JP2008143416A - ドアトリム用アームレスト構造 - Google Patents

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純秋 田中
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Abstract

【課題】側突時等に、アームレストロアに対して、アームレストアッパーが円滑に跳ね上げられて、アームレストロアが衝撃荷重によって確実に圧潰し、乗員を確実に保護しようとした。
【解決手段】アームレストアッパー5の内面にアームレストロア4の上面4a側に向かって突出するリブ7を立設し、リブ7とアームレストロア4の上面4aとの互いに当接する各当接面8a、8bを、それぞれドアトリム本体1側に向けて下り傾斜する傾斜面にした。結果、アームレストロア4の当接面に対して、アームレストアッパー5の当接面が摺動して、アームレストアッパーを跳ね上げる際に、アームレストアッパーは車室側を支点として跳ね上げられ、ドアトリム本体1側が跳ね上げされるに従ってドアトリム本体1に対して遠ざかる方向に移動して、アームレストアッパー5の跳ね上げを円滑に行わせることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ドアトリム用アームレストに係り、特に、側突等車両に側方からの衝撃が加わった際、乗員がアームレストに押圧されても、乗員に加わる負荷を軽減でき、側突時等における安全性を高めたドアトリム用アームレスト構造に関する。
従来のドアトリム用アームレスト構造は、図6−1に示すように、ドアトリム本体21の略中央部に車室方向に突出するアームレスト22を形成して、乗員の腕等を支えるように構成されており、車両の側突時等において、アームレスト22に乗員等(図中では、車両組立後等の検査用のインパクター23に代えて描画している)が衝接したような場合、図6−2に示すように、アームレスト22全体を撓み変形、延いては破断させることによって、乗員の衝撃荷重を吸収するようにしている。
かかる構成において、側突時にアームレスト22が圧潰するためには、アームレスト22の剛性を低く設定する必要があるが、このために、通常時に、アームレスト22自体が乗員の腕等による荷重や熱変形等により変形してしまうこともある。
そこで、このような通常時のアームレストの変形を抑えつつ、側突時には衝撃を緩和すべく構成した従来技術が知られている(特許文献1参照)。
特開2002−46520公報。
かかる従来技術によると、図7-1に示すように、ドアトリム本体31の表面略中央部に取付けられるアームレストロア32と、アームレストロア32の上面に載置して取付けられるアームレストアッパー33とから、アームレスト部34を構成し、アームレストロア32の上面とアームレストアッパー33の内面に相互に面当接するように相手方に向けて突出するリブ35、36をそれぞれ形成し、両リブ35、36の当接面35a、36a同士がドアトリム本体31側に向けて登り傾斜する傾斜面として設定されている。
そして、車両の側方に側突等の衝撃が加わった際、図7-2に示すように、側突時等に、アームレスト34に荷重Fなる衝撃が加えられた時、アームレストロア32側のリブ35に対して、アームレストアッパー33側のリブ36が当接面35a、36aに沿って摺動することにより、アームレストアッパー33をアームレストロア32から脱落させて、と共に側突時等の衝撃荷重をアームレストロア32単体での撓み変形、破断により吸収し、衝撃吸収機能を高めることができる。
また、アームレストアッパー33の剛性を高めることにより、上記したアームレスト34自体が乗員の腕等による荷重或いは熱変形等により変形してしまうことを防止しようとしている。
しかしながら、図7-2に示すように、アームレスト34に対して図中Fで示す衝撃が加わった場合、この衝撃荷重Fに対してアームレストアッパー33は、リブ36の当接面36aがアームレストロア32のリブ35の傾斜面35aに沿って摺動することにより、図中矢印Aで示すように、アームレストアッパー33におけるドアトリム本体31側の端部がドアトリム本体31を衝接しながら、上方に跳ね上げ、これと平行するように、アームレストロア32が撓み、或いは破断することにより、衝撃荷重Fを有効に吸収することになるのであるが、アームレストアッパー33は、両リブ35、36の当接面35a、36aがドアトリム本体31側に向かって登り傾斜に形成されているために、ドアトリム本体31側の端部33aが支点となってドアトリム本体31側に一旦押付けられるような状態でドアトリム本体31の表面を擦りながら上方に跳ね上げられ、この結果として、ドアトリム本体31の摺動抵抗を受けてしまい、アームレストアッパー33の跳ね上げが円滑に行われるとはいいきれない。
