JP4961961B2 - 回転式流体機械 - Google Patents

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Description

本発明は、シリンダ内に形成された環状の空間内にピストンを配置し、該シリンダとピストンとが相対的に偏心回転運動をするように構成された回転式流体機械に関する。
従来より、環状空間の内部でピストンが相対的に偏心回転運動を行う回転式流体機械として、例えば特許文献1に開示されるように、該ピストンの偏心回転運動に伴うシリンダ室の容積変化によって冷媒を圧縮する圧縮機などが知られている。
このような圧縮機の一例を図10及び図11に示す。この図10に示す圧縮機は、円柱状のケーシング(110)内に、上から順に圧縮機構(120)と駆動機構(130)とが収納されたもので、該駆動機構(130)を構成する電動機のロータ(132)に内嵌された駆動軸(133)が上記圧縮機構(120)のシリンダ(121)を回転駆動するように構成されている。
詳しくは、上記圧縮機構(120)は、環状のシリンダ室(C1,C2)を内部に有するシリンダ(121)と、該シリンダ室(C1,C2)内に収納されて外側シリンダ室(C1)及び内側シリンダ室(C2)を形成するピストン(126)と、該ピストン(126)を径方向に貫通して該外側シリンダ室(C1)及び内側シリンダ室(C2)をそれぞれ第1室(C1-Hp,C2-Hp)及び第2室(C1-Lp,C2-Lp)に区画するブレード部(151)(図11参照)と、を備えている。
上記シリンダ(121)は、外シリンダ部(122)と内シリンダ部(123)とが同心に配置されて、それらの軸方向一端側に鏡板(129)が一体形成されたものである。上記ピストン(126)は、上記ケーシング(110)に外周部で固定された下部ハウジング(117)に一体形成されている。
また、上記シリンダ(121)のピストン(126)に対する揺動を許容するように、該シリンダ(121)のブレード部(151)とピストン(126)との間には揺動ブッシュ(153)が設けられている。このように、上記シリンダ(121)を揺動可能に構成することで、上記駆動機構(130)による上記シリンダ(121)の回転に伴って上記ブレード(151)が揺動ブッシュ(153)に沿って往復運動を行い、かつ、上記シリンダ(121)及びブッシュ(153)が一体的になって上記ピストン(126)に対して揺動動作を行う。これにより、上記シリンダ(121)は、上記ピストン(126)に対して揺動しながら公転する。
このように上記シリンダ(121)をピストン(126)に対して偏心回転させることで、該ピストン(126)と外シリンダ部(122)との間、該ピストン(126)と内シリンダ部(123)との間にそれぞれ形成された外側及び内側シリンダ室(C1,C2)の容積を変化させて、冷媒を圧縮することができる。上記図10及び図11において、符号145,146は吐出ポート、147,148は吐出弁、141は吸入ポートである。
また、上記圧縮機(100)では、上記ケーシング(110)の底部に冷凍機油が溜まるようになっていて、駆動軸(133)の下端部に設けられた給油ポンプ(134)によって、上記圧縮機構(120)の各摺動部に冷凍機油が供給されるように構成されている。具体的には、上記駆動軸(133)の内部に貫通穴(133a)が形成されていて、上記給油ポンプ(134)によって該貫通穴(133a)内を冷凍機油が上昇し、上記シリンダ(121)の内シリンダ部(123)等に供給される。そして、該内シリンダ部(123)に供給された冷凍機油は、上記シリンダ(121)の回転に伴う遠心力や圧縮機構(120)内の圧力差等により径方向外方へと移動する。このように径方向外方へと移動した冷凍機油は、上記ブレード部(151)、ブッシュ(153)及びピストン(126)の摺動部分に供給されるとともに、該ピストン(126)及びシリンダ(121)によって区画される上記各室(C1-Hp,C2-Hp,C1-Lp,C2-Lp)内で油シールとしての役割も果たす。
特開2005−330962号公報
ところで、上記図10に示す構成の圧縮機構(120)では、冷凍機油は上記内シリンダ部(123)の周辺に供給されるものの、外側シリンダ室(C1)までは冷凍機油が十分に行き渡らずに、上記ブレード部(151)、ブッシュ(153)及びピストン(126)の摺動部分での油切れによる焼き付きや、該ピストン(126)やシリンダ(121)の軸線方向端面でのシール性の悪化などの問題が生じる場合がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、環状のシリンダ室内にピストンが配置され、該シリンダとピストンとが相対的に偏心回転可能に構成された回転式流体機械において、内側及び外側シリンダ室内に冷凍機油が十分に行き渡るようにして、油切れによる焼き付きやシール不足を防止できるような構成を得ることにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る回転式流体機械(1,200)では、ピストン(26,225)を径方向に貫通するブレード(51,251)に、内シリンダ部(23,223)の内側の油空間(75,275)に連通して該ブレード(51,251)の伸長方向に冷凍機油を供給する給油通路(70)を設けるようにした。
具体的に、第1の発明は、外シリンダ部(22,222)と内シリンダ部(23,223)との間に環状の空間(C1,C2)を形成するシリンダ(21,221)と、上記シリンダ(21,221)に対して偏心した状態で上記環状空間(C1,C2)内に収納されて該環状空間(C1,C2)を外側室(C1)と内側室(C2)とに区画するピストン(26,225)と、上記ピストン(26,225)に対して径方向に延びて該ピストン(26,225)を貫通し、上記外側室(C1)及び内側室(C2)をそれぞれ第1室(C1-Lp,C2-Lp)と第2室(C1-Hp,C2-Hp)とに区画するブレード(51,251)と、上記シリンダ(21,221)とピストン(26,225)とを相対的に偏心回転させる駆動機構(30)と、を備えた回転式流体機械を対象とする。
そして、上記内シリンダ部(23,223)の内側には、冷凍機油の供給される油空間(75,275)が形成されていて、上記ブレード(51,251)には、上記油空間(75,275)に一端側で連通し、該ブレード(51,251)の伸長方向に冷凍機油を供給する給油通路(70)が設けられ、上記給油通路(70)は、上記第1室(C1-Lp,C2-Lp)または上記第2室(C1-Hp,C2-Hp)のうちいずれか一方の空間にのみ連通しているものとする。
この構成により、上記内シリンダ部(23,223)の内側の油空間(75,275)に供給された冷凍機油は、上記ブレード(51,251)に形成された給油通路(70)内を該ブレード(51,251)の伸長方向に移動する。そのため、従来に比べて、冷凍機油を環状空間(C1,C2)のより外周側の位置まで供給することができる。これにより、内側シリンダ室(C2)だけでなく外側シリンダ室(C1)や、ブッシュ(53,253)などの摺動部分にも冷凍機油を供給することが可能になる。
上述の構成において、上記給油通路(70)は、他端が上記外側室(C1)に対応する位置まで延びているのが好ましい(第2の発明)。これにより、上記給油通路(70)の他端側は、上記外側室(C1)に対応した位置にあり、該給油通路(70)を介して冷凍機油を該外側室(C1)により確実に供給することができる。
また、上記シリンダ(21,221)及びピストン(26,225)のうち上記駆動機構(30)によって偏心回転する部材の径方向外方には、上記油空間(75,275)よりも低圧の空間(42,218)が形成され、上記給油通路(70)の他端は、上記部材の外周よりも内側に位置付けられるように設けられていて、上記ブレード(51,251)の上記低圧空間(42,218)との間に形成される壁部(51a)によって該空間(42,218)と非連通になっているものとする(第3の発明)。
