JP2008142577A - デンプン発酵物存在下で廃液を処理する方法及び該処理方法に用いる薬剤 - Google Patents

デンプン発酵物存在下で廃液を処理する方法及び該処理方法に用いる薬剤 Download PDF

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Abstract

【課題】種々の汚濁成分を含む廃液を蒸留して濃縮乾固させて処理する際に、蒸留残渣を蒸留容器表面に固着させることなく、常に蒸留容器から蒸留残渣を容易に取り出せるようにするための方法及びその方法に使用する薬剤を提供する。
【解決手段】種々の汚濁成分を含む廃液を処理する方法において、該廃液中にゲル状物質を生成する、デンプンを微生物により発酵させた発酵物を添加し、廃液を濃縮乾固させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、濃厚な廃液を処理するための方法及び該処理方法に用いる薬剤に関するものである。
比較的低濃度の汚濁物質を含む廃水(排水)については、個々の汚濁物質に対応する多くの処理技術が開発され、すでに効果的な処理がなされている場合が多い。これに対し、高濃度の汚濁物質を含む廃液については、通常の廃水処理がほとんど適用できないため、産業廃棄物として処分されている場合がほとんどである。有機物を主体とする可燃性の廃液は、濃縮して燃焼処理することもできるが、ダイオキシン等の二次汚染物質の生成も危惧されている。そのため、その対策も含め、燃焼装置導入時における初期費用が嵩むため、燃焼処理は特別な場合を除き一般的な処理としては機能していないのが現状である。さらに、有害な重金属を含む廃液など、燃焼処理出来ないものは、特にその処分が問題となっている。これらの廃液は、濃縮して固化した後、廃棄物処分場で処分されているが、近年処分場の残余年数の減少にともないその処理費用が高騰しており、濃縮汚泥の含水率をできるだけ下げ、廃棄物の減量化を図る必要がある。また、濃縮の際に悪臭を発したり、有害なガスが発生したりする廃液もあり、これらの廃液を処理するには、脱臭装置や有害ガス回収装置等が別途必要になり、単純な装置で濃縮できないため、処理費用が嵩むことになる。これらの廃液には銅などの有価金属を多く含むものがあり、資源の有効利用の見地からも再利用が求められるが、この場合においても濃縮残渣の含水率を下げ乾燥度を高めることにより、資源としての価値を高めることができる。このため低コストで環境負荷の少ない高濃度廃液の濃縮乾固法が求められている。
一方、有機物を主体とする廃液にはパルプの蒸解廃液のように燃焼処理されているものもあるが、食品工場などの有害物質を含まない廃液では、環境保全の観点から、飼料として再利用するなどして廃棄物の減量化が図られている。この場合、最終的に濃縮乾固する操作が不可欠であり、ここでも低コストで環境負荷の少ない濃縮乾固法の確立が求められている。
濃厚廃液は排出量やその成分について違いがあるが、あらゆる業種から排出されていると言っても過言ではなく、産業廃棄物処分場の逼迫と相俟って、深刻な問題となりつつある。なかでも処分が問題になっているものとして、各種のめっき工場、プリント基板工場から排出される、無電解銅メッキ液や、無電解ニッケルメッキ液、レジスト剥離廃液、エッチング廃液などが挙げられる。これらの廃液には銅やニッケル等の価値の高い金属を含んでいるが、廃液の大部分は産業廃棄物として処分されているのが現状である。
有害物質を含まない有機性の廃液には、各種の食品工場から排出される廃液や、ビールや焼酎、日本酒などの製造過程で排出される廃液やろ液、さらには排水処理で発生する汚泥など種々のものがある。
一方、通常の廃水処理が可能な比較的低濃度の汚濁物質を含む廃液でも、例えばプリント基板工場等から排出されるEDTA廃液のように、通常の廃水処理がほとんど困難なものがあり、これらが一般の廃水処理系統に流入すると、廃水処理システムそのものに支障をきたすため、低濃度の廃液にも拘わらず100倍から1000倍にも希釈してから処理するなどの手段が講じられている。このような廃液に対し、化学酸化を施すなど、既存の廃水処理を発展させた種々の方法が検討されているが、実際には希釈して処理しているのが現状である。この様な難処理性の低濃度排水は、一般には排出量がさほど多くないため、蒸発乾固して処理する方法が有効である場合が多い。
濃厚廃液は汚濁成分の濃度が高いため通常の廃水処理に供するよりは、濃縮処理する方が合理的だと考えられる。また、比較的低濃度の廃水でも他に有効な処理方法がない廃水では、濃縮固化して廃棄処分する方法が有効である。このため、濃縮する方法や装置に関する特許もすでに公開されている。例えば、特許文献1に真空蒸留方式の廃液処理装置の発明が公開されている。
