JP2008141283A - 回り込みキャンセル装置および回り込みキャンセル方法 - Google Patents

回り込みキャンセル装置および回り込みキャンセル方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008141283A
JP2008141283A JP2006322892A JP2006322892A JP2008141283A JP 2008141283 A JP2008141283 A JP 2008141283A JP 2006322892 A JP2006322892 A JP 2006322892A JP 2006322892 A JP2006322892 A JP 2006322892A JP 2008141283 A JP2008141283 A JP 2008141283A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sneak
phase rotation
filter coefficient
unit
rotation amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006322892A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4953782B2 (ja
Inventor
Hidekuni Yomo
英邦 四方
Masanori Kunieda
賢徳 國枝
Keiji Kawai
慶士 河合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2006322892A priority Critical patent/JP4953782B2/ja
Publication of JP2008141283A publication Critical patent/JP2008141283A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4953782B2 publication Critical patent/JP4953782B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Radio Relay Systems (AREA)

Abstract

【課題】簡易な演算処理により追従性を向上する回り込みキャンセル装置等を得る。
【解決手段】回り込みキャンセル装置10は、受信アンテナ101からの入力信号から、送受信アンテナ101、115間の回り込みをキャンセルするための回り込み信号を減算する減算部105と、減算後の入力信号に基づきフィルタ係数に応じた回り込み信号の複製を生成するFIRフィルタ106と、減算後の入力信号に基づいて回り込み伝送路の特性を推定する伝送路推定部107と、回り込み伝送路の特性に基づいて回り込み特性を推定する回り込み推定部108と、回り込み特性に基づいてフィルタ係数を生成して更新する係数更新部109と、更新前のフィルタ係数と更新後のフィルタ係数との位相回転量を算出して位相回転量に基づいて当該フィルタ係数をFIRフィルタ106に設定させる位相回転部111とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式による回り込み波をキャンセルする回り込みキャンセラ装置に関するものである。
OFDM方式は、遅延波の影響を受けにくく、単一周波数によるデジタル放送ネットワーク、すなわち放送波中継SFN(Single Frequency Network)に適用することが知られている。しかし、放送波中継SFNを実現する場合、送信アンテナから発射される電波が、受信アンテナに回り込み、伝送路特性の劣化や増幅器の発振などの問題を引き起こすことがある。
一般的には、このような回り込み対策として、次のような方法が採用されている。第1の方法は、まず、受信したOFDM信号から、回り込み伝送路の周波数特性を推定する。続いて、推定した回り込み伝送路の周波数特性データをIFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)して時間軸のインパルス応答データに変換する。次に、そのインパルス応答データをフィルタ係数として、トランスバーサルフィルタに設定する。そして、回り込み波の複製信号を作成して、受信した信号からその複製信号を減算し、回り込みをキャンセルする手法が公知である。この場合の回り込みキャンセラ装置は、図10に示すように構成され、回り込み波f2をキャンセルする(例えば、特許文献1)。
第2の方法は、まず、複数のシンボルに対してスキャッタードパイロット(SP)信号を蓄積する。続いて、最小の高速離散フーリエ変換(FFT)ポイント数でフーリエ変換して折り返し成分を除去する。そして、逆高速離散フーリエ変換(IFFT)する。このようにして、回り込み伝送路の周波数特性をチャネル帯域全体にわたって推定し、SP信号間の周波数特性を補間する(例えば、特許文献2)。
