JP2008144587A - 軸受付き圧縮室形成部材及び圧縮機 - Google Patents

軸受付き圧縮室形成部材及び圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2008144587A
JP2008144587A JP2006328807A JP2006328807A JP2008144587A JP 2008144587 A JP2008144587 A JP 2008144587A JP 2006328807 A JP2006328807 A JP 2006328807A JP 2006328807 A JP2006328807 A JP 2006328807A JP 2008144587 A JP2008144587 A JP 2008144587A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hole
bearing
opening end
chamber forming
compression chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006328807A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Masuda
正典 増田
Yorihide Higuchi
順英 樋口
Kazuhiro Kosho
和宏 古庄
Takeyoshi Okawa
剛義 大川
Masaru Tanaka
勝 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2006328807A priority Critical patent/JP2008144587A/ja
Publication of JP2008144587A publication Critical patent/JP2008144587A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compressor (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

【課題】本発明の課題は、圧縮室形成部材が小型化される場合であっても圧縮効率を低下させることなく高い軸受信頼性を確保することができる圧縮機及び軸受付き圧縮室形成部品(ヘッド部材)を提供することにある。
【解決手段】本発明に係る軸受付き圧縮室形成部材23,25,123は、貫通孔、直交面P1,P2、及び切頭円錐筒形状溝23d,25d,123dを備える。直交面は、貫通孔の第1開口端から貫通孔の半径方向に向かって広がる。切頭円錐筒形状溝は、第1開口端の側から第1開口端の反対側の開口端である第2開口端の側に向かうに連れて孔軸1aを中心とする内周壁面および外周壁面の半径が大きくなるように形成されており、直交面のうち第1開口端の周囲部分に開口する。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧縮機、及び圧縮機を構成する軸受付き圧縮室形成部材に関する。
過去に「ロータリ圧縮機においてヘッド部材に、軸受孔を囲み圧縮室形成面に開口する円筒溝を形成することにより、クランク軸が片当たりしたときの局所面圧の上昇を回避し、軸受信頼性を向上させる(つまり、軸受の弾性軸受化)」という提案がなされている(例えば、非特許文献1や特許文献1参照)。
HITACHI REVIEW June1987 Vol.36 No.3 p.179 Fig.6 特開平6−74176号公報
しかし、ロータリ圧縮機やスイング圧縮機において軸受荷重及び軸受摺動損失を低減させるために、「ローラ」や「ピストンのローラ部」及びピン軸受を小径化すると、円筒溝の開口より外周側の圧縮室形成面と「ローラ」や「ピストンのローラ部」の端面との最小重なり部分(シール部分)が縮小し、その結果、ピン軸受から多量の高温油が吸入・圧縮室に流れ込みガス過熱による性能低下が生じていた。
また、冷媒として二酸化炭素のような超高圧冷媒が使用される場合、圧縮室形成部材は小型化されるが、クランク軸等に掛かる加重は変わらないどころか大きくなる。したがって、このような弾性軸受部分には従来のフロン系冷媒の場合の弾性軸受部分と同等かそれ以上の剛性が必要となる。したがって、圧縮室形成部材の小型化に伴い、円筒溝の開口より外周側の圧縮室形成面と「ローラ」や「ピストンのローラ部」の端面との最小重なり部分(シール部分)を確保できなくなり圧縮効率が著しく低下することとなっていた。
本発明の課題は、圧縮室形成部材が小型化される場合であっても圧縮効率を低下させることなく高い軸受信頼性を確保することができる圧縮機(特にロータリ圧縮機やスイング圧縮機)を提供することにある。
第1発明に係る軸受付き圧縮室形成部材は、貫通孔、直交面、及び切頭円錐筒形状溝を備える。直交面は、貫通孔の第1開口端から貫通孔の半径方向に向かって広がる。切頭円錐筒形状溝は、第1開口端の側から第1開口端の反対側の開口端である第2開口端の側に向かうに連れて孔軸を中心とする内周壁面および外周壁面の半径が大きくなるように形成されており、直交面のうち第1開口端の周囲部分に開口する。なお、ここで、貫通孔が軸受に該当し、直交面が圧縮室形成面に該当する。
この軸受付き圧縮室形成部材では、切頭円錐筒形状溝が、第1開口端の側から第1開口端の反対側の開口端である第2開口端の側に向かうに連れて孔軸を中心とする内周壁面および外周壁面の半径が大きくなるように形成されており、直交面のうち第1開口端の周囲部分に開口する。このため、この軸受付き圧縮室形成部材では、貫通孔と切頭円錐筒形状溝とに挟まれる孔壁部分の第2開口端側の部分(つまり、弾性軸受部分の付け根部)の厚みを変えることなく又は厚みを増やしながら溝の開口を第1開口端に近づけることができる。したがって、この軸受付き圧縮室形成部材がロータリ圧縮機やスイング圧縮機に採用されれば、弾性軸受部分の剛性を維持しつつ又は高めつつ、溝の開口より外周側の圧縮室形成面と「ローラ」や「ピストンのローラ部」の端面との最小重なり部分(シール部分)を維持あるいは拡大することができる。よって、この軸受付き圧縮室形成部材がロータリ圧縮機やスイング圧縮機に採用されれば、圧縮室形成部材が小型化される場合であっても圧縮効率を低下させることなく高い軸受信頼性を確保することができる圧縮機を提供することができる。
第2発明に係る軸受付き圧縮室形成部材は、第1発明に係る軸受付き圧縮室形成部材であって、切頭円錐筒形状溝は、第1開口端の稜線を跨いで直交面および貫通孔の壁面の両面に開口する。
この軸受付き圧縮室形成部材では、切頭円錐筒形状溝が、第1開口端の稜線を跨いで直交面および貫通孔の壁面の両面に開口する。このため、この軸受付き圧縮室形成部材がロータリ圧縮機やスイング圧縮機に採用されれば、弾性軸受部分の剛性を維持しつつ又は高めつつ、溝の開口より外周側の圧縮室形成面と「ローラ」や「ピストンのローラ部」の端面との最小重なり部分(シール部分)を大幅に拡大することができる。