こうすることで、上記給油通路(70)内を流れる冷凍機油が、それよりも低圧の空間(42,218)に流出するのを防止することができ、上記外側室(C1)等に冷凍機油をより確実に供給することができる。これにより、外側室周辺での油切れをより確実に防止できる。
また、上記給油通路(70)は、上記第1室(C1-Lp,C2-Lp)または第2室(C1-Hp,C2-Hp)のうちいずれか一方の空間にのみ連通しているのが好ましい。こうすれば、上記給油通路(70)は、上記第1室(C1-Lp,C2-Lp)または第2室(C1-Hp,C2-Hp)のいずれか一方のみに連通し、圧力の異なる第1室(C1-Lp,C2-Lp)と第2室(C1-Hp,C2-Hp)とを連通させることがないため、冷媒の漏れ等による効率低下を確実に防止することができる。
の発明に係る回転式流体機械(1,200)では、ブレード(51,251)に対して摺接しつつ該ブレード(51,251)とピストン(26,225)とを相対的に揺動可能にする揺動部材(53,253)または上記ブレード(51,251)のいずれか一方に対応して、シリンダ(21,221)及びピストン(26,225)を軸線方向に挟み込むように配置される一対のプレート(29,17,229,216)のうち少なくとも一方に油溜まり部(80,90)を設けた。
具体的には、第の発明では、外シリンダ部(22,222)と内シリンダ部(23,223)との間に環状の空間(C1,C2)を形成するシリンダ(21,221)と、上記シリンダ(21,221)に対して偏心した状態で上記環状空間(C1,C2)内に収納されて該環状空間(C1,C2)を外側室(C1)と内側室(C2)とに区画するピストン(26,226)と、上記ピストン(26,226)に対して径方向に延びて該ピストン(26,226)を貫通し、上記外側室(C1)及び内側室(C2)をそれぞれ第1室(C1-Lp,C2-Lp)と第2室(C1-Hp,C2-Hp)とに区画するブレード(51,251)と、上記シリンダ(21,221)及びピストン(26,225)を軸線方向に挟み込んで上記各室(C1-Lp,C2-Lp,C1-Hp,C2-Hp)の軸線方向の端面を構成する一対のプレート(29,17,229,216)と、上記シリンダ(21)とピストン(26)とを相対的に偏心回転させる駆動機構(30)と、を備えた回転式流体機械を対象とする。
そして、上記ピストン(26,225)のブレード貫通部分には、該ブレード(51,251)に対して摺接しつつ該ピストン(26,225)とブレード(51,251)とを相対的に揺動可能にする揺動部材(53,253)が配設されていて、上記一対のプレート(29,17,229,216)のうち少なくも一方において、上記揺動部材(53,253)またはブレード(51,251)に面する位置のいずれか一方に、油溜まり部(80,90)が設けられ、上記油溜まり部(80,90)の外側室(C1)側及び内側室(C2)側のうち少なくとも一方には、テーパ部(81,91)が設けられているものとする。
この構成により、ブレード(51,251)に対して摺接しつつピストン(26,225)と該ブレード(51,251)とを相対的に揺動可能にする揺動部材(53,253)の動作によって、プレート(29,17,229,216)の該揺動部材(53,253)または上記ブレード(51,251)のいずれか一方に面する位置に設けられた油溜まり部(80,90)内に冷凍機油が掻き集められて溜まる。そうすると、上記揺動部材(53,253)やブレード(51,251)などの摺動部分には、上記油溜まり部(80,90)内の冷凍機油が十分に供給されるため、該摺動部分で油切れが生じるのを防止することができる。
しかも、上記油溜まり部(80,90)内に溜まった冷凍機油は、上記揺動部材(53,253)またはブレード(51,251)の動作によって外側室(C1)へ排出されることになるため、該外側室(C1)における油切れも防止することができる。
上述の構成において、上記油溜まり部(80,90)の外側室(C1)側及び内側室(C2)側のうち少なくとも一方には、テーパ部(81,91)が設けられているものとする。例えば上記油溜まり部(80,90)の内側室(C2)側にテーパ部(81,91)を設けることで、該内側室(C2)内から油溜まり部(80,90)に冷凍機油が溜まりやすくなり、ブレード(51,251)の摺動部分等での油切れをより確実に防止できる一方、該油溜まり部(80,90)の外側室側にテーパ部(81,91)を設けることで、該油溜まり部(80,90)から外側室(C1)に冷凍機油が排出されやすくなり、該外側室(C1)での油切れをより確実に防止することができる。
特に、上記テーパ部(81,91)は、上記油溜まり部(80,90)の外側室(C1)側に設けられているのが好ましい(第の発明)。これにより、上述のとおり、上記油溜まり部(80,90)に溜まった冷凍機油が外側室(C1)側へ排出されやすくなるため、該外側室(C1)での油切れを確実に防止できる。
また、上記内シリンダ部(23,223)の内側には、冷凍機油の供給される油空間(75,275)が形成されていて、上記ブレード(51,251)には、上記油空間(75,275)に一端側で連通し、該ブレード(51,251)の伸長方向に冷凍機油を供給する給油通路(85)が設けられているものとする(第の発明)。このように、上記油溜まり部(80,90)だけでなく、ブレード(51,251)にその伸長方向へ冷凍機油を供給するための給油通路(85)を設けることで、該ブレード(51,251)や揺動部材(53,253)等の摺動部分や外側室(C1)周辺に冷凍機油をより確実に供給できるようになり、該摺動部分や外側室(C1)周辺での油切れをより確実に防止することができる。
特に、上記給油通路(85)は、上記油溜まり部(80,90)と連通するように設けられているのが好ましい(第の発明)。こうすることで、給油通路(85)を介して油溜まり部(80,90)に冷凍機油を確実に供給することができ、上記ブレード(51,251)や揺動部材(53,253)等の摺動部分での油切れや、外側室(C1)での油切れをさらに確実に防止することができる。
また、上記給油通路(70,85)は、上記ブレード(51,251)におけるピストン軸線方向の端面に形成された溝部であるのが好ましい(第の発明)。このように上記ブレード(51,251)のピストン軸線方向の端面に溝部を設けることで、ピストン(26,225)の先端と該ピストン(26,225)及びシリンダ(21,221)を軸線方向に挟み込むように配置されるプレート(29,17,229,216)との間に、より近い位置から冷凍機油を供給することができ、該ピストン(26,225)とプレート(29,17,229,216)とのシール性を向上することができる。しかも、上述のように上記ブレード(51,251)の端面に形成された溝部(70,85)によって給油通路を構成することで、環状空間(C1,C2)内全体に冷凍機油を供給可能な給油通路を容易に形成することができる。
以上より、本発明に係る回転式流体機械(1,200)によれば、内シリンダ部(23,223)の内側に形成された油空間(75,275)に一端側で連通し且つブレード(51,251)の伸長方向に冷凍機油を供給できるように、該ブレード(51,251)に給油通路(70)を設けることで、該ブレード(51,251)の伸長方向他端側、すなわちシリンダ(21,221)及びピストン(26,225)の外周側部分に冷凍機油を供給しやすくなり、該外周側部分での油切れによるブレード(51,251)等の焼き付きやシール性の悪化を防止できる。
また、第2の発明によれば、上記給油通路(70)の他端は外側室(C1)に対応する位置まで延びているため、該給油通路(70)を介してブレード(51,251)等の摺動部分や外側室(C1)へ冷凍機油をより確実に供給できるようになり、該摺動部分や外側室(C1)での油切れによる焼き付き、シール性の悪化をより確実に防止できる。