従来、このような状況下において、キャンセル動作を追従して回り込み対策を行う方法として、第3および第4の方法が採用されている。周り込み伝送路の時間的な変動にキャンセル動作を追従させる方法である。具体的には、第3の方法は、過去のフィルタ計数の変化量から現在の回り込み特性を予測する。これにより、回り込み波に時間的な変動がある場合においても、その変動に対する追従特性の低下を抑える(例えば、特許文献3)。
第4の方法は、予測回路の予測係数を適応的に制御して、追従特性を向上させる(例えば、特許文献4)。
特願2002‐98598号公報 特願2003‐343412号公報 特願2000‐156549号公報 特願2003−314736号公報
しかしながら、特許文献3および4に記載の方法においては、フィルタ係数の演算を簡易にして伝送路の変動に対する追従性を向上させることが望まれていた。
特許文献3に記載の方法では、フィルタ係数間の差分ベクトルに基づいて線形結合による予測を行う。そして、予測後のフィルタ係数に応じて、図11の振幅dおよび位相Δθの双方が変化する。このため、図11に示すように、回り込み伝送路の変動が、同心円状に回転している場合、予測後のフィルタ係数w(n)が、円の外側に膨らむような方向、すなわち、実際よりも振幅が増える方向に予測される。したがって、実際の伝搬路などにおいて適用した場合には、十分な性能を得ることが困難である。
特許文献4に記載の方法では、線形結合の係数(重み付け係数)を適応的に制御して、予測精度を高める。具体的には、遅延波ごとの振幅や位相が刻々、変化することに着目して、個々のフィルタ係数ごとに線形結合の係数(重み付け係数)を適応的に制御する。適応制御のアルゴリズムとして、行列演算など、比較的演算量の多い処理を行うものを用いる。このため、個々のフィルタ係数ごとに行列演算が必要となり、回路規模が比較的大きくなる。
そこで、簡易な演算処理により追従性を向上することが望まれていた。
本発明によれば、簡易な演算処理により追従性を向上することができる。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る回り込みキャンセラ装置10の構成例を示すブロック図である。ここでは、FIRフィルタのフィルタ係数を所定の更新間隔でフィルタ係数の位相回転量を補償する場合について説明する。所定の更新間隔は、受信信号(例えばSP:ScatteredPilot: スキャッタードパイロット信号など)の複数のシンボル区間としても1シンボル区間としてもよい。
図1において、回り込みキャンセラ装置(以下、キャンセラ装置という)10は、受信アンテナ(受信系統)101、受信変換部102、AGC(Auto Gain Control:自動利得制御部)103、A/D(Analog to Digital)変換部104、減算部105、FIR(Finite Impulse Response:有限インパルス応答)フィルタ106および伝送路推定部107を有する。さらに、キャンセラ装置10は、回り込み推定部108、係数更新部109、遅延部110、位相回転部111、D/A(Digital to Analog)変換部112、送信変換部113、PA(Power Amplifier:電力増幅)部114および送信アンテナ115を有する。
受信アンテナ101は、無線周波数帯の信号(例えばOFDM信号)を受信する。この受信信号としては、例えば、不図示の親局からの親局波(入力信号)f1や、送受信アンテナ101、115間の回り込み波f2がある。なお、回り込み波は、ハウリングやエコーなどの遅延波を含むものとする。
受信変換部102は、受信アンテナ101で受信された無線周波数帯の信号(親局波f1および回り込み波f2を含む)を増幅する。そして、受信変換部102は、不要帯域の成分を除去して中間周波数帯にダウンコンバートする。上記増幅方法として、例えば増幅器を用いる。また、上記除去方法として、例えば、帯域フィルタを用いる。
AGC103は、A/D変換部104に対して、量子化雑音およびダイナミックレンジを超過することによる雑音が最も小さくなるようなレベルに制御する。なお、A/D変換部104は、例えば、A/Dコンバータである。
減算部105は、A/D変換部104によりデジタル化された信号を入力し、この信号から、キャンセル信号を減算する。キャンセル信号は、送受信アンテナ101、115間の回り込み波f2をキャンセルするための信号である。これにより、親局波f1の入力信号が取り出される。
そして、減算部105は、減算した入力信号を、FIRフィルタ(複素FIRフィルタ)106、伝送路推定部107およびD/A変換部112に出力する。
D/A変換部112は、減算部105の出力信号をアナログ信号に変換して送信変換部113に出力する。
送信変換部113は、D/A変換部112の出力信号を無線周波数帯にアップコンバートしてPA部114に出力する。PA部114は、アップコンバートされた信号を増幅して、送信アンテナ115を通して空中に放射させる。これにより、回り込み波f2が生じて受信アンテナ101に回りこむこととなる。
FIRフィルタ106は、減算部105の出力信号、すなわち回り込みがキャンセルされた主として親局波f1の信号を入力とし、その信号に基づき、回り込み信号の複製を生成して減算器105に出力する。FIRフィルタ106は、所定の更新間隔ごとに後述するフィルタ係数(フィルタタップ係数値)が更新される。
