JP4456391B2 - 有機性余剰汚泥の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、排水の活性汚泥処理から発生する有機性余剰汚泥を減量化処理する方法に関する。
従来、下水や産業排水などの有機性排水(廃水)の浄化方法として、好気性微生物を含んだ活性汚泥による浄化作用を利用した活性汚泥法が広く使用されている。
この活性汚泥法では一般に、曝気層で処理された有機性排水を沈殿槽へ送り、沈殿した活性汚泥の中から有機性排水の浄化処理に必要な量だけ返送汚泥として曝気槽内へと戻し、それ以外の活性汚泥を余剰汚泥として取り除いている。
このように、活性汚泥法による有機性排水の浄化処理では大量の有機性余剰汚泥が発生しているが、現在、この余剰汚泥は産業廃棄物として埋め立て処分などの方法で処理されるのが一般的である。
しかし、このような処理にはコストが掛かるだけでなく、埋め立て処分場の限界や環境への影響などの問題があるため、余剰汚泥の減量化が緊急な課題となっている。
これまでに、有機性余剰汚泥を減量化する方法として、種々の方法が提案されている。
まず、余剰汚泥をpH又は温度の制御、或いはアルカリ剤、酸、溶菌作用を有する化合物による処理、又は上記2以上の要件の組み合わせで処理した後、活性汚泥処理に戻すことにより、活性汚泥中の細菌の一部を殺菌又は溶菌して活性汚泥の増殖を抑制する方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、この方法では加熱処理は40〜50℃前後で処理することが好ましいとされており、この程度では可溶化量が少なく余剰汚泥の充分な減量化が期待できない。なお、実施例には70℃で処理することも記載されてはいるが、この場合には加熱に大量のエネルギーが必要となる。また、アルカリ剤、酸、溶菌作用を有する化合物による処理を行う場合には、それらの薬品を大量に使用しなければならず、コストがかさんでしまうという問題があった。
次に、余剰汚泥を湿式ミル処理により破砕し、次いで処理後のpHが11を超えるようにアルカリを添加してアルカリ処理した後、活性汚泥処理に戻す方法が提案されている(特許文献2参照)。
この方法によれば、余剰汚泥の減量化が図られるものの、やはり大量のアルカリ剤を使用しなければならず、コスト高となるという問題があった。
また、余剰汚泥を好熱菌により可溶化処理した後に活性汚泥処理に戻す方法において、熱源として発電に伴う排熱を有効利用する、いわゆるコジェネレーションシステム(co-generation system)を利用した方法が提案されている(特許文献3参照)。
この方法では加熱工程における省エネルギー化が可能になるものの、微生物(好熱菌)の可溶化作用を利用した処理であり、性能を安定させるために処理槽内を常時一定の温度に制御する必要があり、管理に手間がかかるという欠点があった。また、汚泥性状の変化に対応するのが難しいという問題もあった。
特開2000−61488号公報 特開2001−149979号公報 特開2003−205279号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を悉く解消し、省エネルギー・省コストを実現し、かつ、極めて効率良く有機性の余剰汚泥を溶解し、余剰汚泥を減量化させることのできる方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記従来の問題点を解消すべく鋭意検討を重ねた。その過程でコジェネレーションシステムから排出される排熱(廃熱)に着目し、該排熱を利用した加熱・可溶化処理と既存の活性汚泥処理とを利用して余剰汚泥を減量化する方法を見出した。さらに、湿式ミルにより余剰汚泥を微細化した後、前記加熱・可溶化処理を施すことにより、上澄みCOD・BOD量が増加して余剰汚泥の減量化効率が高まることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