また、第3の発明によれば、シリンダ(21,221)またはピストン(26,225)のうち駆動機構(30)によって回転駆動する部材の径方向外方に形成された低圧の空間(42,218)と上記給油通路(70)とを非連通にすることで、該低圧空間(42,218)へ冷凍機油が流れ出て外側室(C1)や摺動部分で油切れが生じるのを防止することができる。
また、第の発明によれば、上記給油通路(70)は、上記第1室(C1-Lp,C2-Lp)または第2室(C1-Hp,C2-Hp)のいずれか一方の空間にのみ連通しているので、圧力の異なる空間同士が給油通路(70)を介して連通するのを防止することができ、冷媒の漏れなどによる圧縮効率の低下を防止できる。
の発明に係る回転式流体機械(1,200)によれば、シリンダ(21,221)及びピストン(26,225)を軸線方向で挟み込むように配置される一対のプレート(29,17,229,216)の少なくとも一方には、揺動部材(53,253)またはブレード(51,251)のいずれか一方に面する位置に油溜まり部(80,90)が設けられるため、ピストン(26,225)またはシリンダ(21,221)の偏心回転動作によって該油溜まり部(80,90)に冷凍機油を溜めて、上記揺動部材(53,253)やブレード(51,251)等の摺動部分に確実に冷凍機油を供給することができる。したがって、上記摺動部分での油切れを防止することができ、該摺動部分での焼き付きを確実に防止することができる。しかも、上記油溜まり部(80,90)に溜められた冷凍機油は、上記揺動部材(53,253)またはブレード(51,251)の動作によって外側室(C1)に排出されるため、該外側室(C1)でのシール性も確保することができる。
また、第の発明によれば、上記油溜まり部(80,90)の外側室(C1)側及び内側室(C2)側の少なくとも一方にはテーパ部(81,91)が設けられているため、該油溜まり部(80,90)内に冷凍機油を集めたり上記外側室(C1)へ冷凍機油を排出したりするのが容易になり、該外側室(C1)及び摺動部分での油切れを防止することができる。
また、第の発明によれば、上記油溜まり部(80,90)の外側室側部分には、テーパ部(81,91)が設けられているため、該油溜まり部(80,90)から外側室(C1)へより確実に冷凍機油が排出され、該外側室(C1)での冷凍機油によるシール性を確保することができる。
また、第の発明によれば、上記油溜まり部(80,90)以外にも、上記第1の発明のように、ブレード(51,251)に、油空間(75,275)に一端側で連通し且つ該ブレード(51,251)の伸長方向に冷凍機油を供給可能な給油通路(85)を設けることで、上記油溜まり部(80,90)に冷凍機油を確実に供給することができ、油切れによって上記揺動部材(53,253)やブレード(51,251)の摺動部分での焼き付きや外側室(C1)でのシール不足が発生するのを確実に防止できる。
また、第の発明によれば、上記給油通路(85)は上記油溜まり部(80,90)に連通しているため、該油溜まり部(80,90)に冷凍機油をより確実に供給することができ、油切れによる摺動部分の焼き付きや外側室(C1)のシール不足をより確実に防止することができる。
さらに、第の発明によれば、上記給油通路(70,85)は、上記ブレード(51,251)におけるピストン軸線方向の端面に形成されているため、該給油通路(70,85)の形成が容易になるとともに、シール面により近い位置から冷凍機油を供給できるためシール性をより確実に向上することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
〈実施形態1〉
−全体構成−
図1に示すように、本発明の実施形態1に係る回転式流体機械としての圧縮機(1)は、ケーシング(10)内に、圧縮機構(20)と駆動機構としての電動機(30)とが収納され、全密閉型に構成されている。この圧縮機(1)は、例えば、空気調和装置の冷媒回路において、蒸発器から吸入した冷媒を圧縮して、凝縮器へ吐出するために用いられる。
上記ケーシング(10)は、縦長の円筒状に形成された円筒部(12)と、椀状に形成されて、該円筒部(12)の両端に外側に凸になるように配設される一対の端板部(13,13)と、によって構成された縦長の密閉容器である。そして、上記円筒部(12)には、該円筒部(12)を厚み方向に貫通する吸入管(14)及び吐出管(15)が設けられている。
ここで、上記図1に示すように、上記吸入管(14)は、圧縮機構(20)に繋がっている一方、上記吐出管(15)は、ケーシング(10)内の中央部に連通している。すなわち、上記圧縮機(1)は、上記吸入管(14)から吸入された冷媒が圧縮機構(20)で圧縮された後、上記ケーシング(10)の内部下方へ吐出され、上記吐出管(15)を通ってケーシング(10)外へ送出されるように構成されており、該ケーシング(10)内が高圧の状態になる、いわゆる高圧ドーム型の圧縮機である。したがって、上記ケーシング(10)内が高圧の吐出空間(S2)となる。
上記ケーシング(10)の内部には、上から下へ向かって順に、上記圧縮機構(20)、上記電動機(30)が配設されている。また、上記ケーシング(10)の内部には、該ケーシング(10)の円筒部(12)内を筒軸方向に延びるように駆動軸(33)が配設されていて、この駆動軸(33)を介して、上記圧縮機構(20)と電動機(30)とが駆動連結されている。なお、密閉容器状の上記ケーシング(10)内の底部は、上記圧縮機構(20)の各摺動部等に供給される冷凍機油が溜められている貯留部(59)になっている。
上記駆動軸(33)は、主軸部(33a)と偏心部(33b)とを有している。この偏心部(33b)は、駆動軸(33)の上端寄りの位置で、上記主軸部(33a)よりも大径の円柱状に形成されている。また、この偏心部(33b)は、軸心が上記主軸部(33a)の軸心に対して偏心するように設けられている。さらに、上記偏心部(33b)は、後述する圧縮機構(20)のシリンダ(21)を貫通した状態で、該シリンダ(21)に対して一体回転可能に固定されている。
また、上記駆動軸(33)の内部には、該駆動軸(33)の下端から上方へ延びる給油通路としての貫通孔(33c)が形成されている。さらに、上記駆動軸(33)の下端部には給油ポンプ(34)が設けられている。これにより、上記ケーシング(10)内の底部に位置する上記貯留部(59)の冷凍機油は、上記給油ポンプ(34)によって上記貫通孔(33c)内を上昇し、圧縮機構(20)の各摺動部等へ供給される。
上記電動機(30)は、ステータ(31)とロータ(32)とを備えている。このステータ(31)は、ケーシング(10)の円筒部(12)の内面に固定されている。上記ロータ(32)には、上記駆動軸(33)の主軸部(33a)が貫通していて、この状態で概略円筒形状の上記ステータ(31)の内側に配置されている。
上記圧縮機構(20)は、ケーシング(10)に固定された上部ハウジング(16)と下部ハウジング(17)との間に構成されている。すなわち、上記圧縮機構(20)は、上部ハウジング(16)及び下部ハウジング(17)によって形成される空間内に配設されている。
上記圧縮機構(20)は、環状のシリンダ室(C1,C2)を有するシリンダ(21)と、該シリンダ室(C1,C2)内に収納されてシリンダ室(C1,C2)を外側シリンダ室(C1)と内側シリンダ室(C2)とに区画する環状ピストン(26)と、図2に示すように、外側シリンダ室(C1)及び内側シリンダ室(C2)をそれぞれ第1室としての低圧側(C1-Lp,C2-Lp)と第2室としての高圧側(C1-Hp,C2-Hp)とに区画するブレード部(51)とを有している。そして、上記シリンダ(21)は、シリンダ室(C1,C2)内に位置付けられる環状ピストン(26)に対して偏心回転運動をするように構成されている。つまり、上記環状ピストン(26)とシリンダ(21)とは相対的に偏心回転する。
