JPH0995668A - 蓄熱材組成物、その製造方法ならびに蓄熱装置の製造方法 - Google Patents
蓄熱材組成物、その製造方法ならびに蓄熱装置の製造方法Info
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- JPH0995668A JPH0995668A JP7252772A JP25277295A JPH0995668A JP H0995668 A JPH0995668 A JP H0995668A JP 7252772 A JP7252772 A JP 7252772A JP 25277295 A JP25277295 A JP 25277295A JP H0995668 A JPH0995668 A JP H0995668A
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Abstract
ム10水塩等の過冷却防止剤、水ガラス等のシリカ系増
粘剤および硫酸バリウムを含むことを特徴とする蓄熱材
組成物。水と水ガラスと塩酸とを混合して均一なpH7
〜8のゲル状物を調製し、得られたゲル状物に、無水硫
酸ナトリウム、過冷却防止剤および硫酸バリウムを任意
の順序で1種ずつ混合することを特徴とする蓄熱材組成
物の製造方法。[A]:筒状容器の底部および/または内
周面に、過冷却防止剤を充填する工程と、[B]:上記方
法で得られる蓄熱材組成物を上記筒状容器内に充填する
工程と、を含むことを特徴とする蓄熱装置の製造方法。 【効果】蓄熱・放熱効率に優れ、長期間繰返して使用で
きる蓄熱材組成物、その製造方法ならびにこのようにし
て得られる蓄熱材組成物を用いた蓄熱装置が得られる。
Description
方法ならびに蓄熱装置の製造方法に関し、さらに詳しく
は、蓄熱・放熱効率に優れ、長期間繰返して使用できる
蓄熱材組成物、その製造方法ならびにこのようにして得
られる蓄熱材組成物を用いた蓄熱装置の製造方法に関す
る。
物からなる蓄熱材が広く用いられている。例えば、電気
料金の安い夜間電力によって蓄熱材を加熱融解してエネ
ルギーを貯え、この蓄熱材が凝固するときに発生する凝
固熱(潜熱)を昼間の室内暖房に利用する室内暖房装置
が用いられている。
ム10水塩(ボウ硝)が知られており、さらにこの硫酸
ナトリウム10水塩に過冷却防止剤(核発生剤)として
のホウ酸ナトリウム10水塩(ホウ砂,ボラックス)を
配合してなる蓄熱材組成物が広く用いられている。この
硫酸ナトリウム10水塩とホウ酸ナトリウム10水塩と
からなる蓄熱材組成物は、理論的には約58kcal/
kgの潜熱を有しており、融解状態にあるこの蓄熱材組
成物は、凝固する際に長時間にわたって一定温度領域で
多量の熱を放出し、室内を快適な温度に保つことができ
る。
ナトリウム10水塩とからなる蓄熱材は、加熱融解−凝
固を多数回繰り返すと、蓄熱量が低下することがあっ
た。またこの蓄熱材は、上述のように潜熱の理論値が約
58kcal/kgであるが、実際には20〜40kc
al/kg程度の潜熱しか取り出すことができないとい
う問題点があった。
ウ酸ナトリウム10水塩とからなる蓄熱材について、よ
り多くの潜熱を取り出すべく鋭意検討したところ、この
蓄熱材にケイ素系増粘剤と硫酸バリウムとを配合するこ
とにより、そしてまた各成分を特定の方法で配合してな
る蓄熱材組成物は、優れた蓄熱材としての特性を有する
ことを見出した。
「過冷却防止剤、無水硫酸ナトリウム、水および硫酸カ
ルシウム2水塩を一括混合し攪拌することにより粘調な
組成物を得る工程を有することを特徴とする蓄熱材の製
造方法。」が開示されている。
「硫酸ナトリウム10水塩を主材とし、過冷却防止剤、
固液分離防止剤および増粘剤からなる蓄熱材組成物にお
いて、固液分離防止剤として水和性硫酸カルシウムを2
〜15重量%(該蓄熱材組成物中)、および増粘剤とし
てシリカ系増粘剤を添加することを特徴とする蓄熱