第3発明に係る軸受付き圧縮室形成部材は、貫通孔、直交面、略円筒形状空間、及び環状溝を備える。直交面は、貫通孔の第1開口端から貫通孔の半径方向に向かって広がる。略円筒形状空間は、貫通孔の孔壁面よりも外周側に、貫通孔を囲うように形成される。環状溝は、略円筒形状空間に対向する孔壁面のうち第1開口端側の孔壁面から外周側に向かって延び、略円筒形状空間と全周に渡って連通するように形成される。なお、ここで、貫通孔が軸受に該当し、直交面が圧縮室形成面に該当する。また、このような形状を呈する軸受付き圧縮室形成部材を機械加工のみで製造することは比較的困難であるため、複数の部材を組み合わせてこのような軸受付き圧縮室形成部材を製造してもかまわない。具体的には、貫通孔と略円筒形状空間とに挟まれる孔壁部分及びその孔壁部分の第2開口端(第1開口端と反対側の開口端)側から第2開口端まで延びる孔壁部分を全て別部材、例えば、メタル材とすることが考えられる。
この軸受付き圧縮室形成部材では、略円筒形状空間が、貫通孔の孔壁面よりも外周側に、貫通孔を囲うように形成される。そして、さらに、環状溝が、略円筒形状空間に対向する孔壁面のうち第1開口端側の孔壁面から外周側に向かって延び、略円筒形状空間と全周に渡って連通するように形成される。このため、この軸受付き圧縮室形成部材が、主軸部のうち偏心軸部に近接する部分に環状溝が形成されるクランク軸が組み込まれる圧縮機に採用され、且つ、軸受付き圧縮室形成部材の環状溝を区画する稜線のうち第1開口端側孔壁側の稜線と第1開口端との間に位置する孔壁面がクランク軸の環状溝に対向するように配置されれば、圧縮室形成面に開口する溝を形成することなく高剛性な弾性軸受部分を形成することができる。したがって、この軸受付き圧縮室形成部材が上記条件を満たしつつロータリ圧縮機やスイング圧縮機に配置されれば、圧縮室形成部材が小型化される場合であっても圧縮効率を低下させることなく高い軸受信頼性を確保することができる圧縮機を提供することができる。
また、貫通孔と略円筒形状空間とに挟まれる孔壁部分及びその孔壁部分の第2開口端側から第2開口端まで延びる孔壁部分が全てメタル材とされれば、このような軸受付き圧縮室形成部材は容易に製造される。また、軸受部分の全部分がメタル材となるので、クランク軸との摩耗や焼付きを回避することができる。また、メタル材として高剛性のものを採用すれば、局所面圧低減効果等を享受することもできる。さらに、高剛性なメタル材として鉄系の円筒壁の内周面に樹脂やカーボン等が塗布されているようなドライ系メタル材等を採用すれば、その低面圧特性を活かすことができ、冷媒による潤滑油の希釈時や一瞬の潤滑油切れ時においても高い信頼性を確保することができる。
第4発明に係る軸受付き圧縮室形成部材は、貫通孔、直交面、及び略円筒密閉空間を備える。直交面は、貫通孔の第1開口端から貫通孔の半径方向に向かって広がる。略円筒密閉空間は、貫通孔の孔壁面よりも外周側に貫通孔を囲うように形成され、第1開口端側に配置される。なお、ここで、貫通孔が軸受に該当し、直交面が圧縮室形成面に該当する。また、このような形状を呈する軸受付き圧縮室形成部材を機械加工のみで製造することは極めて困難であるため、複数の部材を組み合わせてこのような軸受付き圧縮室形成部材を製造してもかまわない。具体的には、貫通孔と略円筒形状空間とに挟まれる孔壁部分及びその孔壁部分の第2開口端(第1開口端と反対側の開口端)側から第2開口端まで延びる孔壁部分を全て別部材、例えば、メタル材とすることが考えられる。
この軸受付き圧縮室形成部材では、略円筒密閉空間が、貫通孔の孔壁面よりも外周側に貫通孔を囲うように形成され、第1開口端側に配置される。このため、この軸受付き圧縮室形成部材が、主軸部のうち偏心軸部に近接する部分に環状溝が形成されるクランク軸が組み込まれる圧縮機に採用され、且つ、軸受付き圧縮室形成部材の略円筒密閉空間を区画する稜線のうち第1開口端側孔壁面側の稜線と第1開口端との間に位置する孔壁面がクランク軸の環状溝に対向されれば、圧縮室形成面に開口する溝を形成することなく高剛性な弾性軸受部分を形成することができる。したがって、この軸受付き圧縮室形成部材が上記条件を満たしつつロータリ圧縮機やスイング圧縮機に配置されれば、圧縮室形成部材が小型化される場合であっても圧縮効率を低下させることなく高い軸受信頼性を確保することができる圧縮機を提供することができる。
また、貫通孔と略円筒形状空間とに挟まれる孔壁部分及びその孔壁部分の第2開口端側から第2開口端まで延びる孔壁部分が全てメタル材とされれば、このような軸受付き圧縮室形成部材は容易に製造される。また、軸受部分の大部分がメタル材となるので、クランク軸との摩耗や焼付きを回避することができる。また、メタル材として高剛性のものを採用すれば、局所面圧低減効果等を享受することもできる。さらに、高剛性なメタル材として鉄系の円筒壁の内周面に樹脂やカーボン等が塗布されているようなドライ系メタル材等を採用すれば、その低面圧特性を活かすことができ、冷媒による潤滑油の希釈時や一瞬の潤滑油切れ時においても高い信頼性を確保することができる。
第5発明に係る圧縮機は、クランク軸、ローラ部、シリンダブロック、及び軸受付き圧縮室形成部材を備える。なお、ここにいう「圧縮機」とは、主にロータリー圧縮機やスイング圧縮機などである。また、ここにいう「ローラ部」は、ローラそのものであってもよいし(ロータリー圧縮機の場合)、ピストンのローラ部であってもよい(スイング圧縮機の場合)。クランク軸は、主軸部及び偏心軸部を有する。ローラ部は、偏心軸部に嵌合される。シリンダブロックは、収容孔を有する。収容孔は、板厚方向に貫通している。そして、この収容孔には、偏心軸部およびローラ部が収容される。軸受付き圧縮室形成部材は、軸受孔、圧縮室形成面、及び切頭円錐筒形状溝を有する。軸受孔には、主軸部が挿入される。圧縮室形成面は、軸受孔の第1開口端から軸受孔の半径方向に向かって広がり、シリンダブロックの収容孔の片側を覆う。切頭円錐筒形状溝は、軸受孔の第1開口端の側から第1開口端の反対側の開口端である第2開口端の側に向かうに連れて軸受孔の孔軸を中心とする内周壁面および外周壁面の半径が大きくなるように形成されており、圧縮室形成面のうち偏心軸部およびローラ部に対向する圧縮室形成面に開口する。
この圧縮機では、軸受付き圧縮室形成部材において、切頭円錐筒形状溝が、軸受孔の第1開口端の側から第1開口端の反対側の開口端である第2開口端の側に向かうに連れて軸受孔の孔軸を中心とする内周壁面および外周壁面の半径が大きくなるように形成されており、圧縮室形成面のうち偏心軸部およびローラ部に対向する圧縮室形成面に開口する。このため、この圧縮機では、軸受付き圧縮室形成部材において、貫通孔と切頭円錐筒形状溝とに挟まれる孔壁部分の第2開口端側の部分(つまり、弾性軸受部分の付け根部)の厚みを変えることなく又は厚みを増やしながら溝の開口を第1開口端に近づけることができる。したがって、この圧縮機では、弾性軸受部分の剛性を維持しつつ又は高めつつ、溝の開口より外周側の圧縮室形成面と「ローラ」や「ピストンのローラ部」の端面との最小重なり部分(シール部分)を維持あるいは拡大することができる。よって、圧縮機では、圧縮室形成部材が小型化される場合であっても圧縮効率を低下させることなく高い軸受信頼性を確保することができる。
