を用い、前述のボルト701の先端の代わりに先端821aを切り欠き部533に当接させ押し広げるようにしてもよい。具体的には、図示しない手で把持部831を把持し、棒状部821の先端821aを図10(なお、図10(a)は図8と同様の断面の一部を示す一部断面図であり、図10(b)は図10(a)のT−T断面と同じ位置を示す断面図である。但し、図10(b)は切り欠き部533を既に押し広げた状態を示している。)に示すように貫通孔514に嵌入し(この棒状部821の先端821aを貫通孔514に嵌入する際も、前述の図12に示したように覆い部554に形成された半円状の切り欠き554hが棒状部821が覆い部554に当接(干渉)することを防止している。)、先端821aを切り欠き部533に当接させさらに力を加えて押し広げればよい。なお、このときは貫通孔514は棒状部821の先端821aが切り欠き部533に当接可能に嵌入できれば足り、前述のように貫通孔514の内周面に雌ねじを螺刻していてもいなくてもよい(雌ねじを螺刻していれば、軸部711の外周に螺刻された雄ねじが螺合可能であるので、前述したようにボルト701も併用できる。)。
以上説明したように、本装置501は、従来のレリーズ装置401(図1〜図4)に比して、次のように分解を容易かつ確実にならしめる。
前記した従来のレリーズ装置401の問題(1)のように、プルコネクタ411とリングホルダ451との間に異物(砂、ダスト、粉塵等)がかみ込まれることを本装置501はプルコネクタ511と一体フランジ部455との間に形成される空間Sを覆い部554が露出しないように覆うことにより(例えば図5)、プルコネクタ511とリングホルダ551との間に異物(砂、ダスト、粉塵等)がかみ込まれリングホルダ551をフライホイール103方向へ移動させることができなくなることを防止又は減少させる。
そして、前記した従来のレリーズ装置401の問題(2)のように、間違えてプルコネクタ411とリングホルダ451との間に力を加えるような間違いを本装置501はプルコネクタ511と一体フランジ部455との間に形成される空間Sを覆い部554が露出しないように覆うことにより(例えば図5)防止し、レリーズベアリング471とリングホルダ551との隙間Qにマイナスドライバー等を差し込んで隙間Qを広げるように容易かつ確実に力を加えることができる。
さらに、本装置501において運転状態(図5)からリングホルダ551をフライホイール103方向へ移動させた状態(図8)にした後、(図8の状態から)プルリング531の変形や異物(例えば、砂粒、炭素粉、金属スラッジ等)のかみ込み等によってレリーズベアリング471のインナーレース473外面とプルリング531内面との意図しない係合により、レリーズベアリング471をリングホルダ551(プルリング531が取り付けられている)から矢印R方向にうまく引き抜くことができない場合には、プルコネクタ511の貫通孔514を経由してプルリング531の切り欠き部533を押し広げることにより、インナーレース473外面とプルリング531内面(特に、第1内向き爪部433a、第2内向き爪部433b及び第3内向き爪部433c)との意図しない係合を解き又は弱めることで、レリーズベアリング471をリングホルダ551(プルリング531が取り付けられている)から矢印R方向に引き抜くことで本装置501をうまく分解することができる。
以上のように本装置501は、ダイヤフラムスプリング117の内周端部117bをトランスミッション側(フライホイール103とは反対方向。図中、矢印Rにて示した。)に引き出すことによりクラッチを解除(動力が伝達されないようクラッチを切る)するためのプルタイプクラッチ用レリーズ装置であって、ダイヤフラムスプリング117の内周端部117bに固定される係止部(プルコネクタ511)と、係止部(プルコネクタ511)の内周側に配置されたインナーレース473を有するレリーズベアリング471と、係止部(プルコネクタ511)の内面とインナーレース473の外面とに係合することで係止部(プルコネクタ511)とインナーレース473とを連結する連結リング(プルリング531)と、を備えてなり、連結リング(プルリング531)の外縁の所定位置である解除当接部(ここでは切り欠き部533)に、解除部材(ここでは図9に示したボルト701や、図10に示した棒状工具801)が内側方向(センターハブ15の軸(筒状部分15aの軸15r及びフライホイール103の回転軸と一致する。)に近づく方向)に向かって当接することで、解除当接部(切り欠き部533)に隣接する両側を押し広げる(例えば、図6と図9とを比較)ものである、プルタイプクラッチ用レリーズ装置である。
そして、本装置501においては、解除当接部(切り欠き部533)が、外縁から内側方向に向かって狭まる(外周535aから内周535bに向けて先細りになる略扇形)ように形成された切り欠き部533である。
また、係止部(プルコネクタ511)は、解除部材(図9に示したボルト701や、図10に示した棒状工具801)の先端(ボルト701の先端や、棒状部821の先端821a)が解除当接部(切り欠き部533)に当接可能に解除部材(図9に示したボルト701や、図10に示した棒状工具801)を貫入可能な解除部材貫入孔(貫通孔514)を有するものである。