材。」が開示され、また、その実施例には、このような
蓄熱材の製法が記載されている。
製法では、均一に配合成分を混合することができず、そ
のため充分に優れた特性を有する蓄熱材を得ることがで
きないという問題点がある。
問題点を解決しようとするものであって、蓄熱材組成物
中の各成分が均一に混合され、大きな潜熱を取り出すこ
とができ、しかも長期間繰返して使用できる蓄熱材組成
物、その製造方法ならびに蓄熱装置の製造方法を提供す
ることを目的としている。
リウム10水塩、過冷却防止剤、シリカ系増粘剤および
硫酸バリウムを含むことを特徴としている。
リカ系増粘剤は水ガラスであることが好ましく、また過
冷却防止剤はホウ酸ナトリウム10水塩であることが好
ましい。
調節剤の無機塩(例:NaCl、KCl、NH4Cl、
NaNO3)などが含まれていても良い。本発明に係る
蓄熱材組成物の製造方法は、水と水ガラスと塩酸とを混
合して均一なpH7〜8のゲル状物を調製し、得られた
ゲル状物に、無水硫酸ナトリウム(無水ボウ硝)、過冷
却防止剤[例:ホウ酸ナトリウム10水塩(ホウ砂,ボ
ラックス)]および硫酸バリウム(BaSO4)を任意
の順序で1種ずつ混合することを特徴としている。
機塩を、水と水ガラスと塩酸とともに混合して均一なp
H7〜8のゲル状物を調製することが望ましい。本発明
に係る蓄熱装置の製造方法は、 [A]:筒状容器の底部および/または内周面に、過冷却
防止剤を充填する工程と、 [B]:水と水ガラスと塩酸と過冷却防止剤(例:ホウ酸
ナトリウム10水塩)とを混合して均一なゲル状物(溶
液)を調製し、得られたゲル状物に、無水硫酸ナトリウ
ム、過冷却防止剤および硫酸バリウムを任意の順序で1
種ずつ混合してなる蓄熱材組成物を上記筒状容器内に充
填する工程と、を含むことを特徴としている。
成物は、該組成物中の各成分が均一に混合されており、
蓄熱・放熱を繰り返し行っても、相分離せず、過冷却現
象が生ぜず、大きな潜熱を取り出すことができ、しかも
長期間繰返して使用できる。
置は、大きな潜熱を取り出すことができ、しかも長期間
繰返して使用できる。
物、その製造方法ならびに蓄熱装置の製造方法について
具体的に説明する。 [蓄熱材組成物]本発明に係る蓄熱材組成物は、硫酸ナ
トリウム10水塩、過冷却防止剤、シリカ系増粘剤およ
び硫酸バリウムを含んでいる。
リカ系増粘剤は水ガラスであることが好ましく、また過
冷却防止剤はホウ酸ナトリウム10水塩であることが好
ましい。
調節剤の無機塩(例:NaCl、KCl、NH4Cl、
NaNO3)などが含まれていても良い。このような本
発明に係る蓄熱材組成物では、該組成物100重量%中
に、硫酸ナトリウム10水塩は、通常、65〜90重量
%、好ましくは75〜85重量%の量で、過冷却防止剤
は、通常、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜1
0重量%の量で、シリカ系増粘剤は、通常、0.2〜2
0重量%、好ましくは1〜10重量%の量で、および硫
酸バリウムは、通常、0.1〜10重量%、好ましくは
0.5〜5重量%の量で含まれていることが望ましい。
また、このような蓄熱材組成物には、該組成物100重
量%中に、さらに、融点調節剤としての無機塩は、通
常、0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜5重量%、
さらに好ましくは0.5〜3重量%の量で含まれている
ことが好ましい。
成物では、該組成物中の各成分が均一に混合されてお
り、蓄熱・放熱を繰り返し行っても、相分離せず、過冷
却現象が生ぜず、大きな潜熱を取り出すことができ、し
かも長期間繰返して使用できる。
について説明する。 [蓄熱材組成物の製造方法]本発明に係る蓄熱材組成物
の製造方法では、まず、水とシリカ系増粘剤[例:水ガ
ラス(Na2O・nSiO2,n=2〜4)]と塩酸(HC
l)とを混合して均一でpH7〜8好ましくはpH7.