上記シリンダ(21)は、駆動軸(33)の偏心部(33b)に嵌合する円筒状の内シリンダ部(23)と、該内シリンダ部(23)の外周側で該内シリンダ部(23)に対して同心状に位置する外シリンダ部(22)と、該内シリンダ部(23)及び外シリンダ部(22)を上端側(圧縮機構(20)における軸方向の一端側)で一体化するように設けられた円板状のシリンダ側鏡板(29)とを備えている。これにより、外シリンダ部(22)と内シリンダ部(23)との間に、圧縮室としてのシリンダ室(C1,C2)が形成される。そして、上述のとおり、上記シリンダ室(C1,C2)内には、上記環状ピストン(26)が位置付けられている(図2及び図3参照)。
また、上記シリンダ(21)には、上記内シリンダ部(23)の外周面と上記外シリンダ部(22)の内周面との間に径方向に延びる上記ブレード部(51)が一体形成されている。このブレード部(51)は、上記内シリンダ部(23)と外シリンダ部(22)とを繋ぐように設けられていて、詳しくは後述するように、上記環状ピストン(26)のブレード溝(52)内に摺動可能に且つ揺動可能に位置付けられる。
上記上部ハウジング(16)は、円板状の部材で、その外周縁部で上記ケーシング(10)の内周面に固定されているとともに、外周部分が上記下部ハウジング(17)に対して密着するように固定されている。また、上記上部ハウジング(16)の中央部分には、上方に向かって膨出する円筒状の軸受部(16a)が形成されていて、該軸受部(16a)には上記駆動軸(33)の主軸部(33a)が貫通している。そして、この貫通孔の内周面には該主軸部(33a)を回転可能に支持する滑り軸受(16b)が設けられている。さらに、上記上部ハウジング(16)のシリンダ(21)側の面(図1において下面)には、後述するようにシールリング(65)を収容するためのシールリング溝(16c)が設けられている。
上記下部ハウジング(17)は、厚肉の円盤状の部材で、中央部分に下方に向かって膨出する円筒状の軸受部(17a)が形成されているとともに、外周部分には上方に向かって円筒状に膨出する周縁部(17c)が形成されている。上記軸受部(17a)には、上下方向に貫通した状態で上記駆動軸(33)の主軸部(33a)を回転可能に支持する滑り軸受(17b)が設けられていて、これにより、上記上部ハウジング(16)とともに上記駆動軸(33)を回転可能に支持している。
上記下部ハウジング(17)の周縁部(17c)は、その上端で上記上部ハウジング(16)の外周部に対して密着するように上記ケーシング(10)の内周面に固定されている。これにより、上記上部ハウジング(16)及び下部ハウジング(17)内に、上記シリンダ(21)及び環状ピストン(26)の収容される空間が形成される。
上記環状ピストン(26)は、軸線方向の一端側(図1において下端側)が上記上部ハウジング(16)と一体になっていて、上記ケーシング(10)に対して固定されている。また、上記環状ピストン(26)は、外周面が上記外シリンダ部(22)の内周面よりも小径で、内周面が上記内シリンダ部(23)の外周面よりも大径に形成されている。このことにより、上記環状ピストン(26)の外周面と上記外シリンダ部(22)の内周面との間に外側シリンダ室(C1)が形成され、該環状ピストン(26)の内周面と上記内シリンダ部(23)の外周面との間に内側シリンダ室(C2)が形成される。
そして、上記環状ピストン(26)とシリンダ(21)とは、図2及び図3に示すように、環状ピストン(26)の外周面と外シリンダ部(22)の内周面とが1点で実質的に接する状態(厳密にはミクロンオーダーの隙間があるが、その隙間での冷媒の漏れが問題にならない状態)において、その接点と位相が180°異なる位置で、環状ピストン(26)の内周面と内シリンダ部(23)の外周面とが1点で実質的に接するようになっている。
また、上記環状ピストン(26)は、円環の一部分が分断された略C字型形状に形成されていて、この分断された部分に、該環状ピストン(26)と上記ブレード部(51)とを相互に可動に連結する揺動ブッシュ(53)が配設されている。
上記揺動ブッシュ(53)は、ブレード部(51)に対して吐出側に位置する吐出側ブッシュ(53a)と、ブレード部(51)に対して吸込側に位置する吸入側ブッシュ(53b)とから構成されている。上記吐出側ブッシュ(53a)と吸入側ブッシュ(53b)とは、いずれも断面略半円形で同一形状に形成され、フラット面同士が対向するように配置されている。そして、上記吐出側ブッシュ(53a)と吸入側ブッシュ(53b)との対向面間のスペースがブレード溝(52)を構成している。
ここで、上記シリンダ室(C1,C2)をそれぞれ高圧側(C1-Hp,C2-Hp)と低圧側(C1-Lp,C2-Lp)とに区画する上記ブレード部(51)は、上述のとおり、外シリンダ部(22)及び内シリンダ部(23)と一体形成されていて、該シリンダ室(C1,C2)の径方向線上で、シリンダ室(C1,C2)の内周側の壁面から外周側の壁面まで、環状ピストン(26)の上記ブレード溝(52)を挿通して延びるように配置される。
上述のように、上記ブレード溝(52)内にブレード部(51)が挿入されるように上記環状ピストン(26)に対してシリンダ(21)が配置された状態では、揺動ブッシュ(53)のフラット面が上記ブレード部(51)と実質的に面接触し、円弧状の外周面が環状ピストン(26)と実質的に面接触している。上記揺動ブッシュ(53)は、ブレード溝(52)にブレード部(51)を挟んだ状態で、該ブレード部(51)がその面方向にブレード溝(52)内を進退するように構成されている。同時に、上記揺動ブッシュ(53)は、環状ピストン(26)に対してブレード部(51)と一体的に揺動するように構成されている。したがって、上記揺動ブッシュ(53)は、該揺動ブッシュ(53)の中心点を揺動中心として上記ブレード部(51)と環状ピストン(26)とが相対的に揺動可能となり、かつ上記ブレード部(51)が環状ピストン(26)に対して該ブレード部(51)の面方向へ進退可能となるように構成されている。
なお、この実施形態では吐出側ブッシュ(53a)と吸入側ブッシュ(53b)とを別体とした例について説明したが、該両ブッシュ(53a,53b)は、一部で連結することにより一体構造としてもよい。
以上の構成において、駆動軸(33)が回転すると、シリンダ(21)のブレード部(51)は、環状ピストン(26)に対して進退しながら、揺動ブッシュ(53)の中心点を揺動中心として揺動する。この揺動動作により、環状ピストン(26)とシリンダ(21)との接触点が図3において(A)から(D)へ順に移動する。このとき、上記シリンダ(21)は駆動軸(33)の周りを公転するが、図示しないオルダム機構によって自転は抑制される。
また、上記下部ハウジング(17)の周縁部(17c)には、径方向に貫通する吸入ポート(41)が形成されている。この吸入ポート(41)は、一端側が上記上部ハウジング(16)及び下部ハウジング(17)によって上記シリンダ(21)の径方向外方に形成される吸入空間(42)に開口している一方、他端側は上記吸入管(14)に接続されていて、これにより、上記空間(42)内に冷媒を吸入するための吸入通路の一部を構成している。すなわち、上記吸入ポート(41)及び吸入空間(42)は低圧空間(S1)の一部をなしている。
そして、上記シリンダ(21)の外シリンダ部(22)には、上記吸入空間(42)と上記外側シリンダ室(C1)の低圧側(C1-Lp)とを連通する貫通孔(43)が設けられている。一方、上記環状ピストン(26)には、上記外側シリンダ室(C1)の低圧側(C1-Lp)と内側シリンダ室(C2)の低圧側(C2-Lp)とを連通する貫通孔(44)が形成されている。これにより、上記吸入ポート(41)を介して吸入された冷媒は、一旦、上記吸入空間(42)に流れ込んだ後、上記貫通孔(43)を介して外側シリンダ室(C1)の低圧側(C1-Lp)に流入するとともに、上記貫通孔(44)を介して内側シリンダ室(C2)の低圧側(C2-Lp)にも流入する。