さらに、図9に示すように、本装置501においては、解除部材たるボルト701が、少なくとも一部の外面に雄ねじが螺刻され(雄ねじが軸部711の外周には螺刻されている。)、先端(ボルト701の先端)が解除当接部(切り欠き部533)に当接する棒状部材により構成され、解除部材貫入孔(貫通孔514)の内面に、該雄ねじ(軸部711の外周に螺刻された雄ねじ)が螺合可能な雌ねじが螺刻されているものである。
加えて、本装置501は、係止部(プルコネクタ511)の内面とインナーレース473の外面とに係合する連結リング(プルリング531)に該内面(係止部(プルコネクタ511)の内面)と該外面(インナーレース473の外面)との間で係合する連結リング移動部材(リングホルダ551)であって、インナーレース473を内嵌し連結リング(プルリング531)に係合する筒状部分453と、連結リング(プルリング531)が係止部(プルコネクタ511)とインナーレース473とを連結した連結状態(例えば、図5)において、インナーレース473の軸方向(クラッチの回転軸(センターハブ15の軸(筒状部分15aの軸15r)と一致する。)と一致する。)に沿って係止部(プルコネクタ511)との間に隙間Sが形成されるようインナーレース473の軸方向(クラッチの回転軸(センターハブ15の軸(筒状部分15aの軸15r)と一致する。)と一致する。)に対して側方(ここではインナーレース473の軸方向に対して略垂直方向)に突出するよう筒状部分453に取り付けられたフランジ部分(一体フランジ部455)と、フランジ部分(一体フランジ部455)の外縁に取り付けられ該隙間Sの少なくとも一部(ここでは全部)を外方から覆う覆い部分(覆い部554)と、を有してなる、連結リング移動部材(リングホルダ551)を、さらに備え、連結状態(例えば、図5)からインナーレース473の軸方向に沿った両方向(矢印R方向又は矢印Rと反対方向)のうちのいずれか一方向である解除方向(ここでは矢印Rと反対方向)に、係止部(プルコネクタ511)及びインナーレース473に対して相対的に連結リング移動部材(リングホルダ551)を移動させることで、連結リング(プルリング531)を係止部(プルコネクタ511)及びインナーレース473に対して解除方向(ここでは矢印Rと反対方向)に相対的に移動させ、係止部(プルコネクタ511)の内面とインナーレース473の外面との間の連結リング(プルリング531)の係合を解除可能なものである。
なお、ここでは覆い部分(覆い部554)が、インナーレース473の軸方向に対して垂直な全ての方向及び該軸方向の全ての前記隙間Sを覆うものである(インナーレース473の軸に対して垂直な直線のうち隙間Sを通過するものは、覆い部分(覆い部554)を通過しているので、覆い部分(覆い部554)がインナーレース473の軸方向に対して垂直な全ての方向及び該軸方向の全ての前記隙間Sを覆っている。)。
従来のプルタイプクラッチの断面図である。 図1の一部拡大断面図である。 プルリングを示す平面図(図3(a))及び図2のA−A断面図(図3(b))である。 従来のプルタイプクラッチを分解する際の状態を示す一部拡大断面図である。 一実施形態の本発明のプルタイプクラッチ用レリーズ装置(本装置)を示す断面図である。 図5のAーA断面図である。 図7はプルリングを示す平面図である。 本装置を分解する際の状態を示す断面図である。 ボルトの先端が切り欠き部を押し広げた状態を示す断面図である。 棒状工具を用いて切り欠き部を押し広げる様子を示す図である。 筒状部分と一体フランジ部とを示す図である。 図8中の矢印Y方向から貫通孔付近を見たところの一部拡大図である。
符号の説明
11 摩擦ディスク
12a 第1ミッドプレート
12b 第2ミッドプレート
13 クラッチディスク
15 センターハブ
15a 筒状部分
15b 円盤部分
15r 軸
103 フライホイール
107 クラッチカバー
107h 開口
117 ダイヤフラムスプリング
117a 外周端部
117b 内周端部
201 プルタイプクラッチ
215 プレッシャープレート
301 トランスミッションのメインシャフト
401 レリーズ装置(従来)
411 プルコネクタ
411a 円筒本体部
411af 内方フランジ部
413 第1支持部
415 第2支持部
431 プルリング
432 中心
433a 第1内向き爪部
433b 第2内向き爪部
433c 第3内向き爪部
435 内縁部
451 リングホルダ
453 筒状部分
453m 嵌入溝
453p 貫入部
455 一体フランジ部
457 軸用C型止め輪
471 レリーズベアリング
473 インナーレース
473a 溝
501 本装置
511 プルコネクタ(本装置)
514 貫通孔
531 プルリング(本装置)
533 切り欠き部
535a 外周
535b 内周
551 リングホルダ(本装置)
553p 貫入部
554 覆い部
554h 切り欠き
701 ボルト
711 軸部
721 頭部
801 棒状工具
821 棒状部
821a 先端
831 把持部