第6発明に係る圧縮機は、第5発明に係る圧縮機であって、切頭円錐筒形状溝は、第1開口端の稜線を跨いで、圧縮室形成面のうち偏心軸部およびローラ部に対向する圧縮室形成面および軸受孔の壁面の両面に開口する。
この圧縮機では、軸受付き圧縮室形成部材において、切頭円錐筒形状溝が、第1開口端の稜線を跨いで、圧縮室形成面のうち偏心軸部およびローラ部に対向する圧縮室形成面および軸受孔の壁面の両面に開口する。このため、この圧縮機では、弾性軸受部分の剛性を維持しつつ又は高めつつ、溝の開口より外周側の圧縮室形成面と「ローラ」や「ピストンのローラ部」の端面との最小重なり部分(シール部分)を大幅に拡大することができる。
第7発明に係る圧縮機は、クランク軸、ローラ部、シリンダブロック、及び軸受付き圧縮室形成部材を備える。なお、ここにいう「圧縮機」とは、主にロータリー圧縮機やスイング圧縮機などである。また、ここにいう「ローラ部」は、ローラそのものであってもよいし(ロータリー圧縮機の場合)、ピストンのローラ部であってもよい(スイング圧縮機の場合)。クランク軸は、主軸部、偏心軸部、及び第1環状溝を有する。第1環状溝は、主軸部のうち偏心軸部に近接する部分に形成される。ローラ部は、偏心軸部に嵌合される。シリンダブロックは、収容孔を有する。収容孔は、板厚方向に貫通している。そして、この収容孔には、偏心軸部およびローラ部が収容される。軸受付き圧縮室形成部材は、軸受孔、圧縮室形成面、略円筒形状空間、及び第2環状溝を有する。軸受孔には、主軸部および第1環状溝が挿入される。圧縮室形成面は、軸受孔の第1開口端から軸受孔の半径方向に向かって広がりシリンダブロックの収容孔の片側を覆う。略円筒形状空間は、軸受孔の孔壁面よりも外周側に軸受孔を囲うように形成され第1開口端側に配置される。第2環状溝は、略円筒形状空間に対向する孔壁面のうち第1開口端側の孔壁面から外周側に向かって延び略円筒形状空間と全周に渡って連通するように形成される。そして、この軸受付き圧縮室形成部材では、第2環状溝を区画する稜線のうち第1開口端側孔壁側の稜線と第1開口端との間に位置する孔壁面は、クランク軸の第1環状溝に対向する。
この圧縮機では、軸受付き圧縮室形成部材において、略円筒形状空間が、軸受孔の孔壁面よりも外周側に軸受孔を囲うように形成され第1開口端側に配置される。また、第2環状溝が、略円筒形状空間に対向する孔壁面のうち第1開口端側の孔壁面から外周側に向かって延び略円筒形状空間と全周に渡って連通するように形成される。そして、この軸受付き圧縮室形成部材では、第2環状溝を区画する稜線のうち第1開口端側孔壁側の稜線と第1開口端との間に位置する孔壁面は、クランク軸の第1環状溝に対向する。このため、この圧縮機では、軸受付き圧縮室形成部材において圧縮室形成面に開口する溝を形成することなく高剛性な弾性軸受部分を形成することができる。したがって、この圧縮機では、圧縮室形成部材が小型化される場合であっても圧縮効率を低下させることなく高い軸受信頼性を確保することができる圧縮機を提供することができる。
第8発明に係る圧縮機は、クランク軸、ローラ部、シリンダブロック、及び軸受付き圧縮室形成部材を備える。なお、ここにいう「圧縮機」とは、主にロータリー圧縮機やスイング圧縮機などである。また、ここにいう「ローラ部」は、ローラそのものであってもよいし(ロータリー圧縮機の場合)、ピストンのローラ部であってもよい(スイング圧縮機の場合)。クランク軸は、主軸部、偏心軸部、及び環状溝を有する。環状溝は、主軸部のうち偏心軸部に近接する部分に形成される。ローラ部は、偏心軸部に嵌合される。シリンダブロックは、収容孔を有する。収容孔は、板厚方向に貫通している。そして、この収容孔には、偏心軸部およびローラ部が収容される。軸受付き圧縮室形成部材は、軸受孔、圧縮室形成面、及び略円筒密閉空間を有する。軸受孔には、主軸部および第1環状溝が挿入される。圧縮室形成面は、軸受孔の第1開口端から軸受孔の半径方向に向かって広がり、シリンダブロックの収容孔の片側を覆う。略円筒密閉空間は、軸受孔の孔壁面よりも外周側に軸受孔を囲うように形成され第1開口端側に配置される。そして、この軸受付き圧縮室形成部材では、略円筒密閉空間を区画する稜線のうち第1開口端側孔壁面側の稜線と第1開口端との間に位置する孔壁面は、クランク軸の環状溝に対向する。
この圧縮機では、軸受付き圧縮室形成部材において、略円筒密閉空間が、軸受孔の孔壁面よりも外周側に軸受孔を囲うように形成され第1開口端側に配置される。そして、この軸受付き圧縮室形成部材では、略円筒密閉空間を区画する稜線のうち第1開口端側孔壁面側の稜線と第1開口端との間に位置する孔壁面は、クランク軸の環状溝に対向する。このため、この圧縮機では、軸受付き圧縮室形成部材において圧縮室形成面に開口する溝を形成することなく高剛性な弾性軸受部分を形成することができる。したがって、この圧縮機では、圧縮室形成部材が小型化される場合であっても圧縮効率を低下させることなく高い軸受信頼性を確保することができる圧縮機を提供することができる。
第9発明に係る圧縮機は、第5発明から第8発明のいずれかに係る圧縮機であって、二酸化炭素冷媒を圧縮する。このため、この圧縮機は、環境保全等に貢献することができる。
第1発明に係る軸受付き圧縮室形成部材は、ロータリ圧縮機やスイング圧縮機に採用されれば、圧縮室形成部材が小型化される場合であっても圧縮効率を低下させることなく高い軸受信頼性を確保することができる圧縮機を提供することができる。
第2発明に係る軸受付き圧縮室形成部材は、ロータリ圧縮機やスイング圧縮機に採用されれば、弾性軸受部分の剛性を維持しつつ又は高めつつ、溝の開口より外周側の圧縮室形成面と「ローラ」や「ピストンのローラ部」の端面との最小重なり部分(シール部分)を大幅に拡大することができる。
第3発明に係る軸受付き圧縮室形成部材が、主軸部のうち偏心軸部に近接する部分に環状溝が形成されるクランク軸が組み込まれる圧縮機に採用され、且つ、軸受付き圧縮室形成部材の環状溝を区画する稜線のうち第1開口端側孔壁側の稜線と第1開口端との間に位置する孔壁面がクランク軸の環状溝に対向するように配置されれば、圧縮室形成面に開口する溝を形成することなく高剛性な弾性軸受部分を形成することができる。したがって、この軸受付き圧縮室形成部材が上記条件を満たしつつロータリ圧縮機やスイング圧縮機に配置されれば、圧縮室形成部材が小型化される場合であっても圧縮効率を低下させることなく高い軸受信頼性を確保することができる圧縮機を提供することができる。