また、上記図1に示すように、上記下部ハウジング(17)には、下部カバープレート(40)が設けられている。そして、上記ケーシング(10)内において、下部ハウジング(17)及び下部カバープレート(40)の下方が高圧空間(S2)に形成されている。また、上記下部ハウジング(17)と下部カバープレート(40)との間には、チャンバ(49)が形成されている。
さらに、上記下部ハウジング(17)には、2つの吐出口(45,46)が形成されている。該吐出口(45,46)は、下部ハウジング(17)を軸方向に貫通している。上記1つの吐出口(45)の一端は外側シリンダ室(C1)の高圧側(C1-Hp)に臨み、他の吐出口(46)の一端は内側シリンダ室(C2)の高圧側(C2-Hp)に臨むように開口している。つまり、上記吐出口(45,46)は、ブレード(51)の近傍に形成され、該ブレード(51)に対して上記吸入ポート(41)とは反対側に位置している。一方、上記吐出口(45,46)の他端は、上記チャンバ(49)に連通している。そして、上記吐出口(45,46)のチャンバ(49)側の開口部には、該吐出口(45,46)を開閉するリード弁である吐出弁(47,48)が設けられている。
上記チャンバ(49)と吐出空間(S2)とは、下部カバープレート(40)に形成された図示しない連通孔によって連通している。したがって、上記吐出口(45,46)を介してシリンダ室(C1,C2)から吐出された高圧の冷媒は、上記チャンバ(49)から吐出空間(S2)へ排出される。
一方、上記上部ハウジング(16)には、シールリング溝(16c)が形成されていて、該シールリング溝(16c)内にはシールリング(65)が配設されている。すなわち、該シールリング(65)は、シールリング溝(16c)内に装填された状態で上記シリンダ(21)の鏡板(29)の上面によって圧接されている。更に、上記シリンダ(21)と上部ハウジング(16)との接触面には、上記シールリング(65)の径方向内側部分に高圧の冷凍機油が導入されるようになっている。以上の構成により、上記シールリング(65)は、シリンダ(21)の軸方向位置を調整するコンプライアンス機構を構成し、シリンダ(21)と環状ピストン(26)と下部ハウジング(17)との間の軸方向間隙が小さくなるようにしている。
−給油通路−
上述のような構成の圧縮機(1)では、圧縮機(1)下部の貯留部(59)から給油ポンプ(34)を介して駆動軸(33)の貫通孔(33c)内を移動する冷凍機油は、図示しない給油孔を介して上部ハウジング(16)及び下部ハウジング(17)の滑り軸受(16b,17b)や、上記シリンダ(21)の内シリンダ部(23)等に供給される。この内シリンダ部(23)の内周面と上記駆動軸(33)の偏心部(33b)との間には油空間としての微小な隙間(75)があり、その部分に上記給油孔が連通していて、該内シリンダ部(23)周辺に冷凍機油を供給する。そのため、該内シリンダ部(23)周辺には十分に冷凍機油が供給され、内側シリンダ室(C2)のシール性は或る程度確保することができる。
しかしながら、シリンダ(21)の外シリンダ部(22)周辺までは、上述のようにして内シリンダ部(23)から漏れた冷凍機油が十分に供給されず、油切れによって外側シリンダ室(C1)のシール性の悪化や、ブレード部(51)、揺動ブッシュ(53)及び環状ピストン(26)の摺動部分での焼き付きなどが発生する場合がある。
そこで、本発明では、上記図2に示すように、上記ブレード部(51)に給油通路としての溝部(70)を設けた。この溝部(70)は、上記ブレード部(51)の下面上に該ブレード部(51)の伸長方向に延びるように設けられていて、その一端側は上記隙間(75)に連通している一方、他端側は上記吸入空間(42)に連通しないように上記外シリンダ部(22)の内部に対応する位置に位置付けられている。すなわち、上記溝部(70)の他端側は、上記吸入空間(42)とはブレード部(51)の壁部(51a)によって区画されていて、該溝部(70)内の高圧の冷凍機油が該吸入空間(42)に漏れ出さないようになっている。
これにより、上記内シリンダ部(23)に供給された冷凍機油は、上記ブレード部(51)の溝部(70)内を流れて、上記外側シリンダ室(C1)周辺まで供給されるため、該外側シリンダ室(C1)周辺での油切れを防止できる。
また、上記ブレード部(51)の下面上には、上記溝部(70)と上記外側シリンダ室(C1)の低圧側(C1-Lp)及び上記内側シリンダ室(C2)の低圧側(C2-Lp)とをぞれぞれ連通するように、連通溝(71,72)が設けられている。これらの連通溝(71,72)を設けることで、上記溝部(70)内を流れる冷凍機油は、シリンダ室(C1,C2)の低圧側(C1-LP,C2-Lp)に確実に供給される。
なお、本実施形態では、上記連通溝(71,72)を上記溝部(70)と上記シリンダ室(C1,C2)の低圧側(C1-Lp,C2-Lp)とが連通するように設けたが、この限りではなく、該溝部(70)とシリンダ室(C1,C2)の高圧側(C1-Hp,C2-Hp)とを連通させるようにしたりしてもよい。又、参考形態として、上記低圧側(C1-Lp,C2-Lp)及び高圧側(C1-Hp,C2-Hp)の両方に連通させるようにしてもよい。また、上記溝部(70)を一つの空間に連通させるようにしてもよいし、2つ以上の空間に連通させるようにしてもよい。さらに、上記連通溝(71,72)を設けずに、上記溝部(70)のみで冷凍機油を外側シリンダ室(C1)に供給するようにしてもよい。
また、本実施形態では、上記溝部(70)の他端の位置を外シリンダ部(22)の内部に対応する位置としているが、この限りではなく、シリンダ(21)の外周よりも内側で吸入空間(42)と連通しないような位置であれば、どの位置であってもよい。
−運転動作−
次に、上記圧縮機(1)の運転動作について説明する。
まず、電動機(30)を起動すると、ロータ(32)の回転が駆動軸(33)を介して圧縮機構(20)のシリンダ(21)に伝達される。そうすると、上記圧縮機構(20)において、ブレード部(51)が揺動ブッシュ(53)に対して往復運動(進退動作)を行い、かつ、シリンダ(21)が該揺動ブッシュ(53)とともに環状ピストン(26)に対して揺動動作を行う。これによって、シリンダ(21)が環状ピストン(26)に対して揺動しながら公転し、圧縮機構(20)がそれぞれ所定の圧縮動作を行う。
具体的には、上記圧縮機構(20)の外側シリンダ室(C1)では、図3(D)の状態で低圧室(C1-Lp)の容積がほぼ最小であり、ここから駆動軸(33)が図の右回りに回転して図3(A)〜図3(C)の状態へ変化するのに伴って該低圧室(C1-Lp)の容積が増大するときに、冷媒が、吸入管(14)、吸入空間(42)及び貫通孔(43)を通って該低圧室(C1-Lp)に吸入される。
上記駆動軸(33)が一回転して再び図3(D)の状態になると、上記低圧室(C1-Lp)への冷媒の吸入が完了する。そして、この低圧室(C1-Lp)は今度は冷媒が圧縮される高圧室(C1-Hp)となり、ブレード部(51)を隔てて新たな低圧室(C1-Lp)が形成される。駆動軸(33)がさらに回転すると、上記低圧室(C1-Lp)において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室(C1-Hp)の容積が減少し、該高圧室(C1-Hp)で冷媒が圧縮される。高圧室(C1-Hp)の圧力が所定値となって吐出空間(S2)との差圧が設定値に達すると、該高圧室(C1-Hp)の高圧冷媒によって吐出弁(47)が開き、高圧冷媒がチャンバ(49)からケーシング(10)内の高圧空間(S2)へ流出する。
一方、内側シリンダ室(C2)では、図3(B)の状態で低圧室(C2-Lp)の容積がほぼ最小であり、ここから駆動軸(33)が図の右回りに回転して図3(C)〜図3(A)の状態へ変化するのに伴って該低圧室(C2-Lp)の容積が増大するときに、冷媒が、吸入管(14)、吸入空間(42)及び貫通孔(43,44)を通って内側シリンダ室(C2)の低圧室(C2-Lp)へ吸入される。