また、濃縮乾燥操作は、一般的な処理技術として普及しており、実際に工場で稼働している装置もある。その様な装置には、例えば、ドラムドライヤーなどがあり、廃液の濃縮乾燥処理も試みられている。
特開2001−162265号公報
蒸留して濃縮を行う際は、出来るだけ含水率が低められることが好ましいが、含水率を低めすぎたり、高温で処理したりすることにより、蒸留残渣が蒸留容器の表面に強く固着し、残渣の取り出しが困難になることが多い。また、蒸留残渣中に高沸点物質を含むなどし、極端に粘性の高い残渣が生成して、後の操作を困難にすることが多い。特許文献1においても、含水率が5%以下になると粘性が増し、自然落下しなくなることが指摘されている。実際の蒸留操作においては、含水率が出来るだけ低い蒸留残渣を、蒸留容器表面に固着させることなく容易に取り出せる状態で得られることが望ましいが、そのように蒸留をコントロールし終了させることは非常に困難である。
また、ドラムドライヤーやCDドライヤーなどの乾燥装置による、廃液の処理が試みられているが、多くの場合、乾燥物がドラムやCD等の乾燥面に固着し、容易に剥離できないため、乾燥自体ができなくなるなど問題も多く、実用化されている例はほとんどない。
そこで、本発明では、廃液を蒸留して濃縮乾固させて処理する際、特に蒸留終了時を気に掛けることなく、常に蒸留容器から蒸留残渣を容易に取り出せるようにするための方法とそのための薬剤を提供することを目的とするものである。
また、ドラムドライヤーやCDドライヤーなどの乾燥装置による廃液の処理の際、乾燥物がドラムなどの乾燥装置に固着し、剥離できないなどの問題を生じさせないための方法と、そのための薬剤を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、種々の汚濁成分を含む廃液を処理する方法において、該廃液中にゲル状物質を生成する、デンプンを微生物により発酵させた発酵物を添加し、廃液を濃縮乾固させることを特徴とする。
また、本発明によれば、該デンプンを微生物により発酵させた発酵物と共に、ケイ酸ナトリウムを添加し、廃液を濃縮乾固させることを特徴とする。
廃液を濃縮乾固させる方法としては、廃液中の水分を飛散させ残渣を乾固させられる方法であればよく、天日乾燥、加熱乾燥等いずれの方法でもよい。また、加熱乾燥を行う場合においても、その加熱法はいかなる方法を採用することもでき、悪臭成分や有害な揮発成分を含むか含まないか、処理能力や、経済性等を適宜判断して最良と思える方法を採用すればよい。
ここで言う廃液とは、高濃度の汚濁成分を含むものを言い、含血液廃液、各種食品工場廃液、ビールや清酒の製造過程から排出される廃液や酵母を含むろ液、焼酎蒸留滓の濃厚廃液、乳化油廃液、無電解めっき液の使用済み廃液、エッチング廃液、レジスト廃液、など特に限定されないが、重金属を含んでいたり、燃焼すると有害物質を発生するなどしたりして、燃焼処理に向いていない廃液に対しては、特に効果が大きい。また、比較的低濃度の廃液や廃水でも一般の水処理の適用が困難なものに対しても、効果的である。なお、ここで言う廃液とは、産業廃棄物として処分されるもののみを言うのではなく、製造工程からでるろ液等の濃厚液で、有効利用法が確立されていて、そのために濃縮・乾固の操作を行うものも含まれる。
また、乾固とは単に廃液を濃縮するのではなく、固体状の残渣が得られるまで廃液中の水分を除去することを言う。
ゲルとは、「ゲルハンドブック」(1997、(株)エヌティーエス)によれば、「あらゆる溶媒に不溶の三次元網目構造をもつ高分子及びその膨潤体」であると記載されている。「三次元網目構造をもつ高分子」は架橋構造を持つため、有限の膨潤性を示す。そして、粘性のある液体から、かなり硬い固体にまで変化する。また、架橋構造の生成は必ずしも化学反応による必要はなく、異なる鎖の特定の単位間の水素結合のような二次結合によっても可能である。このようにゲルは、高分子が架橋して三次元網目構造を持ち、溶媒中で溶媒を吸収して、一定限度の容積に膨潤するが溶解はしない、固体と液体の中間に属する状態をとる物質である。
本発明における「ゲル状物質」は、このようなゲルそのものの性質を持つものであっても良いし、ゲルに似た状態の物質であっても良い。また、架橋構造が十分でなく完全な3次元網目構造を形成していない、半ゲル状の物質であっても良いし、一部がゲルの状態の物質であっても良い。
本発明における「ゲル状物質」の生成は、水素結合のような弱い結合でもかまわないし、イオン結合、さらにはエステル化結合等の化学反応によるものであっても良く、特に限定されず、ゲル状物質を生成するいかなる結合様式であってもよい。