伝送路推定部107は、減算部105において減算された入力信号(回り込み波がキャンセルされた主として親局波f1の信号)を入力し、その入力信号に基づいて、回り込み伝送路の特性を推定する。
なお、この推定方法として、FFTによって周波数領域に変換し、伝送路の周波数特性を推定する方法が一般的に用いられている(特許文献2参照)。伝送路推定部107における推定は、所定の更新間隔ごとに行われる。
そして、伝送路推定部107は、回り込み伝送路の特性を回り込み推定部108に出力する。
回り込み推定部108は、伝送路推定部107において推定された回り込み伝送路の周波数特性と理想的な回り込みのない周波数特性との誤差を求めることで、回り込み特性を推定する。回り込み特性は、減算部105の出力、すなわちキャンセル後の信号の回り込み残差ε(n)を表す。なお、nは残差の出力順位を示す。
回り込み推定部108における推定は、所定の更新間隔ごとに行われる。
そして、回り込み推定部108は、推定された回り込み周波数特性をIFFTによって時間領域に変換し、係数更新部109に出力する。
係数更新部109は、回り込み推定部108において推定された回り込み特性を入力し、この回り込み特性に基づいて、FIRフィルタ106のフィルタ係数を生成して更新する。
具体的には、図2に示すように、係数更新部109は、係数乗算部1091、加算部1092および遅延部1093を含んで構成されている。
係数乗算部1091は、回り込み推定部108から、更新時(n回目)の回り込み特性ε(n)を入力し、ε(n)に更新係数bを乗算する。そして、加算部1092に出力する。bは、ε(n)を打ち消すような係数であり、0<b≦1を満たす。bは動的に制御することも可能であるが、一般的には固定値を用いる。
加算部1092は、係数乗算部1091の出力すなわちbε(n)と、遅延部1093から取得された1回前の(n−1)回目のフィルタ係数c(n−1)とを加算する。この加算値が、更新したn回目のフィルタ係数c(n)として生成される。そして、加算部1092は、フィルタ係数c(n)を位相回転部111に出力する。このようにして、フィルタ係数が繰り返し生成され、新規のフィルタ係数として更新される。
図1に戻り、位相回転部111は、係数更新部109において更新されたフィルタ係数を入力し、このフィルタ係数の位相回転量を算出する。
そして、位相回転部111は、更新前のフィルタ係数と更新後のフィルタ係数との位相回転量を算出して、位相回転量に基づいて当該フィルタ係数をFIRフィルタ106に設定させる。例えば、位相回転部111は、算出した位相回転量を更新前後の位相回転量と均等(あるいはそれ以外)に設定して、当該フィルタ係数を出力してFIRフィルタ106に設定させる。ここでいう均等は、完全同一の均等値に限らず、略均等の値を含む。
位相回転部111は、更新前後の位相回転量と均等に設定する場合、遅延部110から、更新前の位相回転量を取得する。本実施の形態では、更新前の位相回転量は、例えば、過去M個分とする。
遅延部110は、位相回転部111の出力であるフィルタ係数を蓄積する。遅延部110は、例えばRAM(Random Access Memory)などで構成されている。
位相回転部111の構成を詳述する。位相回転部111は、図3に示すように、ベクトル信号位相回転部1111、位相回転量算出部1112および平均量算出部1113を含んで構成されている。
ベクトル信号位相回転部1111は、係数更新部119から取得したフィルタ係数c(n)を、平均量算出部1113から取得した位相回転量の平均値分を回転する。これにより、フィルタ係数c(n)が所定量(位相回転量の平均値分)回転する。
そして、ベクトル信号位相回転部1111は、そのフィルタ係数をFIRフィルタ106に出力する。これにより、FIRフィルタ106は、過去の更新回数分の位相回転量を平均化したフィルタ係数を入力して回り込み信号の複製を生成する。
位相回転量算出部1112は、係数更新部119から取得した更新前後のフィルタ係数(例えば、図示しない記憶部に記憶された過去M回分)を取得し、それらフィルタ係数の全位相差を算出する。
平均量算出部1113は、位相回転量算出部1112において算出された全位相差(例えば、図示しない記憶部に記憶された過去M回分)の平均値を算出する。この算出式の一例を数1に表す。これにより、過去から位相差の増減を考慮して算出することができる。
Figure 2008141283
なお、図3の位相回転部111に代えて、図4の位相回転部111Aが、上記位相回転量を設定することも想定される。位相回転部111Aは、更新時のフィルタ係数と、その1回前のフィルタ係数とから位相差を求め、その位相差を補償するように更新時のフィルタ係数を回転させる。
しかし、このようにして位相回転量Δθを設定すると、振動現象が発生するおそれがある。これは、次のような理由によるからである。すなわち、ベクトル信号位相回転部1111において、更新時n回目のフィルタ係数とn−1回目のフィルタ係数とから位相差Δθ(n)を求める。そして、位相回転量算出部1112において、Δθ(n)を補償するために、n回目のフィルタ係数をΔθ(n)回転して位相回転量を算出し、当該フィルタ係数を設定する。このときの位相回転量Δθの算出式を数2に表す。
Figure 2008141283