また、貫通孔と略円筒形状空間とに挟まれる孔壁部分及びその孔壁部分の第2開口端側から第2開口端まで延びる孔壁部分が全てメタル材とされれば、このような軸受付き圧縮室形成部材は容易に製造される。また、軸受部分の全部分がメタル材となるので、クランク軸との摩耗や焼付きを回避することができる。また、メタル材として高剛性のものを採用すれば、局所面圧低減効果等を享受することもできる。さらに、高剛性なメタル材として鉄系の円筒壁の内周面に樹脂やカーボン等が塗布されているようなドライ系メタル材等を採用すれば、その低面圧特性を活かすことができ、冷媒による潤滑油の希釈時や一瞬の潤滑油切れ時においても高い信頼性を確保することができる。
第4発明に係る軸受付き圧縮室形成部材が、主軸部のうち偏心軸部に近接する部分に環状溝が形成されるクランク軸が組み込まれる圧縮機に採用され、且つ、軸受付き圧縮室形成部材の略円筒密閉空間を区画する稜線のうち第1開口端側孔壁面側の稜線と第1開口端との間に位置する孔壁面がクランク軸の環状溝に対向されれば、圧縮室形成面に開口する溝を形成することなく高剛性な弾性軸受部分を形成することができる。したがって、この軸受付き圧縮室形成部材が上記条件を満たしつつロータリ圧縮機やスイング圧縮機に配置されれば、圧縮室形成部材が小型化される場合であっても圧縮効率を低下させることなく高い軸受信頼性を確保することができる圧縮機を提供することができる。
また、貫通孔と略円筒形状空間とに挟まれる孔壁部分及びその孔壁部分の第2開口端側から第2開口端まで延びる孔壁部分が全てメタル材とされれば、このような軸受付き圧縮室形成部材は容易に製造される。また、軸受部分の大部分がメタル材となるので、クランク軸との摩耗や焼付きを回避することができる。また、メタル材として高剛性のものを採用すれば、局所面圧低減効果等を享受することもできる。さらに、高剛性なメタル材として鉄系の円筒壁の内周面に樹脂やカーボン等が塗布されているようなドライ系メタル材等を採用すれば、その低面圧特性を活かすことができ、冷媒による潤滑油の希釈時や一瞬の潤滑油切れ時においても高い信頼性を確保することができる。
第5発明に係る圧縮機では、軸受付き圧縮室形成部材において、貫通孔と切頭円錐筒形状溝とに挟まれる孔壁部分の第2開口端側の部分(つまり、弾性軸受部分の付け根部)の厚みを変えることなく又は厚みを増やしながら溝の開口を第1開口端に近づけることができる。したがって、この圧縮機では、弾性軸受部分の剛性を維持しつつ又は高めつつ、溝の開口より外周側の圧縮室形成面と「ローラ」や「ピストンのローラ部」の端面との最小重なり部分(シール部分)を維持あるいは拡大することができる。よって、圧縮機では、圧縮室形成部材が小型化される場合であっても圧縮効率を低下させることなく高い軸受信頼性を確保することができる。
第6発明に係る圧縮機では、弾性軸受部分の剛性を維持しつつ又は高めつつ、溝の開口より外周側の圧縮室形成面と「ローラ」や「ピストンのローラ部」の端面との最小重なり部分(シール部分)を大幅に拡大することができる。
第7発明に係る圧縮機では、軸受付き圧縮室形成部材において圧縮室形成面に開口する溝を形成することなく高剛性な弾性軸受部分を形成することができる。したがって、この圧縮機では、圧縮室形成部材が小型化される場合であっても圧縮効率を低下させることなく高い軸受信頼性を確保することができる圧縮機を提供することができる。
第8発明に係る圧縮機では、軸受付き圧縮室形成部材において圧縮室形成面に開口する溝を形成することなく高剛性な弾性軸受部分を形成することができる。したがって、この圧縮機では、圧縮室形成部材が小型化される場合であっても圧縮効率を低下させることなく高い軸受信頼性を確保することができる圧縮機を提供することができる。
第9発明に係る圧縮機は、環境保全等に貢献することができる。
本発明の実施の形態に係るスイング圧縮機1は、図1に示されるように、主に、縦長円筒状の密閉ドーム型のケーシング10、スイング圧縮機構部15、駆動モータ16、吸入管19、吐出管20、およびターミナル95から構成されている。なお、このスイング圧縮機1には、ケーシング10にアキュームレータ(気液分離器)90が取り付けられている。以下、このスイング圧縮機1の構成部品についてそれぞれ詳述していく。
〔スイング圧縮機の構成部品の詳細〕
(1)ケーシング
ケーシング10は、略円筒状の胴部ケーシング部11と、胴部ケーシング部11の上端部に気密状に溶接される椀状の上壁部12と、胴部ケーシング部11の下端部に気密状に溶接される椀状の底壁部13とを有する。そして、このケーシング10には、主に、冷媒を圧縮するスイング圧縮機構部15と、スイング圧縮機構部15の上方に配置される駆動モータ16とが収容されている。このスイング圧縮機構部15と駆動モータ16とは、ケーシング10内を上下方向に延びるように配置されるクランク軸17によって連結されている。
(2)スイング圧縮機構部
スイング圧縮機構部15は、図1および図3に示されるように、主に、クランク軸17、ピストン21、ブッシュ22、フロントヘッド23、シリンダブロック24、及びリアヘッド25から構成されている。なお、本実施の形態において、このスイング圧縮機構部15はケーシング10の底部に貯められている潤滑油Lに浸漬されており、スイング圧縮機構部15には、潤滑油Lが差圧給油されるようになっている。以下、このスイング圧縮機構部15の構成部品についてそれぞれ詳述していく。
a)シリンダブロック
シリンダブロック24には、図4に示されるように、シリンダ孔24a、吸入孔24b、吐出路24c、ブッシュ収容孔24d、ブレード収容孔24eが形成されている。シリンダ孔24aは、図1および図4に示されるように、板厚方向に沿って貫通する円柱状の孔である。吸入孔24bは、図4に示されるように、外周壁面からシリンダ孔24aに貫通して延びている。吐出路24cは、シリンダ孔24aを形作る円筒部の内周側の一部が切り欠かれることによって形成されている。ブッシュ収容孔24dは、板厚方向に沿って貫通する孔であって、板厚方向に沿って見た場合において吸入孔24bと吐出路24cとの間に位置している。ブレード収容孔24eは、板厚方向に沿って貫通する孔であって、ブッシュ収容孔24dと連通している。
そして、このシリンダブロック24は、シリンダ孔24aにクランク軸17の偏心軸部17aおよびピストン21のローラ部21aが収容され、ブッシュ収容孔24dにピストン21のブレード部21bおよびブッシュ22が収容され、ブレード収容孔24eにピストン21のブレード部21bが収容された状態で、吐出路24cがフロントヘッド23側を向くようにしてフロントヘッド23とリアヘッド25とに嵌合される(図1及び図3参照)。この結果、スイング圧縮機構部15にはシリンダ室Rc1が形成され、このシリンダ室Rc1はピストン21によって吸入孔24bと連通する吸入室と、吐出路24cと連通する吐出室とに区画されることになる。なお、この状態で、ローラ部21aは、偏心軸部17aに嵌め込まれている。