そこで、本発明は、かかる点に鑑み、側突時等に、アームレストロアに対して、アームレストアッパーが円滑に跳ね上げられて、アームレストロアが衝撃荷重によって確実に圧潰し、乗員を確実に保護しようとしたドアトリム用アームレスト構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のドアトリム用アームレスト構造は、ドアトリム本体に取付けられるアームレストロアとこのアームレストロアの上面に内面を載置して取付けられるアームレストアッパーとから構成されるドアトリム用アームレスト構造であって、前記アームレストアッパーの内面に前記アームレストロアの上面側に向かって突出するリブを立設し、該リブと前記アームレストロアの上面との互いに当接する各当接面を、それぞれ前記ドアトリム本体側に向けて下り傾斜する傾斜面に形成したことを特徴とするものである。
上記のように構成する本発明は、アームレストアッパーの内面にアームレストロアの上面側に向かって突出するリブを立設し、このリブとアームレストロアの上面との互いに当接する各当接面を、それぞれドアトリム本体側に向けて下り傾斜する傾斜面に形成したことから、アームレストロアの当接面に対して、アームレストアッパーの当接面が摺動して、アームレストアッパーを跳ね上げる際に、アームレストアッパーは車室側下端部を支点として跳ね上げられることになって、ドアトリム本体側が跳ね上げされるにしたがってドアトリム本体に対して遠ざかる方向に移動することになり、ドアトリム本体との衝接を防止でき、アームレストアッパーの跳ね上げを円滑に行わせることができ、これに伴いアームレストロアが衝撃荷重によって確実に圧潰し、乗員を確実に保護することができる。
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のアームレストアッパーの内面に、前記アームレストロア側に突出するようにプルハンドル部を設けると共に、前記アームレストロアの上面に、前記プルハンドル部が嵌挿する取付け孔部が形成されており、該取付け孔部と前記プルハンドル部とが互いに当接する各当接部における車室対向面側が前記ドアトリム本体側に向けて下り傾斜する傾斜面に形成されていることを特徴とするものである。
上記のように構成する本発明は、プルハンドル部が嵌挿する取付け孔部とプルハンドル部とが互いに当接する各当接部における車室対向面側が前記ドアトリム本体側に向けて下り傾斜する傾斜面に形成されていることから、アームレストに衝撃荷重がかかった場合、アームレストロアの圧潰に伴って、リブとアームレストロアの上面との互いに当接する各当接面とが摺動すると共に、プルハンドル部が嵌挿する取付け孔部とプルハンドル部とが互いに当接する当接部同士が摺動して、アームレストアッパーは車室側下端部を支点として跳ね上げられることになって、ドアトリム本体側が跳ね上げされるにしたがってドアトリム本体に対して遠ざかる方向に移動することになり、ドアトリム本体との衝接を防止でき、アームレストアッパーの跳ね上げを円滑に行わせることができ、これに伴いアームレストロアが衝撃荷重によって確実に圧潰し、乗員を確実に保護することができる。
上記のように構成する本発明は、アームレストアッパーの内面にアームレストロアの上面側に向かって突出するリブを立設し、このリブとアームレストロアの上面との互いに当接する各当接面を、それぞれドアトリム本体側に向けて下り傾斜する傾斜面に形成したことから、アームレストロアの当接面に対して、アームレストアッパーの当接面が摺動して、アームレストアッパーを跳ね上げる際に、アームレストアッパーは車室側下端部を支点として跳ね上げられることになって、ドアトリム本体との衝接を防止でき、アームレストアッパーの跳ね上げを円滑に行わせることができ、これに伴いアームレストロアが衝撃荷重によって確実に圧潰し、乗員を確実に保護することができる。
以下、図1ないし図5-2を用いて、本発明を実施するための最良の形態における実施例について説明する。