Claims (6)

  1. ダイヤフラムスプリングの内周端部をトランスミッション側に引き出すことによりクラッチを解除するためのプルタイプクラッチ用レリーズ装置であって、
    ダイヤフラムスプリングの内周端部に固定される係止部と、
    係止部の内周側に配置されたインナーレースを有するレリーズベアリングと、
    係止部の内面とインナーレースの外面とに係合することで係止部とインナーレースとを連結する連結リングと、
    を備えてなり、
    連結リングの外縁の所定位置である解除当接部に、解除部材が内側方向に向かって当接することで、解除当接部に隣接する両側を押し広げるものである、プルタイプクラッチ用レリーズ装置。
  2. 解除当接部が、外縁から内側方向に向かって狭まるように形成された切り欠き部である、請求項1に記載のプルタイプクラッチ用レリーズ装置。
  3. 係止部は、解除部材の先端が解除当接部に当接可能に解除部材を貫入可能な解除部材貫入孔を有するものである、請求項1又は2に記載のプルタイプクラッチ用レリーズ装置。
  4. 解除部材が、少なくとも一部の外面に雄ねじが螺刻され、先端が解除当接部に当接する棒状部材により構成され、
    解除部材貫入孔の内面に、該雄ねじが螺合可能な雌ねじが螺刻されているものである、請求項3に記載のプルタイプクラッチ用レリーズ装置。
  5. 係止部の内面とインナーレースの外面とに係合する連結リングに該内面と該外面との間で係合する連結リング移動部材であって、
    インナーレースを内嵌し連結リングに係合する筒状部分と、
    連結リングが係止部とインナーレースとを連結した連結状態において、インナーレースの軸方向に沿って係止部との間に隙間が形成されるようインナーレースの軸方向に対して側方に突出するよう筒状部分に取り付けられたフランジ部分と、
    フランジ部分の外縁に取り付けられ該隙間の少なくとも一部を外方から覆う覆い部分と、
    を有してなる、連結リング移動部材を、さらに備え、
    連結状態からインナーレースの軸方向に沿った両方向のうちのいずれか一方向である解除方向に、係止部及びインナーレースに対して相対的に連結リング移動部材を移動させることで、連結リングを係止部及びインナーレースに対して解除方向に相対的に移動させ、係止部の内面とインナーレースの外面との間の連結リングの係合を解除可能なものである、請求項1乃至4のいずれか1に記載のプルタイプクラッチ用レリーズ装置。
  6. 覆い部分が、インナーレースの軸方向に対して垂直な全ての方向及び該軸方向の全ての前記隙間を覆うものである、請求項5に記載のプルタイプクラッチ用レリーズ装置。
JP2006333740A 2006-12-11 2006-12-11 プルタイプクラッチ用レリーズ装置 Withdrawn JP2008144882A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006333740A JP2008144882A (ja) 2006-12-11 2006-12-11 プルタイプクラッチ用レリーズ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006333740A JP2008144882A (ja) 2006-12-11 2006-12-11 プルタイプクラッチ用レリーズ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008144882A true JP2008144882A (ja) 2008-06-26

Family

ID=39605287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006333740A Withdrawn JP2008144882A (ja) 2006-12-11 2006-12-11 プルタイプクラッチ用レリーズ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008144882A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10746232B2 (en) 2016-08-31 2020-08-18 ATS, Inc. Clutch device

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10746232B2 (en) 2016-08-31 2020-08-18 ATS, Inc. Clutch device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1842612B1 (en) Dust collecting cup
JP6188425B2 (ja) プロペラシャフト
JP4964417B2 (ja) 等速ジョイントのシャフト抜け防止構造
JPWO2009131105A1 (ja) 流体継手および流体継手用リテーナ
JP2008267585A (ja) 軸受装置および軸受装置の組立方法
US20120144643A1 (en) Sleeve Removal Tool and Sleeve Removal Method
JP2010084893A (ja) 連結構造およびステアリング装置
TW201311378A (zh) 動力工具用岩心鑽頭組
JP2008144882A (ja) プルタイプクラッチ用レリーズ装置
JP2008164019A (ja) 等速ジョイントのシャフト取付構造
JP2005188705A (ja) 管継手の管取外し冶具
US10676149B2 (en) Vehicle wheel axle assembly
JP4942424B2 (ja) 回転工具の着脱装置
JP2016041456A (ja) 回転装置用ソケット
CN112008653A (zh) 轴承的拆卸方法
JP2008232179A (ja) 軸受装置
JP2009148864A (ja) 工具ホルダ
JP5489666B2 (ja) 管継手
JP2008095843A (ja) サークリップ及び等速ジョイント
JP5880814B2 (ja) 摺動式スプライン軸装置およびその製造方法
JP2008089148A (ja) 等速自在継手の組立方法
JP6033823B2 (ja) 継手及びこれに装着する一組の分割カラー
JP2017194169A (ja) プロペラシャフト
JP2007263161A (ja) シャフト嵌合構造
WO2016002535A1 (ja) 配管継手

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20100302