本発明では、比較的安価で容易にゲル状物質を生成する、デンプンを微生物により発酵させた発酵物の使用が望ましい。
溶解物質が濃縮乾固時に容器壁へ固着するおそれがある場合には、水中で多価金属イオンを発生する多価金属化合物や水中で無機多価アニオンを発生する無機多価アニオン発生剤を併用することができる。
多価金属化合物としてはマグネシウム化合物、カルシウム化合物、銅化合物、アルミニウム化合物、鉄化合物のいずれか、もしくはこれらの2種以上からなる混合物から適宜選択して用いるとよい。
無機多価アニオン発生剤としては、炭酸イオンを発生する炭酸化合物、硫酸イオンを発生する硫酸化合物、リン酸イオンを発生する燐酸化合物が挙げられる。
本発明では、廃液を濃縮乾固させる時に使用する薬剤が提供される。この薬剤としては、ゲル状物質を生成する、デンプンを微生物により発酵させた発酵物である。
本発明で、廃液を濃縮乾固させる時に使用する薬剤は、液体でも固体でもよい。固体を使用すれば、廃液の容積の増加が少なくてすむ。
工場から出る廃水と異なり、汚濁成分を高濃度に含む廃液は、通常の廃水処理では処理できず、濃縮して廃棄物処分場で処分されていたが、処分費用の高騰と処分場不足が大きな問題であった。このため、濃縮物の容積をできるだけ低めるため、含水率を低くする、すなわち乾固させることが望ましいが、乾固することによって乾燥装置に残渣が強固に固着して、容易に取り出せない問題があった。
本発明の方法によれば、廃液を濃縮乾固して処理する場合において、濃縮後の残渣を容易に乾燥装置から取り出すことが可能になる。これによって、これまで以上に含水率の低い廃棄物を得ることが可能になり、結果として、廃棄物処分コストの削減、および廃棄物処分場の延命に貢献できる。
本発明においては、廃液中にゲル状物質を生成する、デンプンを微生物により発酵させた発酵物を添加し、廃液を濃縮乾固させることを特徴とする。
本発明の廃液を濃縮乾固する際に用いられる薬剤の一つの形態は、ゲル状物質を生成する、デンプンを微生物により発酵させた発酵物からなる薬剤である。
本発明では安価で比較的容易にゲル状物質を生成する、デンプンを微生物により発酵させた発酵物の使用が望ましい。
微生物により発酵させるデンプンとしては、かんしょデンプン、ばれいしょデンプン、タピオカデンプン、小麦デンプン、コーンスターチ等が挙げられる。
デンプンを微生物により発酵させた発酵物としては、デンプンを糸状菌等により発酵させた発酵物が挙げられ、糸状菌としては、ケカビ(Mucor)、クモノスカビ(Rhizopus)、麹カビ(Aspergillus)、放線菌(Actinomycetes)、等が挙げられる。
デンプンを糸状菌により発酵させた発酵物は、培養液をそのまま使用してもよいし、培養液を濾過して発酵物を使用してもよい。
本発明の廃液を濃縮乾固する際に用いられる薬剤のもう一つの形態は、ゲル状物質を生成する、デンプンを微生物により発酵させた発酵物とケイ酸ナトリウムの混合物からなる薬剤である。
廃液に添加するゲル状物質を生成する、デンプンを微生物により発酵させた発酵物の量(発酵物を乾燥後の固形分の量)は、廃液中の固形分(乾燥後の)100重量部当たり、0.01〜500重量部、好ましくは0.05〜50重量部、より好ましくは0.1〜10重量部の割合である。0.01重量部以下では本発明の効果が現れないし、500重量部以上加えても効果に違いは認められない上、処理コストが嵩む結果になるので好ましくない。
本発明の薬剤には、水溶液中で溶解して多価金属イオンを発生する多価金属化合物を併用してもよい。
多価金属化合物としては、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、銅化合物、アルミニウム化合物、鉄化合物のいずれか、もしくはこれらの2種以上からなる混合物から適宜選択して用いるとよい。
マグネシウム化合物としては、水溶性のマグネシウム塩が好ましく、このようなものとして、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム等が挙げられる。カルシウム化合物としては、水溶性のカルシウム塩が好ましく、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。銅化合物としては水溶性の銅塩が好ましく、塩化銅、硫酸銅、硝酸銅等が挙げられる。アルミニウム化合物としては、水溶性のアルミニウム化合物が好ましく、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、アルミン酸ナトリウム等が挙げられる。鉄化合物としては、水溶性の鉄塩が好ましく、塩化第1鉄、塩化第2鉄、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、硝酸第1鉄、硝酸第2鉄、ポリ鉄等が挙げられる。