b)クランク軸
クランク軸17は、主に、主軸部17b、偏心軸部17a、及び副軸部17dから形成されている。偏心軸部17aは、副軸部17d側に設けられている。副軸部17dは径が主軸部17bの径よりも小さく設計されており、ピストン21は副軸部17d側から挿入されて偏心軸部17aに勘合されるようになっている。なお、本実施の形態に係るクランク軸17には、主軸部17bのうち偏心軸部17bに近接する部分に環状溝17c形成されている(図1及び図2参照)。そして、このクランク軸17は、偏心軸部17aが設けられていない側が駆動モータ16のローター52に固定されている。
c)ピストン
ピストン21は、略円筒状のローラ部21aと、ローラ部21aの径方向外側に突出するブレード部21bとを有する。なお、ローラ部21aは、クランク軸17の偏心軸部17aに嵌合された状態でシリンダブロック24のシリンダ孔24aに挿入される。これにより、ローラ部21aは、クランク軸17が回転すると、クランク軸17の回転軸を中心とした公転運動を行う。また、ブレード部21bは、ブッシュ収容孔24dおよびブレード収容孔24eに収容される。これによりブレード部21bは、揺動すると同時に長手方向に沿って進退運動を行うことになる。
d)ブッシュ
ブッシュ22は、略半円柱状の部材であって、ピストン21のブレード部21bを挟み込むようにしてブッシュ収容孔24dに収容される。
e)フロントヘッド
フロントヘッド23は、シリンダブロック24の吐出路24c側を覆う部材であって、ケーシング10に嵌合されている。このフロントヘッド23には第1軸受部23aが形成されており、この第1軸受部23aの貫通孔にはクランク軸17の主軸部17bが挿入される。また、このフロントヘッド23には、第1シリンダ室形成面P1が形成されている。この第1シリンダ室形成面P1は、第1軸受部23aの貫通孔の片側の開口端から貫通孔の半径方向に向かって広がっている。なお、この第1シリンダ室形成面P1は、シリンダ室Rc1の天面となる。また、このフロントヘッド23には、第1切頭円錐筒形状溝23dが形成されている。この第1切頭円錐筒形状溝23dは、第1シリンダ室形成面P1上に存在する貫通孔の開口端(以下、第1開口端という)の側から、第1開口端の反対側の開口端(以下、第2開口端という)の側に向かうに連れて、貫通孔の孔軸1aを中心とする内周壁及び外周壁の半径が大きくなるように形成されており、第1シリンダ室形成面P1のうち第1開口端の周囲部分に開口している。そして、このフロントヘッド23では、この第1切頭円錐筒形状溝23dの存在により第1軸受部23aが弾性軸受として機能する。また、このフロントヘッド23には、シリンダブロック24に形成された吐出路24cを通って流れてくる冷媒ガスを吐出管20に導くための開口(図示せず)が形成されている。そして、この開口は、冷媒ガスの逆流を防止するための吐出弁(図示せず)により閉塞されたり開放されたりする。
f)リアヘッド
リアヘッド25は、シリンダブロック24の吐出路24c側の反対側を覆う部材である。
このリアヘッド25には第2軸受部25aが形成されており、この第2軸受部25aの貫通孔にはクランク軸17の副軸部17dが挿入される。なお、第2軸受部25aの貫通孔の半径は、第1軸受部23aの貫通孔の半径よりも短い。また、このリアヘッド25には、第2シリンダ室形成面P2が形成されている。この第2シリンダ室形成面P2は、第2軸受部23aの貫通孔の片側の開口端から貫通孔の半径方向に向かって広がっている。なお、この第2シリンダ室形成面P2は、シリンダ室Rc1の底面となる。また、このリアヘッド25には、第2切頭円錐筒形状溝25dが形成されている。この第2切頭円錐筒形状溝25dは、第2シリンダ室形成面P2上に存在する貫通孔の開口端(以下、第3開口端という)の側から、第3開口端の反対側の開口端(以下、第4開口端という)の側に向かうに連れて、貫通孔の孔軸1aを中心とする内周壁及び外周壁の半径が大きくなるように形成されており、第2シリンダ室形成面P2のうち第3開口端の周囲部分に開口している。そして、このリアヘッド25では、この第2切頭円錐筒形状溝25dの存在により第2軸受部25aが弾性軸受として機能する。
(3)駆動モータ
駆動モータ16は、本実施の形態において直流モータであって、主に、ケーシング10の内壁面に固定された環状のステータ51と、ステータ51の内側に僅かな隙間(エアギャップ通路)をもって回転自在に収容されたローター52とから構成されている。
ステータ51には、ティース部(図示せず)に銅線が巻回されており、上方および下方にコイルエンド53が形成されている。また、ステータ51の外周面には、ステータ51の上端面から下端面に亘り且つ周方向に所定間隔をおいて複数個所に切欠形成されているコアカット部(図示せず)が設けられている。
ローター52には、回転軸に沿うようにクランク軸17が固定されている。
(4)吸入管
吸入管19は、ケーシング10を貫通するように設けられており、一端がシリンダブロック24に形成される吸入孔24bに嵌め込まれており、他端がアキュームレータ90に嵌め込まれている。
(5)吐出管
吐出管20は、ケーシング10の上壁部12を貫通するように設けられている。
(6)ターミナル
ターミナル95は、図1に示されるように、主に、ターミナルピン95aおよびターミナルボディ95bから構成される。ターミナルピン95aはターミナルボディ95bによって支持されており、ターミナルボディ95bはケーシング10の上壁部12に嵌め込まれて溶接されている。そして、ターミナルピン95aのケーシング10内部側にはコイルエンド53から延びるリード線(図示せず)が接続され、ターミナルピン95aのケーシング10外部側には外部電源(図示せず)が接続される。
〔スイング圧縮機の運転動作〕
駆動モータ16が駆動されると、偏心軸部17aがクランク軸17周りに偏心回転して、この偏心軸部17aに嵌合されたローラ部21aが、外周面をシリンダ室Rc1の内周面に接して公転する。そして、ローラ部21aがシリンダ室Rc1内で公転するに伴って、ブレード部21bは両側面をブッシュ22によって保持されながら進退動する。そうすると、吸入口19から低圧の冷媒ガスが吸入室に吸入されて、吐出室で圧縮されて高圧にされた後、吐出路24cから高圧の冷媒ガスが吐出される。
〔本発明の実施の形態に係るスイング圧縮機の特徴〕