即ち、請求項1に係る本発明は、排水の活性汚泥処理から発生する有機性余剰汚泥を処理する方法において、該有機性余剰汚泥を、湿式ミル処理による破砕処理工程による処理に続いて、コジェネレーションシステムから排出される排熱を利用した物理的及び/又は化学的高温処理工程により処理した後、活性汚泥処理に戻すことを特徴とする有機性余剰汚泥の処理方法を提供するものである。
請求項2に係る本発明は、コジェネレーションシステムから排出される排熱を利用した物理的及び/又は化学的高温処理工程における加熱処理温度が75℃以上である請求項1記載の有機性余剰汚泥の処理方法を提供するものである。
本発明によれば、アルカリ剤、酸、溶菌作用を有する化合物などの化学薬品による処理を施すことなく、極めて効率良く有機性余剰汚泥を可溶化・減量化することが可能となる。このため、化学薬品のコストを削減できると共に、化学薬品により環境を汚染することが無い。
また、本発明によれば、高温処理工程を75℃以上で行うことにより、汚泥の可溶化率を上げることができると共に、コジェネレーションシステムにより発電等の廃熱をその熱源に利用することによって、新たな熱源を必要とすることがなく、エネルギーロスが少なく経済的に余剰汚泥を減量化することができる。
さらに、本発明では、微生物の可溶化作用を利用しておらず、汚泥性状の変化に処理性能が左右されにくいため、安定化管理に手間がかからない。
本発明によれば、余剰汚泥に湿式ミル処理を施して、該余剰汚泥に含まれる微生物菌体を物理・化学的に破砕することで、菌体内からタンパク質等が溶出し、さらに高温処理することによって、汚泥が可溶化され、好気的微生物(活性汚泥)が可溶化した汚泥を消化しやすくなるものと考えられる。活性汚泥を構成する好気性細菌の栄養分を示す溶解性COD量が増加し、また微生物易分解性の指標である溶解性BOD量が増加することになる。
即ち、本発明によれば、余剰汚泥は効率よく可溶化され、好気的微生物(活性汚泥)が消化しやすい程度に分解され、水中に溶解しているものと考えられる。
従って、このようにして分解された余剰汚泥を活性汚泥中で微生物処理することにより、汚泥(微生物)の増殖を著しく低減することができ、ひいては余剰汚泥の減量化に繋がることになる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
請求項1に係る本発明は、排水の活性汚泥処理から発生する有機性余剰汚泥を処理する方法において、該有機性余剰汚泥を、少なくともコジェネレーションシステムから排出される排熱を利用した物理的及び/又は化学的高温処理工程により処理した後、活性汚泥処理に戻すことを特徴とするものである。
請求項1に係る本発明の処理対象は、排水の活性汚泥法による浄化処理の過程で発生する有機性の余剰汚泥である。
図1は、請求項1に係る本発明の方法の1例を示すフローシートである。また、図2は、請求項2、3に係る本発明の方法の1例を示すフローシートである。さらに、図3は、従来の活性汚泥処理設備の1例を示すフローシートである。
図3中、処理すべき原排水は、曝気槽1において活性汚泥と共に混合・曝気されながら、好気的に生物処理された後、沈澱槽2に送られ、清澄な上澄水が処理水として排出されている。一方、沈澱槽2の底に沈澱している汚泥は、返送汚泥として曝気槽1に戻されるが、このときに大量の余剰汚泥が発生する。従来一般には、ここで発生した余剰汚泥を引き抜き、脱水した後、産業廃棄物として処理している。請求項1に係る本発明の処理対象は、このような排水の活性汚泥法による浄化処理より発生する有機性の余剰汚泥である。活性汚泥処理は、常法により行われる。
請求項1に係る本発明においては、コジェネレーションシステムから排出される排熱を利用し、排水の活性汚泥処理から発生する有機性余剰汚泥に対して、該排熱による物理的及び/又は化学的高温処理を施す。ここで「物理的及び/又は化学的」高温処理としたのは、特許文献3に記載されているような微生物(好熱菌)の可溶化作用を利用した高温処理を除く趣旨である。