そうすると、次のn+1回目において、伝送路推定部107が、伝送路の変動がないとみなして伝送路の特性を推定してしまう。その結果、係数更新部109において、n回目のフィルタ係数と同じn+1回目のフィルタ係数を位相回転部111Aに出力する。このため、位相回転部111Aでは、更新前後(n+1回目とn回目)のフィルタ係数の位相差をゼロとしてフィルタ係数を設定することとなる。すると、次の(n+2)回目の伝送路の特性も、伝送路がまた変動したように推定され、位相差Δθ(n+1)を補償するように動作する。すなわち、位相補償値が、Δθ(n−1)、0、Δ(n+1)、0、Δ(n+3)、0、…というかたちで振動してしまう。よって、受信(中継)品質の向上につながらないこともある。なお、伝送路の変動条件としては、Δθ(n−1)≒Δθ(n+1)≒Δ(n+3)を仮定している。
これにより、図3の位相回転部111において位相回転量を平均化する方法は、図4の位相回転部111Aにおいて位相回転量を設定する場合と異なり、位相補償値の振動を緩和することもできる。
[位相回転部の他の構成例]
次に、位相回転部の他の構成例について図5を参照して説明する。
図5の位相回転部111Bは、図3の位相回転部111に、係数乗算部1114、加算部1115および遅延部1116をさらに含んで構成されている。このように構成することにより、位相回転部111Bは、位相回転誤差を累積してフィルタ係数を算出する。これにより、伝送路の変動に対する追従性をより高精度にすることが可能となる。
係数乗算部1114は、位相回転量算出部1112の出力である位相回転量Δθ(n)に係数αを乗算する。αは、0<α<1を満たす。特に、回り込みのキャンセル動作が可能な伝送路の変動を想定した場合、αは、0<α≦0.5を満たすようにするのが好適である。
加算部1115は、係数乗算部1114の出力であるαΔθ(n)と、遅延部1116から取得された1回前の累積値{αΔθ(n−1)+αΔθ(n−2)+…}とを加算して、ベクトル信号位相回転部1111に出力する。すると、ベクトル信号位相回転部1111は、係数更新部119から取得したフィルタ係数c(n)を、加算部1115の出力である位相回転量{αΔθ(n−1)+αΔθ(n)+αΔθ(n−2)+…}を回転して、FIRフィルタ106に出力する。
これにより、FIRフィルタ106は、位相回転量Δθ={αΔθ(n−1)+αΔθ(n)+αΔθ(n−2)+…}をもつフィルタ係数c(n)を入力して回り込み信号の複製を生成することとなる。よって、誤差分を平滑化させることができるので、伝送路に対する追従性が向上する。
[位相回転部と係数更新部との組み合わせ例]
ここで、図5の位相回転部111Bは、図6に示す係数更新部109Aと組み合わせてもよい。この組み合わせにより、伝送路の変動に対する追従性の点で親和性が向上し、好適となる。
図6の係数更新部109Aは、図2に示した係数更新部109の遅延部1093を取り除いて構成されている。すなわち、係数更新部109Aは、係数乗算部1091および加算部1092を有する。そして、加算部1092は、係数乗算部1091の出力と、遅延部110から取得された1回前のフィルタ係数とを加算する。その結果、図6の加算部1092の出力値が、図2の加算部1092の出力値と同値となる。その他の位相回転部111Bを含む回り込み装置の構成は、図1および図5の場合と同様である。このように構成することにより、図2の遅延部1093が不要となり、回路規模を小型化することが可能となる。
なお、遅延部110は、FIRフィルタ106の個々のタップに対応して有する必要がある。回り込みキャンセラとして要求される性能を満たすためには、ガードインターバル長に相当する程度のタップ数が必要となる。例えば、地上デジタル放送のモード3で、かつガードインターバル長が有効シンボルの1/8の場合、タップは、1024タップ程度必要となる。このため、RAMなどで構成すると遅延部110の回路規模をより小型にすることができる。
以上のように、本実施の形態によると、受信アンテナ101からの信号(親局波f1、回り込み波f2)から、送受信アンテナ101、115間の回り込みをキャンセルするための回り込み信号を減算する。続いて、減算後の入力信号に基づき、FIRフィルタ106のフィルタ係数に応じた、回り込み信号の複製を生成する。次に、減算後の入力信号に基づいて、回り込み伝送路の特性を推定するとともに、回り込み伝送路の特性に基づいて、回り込み特性を推定する。さらに、回り込み特性に基づいて、フィルタ係数を生成して更新し、そのフィルタ係数の位相回転量を算出して更新前の位相回転量と均等にし、当該フィルタ係数をFIRフィルタ106に設定させる。
このため、FIRフィルタ106には、更新前後の位相回転量が均等のフィルタ係数が設定されることとなり、伝送路の変動に対する追従性が向上する。さらに、フィルタ係数の振幅が常に一定に保たれるため、演算処理が簡易になる。よって、キャンセラ装置のハードウェア(回路)規模を小型化できる。
(実施の形態2)
実施の形態2は、フィルタ係数の更新間隔が複数シンボル区間(例えば4シンボル区間)である場合に、フィルタ係数の位相回転量を各シンボル区間(1シンボル区間)ごとに補償するものである。
まず、従来例におけるフィルタ係数の位相回転量を補償する動作タイミングについて説明する(特許文献3参照、実施の形態1も同様)。
図7は、従来例におけるフィルタ係数の位相回転量を補償する動作タイミングを示す図である。