本発明の実施の形態に係るスイング圧縮機1では、ヘッド23,25に切頭円錐筒形状溝23d,25dが形成される。このため、このスイング圧縮機1では、ヘッド23,25の軸受部23a,25aが弾性軸受として機能する。本実施の形態において、この切頭円錐筒形状溝23d,25dは、第1開口端又は第3開口端の側から、第2開口端又は第4開口端の側に向かうに連れて、貫通孔の孔軸1aを中心とする内周壁及び外周壁の半径が大きくなるように形成されており、シリンダ室形成面P1,P2のうち第1開口端又は第3開口端の周囲部分に開口している。このため、このスイング圧縮機1では、貫通孔と切頭円錐筒形状溝23d,25dとに挟まれる孔壁部分の第2開口端又は第4開口端側の部分(つまり、弾性軸受部分の付け根部)の厚みを変えることなく又は厚みを増やしながら溝23d,25dの開口を第1開口端又は第3開口端に近づけることができる。したがって、このスイング圧縮機1では、弾性軸受部分の剛性を維持しつつ又は高めつつ、溝23d,25dの開口より外周側の圧縮室形成面とピストン21のローラ部21aの端面との最小重なり部分(シール部分)を維持あるいは拡大することができる。よって、このスイング圧縮機1では、スイング圧縮機構部15が小型化される場合であっても圧縮効率を低下させることなく高い軸受信頼性を確保することができる。
〔変形例〕
(A)
先の実施の形態に係るスイング圧縮機1では、図2に示されるような切頭円錐筒形状溝23d,25dが形成されるヘッド23,25が採用されていたが、このようなヘッド23,25に代えて、図5に示されるような切頭円錐筒形状溝123dが形成されるヘッド123が採用されてもよい。なお、図5において、図2と同じ符号が付されている部材等は図2に示される部材等と同一の部材である。
この切頭円錐筒形状溝123dは、図5に示されるように、第1開口端の側から第2開口端の側に向かうに連れて、貫通孔の孔軸1aを中心とする内周壁及び外周壁の半径が大きくなるように形成されており、第1開口端の稜線を跨いでシリンダ室形成面P1及び貫通孔の孔壁面の両面に開口している。このため、このスイング圧縮機では、弾性軸受部分の剛性を維持しつつ又は高めつつ、溝123dの開口より外周側の圧縮室形成面とピストン21のローラ部21aの端面との最小重なり部分(シール部分)を先の実施の形態に係るスイング圧縮機1よりも拡大することができる。
(B)
先の実施の形態に係るスイング圧縮機1では、図2に示されるような切頭円錐筒形状溝23d,25dが形成されるヘッド23,25が採用されていたが、このようなヘッド23,25に代えて、図6に示されるような形状の溝223dが形成されるヘッド223が採用されてもよい。なお、図5において、図2と同じ符号が付されている部材等は図2に示される部材等と同一の部材である。
このヘッド223では、第1シリンダ室形成面P1側の一部の孔壁部(一部の第1シリンダ室形成面P1を含む)(以下、非除去孔壁部という)を除いて全ての孔壁部が一定の厚みをもって除去されている(つまり、クランク軸17の主軸部17bの半径よりもかなり大きな半径を有する孔が形成されている。)。そして、孔壁部が除去されて新たに形成された孔(以下、新設孔という)の第1シリンダ室形成面P1側の端部に環状溝が形成される。そして、この新設孔に、先に除去された孔壁部の厚みと同一の円筒状のメタル材が非除去孔壁部と一定距離離れるように挿入される(つまり、新設孔とクランク軸17の主軸部17bの隙間を埋める円筒状のメタル材が挿入される。)。この結果、このヘッド223には略円筒形状空間223fと、その略円筒形状空間223fに連通し孔壁面に開口する環状溝223gとが形成される。なお、環状溝223gは、略円筒形状空間223gの第1シリンダ室形成面P1側の端部に位置している。そして、このフロントヘッド223では、このような形状の溝223dの存在により軸受部223aが弾性軸受として機能する。なお、この変形例では、軸受部223aが弾性軸受として機能するためには、クランク軸17には必ず環状溝17cが形成されている必要があり、しかも、その環状溝17cが非除去孔壁部と対向していなければならない。
なお、本変形例では、軸受部分がメタル材となるので、クランク軸17との摩耗や焼付きを回避することができる。また、メタル材として高剛性のものを採用すれば、局所面圧低減効果等を享受することもできる。さらに、高剛性なメタル材として鉄系の円筒壁の内周面に樹脂やカーボン等が塗布されているようなドライ系メタル材等を採用すれば、その低面圧特性を活かすことができ、冷媒による潤滑油の希釈時や一瞬の潤滑油切れ時においても高い信頼性を確保することができる。
(C)
先の実施の形態に係るスイング圧縮機1では、図2に示されるような切頭円錐筒形状溝23d,25dが形成されるヘッド23,25が採用されていたが、このようなヘッド23,25に代えて、図7に示されるような略円筒密閉空間323dが形成されるヘッド323が採用されてもよい。なお、図5において、図2と同じ符号が付されている部材等は図2に示される部材等と同一の部材である。
このヘッド323では、第1シリンダ室形成面P1側の一部の孔壁部(一部の第1シリンダ室形成面P1を含む)(以下、非除去孔壁部という)を除いて全ての孔壁部が一定の厚みをもって除去されている(つまり、クランク軸17の主軸部17bの半径よりもかなり大きな半径を有する孔が形成されている。)。そして、孔壁部が除去されて新たに形成された孔(以下、新設孔という)の第1シリンダ室形成面P1側の部分に環状溝が形成される。そして、この新設孔に、先に除去された孔壁部の厚みと同一の円筒状のメタル材がその環状溝を完全に覆うように挿入される(つまり、新設孔とクランク軸17の主軸部17bの隙間を埋める円筒状のメタル材が挿入される。)。この結果、このヘッド323には略円筒密閉空間323dが形成される。そして、このフロントヘッド223では、この略円筒密閉空間323dの存在により軸受部323aが弾性軸受として機能する。なお、この変形例では、軸受部323aが弾性軸受として機能するためには、クランク軸17には必ず環状溝17cが形成されている必要があり、しかも、その環状溝17cが非除去孔壁部と対向していなければならない。
なお、本変形例では、軸受部分がメタル材となるので、クランク軸17との摩耗や焼付きを回避することができる。また、メタル材として高剛性のものを採用すれば、局所面圧低減効果等を享受することもできる。さらに、高剛性なメタル材として鉄系の円筒壁の内周面に樹脂やカーボン等が塗布されているようなドライ系メタル材等を採用すれば、その低面圧特性を活かすことができ、冷媒による潤滑油の希釈時や一瞬の潤滑油切れ時においても高い信頼性を確保することができる。
(D)
先の実施形態では、図2に示されるような切頭円錐筒形状溝23d,25dが形成されるヘッド23,25がスイング圧縮機1に採用されていたが、このようなヘッド23,25は、図8及び9に示されるロータリー圧縮機401に採用されてもよい。
なお、図8および図9において、符号417aはクランク軸の偏心軸部を示し、符号417bはクランク軸の主軸部を示し、符号421はローラを示し、符号422はベーンを示し、符号423はスプリングを示し、符号424はシリンダブロックを示し、符号424aはシリンダ孔を示し、符号424bは吸入孔を示し、符号424cは吐出路を示し、符号424dはベーン収容孔を示し、符号Rc2はシリンダ室を示している。