なお、コジェネレーションシステムとは、ガス等による発電を行う際に発生する排熱(廃熱)を回収して動力源や熱源として再利用するシステムである。
余剰汚泥は、通常は、一旦、クッションタンク3に納められ、その後、コジェネレーションシステムから排出される排熱を利用した物理的及び/又は化学的高温処理工程により処理される。
図1においては、有機性の余剰汚泥を加温反応槽7に供給する経路に熱交換器6を設け、この熱交換器6において、コジェネレーションシステム5から得た温水と余剰汚泥の熱交換を行い、昇温後の有機性余剰汚泥を加温反応槽7に供給する。この間に、有機性の余剰汚泥に対して物理的及び/又は化学的高温処理が施される。
請求項1に係る本発明における高温処理工程では、図示した如き熱交換器6を用いた方法に限らず、コジェネレーションシステムから排出される排熱を利用して発生させた蒸気などによって有機性余剰汚泥を加熱する方法等を用いることができる。
なお、本発明においては、図1では熱交換器6として、コジェネレーションシステム5から得た温水と余剰汚泥の熱交換を行うものを示しているが、これに限定されるものではなく、例えば図2に示すような、コジェネレーションシステム5から得た温水と余剰汚泥の熱交換を行うと共に温水も続く加温反応槽7に供給するタイプのものを用いることもできる。
上記の高温処理工程においては、熱交換器6において、コジェネレーションシステム5から得た温水と余剰汚泥の熱交換を行い、昇温後の有機性余剰汚泥を加温反応槽7に供給し、該加温反応槽7内で有機性余剰汚泥を加温することによって、有機性余剰汚泥の可溶化が行われる。特に高温の場合には、高温殺菌、高温可溶化が行われる。
高温処理工程における処理条件としては、有機性余剰汚泥に含まれる細菌の物理的・化学的破砕を促進するために、以下のような条件を採用することができる。
高温処理工程における加熱処理温度としては、請求項4に記載したように、75℃以上とすることが好ましく、より好ましくは75〜95℃である。加熱処理温度が75℃未満であると、汚泥の可溶化が効率的に行われないため好ましくない。なお、上限としては、沸騰しない温度ということができる。
次に、高温処理工程における処理時間は、5分間以上とすることが好ましく、より好ましくは1〜3時間である。5分間未満では汚泥の可溶化が効率的に行われないため好ましくない。一方、処理時間があまりに長過ぎても効率が悪い。
請求項1に係る本発明においては、この高温処理工程は、単に加熱、ホールド処理のみとすることが、化学薬品や他のエネルギー源を利用することが無いので望ましいが、必要に応じて、アルカリ、酸、酸化剤、溶菌酵素等の化学的処理や、物理的な撹拌、破砕処理などを併用することができる。
請求項1に係る本発明においては、上記のようにして高温処理工程を経た後、活性汚泥処理に戻す。図1においては、熱交換器6、加温反応槽7にて処理した後、曝気槽1に戻して、常法により活性汚泥処理している。
以上の如き請求項1に係る本発明によれば、化学薬品を使用することなく、また省エネルギー・省コストで、極めて効率良く有機性の余剰汚泥を溶解し、余剰汚泥を減量化させることができる。なお、図中、符号9は脱水機であり、符号10はスクリーンである。
本発明においては、請求項2に記載したように、有機性余剰汚泥を、コジェネレーションシステムから排出される排熱を利用した物理的及び/又は化学的高温処理工程と湿式ミル処理による破砕処理工程とにより処理した後、活性汚泥処理に戻すこと、つまり物理的及び/又は化学的高温処理工程と湿式ミル処理による破砕処理工程とを併用することが好ましい。
請求項2に係る本発明の処理対象は、請求項1に係る本発明と同様に、排水の活性汚泥法による浄化処理工程で発生する有機性の余剰汚泥である。
請求項2に係る本発明は、物理的及び/又は化学的高温処理工程と湿式ミル処理による破砕処理工程とを併用すること以外は、前記した請求項1に係る本発明と同様である。