上記駆動軸(33)が一回転して再び図3(B)の状態になると、上記低圧室(C2-Lp)への冷媒の吸入が完了する。そして、この低圧室(C2-Lp)は今度は冷媒が圧縮される高圧室(C2-Hp)となり、ブレード部(51)を隔てて新たな低圧室(C2-Lp)が形成される。上記駆動軸(33)がさらに回転すると、上記低圧室(C2-Lp)において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室(C2-Hp)の容積が減少し、該高圧室(C2-Hp)で冷媒が圧縮される。高圧室(C2-Hp)の圧力が所定値となって吐出空間(S2)との差圧が設定値に達すると、該高圧室(C2-Hp)の高圧冷媒によって吐出弁(48)が開き、高圧冷媒がチャンバ(49)からケーシング(10)内の高圧空間(S2)へ流出する。
上記外側シリンダ室(C1)では、ほぼ図3(B)のタイミングで冷媒の吐出が開始され、内側シリンダ室(C2)ではほぼ図3(D)のタイミングで吐出が開始される。つまり、外側シリンダ室(C1)と内側シリンダ室(C2)とでは、吐出のタイミングがほぼ180°異なっている。外側シリンダ室(C1)及び内側シリンダ室(C2)で圧縮されてケーシング(10)内の高圧空間(S2)へ流出した高圧の冷媒は吐出管(15)から吐出され、冷媒回路で凝縮行程、膨張行程、及び蒸発行程を経た後、再度圧縮機(1)に吸入される。
一方、上記貯留部(59)の冷凍機油は、駆動軸(33)下端の給油ポンプ(34)により、該駆動軸(33)の貫通孔(33c)内を上方へ押し上げられて、圧縮機構(20)の各滑り軸受(16b,17b)や、上記シリンダ(21)の内シリンダ部(23)に供給される。
そして、上記内シリンダ部(23)に供給された冷凍機油は、上記ブレード部(51)の下面に形成された溝部(70)内を流れて、シリンダ室(C1,C2)内へ供給される。具体的には、該溝部(70)に連通する連通溝(71,72)によって外側シリンダ室(C1)及び内側シリンダ室(C2)の低圧側(C1-Lp,C2-Lp)に供給される。
これにより、特に上記外側シリンダ室(C1)での油切れを防止することができ、該油切れに起因する該外側シリンダ室(C1)のシール性の悪化や、上記ブレード部(51)、摺動ブッシュ(53)及び環状ピストン(26)の摺動部分での焼き付き等を確実に防止することができる。
−実施形態1の効果−
以上のように、本実施形態によれば、ブレード部(51)の下面に、一端側が内シリンダ部(23)内方の隙間(75)に連通し、他端側が外シリンダ部(22)の内部に位置付けられるように、上記ブレード部(51)の伸長方向に延びる溝部(70)を設けたため、上記隙間(75)内に供給された冷凍機油は、該溝部(70)内を移動して、シリンダ室(C1,C2)内に供給される。これにより、外側シリンダ室(C1)にも冷凍機油を供給することができ、該外側シリンダ室(C1)周辺での油切れを防止できる。したがって、ブレード部(51)、揺動ブッシュ(53)及び環状ピストン(26)の摺動部分での焼き付きや、上記外側シリンダ室(C1)のシール性の悪化等を確実に防止できる。
また、上記溝部(70)の他端の位置を、上記外シリンダ部(22)の内部に対応する位置にして、該溝部(70)が低圧の吸入空間(42)と連通しないようにすることで、該溝部(70)を介して高圧の冷凍機油が低圧の吸入空間(42)へ流れ出るのを確実に防止することができる。これにより、上記外側シリンダ室(C1)や摺動部分に冷凍機油を確実に供給することができ、該外側シリンダ室(C1)のシール性の悪化や摺動部分での焼き付きをより確実に防止できる。
また、給油通路として上記ブレード部(51)の下面に上記溝部(70)を設けることで、該溝部(70)全体からシリンダ室(C1,C2)内に冷凍機油を供給することができるとともに、外シリンダ部(22)の先端と下部ハウジング(17)との接触面により近い位置から冷凍機油を供給できるので、該接触面でのシール性を向上することができる。
また、上記ブレード部(51)の下面に、上記溝部(70)と上記シリンダ室(C1,C2)の低圧側(C1-Lp,C2-Lp)とをそれぞれ連通する連通溝(71,72)を設けることで、該シリンダ室(C1,C2)の低圧側(C1-Lp,C2-Lp)に冷凍機油を確実に供給することができ、シリンダ室(C1,C2)内での油切れを確実に防止できる。
〈実施形態2〉
次に、本発明の実施形態2について図4及び図5に基づいて説明する。なお、本実施形態は、この図4及び図5に示すように、ブレード部(51)に溝部(70)を設ける代わりに揺動ブッシュ(53a,53b)の下方の下部ハウジング(17)上面に油溜まり部(80,80)を設けた点が上記実施形態1と異なるだけなので、同じ部分には同じ符号を付し、異なる部分についてのみ以下で説明する。
具体的には、上記図4及び図5に示すように、環状ピストン(26)が一体形成された下部ハウジング(17)の表面上で、該環状ピストン(26)のブレード溝(52)を構成する揺動ブッシュ(53a,53b)が配設される位置に、それぞれ、油溜まり部(80,80)を設けた。
この油溜まり部(80)は、上記ブレード溝(52)に沿うように上面視で長方形状に形成されていて、図5に拡大して示すように、上記揺動ブッシュ(53a,53b)の下側に隠れるように設けられている。また、上記油溜まり部(80)には、外周側である外側シリンダ室(C1)側及び内周側である内側シリンダ室(C2)側に、それぞれテーパ部(81,81)が設けられている。
上述のような油溜まり部(80)を揺動ブッシュ(53a,53b)の下方に設けることで、揺動ブッシュ(53)に対してシリンダ(21)のブレード部(51)が摺動する(図5の白抜き矢印)際、及び該揺動ブッシュ(53)とブレード部(51)とが一体的に揺動する(図5の黒矢印)際に、内側シリンダ室(C2)内等の冷凍機油が上記油溜まり部(80)内に掻き集められて溜まることになる。そうすると、上記揺動ブッシュ(53a,53b)、ブレード部(51)及び環状ピストン(26)の摺動部分には常に冷凍機油が供給される状態になるため、該摺動部分での油切れによる焼き付きを確実に防止することができる。
しかも、上記油溜まり部(80)の外周側及び内周側にテーパ部(81,81)を設けることで、冷凍機油が内側シリンダ室(C2)から該油溜まり部(80)内に流れ込みやすくなるとともに、該油溜まり部(80)から外側シリンダ室(C1)へ冷凍機油を排出しやすくなる。これにより、上記摺動部分だけでなく、外側シリンダ室(C1)側にも冷凍機油をより確実に供給できるようになり、上記環状ピストン(26)によって区画される上記外側シリンダ室(C1)のシール性を向上することができる。
なお、本実施形態では、上記テーパ部(81,81)を上記油溜まり部(80)の外周側及び内周側の両方に設けるようにしているが、この限りではなく、上記外側シリンダ室(C1)側へ冷凍機油を確実に供給できるように外周側にのみ設けたり、上記油溜まり部(80)内により確実に冷凍機油が溜まるように内周側にのみ設けるようにしてもよい。
また、上記油溜まり部(80)の形状は、上述のように上面視で長方形状に限らず、その他の矩形状や円形状、多角形状など、どのような形状であってもよい。
−実施形態2の効果−
以上のように、本実施形態によれば、揺動ブッシュ(53a,53b)の下方に油溜まり部(80)を設けるようにしたため、該揺動ブッシュ(53a,53b)やシリンダ(21)のブレード部(51)の動きによって、内側シリンダ室(C2)内の冷凍機油を掻き集めて上記油溜まり部(80)内に溜めることができ、該揺動ブッシュ(53a,53b)、ブレード部(51)及び環状ピストン(26)の摺動部分に冷凍機油を確実に供給することができる。これにより、該摺動部分での油切れによる焼き付きを確実に防止することができる。しかも、上記油溜まり部(80)に溜まった冷凍機油は、上記ブレード部(51)や揺動ブッシュ(53a,53b)の動きによって外側シリンダ室(C1)に排出されるため、該外側シリンダ室(C1)での油切れによるシール性の悪化を防止することもできる。
また、上記油溜まり部(80)の内周側にテーパ部(81)を設けたため、該油溜まり部(80)内に冷凍機油をより確実に集められるようになり、上記摺動部分での油切れによる焼き付きをより確実に防止できる。