これらの多価金属化合物は、溶解陰イオン性物質と反応して濃縮乾固時に容器壁に固着するのを防止する作用を示す。この多価金属化合物の使用量は特に制約されないが、一般的には、溶解陰イオン性物質と反応する量の約10分の1〜1倍を添加する。
添加する薬剤は、液体でも固体でもよい。あるいは、液体と固体の両方、又はそれらの混合物でもよい。
廃液にゲル状物質を生成する物質と多価金属化合物を添加する順序は、先に前者を添加して後者を後に添加してもよいし、その逆でもよい。また、両者を同時に添加してもよいし、両者の混合物を添加してもよい。
無機多価アニオン発生剤としては、硫酸イオンを発生する硫酸化合物、炭酸イオンを発生する炭酸化合物、リン酸イオンを発生する燐酸化合物が挙げられる。硫酸化合物としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄の他、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸等が包含される。炭酸化合物としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム等が包含される。リン酸化合物としては、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸2水素ナトリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、酸性メタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等が包含される。
本発明を実施するには、廃液にゲル状物質を生成する物質等を添加して、ゲル状物質を存在させ、濃縮乾固すればよい。
廃液にゲル状物質を生成する物質を添加してよく攪拌・混合する。攪拌・混合する方法は十分に混合できれば、通常の攪拌・混合に用いられるどのような方法でも行うことができる。
また、本発明ではゲル状物質を廃液中に存在させた後、紙の粉砕物などの繊維物質を添加して濃縮乾固してもよい。繊維物質を添加すると、乾固した際、乾固物が容器表面に固着せず、剥離が容易になる。
本発明における繊維物質とは、紙、パルプ、木粉、オガクズ、藁、木綿、麻、絹、羊毛などの天然繊維、人造繊維、合成繊維などの化学繊維、セルロース粉末、セルロースファイバー、古紙再生工程から出るスクリーン粕、及びそれらの破砕物や粉砕物が含まれる。古紙の粉砕物が、入手しやすく、安価であることから、好ましい。
繊維物質の添加量は、廃液中の固形分(乾燥後の)に対して、0.1〜30重量%、好ましくは、1〜10重量%である。
廃液を濃縮乾固する方法としては、廃液中の水分を飛散させ残渣を乾固させられる方法であればよく、天日乾燥、加熱乾燥等いずれの方法でもよい。また、加熱乾燥を行う場合においても、その加熱法はいかなる方法を採用することもでき、悪臭成分や有害な揮発成分を含むか含まないか、処理能力や、経済性等を適宜判断して最良と思える方法を採用すればよい。
しかし、廃液を大気に開放させた状態で乾燥させることが好ましくない場合や、廃液中の汚濁成分と水を分離し、水の再利用を考える場合などは、蒸留法を採用することが好ましい。
本発明を蒸留法で実施する場合において、実施するための装置としては、廃液を蒸留できるものであればよく、市販の蒸留装置を用いても良いし、廃液を蒸留できるように装置を組み立てて行ってもよい。
本発明を実施する場合において、通常の蒸留法で特に問題はないが、廃液に高沸点物質を含む場合や、より低い温度で濃縮乾固する場合などは、減圧蒸留で実施することが好ましい。
本発明を減圧蒸留で実施する場合において、実施するための装置としては、減圧蒸留出来るものであればよく、市販の減圧蒸留装置を用いても良いし、減圧で蒸留できるように装置を組み立てて行ってもよい。蒸留温度は、減圧の度合いで定まるが、特に限定されるものではなく、濃縮乾固したスラッジに対して求められる含水率や経済性を考慮して定めればよい。蒸留温度は低すぎると、高い真空度が求められるし、蒸留時間も掛かるので、30℃以上であることが好ましい。濃縮乾固した残渣の含水率を10%以下にするには70℃以上にするのが好ましい。真空度は高いほど、蒸留温度を低くすることが可能であるが、本発明では、380Torr(mmHg)以下、好ましくは100Torr以下、濃縮乾固した残渣の含水率を10%以下にするには、50Torr以下でおこなうことが望ましい。
本発明では、乾燥装置として、一般に用いられているドラムドライヤーやCDドライヤーを使用することができる。