請求項2に係る本発明においては、物理的及び/又は化学的高温処理工程と湿式ミル処理による破砕処理工程との両者を行うことが必要であって、いずれか一方のみを行ったとしても、請求項2に係る本発明の目的を達成することはできない。
請求項2に係る本発明においては、物理的及び/又は化学的高温処理工程と湿式ミル処理による破砕処理工程の順序は制限されず、いずれを先に行っても構わないが、請求項3に記載したように、湿式ミル処理による破砕処理工程による処理に続いて、物理的及び/又は化学的高温処理工程による処理を行うと、余剰汚泥をより減量化することができ好ましい。前記したように、図2は、請求項2、3に係る本発明の方法の1例を示すフローシートである。
請求項2に係る本発明においては、図2に示したように、有機性余剰汚泥を湿式ミル処理により物理的に破砕する。
有機性余剰汚泥は、通常は、一旦、クッションタンク3に納められ、その後、湿式ミル処理により破砕される。図2中、符号4が湿式ミルである。湿式ミル処理は、水中に懸濁している固形物を剪断摩擦力の作用によって微細化する処理法であって、例えば媒体攪拌式ミル、回転円筒式ミル、コロイドミル等を用いて行われる。
請求項2、3に係る本発明においては、これらの中でも、特にガラスビーズやジルコニアビーズなどのビーズを使用して行う媒体攪拌式ミル(ビーズミル)を用いることが処理効率からみて最も好ましい。ビーズ径、ビーズ充填率、ディスク周速、被処理余剰汚泥の滞留時間などについては、特に制限はないが、好ましくはビーズ径0.3〜1mm、ビーズ充填率80〜90%、ディスク周速10〜16m/sec、被処理余剰汚泥の滞留時間は1〜20分間である。なお、被処理余剰汚泥は、通常加温する必要はないが、媒体攪拌式ミル(ビーズミル)では、破砕容器内で破砕用ビーズの衝突により摩擦熱を生ずるため、この熱源を利用して、加温させた状態で処理しても差し支えない。
請求項2、3に係る本発明において行われる物理的及び/又は化学的高温処理は、前記した請求項1に係る本発明において行われる物理的及び/又は化学的高温処理と同様のものである。
請求項2に係る本発明においては、この物理的及び/又は化学的高温処理による余剰汚泥の可溶化の前後のいずれかの時点で、上記した湿式ミル処理を行い、しかる後に活性汚泥処理に戻す。
以上の如き請求項2に係る本発明によれば、化学薬品を使用することなく、また省エネルギー・省コストで、極めて効率良く有機性の余剰汚泥を溶解し、余剰汚泥を減量化させることができる。
さらに、湿式ミル処理による破砕処理工程による処理に続いて、物理的及び/又は化学的高温処理工程による処理を行う請求項3に係る本発明によれば、余剰汚泥をより減量化することができる。
以下、本発明を実施例等に基づいて、より具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1(高温処理のみ)
活性汚泥法による排水浄化処理施設より得た有機性余剰汚泥(汚泥濃度:14000mg/L)を、請求項1に係る本発明の方法により処理した。
即ち、食品工場排水処理設備の返送汚泥の一部をサンプリングし、その内、約3L程度を物理的及び/又は化学的高温処理した。より具体的には、図1に示すように、熱交換器6において、コジェネレーションシステム5から得た温水と有機性余剰汚泥の熱交換を行い、75℃に昇温後の有機性余剰汚泥を加温反応槽7に供給し1時間放置し、この間に有機性の余剰汚泥に対して物理的及び/又は化学的高温処理を施した。
しかる後、処理後の有機性余剰汚泥を曝気槽1に戻した。
上記物理的及び/又は化学的高温処理後の汚泥について、単位汚泥当りの溶解性COD濃度と溶解性BOD濃度とを、それぞれ以下のようにして測定した。結果を表1に示す。
・単位汚泥当りの溶解性COD濃度(mg−COD/g−MLSS):処理後の汚泥を遠心分離(10000rpm,10分間)し、固形物を取り除いた上澄液のCODcr(CODクロム)の値を、処理前の汚泥濃度で割った値。
・単位汚泥当りの溶解性BOD濃度(mg−BOD/g−MLSS):処理後の汚泥を遠心分離(10000rpm,10分間)し、固形物を取り除いた上澄液のBOD5の値を、処理前の汚泥濃度で割った値。