さらに、上記油溜まり部(80)の外周側にテーパ部(81)を設けたため、該油溜まり部(80)に溜まった冷凍機油を外側シリンダ室(C1)側へより確実に排出できるようになり、該外側シリンダ室(C1)での冷凍機油によるシール性を確保することができる。
−実施形態2の変形例1−
この変形例は、図6に示すように、上記実施形態2における油溜まり部(80,80)に連通する溝部(85)をブレード部(51)の下面に設けるようにしたものである。詳しくは、上記溝部(85)は、上記実施形態1と同様、一端側が内シリンダ部(23)の内側の隙間(75)と連通し、上記ブレード部(51)の伸長方向に延びるように形成されていて、他端側で上記油溜まり部(80,80)と連通路(86,86)を介して連通している。なお、この連通路(86,86)は、上記ブレード部(51)の下面に設けるようにしてもよいし、下部ハウジング(17)の上面に設けるようにしてもよい。
これにより、貯留部(59)から内シリンダ部(23)内に供給される冷凍機油は、上記溝部(85)内を圧縮機構(20)の外周側部分まで移動する。そして、上記溝部(85)内を外周方向に移動してきた冷凍機油は、該溝部(85)に連通する上記油溜まり部(80,80)内に流れ込む。
したがって、上記油溜まり部(80,80)内に冷凍機油をさらに確実に溜めることができるようになる。これにより、上記揺動ブッシュ(53a,53b)、ブレード部(51)及び環状ピストン(26)の摺動部分での油切れによる焼き付きを確実に防止することができるとともに、外側シリンダ室(C1)内へ確実に冷凍機油を供給することができ、該外側シリンダ室(C1)のシール性を確実に向上することができる。
なお、この変形例では、上記図6に示すように、吐出側ブッシュ(53a)及び吸入側ブッシュ(53b)のそれぞれの下方に設けられた2つの油溜まり部(80,80)を、上記溝部(85)に連通させるようにしているが、この限りではなく、いずれか一方の油溜まり部(80)のみを上記溝部(85)に連通させるようにしてもよい。
実施形態2の変形例2−
この変形例は、図7に示すように、上記実施形態における油溜まり部を揺動ブッシュ(53a,53b)の下方ではなく、ブレード部(51)の下方に設けるようにしたものである。詳しくは、シリンダ(21)に一体形成されたブレード部(51)の挿通するブレード溝(52)に対応して、下部ハウジング(17)の上面に上面視で略長方形状の油溜まり部(90)が形成されている。
このように油溜まり部(90)をブレード部(51)の下方に設けることで、上述のように、駆動軸(33)の回転に伴ってシリンダ(21)が偏心回転し、該ブレード部(51)がブレード溝(52)内を径方向に移動すると、このブレード部(51)の動きによって上記油溜まり部(90)内に内側シリンダ室(C2)内の冷凍機油が掻き集められるとともに、該油溜まり部(90)から外側シリンダ室(C1)へ向かって冷凍機油を排出することができ、該外側シリンダ室(C1)での油切れを防止することができる。
しかも、上記ブレード部(51)の動きに伴って該ブレード部(51)に摺接する揺動ブッシュ(53a,53b)にも冷凍機油を供給することができ、摺動部分での油切れも防止することができる。
また、上記油溜まり部(90)は、上記実施形態2と同様、外周側である外側シリンダ室(C1)側及び内周側である内側シリンダ室(C2)側に、それぞれテーパ部(91,91)が設けられている。これにより、上述のような冷凍機油の移動をより確実に行えるようになり、上記外側シリンダ室(C1)や摺動部分での油切れを確実に防止することができる。
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記各実施形態について、以下のような構成としてもよい。
上記各実施形態では、シリンダ(21)に駆動軸(33)を連結することで、外シリンダ部(22)及び内シリンダ部(23)を偏心回転させるようにしているが、この限りではなく、図8及び図9に示すように、環状ピストンを駆動軸に連結するとともに、シリンダを固定側にして、該環状ピストンを偏心回転させるようにしてもよい。
詳しくは、上記図8に示す圧縮機(200)の圧縮機構(220)は、環状ピストン(226)と駆動軸(33)に連結される軸受部(228)とが一端側でピストン鏡板(229)によって接続されてなるピストン(225)と、外周側でケーシング(10)に固定されたシリンダ鏡板(216)から外シリンダ部(222)及び内シリンダ部(223)が下方に延びるシリンダ(221)と、該外シリンダ部(222)及び内シリンダ部(223)に両端部を固定されるように径方向線上に延びるブレード(251)と、を備えている。なお、上記図8及び図9において、上記各実施形態と同じ部分には同じ符号を付している。
すなわち、上記シリンダ(221)の外シリンダ部(222)と内シリンダ部(223)との間に形成された環状空間としてのシリンダ室(C1,C2)内に、上記ピストン(225)の環状ピストン(226)が偏心した状態で配置されていて、これにより、外側シリンダ室(C1)及び内側シリンダ室(C2)が形成されるようになっている。また、上記ブレード(251)によって、上記外側シリンダ室(C1)及び内側シリンダ室(C2)は、それぞれ、低圧室(C1-Lp,C2-Lp)及び高圧室(C1-Hp,C2-Hp)に区画されている。さらに、上記ブレード(251)は、一部を切り欠いて略C字状に形成された環状ピストン(226)に対し、該切り欠き部分に配設された揺動ブッシュ(253)を挿通するように配置されている。この揺動ブッシュ(253)は、上記環状ピストン(226)を上記シリンダ(221)に固定されたブレード(251)に対して摺動可能にするとともに、上記環状ピストン(226)をブレード(251)に対して揺動可能にするように構成されている。
すなわち、上記図8及び図9に示す圧縮機構(220)は、上記各実施形態とは異なり、固定された上記ブレード(251)に対して揺動ブッシュ(253)及び環状ピストン(226)が摺動及び揺動するように構成されている。
また、上記図8に示すように、上記圧縮機構(220)において、上記ピストン(225)の鏡板(229)の径方向外方には、該ピストン(225)の偏心回転を許容するように空間(218)が形成されている。さらに、上記ピストン側鏡板(229)の下方に位置する下部ハウジング(217)の上面には、上記空間(218)に連通する油溜まり(271)が形成されている。ここで、この油溜まり(271)にはシールリング(65)を越えた冷凍機油が供給されるため、該油溜まり(271)及び上記空間(218)は、上記ピストン(225)の軸受部(228)と駆動軸(33)との間に形成される隙間(275)内の圧力よりも低圧の中間圧になっている。
そして、上述のような構成において、上記実施形態1のように上記ブレード(251)の環状ピストン(226)軸線方向の端面に溝部を設けたり、上記実施形態2のような油溜まりを、上記ピストン(225)の鏡板(229)上面に形成したりすることにより、外側シリンダ室(C1)や摺動部分での油切れを防止できるという上記実施形態1,2と同様の作用効果が得られる。また、上記実施形態1と同様、上記溝部を上記空間(218)及び油溜まり(271)に連通しないように形成することで、冷凍機油が該空間(218)や油溜まり(271)に多く流れるのを防止することができ、上記外側シリンダ室(C1)や摺動部分により確実に供給することができる。なお、圧縮機構は、上述のように、シリンダまたは環状ピストンのいずれか一方のみが偏心回転するのではなく、両者が偏心回転するような構成であってもよい。
また、上記各実施形態では、ブレード部(51)の下面に給油通路としての溝部(70,85)を形成するようにしているが、この限りではなく、例えばブレードの下側に鏡板が設けられている場合には該ブレードの上面に設けたり、ブレードの内部に孔部を形成して給油通路としてもよい。ただし、孔部を設ける場合には、該孔部から上記シリンダ室(C1,C2)若しくは油溜まり部(80)へ冷凍機油を供給するために連通孔を設ける必要がある。
