JP2014116877A - 回り込みキャンセラおよび中継装置 - Google Patents

回り込みキャンセラおよび中継装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の単位送信波が連結された放送波を受信する際に、送受アンテナ間結合による回り込みを除去するとともに、マルチパスによる歪みを等化する回り込みキャンセラおよびそれを用いて上位局波を良好かつ安定に中継する中継装置を提供する。
【解決手段】回り込みキャンセラ1のフィルタ係数制御部20に備えた周波数特性算出部23の位相補償部24は、FFF15からの等価ベースバンド信号のキャリヤシンボルに、送信側によりセグメント単位で施された位相補正成分の符号を逆にした位相回転補正量を乗算することにより、位相を補償する。すなわち、送信側とは逆の位相補正を加えることにより、キャリヤシンボルの位相を補償する。チャネル推定部25は、位相補償部24からのキャリヤシンボルからチャネル応答を推定する。これにより、送信側によりセグメント単位で施された位相補正成分を考慮したチャネル応答を推定することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式を用いるデジタル放送やデジタル伝送における中継局または中継装置に関わり、特に、SFN(Single Frequency Network)における放送波中継局の送受アンテナ間での電波の回り込みを除去するための回り込みキャンセラに関する。
回り込みキャンセラは、受信信号の周波数と同一周波数で再送信を行うSFN放送波中継局において、受信信号に含まれる、送受アンテナ間結合により生じる回り込み波成分をキャンセルし、上位局信号のみを再送信するための装置である。
回り込みは、送信アンテナから放射された電波の一部が回り込み伝搬路を通った後、上位局波を受信する受信アンテナで受信されて生じるものであり、回り込みキャンセラの内部で、回り込み伝搬路と同じ伝送特性の回路を実現すれば、回り込み波のレプリカ信号を生成することができる。
回り込みキャンセラは、当該装置内部で生成した回り込み波のレプリカ信号を受信信号から減算することにより回り込みをキャンセルし、上位局信号のみを取り出す装置である(例えば、特許文献1〜6を参照)。
一方、OFDM方式を用いたデジタル伝送としては、VHF帯を使用するマルチメディア放送の運用および検討がなされている。VHF帯を使用するマルチメディア放送とUHF帯を使用した地上デジタル放送を比較すると、伝送パラメータ等は概ね共通しているものの、マルチメディア放送では、地上デジタル放送よりも伝送帯域幅が広いという特徴がある。特に、複数のセグメントをガードバンド無しで同一地点から送信する連結送信時には、この傾向が顕著となる。
特開平11−355160号公報 特開2000−341238号公報 特開2000−349734号公報 特開2001−94528号公報 特開2000−295195号公報 特許第4132578号公報
このようなマルチメディア放送では、送信装置は、複数のセグメント信号をガードバンド無しで送信する連結送信時に、それぞれのセグメント信号に位相補正(位相回転補正)を加えている。これは、送信装置が、複数のセグメント信号を位相補正を加えることなく一括してIFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)し、OFDM信号を送信し、受信装置が、所望のセグメント信号を選択してFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)し復調を行うとすると、複数のセグメント信号の中心周波数と、選択したセグメント信号の中心周波数とが異なるため、復調が行われる受信信号に位相回転による不連続が生じ、正しい復調を行うことができなくなるからである。
このため、マルチメディア放送へ従来の回り込みキャンセラを適用する場合を想定すると、回り込みキャンセラは、送信装置が複数のセグメント信号をガードバンド無しで送信する連結送信時に、それぞれのセグメント信号に位相補正が加わっていることを考慮する必要がある。
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数の単位送信波が連結された放送波を受信する際に、送受アンテナ間結合による回り込みを除去するとともに、マルチパスによる歪みを等化する回り込みキャンセラおよびそれを用いて上位局波を良好かつ安定に中継する中継装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1の回り込みキャンセラは、送信側によりセグメント単位で位相回転補正されて連結送信された放送波のOFDM信号を受信し、前記受信したOFDM信号に含まれる回り込みのレプリカ信号を生成するFBF(Feed Back Filter)と、前記受信したOFDM信号から回り込みのレプリカ信号をキャンセルした後の信号のマルチパスによる歪みを等化するFFF(Feed Forward Filter)と、前記FBFおよびFFFを制御するためのフィルタ係数を生成するフィルタ係数制御部とを備える回り込みキャンセラにおいて、前記フィルタ係数制御部が、前記FFFにより等化されたOFDM信号から有効シンボル期間のOFDM信号を抽出する有効シンボル期間抽出部と、前記有効シンボル期間抽出部により抽出されたOFDM信号をFFT(Fast Fourier Transform)し、キャリヤシンボルに変換するFFT部と、前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルのチャネル応答を算出するチャネル応答算出部と、前記チャネル応答算出部により算出されたチャネル応答に基づいて、等化誤差を算出する等化誤差算出部と、前記等化誤差算出部により算出された等化誤差から、前記FFFにて用いるフィルタ係数を算出するFFF係数算出部と、前記チャネル応答算出部により算出されたチャネル応答に基づいて、キャンセル残差を算出するキャンセル残差算出部と、前記キャンセル残差算出部により算出されたキャンセル残差から、前記FBFにて用いるフィルタ係数を算出するFBF係数算出部とを備え、前記チャネル応答算出部が、前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルに、前記送信側とは逆の位相回転補正を施し、前記キャリヤシンボルの位相を補償する位相補償部と、前記位相補償部により位相が補償されたキャリヤシンボルのうちの所定のキャリヤシンボルを、振幅および位相が既知のキャリヤシンボルで除算し、除算結果をシンボル方向およびキャリヤ方向に補間し、前記チャネル応答を推定するチャネル推定部と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の回り込みキャンセラは、請求項1に記載の回り込みキャンセラにおいて、前記チャネル推定部が、前記位相補償部により位相が補償されたキャリヤシンボルのうちの所定のキャリヤシンボルを、振幅および位相が既知のキャリヤシンボルで除算する第1の除算部と、前記第1の除算部による除算結果をシンボル方向およびキャリヤ方向に補間し、チャネル応答を求める補間部と、前記位相補償部により位相が補償されたキャリヤシンボルを、前記補間部により求めたチャネル応答で除算し、チャネル等化する第2の除算部と、前記第2の除算部によりチャネル等化されたキャリヤシンボルから信号空間上におけるユークリッド距離が最も小さい既知の送信シンボルを、送信シンボルの推定値として判定する判定部と、前記位相補償部により位相が補償されたキャリヤシンボルを、前記判定部により判定された送信シンボルの推定値で除算し、除算結果を、当該チャネル推定部にて推定したチャネル応答として出力する第3の除算部と、を備えることを特徴とする。