図7の4つのpatternA〜Dは、SP信号の挿入位置を示されている。つまり、4つのpatternA〜Dが、4シンボルごとに繰り返されている。そして、SP信号の取り込み(図7中「取込」)から、位相回転量を演算して(図7中「演算」)フィルタ係数を更新するまで(図7中「更新」)の一連の処理が、4シンボルごとに行われている。
具体的には、patternAとpatternBとの間のGI(ガイドインターバル)が終了するタイミングで、SP信号が取り込まれている(図7中「取込」)。そして、位相回転量の演算が、3シンボル区間(patternB〜D)の間に行われ(図7中「演算」)、その結果、フィルタ係数が、patternDが終了するタイミングで更新される(図7中「更新」)。
図8は、実施の形態2におけるフィルタ係数の位相回転量を補償する動作タイミングを示す図である。
図8によると、フィルタ係数の位相回転量は、図7の場合と異なり、4シンボル区間の更新間隔中にも、各シンボル区間(1シンボル区間)ごとに補償されている。この場合、位相回転補償値の大きさは、更新間隔間で求められた位相回転量を(更新間隔シンボル数)で除算した値の倍数とする。
例えば、n回目の更新タイミングにおいて求められたpatternAの位相回転量が、Δθ(n)の場合、次のpatternBのシンボルのフィルタ係数は、{Δθ(n)}/4だけ回転される。そして、次のpatternCのシンボルのフィルタ係数は、{2Δθ(n)}/4回転される。さらに、次のpatternDのシンボルのフィルタ係数は、{3Δθ(n)}/4回転される。このようにして、フィルタ係数の位相回転量が、各シンボル区間(1シンボル区間)ごとに補償される。
次に、このような位相回転補償を実現する位相回転部111Dの構成例について説明する。
図9は、実施の形態2の位相回転部111Dの構成例を示すブロック図である。
図9の位相回転部111Cは、図6の位相回転部111Bに、除算部1117および乗算部1118をさらに含んで構成されている。その他の位相回転部を含むキャンセラ装置の構成は、図1および図6の場合と同様である。
除算部1117は、加算部1115の出力である位相回転量(更新間隔分)から1シンボルあたりの位相回転量を算出する。この算出式は、位相回転量Δθ/Mとなる。なお、Mは、更新間隔中のシンボル数を表す。
乗算部1118は、除算部1117の出力である位相回転量に位相回転量係数を乗算して、ベクトル信号位相回転部1111に出力する。これにより、ベクトル位相回転部1111が、乗算部1118の出力である位相回転量を回転することとなる。
このとき、本実施の形態では、更新間隔は4シンボル区間(M=4)であるため、位相回転量係数kは、k=1、2、3、4となる。これにより、乗算部1118の出力は、{Δθ(n)}/4、{2Δθ(n)}/4、{3Δθ(n)}/4、Δθ(n)となる(図8参照)。
なお、本実施の形態では、位相回転量の補償は、図8に示すGIのタイミングで行う場合について説明したので、キャンセラ装置(中継装置)からの信号を受信する受信装置(端末)での劣化が少なくなり好適である。しかし、位相回転量の補償のタイミングは、これに限られない。例えば、GIにかかわらず、常に連続的にフィルタ係数の位相回転量を補償するようにしてもよい。
この場合、除算部1117は、加算部1115の出力である位相回転量(更新間隔分)から、更新間隔分のサンプルクロック信号数を除算する。そして、乗算部1118は、サンプルクロック信号ごとに、除算部1117の出力である位相回転量に当該サンプルクロック信号数倍を乗算して、ベクトル信号位相回転部1111に出力する。このようにすると、伝送路の変動をより正確に模擬してキャンセル性能が向上するので、好適である。
なお、本発明は、実施の形態1、2に限られず、本発明の主旨を逸脱しない限り変更してもよい。例えば、AD変換部およびDA変換器の位置は、変更してもよい。
また、キャンセラ装置は、回路などのハードウェアにより各部の機能を実現してもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などで実現するようにしてもよい。
本発明のキャンセラ装置およびキャンセラ方法は、伝送路が変動する環境下において回り込みをキャンセルするのに有用である。キャンセラ装置は、例えば、電話のエコーキャンセル装置などに適用することができるし、また、移動体(自動車など)のエンジン音などの騒音をキャンセルする装置などにも適用することができる。
本発明の実施の形態1に係る回り込みキャンセル装置の構成例を示すブロック図。 図1の係数更新部の構成例を示すブロック図。 図1の位相回転部の構成例を示すブロック図。 本発明の実施の形態1における位相回転部の他の構成例を示すブロック図。 本発明の実施の形態1における位相回転部のさらに別の構成例を示すブロック図。 図5の位相回転部と係数更新部との組み合わせ例を示すブロック図。 従来例における回り込みキャンセルの動作タイミングを示す図。 本発明の実施の形態1における回り込みキャンセルの動作タイミングの一例を示す図。 本発明の実施の形態2に係る回り込みキャンセル装置の位相回転部の構成例を示すブロック図。 従来例の回り込みキャンセル装置の構成を示すブロック図。 フィルタ係数の変化を示す説明図。
符号の説明
10 回り込みキャンセル装置
101 受信アンテナ
102 受信変換部
103 AGC
104 A/D変換部
105 減算部
106 FIRフィルタ
107 伝送路推定部
108 回り込み推定部
109 係数更新部
110 遅延部
111 位相回転部
112 D/A変換部
113 送信変換部
114 PA部
115 送信アンテナ