図1は自動車用ドアを車室側から描画した斜視図、図2は図1のA−A断面図、図3は図1におけるB−B断面図、図4は図1におけるアームレスト部を拡大して描画した分解斜視図、図5-1及び図5-2は、同アームレスト部の衝撃吸収作用を説明するために概略的に描画した図1における要部側面図で、図5-1は衝撃荷重が加わる寸前の状態を示し、図5-2は衝撃荷重を吸収した状態を示している。
先ず図1において、ドアトリム本体1は、ドアパネル2の車室側を内装しており、ドアトリム本体1の車室側には、インサイドハンドル11や小物入れポケット12等が配設されていると共に、略中央部に車室側に突出するアームレスト3が膨出設置されている。
ドアトリム本体1は、裏面側(ドアパネル2に面する側)に一体に形成した複数個のトリム取付けボス部13にビス14を螺合等することによって、ドアパネル2に装着されている(図3参照)。
図2および3に示すように、アームレスト部3は、アームレストロア4とアームレストアッパー5との上下2分割体から構成されている。
アームレストロア4は、ポリプロピレン樹脂等の射出成形体、あるいはモールドプレス成形体から構成されており、ドアトリム本体1に取付けるためのトリム取付け用ボス部13が裏面複数箇所に突設形成されている。
また、アームレストロア4の上面4aには、図1に示すように、パワーウインドスイッチ等のユニット15が設置されていると共に、図2に示すように、プルハンドル設置凹部4bが形成され、プルハンドル設置凹部4bには、後で詳説するように、アームレストアッパー5側のプルハンドル部6が嵌挿する取付け孔部4cが形成され、更にはアームレストアッパー5を取付けるためのクリップ係着孔4dが設けられている。
アームレストアッパー5の内面5aには、図3に示すように、さらに、クリップ取付けボス5bがアームレストロア4側に突出するように立設されており、クリップ取付けボス5bには、クリップ5cがビス14aを螺合する等により装着されており、クリップ5cをクリップ係着孔4dに嵌挿することにより、アームレストロア4の上面4aに載置されたアームレストアッパー5をアームレストロア4に取付けている。
アームレストアッパー5の内面略中央部には、アームレストロア4側に突出するように上部が開口部6aを設けた略箱状のプルハンドル部6が設けられている。
プルハンドル部6aの上端部には、略庇状の棚部6bが形成されており、棚部6bにおける車室側は、略円弧状に形成されていると共に、アームレストロア4の上面側に向かって突出するリブ7が立設されている。
リブ7は、プルハンドル設置凹部4bにおける車室対向面側において互いに当接しており、両当接面8a、8bは、ドアトリム本体1側に向けて下り傾斜する傾斜面に形成されている。
プルハンドル部6とこれが嵌挿当接するアームレストロア4側の取付け孔部4cとにおける車室対向面側当接面9a、9bは、やはり互いにドアトリム本体1側に向けて下り傾斜する傾斜面に形成されている。
上記のように構成する場合、図5-1に示すように、車両の側方に側突等の衝撃が加わった際、乗員等(図中では、車両組立後等の検査用のインパクター23に代えて描画している)が衝接したような場合、アームレスト部3に対して図中Fで示す衝撃が加わるが、この衝撃荷重Fに対して、アームレストアッパー5は、リブ7の当接面8bがアームレストロア4の当接面8aに沿うと共に、プルハンドル部6の当接面9bがプルハンドル設置凹部4bに設けた取付け孔部4cの当接面9aに沿って摺動することになり、これにより、アームレストアッパー5は、図5-2に示すように、プルハンドル部6の車室側下端部を支点として矢印Xで示すように上方に跳ね上がり、アームレストアッパー5のクリップ5cがアームレストロア4のクリップ係着孔4dかた容易に外れ、アームレストロア4からアームレストアッパー5が簡単に脱落することになり、その後、衝撃荷重Fが、アームレストロア4にかかってアームレストロアの圧潰によって有効に吸収され、乗員の衝撃を緩和することになる。