なお、変形例(A)〜(C)に係るヘッド123,223,323が、図8及び9に示されるロータリー圧縮機401に採用されてもよい。
(E)
先の実施の形態に係るスイング圧縮機1は1シリンダタイプのスイング圧縮機であったが、本発明に係る弾性軸受構造は2シリンダタイプのスイング圧縮機やロータリ圧縮機にも適用可能である。なお、2シリンダタイプのスイング圧縮機やロータリ圧縮機では、1シリンダタイプのスイング圧縮機やロータリ圧縮機に比べてフロントヘッド23とリアヘッド25との距離が遠くなる。このため、2シリンダタイプのスイング圧縮機やロータリ圧縮機では、1シリンダタイプのスイング圧縮機やロータリ圧縮機に比べてクランク軸17の軸撓みによる片当たりが発生しやすいという問題がある。本発明の実施の形態に係るスイング圧縮機やロータリ圧縮機では、フロントヘッド23及びリアヘッド25の両方に上述したような弾性軸受構造が導入されるため、このような問題を解消することができる。また、2シリンダタイプのスイング圧縮機やロータリ圧縮機では、シリンダ室Rc1が2つに分けられているため、1シリンダタイプのスイング圧縮機やロータリ圧縮機に比べて圧縮機構部を小型化することができる。したがって、2シリンダタイプのスイング圧縮機やロータリ圧縮機では、1シリンダタイプのスイング圧縮機やロータリ圧縮機に比べてシール箇所の総面積が低減されるため、圧縮機構部のシール性を向上させることができる。したがって、2シリンダタイプのスイング圧縮機やロータリ圧縮機では、1シリンダタイプのスイング圧縮機やロータリ圧縮機に比べて性能向上が期待される。
本発明に係る圧縮機は、圧縮室形成部材が小型化される場合であっても圧縮効率を低下させることなく高い軸受信頼性を確保することができるという特徴を有し、特に二酸化炭素冷媒を圧縮する圧縮機として有用である。
本発明の実施の形態に係るスイング圧縮機の縦断面図である。 本発明の実施の形態に係るスイング圧縮機の弾性軸受部分の拡大縦断面図である。 本発明の実施の形態に係るスイング圧縮機を構成する圧縮機構部のA−A断面図である。 本発明の実施の形態に係るスイング圧縮機を構成するシリンダブロックの上面図である。 本発明の変形例(A)に係るスイング圧縮機の弾性軸受部分の拡大縦断面図である。 本発明の変形例(B)に係るスイング圧縮機の弾性軸受部分の拡大縦断面図である。 本発明の変形例(C)に係るスイング圧縮機の弾性軸受部分の拡大縦断面図である。 本発明の変形例(D)に係るロータリ圧縮機を構成する圧縮機構部の横断面図である。 本発明の変形例(D)に係るロータリ圧縮機を構成するシリンダブロックの上面図である。
符号の説明
1 圧縮機(スイング圧縮機)
1a 孔軸
17 クランク軸
17a,417a 偏心軸部
17b,417b 主軸部
17c 環状溝
17d 副軸部(主軸部)
21a ローラ部
23,123,223,323 フロントヘッド(軸受付き圧縮室形成部材)
23d 第1切頭円錐筒形状溝(切頭円錐筒形状溝)
24,424 シリンダブロック
24a,424a シリンダ孔(収容孔)
25 リアヘッド(軸受付き圧縮室形成部材)
25d 第2切頭円錐筒形状溝(切頭円錐筒形状溝)
123d 切頭円錐筒形状溝
223f 略円筒形状空間
223g 環状溝
323d 略円筒密閉空間
401 ロータリ圧縮機(圧縮機)
421 ローラ(ローラ部)
P1 第1シリンダ室形成面(直交面)
P2 第2シリンダ室形成面(直交面)

Claims (9)

  1. 貫通孔と、
    前記貫通孔の第1開口端から前記貫通孔の半径方向に向かって広がる直交面(P1,P2)と、
    前記第1開口端の側から前記第1開口端の反対側の開口端である第2開口端の側に向かうに連れて前記孔軸(1a)を中心とする内周壁面および外周壁面の半径が大きくなるように形成されており、前記直交面のうち前記第1開口端の周囲部分に開口する切頭円錐筒形状溝(23d,25d,123d)と
    を備える、軸受付き圧縮室形成部材(23,25,123)。
  2. 切頭円錐筒形状溝(123d)は、前記第1開口端の稜線を跨いで前記直交面および前記貫通孔の壁面の両面に開口する、
    請求項1に記載の軸受付き圧縮室形成部材。
  3. 貫通孔と、
    前記貫通孔の第1開口端から前記貫通孔の半径方向に向かって広がる直交面(P1)と、
    前記貫通孔の孔壁面よりも外周側に、前記貫通孔を囲うように形成される略円筒形状空間(223f)と、
    前記略円筒形状空間に対向する前記孔壁面のうち前記第1開口端側の孔壁面から外周側に向かって延び、前記略円筒形状空間と全周に渡って連通するように形成される環状溝(223g)と
    を備える、軸受付き圧縮室形成部材(223)。
  4. 貫通孔と、
    前記貫通孔の第1開口端から前記貫通孔の半径方向に向かって広がる直交面(P1)と、
    前記貫通孔の孔壁面よりも外周側に前記貫通孔を囲うように形成され、前記第1開口端側に配置される略円筒密閉空間(323d)と
    を備える、軸受付き圧縮室形成部材(323)。
  5. 主軸部(17b,17d,417b)と偏心軸部(17a,417a)とを有するクランク軸(17)と、
    前記偏心軸部に嵌合されるローラ部(21a,421)と、
    板厚方向に貫通し前記偏心軸部および前記ローラ部を収容する収容孔(24a,424a)を有するシリンダブロック(24,424)と、
    前記主軸部が挿入される軸受孔と、前記軸受孔の第1開口端から前記軸受孔の半径方向に向かって広がり前記シリンダブロックの前記収容孔の片側を覆う圧縮室形成面(P1,P2)と、前記軸受孔の第1開口端の側から前記第1開口端の反対側の開口端である第2開口端の側に向かうに連れて前記軸受孔の孔軸(1a)を中心とする内周壁面および外周壁面の半径が大きくなるように形成されており前記圧縮室形成面のうち前記偏心軸部および前記ローラ部に対向する圧縮室形成面に開口する切頭円錐筒形状溝(23d,25d,123d)とを有する軸受付き圧縮室形成部材(23,25,123)と
    を備える、圧縮機(1,401)。
  6. 前記切頭円錐筒形状溝(123d)は、前記第1開口端の稜線を跨いで前記圧縮室形成面のうち前記偏心軸部および前記ローラ部に対向する圧縮室形成面および前記軸受孔の壁面の両面に開口する、
    請求項5に記載の圧縮機。
  7. 主軸部(17b,17d,417b)と、偏心軸部(17a,417a)と、前記主軸部のうち前記偏心軸部に近接する部分に形成される第1環状溝(17c)とを有するクランク軸(17)と、
    前記偏心軸部に嵌合されるローラ部(21a,421)と、
    板厚方向に貫通し前記偏心軸部および前記ローラ部を収容する収容孔(24a,424a)を有するシリンダブロック(24,424)と、