Claims (6)

  1. 受信系統からの入力信号から、送受信アンテナ間の回り込みをキャンセルするための回り込み信号を減算する減算部と、
    減算後の入力信号に基づき、設定されたフィルタ係数に応じた前記回り込み信号の複製を生成して前記減算器に出力するフィルタと、
    減算後の入力信号に基づいて、回り込み伝送路の特性を推定する伝送路推定部と、
    前記回り込み伝送路の特性に基づいて、回り込み特性を推定する回り込み推定部と、
    前記回り込み特性に基づいて、前記フィルタ係数を生成して更新する係数更新部と、
    更新前の前記フィルタ係数と更新後の前記フィルタ係数との位相回転量を算出して、前記位相回転量に基づいて当該フィルタ係数を前記フィルタに設定させる位相回転部と、
    を含む回り込みキャンセル装置。
  2. 前記位相回転部は、所定の更新回数分の位相回転量を平均化して均等にする、請求項1に記載の回り込みキャンセル装置。
  3. 前記フィルタ係数の更新間隔に複数のシンボルを有する場合、
    前記位相回転部は、前記位相回転量を前記シンボルごとに順次算出して、前記更新間隔における前記位相回転量を算出する、
    請求項1に記載の回り込みキャンセル装置。
  4. 前記更新間隔は、OFDM信号のガイドインターバル区間である、請求項3に記載の回り込みキャンセル装置。
  5. 前記更新間隔は、連続するサンプルクロック信号間である、請求項3に記載の回り込みキャンセル装置。
  6. 受信系統からの入力信号から、送受信アンテナ間の回り込みをキャンセルするための回り込み信号を減算するステップと、
    減算後の入力信号に基づき、設定されたフィルタ係数に応じた前記回り込み信号の複製を生成するステップと、
    減算後の入力信号に基づいて、回り込み伝送路の特性を推定するステップと、
    前記回り込み伝送路の特性に基づいて、回り込み特性を推定するステップと、
    前記回り込み特性に基づいて、前記フィルタ係数を生成して更新するステップと、
    更新後の前記フィルタ係数の位相回転量を算出して更新前の位相回転量と均等にし、当該フィルタ係数を新たに設定するステップと、
    を含む回り込みキャンセル方法。
JP2006322892A 2006-11-30 2006-11-30 回り込みキャンセル装置 Expired - Fee Related JP4953782B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006322892A JP4953782B2 (ja) 2006-11-30 2006-11-30 回り込みキャンセル装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006322892A JP4953782B2 (ja) 2006-11-30 2006-11-30 回り込みキャンセル装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008141283A true JP2008141283A (ja) 2008-06-19
JP4953782B2 JP4953782B2 (ja) 2012-06-13