また、請求項3の回り込みキャンセラは、請求項1に記載の回り込みキャンセラにおいて、前記チャネル応答算出部が、前記位相補償部およびチャネル推定部の代わりに新たなチャネル推定部を備え、前記新たなチャネル推定部が、振幅および位相が既知のパイロット信号を生成するパイロット信号生成部と、前記パイロット信号生成部により生成されたパイロット信号に、前記送信側と同じ位相回転補正を施し、前記パイロット信号の位相を補償する位相補償部と、前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルのうちの所定のパイロット信号を、前記位相補償部により位相が補償されたパイロット信号で除算する除算部と、前記除算部による除算結果をシンボル方向およびキャリヤ方向に補間し、当該チャネル推定部にて推定したチャネル応答として出力する補間部と、を備えることを特徴とする。
また、請求項4の回り込みキャンセラは、請求項3に記載の回り込みキャンセラにおいて、前記新たなチャネル推定部が、前記パイロット信号生成部および位相補償部の代わりに補償済みパイロット信号生成部を備え、前記補償済みパイロット信号生成部が、既知の振幅を有し、既知の位相に前記送信側と同じ位相回転補正が施されたパイロット信号を生成し、前記除算部が、前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルのうちの所定のパイロット信号を、前記補償済みパイロット信号生成部により生成されたパイロット信号で除算する、ことを特徴とする。
また、請求項5の回り込みキャンセラは、請求項1に記載の回り込みキャンセラにおいて、前記チャネル応答算出部が、前記位相補償部およびチャネル推定部の代わりに新たなチャネル推定部を備え、前記新たなチャネル推定部が、振幅および位相が既知のパイロット信号を生成するパイロット信号生成部と、前記パイロット信号生成部により生成されたパイロット信号に、前記送信側と同じ位相回転補正を施し、前記パイロット信号の位相を補償する第1の位相補償部と、前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルのうちの所定のパイロット信号を、前記第1の位相補償部により位相が補償されたパイロット信号で除算する第1の除算部と、前記第1の除算部による除算結果をシンボル方向およびキャリヤ方向に補間し、補間したチャネル応答として出力する補間部と、前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルを、前記補間部により補間されたチャネル応答で除算し、チャネル等化する第2の除算部と、前記第2の除算部によりチャネル等化されたキャリヤシンボルから信号空間上におけるユークリッド距離が最も小さい既知の送信シンボルを、送信シンボルの推定値として判定する判定部と、前記判定部により判定された送信シンボルの推定値に、前記送信側と同じ位相回転補正を施し、前記送信シンボルの推定値の位相を補償する第2の位相補償部と、前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルを、前記第2の位相補償部により位相が補償された送信シンボルの推定値で除算し、除算結果を、当該チャネル推定部にて推定したチャネル応答として出力する第3の除算部と、を備えることを特徴とする。
また、請求項6の回り込みキャンセラは、請求項5に記載の回り込みキャンセラにおいて、前記新たなチャネル推定部が、前記判定部および第2の位相補償部の代わりに新たな判定部を備え、前記新たな判定部が、前記第2の除算部によりチャネル等化されたキャリヤシンボルから、信号空間上におけるユークリッド距離が最も小さい既知の送信シンボルに対して前記送信側と同じ位相回転補正が施された推定値を、送信シンボルの推定値として判定し、前記第3の除算部が、前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルを、前記新たな判定部により判定された送信シンボルの推定値で除算し、除算結果を、当該チャネル推定部にて推定したチャネル応答として出力する、ことを特徴とする。
また、請求項7の回り込みキャンセラは、請求項6に記載の回り込みキャンセラにおいて、前記新たなチャネル推定部が、前記パイロット信号生成部および第1の位相補償部の代わりに補償済みパイロット信号生成部を備え、前記補償済みパイロット信号生成部が、既知の振幅を有し、既知の位相に前記送信側と同じ位相回転補正が施されたパイロット信号を生成し、前記第1の除算部が、前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルのうちの所定のパイロット信号を、前記補償済みパイロット信号生成部により生成されたパイロット信号で除算する、ことを特徴とする。
さらに、請求項8の中継装置は、請求項1から7までのいずれか一項に記載の回り込みキャンセラを用いることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、複数の単位送信波が連結された放送波を受信する際に、送受アンテナ間結合による回り込みを除去するとともに、マルチパスによる歪みを等化する回り込みキャンセラおよびそれを用いて上位局波を良好かつ安定に中継する中継装置を提供することができる。
本発明の実施形態による第1の(実施例1の)回り込みキャンセラの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態による第2の(実施例2の)回り込みキャンセラの構成を示すブロック図である。 実施例1におけるチャネル推定部の第1の構成を示すブロック図である。 実施例1におけるチャネル推定部の第2の構成を示すブロック図である。 実施例2におけるチャネル推定部の第1の構成を示すブロック図である。 実施例2におけるチャネル推定部の第2の構成を示すブロック図である。 実施例2におけるチャネル推定部の第3の構成を示すブロック図である。 実施例2におけるチャネル推定部の第4の構成を示すブロック図である。 SPの配置を示す図である。 LPF部の第1の構成を示すブロック図である。 LPF部の第2の構成を示すブロック図である。 実施例1,2の回り込みキャンセラを用いた中継装置の構成を示すブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明の実施形態による回り込みキャンセラは、セグメント単位で位相補正が施され複数の単位送信波が連結された放送波を送信側から受信し、直交復調後の信号から回り込みのレプリカ信号を除去し、FFF(Feed Forward Filter)にてマルチパスによる歪みを等化する装置であり、回り込みのレプリカ信号を生成するFBF(Feed Back Filter)にて用いるフィルタ係数、およびFFFにて用いるフィルタ係数を生成するフィルタ係数制御部が、送信側によりセグメント単位で施された位相補正成分を考慮してチャネル応答を推定することを特徴とする。本発明の実施形態による回り込みキャンセラのフィルタ係数制御部は、位相補正成分を考慮して推定したチャネル応答から、マルチパス歪み成分を除去したチャネル応答を生成し、FBFのフィルタ係数を生成する。また、フィルタ係数制御部は、位相補正成分を考慮して推定したチャネル応答から低域成分を抽出して伝搬路特性のみが含まれるチャネル応答を生成し、FFFのフィルタ係数を生成する。
〔実施例1の回り込みキャンセラ〕
まず、実施例1の回り込みキャンセラについて説明する。図1は、実施例1の回り込みキャンセラの構成を示すブロック図である。この回り込みキャンセラ1は、周波数変換部11、A/D(アナログ/デジタル)変換部12、直交復調部13、減算部14、FFF15、FBF16、直交変調部17、D/A(デジタル/アナログ)変換部18、周波数変換部19およびフィルタ係数制御部20を備えている。
回り込みキャンセラ1が、送信側にてセグメント単位で位相補正が施され複数の単位送信波が連結された放送波を受信すると、周波数変換部11は、受信信号をIF帯の信号に変換して出力する。周波数変換部11の出力するIF信号はA/D変換部12へ入力される。A/D変換部12は、周波数変換部11から入力されるアナログのIF信号を、図示しない同期再生部から供給されるサンプリングクロックを用いてデジタル信号に変換し、デジタルIF信号として出力する。A/D変換部12の出力するデジタルIF信号は直交復調部13へ入力される。直交復調部13は、A/D変換部12から入力されるデジタルIF信号を直交復調し、等価ベースバンド信号として出力する。直交復調部13の出力する等価ベースバンド信号は減算部14へ入力される。