上記各実施形態では、本発明の流体機械として圧縮機(1)について説明したが、本発明は、高圧冷媒などのガスをシリンダ室に導入し、該ガスが膨張することによって回転軸の駆動力を発生させる膨張機にも適用できるし、ポンプにも適用できる。
また、上記実施形態2では、揺動ブッシュ(53)の下方に位置する下部ハウジング(17)の上面に油溜まり部(80,80)を設けるようにしているが、この限りではなく、該揺動ブッシュ(53)の上方に位置するシリンダ側鏡板(29)の下面に設けるようにしてもよいし、該揺動ブッシュ(53)の上下両方に設けるようにしてもよい。さらに、上記油溜まり部(80,80)は、吐出側ブッシュ(53a)及び吸入側ブッシュ(53b)の両方に対応して設けられているが、この限りではなく、いずれか一方のみに対応して設けるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明は、ブレード部に給油通路を設けることで、該ブレード部や摺動ブッシュなどの摺動部分での油切れによる焼き付きや、外側シリンダ室での油切れによるシール性の悪化などを防止できるので、例えば環状の空間内に環状のピストンを配置して、その内側若しくは外側にシリンダ室を形成し、該シリンダ室をブレードによって第1室と第2室とに区画する回転式流体機械について特に有用である。
本発明の実施形態に係る圧縮機の縦断面図である。 実施形態1に係る圧縮機構を示す横断面図である。 圧縮機構の動作を示す横断面図である。 実施形態2に係る圧縮機構を示す横断面図である。 環状ピストンの分断部分を拡大して示す斜視図である。 実施形態2の変形例1に係る環状ピストンの分断部分の拡大断面図である。 実施形態2の変形例2に係る環状ピストンの分断部分の拡大断面図である。 その他の実施形態に係る圧縮機の縦断面図である。 その他の実施形態に係る圧縮機構を示す横断面図である。 従来の圧縮機の縦断面図である。 従来の圧縮機構を示す横断面図である。
1,200 圧縮機
17 下部ハウジング(プレート)
20,220 圧縮機構
21,221 シリンダ
22,222 外シリンダ部
23,223 内シリンダ部
26,226 環状ピストン(ピストン)
29 シリンダ側鏡板(プレート)
30 電動機(駆動機構)
42 吸入空間(低圧空間)
51 ブレード部
53,253 揺動ブッシュ(揺動部材)
70,85 溝部(給油通路)
75,275 隙間(油空間)
80,90 油溜まり部
81,91 テーパ部
216 シリンダ鏡板(プレート)
217 下部ハウジング
218 空間(低圧空間)
225 ピストン
229 ピストン側鏡板(プレート)
251 ブレード
C1 外側シリンダ室(シリンダ室)
C2 内側シリンダ室(シリンダ室)
C1-Lp,C2-Lp 低圧室(第1室)
C1-Hp,C2-Hp 高圧室(第2室)

Claims (8)

  1. 外シリンダ部(22,222)と内シリンダ部(23,223)との間に環状の空間(C1,C2)を形成するシリンダ(21,221)と、
    上記シリンダ(21,221)に対して偏心した状態で上記環状空間(C1,C2)内に収納されて該環状空間(C1,C2)を外側室(C1)と内側室(C2)とに区画するピストン(26,225)と、
    上記ピストン(26,225)に対して径方向に延びて該ピストン(26,225)を貫通し、上記外側室(C1)及び内側室(C2)をそれぞれ第1室(C1-Lp,C2-Lp)と第2室(C1-Hp,C2-Hp)とに区画するブレード(51,251)と、
    上記シリンダ(21,221)とピストン(26,225)とを相対的に偏心回転させる駆動機構(30)と、を備えた回転式流体機械であって、
    上記内シリンダ部(23,223)の内側には、冷凍機油の供給される油空間(75,275)が形成されていて、
    上記ブレード(51,251)には、上記油空間(75,275)に一端側で連通し、該ブレード(51,251)の伸長方向に冷凍機油を供給する給油通路(70)が設けられ
    上記給油通路(70)は、上記第1室(C1-Lp,C2-Lp)または上記第2室(C1-Hp,C2-Hp)のうちいずれか一方の空間にのみ連通していることを特徴とする回転式流体機械。
  2. 請求項1において、
    上記給油通路(70)は、他端が上記外側室(C1)に対応する位置まで延びていることを特徴とする回転式流体機械。
  3. 請求項1または2において、
    上記シリンダ(21,221)及びピストン(26,225)のうち上記駆動機構(30)によって偏心回転する部材の径方向外方には、上記油空間(75,275)よりも低圧の空間(42,218)が形成され、
    上記給油通路(70)の他端は、上記部材の外周よりも内側に位置付けられるように設けられていて、上記ブレード(51,251)の上記低圧空間(42,218)との間に形成される壁部(51a)によって該空間(42,218)と非連通になっていることを特徴とする回転式流体機械。
  4. 外シリンダ部(22,222)と内シリンダ部(23,223)との間に環状の空間(C1,C2)を形成するシリンダ(21,221)と、
    上記シリンダ(21,221)に対して偏心した状態で上記環状空間(C1,C2)内に収納されて該環状空間(C1,C2)を外側室(C1)と内側室(C2)とに区画するピストン(26,226)と、
    上記ピストン(26,226)に対して径方向に延びて該ピストン(26,226)を貫通し、上記外側室(C1)及び内側室(C2)をそれぞれ第1室(C1-Lp,C2-Lp)と第2室(C1-Hp,C2-Hp)とに区画するブレード(51,251)と、
    上記シリンダ(21,221)及びピストン(26,225)を軸線方向に挟み込んで上記各室(C1-Lp,C2-Lp,C1-Hp,C2-Hp)の軸線方向の端面を構成する一対のプレート(29,17,229,216)と、
    上記シリンダ(21,221)とピストン(26,225)とを相対的に偏心回転させる駆動機構(30)と、を備えた回転式流体機械であって、
    上記ピストン(26,225)のブレード貫通部分には、該ブレード(51,251)に対して摺接しつつ該ピストン(26,225)とブレード(51,251)とを相対的に揺動可能にする揺動部材(53)が配設されていて、
    上記一対のプレート(29,17,229,216)のうち少なくも一方において、上記揺動部材(53,253)またはブレード(51,251)に面する位置のいずれか一方に、油溜まり部(80,90)が設けられ
    上記油溜まり部(80,90)の外側室(C1)側及び内側室(C2)側のうち少なくとも一方には、テーパ部(81,91)が設けられていることを特徴とする回転式流体機械。
  5. 請求項において、
    上記テーパ部(81,91)は、上記油溜まり部(80,90)の外側室(C1)側に設けられていることを特徴とする回転式流体機械。
  6. 請求項4又は5において、
    上記内シリンダ部(23,223)の内側には、冷凍機油の供給される油空間(75,275)が形成されていて、
    上記ブレード(51,251)には、上記油空間(75,275)に一端側で連通し、該ブレード(51,251)の伸長方向に冷凍機油を供給する給油通路(85)が設けられていることを特徴とする回転式流体機械。
  7. 請求項において、
    上記給油通路(85)は、上記油溜まり部(80,90)と連通するように設けられていることを特徴とする回転式流体機械。
  8. 請求項1からのいずれか一つにおいて、
    上記給油通路(70,85)は、上記ブレード(51,251)におけるピストン軸線方向の端面に形成された溝部であることを特徴とする回転式流体機械。
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