1〜7.6のゲル状物(溶液)を調製する。
する際には、通常10〜60℃の温度で1分〜1時間、
好ましくは20〜50℃の温度で1分〜0.5時間攪拌
することが望ましい。
る無水硫酸ナトリウムと結合して硫酸ナトリウム10水
塩(ボウ硝,Na2SO4・10H2O)を形成でき、また
後述するように過冷却防止剤として用いられる無水ホウ
酸ナトリウムと結合してホウ酸ナトリウム10水塩を形
成できるような量で用いられる。このような水の量は、
例えば用いられる塩酸の濃度、量などによっても調整可
能であり一概に決定されないが、得られる蓄熱材組成物
中に、通常20〜70重量%、好ましくは40〜60重
量%、さらに好ましくは45〜55重量%となるような
量で用いられることが望ましい。
組成物の増粘などに寄与し該蓄熱材組成物中における含
有量が通常0.2〜20重量%、好ましくは1〜10重
量%、さらに好ましくは2〜7重量%となるような量
で、換言すればSiO2量に換算して、蓄熱材組成物中
における含有量が0.06〜6重量%となるような量で
用いられることが望ましい。但し、本明細書中で、水ガ
ラス量は、44%濃度のNa2O・2SiO2量に換算し
た値である。
し、水ガラスの塩基成分を中和し得る量で用いればよい
が、より具体的には得られる蓄熱材組成物中における含
有量が、35%塩酸に換算して通常0.1〜10重量
%、好ましくは0.5〜5重量%、さらに好ましくは1
〜3.5重量%となるような量で用いられることが望ま
しい。
ラスと塩酸とを混合して均一なpH7〜8のゲル状物
(溶液)を調製するが、この際に融点調節剤を添加混合
してもよく、また、後述するように、得られたゲル状物
に添加混合してもよい。このような融点調節剤として
は、上述したようにNaCl等の無機塩が挙げられ、本
発明においては、このような融点調節剤を1種または2
種以上配合してもよい。このような融点調節剤は、蓄熱
材組成物中における含有量が、通常0.1〜5重量%、
好ましくは0.5〜3重量%となるような量で用いられ
ることが好ましい。
して得られたゲル状物(溶液)であるシリカ系増粘剤
に、無水硫酸ナトリウム(無水ボウ硝)、過冷却防止剤
および硫酸バリウム(BaSO4)を任意の順序で1種
ずつ混合する。換言すれば、本発明においては、無水硫
酸ナトリウム(無水ボウ硝)と、過冷却防止剤と、硫酸
バリウムのうちの何れか1種と、上記のようにして得ら
れたゲル状物(溶液)とを混合した後、残る2種のうち
の何れか1種と混合し、次いで最後に残った1種と混合
する。
防止剤(例:ホウ酸ナトリウム10水塩)と、硫酸バリ
ウムのうちの何れか1種、例えば無水硫酸ナトリウム
と、上記ゲル状物(溶液)とを混合するには、通常、1
0〜60℃の温度で1分〜1時間、好ましくは20〜5
0℃の温度で1分〜0.5時間攪拌することが望まし
い。
ナトリウムとの混合物を、例えば過冷却防止剤としての
ホウ酸ナトリウム10水塩と混合するには、通常10〜
60℃の温度で1分〜1時間、好ましくは20〜50℃
の温度で1分〜0.5時間攪拌することが望ましい。
ムと、過冷却防止剤としてのホウ酸ナトリウム10水塩
との混合物に、硫酸バリウムを混合するには、通常10
〜60℃の温度で1分〜2時間、好ましくは20〜50
℃の温度で10分〜1時間攪拌することが望ましい。
液)への無水硫酸ナトリウムと、過冷却防止剤と、硫酸
バリウムとの添加混合順序を適宜変えることができる
が、その場合にも、それぞれ添加混合すべき化合物に対
応した上記条件を採用することができる。また、上記混
合操作は、いずれも通常では常圧下に行われるが、特に
このような態様に限定されない。
0重量%、好ましくは20〜45重量%、さらに好まし
くは25〜40重量%の量で用いられることが望まし
い。なお、本発明においては前述した水と、この無水硫
酸ナトリウムとは、その重量比[水/無水硫酸ナトリウ
ム]が通常1.27〜2(モル比では10〜15)となるよ
うな量で用いられる。また、本発明においては、上記無
水硫酸ナトリウムに代えて、硫酸ナトリウム10水塩
(ボウ硝,Na2SO4・10H2O)を用いることがで
き、その場合には、上記した水の量を減らすことができ
る。
