JP2008143183A - 可逆性感熱記録媒体及び可逆性感熱記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材3上に、可逆性感熱記録層2を有する可逆性感熱記録媒体であって、可逆性感熱記録層2を有する基材3の反対面の最外層の一部に、多孔質性の材料を含んで構成される筆記性層1を有し、可逆性感熱記録媒体を構成する各層が積層される積層方向において、筆記性層1の端部と、可逆性感熱記録層2と、が重なっており、筆記性層1を有する最外層には、粗面化が施されてなることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
基材上に、可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体であって、
前記可逆性感熱記録層を有する基材の反対面の最外層の一部に、多孔質性の材料を含んで構成される筆記性層を有し、前記可逆性感熱記録媒体を構成する各層が積層される積層方向において、前記筆記性層の端部と、前記可逆性感熱記録層と、が重なっており、
前記筆記性層を有する最外層には、粗面化が施されてなることを特徴とする。
前記可逆性感熱記録媒体には、ICチップが実装されてなることを特徴とする。
前記可逆性感熱記録媒体を構成する各層に熱プレスを行うと同時に、前記最外層に、粗面化した板材を介して粗面化処理を行うことで、前記最外層には、粗面化が施されてなることを特徴とする。
前記可逆性感熱記録媒体を構成する各層に熱プレスを行うと同時に、前記最外層に、粗面化していない鏡面板で熱プレスを行い、当該熱プレスを行った後に、前記最外層に、粗面化した板材を介して粗面化処理を行うことで、前記最外層には、粗面化が施されてなることを特徴とする。
前記最外層の表面粗さ;Ra値は、JIS B0601に基づいて求められる範囲で、0.3μm〜10μmの範囲であることを特徴とする。
前記板材は、前記最外層の軟化点よりも高い樹脂からなるフィルムであることを特徴とする。
基材上に、可逆性感熱記録層を有し、当該可逆性感熱記録層を有する基材の反対面の最外層の少なくとも一部に、筆記性層を有する可逆性感熱記録媒体の製造方法であって、
多孔質性インキを印刷して筆記性層を形成し、前記可逆性感熱記録媒体を構成する各層に熱プレスを行い、前記筆記性層を有する最外層に、粗面化処理を行い、前記粗面化処理は、粗面化した板材を介して熱プレスと同時に行うことを特徴とする。
基材上に、可逆性感熱記録層を有し、当該可逆性感熱記録層を有する基材の反対面の最外層の少なくとも一部に、筆記性層を有する可逆性感熱記録媒体の製造方法であって、
多孔質性インキを印刷して筆記性層を形成し、前記可逆性感熱記録媒体を構成する各層に熱プレスを行い、前記筆記性層を有する最外層に、粗面化処理を行い、前記粗面化処理は、粗面化していない鏡面板で熱プレスを行った後に、粗面化した板材を介して行うことを特徴とする。
本発明に係る筆記性を有する可逆性感熱記録媒体は、図1に示すように、少なくとも基材と、可逆性感熱記録層と、筆記性層とを有している。また、図2(a)に示すように、基材として、2枚からなるコアフィルムと、このコアフィルムの両面に積層されたオーバーレイフィルムからなる積層体を用い、コアフィルムとオーバーレイフィルムの間には、接着層6を有している。
可逆性感熱記録層2は、サーマルヘッド等の加熱手段によって加熱することにより、情報を可逆的に記録消去可能な層である。このような可逆性感熱記録層2は、基材3上に塗布後、乾燥して形成したり、また、可逆性感熱記録層2を形成した転写シートあるいは接着シートを用いて、基材上に形成することができる。
N−ペンタコシル(p−ヒドロキシフェニル)アミド、N−ヘキサコシル(p−ヒドロキシフェニル)アミド、N−ヘプタコシル(p−ヒドロキシフェニル)アミド、N−オクタコシル(p−ヒドロキシフェニル)アミド、N−ノナコシル(p−ヒドロキシフェニル)アミド、N−トリアコンチル(p−ヒドロキシフェニル)アミド、N−ヘントリアコンチル(p−ヒドロキシフェニル)アミド、N−ドトリアコンチル(p−ヒドロキシフェニル)アミド、N−テトラトリアコンチル(p−ヒドロキシフェニル)アミド等のアミド化合物、
本発明に使用される筆記性層1は、前記した可逆性感熱記録層2と基材3に対して反対面上の最外層10の少なくとも一部に設けられる。この筆記性層1としては、プラスチックフィルムを表面処理して作製するか、または、多孔質性インキを最外層上に塗布したり、あるいは、多孔質性インキ層を有する接着シートや転写シートを基材上に接着または転写して設けることができる。また、筆記性層1はこれら前記した方法を適宜組合せて形成することもできる。
本発明に使用される基材3は、以下に示すような材料からなるフィルムやこれらの積層体が用いられる。
ポリエステル樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、あるいはテレフタール酸またはイソフタール酸などの酸成分と、エチレングリコールまたはシクロヘキサンジメタノールなどのアルコール成分との縮合エステル樹脂(たとえばPETG:イーストマンケミカル社の商標)など、
生分解性プラスチック樹脂;ポリ乳酸系樹脂、デンプンと変性ポリビニールアルコール等とからなる天然高分子系樹脂、β―ヒドロキシ酪酸とβ―ヒドロキシ吉草酸とからなる微生物産生の樹脂等。
本発明に係る筆記性を有する可逆性感熱記録媒体には、好ましくは、ICチップ回路基板層4を有する。たとえば図2(b)に示すように、たとえばICチップを基材層等に埋め込み、この埋め込まれたICチップ5と、ICチップ回路基板層4とが、バンプ等を介して電気的に接続されていてもよい。
接着層6は、基材3を積層体とした場合に任意の層間、特に接着性の悪いフィルム層間に設けられ、熱プレス等した場合に十分に層間の接着を行い得るものであればよい。このような接着層6を形成する樹脂として、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂又はそれらの混合樹脂、ホットメルト樹脂からなるフィルムなどが挙げられる。
保護層8は、可逆性感熱記録層2上に設けることができる。このような保護層8としては、通常保護層8として使用されているものであれば特に制限なく用いられるが、本発明では、紫外線硬化型樹脂で構成することができ、この保護層8には、シリカ等が含有されていてもよく、また、必要に応じて、さらに、分散剤、フッ素系などの界面活性剤、導電剤、充填剤、シリコーンなどの滑剤、酸化防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、発色安定化剤、消色促進剤などを含んでいてもよい。
本発明に係る筆記性を有する可逆性感熱記録媒体には、その他の可逆性記録層2、非可逆記録層を設けることができる。このようなその他の可逆性記録層としては、以下に述べる磁気記録層が挙げられる。なお非可逆記録層としては、公知の印刷7を層状に設けたものが挙げられる。
可逆性感熱記録媒体の他の積層例としては、筆記性層(一部の面または全面に形成)1/オーバーレイフィルム14/接着層6/コアフィルム13/接着層6/オーバーレイフィルム14/可逆性感熱記録層2/保護層8、筆記性層(一部の面または全面に形成)1/オーバーレイフィルム14/接着層6/コアフィルム13/ICチップを実装した回路基板層4/コアフィルム13/接着層6/可逆性感熱記録層2/保護層8等の層構成例が挙げられる。
次に、本発明に係る筆記性を有する可逆性感熱記録媒体の製造方法について説明する。本発明に係る筆記性を有する可逆性感熱記録媒体の製造方法は、粗面化加工工程を含んでいる。
本発明に係る筆記性を有する可逆性感熱記録媒体の製造方法は、前記したような各層を、適宜積層等して形成し、これを粗面化加工工程によって、筆記性を有する可逆性感熱記録媒体を製造することができる。
1−1 サインパネル(筆記性層1)印刷
裏面側オーバーレイフィルムとして、 厚さ125μmの白色PETフィルム(東レ株製、商品名:ルミラー#125E・28G)の表面に、白色多孔質スクリーンインキ(東洋インキ製造(株)製、商品名SS7GK サイン611白)を、スクリーン印刷により印刷し、80℃で15分間乾燥させ、幅10mm×長さ38mm、厚さ約7μmのサインパネル部を形成した。なお本実施例では、所望の面付けに多面付け、例えば6行3列=18面付けで印刷することもできる。この場合、裏基体の寸法を、例えば長さ430mm×幅350mmとすれば、18面付けすることができる。
前記1−1でサインパネル部を形成したフィルムにおいて、前記サインパネル部と同一面のサインパネルと重ならない領域に、UV硬化型オフセットインキ((株)T&K TOKA製べストキュアーUV161 墨S)を用いて文字等を印刷し、さらにこの印刷を保護するためにUV硬化型オフセットOPインキ(ザ・インクテック(株)製UVカルトンプリカOPニス)を用いて印刷した。この時もサインパネル部を避けて印刷した。
・顕減色剤:N−(p−ヒドロキシフェニル)−N'−n−オクタデシル尿素 15重量部
・バインダー樹脂:熱可塑性樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体に、アクリル酸をエステル重合させた樹脂、固形分30%) 66重量部
・光重合開始剤:(チバスペシャリティ・ケミカル(株):商品名ダロキュア184) 2重量部
・溶剤(MEK(メチルエチルケトン):トルエン=1:1(重量比) 114重量部
・紫外線硬化型塗料(大日本インキ化学工業(株)製 商品名「ユニディックC3‐374」 20重量部
・シリカ(水澤科学工業(株)製、商品名「ミズカシルP‐603」) 1重量部
・溶剤(MEK:トルエン=1:1(重量比) 20重量部
図3に示すように、 前記したおもて面側オーバーレイフィルムと裏面側オーバーレイフィルムの間に厚さ200μmのPETGフィルム(三菱樹脂(株)製ディアフィクスPG−W)2枚からなるコアフィルムと、厚さ100μmのホットメルト接着剤フィルム(東亜合成(株)製 シート状ホットメルト接着剤アロンメルトPES−111)を挟み込み、さらに、サインパネル部の筆記適性を損なわないように、一方の表面が粗面化されたPETシート(三菱ポリエステルフィルム(株)製 T−100、厚さ188μm、粗面化された面のRa値が約0.6μm)を粗面化処理面が筆記性層1と相対するように筆記性層1上に配置して、鏡面板とクッション紙(厚さ約1mm×3枚)を重ね合せ、 熱プレスの熱盤32の間にセットして周辺の雰囲気を減圧し、13kg/cm2に加圧して125℃で15分間加熱後冷却して貼り合せ、さらにJIS X6301に規定されたID‐1タイプのサイズに打ち抜き加工して、カード状の本実施例の可逆性感熱記録媒体を製造し、製造した可逆性感熱記録媒体を用いて評価を行った。結果を表1に示す。
フィルム上にアンテナ回路等を形成し、ICチップを装着したICモジュール(ICチップ回路基板層)を、ICチップに対応する位置に貫通孔を形成したコアフィルムともう一つのコアフィルムの間に介在させた以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を製造し、これを用いて評価を行った。結果を表1に示す。
粗面化処理されたフィルムを介在させずに表面が粗面化されていない鏡面板を用いて熱プレスした以外は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を製造し、これを用いて評価を行った。結果を表1に示す。
裏面側オーバーレイフィルムにサインパネル部を形成しないものを使用し、粗面化処理されたフィルムを介在させずに表面が粗面化されていない鏡面板を用いて熱プレスし、熱プレス後、可逆性感熱記録層とは反対面に実施例1で用いたサインパネル形成用インキにより厚さ12μmのサインパネルを形成した以外は実施例1と同様にして、可逆性感熱記録媒体を製造し、これを用いて評価を行った。結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1および実施例2、並びに比較例2の可逆性感熱記録媒体は、良好な筆記適性を有していたのに対し、比較例1の可逆性感熱記録媒体はボールペンに対する筆記適性を有していなかった。
また各実施例および各比較例に示す可逆性感熱記録媒体の可逆性感熱記録層に、サーマルヘッドを用いて印字を行ったところ、実施例1および実施例2並びに比較例1の可逆性感熱記録媒体は、印字かすれが発生しなかったのに対し、比較例2の可逆性感熱記録媒体は、サインパネルの端部に対応する可逆性感熱記録層の位置に印字かすれを生じていた。
2 可逆性感熱記録層
3 基材
4 ICチップ回路基板層
5 ICチップ
6 接着層
7 印刷
8 保護層
10 最外層
13 コアフィルム
14 オーバーレイフィルム
15 粗面化した板材
21 鏡面板
31 緩衝材(クッション)
32 熱盤
Claims (8)
- 基材上に、可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体であって、
前記可逆性感熱記録層を有する基材の反対面の最外層の一部に、多孔質性の材料を含んで構成される筆記性層を有し、前記可逆性感熱記録媒体を構成する各層が積層される積層方向において、前記筆記性層の端部と、前記可逆性感熱記録層と、が重なっており、
前記筆記性層を有する最外層には、粗面化が施されてなることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。 - 前記可逆性感熱記録媒体には、ICチップが実装されてなることを特徴とする請求項1記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記可逆性感熱記録媒体を構成する各層に熱プレスを行うと同時に、前記最外層に、粗面化した板材を介して粗面化処理を行うことで、前記最外層には、粗面化が施されてなることを特徴とする請求項1または2記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記可逆性感熱記録媒体を構成する各層に熱プレスを行うと同時に、前記最外層に、粗面化していない鏡面板で熱プレスを行い、当該熱プレスを行った後に、前記最外層に、粗面化した板材を介して粗面化処理を行うことで、前記最外層には、粗面化が施されてなることを特徴とする請求項1または2記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記最外層の表面粗さ;Ra値は、JIS B0601に基づいて求められる範囲で、0.3μm〜10μmの範囲であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の可逆性感熱記録媒体。
- 前記板材は、前記最外層の軟化点よりも高い樹脂からなるフィルムであることを特徴とする請求項3または4記載の可逆性感熱記録媒体。
- 基材上に、可逆性感熱記録層を有し、当該可逆性感熱記録層を有する基材の反対面の最外層の少なくとも一部に、筆記性層を有する可逆性感熱記録媒体の製造方法であって、
多孔質性インキを印刷して筆記性層を形成し、前記可逆性感熱記録媒体を構成する各層に熱プレスを行い、前記筆記性層を有する最外層に、粗面化処理を行い、前記粗面化処理は、粗面化した板材を介して熱プレスと同時に行うことを特徴とする可逆性感熱記録媒体の製造方法。 - 基材上に、可逆性感熱記録層を有し、当該可逆性感熱記録層を有する基材の反対面の最外層の少なくとも一部に、筆記性層を有する可逆性感熱記録媒体の製造方法であって、
多孔質性インキを印刷して筆記性層を形成し、前記可逆性感熱記録媒体を構成する各層に熱プレスを行い、前記筆記性層を有する最外層に、粗面化処理を行い、前記粗面化処理は、粗面化していない鏡面板で熱プレスを行った後に、粗面化した板材を介して行うことを特徴とする可逆性感熱記録媒体の製造方法。
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