ドラムドライヤーを用いる場合は、蒸気圧力、ドラム間クリアランス、ドラム回転数は通常使用される条件で使用しても良いし、特に限定されるものではない。本発明では、ゲル状物質を生成する物質を廃液に添加するので、廃液の粘性が上がり、ドラム間クリアランスを広く設定でき、ドラム回転数も上げることができるので、適宜より好ましい条件を設定して行えばよい。
CDドライヤーを用いる場合は、蒸気圧やCDの回転数は、通常使用される条件で使用しても良いし、特に限定されるものではない。本発明では、ゲル状物質を生成する物質を廃液に添加するので、廃液の粘性が上がり、回転数も上げることができるので、適宜より好ましい条件を設定して行えばよい。
このように、本発明により、ドラムドライヤーやCDドライヤーを使用した際、処理速度を上げることができ、エネルギーを低減できるし、乾燥機を小型化できる。また、結晶析出がないので、装置の損耗が少ない。
次に本発明の実施例に基づきさらに詳細に説明する。なお、以下の例においては、%は重量%を意味する。
(製造例1)
米飯をシャーレに入れ、水を加え、空気中で常温で放置した。約1週間後、黄色になり、約3週間後、白色の糸状のカビが発生した。これをコーンスターチ糊液(濃度1%)に添加し、マグネチックスターラーで撹拌(常温)して培養・増殖した。pHは5〜5.5に調整した(1N水酸化ナトリウム水溶液及び1N硫酸を使用した)。以後の培養・増殖は、時々コーンスターチ糊液(濃度1〜3%)を添加して行った。このカビを顕微鏡で観察したところ、ケカビ(Mucor)と推定された。
これを処理剤(I)とする。
(製造例2)
製造例1の糸状のカビの培養・増殖液に、パン酵母(ドライイースト)1gを添加・混合した。この混合液をマグネチックスターラーで撹拌(常温)して培養・増殖した。pHは5〜5.5に調整した(1N水酸化ナトリウム水溶液及び1N硫酸を使用した)。以後の培養・増殖は、時々コーンスターチ糊液(濃度1〜3%)を添加して行った。
これを処理剤(II)とする。
(製造例3)
米飯をシャーレに入れ、室内で空気中で常温で放置した。約1週間後、緑色のカビが発生した。これをコーンスターチ糊液(濃度1%)に添加し、マグネチックスターラーで撹拌(常温)して培養・増殖した。pHは5〜5.5に調整した(1N水酸化ナトリウム水溶液及び1N硫酸を使用した)。 以後の培養・増殖は、時々コーンスターチ糊液(濃度1〜3%)を添加して行った。このカビを顕微鏡で観察したところ、麹カビ(Aspergillus)と推定された。
これを処理剤(III)とする。
(製造例4)
コーンスターチ糊(濃度10%)をシャーレに入れ、室内で空気中で常温で放置した。約2週間後、白色のカビが発生した。これをコーンスターチ糊液(濃度1%)に添加し、マグネチックスターラーで撹拌(常温)して培養・増殖した。pHは5〜5.5に調整した(1N水酸化ナトリウム水溶液及び1N硫酸を使用した)。 以後の培養・増殖は、時々コーンスターチ糊液(濃度1〜3%)を添加して行った。このカビを顕微鏡で観察したところ、クモノスカビ(Rhizopus)と推定された。
これを処理剤(IV)とする。
(製造例5)
コーンスターチ糊(濃度10%)をシャーレに入れ、室外で空気中で常温で放置した。約2週間後、褐色のカビが発生した。これをコーンスターチ糊液(濃度1%)に添加し、マグネチックスターラーで撹拌(常温)して培養・増殖した。pHは5〜5.5に調整した(1N水酸化ナトリウム水溶液及び1N硫酸を使用した)。 以後の培養・増殖は、時々コーンスターチ糊液(濃度1〜3%)を添加して行った。このカビを顕微鏡で観察したところ、放線菌と推定された。
これを処理剤(V)とする。
(製造例6)
水ガラス(JIS 3号)に、処理剤(IV)を1%添加し、マグネチックスターラーで撹拌して均一に分散させた。
これを処理剤(VI)とする。
(実施例1)
A工場廃液(銅濃度2150mg/L、全蒸発残留物63300mg/L、pH10.5)をダブルドラムドライヤーで濃縮乾燥した。
本発明の処理剤(VI)を廃液に1%添加して、濃縮乾燥した。実験結果を表1に示す。ドラム回転数:10rpmに上げることができた。ドラム間クリアランス: 0.15mm、熱媒の蒸気圧力 0.3MPa、同上によるドラム温度 130℃で操作した。乾燥物の含水率は40.0%、乾燥速度(表面蒸発量)は34.5kg/ h・m2であった。乾固物はドラム表面に固着せず、容易にスクレーパで剥離することができた。
(比較例1)