    前記主軸部および第1環状溝が挿入される軸受孔と、前記軸受孔の第1開口端から前記軸受孔の半径方向に向かって広がり前記シリンダブロックの収容孔の片側を覆う圧縮室形成面(P1,P2)と、前記軸受孔の孔壁面よりも外周側に前記軸受孔を囲うように形成され前記第1開口端側に配置される略円筒形状空間(223f)と、前記略円筒形状空間に対向する前記孔壁面のうち前記第1開口端側の孔壁面から外周側に向かって延び前記略円筒形状空間と全周に渡って連通するように形成される第2環状溝(223g)とを有し前記第2環状溝を区画する稜線のうち前記第1開口端側前記孔壁側の稜線と前記第1開口端との間に位置する孔壁面は前記クランク軸の前記第1環状溝に対向する軸受付き圧縮室形成部材(223)と
    を備える、圧縮機。
  8. 主軸部(17b,17d,417b)と、偏心軸部(17a,417a)と、前記主軸部のうち前記偏心軸部に近接する部分に形成される環状溝(17c)とを有するクランク軸(17)と、
    前記偏心軸部に嵌合されるローラ部(21a,421)と、
    板厚方向に貫通し前記偏心軸部および前記ローラ部を収容する収容孔(24a,424a)を有するシリンダブロック(24,424)と、
    前記主軸部および第1環状溝が挿入される軸受孔と、前記軸受孔の第1開口端から前記軸受孔の半径方向に向かって広がり前記シリンダブロックの収容孔の片側を覆う圧縮室形成面と、前記軸受孔の孔壁面よりも外周側に前記軸受孔を囲うように形成され前記第1開口端側に配置される略円筒密閉空間(323d)とを有し前記略円筒密閉空間を区画する稜線のうち前記第1開口端側前記孔壁面側の稜線と前記第1開口端との間に位置する孔壁面は前記クランク軸の前記環状溝に対向する軸受付き圧縮室形成部材(323)と
    を備える、圧縮機。
  9. 二酸化炭素冷媒を圧縮する、
    請求項5から8のいずれかに記載の圧縮機。
JP2006328807A 2006-12-05 2006-12-05 軸受付き圧縮室形成部材及び圧縮機 Pending JP2008144587A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006328807A JP2008144587A (ja) 2006-12-05 2006-12-05 軸受付き圧縮室形成部材及び圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006328807A JP2008144587A (ja) 2006-12-05 2006-12-05 軸受付き圧縮室形成部材及び圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008144587A true JP2008144587A (ja) 2008-06-26

Family

ID=39605043

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006328807A Pending JP2008144587A (ja) 2006-12-05 2006-12-05 軸受付き圧縮室形成部材及び圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008144587A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009145232A1 (ja) * 2008-05-28 2009-12-03 東芝キヤリア株式会社 密閉型圧縮機及び冷凍サイクル装置
US8182253B2 (en) 2007-08-28 2012-05-22 Toshiba Carrier Corporation Multi-cylinder rotary compressor and refrigeration cycle equipment
US8206139B2 (en) 2007-08-28 2012-06-26 Toshiba Carrier Corporation Rotary compressor and refrigeration cycle equipment
CN104612974A (zh) * 2014-12-22 2015-05-13 广东美芝制冷设备有限公司 旋转式压缩机

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8182253B2 (en) 2007-08-28 2012-05-22 Toshiba Carrier Corporation Multi-cylinder rotary compressor and refrigeration cycle equipment
US8206139B2 (en) 2007-08-28 2012-06-26 Toshiba Carrier Corporation Rotary compressor and refrigeration cycle equipment
WO2009145232A1 (ja) * 2008-05-28 2009-12-03 東芝キヤリア株式会社 密閉型圧縮機及び冷凍サイクル装置
CN104612974A (zh) * 2014-12-22 2015-05-13 广东美芝制冷设备有限公司 旋转式压缩机
CN104612974B (zh) * 2014-12-22 2016-08-31 广东美芝制冷设备有限公司 旋转式压缩机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4780971B2 (ja) ロータリコンプレッサ
WO2005103496A1 (ja) 回転式流体機械
JP2008202879A (ja) アキュームレータおよびそれを備えた圧縮機
JP2008144587A (ja) 軸受付き圧縮室形成部材及び圧縮機
JP6127722B2 (ja) 回転式圧縮機
JP6134903B2 (ja) 容積型圧縮機
JP2008163874A (ja) ロータリー圧縮機
KR100677523B1 (ko) 유토출 저감 기능을 갖는 로터리 압축기
JP5685939B2 (ja) 圧縮機
JP5276332B2 (ja) 密閉型圧縮機
CN111033048B (zh) 旋转式压缩机
JP2002089450A (ja) 冷媒圧縮機
JP5703752B2 (ja) 圧縮機
JP2003065236A (ja) 密閉型電動圧縮機
JP4961961B2 (ja) 回転式流体機械
JP2012215125A (ja) 密閉型ロータリ圧縮機
JP4973148B2 (ja) 回転式圧縮機
JP5217856B2 (ja) 回転式圧縮機
JP5018008B2 (ja) 回転式流体機械
JP2017008826A (ja) 回転式圧縮機
JP2006170213A (ja) 回転式流体機械
JPH029982A (ja) 回転圧縮機
JP2009150304A (ja) 密閉型圧縮機
JP2010203287A (ja) 圧縮機
JP3744526B2 (ja) 回転式圧縮機