JP2008042663A - 回り込みキャンセラ - Google Patents

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Abstract

【課題】上位局信号の伝搬路に主波との遅延時間差が小さいマルチパス成分が存在する環境において、送受アンテナ間結合による回り込みを除去するとともに、マルチパスによる歪みを等化する回り込みキャンセラ、及びそれを用いて上位局信号を良好かつ安定に中継する中継装置を提供する。
【解決手段】フィルタ係数制御部10がFFF202のフィルタ係数の生成に際し、LPF手段14が、チャネル応答の低域成分を抽出して、伝送路特性のみが含まれるチャネル応答を生成する。FFF202のフィルタ係数は、FFT窓位置補正手段21、等化残差算出手段22、IFFT手段23、乗算手段24、加算手段25及び遅延手段26により、上位局信号の伝送路特性のみが含まれるチャネル応答から生成される。これにより、上位局からの伝搬路にマルチパス成分が存在する環境において、FFF202により、マルチパスによる歪みを等化することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式を用いるデジタル放送やデジタル伝送における中継局または中継装置に関わり、特に、SFN(Single Frequency Network)の放送波中継局における送受アンテナ間での電波の回り込みを除去するための回り込みキャンセラに関する。
回り込みキャンセラは、受信信号の周波数と同一周波数で再送信を行うSFN放送波中継局において、受信信号に含まれる、送受アンテナ間結合により生じる回り込み成分をキャンセルし、上位局信号のみを再送信するための装置である。
SFN放送波中継局では、送信信号の電波を放射する送信アンテナと、上位局からの電波を希望波として受信する受信アンテナとの間において、回り込みが生じる。回り込みは、送信アンテナから放射された電波(送信信号の電波)の一部が回り込み伝搬路を通り、上位局波を受信する受信アンテナで、受信されることにより生じるものである。
この回り込み成分を受信信号からキャンセルするためには、回り込みキャンセラの内部において、回り込み伝搬路と同じ伝送特性を実現し、回り込みのレプリカ信号を生成する必要がある。回り込みキャンセラは、受信信号から、回り込みキャンセラ内部で生成した回り込みのレプリカ信号を減算することにより、回り込みをキャンセルし、上位局からの信号のみを取り出し、送信信号として送信することができる。このような回り込みキャンセラには、例えば特許文献1〜6に記載のものがある。
図1は、回り込みキャンセラの一般的な構成の概略を示すブロック図である。この回り込みキャンセラ100は、図示しない外部の受信アンテナ及び受信部を介して入力される受信信号を周波数変換し、AD変換し、さらに直交復調して得た等価ベースバンド信号から回り込みのレプリカを減算する減算部201、減算部201から出力された信号にフィルタ処理を施し、所定の帯域幅の帯域制限と上位局のマルチパス歪みを等化するFFF(Feed−Forward Filter)202、回り込みのレプリカを生成するFBF(Feed−Back Filter)203、及び、FFF202のフィルタ係数及びFBF203のフィルタ係数を生成するフィルタ係数制御部110を備えている。そして、FFF202によりフィルタ処理が施された等価ベースバンド信号は、直交変調、D/A変換、そして周波数変換され、外部に出力される。回り込みキャンセラ100の出力信号は、図示しないPAで所定の電力に増幅された後に図示しない送信アンテナから送信される。
このような構成の下で、FBF203及び減算部201は、回り込みをキャンセルし、FFF202は、上位局信号のマルチパス歪みの等化、及び信号の帯域制限を行う。
する。
図3は、従来の回り込みキャンセラの第1の構成を示すブロック図である。この従来の回り込みキャンセラ101は、減算部201、FFF202、FBF203、及びフィルタ係数制御部110を備えている。フィルタ係数制御部110は、図示しない同期再生部にて再生され、供給される受信OFDM信号のシンボルタイミングにより時間領域のOFDM信号の有効シンボル期間を抽出する有効シンボル期間抽出手段111、有効シンボル期間の時間領域OFDM信号を高速フーリエ変換して、周波数領域のキャリアシンボルを出力するFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)手段112、キャリヤシンボルからチャネル応答(伝送路の周波数特性)を推定するチャネル応答推定手段113、チャネル応答からキャンセル残差の周波数特性を算出して出力するキャンセル残差算出手段114、周波数領域信号であるキャンセル残差の応答を逆高速フーリエ変換して、時間領域信号のキャンセル残差のインパルス応答を出力するIFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)手段115、IFFT手段の出力するキャンセル残差のインパルス応答から、所定の時間範囲の係数を切り出す係数切り出し手段122,123、切り出し後のキャンセル残差のインパルス応答に所定の定数を乗算する乗算手段116,119、乗算されたキャンセル残差のインパルス応答を加算してフィルタ係数を生成する加算手段117,120、及び、フィルタ係数を所定の時間遅延させて出力する遅延手段118,121を備えている。そして、加算手段117により生成されたフィルタ係数は、FBF203に出力され、加算手段120により生成されたフィルタ係数は、FFF202に出力される。
図3に示したFFF202の帯域幅は、特許文献7に記載されているように、FFF202の出力端から図示しない送信部,PA部、送信アンテナ、回り込み伝搬路、受信アンテナ及び受信部を介して減算部201を経てFFF202の入力端に到達する回り込みループ、及び、FFF202の出力端からFBF203を経てFFF202の入力端に到達するキャンセルループのいずれの帯域幅をも超えないようにする必要がある。
また、特許文献8には、上位局からの伝搬路に主波との遅延時間差が小さいマルチパス成分が存在する環境において、上位局信号のマルチパスによる歪みを等化して再送信する回り込みキャンセラが記載されている。しかし、この回り込みキャンセラでは、マルチパスによる歪みを等化するFFFの制御を行った場合、FFFの通過帯域が回り込みループ及びキャンセルループの通過帯域幅を超える特性になってしまうことがあった。この場合、回り込みループのループゲインが1より大きいときには、回り込みキャンセラの出力信号において、OFDM信号帯域外の雑音レベルが上昇し、このレベルが上昇した雑音により発振を引き起こしてしまうという問題があった。
図4は、従来の回り込みキャンセラの第2の構成を示すブロック図である。この従来の回り込みキャンセラ102は、減算部201、FFF202、FBF203、及びフィルタ係数制御部210を備えている。フィルタ係数制御部210は、有効シンボル期間抽出手段211、FFT手段212、チャネル応答推定手段213、LPF手段214、除算手段215、キャンセル残差算出手段216、IFFT手段217、係数切り出し手段221、乗算手段218、加算手段219、及び遅延手段220を備えている。LPF手段214は、チャネル応答推定手段213により推定されたチャネル応答の低域成分を抽出する。除算手段215は、チャネル応答推定手段213により推定されたチャネル応答を、LPF手段214により抽出されたチャネル応答の低域成分で除算し、チャネル応答から上位局信号のマルチパス歪みの成分を除去する。
図3に示した回り込みキャンセラ101と図4の回り込みキャンセラ102とを比較すると、減算部201、FFF202及びFBF203を備えている点で同一であるが、フィルタ係数制御部110,210の構成、及び、回り込みキャンセラ102ではFFF202のフィルタ係数をフィルタ係数制御部210から入力していない点で相違する。また、回り込みキャンセラ101のフィルタ係数制御部110と回り込みキャンセラ102のフィルタ係数制御部210とを比較すると、フィルタ係数制御部210が、チャネル応答の低域成分を抽出するLPF手段214、及び、チャネル応答をその低域成分で除算してチャネル応答から上位局信号のマルチパス歪みの成分を除去する除算手段215を備えている点、さらに、FFF202のフィルタ係数を生成する手段を備えていない点で相違する。
また、特許文献9には、チャネル応答に関して、FFT窓位置の誤差を補正する回り込みキャンセラが記載されている。この回り込みキャンセラによれば、上位局からの伝送路に主波との遅延時間差が小さいマルチパス成分が存在する環境において、FBFのフィルタ係数を求める際に、図4に示したLPF手段214及び除算手段215と同様に、チャネル応答をその低域成分で除算することにより、上位局信号のマルチパス歪みの成分を除去する。これにより、主波との遅延時間差が小さいマルチパス成分が除去されるため、回り込み特性の推定精度を向上させることができる。
特開平11−355160号公報 特開2000−341238号公報 特開2000−349734号公報 特開2001−94528号公報 特開2000−295195号公報 特開2001−237749号公報 特開2002−77096号公報 特開2003−174430号公報 特開2004−320677号公報
ところで、前述した特許文献8及び9を組み合わせることにより、上位局信号のマルチパスによる歪みを等化するFFFを制御する回り込みキャンセラを想定することができる。図5は、特許文献8,9から想定される回り込みキャンセラの構成を示すブロック図である。この回り込みキャンセラ103は、減算部201、FFF202、FBF203、及びフィルタ係数制御部310を備えている。フィルタ係数制御部310は、有効シンボル期間抽出手段311、FFT手段312、チャネル応答推定手段313、LPF手段314、除算手段315、キャンセル残差算出手段316、IFFT手段317、係数切り出し手段324,325、乗算手段318,321、加算手段319,322、及び遅延手段320,323を備えている。
図4に示した回り込みキャンセラ102と図5に示す回り込みキャンセラ103とを比較すると、減算部201、FFF202及びFBF203を備えている点で同一であるが、フィルタ係数制御部210,310の構成、及び、回り込みキャンセラ103ではFFF202のフィルタ係数をフィルタ係数制御部310から入力している点で相違する。また、回り込みキャンセラ103のフィルタ係数制御部310と回り込みキャンセラ102のフィルタ係数制御部210とを比較すると、フィルタ係数制御部310が、FFF202のフィルタ係数を生成するための係数切り出し手段325、乗算手段321、加算手段322及び遅延手段323を備えている点で相違する。
図5に示した回り込みキャンセラ103によれば、LPF手段314が、チャネル応答推定手段313により推定されたチャネル応答の低域成分を抽出し、除算手段315が、チャネル応答推定手段313により推定されたチャネル応答を、LPF手段314により抽出されたチャネル応答の低域成分で除算し、チャネル応答からマルチパスの歪み成分を除去する。これにより、上位局からの伝送路に主波との遅延時間差が小さいマルチパス成分が存在する環境において、マルチパス歪の成分を除去したチャネル応答からFBF203のフィルタ係数を生成することから、回り込み特性の推定精度を向上させることができる。しかし、主波との遅延時間差の小さいマルチパスによる歪成分を除去したチャネル応答からFFF202のフィルタ係数を生成することから、マルチパスによる歪みを等化して再送信する回り込みキャンセラを実現することができないという問題があった。
そこで、本発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、上位局信号の伝送路に主波との遅延時間差が小さいマルチパス成分が存在する環境において、送受アンテナ間結合による回り込みを除去するとともに、マルチパスによる歪みを等化する回り込みキャンセラ、及びそれを用いて上位局信号を良好かつ安定に中継する中継装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明による回り込みキャンセラは、入力されるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号と逆相で合成することにより回り込みをキャンセルするための回り込みのレプリカを生成するFBF(Feed−Back Filter)と、回り込みキャンセル後の信号のマルチパスによる歪みを等化するFFF(Feed−Forward Filter)と、前記FFFを制御するためのフィルタ係数を生成するフィルタ係数制御部とを少なくとも備える回り込みキャンセラにおいて、前記フィルタ係数制御部が、前記FFFから入力されるOFDM信号の有効シンボル期間に相当する期間を抽出する有効シンボル期間抽出部と、前記有効シンボル期間抽出部から入力されるOFDM信号をFFT(Fast Fourier Transform)により周波数領域の信号であるキャリヤシンボルに変換するFFT手段と、前記FFT手段から入力されるキャリヤシンボルからチャネル応答を推定するチャネル応答推定手段と、前記チャネル応答推定手段から入力されるチャネル応答から、上位局からの主波及びFFFによって等化可能な遅延時間範囲のマルチパス成分が含まれる低域成分を抽出するLPF(Low Pass Filter)手段と、前記LPF手段から入力されるチャネル応答の低域成分に含まれるFFT窓位置のずれによる位相回転成分を補正するFFT窓位置補正手段と、前記FFT窓位置補正手段から入力されるチャネル応答の低域成分をマルチパス歪みの等化残差(周波数領域信号)に変換する等化残差算出手段と、前記等化残差算出手段から入力される等化残差をIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理し、等化残差のインパルス応答に変換するIFFT手段と、前記IFFT手段から入力される等化残差のインパルス応答から所定の時間範囲の係数を切り出す切り出し手段と、前記係数切り出し手段から入力される切り出し後のインパルス応答に予め定められた定数を乗算する乗算手段と、前記FFFのフィルタ係数を単位更新時間分保持する遅延手段と、前記乗算手段から入力される定数乗算後の等化残差のインパルス応答と前記遅延手段から入力される単位更新時間前のFFFのフィルタ係数とを加算して新たなFFFのフィルタ係数を生成する加算手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明による回り込みキャンセラは、入力されるOFDM信号と逆相で合成することにより回り込みをキャンセルするための回り込みのレプリカ信号を生成するFBFと、回り込みキャンセル後の信号のマルチパスによる歪みを等化するFFFと、前記FBFを制御するためのフィルタ係数及び前記FFFを制御するためのフィルタ係数を生成するフィルタ係数制御部とを少なくとも備える回り込みキャンセラにおいて、前記フィルタ係数制御部が、前記FFFから入力されるOFDM信号の有効シンボル期間に相当する期間を抽出する有効シンボル期間抽出部と、前記有効シンボル期間抽出部から入力されたOFDM信号をFFTにより周波数領域の信号であるキャリヤシンボルに変換するFFT手段と、前記FFT手段から入力されるキャリヤシンボルからチャネル応答を推定するチャネル応答推定手段と、前記チャネル応答推定手段から入力されるチャネル応答から、上位局からの主波及びFFFによって等化可能な遅延時間範囲のマルチパス成分が含まれる低域成分を抽出するLPF手段と、前記チャネル応答推定手段から入力されるチャネル応答を、OFDM信号のサブキャリヤ毎に前記LPF手段から入力されるチャネル応答の低域成分で除算することにより、チャネル応答のマルチパス歪み成分を除去する除算手段と、前記除算手段から入力されるマルチパス歪み成分が除去されたチャネル応答から、回り込みキャンセル残差を算出するキャンセル残差算出手段と、前記キャンセル残差算出手段から入力される回り込みキャンセル残差(周波数領域信号)をIFFT処理し、回り込みキャンセル残差のインパルス応答に変換するIFFT手段と、前記IFFT手段から入力される回り込みキャンセル残差のインパルス応答から、所定の時間範囲の係数を切り出す係数切り出し手段と、前記係数切り出し手段から入力される切り出し後のキャンセル残差のインパルス応答に予め定められた定数を乗算する乗算手段と、FBFのフィルタ係数を単位更新時間分保持する遅延手段と、前記乗算手段から入力される回り込みキャンセル残差のインパルス応答と前記遅延手段から入力される単位更新時間前のFBFのフィルタ係数とを加算して新たなFBFのフィルタ係数を生成する加算手段と、前記LPF手段から入力されるチャネル応答の低域成分に含まれるFFT窓位置のずれによる位相回転成分を補正するFFT窓位置補正手段と、前記FFT窓位置補正手段から入力されるチャネル応答の低域成分をマルチパス歪みの等化残差(周波数領域信号)に変換する等化残差算出手段と、 前記等化残差算出手段から入力される等化残差をIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理し、等化残差のインパルス応答に変換するIFFT手段と、前記IFFT手段から入力される等化残差のインパルス応答から所定の時間範囲の係数を切り出す切り出し手段と、前記係数切り出し手段から入力される切り出し後のインパルス応答に予め定められた定数を乗算する乗算手段と、前記FFFのフィルタ係数を単位更新時間分保持する遅延手段と、前記乗算手段から入力される定数乗算後の等化残差のインパルス応答と前記遅延手段から入力される単位更新時間前のFFFのフィルタ係数とを加算して新たなFFFのフィルタ係数を生成する加算手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明による回り込みキャンセラは、前記フィルタ係数制御部が、さらに、前記加算手段により生成される新たなFFFのフィルタ係数に対して予め定められたフィルタ係数を畳み込み、前記FFFを制御するためのフィルタ係数を生成する畳み込み演算手段を備えることを特徴とする。
また、本発明による中継装置は、前記回り込みキャンセラを用いることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、上位局信号の伝送路に主波との遅延時間差が小さいマルチパス成分が存在する環境において、マルチパスによる歪みを等化して再送信する回り込みキャンセラ、及びそれを用いて上位局波を良好かつ安定に中継する中継装置を実現することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図2は、本発明の実施の形態による回り込みキャンセラの構成を示すブロック図である。この回り込みキャンセラ1は、減算部201、FFF202、FBF203、及びフィルタ係数制御部10を備えている。フィルタ係数制御部10は、有効シンボル期間抽出手段11、FFT手段12、チャネル応答推定手段13、LPF手段14、除算手段15、キャンセル残差算出手段16、IFFT手段17,23、係数切り出し手段30,31、乗算手段18,24、加算手段19,25、遅延手段20,26、FFT窓位置補正手段21、等化残差算出手段22、及び畳み込み演算手段27を備えている。畳み込み演算手段27は、畳み込み演算段28及びフィルタ係数設定段29を備えている。
図4に示した従来の回り込みキャンセラ102と図2に示す回り込みキャンセラ1とを比較すると、回り込みキャンセラ1は、FFF202がフィルタ係数をフィルタ係数制御部10から入力する点、FFT窓位置補正手段21、等化残差算出手段22、IFFT手段23、乗算手段24、加算手段25、遅延手段26及び畳み込み演算手段27がFFF202のフィルタ係数を生成する点において相違する。
また、回り込みキャンセラ1は、減算部201の前段に、図示しない周波数変換部、A/D変換部及び直交復調部、及び同期再生部を備えており、FFF202の後段に、図示しない直交変調部、D/A変換部、周波数変換部を備えている。
図示しない周波数変換部は、外部から入力されるIF信号を周波数変換し、第2IF信号をA/D変換部に出力する。A/D変換部は、周波数変換部により周波数変換された第2IF信号を入力し、同期再生部から供給されるサンプリングクロックを用いて第2IF信号をデジタルIF信号にA/D変換し、得られたデジタルIF信号を直交復調部に出力する。直交復調部は、A/D変換部より出力されたデジタルIF信号を入力し、デジタルIF信号をI成分(In−phase component:同相成分) 及びQ成分(Quadrature component:直交成分)の等価ベースバンド信号に直交復調し、得られた等価ベースバンド信号を減算部201に出力する。
尚、A/D変換部及び直交復調部の順序を逆にして構成するようにしてもよい。すなわち、周波数変換部の後段に直交復調部を設け、直交復調部の後段にA/D変換部を設ける。この場合、直交復調部は、周波数変換部により周波数変換された第2IF信号を入力し、第2IF信号をI成分及びQ成分の等価ベースバンド信号にアナログ直交復調し、得られたI成分信号及びQ成分信号をそれぞれA/D変換部に出力する。A/D変換部は、2つのA/D変換部から成り、それぞれI成分及びQ成分の等価ベースバンド信号を入力してデジタルI、Q信号にA/D変換する。同期再生部はFFF202から等価ベースバンド信号を入力し、サンプリングクロック及び搬送波周波数を再生する。
減算部201は、直交復調後の等価ベースバンド信号、及びFBF203からの回り込みのレプリカ信号をそれぞれ入力し、前記等価ベースバンド信号から回り込みのレプリカ信号を減算して出力する。すなわち、減算部201は回り込みをキャンセルする。
FFF202は、減算部201から回り込みがキャンセルされた等価ベースバンド信号を入力し、フィルタ係数制御部10からフィルタ係数を入力し、等価ベースバンド信号に対してフィルタ処理を行う。ここで、FFF202からの等価ベースバンド信号(フィルタ処理された等価ベースバンド信号)は4分配され、FFF202の後段に備えた図示しない直交変調部、図示しない同期再生部、FBF203、及びフィルタ係数制御部10にそれぞれ出力される。
FFF202の後段に備えた図示しない直交変調部は、FFF202から等価ベースバンド信号を入力して直交変調し、デジタルIF信号に変換して、D/A変換部に出力する。図示しないD/A変換部は、直交変調部からデジタルIF信号を入力し、第2IF信号にD/A変換し、周波数変換部に出力する。周波数変換部は、D/A変換部から第2IF信号を入力し、IF信号に周波数変換して外部に出力する。
FBF203は、FFF202の後段において4分配された等価ベースバンド信号のうちの第2の等価ベースバンド信号を入力し、フィルタ係数制御部10からフィルタ係数を入力し、このフィルタ係数を用いて前記等価ベースバンド信号にフィルタ処理を行い、回り込み伝搬路を含む回り込みループの伝送特性を実現して回り込みのレプリカ信号を生成し、減算部201に出力する。
フィルタ係数制御部10は、FFF202の後段において4分配された等価ベースバンド信号のうちの第3の等価ベースバンド信号を入力し、FFF202のフィルタ係数及びFBF203のフィルタ係数を生成し、それぞれのフィルタに出力する。以下、フィルタ係数制御部10の構成について説明する。
フィルタ係数制御部10の有効シンボル期間抽出手段11は、FFF202から等価ベースバンド信号を入力し、図示しない同期再生部より入力したシンボルタイミングにより1つのOFDM伝送シンボル期間のうちの有効シンボル期間に相当する信号を抽出し、得られた有効シンボル期間の時間領域のOFDM信号をFFT手段12に出力する。FFT手段12は、有効シンボル抽出手段11から有効シンボル期間の時間領域のOFDM信号を入力し、当該時間領域のOFDM信号を周波数領域のOFDM信号であるキャリヤシンボルに高速フーリエ変換し、得られたキャリヤシンボルをチャネル応答推定手段13に出力する。
チャネル応答推定手段13は、FFT手段12からキャリヤシンボルを入力し、キャリヤシンボルから回り込みキャンセル後のチャネル応答を算出する。チャネル推定の算出処理についての詳細は後述する。ここで、チャネル応答推定手段13からの出力されたチャネル応答は2分配され、一方がLPF手段14に供給され、他方が除算手段15に供給される。
LPF手段14は、チャネル応答推定手段13からチャネル応答を入力し、チャネル応答の低域成分を抽出して出力する。ここで、LPF手段14から出力されたチャネル応答の低域成分は2分配され、一方が除算手段15に供給され、他方がFFT窓位置補正手段21に供給される。
除算手段15は、チャネル応答推定手段13からチャネル応答を入力し、LPF手段14からチャネル応答の低域成分を入力し、OFDM信号の各サブキャリヤ毎に、チャネル応答をその低域成分で除算し、チャネル応答からマルチパス歪みの成分を除去する。そして、マルチパス歪み成分が除去されたチャネル応答をキャンセル残差算出手段16に出力する。LPF処理及びチャネル応答をその低域成分で除算する処理についての詳細は後述する。
キャンセル残差算出手段16は、除算手段15からマルチパス歪み成分が除去されたチャネル応答を入力し、実際の回り込み伝搬路を含む回り込みループの伝送特性、FFF202の出力から減算部201の入力までの伝送特性とFBF203の伝送特性との間の差分であるキャンセル残差(周波数領域信号)を算出し、IFFT手段17に出力する。キャンセル残差の算出処理についての詳細は後述する。
IFFT手段17は、キャンセル残差算出手段16からキャンセル残差を入力し、当該周波数領域のキャンセル残差を時間領域のキャンセル残差のインパルス応答に逆高速フーリエ変換し、係数切り出し手段30に出力する。係数切り出し手段30は、IFFT手段からキャンセル残差のインパルス応答を入力し、所定の時間範囲の係数を切り出し、乗算手段18に出力する。
乗算手段18は、係数切り出し手段30から切り出し後のキャンセル残差のインパルス応答を入力し、当該係数に予め設定された値μを乗算し、加算手段19に出力する。ここで、予め設定された値μは、0<μ<1の範囲にある値であり、FBF203により実現される回り込み伝搬路を含む回り込みループの伝送特性の変動に対する追従性能とその推定精度との間のトレードオフを調整するための適応パラメータである。μが大きな値に設定された場合には、回り込みの変動環境における回り込みキャンセラの変動追従性能は良くなる。これに対し、μが小さな値に設定された場合には、変動の少ない環境における回り込みループの伝送特性の推定精度は良くなる。
加算手段19は、乗算手段18から定数μ乗算後のキャンセル残差のインパルス応答を入力し、遅延手段20から単位係数更新時間前のフィルタ係数を入力し、このフィルタ係数にキャンセル残差のインパルス応答を加算し、新たなフィルタ係数として出力する。ここで、加算手段19から出力されたフィルタ係数は2分配され、一方はFBF203に供給され、他方は遅延手段20に供給される。遅延手段20は、加算手段19からフィルタ係数の一方を入力し、当該フィルタ係数を保持して次回の係数更新時まで(単位係数更新時間の間)遅延させ、その遅延時間経過後に加算手段19に出力する。IFFT手段17による逆高速フーリエ変換、乗算手段18による乗算処理、加算手段19による加算処理、及び遅延手段20による遅延処理についての詳細は後述する。
FFT窓位置補正手段21は、LPF手段14からチャネル応答の低域成分を入力し、そのチャネル応答の低域成分に含まれる、有効シンボル期間と有効シンボル期間抽出手段11により抽出された期間との間のずれによる位相回転成分を補正し、伝送路の特性のみが含まれるチャネル応答を出力する。
等化残差算出手段22は、FFT窓位置補正手段21から出力されたFFT窓位置のずれによる位相回転が補正されたチャネル応答を入力し、実際に行われるべき等化処理とFFF202により実現している等化処理との間の差分である等化残差を算出し、IFFT手段23に出力する。等化残差(周波数領域信号)の算出処理についての詳細は後述する。
IFFT手段23は、等化残差算出手段22から等化残差を入力し、等化残差のインパルス応答に逆高速フーリエ変換し、係数切り出し手段31に出力する。係数切り出し手段31は、IFFT手段から等化残差のインパルス応答を入力し、所定の時間範囲の係数を切り出し、乗算手段24に出力する。乗算手段24は、係数切り出し手段31から切り出し後の等化残差のインパルス応答を入力し、当該インパルス応答に予め設定された値を乗算し、加算手段25に出力する。
加算手段25は、乗算手段24から等化残差のインパルス応答を入力し、遅延手段26から単位係数更新時間前のフィルタ係数を入力し、このフィルタ係数に等化残差のインパルス応答を加算し、新たなフィルタ係数として出力する。ここで、加算手段25から出力されたフィルタ係数は2分配され、一方は畳み込み演算手段27に供給され、他方は遅延手段26に供給される。遅延手段26は、加算手段25から出力され2分配されたフィルタ係数の一方を入力し、当該フィルタ係数を保持して次回の係数更新時まで(単位係数更新時間の間)遅延させ、その遅延時間経過後に加算手段25に出力する。IFFT手段23による逆高速フーリエ変換、乗算手段24による乗算処理、加算手段25による加算処理、及び遅延手段26による遅延処理についての詳細は後述する。
畳み込み演算手段27の畳み込み演算段28は、加算手段25から新たなフィルタ係数を入力し、フィルタ係数設定段29により予め設定されたフィルタ係数を入力し、これらのフィルタ係数を畳み込み演算し、FFF202に出力する。畳み込み演算処理の詳細については後述する。
次に、図2に示した回り込みキャンセラ1をISDB−T(Integrated Sevices Digital Broadcasting−Terrestrial)方式の地上デジタル放送に適用した場合について、フィルタ係数制御部10のチャネル応答推定手段13、LPF手段14、除算手段15、キャンセル残差算出手段16、FFT窓位置補正手段21、等化残差算出手段22、IFFT手段17,23、乗算手段18,24、加算手段19,25、遅延手段20,26、及び畳み込み演算手段27の動作を説明する。但し、以下は原理的な説明であり、周波数変換、A/D、D/A、直交変復調、送受信部といった基本的な部分は公知技術であるため、説明は省略する。また、同期再生は十分な精度で実現されるものとする。
〔チャネル推定〕
まず、チャネル応答推定手段13の動作の詳細について説明する。前述したように、チャネル応答推定手段13は、キャリヤシンボルを入力し、キャリヤシンボルから回り込みキャンセル後のチャネル応答を算出する。
図9は、地上デジタルテレビジョン放送の放送方式であるISDB−T方式及びDVB−T(Digital Video Broadcasting Terrestrial)方式において、特定のシンボルの特定のサブキャリヤに割り当てられているSP(Scattered Pilot:スキャタードパイロット)の配置を示す図である。図9において、SPを黒丸で、データシンボル等のその他のキャリヤシンボルを白抜きの丸で示している。SPは、その振幅及び位相が予め決められているため、受信側の回り込みキャンセラ1においても同じ信号を生成することができる。
図7は、図2に示したチャネル応答推定手段13の第1の構成を示すブロック図である。このチャネル応答推定手段13−1は、SP信号抽出段31、基準SP信号生成段32、除算段33、及び補間段34を備えている。SPが割り当てられているサブキャリヤについて、シンボル番号をi、サブキャリヤ番号をkとすると、
Figure 2008042663
を満足する。但し、modは剰余を示す。以下、式(1)を満足するi,kをそれぞれi,kとする。
SP信号抽出段31は、キャリヤシンボルを入力し、キャリヤシンボルからSPを抽出し、除算段33に出力する。基準SP信号生成段32は、ISDB-T変調器における信号生成時のSPと同一の振幅及び位相の基準SPを生成し、除算段33に出力する。除算段33は、SP信号抽出段31により抽出されたSPを、基準SP信号生成段32により生成された基準SPで除算し、補間段34に出力する。また、補間段34は、除算段33により生成されたチャネル応答を補間する。
ここで、SP信号抽出段31で抽出されるSPをYip,kp、基準SP信号生成段32で生成される基準SPをXip,kpとすると、シンボル番号i、サブキャリヤ番号kにおけるチャネル応答Fip,kpは次式で表される。
Figure 2008042663
尚、チャネル応答推定手段13−1は、チャネル応答を算出するための基準信号として、ISDB−T方式で採用されているSPを用いるようにしたが、これに限定されるものではない。振幅及び位相が既知の信号であって、受信側の回り込みキャンセラ1において生成可能な他のキャリアシンボルを基準信号として用いるようにしてもよい。
図8は、図2に示したチャネル応答推定手段13の第2の構成を示すブロック図である。このチャネル応答推定手段13−2は、チャネル等化段40、判定段46、及び除算段47を備えている。チャネル等化段40は、SP信号抽出段41、基準SP信号生成段42、除算段43、補間段44、及び除算段45を備えている。図7に示したチャネル応答推定手段13−1と図8に示すチャネル応答推定手段13−2とを比較すると、SP信号抽出段31,41、基準SP信号生成段32,42、除算段33,43及び補間段34,44を備えている点で同一であるが、チャネル応答推定手段13−2は、チャネル応答推定手段13−1に加えて、除算段45、判定段46及び除算段47を備えている点で相違する。
チャネル等化段40は、FFT手段12からキャリヤシンボルを入力し、当該キャリヤシンボルのうちのSP以外のキャリヤシンボル(以下、データシンボルという。)について、除算段45が、これを補間段44により出力されたチャネル応答Fで除算することにより、チャネル等化を行う。チャネル等化段40は、チャネル等化後のデータシンボルを判定段46に出力する。
チャネル等化後のデータシンボルZは、次式のように表すことができる。
Figure 2008042663
ここで、DはISDB-T変調器における信号生成時のサブキャリヤ番号kのキャリヤシンボル(以下、送信シンボル)、Nは雑音を示す。式(3)によれば、Zは、第2項により信号点Dを中心に分散することがわかる。
次に、判定段46は、チャネル等化段40からチャネル等化後のデータシンボルを入力し、しきい値判定を行い、等化後のキャリヤシンボルから信号空間上におけるユークリッド距離の最も小さい既知の信号点を、送信シンボルの推定値として除算段47に出力する。
ここで、送信シンボルの推定値を式(4)で表すことができる。
Figure 2008042663
dec(y)は、しきい値判定の関数であり、信号空間においてデータシンボルYに最も近い送信信号を返す。
式(4)において判定誤りがないと仮定すると、式(4)に示す送信シンボルの推定値は、サブキャリヤ番号kのサブキャリヤの周波数における送信シンボルDと等しくなる。したがって、式(4)に示す送信シンボルの推定値をSPと同様に基準信号として用い、式(5)のように、チャネル応答を求めることができる。
Figure 2008042663
つまり、除算段47は、キャリヤシンボルを、式(4)に示す送信シンボルの推定値である基準信号で除算し、その結果のチャネル応答を出力する。
〔チャネル応答の遅延時間分離〕
次に、LPF手段14及び除算手段15の動作の詳細について説明する。前述したように、LPF手段14は、チャネル応答の低域成分を抽出し、除算手段15は、OFDM信号の各サブキャリヤ毎に、チャネル応答をその低域成分で除算し、チャネル応答からマルチパスの歪み成分を除去する。
図10は、図2に示したLPF手段14の第1の構成を示すブロック図である。このLPF手段14−1は、チャネル応答(周波数特性)を入力し、その低域成分を抽出し、出力する。ここで、チャネル応答の低域成分とは、チャネル応答(周波数特性)波形の低域成分であり、周波数特性をIFFTして得られる遅延プロファイル上の主波を含む一定遅延時間範囲の応答に相当する。
図11は、図2に示したLPF手段14の第2の構成を示すブロック図である。このLPF手段14−2は、IFFT段51、窓関数段52、及びFFT段53を備えている。IFFT段51は、チャネル応答推定手段13からチャネル応答を入力し、チャネル応答の時間領域表現である遅延プロファイルに逆高速フーリエ変換し、窓関数段52に出力する。窓関数段52は、IFFT段51から遅延プロファイルを入力し、窓関数を乗算してFFF202によって等化可能な遅延時間範囲の成分のみを抽出し、FFT段53に出力する。FFT段53は、窓関数段52から窓関数乗算結果を入力し、再び周波数領域表現であるチャネル応答に高速フーリエ変換し、これにより得られたチャネル応答の低域成分を出力する。
このようなLPF手段14−1,2による処理を式(6)で表すことができる。
Figure 2008042663
ここで、式(6)の左辺は、サブキャリヤ番号kについて、主波とFFF202によって等化可能なマルチパス成分のみが含まれるチャネル応答を示す。
除算手段15は、チャネル応答推定手段13からのチャネル応答Fを、LPF手段14からの式(6)左辺で除算する。すなわち、式(7)で表すことができる。
Figure 2008042663
ここで、式(7)の左辺は、サブキャリヤ番号kについて、主波とFBF203によってそのレプリカを生成可能な遅延時間範囲の回り込み成分のみが含まれるチャネル応答を示す。
図12は、LPF手段14及び除算手段15の処理内容をチャネル応答の時間領域表現である遅延プロファイルによって表現した図である。図12(a)は、LPF手段14及び除算手段15が入力するチャネル応答の遅延プロファイルを示す。(b)は、LPF手段14の出力信号であるチャネル応答の低域成分の遅延プロファイルを示す。また、(c)は、除算手段15の出力信号である、チャネル応答からマルチパス歪み成分が除去された遅延プロファイルを示す。
図12から、チャネル応答(a)は、主波及びFFF202によって等化可能な遅延時間範囲のマルチパス成分のみが含まれる信号(b)と、主波及びFBF203によってそのレプリカを生成可能な遅延時間範囲の回り込み成分のみが含まれる信号(c)とに分離されることがわかる。すなわち、LPF手段14及び除算手段15の目的は、(a)に示したチャネル応答の信号を、(b)に示した主波及びマルチパス成分の信号(FFF202のフィルタ係数を生成するための信号)と、(c)に示した主波及び回り込み成分の信号(FBF203のフィルタ係数を生成するための信号)とに分離することにある。尚、詳細については、前述した特許文献9を参照されたい。
〔回り込みキャンセル残差の算出、FBFのフィルタ係数の更新〕
次に、キャンセル残差算出手段16、IFFT手段17、係数切り出し手段30、乗算手段18、加算手段19及び遅延手段20の動作の詳細について説明する。前述したように、キャンセル残差算出手段16は、マルチパス歪み成分が除去されたチャネル応答を入力して、回り込み伝搬路のキャンセル残差を算出し、IFFT手段17は、周波数領域のキャンセル残差をキャンセル残差のインパルス応答に逆高速フーリエ変換する。係数切り出し手段30は、キャンセル残差のインパルス応答から所定の時間範囲の係数を切り出す。また、乗算手段18は、切り出されたキャンセル残差のインパルス応答に予め設定された値μを乗算し、加算手段19は、単位係数更新時間前のフィルタ係数に、キャンセル残差のインパルス応答を加算し、遅延手段20は、入力されたフィルタ係数を保持して次回の係数更新時まで(単位係数更新時間の間)遅延させる。
サブキャリヤ番号kに関する回り込みのキャンセル残差をδWとすると、キャンセル残差算出手段16により算出されるキャンセル残差は、式(8)で表すことができる。
Figure 2008042663
また、IFFT手段17は、周波数領域のキャンセル残差δWをIFFT処理により時間領域に変換すると、回り込みキャンセル残差のインパルス応答δw(n)を算出する。
Figure 2008042663
ここで、nは任意の離散時間を示す。
現在の時刻をi、任意の離散時間をnとし、FBF203のフィルタ係数をw(i,n)とすると、乗算手段18、加算手段19及び遅延手段20は、FBF203のフィルタ係数w(i,n)を、式(10)により更新する。
Figure 2008042663
ここでμは、雑音抑圧のための適応係数を示し、乗算手段18により乗算される定数である。尚、フィルタ係数の更新にあたっては、特開2001−237749、特開2000−341242等の手法を用いることができる。
〔等化残差の算出、FFF202フィルタ係数の更新〕
次に、等化残差算出手段22、IFFT手段23、乗算手段24、係数切り出し手段31、加算手段25及び遅延手段26の動作の詳細について説明する。等化残差算出手段22は、上位局信号の伝送路の特性のみが含まれるチャネル応答の低域成分を入力して等化残差を算出し、IFFT手段23は、周波数領域の等化残差を、時間領域の等化残差のインパルス応答に逆高速フーリエ変換する。係数切り出し手段31は、所定の時間範囲の係数を切り出す。また、乗算手段24は、等化残差のインパルス応答に予め設定された値を乗算し、加算手段25は、単位係数更新時間前のフィルタ係数に、等化残差のインパルス応答を加算し、遅延手段26は、フィルタ係数を保持して次回の係数更新時まで(単位係数更新時間の間)遅延させる。
サブキャリヤ番号kに関する等化残差をδHとすると、等化残差算出手段22により算出される等化残差は、式(11)で表すことができる。
Figure 2008042663
また、IFFT手段23は、周波数領域の等化残差δHをIFFT処理により時間領域に変換すると、等化残差のインパルス応答δh(n)を算出する。
Figure 2008042663
現在の時刻をi、任意の離散時間をnとし、FFF202のフィルタ係数をh(i,n)とすると、乗算手段24、加算手段25及び遅延手段26は、FFF202のフィルタ係数を、式(13)により更新する。
Figure 2008042663
ここでμは、雑音抑圧のための適応係数を示し、乗算手段24により乗算される定数である。
〔畳み込み演算〕
次に、畳み込み演算手段27の動作の詳細について説明する。畳み込み演算手段27は、畳み込み演算段28が、加算手段25から新たなフィルタ係数を入力し、フィルタ係数設定段29により予め設定されたフィルタ係数を入力し、これらのフィルタ係数どうしを畳み込み演算する。この畳み込み演算手段27による処理の目的は、FFF202の帯域幅が回り込みループ及びキャンセルループのいずれの帯域幅をも超えないように帯域制限することにある。
畳み込み演算手段27は、非適応フィルタであり、その帯域幅が回り込みループ及びキャンセルループのいずれの帯域幅をも越えない狭帯域フィルタのフィルタ係数をg(n)として予め定めておき、式(13)により生成されるFFF202のフィルタ係数に対して、式(14)のように時間領域での畳み込み演算を行う。
Figure 2008042663
ここで、lは非適応狭帯域フィルタg(n)のフィルタ長(タップ長)を示す。
このような非適応狭帯域フィルタである畳み込み演算手段27をFFF202に縦続接続する場合には、回り込みキャンセラによる処理遅延が大きくなってしまう。しかし、このようにフィルタ係数同士を時間領域で畳み込み演算することにより、回り込みキャンセラによる装置遅延の増大を防ぐことができ、FFF202の帯域幅が回り込みループ及びキャンセルループのいずれの帯域幅をも越えないようにすることができる。
以上のように、図2に示した回り込みキャンセラ1によれば、フィルタ係数制御部10がFFF202のフィルタ係数の生成に際し、LPF手段14が、チャネル応答の低域成分を抽出して、主波及びFFF202によって、等化可能な遅延時間範囲内のマルチパスによる伝送路の特性のみが含まれるチャネル応答を生成するようにした。これにより、FFF202のフィルタ係数は、FFT窓位置補正手段21、等化残差算出手段22、IFFT手段23、乗算手段24、加算手段25及び遅延手段26により、主波及びFFF202によって等化可能な遅延時間範囲内のマルチパスによる伝送路の特性のみが含まれるチャネル応答から生成されることになる。したがって、上位局からの伝搬路に主波との遅延時間差が小さいマルチパス成分が存在する環境においても、FFF202により、前記マルチパスによる歪みを等化することができる。
また、図2に示した回り込みキャンセラ1によれば、フィルタ係数制御部10がFBF203のフィルタ係数の生成に際し、除算手段15が、チャネル応答をその低域成分で除算して、FBF203によっては、そのレプリカを生成できない遅延時間の範囲内のマルチ歪の成分を含まないチャネル応答を生成するようにした。すなわち、マルチパスの歪成分が除去されたチャネル応答を生成するようにした。これにより、FBF203のフィルタ係数は、キャンセル残差算出手段16、IFFT手段17、乗算手段18、加算手段19及び遅延手段20により、マルチパスの歪成分が除去されたチャネル応答から生成されることになる。したがって、上位局からの伝搬送路に主波との遅延時間差が小さいマルチパス成分が存在する環境においても、FFF202がマルチパスによる歪みを等化すると共に、FBF203及び減算部201により、回り込みをキャンセルすることができる。
次に、図2に示した回り込みキャンセラ1による効果について説明する。図13は、遅延プロファイルの例を示す図である。以下、図13により表される伝搬環境における回り込みキャンセラの動作例を、図3に示した従来の回り込みキャンセラ101、図4に示した従来技術から想定される回り込みキャンセラ103、及び、図2に示した本発明の実施の形態による回り込みキャンセラ1についてそれぞれ説明する。
図14は、図3に示した従来の回り込みキャンセラ101を用いた場合のFFF202及びFBF203のフィルタ係数の例を示す図である。説明を簡単にするため、以下では1回のフィルタ係数の更新を行った後のフィルタ係数を示している。図14から、FFF202のフィルタ係数は、マルチパスを等化するように生成されているが、FBF203のフィルタ係数は、回り込みをキャンセルするように生成されていないことがわかる。これは、FBF203のフィルタ係数には、マルチパス歪みによって生じた、実際の回り込み伝搬路には存在しない成分を相殺するための係数が生成されているため、FBF203によって生成される回り込みのレプリカが減算部201において相殺されないからである。つまり、回り込みキャンセラ101自体によって回り込みを生成してしまう。
図15は、図5に示した従来技術から想定される回り込みキャンセラ103を用いた場合のFFF202及びFBF203のフィルタ係数の例を示す図である。図15から、FBF203のフィルタ係数は、回り込みをキャンセルするように生成されており、回り込み伝搬路の特性を正しく推定しているが、FFF202のフィルタ係数は、マルチパスを等化するように生成されていないことがわかる。これは、FFF202のフィルタ係数が、FFF202により等化可能な遅延時間範囲のマルチパス成分を除去した後のチャネル応答から生成されているため、FFF202によって等化可能な遅延時間範囲のマルチパス成分を等化するためのフィルタ係数が生成されないからである。
図16は、図2に示した本発明の実施の形態による回り込みキャンセラ1を用いた場合のFFF202及びFBF203のフィルタ係数の例を示す図である。図16から、FFF202のフィルタ係数は、マルチパスを等化するように正しく生成されており、FBF203のフィルタ係数は、回り込みのレプリカを生成して回り込みをキャンセルするように正しく生成されていることがわかる。
〔中継装置〕
次に、中継装置について説明する。図6は、図2に示した回り込みキャンセラ1を用いた中継装置の構成を示すブロック図である。この中継装置9は、受信アンテナ2、受信フィルタ3、受信部4、回り込みキャンセラ1、送信部5、PA(増幅部)6、送信フィルタ7、及び送信アンテナ8を備えている。
図2に示した回り込みキャンセラ1を備えた放送波中継局の中継装置9は、上位局から送信された希望波を受信アンテナ2によって受信する。受信フィルタ3は、受信アンテナ2から出力された受信信号をフィーダーケーブルを介して入力し、希望波の周波数帯域外の不要な信号成分を除去する。受信(変換)部4は、受信フィルタ3の出力信号を入力し、その出力レベルが一定になるようにAGC増幅した後、周波数変換してIF信号を生成して出力する。このIF信号の中心周波数としては、37.15MHzが一般に用いられる。
回り込みキャンセラ1は、受信部4からIF信号を入力する。回り込みキャンセラ1の周波数変換部は、IF信号を周波数変換して第2IF信号を生成する。この第2のIF信号の中心周波数としては、512/63(8.127689)MHzが一般に用いられる。A/D変換部は、周波数変換部から第2のIF信号を入力してA/D変換し、デジタルIF信号を出力する。直交復調部は、A/D変換部からデジタルIF信号を入力して直交復調処理を施し、等価ベースバンド信号に変換して出力する。減算部は、直交復調部から等価ベースバンド信号を入力し、FBFからの回り込みのレプリカを逆相で合成し、FFFに出力する。FFFは、マルチパス成分を等化し、回り込みのキャンセル及びマルチパスの等化が行われた等価ベースバンド信号として出力する。直交変調部は、等価ベースバンド信号を入力して直交変調処理を施し、デジタルIF信号に変換して出力する。D/A変換部は、直交変調部からデジタルIF信号を入力し、第2IF信号に変換して出力する。周波数変換部は、D/A変換部から第2IF信号を入力し、IF信号に変換して出力する。
送信(変換)部5は、回り込みキャンセラ1の周波数変換部からIF信号を入力し、RF帯に周波数変換し、一定レベルになるように増幅して出力する。PA6は、送信部5からRF帯の信号を入力し、所望の出力の送信信号を得るために電力増幅して出力する。送信フィルタ7は、PA6からRF帯の送信信号を入力し、帯域外の不要輻射成分を除去する。送信フィルタ7により帯域外の不要な成分が除去された送信信号は、フィーダーケーブルを介して送信アンテナ8に供給され、電波となって放射される。
回り込みキャンセラの一般的な構成の概略を示すブロック図である。 本発明の実施の形態による回り込みキャンセラの構成を示すブロック図である。 従来の回り込みキャンセラの第1の構成を示すブロック図である。 従来の回り込みキャンセラの第2の構成を示すブロック図である。 従来技術から想定される回り込みキャンセラの構成を示すブロック図である。 図2の回り込みキャンセラを用いた中継装置の構成を示すブロック図である。 チャネル応答推定手段の第1の構成を示すブロック図である。 チャネル応答推定手段の第2の構成を示すブロック図である。 SPの配置を示す図である。 LPF手段の第1の構成を示すブロック図である。 LPF手段の第2の構成を示すブロック図である。 チャネル応答の遅延時間分離を説明する図である。 遅延プロファイルの例を示す図である。 従来の回り込みキャンセラの第1の構成によるフィルタ係数の例を示す図である。 従来技術から想定される回り込みキャンセラによるフィルタ係数の例を示す図である。 図2の回り込みキャンセラによるフィルタ係数の例を示す図である。
符号の説明
1,100,101,102,103 回り込みキャンセラ
2 受信アンテナ
3 受信フィルタ
4 受信部
5 送信部
6 PA
7 送信フィルタ
8 送信アンテナ
9 中継装置
10,110,204,210,310 フィルタ係数制御部
11,111,211,311 有効シンボル期間抽出手段
12,112,212,312 FFT手段
13,113,213,313 チャネル応答推定手段
14,214,314 LPF手段
15,215,315 除算手段
16,114,216,316 キャンセル残差算出手段
17,23,115,217,317 IFFT手段
18,24,116,119,218,318,321 乗算手段
19,25,117,120,219,322 加算手段
20,26,118,121,220,320,323 遅延手段
21 FFT窓位置補正手段
22 等化残差算出手段
27 畳み込み演算手段
28 畳み込み演算段
29 フィルタ係数設定段
30,122,123,221,324,325 係数切り出し手段
31,41 SP信号抽出段
32,42 基準SP信号生成段
33,43,45,47 除算段
34,44 補間段
40 チャネル等化段
46 判定段
51 IFFT段
52 窓関数段
53 FFT段
201 減算部
202 FBF
203 FFF

Claims (4)

  1. 入力されるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号と逆相で合成することにより回り込みをキャンセルするための回り込みのレプリカを生成するFBF(Feed−Back Filter)と、回り込みキャンセル後の信号のマルチパスによる歪みを等化するFFF(Feed−Forward Filter)と、前記FFFを制御するためのフィルタ係数を生成するフィルタ係数制御部とを少なくとも備える回り込みキャンセラにおいて、
    前記フィルタ係数制御部が、
    前記FFFから入力されるOFDM信号の有効シンボル期間に相当する期間を抽出する有効シンボル期間抽出部と、
    前記有効シンボル期間抽出部から入力されるOFDM信号をFFT(Fast Fourier Transform)により周波数領域の信号であるキャリヤシンボルに変換するFFT手段と、
    前記FFT手段から入力されるキャリヤシンボルからチャネル応答を推定するチャネル応答推定手段と、
    前記チャネル応答推定手段から入力されるチャネル応答から、上位局からの主波及びFFFによって等化可能な遅延時間範囲のマルチパス成分が含まれる低域成分を抽出するLPF(Low Pass Filter)手段と、
    前記LPF手段から入力されるチャネル応答の低域成分に含まれるFFT窓位置のずれによる位相回転成分を補正するFFT窓位置補正手段と、
    前記FFT窓位置補正手段から入力されるチャネル応答の低域成分をマルチパス歪みの等化残差に変換する等化残差算出手段と、
    前記等化残差算出手段から入力される等化残差をIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理し、等化残差のインパルス応答に変換するIFFT手段と、
    前記IFFT手段から入力される等化残差のインパルス応答から所定の時間範囲の係数を切り出す切り出し手段と、
    前記係数切り出し手段から入力される切り出し後のインパルス応答に予め定められた定数を乗算する乗算手段と、
    前記FFFのフィルタ係数を単位更新時間分保持する遅延手段と、
    前記乗算手段から入力される等化残差のインパルス応答と前記遅延手段から入力される単位更新時間前のFFFのフィルタ係数とを加算して新たなFFFのフィルタ係数を生成する加算手段と、
    を備えることを特徴とする回り込みキャンセラ。
  2. 入力されるOFDM信号と逆相で合成することにより回り込みをキャンセルするための回り込みのレプリカを生成するFBFと、回り込みキャンセル後の信号のマルチパスによる歪みを等化するFFFと、前記FBFを制御するためのフィルタ係数及び前記FFFを制御するためのフィルタ係数を生成するフィルタ係数制御部とを少なくとも備える回り込みキャンセラにおいて、
    前記フィルタ係数制御部が、
    前記FFFから入力されるOFDM信号の有効シンボル期間に相当する期間を抽出する有効シンボル期間抽出部と、
    前記有効シンボル期間抽出部から入力されるOFDM信号をFFTにより周波数領域の信号であるキャリヤシンボルに変換するFFT手段と、
    前記FFT手段から入力されるキャリヤシンボルからチャネル応答を推定するチャネル応答推定手段と、
    前記チャネル応答推定手段から入力されるチャネル応答から、上位局からの主波及びFFFによって等化可能な遅延時間範囲のマルチパス成分が含まれる低域成分を抽出するLPF手段と、
    前記チャネル応答推定手段から入力されるチャネル応答を、OFDM信号の各サブキャリヤ毎に前記LPF手段から入力されるチャネル応答の低域成分で除算することにより、チャネル応答のマルチパス歪み成分を除去する除算手段と、
    前記除算手段から入力されるマルチパス歪み成分が除去されたチャネル応答から、回り込みキャンセル残差を算出するキャンセル残差算出手段と、
    前記キャンセル残差算出手段から入力される回り込みキャンセル残差をIFFT処理し、回り込みキャンセル残差のインパルス応答に変換するIFFT手段と、
    前記IFFT手段から入力される回り込みキャンセル残差のインパルス応答から所定の時間範囲の係数を切り出す切り出し手段と、
    前記切り出し手段から入力される切り出し後のキャンセル残差のインパルス応答に予め定められた定数を乗算する乗算手段と、
    FBFのフィルタ係数を単位更新時間分保持する遅延手段と、
    前記乗算手段から入力される回り込みキャンセル残差のインパルス応答と前記遅延手段から入力される単位更新時間前のFBFのフィルタ係数とを加算して新たなFBFのフィルタ係数を生成する加算手段と、
    前記LPF手段から入力されるチャネル応答の低域成分に含まれるFFT窓位置のずれによる位相回転成分を補正するFFT窓位置補正手段と、
    前記FFT窓位置補正手段から入力されるチャネル応答の低域成分をマルチパス歪みの等化残差に変換する等化残差算出手段と、
    前記等化残差算出手段から入力される等化残差をIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理し、等化残差のインパルス応答に変換するIFFT手段と、
    前記IFFT手段から入力される等化残差のインパルス応答から所定の時間範囲の係数を切り出す切り出し手段と、
    前記係数切り出し手段から入力される切り出し後のインパルス応答に予め定められた定数を乗算する乗算手段と、
    前記FFFのフィルタ係数を単位更新時間分保持する遅延手段と、
    前記乗算手段から入力される等化残差のインパルス応答と前記遅延手段から入力される単位更新時間前のFFFのフィルタ係数とを加算して新たなFFFのフィルタ係数を生成する加算手段と、
    を備えることを特徴とする回り込みキャンセラ。
  3. 請求項1または2に記載の回り込みキャンセラにおいて、
    前記フィルタ係数制御部が、さらに、前記加算手段により生成される新たなFFFのフィルタ係数に対して予め定められたフィルタ係数を畳み込み、前記FFFを制御するためのフィルタ係数を生成する畳み込み演算手段を
    備えることを特徴とする回り込みキャンセラ。
  4. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の回り込みキャンセラを用いる中継装置。
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