したがって、本実施の形態によれば、アームレストアッパー5の内面にアームレストロア4の上面側に向かって突出するリブ7を立設し、リブ7と、アームレストロア4の上面に設けたプルハンドル設置凹部4cにおける車室対向面側との互いに当接する各当接面8b、8aをそれぞれドアトリム本体1側に向けて下り傾斜する傾斜面とすると共に、プルハンドル部6と取付け孔部4cにおける車室対向面側の互いに当接する各当接面9b、9aをそれぞれドアトリム本体1側に向けて下り傾斜する傾斜面に形成したことから、アームレストロア4側の当接面8a、9aに対して、アームレストアッパー側の当接面8b、9bが摺動して、アームレストアッパー5を跳ね上げる際に、アームレストアッパー5は車室側下端部を支点として跳ね上げられることになって、ドアトリム本体1側が跳ね上げされるにしたがってドアトリム本体1に対して遠ざかる方向に移動することになり、ドアトリム本体1との衝接を防止でき、アームレストアッパー5の跳ね上げを円滑に行わせることができ、これに伴いアームレストロア4が衝撃荷重によって確実に圧潰し、乗員を確実に保護することができる。
なお、上記の実施の形態においては、傾斜面8bを有するリブ7は、プルハンドル部6の棚部6bの内面に形成すると共に、傾斜面8aをプルハンドル設置凹部4bに形成したが、これに限定されるものではなく、リブ7をプルハンドル部6の棚部6b以外のアームレストアッパー5の内面5aに形成すると共に、これに対応して傾斜面8aをプルハンドル設置凹部4b以外のアームレストロア4の上面4aに形成してもよい。
以上説明したように、本発明は、アームレストアッパーの内面にアームレストロアの上面側に向かって突出するリブを立設し、このリブとアームレストロアの上面との互いに当接する各当接面を、それぞれドアトリム本体側に向けて下り傾斜する傾斜面に形成したことから、アームレストロアの当接面に対して、アームレストアッパーの当接面が摺動して、アームレストアッパーを跳ね上げる際に、アームレストアッパーは車室側下端部を支点として跳ね上げられることになって、ドアトリム本体側が跳ね上げされるにしたがってドアトリム本体に対して遠ざかる方向に移動することになり、ドアトリム本体との衝接を防止でき、アームレストアッパーの跳ね上げを円滑に行わせることができ、これに伴いアームレストロアが衝撃荷重によって確実に圧潰し、乗員を確実に保護することができるために、側突等車両に側方からの衝撃が加わった際、乗員がアームレストに押圧されても、乗員に加わる負荷を軽減でき、側突時等における安全性を高めたドアトリム用アームレスト構造等に好適である。
自動車用ドアを車室側から描画した斜視図である。 図1におけるA−A断面図である。 図1におけるB−B断面図である。 図1におけるアームレスト部を拡大して描画した分解斜視図である。 図1におけるアームレスト部の衝撃吸収作用を説明するために概略的に描画した図1における要部側面図で、衝撃荷重が加わる寸前の状態を示している。 図1におけるアームレスト部の衝撃吸収作用を説明するために概略的に描画した図1における要部側面図で、衝撃荷重を吸収した状態を示している。 従来技術の一例におけるドアトリムのアームレスト部付近を拡大して概略的に描画した要部側面図で、衝撃荷重が加わる寸前の状態を示している。 図6−1と同様な要部側面図で、衝撃荷重を吸収した状態を示している。 従来技術の他例におけるドアトリムのアームレスト部付近を拡大して概略的に描画した要部側面図で、衝撃荷重が加わる寸前の状態を示している。 図7−1と同様な要部側面図で、衝撃荷重を吸収した状態を示している。
符号の説明
1 ドアトリム本体
3 アームレスト部
4 アームレストロア
4a 上面
5 アームレストアッパー
5a 内面
7 リブ
8a、8b、9a、9b 当接面

Claims (2)

  1. ドアトリム本体に取付けられるアームレストロアとこのアームレストロアの上面に内面を載置して取付けられるアームレストアッパーとから構成されるドアトリム用アームレスト構造であって、前記アームレストアッパーの内面に前記アームレストロアの上面側に向かって突出するリブを立設し、該リブと前記アームレストロアの上面との互いに当接する各当接面を、それぞれ前記ドアトリム本体側に向けて下り傾斜する傾斜面に形成したことを特徴とするドアトリム用アームレスト構造。
  2. 前記アームレストアッパーの内面に、前記アームレストロア側に突出するようにプルハンドル部を設けると共に、前記アームレストロアの上面に、前記プルハンドル部が嵌挿される取付け孔部が形成されており、該取付け孔部と前記プルハンドル部とが互いに当接する各当接部における車室対向面側が前記ドアトリム本体側に向けて下り傾斜する傾斜面に形成されていることを特徴とする請求項1記載のドアトリム用アームレスト構造。

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