尚、A/D変換部12と直交復調部13の順序を逆にして構成するようにしてもよい。この場合、直交復調部13が、アナログIF信号を直交復調してI,Qの等価ベースバンド信号を出力し、2つのA/D変換部12が、直交復調部13から入力されるI,Qの等価ベースバンド信号を用いてデジタル信号にそれぞれ変換する。
減算部14は、直交復調部13から入力される等価ベースバンド信号から、FBF16から入力される回り込みのレプリカ信号を減算することにより、回り込みをキャンセルした等価ベースバンド信号を出力する。減算部14の出力する等価ベースバンド信号はFFF15へ入力される。FFF15は、減算部14から入力される等価ベースバンド信号に対し、フィルタ係数制御部20から入力されるFFF15のフィルタ係数を用いてフィルタ処理を行うことにより、マルチパスの歪みを等化した等価ベースバンド信号を出力する。FFF15の出力する等価ベースバンド信号は3分配され、直交変調部17、フィルタ係数制御部20およびFBF16へそれぞれ入力される。FBF16は、FFF15から入力される等価ベースバンド信号に対し、フィルタ係数制御部20から入力されるFBF16のフィルタ係数を用いてフィルタ処理を行うことにより、回り込みのレプリカ信号を出力する。FBF16の出力する回り込みのレプリカ信号は減算部14へ入力される。
直交変調部17は、FFF15から入力される等価ベースバンド信号を直交変調し、デジタルIF信号として出力する。直交変調部17の出力するデジタルIF信号はD/A変換部18へ入力される。D/A変換部18は、直交変調部17から入力されるデジタルIF信号をアナログ信号に変換し、IF信号として出力する。D/A変換部18の出力するIF信号は周波数変換部19へ入力される。周波数変換部19は、D/A変換部18から入力されるIF信号をRF帯の送信信号に変換し、外部へ出力する。
フィルタ係数制御部20は、FFF15から出力された等価ベースバンド信号を入力し、FFF15のフィルタ係数およびFBF16のフィルタ係数を生成して出力する。フィルタ係数制御部20の出力するFFF15のフィルタ係数はFFF15へ入力され、FBF16のフィルタ係数はFBF16へ入力される。
フィルタ係数制御部20は、有効シンボル期間抽出部21、FFT部22、周波数特性算出部(チャネル応答算出部)23、キャンセル残差算出部29、IFFT部30、乗算部31、加算部32、遅延部33、等化誤差算出部34、IFFT部35、乗算部36、加算部37、遅延部38および畳み込み演算部39を備えている。IFFT部30、乗算部31、加算部32および遅延部33はFBF係数生成部を構成し、IFFT部35、乗算部36、加算部37、遅延部38および畳み込み演算部39はFFF係数生成部を構成する。
有効シンボル期間抽出部21は、FFF15から入力される等価ベースバンド信号から、1つのOFDM伝送シンボル期間のうち有効シンボル期間に相当する期間の信号を抽出し出力する。有効シンボル期間抽出部21の出力する有効シンボル期間の時間領域のOFDM信号はFFT部22へ入力される。FFT部22は、有効シンボル期間抽出部21から入力される有効シンボル期間の時間領域のOFDM信号をFFTし、周波数領域信号であるキャリヤシンボルに変換し出力する。FFT部22の出力するキャリヤシンボルは周波数特性算出部23へ入力される。
周波数特性算出部23は、FFT部22から入力されるキャリヤシンボルから、送信側によりセグメント単位で施された位相補正成分を考慮したチャネル応答を推定し、推定したチャネル応答からマルチパス歪み成分を除去したチャネル応答を生成して出力し、推定したチャネル応答から伝搬路特性のみが含まれるチャネル応答を生成して出力する。周波数特性算出部23の出力するマルチパス歪み成分を除去したチャネル応答はキャンセル残差算出部29へ入力され、伝搬路特性のみが含まれるチャネル応答は等化誤差算出部34へ入力される。
周波数特性算出部23は、位相補償部24、チャネル推定部25、LPF(Low Pass Filter:ローパスフィルタ)部26、除算部27およびFFT窓位置補正部28を備えている。位相補償部24は、FFT部22から入力されるキャリヤシンボルに、送信側によりセグメント単位で施された位相補正成分の符号を逆にした位相回転補正量を乗算(複素乗算)することにより、位相を補償する。すなわち、送信側とは逆の位相補正を加えることにより、キャリヤシンボルの位相を補償する。位相補償部24の出力するキャリヤシンボルはチャネル推定部25へ入力される。
チャネル推定部25は、位相補償部24から入力されるキャリヤシンボルから、チャネル応答を推定して出力する。これにより、送信側によりセグメント単位で施された位相補正成分を考慮したチャネル応答が推定される。チャネル推定部25の出力するチャネル応答は2分配され、一方がLPF部26へ、他方が除算部27へそれぞれ入力される。
LPF部26は、チャネル推定部25から入力されるチャネル応答から低域成分を抽出して出力する。LPF部26の出力するチャネル応答の低域成分は2分配され、一方が除算部27へ、他方がFFT窓位置補正部28へそれぞれ入力される。除算部27は、OFDM信号のサブキャリヤ毎に、チャネル推定部25から入力されるチャネル応答を、LPF部26から入力されるチャネル応答の低域成分で除算することにより、チャネル応答からマルチパス歪み成分を除去して出力する。除算部27の出力するマルチパス歪み成分を除去したチャネル応答はキャンセル残差算出部29へ入力される。
尚、LPF部26の出力するチャネル応答の低域成分は、主波とFFF15によって等化可能な遅延時間範囲のマルチパス成分のみが含まれるチャネル応答を示し、除算部27の出力するマルチパス歪み成分を除去したチャネル応答は、主波とFBF16によってそのレプリカを生成可能な遅延時間範囲の回り込み波成分のみが含まれるチャネル応答を示す。詳細については後述する。
FFT窓位置補正部28は、LPF部26から入力されるチャネル応答の低域成分に含まれる、有効シンボル期間と有効シンボル期間抽出部21において抽出される有効シンボル期間との間のずれによる位相回転成分を補正して、FFT窓位置のずれによる位相回転成分を補正したチャネル応答であって伝搬路特性のみが含まれるチャネル応答を出力する。FFT窓位置補正部28の出力するFFT窓位置のずれによる位相回転成分を補正したチャネル応答であって伝搬路特性のみが含まれるチャネル応答は等化誤差算出部34へ入力される。
キャンセル残差算出部29は、除算部27から入力されるマルチパス歪み成分を除去したチャネル応答から、実際の回り込み伝搬路特性とFBF16にて実現している伝搬路特性との間の差分であるキャンセル残差(周波数領域信号)を算出して出力する。キャンセル残差算出部29の出力する回り込みのキャンセル残差はIFFT部30へ入力される。IFFT部30は、キャンセル残差算出部29から入力される回り込みのキャンセル残差をIFFTし、回り込み伝搬路のインパルス応答の変化分に変換して出力する。IFFT部30の出力する回り込み伝搬路のインパルス応答の変化分は乗算部31へ入力される。乗算部31は、IFFT部30から入力される回り込み伝搬路のインパルス応答の変化分に、予め定められた定数を乗算して出力する。乗算部31の出力信号は加算部32へ入力される。加算部32は、遅延部33から入力される単位係数更新時間前のFBF16のフィルタ係数に、乗算部31から入力される回り込み伝搬路のインパルス応答の変化分を加算し、FBF16のフィルタ係数として出力する。加算部32の出力するFBF16のフィルタ係数は2分配され、一方がFBF16へ、他方が遅延部33へそれぞれ入力される。
等化誤差算出部34は、FFT窓位置補正部28から入力される、FFT窓位置のずれによる位相回転成分が補正されたチャネル応答であって伝搬路特性のみが含まれるチャネル応答を入力し、実際に行われるべき等化処理とFFF15により実現している等化処理との間の差分である等化誤差を算出して出力する。等化誤差算出部34の出力する等化誤差はIFFT部35へ入力される。IFFT部35は、等化誤差算出部34から入力される等化誤差をIFFTし、等化誤差のインパルス応答の変化分に変換して出力する。IFFT部35が出力する等化誤差のインパルス応答の変化分は乗算部36へ入力される。乗算部36は、IFFT部35から入力される等化誤差のインパルス応答の変化分に、予め定められた定数を乗算して出力する。乗算部36の出力信号は加算部37へ入力される。加算部37は、遅延部38から入力される単位係数更新時間前のFFF15のフィルタ係数に、乗算部36から入力される等化誤差のインパルス応答の変化分を加算し、FFF15のフィルタ係数として出力する。加算部37の出力するFFF15のフィルタ係数は2分配され、一方が畳み込み演算部39へ、他方が遅延部38へそれぞれ入力される。
畳み込み演算部39は、乗算部40およびデジタルSAW(Surface Acoustic Wave filter:表面波フィルタ)フィルタ係数格納部41を備えている。デジタルSAWフィルタ係数格納部41は、アナログのSAWフィルタと同等の阻止域減衰量を持つデジタルフィルタのフィルタ係数を格納するものであり、予め決められたフィルタ長の予め決められたフィルタ係数を格納する。乗算部40は、加算部37から入力されるFFF15のフィルタ係数と、デジタルSAWフィルタ係数格納部41から入力される予め定められたフィルタ係数とを畳み込み演算して出力する。乗算部40の出力するFFF15のフィルタ係数はFFF15へ入力される。
以上のように、図1に示した実施例1の回り込みキャンセラ1によれば、フィルタ係数制御部20に備えた周波数特性算出部23の位相補償部24は、FFF15からの等価ベースバンド信号のキャリヤシンボルに、送信側によりセグメント単位で施された位相補正成分の符号を逆にした位相回転補正量を乗算する、すなわち、送信側とは逆の位相補正を加えることにより、キャリヤシンボルの位相を補償するようにした。そして、チャネル推定部25は、位相補償部24からのキャリヤシンボルからチャネル応答を推定するようにした。これにより、送信側によりセグメント単位で施された位相補正成分を考慮したチャネル応答を推定することができる。
そして、LPF部26は、推定されたチャネル応答から低域成分を抽出し、除算部27は、推定されたチャネル応答を、抽出された低域成分で除算することにより、マルチパス歪み成分を除去したチャネル応答を生成し、キャンセル残差算出部29から遅延部33までの構成部は、マルチパス歪み成分を除去したチャネル応答からFBF16のフィルタ係数を生成するようにした。また、FFT窓位置補正部28は、抽出されたチャネル応答の低域成分に含まれる、有効シンボル期間と有効シンボル期間抽出部21において抽出される有効シンボル期間との間のずれによる位相回転成分を補正して、FFT窓位置のずれによる位相回転成分が補正されたチャネル応答であって伝搬路特性のみが含まれるチャネル応答を生成し、等化誤差算出部34から畳み込み演算部39までの構成部は、伝搬路特性のみが含まれるチャネル応答からFFF15のフィルタ係数を生成するようにした。
これにより、回り込みキャンセラ1は、セグメント単位で位相補正が施され複数の単位送信波が連結された放送波を送信側から受信した場合に、FBF16が、位相補正成分を考慮したチャネル応答から生成されたFBF16のフィルタ係数を用いてフィルタ処理を行うことにより、回り込みのレプリカ信号を生成し、減算部14は、受信信号が直交復調された信号から回り込みのレプリカ信号を除去し、FFF15は、位相補正成分を考慮したチャネル応答から生成されたFFF15のフィルタ係数を用いて、減算部14からの信号に対しフィルタ処理を行うことにより、マルチパスの歪みを等化する。したがって、複数の単位送信波が連結された放送波を受信する際に、送受アンテナ間結合による回り込みを除去するとともに、マルチパスによる歪みを等化することが可能となる。
〔実施例2の回り込みキャンセラ〕
次に、実施例2の回り込みキャンセラについて説明する。図2は、実施例2の回り込みキャンセラの構成を示すブロック図である。この回り込みキャンセラ2は、周波数変換部11、A/D変換部12、直交復調部13、減算部14、FFF15、FBF16、直交変調部17、D/A変換部18、周波数変換部19およびフィルタ係数制御部42を備えている。図1に示した実施例1の回り込みキャンセラ1と実施例2の回り込みキャンセラ2とを比較すると、実施例2の回り込みキャンセラ2は、実施例1の回り込みキャンセラ1に備えたフィルタ係数制御部20とは異なるフィルタ係数制御部42を備えている点で相違する。回り込みキャンセラ2のフィルタ係数制御部42以外の構成部については、実施例1の回り込みキャンセラ1と同様であるから、説明を省略する。
フィルタ係数制御部42は、FFF15から等価ベースバンド信号を入力し、FFF15のフィルタ係数およびFBF16のフィルタ係数を生成して出力する。フィルタ係数制御部42の出力するFFF15のフィルタ係数はFFF15へ入力され、FBF16のフィルタ係数はFBF16へ入力される。
フィルタ係数制御部42は、有効シンボル期間抽出部21、FFT部22、周波数特性算出部43、キャンセル残差算出部29、IFFT部30、乗算部31、加算部32、遅延部33、等化誤差算出部34、IFFT部35、乗算部36、加算部37、遅延部38および畳み込み演算部39を備え、周波数特性算出部43は、チャネル推定部44、LPF部26、除算部27およびFFT窓位置補正部28を備えている。図1に示した実施例1のフィルタ係数制御部20と実施例2のフィルタ係数制御部42とを比較すると、実施例2のフィルタ係数制御部42における周波数特性算出部43は、実施例1のフィルタ係数制御部20における周波数特性算出部23に備えた位相補償部24およびチャネル推定部25の代わりにチャネル推定部44を備えており、位相補償部24を備えていない点で相違する。フィルタ係数制御部42のチャネル推定部44以外の構成部については、実施例1のフィルタ係数制御部20と同様であるから、説明を省略する。
周波数特性算出部43のチャネル推定部44は、FFT部22から入力されるキャリヤシンボルから、送信側によりセグメント単位で施された位相補正成分を考慮したSP(Scattered Pilot:スキャタードパイロット)信号を用いてチャネル応答を推定する。この場合、基準となるSP信号に、送信側によりセグメント単位で施された位相補正成分と同じ位相回転補正量を乗算することにより、位相を補償する。すなわち、SP信号に送信側と同じ位相補正を加えることにより、SP信号の位相を補償する。これにより、送信側によりセグメント単位で施された位相補正成分を考慮したチャネル応答を推定することができる。チャネル推定部44の出力するチャネル応答は2分配され、一方が除算部27へ、他方がLPF部26へそれぞれ入力される。
以上のように、図2に示した実施例2の回り込みキャンセラ2によれば、フィルタ係数制御部42に備えた周波数特性算出部43のチャネル推定部44は、FFT部22からのキャリヤシンボルから、送信側によりセグメント単位で施された位相補正成分を考慮したSP信号を用いてチャネル応答を推定するようにした。
これにより、回り込みキャンセラ2は、回り込みキャンセラ1と同様に、セグメント単位で位相補正が施され複数の単位送信波が連結された放送波を送信側から受信した場合に、FBF16が、位相補正成分を考慮したチャネル応答から生成されたFBF16のフィルタ係数を用いてフィルタ処理を行うことにより、回り込みのレプリカ信号を生成し、減算部14は、受信信号が直交復調された信号から回り込みのレプリカ信号を除去し、FFF15は、位相補正成分を考慮したチャネル応答から生成されたFFF15のフィルタ係数を用いて、減算部14からの信号に対しフィルタ処理を行うことにより、マルチパスの歪みを等化する。したがって、複数の単位送信波が連結された放送波を受信する際に、送受アンテナ間結合による回り込みを除去するとともに、マルチパスによる歪みを等化することが可能となる。
以下、図1に示した実施例1の回り込みキャンセラ1および図2に示した実施例2の回り込みキャンセラ2について、その動作を地上デジタル音声放送に適用した場合について説明する。ただし、以下は原理的な説明であり、周波数変換、A/D変換、D/A変換、直交変復調、送受信部などの基本的な部分の説明を省略するものとし、同期再生は十分な精度で実現されるものとする。これらの構成部は公知の技術であるため、説明は省略する。
〔位相補償部:実施例1〕
まず、図1に示した実施例1の回り込みキャンセラ1に備えた位相補償部24について詳細に説明する。送信側にてセグメント単位で施される位相補正成分の位相回転補正量は、予め決められた値であり、モード、ガードインターバル比、および伝送信号の中心周波数とセグメントの中心周波数との間の差により、ARIB STD−B29「地上デジタル音声放送の伝送方式」表4.3−1シンボル毎の送信側位相回転補償量」に示されている。この表に記載されている位相回転補償量(位相回転補正量)をφとすると、位相補償部24は、FFT部22から入力されるキャリヤシンボルに対し、位相回転補正量φの符号を逆にした補正量(−φ)の位相回転を施し、位相を補償する。
位相補償部24による位相補償前後のキャリヤシンボルをそれぞれ
Figure 2014116877
とすると、位相補償部24の入出力は次式で表すことができる。
Figure 2014116877
〔チャネル推定部:実施例1〕
次に、図1に示した実施例1の回り込みキャンセラ1に備えたチャネル推定部25について詳細に説明する。図9は、地上デジタルテレビジョン放送の放送方式であるISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)方式およびDVB−T(Digital Video Broadcasting-Terrestrial)方式において、特定のシンボルの特定のサブキャリヤに割り当てられているSPの配置を示す図である。図9において、SPを黒丸で、データシンボルなどのその他のキャリヤシンボルを白抜きの丸で示している。以下、SPの配置について、連続するシンボルにおけるサブキャリヤ方向の間隔をN、同一のサブキャリヤにおけるシンボル方向の間隔をNとする。SPは、その振幅と位相が予め決められているため、受信側の回り込みキャンセラ1においても同じ信号を生成することができる。実施例2の回り込みキャンセラ2についても同様である。
(第1の構成)
図3は、実施例1におけるチャネル推定部25の第1の構成を示すブロック図である。このチャネル推定部25−1は、SP信号(パイロット信号)抽出部45、SP信号(パイロット信号)生成部46、除算部47および補間部48を備えており、図9に示したSPを用いてチャネル応答を推定する。
SPに割り当てられているサブキャリヤのシンボル番号をi、サブキャリヤ番号をkとすると、iとkの関係は、次式で表すことができる。
Figure 2014116877
ただし、modは剰余を示す。以下、前記式(2)を満足するi,kをそれぞれi,kとする。
SP信号抽出部45は、位相補償部24からキャリヤシンボルを入力し、キャリヤシンボルからSP信号を抽出し、除算部47に出力する。SP信号生成部46は、送信側における信号生成時のSP信号と同一の振幅および位相の基準SP信号を生成し、除算部47に出力する。除算部47は、SP信号抽出部45により抽出されたSP信号を、SP信号生成部46により生成された基準SP信号で除算し、チャネル応答を補間部48に出力する。補間部48は、除算部47により生成されたチャネル応答をシンボル方向およびキャリヤ方向に補間する。
ここで、SP信号抽出部45により抽出されるSP信号を
Figure 2014116877
とし、SP信号生成部46により生成される基準SP信号を
Figure 2014116877
とすると、シンボル番号i、サブキャリヤ番号kにおけるチャネル応答
Figure 2014116877
は、次式で表される。
Figure 2014116877
尚、チャネル推定部25−1は、チャネル応答を算出するための基準信号として、ISDB−T方式で採用されているSPを用いるようにしたが、本発明は、これに限定されるものではない。振幅および位相が既知の信号であって、受信側の回り込みキャンセラ1において生成可能な他のキャリヤシンボルを基準信号として用いるようにしてもよい。後述するチャネル推定部25−2およびチャネル推定部44−1〜44−4についても同様である。
(第2の構成)
図4は、実施例1におけるチャネル推定部25の第2の構成を示すブロック図である。このチャネル推定部25−2は、チャネル等化部49、判定部55および除算部56を備えている。以下、シンボル番号iは省略する。
チャネル等化部49は、SP信号(パイロット信号)抽出部50、SP信号(パイロット信号)生成部51、除算部52、補間部53および除算部54を備えている。SP信号抽出部50は、位相補償部24からのキャリヤシンボルを入力し、キャリヤシンボルからSP信号を抽出し、除算部52に出力する。SP信号生成部51は、送信側における信号生成時のSP信号と同一の振幅および位相の基準SP信号を生成し、除算部52に出力する。除算部52は、SP信号抽出部50により抽出されたSP信号を、SP信号生成部51により生成された基準SP信号で除算し、補間部53に出力する。補間部53は、除算部52により生成されたチャネル応答をシンボル方向およびキャリヤ方向に補間する。除算部54は、位相補償部24からのキャリヤシンボルのうちのSP信号以外のキャリヤシンボル(以下、データシンボルという。)Yを、補間部53から入力されるチャネル応答Fで除算することにより、チャネル等化を行う。
チャネル等化部49によるチャネル等化後のデータシンボルをZとすると、Zは、次式で表される。
Figure 2014116877
ここで、Dは、サブキャリヤ番号kのサブキャリヤの周波数における送信シンボルを示し、Nは雑音を示す。前記式(4)からわかるように、データシンボルZは、第2項により信号点Dを中心に分散する。
判定部55は、除算部54からチャネル等化後のキャリヤシンボルを入力し、以下の式(5)に示すように、等化後のキャリヤシンボルから信号空間上におけるユークリッド距離が最も小さい既知の送信シンボルを、送信シンボルの推定値
Figure 2014116877
として出力する。
Figure 2014116877
ここで、dec(y)はしきい値判定の関数であり、信号空間においてyに最も近い送信信号を返す。前記式(5)において、判定誤りがないと仮定すると
Figure 2014116877
となる。
除算部56は、以下の式(6)に示すように、位相補償部24からのキャリヤシンボルYを、判定部55からの送信シンボルの推定値
Figure 2014116877
で除算し、チャネル応答Fを求める。
Figure 2014116877
これにより、送信シンボルの推定値
Figure 2014116877
をSPと同様に基準信号として用いることで、チャネル応答Fを求めることができる。
〔チャネル推定部:実施例2〕
次に、図2に示した実施例2の回り込みキャンセラ2に備えたチャネル推定部44について詳細に説明する。
(第1の構成)
図5は、実施例2におけるチャネル推定部44の第1の構成を示すブロック図である。このチャネル推定部44−1は、SP信号抽出部45、SP信号生成部46、除算部47、補間部48および位相補償部57を備えており、図9に示したSPを用いてチャネル応答を推定する。図3に示した実施例1のチャネル推定部25−1と実施例2のチャネル推定部44−1とを比較すると、チャネル推定部44−1は、SP信号生成部46と除算部47との間に位相補償部57を備えている点でチャネル推定部25−1と相違する。SP信号抽出部45、SP信号生成部46、除算部47および補間部48については説明済みであるから、ここでは説明を省略する。
位相補償部57は、送信側がセグメント単位に位相補正を施す処理と同じ処理を、SP信号生成部46により生成された基準SP信号に対して行う。すなわち、位相補償部57は、SP信号生成部46から入力される基準SP信号に、送信側によりセグメント単位で施された位相補正成分の位相回転補正量を乗算することにより、位相を補償する。すなわち、送信側による位相補正と同じ補正を加えることにより、基準SP信号の位相を補償する。位相補償部57の出力する基準SP信号は除算部47へ入力される。
前述のとおり、送信側にてセグメント単位で施される位相補正成分の位相回転補正量は予め決められた値である。この位相回転補正量をφとし、位相補償部57による位相補償前後のSP信号をそれぞれ
Figure 2014116877
とすると、位相補償部57の入出力は次式で表すことができる。
Figure 2014116877
(第2の構成)
図6は、実施例2におけるチャネル推定部44の第2の構成を示すブロック図である。このチャネル推定部44−2は、SP信号抽出部45、除算部47、補間部48および補償済みSP信号(補償済みパイロット信号)生成部58を備えており、図9に示したSPを用いてチャネル応答を推定する。図5に示したチャネル推定部44−1とこのチャネル推定部44−2とを比較すると、チャネル推定部44−2は、チャネル推定部44−1に備えたSP信号生成部46および位相補償部57の代わりに、補償済みSP信号生成部58を備えている点で相違する。SP信号抽出部45、除算部47および補間部48については説明済みであるから、ここでは説明を省略する。
SP信号は予め決められた値であり、また、前述したとおり、送信側にてセグメント単位で施される位相補正成分の位相回転補正量も予め決められた値である。このため、補償済みSP信号生成部58は、予め決められた位相回転補正量分の位相補償済みのSP信号を基準SP信号として生成することができる。具体的には、補償済みSP信号生成部58は、既知の振幅を有し、既知の位相に対して送信側と同じ位相回転補正量分の位相補償がされたSP信号を基準SP信号として生成する。補償済みSP信号生成部58の出力する位相補償済みの基準SP信号は除算部47へ入力される。これにより、位相補償部57が不要となるため、全サブキャリヤまたは全SPに対する位相補償の処理が不要となり、回路規模を削減することができる。さらに、従来の回り込みキャンセラに対して回路を追加する必要がなく、予め決められている値を用いてSPの位相を回転するだけでよいという利点も有する。
(第3の構成)
図7は、実施例2におけるチャネル推定部44の第3の構成を示すブロック図である。このチャネル推定部44−3は、チャネル等化部59、判定部55、乗算部(位相補償部)61および除算部56を備えている。また、チャネル等化部59は、SP信号抽出部50、SP信号生成部51、位相補償部60、除算部52、補間部53および除算部54を備えている。図4に示した実施例1のチャネル推定部25−2と実施例2のチャネル推定部44−3とを比較すると、チャネル推定部44−3は、SP信号生成部51と除算部52との間に位相補償部60を備え、判定部55と除算部56との間に乗算部61を備えている点でチャネル推定部25−2と相違する。SP信号抽出部50、SP信号生成部51、除算部52、補間部53、除算部54、判定部55および除算部56については説明済みであるから、ここでは説明を省略する。
位相補償部60は、図5に示した位相補償部57と同様に、送信側がセグメント単位に位相補正を施す処理と同じ処理を、SP信号生成部51により生成された基準SP信号に対して行う。位相補償部60の出力する基準SP信号は除算部52へ入力される。位相補償部60は位相補償部57と同様であるから、その詳細の説明を省略する。
乗算部61は、送信側がセグメント単位に位相補正を施す処理と同じ処理を、判定部55からの送信シンボルの推定値に対して行う。すなわち、乗算部61は、判定部55から入力される送信シンボルの推定値に、送信側によりセグメント単位で施された位相補正成分の位相回転補正量を乗算することにより、位相を補償する。すなわち、送信側による位相補正と同じ補正を加えることにより、送信シンボルの推定値の位相を補償する。乗算部61の出力する送信シンボルの推定値は除算部56へ入力される。
前述のとおり、送信側にてセグメント単位で施される位相補正成分の位相回転補正量は予め決められた値である。この位相回転補正量をφとし、乗算部61による位相補償前後の送信シンボルの推定値をそれぞれ
Figure 2014116877
とすると、乗算部61の入出力は次式で表すことができる。
Figure 2014116877
(第4の構成)
図8は、実施例2におけるチャネル推定部44の第4の構成を示すブロック図である。このチャネル推定部44−4は、チャネル等化部59、判定部(補償済み判定部)62および除算部56を備えている。また、チャネル等化部59は、SP信号抽出部50、SP信号生成部51、位相補償部60、除算部52、補間部53および除算部54を備えている。図7に示したチャネル推定部44−3とこのチャネル推定部44−4とを比較すると、チャネル推定部44−4は、チャネル推定部44−3に備えた判定部55および乗算部61の代わりに、判定部62を備えている点で相違する。チャネル等化部59の各構成部、および除算部56については説明済みであるから、ここでは説明を省略する。
判定部55,62におけるシンボル判定値は予め決められた値であり、また、前述したとおり、位相回転補正量も予め決められた値である。このため、判定部62は、予め決められた位相回転補正量分の位相補償済みのシンボル判定値を生成することができる。具体的には、判定部62は、除算部54からチャネル等化後のキャリヤシンボルを入力し、等化後のキャリヤシンボルから、信号空間上におけるユークリッド距離が最も小さい既知の送信シンボルを特定し、特定した送信シンボルに対応する位相補償済みの送信シンボル、すなわち、送信側と同じ位相回転補正量分の位相補償がされた送信シンボルを、送信シンボルの推定値として判定し出力する。判定部62の出力する位相補償済みの送信シンボルの推定値は除算部56へ入力される。これにより、位相補償を行う乗算部61が不要となるため、全サブキャリヤに対する位相補償の処理が不要となり、回路規模を削減することができる。さらに、従来の回り込みキャンセラに対して回路を追加する必要がなく、予め決められている値を用いて送信シンボルの推定値の位相を回転するだけでよいという利点も有する。
尚、図8に示したチャネル推定部44−4において、チャネル等化部59に備えたSP信号生成部51および位相補償部60の代わりに、図6に示した補償済みSP信号生成部58を備えるようにしてもよい。これにより、位相補償を行う位相補償部57が不要になるため、回路規模を一層削減することができる。
〔チャネル応答の遅延時間分離:実施例1,2〕
次に、図1,2に示した実施例1,2の回り込みキャンセラ1,2に備えたLPF部26および除算部27について詳細に説明する。図10は、LPF部26の第1の構成を示すブロック図である。LPF部26−1は、チャネル推定部25,44から入力されるチャネル応答の低域成分を抽出する。
図11は、LPF部26の第2の構成を示すブロック図である。このLPF部26−2は、IFFT部63、窓関数部64およびFFT部65を備えている。IFFT部63は、チャネル推定部25,44から入力されるチャネル応答をIFFTし、時間領域表現である遅延プロファイルに変換する。窓関数部64は、IFFT部63により変換された遅延プロファイルについて、後段のFFT部65によって等化可能な遅延時間範囲の成分に所定の窓関数を乗算する。FFT部65は、窓関数部64により乗算された遅延時間範囲の成分をFFTし、再び周波数領域表現であるチャネル応答に変換する。これにより、LPF部26−2は、図10に示したLPF部26−1と同等に、チャネル応答の低域成分を抽出することができる。
LPF部26−1,26−2の入出力は次式で表すことができる。
Figure 2014116877
ここで、Fは、チャネル推定部25,44から入力されるチャネル応答を示し、
Figure 2014116877
は、サブキャリヤ番号kについて、チャネル応答の低域成分である、主波とFFF15によって等化可能な遅延時間範囲のマルチパス成分のみが含まれるチャネル応答を示す。
除算部27は、以下の式に示すように、チャネル推定部25,44から入力されるチャネル応答Fを、LPF部26−1,26−2から入力されるチャネル応答の低域成分(主波とFFF15によって等化可能な遅延時間範囲のマルチパス成分のみが含まれるチャネル応答)
Figure 2014116877
で除算し、
OFDM信号のサブキャリヤ毎のサブキャリヤ番号kについて、マルチパス歪み成分を除去したチャネル応答である、主波とFBF16によってそのレプリカを生成可能な遅延時間範囲の回り込み波成分のみが含まれるチャネル応答
Figure 2014116877
を生成する。
Figure 2014116877