ナトリウムは、水と結合して硫酸ナトリウム10水塩と
なり蓄熱材組成物の主材として蓄熱・放熱に寄与する。
過冷却防止剤としては、例えば、ホウ酸ナトリウム10
水塩(ホウ砂,ボラックス)、無水ホウ酸ナトリウム等
が挙げられる。このような過冷却防止剤は、得られた蓄
熱材組成物冷却時の結晶化の核(核発生剤)となり、硫
酸ナトリウム10水塩の微細結晶化を促進し、過冷却防
止に寄与し、蓄熱材組成物中におけるその含有量Zが、
通常0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量
%、さらに好ましくは1〜5重量%となるような量で用
いられることが望ましい。なお、本発明においては、上
記のようにホウ酸ナトリウム10水塩に代えて、無水ホ
ウ酸ナトリウムと水とを用いることができるが、この場
合には、上記水の量を増加させればよい。
防止剤の一部X[例:Zの5〜45重量%]を筒状容器
内の底部などに偏在させ、過冷却防止剤の残部Y[例:
蓄熱容器内の過冷却防止剤総量Zの95〜55重量%]
を他の配合成分と混合して蓄熱材組成物として筒状容器
内の底部等以外の部分に充填する場合がある。このよう
な場合には、筒状容器内の底部以外の部分に充填される
蓄熱材組成物中における過冷却防止剤の含有量が、上記
過冷却防止剤総量Zから、筒状容器内の底部などに偏在
させる分Xを差し引いた量(Z−X)となるような量
で、上記過冷却防止剤は蓄熱材組成物調製時に用いられ
る。
ける過冷却防止剤としてのホウ酸ナトリウム10水塩総
量が、蓄熱容器内に充填される蓄熱材全量の10重量%
であり、このホウ酸ナトリウム10水塩総量の20重量
%(蓄熱材全量中では2重量%に相当)が筒状容器底部
に偏在する場合には、蓄熱材組成物中におけるホウ酸ナ
トリウム10水塩の量が蓄熱材全量の8重量%となるよ
うな量のホウ酸ナトリウム10水塩を蓄熱材組成物調製
時に用いればよい。
過冷却防止などに寄与し、蓄熱材組成物中における含有
量が、通常、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜
5重量%となるような量で用いられることが望ましい。
この硫酸バリウムの量が0.1重量%未満では、得られ
る蓄熱材組成物の過冷却防止効果が充分でなく、また1
0重量%以上では、得られる蓄熱材組成物の蓄熱量が低
下する虞れがある。
る際に、融点調節剤を用いることができ、このような融
点調節剤は、前述したように水と水ガラスと塩酸とを混
合して均一なpH7〜8のゲル状物を調製する際に用い
てもよく、得られたゲル状物に添加混合してもよく、さ
らにはゲル状物調製時とゲル状物調製後の両方に分けて
添加混合してもよい。得られたゲル状物に融点調節剤を
添加混合する場合には、このゲル状物に、上記無水硫酸
ナトリウムと過冷却防止剤と硫酸バリウムとこの融点調
節剤とを任意の順序で1種ずつ混合すればよい。
は、製造時に用いられた各成分すなわち水、水ガラス、
塩酸、過冷却防止剤、無水硫酸ナトリウムおよび硫酸バ
リウム(および必要に用いられる融点調節剤)が混合さ
れ、例えば、無水硫酸ナトリウムは、水と結合して硫酸
ナトリウム10水塩となっており、また過冷却防止剤と
して用いられた無水ホウ酸ナトリウムは、水と結合して
ホウ酸ナトリウム10水塩(ボウ硝)となっており、蓄
熱・放熱を繰り返し行っても、相分離せず、過冷却現象
が生ぜず、大きな潜熱を取り出すことができ、しかも長
期間繰返して使用できる。 [蓄熱装置の製造方法]次に、本発明に係る蓄熱装置の
製造方法について図面を参照しつつ具体的に説明する。
なお、図中、同一符号は同一部材を示す。
施例により得られる蓄熱装置の縦断面図である。図2、
図4は、それぞれ図1、図3に示す蓄熱装置の[A]−
[A]線方向断面図である。
底部(端面)6に、ホウ酸ナトリウム10水塩(ボラッ
クス)が偏在し、かつ筒状容器2内の残るスペースに
は、上記の製造方法により得られた蓄熱材組成物3が充
填されている。なお、図1においては、該組成物中にも
含まれているホウ酸ナトリウム10水塩が、筒状容器2
内の一方の端面6に偏在している態様が示されている
が、このホウ酸ナトリウム10水塩は、筒状容器内の他
方の端面6Aまたは内周面9に偏在していてもよい。
記のような蓄熱装置1を以下のようにして製造してい
る。すなわち、本発明に係る蓄熱装置の製造方法では、 [A]:筒状容器2の底部6および/または内周面9に、
過冷却防止剤[例:ホウ酸ナトリウム10水塩(ホウ
砂,ボラックス)]を充填する工程と、 [B]:水と水ガラスと塩酸とを混合して均一なpH7〜
8のゲル状物(溶液)を調製し、得られたゲル状物に、
無水硫酸ナトリウム(無水ボウ硝)、過冷却防止剤、お
よび硫酸バリウム(BaSO4)を任意の順序で1種ず
つ混合してなる蓄熱材組成物3を上記筒状容器2内に充
填する工程とを含んでいる。
状容器の底部6および/または内周面9に、過冷却防止
剤を充填し、次いで、[B]:上記蓄熱材組成物の製造方
法で得られた蓄熱材組成物3を残るスペースに充填する
か、あるいは、上記[B]工程を行った後に[A]工程を行っ
てもよく、[A]工程と[B]工程とを同時に行ってもよい。
なおこのように[A]工程と[B]工程とを同時に行なうに
は、例えば、一方端側から筒状容器の底部6に、過冷却
防止剤を充填し、他方端6A側から上記の製造方法で得
られた蓄熱材組成物3を充填すればよい。この[B]工程
で用いられる蓄熱材組成物は、前記蓄熱材組成物の製造
方法により得られる。
内に充填される過冷却防止剤の一部Xは、筒状容器内底
部6に偏在しており、残部は、蓄熱材組成物3中に含ま
れているが、この図1に示す蓄熱装置1では、筒状容器
2内に充填されている過冷却防止剤総量Zの5〜45重
量%、好ましくは10〜40重量%を筒状容器2の底部
6に偏在させるように上記[A]工程で充填し、この過冷
却防止剤の残部Y(=Z−X)を他の配合成分とともに
蓄熱材組成物3として上記[B]工程で充填することが好
ましい。
部が筒状容器2内の一方の端面6に偏在されており、し
かも過冷却防止剤の残部は、無水硫酸ナトリウム等の他
の配合成分と共に均一に混合されて蓄熱材組成物3とし
て充填されていると、過冷却防止剤の結晶は、硫酸ナト
リウムが水と結合して硫酸ナトリウム10水塩として凝
固する際の核となり、蓄熱材組成物全体を速やかに結晶
化(凝固)させることができる。このような蓄熱装置1
では、大きな潜熱を取り出すことができ、しかも長期間
繰返して使用できる。
うに、過冷却防止剤例えばホウ酸ナトリウム10水塩の
一部が筒状容器2の一方の端面6に偏在し、ホウ酸ナト
リウム10水塩の残部は、他の配合成分とともに蓄熱材
組成物3として筒状容器2内の残余のスペースに充填さ
れる態様を示したが、筒状容器2内全体に、上記の方法
で得られる蓄熱材組成物3が充填されていてもよい(図
示せず)。このように筒状容器2内全体に、本発明によ
り得られる蓄熱材組成物3が充填される場合には、ホウ
酸ナトリウム10水塩等の過冷却防止剤は、その全量を
蓄熱材組成物の調製時に用いればよい。
2は、図1に示すように両末端が封止された円筒状であ
ってもよく、また、図3に示すように、筒状容器2内
に、筒状容器2とほぼ同じ長さの筒状中空芯材15が、
筒状容器2と同心円状に配置されていてもよい。この図
3に示す蓄熱装置1では、断面円形状の筒状容器2と筒
状中空芯材15との間隙11に蓄熱材組成物3が充填さ
れる。なお、該筒状容器内周面9と該筒状中空芯材外周
面との径方向距離Dは、5〜25mm、好ましくは10
〜20mmであることが望ましい。
軟性があり、例えば床等に埋め込んで使用できるように
耐腐食性も有することが好ましく、このような材料とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、アクリ
ル樹脂、塩化ビニル、アルミ、銅、鉄、ステンレス等が
挙げられるが、アクリル樹脂またはポリプロピレン(P
P)が好ましい。このような筒状容器2用の材料は、筒
状中空芯材15用の材料としても用いられる。また、本
発明において用いられる筒状容器および筒状中空芯材1
5は、断面形状が楕円状であってもよい。また、このよ
うな筒状容器2の端面を含む外周面7は、ポリプロピレ
ン(PP)等からなる筒状容器の外周面にセラミック材
配合塗料を塗布する等の方法にて粗面化されるなど伝熱
面積が大きくなっていることが好ましく、該外周面7に