実施例1において、本発明の処理剤(VI)を添加せず、廃液そのままを処理した。実験結果を表1に示す。ドラム回転数:1.5rpm、ドラム間クリアランス: 0.15mm、熱媒の蒸気圧力 0.3MPa、同上によるドラム温度 130℃で操作したところ、乾燥物の含水率4.9%、乾燥速度(表面蒸発量)は14.3kg/ h・m2であった。残渣はドラム表面に固着し、剥離が困難であった。

表1
Figure 2008142577
(実施例2)
B工場のレジスト廃液(TOC 2310mg/L)をダブルドラムドライヤーで濃縮乾燥した。
本発明の処理剤(VI)を廃液に1%添加して、濃縮乾燥した。ドラム回転数 6rpmに上げることができた。ドラム間クリアランス 0.3mm、熱媒の蒸気圧力 0.3MPa、同上によるドラム温度 132℃で操作した。乾燥物の含水率は26.3%、乾燥速度(表面蒸発量)は35.7kg/ h・m2であった。乾固物はドラム表面に固着せず、容易にスクレーパで剥離することができた。
(比較例2)
実施例2において、本発明の処理剤(VI)を添加せず、廃液そのままを処理した。ドラム回転数 2rpm、ドラム間クリアランス 0.3mm、熱媒の蒸気圧力 0.3MPa、同上によるドラム温度 132℃で操作したところ、乾燥物の含水率2.9%、乾燥速度(表面蒸発量)は25.9kg/ h・m2であった。残渣はドラム表面に固着し、剥離が困難であった。
(実施例3)
C工場のレジスト廃液(TOC 2670mg/L)をダブルドラムドライヤーで濃縮乾燥した。
本発明の処理剤(VI)を廃液に1%添加して、濃縮乾燥した。ドラム回転数 6rpmに上げることができた。ドラム間クリアランス 0.3mm、熱媒の蒸気圧力 0.4MPa、同上によるドラム温度 140℃で操作した。乾燥物の含水率は40.5%、乾燥速度(表面蒸発量)は46.1kg/ h・m2であった。乾固物はドラム表面に固着せず、容易にスクレーパで剥離することができた。
ドラム回転数 10rpm、ドラム間クリアランス 0.3mm、熱媒の蒸気圧力 0.3MPa、同上によるドラム温度 130℃とすると、乾燥物の含水率は19.5%、乾燥速度(表面蒸発量)は27.2kg/ h・m2であった。乾固物はドラム表面に固着せず、容易にスクレーパで剥離することができた。
(比較例3)
実施例3において、本発明の処理剤(VI)を添加せず、廃液そのままを処理した。ドラム回転数 1.5rpm、ドラム間クリアランス 0.15mm、熱媒の蒸気圧力 0.3MPa、同上によるドラム温度 130℃で操作したところ、廃液はすぐに流下してしまい、ドラム表面に結晶が固着してしまい、剥離は不可能であった。
(実施例4)
銅濃度1680mg/L、TOC 2800mg/L、SO4 2― 480000mg/Lの廃液を、CDドライヤーで濃縮乾燥した。蒸気圧力 0.3MPaで行った。
本発明の処理剤(VI)を廃液に3%添加して、濃縮乾燥した。ディスクの回転数を7、8及び9rpmにまで上げることができた。処理能力は、それぞれ77、85及び93kg/ h・m2であった。乾燥残渣は、フレーク状で、伝熱面に固着せず、容易にスクレーパで剥離することができた。
(比較例4)
実施例4において廃液のみを処理した場合には、ディスクの回転数は2rpmで処理能力は18kg/m2・hであった。乾燥残渣は、伝熱面に固着してしまい、剥離することができなかった。
(実施例5)
D工場の銅エッチング廃液(TOC 63000mg/L、銅濃度8400mg/L、SO4 2― 370000mg/L、Cl1060mg/L、全蒸発残留物32500mg/L、pH−1.2)40mLに水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH12とした。これに 塩化カルシウム水溶液(2.7M)3.3mL(CaCl2として1g)を添加し、家庭用ミル(象印BM-FT08型)で、6000rpmで1分撹拌し、処理剤(I)を 5mL添加し、ミルで6000rpmで2分撹拌した。この液を容量500mLのナス形フラスコに入れ、ロータリーバキュームエバポレーター(東京理化器械(株)製EYELA N-1000V型)で常圧に近い減圧蒸留を行った。この操作によれば液を流動させながら常圧で濃縮乾固するのとほぼ同じ状態にできる。フラスコの回転数は約130rpm。凝縮管(冷却器)の冷却水の温度は約5℃、減圧は循環アスピレータ(柴田科学製WJ-15)でおこなった。先ず、減圧せずに浴温を約100℃まで上げた後、常圧に近い減圧(−38mmHg=真空度722mmHg)で蒸留した。約40分でほぼ乾固したので、高減圧(真空度約20mmHg)とし、乾固させた。この乾固物は、器壁に固着せず、剥離することができた。
(比較例5)
実施例5において廃液のみを減圧蒸留した場合には、乾固してフラスコ表面に固着したスラッジを剥離するのは困難で、蒸留フラスコから乾燥状態で取り出すことは出来なかった。
(比較例6)
実施例5において、処理剤(I)の代わりに、コーンスターチ(トウモロコシデンプン)粉末を水に懸濁させて(濃度3%)撹拌し、約100℃に加熱して、ほとんど溶解させた。これをデンプンとして0.4gを使用した以外は実施例5と同様に操作した。蒸留後、乾固物はほぼ器壁に固着しなかったが、効果は実施例より若干劣る結果であった。
(実施例6)
実施例5において、処理剤(I)の代わりに、処理剤(II)を5mL使用した以外は実施例5と同様に操作した。蒸留後、乾固物は器壁に固着せず、剥離することができた。
(実施例7)
実施例5において、処理剤(I)の代わりに、処理剤(III)を5mL使用した以外は実施例5と同様に操作した。蒸留後、乾固物は器壁に固着せず、剥離することができた。
(実施例8)
実施例5において、処理剤(I)の代わりに、処理剤(IV)を5mL使用した以外は実施例5と同様に操作した。蒸留後、乾固物は器壁に固着せず、剥離することができた。
(実施例9)
実施例5において、処理剤(I)の代わりに、処理剤(V)を5mL使用した以外は実施例5と同様に操作した。蒸留後、乾固物は器壁に固着せず、剥離することができた。
(実施例10)
実施例5において、処理剤(I)の代わりに、処理剤(VI)を0.4g使用し、pH7に調整した以外は実施例5と同様に操作した。蒸留後、乾固物は器壁に固着せず、剥離することができた。
(実施例11)
A工場廃液(銅濃度2150mg/L、全蒸発残留物63300mg/L、pH10.5)40mLにCuSO4・5H2O粉末0.8gを添加し、家庭用ミル(象印BM-FT08型)で、6000rpmで1分撹拌し、処理剤(I)を5mL添加し、ミルで6000rpmで2分撹拌した。この液を容量500mLのナス形フラスコに入れ、ロータリーバキュームエバポレーター(東京理化器械(株)製EYELA N-1000V型)で常圧に近い減圧蒸留を行った。この操作によれば液を流動させながら常圧で濃縮乾固するのとほぼ同じ状態にできる。フラスコの回転数は130rpm。凝縮管(冷却器)の冷却水の温度は約5℃、減圧は循環アスピレータ(柴田科学製WJ-15)でおこなった。先ず、減圧せずに浴温を100℃まで上げた後、常圧に近い減圧(−38mmHg=真空度722mmHg)で蒸留した。約40分でほぼ乾固したので、高減圧(真空度約20mmHg)とし、乾固させた。この乾固物は、器壁に固着せず、剥離することができた。
(比較例7)
実施例11において廃液のみを減圧蒸留した場合には、乾固してフラスコ表面に固着したスラッジを剥離するのは困難で、蒸留フラスコから乾燥状態で取り出すことは出来なかった。
(実施例12)
E工場廃液(泡盛蒸留粕廃液、懸濁物質濃度89700mg/L、全蒸発残留物135000mg/L、pH2.8)40mLにCaCl2・2H2O粉末を0.8gを添加し、家庭用ミル(象印BM-FT08型)で、6000rpmで1分撹拌し、処理剤(I)を5mL添加し、ミルで6000rpmで3分撹拌した。この液を容量500mLのナス形フラスコに入れ、ロータリーバキュームエバポレーターで実施例1と同様に常圧に近い減圧蒸留の後、減圧蒸留を行った。先ず、減圧せずに浴温を100℃まで上げた後、常圧に近い減圧(−38mmHg=真空度722mmHg)で蒸留した。約30分でほぼ乾固したので、高減圧(真空度約20mmHg)とし、乾固させた。この乾固物は、剥離することができた。
(比較例8)
実施例12において廃液のみを減圧蒸留した場合には、乾固してフラスコ表面に固着したスラッジを剥離するのは困難で、蒸留フラスコから乾燥状態で取り出すことは出来なかった。
(実施例13)
懸濁物質2.65g/L、Si濃度290mg/L、TOC1300mg/L、IC(無機体炭素)2000mg/L、全蒸発残留物 17.2g/L、pH14のレジスト廃液500mLに硫酸(20.5N)7.5mLを添加してpH7とした。SO4 2−濃度は14.6g/L。
この溶液を蒸留フラスコ(容量1Lのナス形フラスコ)に入れ、処理剤(I)10mLを添加し、ロータリーバキュームエバポレーター(EYELA N−1000V型)で減圧蒸留した。
蒸留フラスコの回転数は130rpm、真空度は約20mmHg、温度ははじめは約50℃とし、ほとんど蒸発乾固した(約1時間)後、80℃に上げて完全に乾固させた。冷却器の冷却水温度は約5℃、減圧は循環アスピレータ(柴田科学製WJ−15)でおこなった。
蒸留フラスコ中の蒸留液は乾固し、厚さ約2mmのスラッジ層を残した。このスラッジは容易に剥離することができ、ほぼ完全に回収できた。
(比較例9)
実施例13において廃液のみを減圧蒸留した場合には、乾固してフラスコ表面に固着したスラッジを剥離するのは困難で、蒸留フラスコから乾燥状態で取り出すことは出来なかった。
(実施例14)
銅EDTA濃度5g/L(銅濃度800mg/L)、硫酸イオン16g/L、全蒸発残留物28.7g/L、pH8の銅EDTAモデル廃液200mLを蒸留フラスコ(容量1Lのナス形フラスコ)に入れ、塩化カルシウム水溶液(2.7M)4mL(Caとして432mg)と処理剤(I)10mLを添加した。ロータリーバキュームエバポレーター(EYELA N−1000V型)で減圧蒸留した。
蒸留フラスコの回転数は130rpm、真空度は約20mmHg、温度ははじめは約50℃とし、ほとんど蒸発乾固した後、80℃に上げて完全に乾固させた。冷却器の冷却水温度は約5℃、減圧は循環アスピレータ(柴田科学製WJ−15)でおこなった。
蒸留フラスコ中の蒸留液は乾固し、厚さ約1mmのスラッジ層(青白色)を残した。このスラッジは容易に剥離することができ、ほぼ完全に回収できた。
(比較例10)
実施例14において廃液のみを減圧蒸留した場合には、乾固してフラスコ表面に固着したスラッジを剥離するのは困難で、蒸留フラスコから乾燥状態で取り出すことは出来なかった。
(実施例15)
ホウ素500mg/Lのモデル廃液40mLにCaCl2・2H2O粉末を1.08gを添加し、撹拌して溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH10に調整し、処理剤(I)を5mL添加し、家庭用ミル(象印BM-FT08型)で6000rpmで3分撹拌した。この液を容量500mLのナス形フラスコに入れ、ロータリーバキュームエバポレーターで実施例1と同様に常圧に近い減圧蒸留の後、減圧蒸留を行った。先ず、減圧せずに浴温を100℃まで上げた後、常圧に近い減圧(−38mmHg=真空度722mmHg)で蒸留した。次第に粘性液となり約20分でほぼ乾固したので、高減圧(真空度約20mmHg)とし、乾固させた。この乾固物は、ほとんど器壁に固着せず、容易に剥離することができた。
なお、留出液(凝縮液)中のホウ素濃度は、ほぼ0mg/Lであった。
(比較例11)
実施例15において廃液のみを減圧蒸留した場合には、乾固してフラスコ表面に固着したスラッジを剥離するのは困難で、蒸留フラスコから乾燥状態で取り出すことは出来なかった。
(実施例16)
フッ素500mg/Lのモデル廃液40mLにCaCl2・2H2O粉末を1.08gを添加し、撹拌して溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH10に調整し、処理剤(I)を5mL添加し、家庭用ミルで6000rpmで3分撹拌した。この液を容量500mLのナス形フラスコに入れ、ロータリーバキュームエバポレーターで実施例1と同様に常圧に近い減圧蒸留の後、減圧蒸留を行った。先ず、減圧せずに浴温を100℃まで上げた後、常圧に近い減圧で蒸留した。次第に粘性液となり約25分でほぼ乾固したので、高減圧とし、乾固させた。この乾固物は、ほとんど器壁に固着せず、容易に剥離することができた。
なお、留出液(凝縮液)中のフッ素濃度は、ほぼ0mg/Lであった。
(比較例12)
実施例16において廃液のみを減圧蒸留した場合には、乾固してフラスコ表面に固着したスラッジを剥離するのは困難で、蒸留フラスコから乾燥状態で取り出すことは出来なかった。

Claims (8)

  1. 種々の汚濁成分を含む廃液を処理する方法において、該廃液中に、ゲル状物質を生成する、デンプンを微生物により発酵させた発酵物を添加し、廃液を濃縮乾固させて処理することを特徴とする、汚濁成分を含む廃液の処理方法。
  2. 該デンプンを微生物により発酵させた発酵物が、デンプンを糸状菌により発酵させた発酵物、である請求項1に記載の方法。
  3. 該デンプンを微生物により発酵させた発酵物と共に、ケイ酸ナトリウムを添加する請求項1又は2に記載の方法。
  4. 該廃液中に、多価金属化合物を添加する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 該多価金属化合物がカルシウム化合物である請求項4に記載の方法。
  6. 請求項1の廃液の処理方法に使用する薬剤であって、該薬剤が、デンプンを微生物により発酵させた発酵物であることを特徴とする薬剤。
  7. 請求項3の廃液の処理方法に使用する薬剤であって、該薬剤が、デンプンを微生物により発酵させた発酵物とケイ酸ナトリウムの混合物であることを特徴とする薬剤。
  8. 該デンプンを微生物により発酵させた発酵物、がデンプンを糸状菌により発酵させた発酵物である、請求項6又は7に記載の薬剤。

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