このように、LPF部26−1,26−2および除算部27によれば、チャネル推定部25,44により推定されたチャネル応答Fを、その低域成分(主波とFFF15によって等化可能な遅延時間範囲のマルチパス成分のみが含まれるチャネル応答)
Figure 2014116877
と、
マルチパス歪み成分を除去したチャネル応答(主波とFBF16によってそのレプリカを生成可能な遅延時間範囲の回り込み波成分のみが含まれるチャネル応答)
Figure 2014116877
とに分離することができる。詳細については、特開2004−320677号公報を参照されたい。
〔回り込みキャンセル残差の算出およびFBFのフィルタ係数の更新:実施例1,2〕
次に、図1,2に示した実施例1,2の回り込みキャンセラ1,2に備えたキャンセル残差算出部29から遅延部33までについて詳細に説明する。キャンセル残差算出部29は、次式に示すように、サブキャリヤ番号kについての回り込みのキャンセル残差δWを算出する。
Figure 2014116877
IFFT部30は、キャンセル残差δWをIFFT処理により時間領域信号に変換すると、次式に示すように、回り込み伝搬路のインパルス応答の変化分である回り込みキャンセル残差のインパルス応答δwを求めることができる。
Figure 2014116877
現在の時刻をi、任意の離散時間をn、FBF16のフィルタ係数をw(i,n)とすると、乗算部31、加算部32および遅延部33は、次式に示すように、FBF16のフィルタ係数w(i+1,n)を更新する。
Figure 2014116877
ここで、μは雑音抑圧のための適応係数を示す。
〔等化誤差の算出およびFFFのフィルタ係数の更新:実施例1,2〕
次に、図1,2に示した実施例1,2の回り込みキャンセラ1,2に備えた等化誤差算出部34から遅延部38までについて詳細に説明する。等化誤差算出部34は、次式に示すように、サブキャリヤ番号kについての等化誤差δHを算出する。
Figure 2014116877
IFFT部35は、等化誤差δHをIFFT処理により時間領域信号に変換すると、次式に示すように、等化誤差のインパルス応答の変化分である等化誤差のインパルス応答δhを求めることができる。
Figure 2014116877
現在の時刻をi、任意の離散時間をn、FFF15のフィルタ係数をh(i,n)とすると、乗算部36、加算部37および遅延部38は、次式に示すように、加算部37が出力するFFF15のフィルタ係数h(i+1,n)を更新する。
Figure 2014116877
ここで、μは雑音抑圧のための適応係数を示す。
〔畳み込み演算部:実施例1,2〕
次に、図1,2に示した実施例1,2の回り込みキャンセラ1,2に備えた畳み込み演算部39について詳細に説明する。畳み込み演算部39の処理の目的は、FFF15の帯域幅が回り込みループとキャンセルループのいずれの帯域幅をも越えないようにすることにある。
畳み込み演算部39は、非適応フィルタであって、その帯域幅が回り込みループとキャンセルループのいずれの帯域幅をも越えない狭帯域フィルタをg(n)として予め定めておき、前記式(16)により生成されるFFF15のフィルタ係数h(n)に対し、次式に示すように、時間領域において畳み込み演算を行う。
Figure 2014116877
ここで、lは非適応狭帯域フィルタg(n)のフィルタ長を示す。
一般に、非適応狭帯域フィルタをFFF15に縦続接続する場合、回り込みキャンセラ1,2による処理遅延が大きくなってしまう。しかし、前述のとおり、畳み込み演算部39においてフィルタ係数同士を時間領域で畳み込み演算するようにしたから、回り込みキャンセラ1,2による処理遅延が大きくなることはなく、FFF15の帯域幅が回り込みループとキャンセルループのいずれの帯域幅をも越えないようにすることができる。
〔中継装置〕
次に、図1,2に示した実施例1,2の回り込みキャンセラ1,2を用いた中継装置について説明する。図12は、その中継装置の構成を示すブロック図である。この中継装置101は、受信アンテナ102、受信フィルタ103、受信変換部(受信部)104、回り込みキャンセラ1,2、送信変換部(送信部)105、PA(増幅部)106、送信フィルタ107および送信アンテナ108を備えている。
実施例1,2の回り込みキャンセラ1,2を備えた放送波中継局の中継装置101は、上位局から送信された希望波を受信アンテナ102によって受信する。受信フィルタ103は、受信アンテナ102から出力された受信信号をフィーダーケーブルを介して入力し、希望波の周波数帯域外の不要な信号成分を除去する。受信変換部104は、受信フィルタ103の出力信号を入力し、その出力レベルが一定になるようにAGC増幅した後、周波数変換してIF信号を生成し出力する。このIF信号の中心周波数としては、37.15MHzが一般に用いられる。受信変換部104の出力するIF信号は、回り込みキャンセラ1,2へ入力される。
回り込みキャンセラ1,2は、受信変換部104からIF信号を入力する。回り込みキャンセラ1,2の周波数変換部11は、受信変換部104より入力されるIF信号を周波数変換し、第2のIF信号に変換して出力する。この第2のIF信号の中心周波数としては、512/63(8.127689)MHzが一般に用いられる。A/D変換部12は、周波数変換部11から第2のIF信号を入力してA/D変換し、デジタルIF信号を出力する。直交復調部13は、A/D変換部12からデジタルIF信号を入力して直交復調処理を施し、等価ベースバンド信号に変換して出力する。減算部14は、直交復調部13から等価ベースバンド信号を入力し、FBF16からの回り込みのレプリカ信号を逆相で合成し、FFF15に出力する。FFF15は、マルチパス成分を等化し、回り込みのキャンセルおよびマルチパスの等化が行われた等価ベースバンド信号として出力する。直交変調部17は、等価ベースバンド信号を入力して直交変調処理を施し、デジタルIF信号に変換して出力する。D/A変換部18は、直交変調部17からデジタルIF信号を入力し、第2のIF信号に変換して出力する。周波数変換部19は、D/A変換部18から第2のIF信号を入力し、IF信号に変換して出力する。
送信変換部105は、回り込みキャンセラ1,2の周波数変換部19からIF信号を入力し、RF帯に周波数変換し、一定レベルになるように増幅して出力する。PA106は、送信変換部105からRF帯の信号を入力し、所望の出力の送信信号を得るために電力増幅して出力する。送信フィルタ107は、PA106からRF帯の送信信号を入力し、帯域外の不要輻射成分を除去する。送信フィルタ107により帯域外の不要な成分が除去された送信信号は、フィーダーケーブルを介して送信アンテナ108に供給され、電波となって放射される。このように、図12に示した中継装置101によれば、回り込みキャンセラ1,2を用いることにより、上位局波を良好かつ安定に中継することができる。
1,2 回り込みキャンセラ
11,19 周波数変換部
12 A/D変換部
13 直交復調部
14 減算部
15 FFF
16 FBF
17 直交変調部
18 D/A変換部
20,42 フィルタ係数制御部
21 有効シンボル期間抽出部
22,65 FFT部
23,43 周波数特性算出部
24,57,60 位相補償部
25,44 チャネル推定部
26 LPF部
27,47,52,54,56 除算部
28 FFT窓位置補正部
29 キャンセル残差算出部
30,35,63 IFFT部
31,36,40,61 乗算部
32,37 加算部
33,38 遅延部
34 等化誤差算出部
39 畳み込み演算部
41 デジタルSAWフィルタ係数格納部
45,50 SP信号抽出部
46,51 SP信号生成部
48,53 補間部
49,59 チャネル等化部
55,62 判定部
58 補償済みSP信号生成部
64 窓関数部
101 中継装置
102 受信アンテナ
103 受信フィルタ
104 受信変換部
105 送信変換部
106 PA
107 送信フィルタ
108 送信アンテナ

Claims (8)

  1. 送信側によりセグメント単位で位相回転補正されて連結送信された放送波のOFDM信号を受信し、前記受信したOFDM信号に含まれる回り込みのレプリカ信号を生成するFBF(Feed Back Filter)と、前記受信したOFDM信号から回り込みのレプリカ信号をキャンセルした後の信号のマルチパスによる歪みを等化するFFF(Feed Forward Filter)と、前記FBFおよびFFFを制御するためのフィルタ係数を生成するフィルタ係数制御部とを備える回り込みキャンセラにおいて、
    前記フィルタ係数制御部が、
    前記FFFにより等化されたOFDM信号から有効シンボル期間のOFDM信号を抽出する有効シンボル期間抽出部と、
    前記有効シンボル期間抽出部により抽出されたOFDM信号をFFT(Fast Fourier Transform)し、キャリヤシンボルに変換するFFT部と、
    前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルのチャネル応答を算出するチャネル応答算出部と、
    前記チャネル応答算出部により算出されたチャネル応答に基づいて、等化誤差を算出する等化誤差算出部と、
    前記等化誤差算出部により算出された等化誤差から、前記FFFにて用いるフィルタ係数を算出するFFF係数算出部と、
    前記チャネル応答算出部により算出されたチャネル応答に基づいて、キャンセル残差を算出するキャンセル残差算出部と、
    前記キャンセル残差算出部により算出されたキャンセル残差から、前記FBFにて用いるフィルタ係数を算出するFBF係数算出部とを備え、
    前記チャネル応答算出部が、
    前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルに、前記送信側とは逆の位相回転補正を施し、前記キャリヤシンボルの位相を補償する位相補償部と、
    前記位相補償部により位相が補償されたキャリヤシンボルのうちの所定のキャリヤシンボルを、振幅および位相が既知のキャリヤシンボルで除算し、除算結果をシンボル方向およびキャリヤ方向に補間し、前記チャネル応答を推定するチャネル推定部と、
    を備えることを特徴とする回り込みキャンセラ。
  2. 請求項1に記載の回り込みキャンセラにおいて、
    前記チャネル推定部が、
    前記位相補償部により位相が補償されたキャリヤシンボルのうちの所定のキャリヤシンボルを、振幅および位相が既知のキャリヤシンボルで除算する第1の除算部と、
    前記第1の除算部による除算結果をシンボル方向およびキャリヤ方向に補間し、チャネル応答を求める補間部と、
    前記位相補償部により位相が補償されたキャリヤシンボルを、前記補間部により求めたチャネル応答で除算し、チャネル等化する第2の除算部と、
    前記第2の除算部によりチャネル等化されたキャリヤシンボルから信号空間上におけるユークリッド距離が最も小さい既知の送信シンボルを、送信シンボルの推定値として判定する判定部と、
    前記位相補償部により位相が補償されたキャリヤシンボルを、前記判定部により判定された送信シンボルの推定値で除算し、除算結果を、当該チャネル推定部にて推定したチャネル応答として出力する第3の除算部と、
    を備えることを特徴とする回り込みキャンセラ。
  3. 請求項1に記載の回り込みキャンセラにおいて、
    前記チャネル応答算出部が、前記位相補償部およびチャネル推定部の代わりに新たなチャネル推定部を備え、
    前記新たなチャネル推定部が、
    振幅および位相が既知のパイロット信号を生成するパイロット信号生成部と、
    前記パイロット信号生成部により生成されたパイロット信号に、前記送信側と同じ位相回転補正を施し、前記パイロット信号の位相を補償する位相補償部と、
    前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルのうちの所定のパイロット信号を、前記位相補償部により位相が補償されたパイロット信号で除算する除算部と、
    前記除算部による除算結果をシンボル方向およびキャリヤ方向に補間し、当該チャネル推定部にて推定したチャネル応答として出力する補間部と、
    を備えることを特徴とする回り込みキャンセラ。
  4. 請求項3に記載の回り込みキャンセラにおいて、
    前記新たなチャネル推定部が、前記パイロット信号生成部および位相補償部の代わりに補償済みパイロット信号生成部を備え、
    前記補償済みパイロット信号生成部が、
    既知の振幅を有し、既知の位相に前記送信側と同じ位相回転補正が施されたパイロット信号を生成し、
    前記除算部が、前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルのうちの所定のパイロット信号を、前記補償済みパイロット信号生成部により生成されたパイロット信号で除算する、ことを特徴とする回り込みキャンセラ。
  5. 請求項1に記載の回り込みキャンセラにおいて、
    前記チャネル応答算出部が、前記位相補償部およびチャネル推定部の代わりに新たなチャネル推定部を備え、
    前記新たなチャネル推定部が、
    振幅および位相が既知のパイロット信号を生成するパイロット信号生成部と、
    前記パイロット信号生成部により生成されたパイロット信号に、前記送信側と同じ位相回転補正を施し、前記パイロット信号の位相を補償する第1の位相補償部と、
    前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルのうちの所定のパイロット信号を、前記第1の位相補償部により位相が補償されたパイロット信号で除算する第1の除算部と、
    前記第1の除算部による除算結果をシンボル方向およびキャリヤ方向に補間し、補間したチャネル応答として出力する補間部と、
    前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルを、前記補間部により補間されたチャネル応答で除算し、チャネル等化する第2の除算部と、
    前記第2の除算部によりチャネル等化されたキャリヤシンボルから信号空間上におけるユークリッド距離が最も小さい既知の送信シンボルを、送信シンボルの推定値として判定する判定部と、
    前記判定部により判定された送信シンボルの推定値に、前記送信側と同じ位相回転補正を施し、前記送信シンボルの推定値の位相を補償する第2の位相補償部と、
    前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルを、前記第2の位相補償部により位相が補償された送信シンボルの推定値で除算し、除算結果を、当該チャネル推定部にて推定したチャネル応答として出力する第3の除算部と、
    を備えることを特徴とする回り込みキャンセラ。
  6. 請求項5に記載の回り込みキャンセラにおいて、
    前記新たなチャネル推定部が、前記判定部および第2の位相補償部の代わりに新たな判定部を備え、
    前記新たな判定部が、
    前記第2の除算部によりチャネル等化されたキャリヤシンボルから、信号空間上におけるユークリッド距離が最も小さい既知の送信シンボルに対して前記送信側と同じ位相回転補正が施された推定値を、送信シンボルの推定値として判定し、
    前記第3の除算部が、
    前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルを、前記新たな判定部により判定された送信シンボルの推定値で除算し、除算結果を、当該チャネル推定部にて推定したチャネル応答として出力する、ことを特徴とする回り込みキャンセラ。
  7. 請求項6に記載の回り込みキャンセラにおいて、
    前記新たなチャネル推定部が、前記パイロット信号生成部および第1の位相補償部の代わりに補償済みパイロット信号生成部を備え、
    前記補償済みパイロット信号生成部が、
    既知の振幅を有し、既知の位相に前記送信側と同じ位相回転補正が施されたパイロット信号を生成し、
    前記第1の除算部が、
    前記FFT部により変換されたキャリヤシンボルのうちの所定のパイロット信号を、前記補償済みパイロット信号生成部により生成されたパイロット信号で除算する、ことを特徴とする回り込みキャンセラ。
  8. 請求項1から7までのいずれか一項に記載の回り込みキャンセラを用いる中継装置。
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