は、放熱板が設けられていてもよい。
蓄熱材組成物中の各配合成分は均一に混合されており、
しかも蓄熱材組成物3は円筒状に充填されており、筒状
中空芯材部分(すなわち筒状容器2の中心部)には存在
しないため、相分離等が起こることなく蓄熱材組成物3
は効率的に凝固し、蓄熱装置1内に貯えられた大きな潜
熱を取り出すことができる。しかも、この蓄熱装置1で
は、筒状中空芯材15内の空隙12に液体(例:水)等
の熱媒体、あるいはヒータ13を通すことも可能である
ため、筒状容器内周面方向と筒状中空芯材の外周面方向
との両方向から筒状容器2の中心部に向かって、相分離
等が起こることなく蓄熱材組成物は効率的に凝固し、蓄
熱装置1内に貯えられた潜熱を取り出すことができる。
えば、屋内の床下にセットされる。
リウム10水塩と過冷却防止剤とシリカ系増粘剤と硫酸
バリウムとからなるため、蓄熱・放熱を繰り返し行って
も、相分離せず、過冷却現象が生ぜず、大きな潜熱を取
り出すことができ、しかも長期間繰返して使用できる。
より得られた蓄熱装置では、大きな潜熱を取り出すこと
ができ、しかも長期間繰返して使用できる。
ならびに蓄熱装置の製造方法について実施例に基づいて
さらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
により何等制限されるものではない。
塩酸とを40℃で0.5時間混合して均一なpH7.5
のゲル状物(溶液)を調製した。
酸ナトリウム(無水ボウ硝)を加えて40℃で0.1時
間混合し、次いでホウ酸ナトリウム10水塩(ボラッ
クス)を加えて40℃で0.1時間混合し、さらに硫
酸バリウムを加えて40℃で0.5時間混合して蓄熱材
組成物を製造した。
(内径D:15mm,肉厚:2.5mm,長さL:12
00mm)内に充填して蓄熱装置を製造した。この蓄熱
装置内の蓄熱材組成物を常温(25℃)から28℃に昇
温させた後、元の温度まで降温させる操作を5000回
行ない相分離の発生、蓄熱・放熱を測定した。
上記蓄熱装置では、上記のような蓄熱・放熱を繰り返し
行っても、相分離せず、過冷却現象が生ぜず、大きな潜
熱を取り出すことができ、しかも長期間繰返して使用で
きることが確認された。
塩酸と融点調節剤としてのNaClとを40℃で0.5
時間混合して均一なpH7.5のゲル状物(溶液)を調
製した。
酸ナトリウム(無水ボウ硝)を加えて40℃で0.1時
間混合し、次いでホウ酸ナトリウム10水塩(ホウ
砂,ボラックス)を加えて40℃で0.1時間混合し、
さらに硫酸バリウムを加えて40℃で0.5時間混合
して蓄熱材組成物を製造した。
装置を製造し、実施例1と同様の試験を行った。
た。
を40℃で0.5時間混合して均一なpH7.5のゲル
状物(溶液)を調製し、得られたゲル状物に無水硫酸
ナトリウム(無水ボウ硝)を加えて40℃で0.1時間
混合した後、ホウ酸ナトリウム10水塩(ボラック
ス)を加えて40℃で0.1時間混合し、次いで硫酸
バリウムを加えて40℃で0.1時間混合し、さらに
融点調節剤(NaCl)を加えて40℃で0.5時間混
合して蓄熱材組成物を製造した以外は、実施例1と同様
にして蓄熱装置を製造し、実施例1と同様の試験を行っ
た。
た。
分の配合量を下記のように変えた以外は、実施例1と同
様にして蓄熱装置を製造し、実施例1と同様の試験を行
った。
た効果が得られた。その他の点は実施例2と同様であ
る。 [蓄熱材組成物の配合組成] 水(H2O) ・・・・47.04重量部 無水硫酸ナトリウム(無水ボウ硝,Na2SO4) ・・35.93重量部 硫酸バリウム ・・・ 1.0重量部 ホウ酸ナトリウム10水塩(ボラックス,Na2B4O7・10H2O) ・・・・3.0重量部 水ガラス(44%Na2O・2SiO2) ・・・・8.62重量部 塩酸(35%HCl) ・・・・4.35重量部 食塩(NaCl) ・・・・0.06重量部 (蓄熱材組成物合計100重量部)
分の配合量を下記のように変えた以外は、実施例3と同
様にして蓄熱装置を製造し、実施例3と同様の試験を行
った。
た効果が得られた。その他の点は実施例3と同様であ
る。 [蓄熱材組成物の配合組成] 水(H2O) ・・・・47.04重量部 無水硫酸ナトリウム(無水ボウ硝) ・・35.93重量部 硫酸バリウム ・・・ 1.0重量部 ホウ酸ナトリウム10水塩(ボラックス) ・・・・3.0重量部 水ガラス(44%Na2O・2SiO2) ・・・・8.62重量部 塩酸(35%HCl) ・・・・4.35重量部 食塩(NaCl) ・・・・0.06重量部 (蓄熱材組成物合計100重量部)
融点調節剤としてのNaClとを40℃で0.5時間混
合して均一なpH7.5のゲル状物(溶液)を調製し
た。
酸ナトリウム(無水ボウ硝)とを40℃で0.1時間混
合した後、硫酸バリウムを加えて40℃で0.1時間
混合し、次いで、下記の量の2/3(2.0重量部)の
ホウ酸ナトリウム10水塩(ボラックス)を加えて4
0℃で0.5時間混合して蓄熱材組成物[b-1]を調製
した。
に、残部(1.0重量部)のホウ酸ナトリウム10水塩
(ボラックス)を充填した。得られたホウ酸ナトリウム
10水塩入り筒状容器内に、上記蓄熱材組成物[b-1]
を充填して、蓄熱装置を製造した。
験を行なった。その結果、実施例2よりも速やかに結晶
化が進行した。 [蓄熱材の配合組成] 水(H2O) ・・・・47.04重量部 無水硫酸ナトリウム(無水ボウ硝,Na2SO4) ・・35.93重量部 硫酸バリウム ・・・ 1.0重量部 ホウ酸ナトリウム10水塩(ボラックス,Na2B4O7・10H2O) ・・・・3.0重量部(但し、底部に1.0重量部偏 在し、残る2.0重量部は、他の配合成分と均一に混ざっている。) 水ガラス(44%Na2O・2SiO2) ・・・・8.62重量部 塩酸(35%HCl) ・・・・4.35重量部 食塩(NaCl) ・・・・0.06重量部 (蓄熱材合計100重量部)
スと塩酸とを40℃で0.5時間混合して均一なpH
7.5のゲル状物(溶液)を調製した。
の無水硫酸ナトリウム(無水ボウ硝)を加えて40℃
で0.1時間混合し、次いで硫酸バリウムを加えて4
0℃で0.1時間混合し、次いで融点調節剤(NaC
l)を加えて40℃で0.1時間混合し、さらに2.0
重量部のホウ酸ナトリウム10水塩(ホウ砂,ボラッ
クス)を加えて40℃で0.5時間混合して、蓄熱材組
成物[b-2]を調製した。
に、残部(1.0重量部)のホウ酸ナトリウム10水塩
(ホウ砂,ボラックス)を充填した。得られたホウ酸ナ
トリウム10水塩入り筒状容器内に、上記蓄熱材組成物
[b-2]を充填して、蓄熱装置を製造した。
験を行なったところ、実施例3よりも速やかに結晶化が
進行した。
合量を実施例4と同様とした以外は、実施例6と同様に
して蓄熱装置を製造した。
験を行なたところ、実施例4よりも速やかに結晶化が進
行し、また耐久性にも優れていた。
合量を実施例5と同様とした以外は、実施例7と同様に
して蓄熱装置を製造した。
験を行なったところ、実施例5よりも速やかに結晶化が
進行し、また耐久性にも優れていた。
ゲル状物への無水硫酸ナトリウム(無水ボウ硝)と
ホウ酸ナトリウム10水塩(ボラックス)の添加混合順
序を温度、時間等の条件とともに入れ換えた以外は、そ
れぞれ実施例2〜5と同様にして蓄熱装置を製造した。
験を行なったところ、それぞれ対応する実施例2〜5と
同様の結果が得られた。
ゲル状物への無水硫酸ナトリウム(無水ボウ硝)と
ホウ酸ナトリウム10水塩(ボラックス)の添加混合順
序を温度、時間等の条件とともに入れ換えた以外は、そ
れぞれ実施例6〜9と同様にして蓄熱装置を製造した。
験を行なったところ、それぞれ対応する実施例6〜9と
同様の結果が得られた。
断面図である。
線方向断面図である。
の縦断面図である。
線方向断面図である。
向距離 S・・・・・・ 筒状容器内径。
Claims (6)
- 【請求項1】硫酸ナトリウム10水塩、過冷却防止剤、
シリカ系増粘剤および硫酸バリウムを含むことを特徴と
する蓄熱材組成物。 - 【請求項2】シリカ系増粘剤が水ガラスであることを特
徴とする請求項1に記載の蓄熱材組成物。 - 【請求項3】過冷却防止剤がホウ酸ナトリウム10水塩
であることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄熱
材組成物。 - 【請求項4】水と水ガラスと塩酸とを混合して均一なp
H7〜8のゲル状物を調製し、 得られたゲル状物に、 無水硫酸ナトリウム、過冷却防止剤および硫酸バリウム
を任意の順序で1種ずつ混合することを特徴とする蓄熱
材組成物の製造方法。 - 【請求項5】融点調節剤としての無機塩を、水と水ガラ
スと塩酸とともに混合して均一なpH7〜8のゲル状物
を調製することを特徴とする請求項4に記載の蓄熱材組
成物の製造方法。 - 【請求項6】[A]:筒状容器の底部および/または内周
面に、過冷却防止剤を充填する工程と、 [B]:水と水ガラスと塩酸とを混合して均一なpH7〜
8のゲル状物を調製し、 得られたゲル状物に、 無水硫酸ナトリウム、過冷却防止剤および硫酸バリウム
を任意の順序で1種ずつ混合してなる蓄熱材組成物を上
記筒状容器内に充填する工程と、を含むことを特徴とす
る蓄熱装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7252772A JP2659350B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 蓄熱材組成物、その製造方法ならびに蓄熱装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP7252772A JP2659350B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 蓄熱材組成物、その製造方法ならびに蓄熱装置の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0995668A true JPH0995668A (ja) | 1997-04-08 |
JP2659350B2 JP2659350B2 (ja) | 1997-09-30 |
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JP7252772A Expired - Fee Related JP2659350B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 蓄熱材組成物、その製造方法ならびに蓄熱装置の製造方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006225474A (ja) * | 2005-02-16 | 2006-08-31 | Sk Science Kk | 蓄熱材 |
JP2008142577A (ja) * | 2006-12-05 | 2008-06-26 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | デンプン発酵物存在下で廃液を処理する方法及び該処理方法に用いる薬剤 |
WO2015163200A1 (ja) * | 2014-04-24 | 2015-10-29 | シャープ株式会社 | 蓄熱部材の製造方法 |
JP2021161228A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 株式会社カネカ | 無機系潜熱蓄熱材組成物 |
-
1995
- 1995-09-29 JP JP7252772A patent/JP2659350B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2008142577A (ja) * | 2006-12-05 | 2008-06-26 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | デンプン発酵物存在下で廃液を処理する方法及び該処理方法に用いる薬剤 |
WO2015163200A1 (ja) * | 2014-04-24 | 2015-10-29 | シャープ株式会社 | 蓄熱部材の製造方法 |
JP2021161228A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 株式会社カネカ | 無機系潜熱蓄熱材組成物 |
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