実施例2(高温処理→湿式ミル処理)
活性汚泥法による排水浄化処理施設より得た余剰汚泥(汚泥濃度:14000mg/L)を、請求項2に係る本発明の方法により処理した。
即ち、食品工場排水処理設備の返送汚泥の一部をサンプリングし、その内、約3L程度を実施例1と同様の条件で物理的及び/又は化学的高温処理した後、湿式ミルにより処理し、しかる後、処理後の有機性余剰汚泥を曝気槽1に戻した。
なお、湿式ミル処理は、Dyno-Mill KDL-A型(株式会社シンマルエンタープライゼス製)の湿式媒体攪拌式ミル(破砕部の容積:0.6L)を用い、ガラスビーズ径0.5mm、ガラスビーズ充填率80%、ディスク周速11m/s、滞留時間3分間、処理時の水温25℃という条件で行った。
次いで、上記処理後の汚泥について、単位汚泥当りの溶解性COD濃度と溶解性BOD濃度とを実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
実施例3(湿式ミル処理→高温処理)
活性汚泥法による排水浄化処理施設より得た余剰汚泥(汚泥濃度:14000mg/L)を、請求項3に係る本発明の方法により処理した。
即ち、実施例2において、処理の順序を変え、湿式ミル処理を行った後に物理的及び/又は化学的高温処理を行ったこと以外は、実施例2と同様にして行い、単位汚泥当りの溶解性COD濃度と溶解性BOD濃度とを測定した。結果を表1に示す。
比較例1(湿式ミル処理のみ)
実施例2において、物理的及び/又は化学的高温処理を行わず、湿式ミル処理のみを行ったこと以外は、実施例2と同様にして行い、単位汚泥当りの溶解性COD濃度と溶解性BOD濃度とを測定した。結果を表1に示す。
比較例2(湿式ミル処理→アルカリ処理)
実施例3において、湿式ミル処理を行った後に、物理的及び/又は化学的高温処理の代わりにアルカリ処理を行ったこと以外は、実施例3と同様にして行った。
なお、アルカリ処理は、pHが12となるように水酸化ナトリウム溶液を添加し、1時間攪拌して行った。アルカリ処理を行った後、中和槽において硫酸を用いて中和し、次いで曝気槽に戻した。上記中和処理後の汚泥について、単位汚泥当りの溶解性COD濃度と溶解性BOD濃度とを測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004456391
汚泥を効率よく分解すると溶液中に存在するCOD量が増加することから、単位汚泥当りの溶解性COD濃度が高いということは、余剰汚泥が効率よく破砕されていることを示している。また、単位汚泥当りの溶解性BOD濃度は、微生物易分解性の指標であり、単位汚泥当りの溶解性BOD濃度が高いということは、微生物易分解性に優れていることを示している。
表1の結果によれば、湿式ミル処理のみの場合と比べて、物理的及び/又は化学的高温処理のみの場合(請求項1に係る本発明の方法)には、単位汚泥当りの溶解性COD濃度と溶解性BOD濃度のいずれもが高い値を示していることが分かる。
また、実施例2のように湿式ミル処理のみの場合と比べて、物理的及び/又は化学的高温処理と湿式ミル処理とを併用することにより、単位汚泥当りの溶解性COD濃度と溶解性BOD濃度のいずれもが増加することが分かる。
さらに、実施例3のように湿式ミル処理を行った後に物理的及び/又は化学的高温処理を行った場合(請求項3に係る本発明の方法)の方が、順序が逆の場合よりも、単位汚泥当りの溶解性COD濃度と溶解性BOD濃度のいずれもが高い値を示しており、効率よく汚泥を分解できていることが分かる。
試験例1
用いる余剰汚泥の処理前の濃度を13000mg/Lとしたこと、及び物理的及び/又は化学的高温処理工程における加熱処理温度を種々変えたこと以外は、実施例3と同様にして行い、単位汚泥当りの溶解性COD濃度と溶解性BOD濃度とを測定した。結果をそれぞれ表2に示す。
Figure 0004456391
表2の結果によれば、物理的及び/又は化学的高温処理工程における加熱処理温度を上昇させるほど、汚泥を分解することができ、特に過熱処理温度が75〜78℃の場合に効率よく汚泥を分解できることが分かる。
試験例2
活性汚泥法による排水浄化処理施設より得た有機性余剰汚泥(汚泥濃度:14000mg/L)を、図2に示すような請求項3に係る本発明の方法により処理した。
即ち、まず食品工場排水処理設備の返送汚泥の一部をサンプリングし、その内、約3L程度を湿式ミル処理した。
湿式ミル処理は、Dyno-Mill KDL-A型(株式会社シンマルエンタープライゼス製)の湿式媒体攪拌式ミル(破砕部の容積:0.6L)を用い、ガラスビーズ径0.5mm、ガラスビーズ充填率80%、ディスク周速11m/s、滞留時間3分間、処理時の水温25℃という条件で行った。
次に、物理的及び/又は化学的高温処理を行った。より具体的には、図2に示すように、熱交換器6において、コジェネレーションシステム5から得た温水と有機性余剰汚泥の熱交換を行い、75℃に昇温後の有機性余剰汚泥を加温反応槽7に供給し1時間攪拌放置し、この間に有機性の余剰汚泥に対して物理的及び/又は化学的高温処理を施した。
しかる後、処理後の有機性余剰汚泥を曝気槽1に戻した。
このようにして所定期間運転を続けた後の汚泥量の変化を調べた。結果を図4に示す。
なお、曝気槽1の有効容積は10L、曝気槽1内汚泥濃度(MLSS)は約3500mg/Lであり、汚泥処理量は余剰汚泥量の3倍量であった。また、BOD供給量は3.55g/日、BOD汚泥負荷は0.10kg・BOD/kg・汚泥/日であり、汚泥転換率は28%であった。
図4によれば、請求項3に係る本発明の方法により湿式ミル処理後に物理的及び/又は化学的高温処理を行い分解された物質(汚泥)を活性汚泥中で微生物処理することにより、通常発生する余剰汚泥(菌体増殖分)を低減できることが分かる。
即ち、ブランク(汚泥処理なし)の場合には、BOD供給量合計45gに対して12g(BOD供給量に対して28%)の汚泥が発生したが、請求項3に係る本発明の方法により湿式ミル処理後に物理的及び/又は化学的高温処理を行い分解された物質(汚泥)を活性汚泥中で微生物処理した場合には、汚泥の発生量は僅か2g(BOD供給量に対して3%)であり、余剰汚泥の低減が確認できた。
本発明によれば、活性汚泥法による排水の浄化処理において大量に発生する有機性の余剰汚泥を、コジェネレーションシステムからの廃熱を利用して高温で処理することによって、大量のエネルギーロス発生を防ぎながら、極めて効率良く減量化する方法を提供することができる。
さらに、本発明によれば、化学薬品を使用せず、高温処理と湿式ミル処理のみによって効率良く有機性汚泥の可溶化を行えるため、化学薬品のコストを削減できると共に、化学薬品により環境を汚染することが無い。
従って、本発明によれば、エネルギー資源の保全や環境汚染の防止などに貢献することができる。
請求項1に係る本発明の方法の1例を示すフローシートである。 請求項2、3に係る本発明の方法の1例を示すフローシートである。 従来の活性汚泥処理設備の1例を示すフローシートである。 試験例2における汚泥量の変化を示すグラフである。
符号の説明
1 曝気槽
2 沈澱槽
3 クッションタンク
4 湿式ミル
5 コジェネレーションシステム
6 熱交換器
7 加温反応槽
8 原水調整槽
9 脱水機
10 スクリーン

Claims (2)

  1. 排水の活性汚泥処理から発生する有機性余剰汚泥を処理する方法において、該有機性余剰汚泥を、湿式ミル処理による破砕処理工程による処理に続いて、コジェネレーションシステムから排出される排熱を利用した物理的及び/又は化学的高温処理工程により処理した後、活性汚泥処理に戻すことを特徴とする有機性余剰汚泥の処理方法。
  2. コジェネレーションシステムから排出される排熱を利用した物理的及び/又は化学的高温処理工程における加熱処理温度が75℃以上である請求項1記載の有機性余剰汚泥の処理方法。
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