Family

ID=39602347

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006322892A Expired - Fee Related JP4953782B2 (ja) 2006-11-30 2006-11-30 回り込みキャンセル装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4953782B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010050834A (ja) * 2008-08-22 2010-03-04 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> Ofdmデジタル信号等化装置、等化方法及び中継装置
JP2010050835A (ja) * 2008-08-22 2010-03-04 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> Ofdmデジタル信号等化装置、等化方法及び中継装置
JP2012010180A (ja) * 2010-06-25 2012-01-12 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> Mimo伝送路特性測定装置及びmimo擬似伝送路装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003298548A (ja) * 2002-04-01 2003-10-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 回り込みキャンセラ
JP2004207829A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Hitachi Kokusai Electric Inc 二重系無線伝送方法および二重系無線伝送装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003298548A (ja) * 2002-04-01 2003-10-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 回り込みキャンセラ
JP2004207829A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Hitachi Kokusai Electric Inc 二重系無線伝送方法および二重系無線伝送装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010050834A (ja) * 2008-08-22 2010-03-04 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> Ofdmデジタル信号等化装置、等化方法及び中継装置
JP2010050835A (ja) * 2008-08-22 2010-03-04 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> Ofdmデジタル信号等化装置、等化方法及び中継装置
JP2012010180A (ja) * 2010-06-25 2012-01-12 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> Mimo伝送路特性測定装置及びmimo擬似伝送路装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4953782B2 (ja) 2012-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1290912B1 (en) Method for noise suppression in an adaptive beamformer
US9049281B2 (en) Nonlinear echo suppression
US8184828B2 (en) Background noise estimation utilizing time domain and spectral domain smoothing filtering
US20100195844A1 (en) Adaptive noise control system
CA2344480A1 (en) Interference canceling method and apparatus
US9608713B2 (en) Apparatus and method for removing interference by ICS repeater using standardizer
JP4903026B2 (ja) 遅延プロファイル解析回路及びそれを用いた装置
JP4953782B2 (ja) 回り込みキャンセル装置
JP5662232B2 (ja) エコー消去装置、その方法及びプログラム
JP3842680B2 (ja) 回り込みキャンセラおよび多段中継方式
JP2012039441A (ja) 多チャネルエコー消去方法、多チャネルエコー消去装置及びそのプログラム
JP2008042663A (ja) 回り込みキャンセラ
JP2010245780A (ja) 波長分散補償方法および受信装置
JP6028572B2 (ja) 受信装置
JP4877765B2 (ja) 無線装置
JP2003273831A (ja) 回り込みキャンセラ
KR20040063993A (ko) 스펙트럼 에코 테일 추정기를 구비한 에코 소거기
JP4109530B2 (ja) 回り込みキャンセラ
JP4358706B2 (ja) 干渉キャンセラ及び当該干渉キャンセラを用いる中継装置
JP2006050190A (ja) 受信装置及び送信装置
JP6110650B2 (ja) 回り込みキャンセラおよび中継装置
JP6143702B2 (ja) エコー消去装置、その方法及びプログラム
JP5023006B2 (ja) Ofdm信号受信装置および中継装置
JP2012039300A (ja) 中継装置
JP4132578B2 (ja) 回り込みキャンセラ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090617

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110301

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110428

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110913

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111213

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20111221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120221

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120313

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4953782

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150323

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees