JP2008143048A - タイヤ加硫成形型 - Google Patents
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Abstract
【課題】骨部の貫通孔内にスピューが残置されることを防いで、異物混入によるタイヤの成形不良を防止することができるタイヤ加硫成形型を提供すること。
【解決手段】タイヤのトレッド部に当接する環状型部1が、タイヤ周方向に分割されたセクター5の組み合わせからなるタイヤ加硫成形型において、セクター5の内周面5aに突設された溝部形成用の骨部7と、その骨部7により区分される陸部形成用の凹部6cと、骨部7を貫通して凹部6c同士を連通させる円柱状の貫通孔8とを備え、骨部7の側壁面71、72と貫通孔8とが骨部7の先端側でなす角度θ1、θ2を、貫通孔8の一端では鋭角に他端では鈍角にした。
【選択図】図4
【解決手段】タイヤのトレッド部に当接する環状型部1が、タイヤ周方向に分割されたセクター5の組み合わせからなるタイヤ加硫成形型において、セクター5の内周面5aに突設された溝部形成用の骨部7と、その骨部7により区分される陸部形成用の凹部6cと、骨部7を貫通して凹部6c同士を連通させる円柱状の貫通孔8とを備え、骨部7の側壁面71、72と貫通孔8とが骨部7の先端側でなす角度θ1、θ2を、貫通孔8の一端では鋭角に他端では鈍角にした。
【選択図】図4
Description
本発明は、タイヤを加硫成形するための成形型に関し、詳しくは、タイヤのトレッド部に当接する環状型部がタイヤ周方向に分割されたセクターの組み合わせからなるタイヤ加硫成形型に関する。
タイヤを加硫成形するためのタイヤ加硫成形型は、複数の型部を組み合わせて構成されており、その分割形態に基づいて2ピースタイプとセグメンテッドタイプとに大別される。図9に例示した2ピースタイプの成形型は、断面略L字型をなす下型部31と上型部32とを備え、タイヤT1のトレッド面Tr1に当接する部分がタイヤ幅方向に分割されている。タイヤT1は、その内周側に配されたブラダー(不図示)を膨張させることにより、成形型の内周面に密着する。
一方、図10に例示したセグメンテッドタイプの成形型は、タイヤT2のサイドウォール部SWに当接する下型部41及び上型部42と、トレッド面Tr2に当接してトレッドパターンを形成する環状型部44とを備える。環状型部44は、タイヤ周方向に分割された複数のセクター43の組み合わせからなり、各セクター43の内周面には、溝部形成用の骨部と、その骨部により区分される陸部形成用の凹部とが設けられている。
ところで、トレッドパターンの形成においては、タイヤのトレッド面と成形型との間のエアを適切に排出することが重要であり、エアが残留すると、ベアと呼ばれる凹み傷が発生する傾向にある。そこで、従来は、凹部の底面にエアを排出するためのベントホールを設けているが、多数のブロックを有するトレッドパターンにおいては、多数ある凹部の各々にベントホールを設けなければならず、それによりタイヤ表面にスピューと呼ばれる突起が多数形成されてしまう。その結果、タイヤ外観が悪化する、或いはスピューを除去する工程が余分に必要になるといった問題が生じていた。
この問題に対しては、骨部に貫通孔を設けて凹部同士を連通させ、それにより凹部間でのエアの移動を可能にし、エアが閉じ込められて残留することを防ぐようにした成形型が提案されている(例えば、下記特許文献1〜3参照)。即ち、図11に示すように、トレッド面Tr2に骨部45が押し当てられると、未加硫ゴムRによりエアが凹部46の底面側に押し上げられるが、骨部45に貫通孔47を設けておくことでエアが矢印48で示すように移動できるため、凹部46内に閉じ込められることなく適切に排出されるのである。
その後、未加硫ゴムRが凹部46内に充満することで、トレッド面Tr2に所定のトレッドパターンが形成される。このとき、図12に示すように、貫通孔47に未加硫ゴムRが流れ込むことにより、溝壁同士を連結するブリッジ状のスピュー49が成形される。スピュー49は、加硫処理後、タイヤの脱型に際してトレッド面Tr2から引き離される骨部45によって切断される。
スピュー49は、その1箇所で切断された場合には溝部内に残置された状態となるが、2箇所で切断された場合には、トレッド面から引き離されて貫通孔47内に残置された状態となる。そのため、貫通孔47内に残置されたスピュー49が、成形型の振動などにより脱落してセクターの内周面に紛れ込むと、次に加硫成形するタイヤに異物として混入されてしまい、成形不良の原因になるという問題がある。
特開平10−44155号公報
特開平10−71617号公報
特開2004−181664号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、骨部の貫通孔内にスピューが残置されることを防いで、異物混入によるタイヤの成形不良を防止することができるタイヤ加硫成形型を提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。即ち、本発明に係るタイヤ加硫成形型は、タイヤのトレッド部に当接する環状型部が、タイヤ周方向に分割されたセクターの組み合わせからなるタイヤ加硫成形型において、前記セクターの内周面に突設された溝部形成用の骨部と、その骨部により区分される陸部形成用の凹部と、前記骨部を貫通して前記凹部同士を連通させる円柱状の貫通孔とを備え、前記骨部の側壁面と前記貫通孔とが前記骨部の先端側でなす角度が、前記貫通孔の一端では鋭角であるとともに他端では鈍角であることを特徴とするものである。
本発明に係るタイヤ加硫成形型では、骨部に凹部同士を連通させる貫通孔が設けられていることから、トレッドパターン形成時には、エアが貫通孔を介して凹部間を移動でき、残留することなく適切に排出される。トレッド面の未加硫ゴムは、凹部内に充満する過程で貫通孔にも流れ込み、円柱状のスピューとして成形される。本発明では、骨部の側壁面と貫通孔とが骨部の先端側でなす角度が、貫通孔の一端では鋭角であるとともに他端では鈍角であることから、タイヤ脱型時にトレッド面から骨部が引き離される際、上記角度が鋭角となる端でスピューが容易に切断され、逆に鈍角となる端では切断され難くなる。その結果、スピューを容易且つ確実に1箇所で切断して溝部内に残置させることができ、異物混入によるタイヤの成形不良を防止することができる。
上記において、前記貫通孔の、前記骨部の側壁面と前記貫通孔とが前記骨部の先端側でなす角度が鈍角である端に、座繰状の大径部が設けられているものが好ましい。これにより、上記角度が鈍角となる端でスピューが一層切断され難くなることから、上述した本発明の作用効果を効果的に奏することができる。また、溝部の溝壁角度が比較的大きい場合、骨部の側壁面と貫通孔とがなす角度を鈍角にするのが困難であるが、貫通孔の端に座繰状の大径部を設けることで上記角度を容易に鈍角に設定できる。
また、本発明に係る別のタイヤ加硫成形型は、タイヤのトレッド部に当接する環状型部が、タイヤ周方向に分割されたセクターの組み合わせからなるタイヤ加硫成形型において、前記セクターの内周面に突設された溝部形成用の骨部と、その骨部により区分される陸部形成用の凹部と、前記骨部を貫通して前記凹部同士を連通させる貫通孔とを備え、前記貫通孔が、一対の円錐台状部からなり、両端から中央側に向かって内径を小さくしながら延びるものである。
上記構成によれば、骨部に設けられた貫通孔が、一対の円錐台状部からなり、両端から中央側に向かって内径を小さくしながら延びることにより、貫通孔内に成形されたスピューは、直径が大きい両端では切断され難く、直径が小さい中央部で切断され易いものとなる。その結果、トレッド面から骨部が引き離される際に、スピューを容易且つ確実に中央部の1箇所で切断して溝部内に残置させることができ、異物混入によるタイヤの成形不良を防止することができる。
また、本発明に係る別のタイヤ加硫成形型は、タイヤのトレッド部に当接する環状型部が、タイヤ周方向に分割されたセクターの組み合わせからなるタイヤ加硫成形型において、前記セクターの内周面に突設された溝部形成用の骨部と、その骨部により区分される陸部形成用の凹部と、前記骨部を貫通して前記凹部同士を連通させる貫通孔とを備え、前記貫通孔が、その両端に座繰状に設けられた大径部と、それら大径部の間に設けられた円柱状部とを有するものである。
上記構成によれば、骨部に設けられた貫通孔が、その両端に座繰状に設けられた大径部と、それら大径部の間に設けられた円柱状部とを有することにより、貫通孔内に成形されたスピューは、直径が大きい両端では切断され難く、直径が小さい中央部で切断され易いものとなる。その結果、トレッド面から骨部が引き離される際に、スピューを容易且つ確実に中央部の1箇所で切断して溝部内に残置させることができ、異物混入によるタイヤの成形不良を防止することができる。
上記において、前記凹部の底面から前記貫通孔の両端までの距離d1、d2が、0.5mm<d1、d2<1.5mmの関係を満たすものが好ましい。これにより、貫通孔の本来の機能を確保しながら、上述した本発明の作用効果が好適に発現される。即ち、この距離d1、d2が0.5mm以下であると、トレッド面から骨部を引き離す際に、タイヤ表面のゴムが骨部に引っ張られて千切れ易くなる。一方、この距離d1、d2が1.5mm以上であると、貫通孔が未加硫ゴムによって比較的早期に閉塞してしまい、エアの残留を防止する効果が小さくなる傾向にある。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係るタイヤ加硫成形型の一例を示す縦断面図であり、型締め状態を示している。図中において、グリーンタイヤ(不図示)はタイヤ軸方向が上下になるようにセットされる。即ち、図1の上下方向がタイヤ幅方向となり、同じく右方向がタイヤ径方向内側、左方向がタイヤ径方向外側となる。
図1は、本発明に係るタイヤ加硫成形型の一例を示す縦断面図であり、型締め状態を示している。図中において、グリーンタイヤ(不図示)はタイヤ軸方向が上下になるようにセットされる。即ち、図1の上下方向がタイヤ幅方向となり、同じく右方向がタイヤ径方向内側、左方向がタイヤ径方向外側となる。
このタイヤ加硫成形型は、タイヤのトレッド部が当接する環状型部1と、下方のサイドウォール部が当接する下型部2と、上方のサイドウォール部が当接する上型部3とを備える。下型部2及び上型部3のタイヤ径方向内側にはビードリング4が設けられており、タイヤのビードコアを嵌合可能に構成されている。
環状型部1は、図2に示すように、タイヤ周方向に分割されたセクター5の組み合わせからなる。本実施形態では環状型部1が7分割され、各セクター5の周長が略同等である例を示すが、本発明では環状型部1の分割数は特に限られるものではなく、各セクター5の周長は互いに異なっていても構わない。
図1に示すように、環状型部1はコンテナー21の側面に、下型部2はプレート状のコンテナー22の上面に、上型部3はプレート状のコンテナー23の下面にそれぞれ取り付けられている。コンテナー21は、分割されたセクター5ごとに設けられており、昇降可能に構成されたコンテナー23の下面に、タイヤ径方向に沿って摺動可能に取り付けられている。
コンテナー21のタイヤ径方向外側の斜面には摺動レール25が設けられており、コンテナー24がその傾斜方向に沿って摺動可能に嵌合されている。コンテナー24は、ガイドプレート26に取り付けられており、ガイドプレート26は昇降自在のアーム27に支持されている。コンテナー24は、コンテナー23に対して相対的に昇降可能に構成されている。
したがって、図1に示す状態からコンテナー24を上昇することで、コンテナー21をタイヤ径方向外側に移動させ、各セクター5を下型部2及び上型部3から離間することができ、更にコンテナー23を上昇することで、セクター5及び上型部3を下型部2から離間して、型開き状態に移行することができる。型開き状態から型締め状態への移行は、上記動作を逆に行えばよく、型締め状態では各セクター5の端面同士が圧接されて円環状に連ねられる。
図3は、セクター5の内周面5aの下半分を示す正面図である。不図示の上半分は、例えばタイヤ赤道線に対応するセンターラインCに対して対称的に形成することができる。セクター5の内周面5aには、トレッド面に形成するトレッドパターンに対応して、溝部成形用の骨部7が突設されるとともに、その骨部7により区分された陸部成形用の凹部が設けられている。
本実施形態では、セクター5が複数のピースからなる、いわゆるピースモールドの例を示している。問題となるエアの大半は、セクター5同士の合わせ面の隙間だけでなく、ピース同士の合わせ面の隙間5bからも排出されるが、隙間5bが未加硫ゴムにより目詰まりした場合や隙間5bから離れた位置ではエアの残留が懸念されるため、後述する構成が有用になる。なお、本発明はピースモールドに限られるものではなく、各セクター5が一体的に構成されていてもよい。
この内周面5aには、センターラインC近傍にリブを成形するための凹部6aが設けられており、そのタイヤ幅方向外側(図3の下側)に、ブロック列を成形するための凹部6b、6cが設けられている。骨部7の凹部6b、6cをタイヤ周方向に区分する部分には、凹部6b、6c同士を連通させる貫通孔8が設けられている。
図4は、図3におけるA−A矢視断面図である。未加硫タイヤのトレッド面に骨部7が押し当てられると、その側壁面71、72によって溝壁が成形され、先端面73によって溝底が成形される。貫通孔8は、骨部7の根元側部分で内径を一定にした円柱状に延びており、骨部7の幅方向に対して図4で右下がりとなるように傾斜している。
骨部7の側壁面71、72と貫通孔8とが骨部7の先端側でなす角度θ1、θ2は、貫通孔8の図4左端では鋭角(θ1<90度)であるとともに、貫通孔8の図4右端では鈍角(θ2>90度)である。このことから、貫通孔8の両端の骨部7の先端側には、骨部7の根元側に向かって尖る鋭角部分と、それに比べて尖っていない鈍角部分とが設けられている。
トレッドパターン形成時においては、未加硫タイヤのトレッド面に骨部7が押し当てられると、エアが貫通孔8を介して凹部6c間を移動できるため、残留することなく適切に排出される。そのとき、トレッド面の未加硫ゴムは、凹部6c内に充満する過程で貫通孔8にも流れ込み、スピューとして成形される。このスピューは、加硫処理後、タイヤの脱型に際してトレッド面から引き離される骨部7によって切断される。
図5は、タイヤ脱型後のトレッド面における溝部の断面図である。貫通孔8内で成形されたスピューSは、タイヤ脱型時にトレッド面Trから骨部7が引き離される際に、骨部7の鋭角部分にて容易に切断され、逆に鈍角部分では切断され難い。そのため、図5に示すように、スピューSを容易且つ確実に1箇所で切断して溝部9内に残置させることができ、異物混入によるタイヤの成形不良を防止することができる。
鋭角部分の角度θ1は、スピューを適切に切断する観点から、85度以下であることが好ましく、75度以下であることがより好ましい。また、角度θ1は、鈍角部分の配置や貫通孔8を穿設するときの作業性の観点から、65度以上であることが好ましい。なお、鈍角部分の角度θ2は、鈍角であれば特に限定されないが、スピューの切断し難さを確保する観点から、95度以上であることが好ましい。
貫通孔8の内径は、残留を防止する程度にエアを凹部間で移動させうるものであれば特に限られるものではないが、φ0.5〜1.0mmであるものが例示される。また、凹部6cの底面から貫通孔8の両端までの距離d1、d2は、0.5mm<d1、d2<1.5mmの関係を満たすものが好ましく、これにより上述した本発明の作用効果が好適に発現される。
本発明では、タイヤ加硫成形型の形状や材質、開閉機構などは特に限定されず、これにより形成されるトレッドパターンは、上述した実施形態に何ら限定されるものではない。したがって、例えば、貫通孔がタイヤ幅方向に延びるものであっても構わない。
[第2実施形態]
第2実施形態は、骨部が以下の通りの構成である他は、第1実施形態と略同様の構成であるので、共通点を省略して主に相違点について説明する。なお、既出の部材や部位と同等のものについては、同一の符号を用いて説明する。
第2実施形態は、骨部が以下の通りの構成である他は、第1実施形態と略同様の構成であるので、共通点を省略して主に相違点について説明する。なお、既出の部材や部位と同等のものについては、同一の符号を用いて説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係るタイヤ加硫成形型が備える骨部の断面図である。前述した第1実施形態の骨部7は、その側壁面71、72がトレッド面の法線方向に略平行に延びる例を示したが、本実施形態の骨部10は、図6に示すように、その側壁面12がトレッド面の法線方向に対して大きく傾斜して延びている。
骨部10に設けられた貫通孔13は、骨部10の幅方向に対して図6で右下がりとなるように傾斜しており、骨部10の側壁面11、12と貫通孔13とが骨部10の先端側でなす角度θ3、θ4は、それぞれ鋭角(θ3<90度)、鈍角(θ4>90度)である。また、貫通孔13は、円柱状に延びつつ、その鈍角部分となる端に座繰状の大径部13aが設けられている。
本実施形態では、側壁面12が傾斜していて溝壁角度が大きいために、鈍角部分を設けることが困難であり、単なる円柱状の貫通孔では角度θ4も鋭角になってしまうところ、貫通孔13に大径部13aを設けることで鈍角に設定できており、これにより上述したようにスピューを容易且つ確実に鋭角部分で切断して、溝部内に残置させることができる。また、鈍角部分に大径部13aを設けることにより、その端ではスピューが一層切断され難くなるため、上述した本発明の作用効果が効果的に奏される。
更に本実施形態では、溝幅が大きいために、上述した距離d1、d2が上記関係を満たすように設けることが難しくなる傾向にあるところ、大径部13aを設けることで距離d1、d2を上記の好ましい範囲内に収めることができる。これに対して、貫通孔を1本の円錐台状に設けることも考えられるが、かかる場合には、エアの移動を確保させながら、上述した距離d1、d2が上記関係を満たすように設けることが難しく、また貫通孔の穿設時及び清掃時の作業性が大幅に悪化するという問題も生じる。
なお、このような骨部10においては、単なる円柱状の貫通孔であっても、図6の左下がりに設けることで、角度θ3を鈍角に角度θ4を鋭角にすることができる。しかしながら、貫通孔を穿設するための工具を骨部10の根元側から接近させることができないことから、かかる場合には工具を図6左側から接近させる必要があるところ、その工具が骨部10の他の部分に干渉するなどして、図6左側からの接近が無理である場合には貫通孔を設けることができない。これに対して、上述した本実施形態では、そのように工具を接近させる方向が定められる場合においても、鋭角部分と鈍角部分とを適切に設けることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態は、貫通孔が以下の通りの構成である他は、第1実施形態と略同様の構成であるので、共通点を省略して主に相違点について説明する。なお、既出の部材や部位と同等のものについては、同一の符号を用いて説明する。
第3実施形態は、貫通孔が以下の通りの構成である他は、第1実施形態と略同様の構成であるので、共通点を省略して主に相違点について説明する。なお、既出の部材や部位と同等のものについては、同一の符号を用いて説明する。
図7は、本発明の第3実施形態に係るタイヤ加硫成形型が備える骨部の断面図である。貫通孔14は、一対の円錐台状部14aからなり、その円錐台状部14aの先端同士を突き合わせるようにして、両端から中央側に向かって内径を小さくしながら延びている。貫通孔14の内径は、中央部14bで最小であり、骨部7の側壁面71、72と貫通孔14とが骨部7の先端側でなす角度θ5、θ6は、いずれも鈍角である。
このことから、貫通孔14内には、両端で直径が最大となり中央部で直径が最小となるスピューが成形される。そして、トレッド面から骨部7が引き離される際には、スピューが上記形状であることと、貫通孔14の両端に鈍角部分が設けられていることにより、スピューを容易且つ確実に中央部の1箇所で切断して溝部内に残置させることができる。その結果、スピューが貫通孔14内に残置されることを防いで、異物混入によるタイヤの成形不良を防止することができる。しかも、スピューを両端でなく中央部で切断することにより、両側の溝壁に短小のスピューが形成されるためタイヤ外観が良好となる。
[第4実施形態]
第4実施形態は、貫通孔が以下の通りの構成である他は、第1実施形態と略同様の構成であるので、共通点を省略して主に相違点について説明する。なお、既出の部材や部位と同等のものについては、同一の符号を用いて説明する。
第4実施形態は、貫通孔が以下の通りの構成である他は、第1実施形態と略同様の構成であるので、共通点を省略して主に相違点について説明する。なお、既出の部材や部位と同等のものについては、同一の符号を用いて説明する。
図8は、本発明の第4実施形態に係るタイヤ加硫成形型が備える骨部の断面図である。貫通孔15は、その両端に座繰状に設けられた大径部15aと、それら大径部15aの間に設けられた円柱状部15bとを有する。貫通孔15の内径は、円柱状部15bで最小であり、骨部7の側壁面71、72と貫通孔15とが骨部7の先端側でなす角度θ7、θ8は、いずれも鈍角である。
このことから、貫通孔15内には、両端で直径が最大となり中央部で直径が最小となるスピューが成形される。そして、トレッド面から骨部7が引き離される際には、スピューが上記形状であることと、貫通孔15の両端に鈍角部分が設けられていることにより、スピューを容易且つ確実に中央部の1箇所で切断して溝部内に残置させることができる。その結果、スピューが貫通孔15内に残置されることを防いで、異物混入によるタイヤの成形不良を防止することができる。しかも、スピューを両端でなく中央部で切断することにより、両側の溝壁に短小のスピューが形成されるためタイヤ外観が良好となる。
タイヤサイズ215/60R16の空気入りタイヤを加硫成形するための成形型であって、第1実施形態で示したようなセグメンテッドタイプの成形型を準備し、そのセクターの内周面に設けた骨部に図4で示したような貫通孔を設け、それにより成形したタイヤに対してスピューの残置状態等を調査した。なお、貫通孔の内径を0.8mmとし、上記の角度θ1、θ2及び距離d1、d2を、それぞれ表1に示す値とした。
表1に示すように、各実施例では、成形したスピューを溝部内に残置させることができていることが分かる。これに対して、比較例1では、スピューが貫通孔内に残置してしまい、異物混入による成形不良の原因になりうる。なお、実施例2、4では、成形したタイヤに若干のベアが生じる傾向にあったため、貫通孔の設定位置としては実施例1、3が好ましいと評価できる。
1 環状型部
5 セクター
5a セクターの内周面
6c 凹部
7 骨部
8 貫通孔
9 溝部
10 骨部
13 貫通孔
13a 大径部
14 貫通孔
14a 円錐台状部
15 貫通孔
15a 大径部
15b 円柱状部
71 骨部の側壁面
72 骨部の側壁面
S スピュー
5 セクター
5a セクターの内周面
6c 凹部
7 骨部
8 貫通孔
9 溝部
10 骨部
13 貫通孔
13a 大径部
14 貫通孔
14a 円錐台状部
15 貫通孔
15a 大径部
15b 円柱状部
71 骨部の側壁面
72 骨部の側壁面
S スピュー
Claims (5)
- タイヤのトレッド部に当接する環状型部が、タイヤ周方向に分割されたセクターの組み合わせからなるタイヤ加硫成形型において、
前記セクターの内周面に突設された溝部形成用の骨部と、その骨部により区分される陸部形成用の凹部と、前記骨部を貫通して前記凹部同士を連通させる円柱状の貫通孔とを備え、
前記骨部の側壁面と前記貫通孔とが前記骨部の先端側でなす角度が、前記貫通孔の一端では鋭角であるとともに他端では鈍角であることを特徴とするタイヤ加硫成形型。 - 前記貫通孔の、前記骨部の側壁面と前記貫通孔とが前記骨部の先端側でなす角度が鈍角である端に、座繰状の大径部が設けられている請求項1記載のタイヤ加硫成形型。
- タイヤのトレッド部に当接する環状型部が、タイヤ周方向に分割されたセクターの組み合わせからなるタイヤ加硫成形型において、
前記セクターの内周面に突設された溝部形成用の骨部と、その骨部により区分される陸部形成用の凹部と、前記骨部を貫通して前記凹部同士を連通させる貫通孔とを備え、
前記貫通孔が、一対の円錐台状部からなり、両端から中央側に向かって内径を小さくしながら延びることを特徴とするタイヤ加硫成形型。 - タイヤのトレッド部に当接する環状型部が、タイヤ周方向に分割されたセクターの組み合わせからなるタイヤ加硫成形型において、
前記セクターの内周面に突設された溝部形成用の骨部と、その骨部により区分される陸部形成用の凹部と、前記骨部を貫通して前記凹部同士を連通させる貫通孔とを備え、
前記貫通孔が、その両端に座繰状に設けられた大径部と、それら大径部の間に設けられた円柱状部とを有することを特徴とするタイヤ加硫成形型。 - 前記凹部の底面から前記貫通孔の両端までの距離d1、d2が、0.5mm<d1、d2<1.5mmの関係を満たす請求項1〜4いずれか1項に記載のタイヤ加硫成形型。
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Cited By (4)
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