JP2008140777A - 燃料電池システムおよびそれを含む輸送機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】迅速に通常運転に移行できる、燃料電池システムおよびそれを含む輸送機器を提供する。
【解決手段】自動二輪車10は燃料電池システム100を含む。燃料電池システム100は、複数の燃料電池セル104を有するセルスタック102、セルスタック102に供給すべきメタノール水溶液を保持する水溶液タンク116、水溶液タンク116に水を供給する水ポンプ146、セルスタック102の電流値を検出する電流検出回路168、および燃料電池システム100を制御するCPU158を含む。CPU158は、セルスタック102の発電開始後に電流検出回路168によって検出される電流値が所定の電流値以上になれば水ポンプ146の駆動によって液量調整を開始させる。
【選択図】図4

Description

この発明は燃料電池システムおよびそれを含む輸送機器に関し、より特定的には、燃料水溶液を保持する燃料電池システムおよびそれを含む輸送機器に関する。
特許文献1には、水を保持する水保持手段から水溶液保持手段に水を供給する燃料電池システムが開示されている。
通常、このような燃料電池システムでは、水溶液保持手段の液位を所定の液位にするように水溶液保持手段に水が供給される。燃料電池の発電時には、燃料水溶液の循環供給等に伴って発電により発生した二酸化炭素や気化した燃料などの気体と燃料水溶液との混合物が水溶液保持手段に供給される。このため、水溶液保持手段に保持される燃料水溶液に泡が発生する。この場合、泡を含んだ水溶液保持手段の液位に基づいて所定の液位にするように水溶液保持手段に水が供給される。
また、このような燃料電池システムでは、たとえば前回の発電停止からの時間が短い場合、燃料水溶液が高温でありかつ燃料水溶液の濃度が均一である可能性が高く、定常的に発電可能な通常運転に迅速に移行可能であると期待できる。つまり、燃料水溶液が発電に好ましい状態である可能性が高く、迅速に通常運転に移行可能であると期待できる。
特開2006−4680号公報
しかし、従来技術では、水溶液保持手段に保持される燃料水溶液に泡が発生していなければ泡を含まない実際の液位に基づいて水溶液保持手段に水が供給されてしまう。つまり、泡が発生していなければ泡が発生している状態よりも多くの水が供給されてしまう。このように泡が発生していなければ水溶液保持手段に大量の水が供給されるので、発電停止時の燃料水溶液が発電に好ましい状態であってもその状態を変化させてしまい、通常運転に移行するまでの時間が長くなってしまうという問題があった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、迅速に通常運転に移行できる、燃料電池システムおよびそれを含む輸送機器を提供することである。
上述の目的を達成するために、燃料電池、燃料電池に供給すべき燃料水溶液を保持する水溶液保持手段、水溶液保持手段に水を供給する水供給手段、水溶液保持手段における燃料水溶液の泡の発生に関する情報を取得する情報取得手段、および情報取得手段が取得する情報に基づいて水供給手段を制御する制御手段を備える、燃料電池システムが提供される。
この発明では、情報取得手段によって取得される泡の発生に関する情報に基づいて制御手段が水供給手段を制御することによって、水溶液保持手段に保持される燃料水溶液に泡を発生させた状態で水溶液保持手段に水を供給できる。このように泡を発生させた状態で水を供給することによって、泡が発生していない状態で水を供給する場合に比べて、水溶液保持手段の液位が目標の液位になるまでに水溶液保持手段に供給される水の量を少なくできる。したがって、泡が発生していない状態で水を供給する場合に比べて、燃料水溶液の状態の変化を抑えることができ、燃料水溶液が発電に好ましい状態である場合またはその状態に近い場合は燃料電池が定常的に発電可能な通常運転に迅速に移行できる。水溶液保持手段の液位を所定の液位にするように水溶液保持手段に水を供給する燃料電池システムでは、泡が発生していなければ燃料水溶液の液位(実際の液位)に基づいて大量の水が水溶液保持手段に供給されるので、燃料水溶液を発電に好ましい状態から大きく変化させるおそれがある。この発明は、泡を発生させた状態で水溶液保持手段に水を供給でき、発電に好ましい燃料水溶液の状態の変化を抑えることができるので、水溶液保持手段の液位を所定の液位にするように水溶液保持手段に水を供給する燃料電池システムに好適に用いられる。
なお、この明細書において「水溶液保持手段の液位」は、水溶液保持手段に保持される燃料水溶液に泡が発生していれば当該泡を含んだ液位を意味する。
好ましくは、水溶液保持手段の液位を検出する液位検出手段をさらに含み、制御手段は、情報取得手段が泡の発生に関する所定の情報を取得すれば液位検出手段の検出結果に基づいて水溶液保持手段の液位を所定の液位にするように水供給手段を制御する。この場合、十分な泡が発生していることを示す所定の情報を情報取得手段が取得すれば水溶液保持手段の液位を所定の液位にするように水溶液保持手段に水を供給する。これによって、燃料水溶液の状態の変化を抑えつつも水溶液保持手段の燃料水溶液が不足することを防止でき、燃料電池の発電を円滑に行うことができる。また、十分な泡を発生させた状態で所定の液位にするように水溶液保持手段に水を供給するので、泡が発生していない状態で水を供給した結果、液位が上昇しすぎるといった弊害を防止できる。すなわち、実際の液位が所定の液位である状態から泡が発生することによって、水溶液保持手段から泡があふれ出すことを防止できる。一方、十分な泡が発生していることを示す所定の情報を情報取得手段が取得するまでは、泡が発生していない状態で供給される本来の水の量よりも水溶液保持手段に供給する水の量を少なくする(水を供給しない場合も含む)。これによって燃料水溶液の状態の変化を抑えることができる。
なお、この明細書において「本来の水の量」とは、水溶液保持手段に保持される燃料水溶液に泡が発生していない状態において目標の液位になるまでに水溶液保持手段に供給される水の量をいう。
また好ましくは、制御手段は、情報取得手段が所定の情報を取得すれば水供給手段に水溶液保持手段への水の供給を開始させる。この場合、十分な泡が発生していることを示す所定の情報を情報取得手段が取得すれば水溶液保持手段への水の供給を開始する。このように十分な泡を発生させてから水の供給を開始することによって、水溶液保持手段に供給される水の量をより少なくできる。したがって、より確実に燃料水溶液の状態の変化を抑えることができる。
さらに好ましくは、情報取得手段は、燃料電池の出力電流と、燃料電池が発電を開始してからの経過時間と、燃料水溶液の発電開始時との温度差と、燃料水溶液の発電開始時との濃度差と、発電開始時から水溶液保持手段に供給された高濃度燃料の量とのうち少なくとも1つの検出結果に基づいて水溶液保持手段における泡の発生に関する情報を取得する。これにより泡の発生を円滑に検出することができる。
好ましくは、燃料水溶液の温度を検出する温度検出手段をさらに含み、制御手段は、発電開始前の温度検出手段の検出結果が閾値以上であれば情報取得手段が取得する情報に基づいて水供給手段を制御する。燃料水溶液が高温である場合は燃料水溶液が発電に好ましい状態である可能性が高い。この発明では、発電開始前の温度検出手段の検出結果が通常想定される外気温度よりも高い閾値以上であれば情報取得手段が取得する情報に基づいて水供給手段を制御する。このように燃料水溶液が発電に好ましい状態またはそれに近い状態であれば泡を発生させた状態で水溶液保持手段に水を供給することによって、当該燃料水溶液の状態の変化を抑えることができ、迅速に通常運転に移行できる。一方、温度検出手段の検出結果が閾値未満であって燃料水溶液が発電に好ましい状態ではない可能性が高い場合は、従来のように水溶液保持手段に水を供給することによって確実に通常運転に移行できる。
また好ましくは、燃料電池の発電開始を指示する指示手段、および前回の発電停止から指示手段による今回の発電開始指示までの時間を計時する計時手段をさらに含み、制御手段は、計時手段の計時結果が所定時間内であれば情報取得手段が取得する情報に基づいて水供給手段を制御する。前回の発電停止からの時間が短い場合は燃料水溶液が発電に好ましい状態である可能性が高い。この発明では、計時手段の計時結果が所定時間内であれば情報取得手段が取得する情報に基づいて水供給手段を制御する。このように燃料水溶液が発電に好ましい状態またはそれに近い状態であれば泡を発生させた状態で水溶液保持手段に水を供給することによって、当該燃料水溶液の状態の変化を抑えることができ、迅速に通常運転に移行できる。一方、計時手段の計時結果が所定時間を超えており燃料水溶液が発電に好ましい状態ではない可能性が高い場合は、従来のように水溶液保持手段に水を供給することによって確実に通常運転に移行できる。
さらに好ましくは、燃料水溶液の濃度を検出する濃度検出手段、燃料電池の発電開始を指示する指示手段、前回の発電停止から指示手段による今回の発電開始指示までの時間を計時する計時手段、および計時手段の計時結果が所定時間内であれば発電開始前に前回の発電停止時の濃度検出手段の検出結果に基づいて燃料水溶液の濃度を調整する濃度調整手段をさらに含む。この場合、計時手段の計時結果が所定時間内であれば前回の発電停止時に濃度検出手段が検出した濃度に基づいて濃度調整手段が発電開始前に燃料水溶液の濃度を調整する。前回の発電停止から所定時間内であれば、前回の発電停止時の濃度を現在の濃度と推定でき、燃料水溶液の濃度を検出せずとも発電開始前に簡単に燃料水溶液を発電に適した濃度に調整できる。このように燃料水溶液の濃度を調整することによって、燃料電池の発電効率を向上させることができ、より迅速に通常運転に移行できる。
好ましくは、燃料水溶液の温度を検出する温度検出手段をさらに含み、制御手段は、濃度調整手段による濃度調整後かつ燃料電池の発電開始前の温度検出手段の検出結果が閾値以上であれば情報取得手段が取得する情報に基づいて水供給手段を制御する。すなわち、情報取得手段が取得した情報に基づいて水供給手段を制御するか否かを濃度調整後かつ燃料電池の発電開始前の温度検出手段の検出結果に基づいて判定する。濃度調整によって燃料水溶液の温度が変化するおそれがあるので、濃度調整後かつ発電開始前の温度検出手段の検出結果を用いることによって情報取得手段が取得する情報に基づいて水供給手段を制御すべきか否かを適切に判定できる。
また、燃料電池、燃料電池に供給すべき燃料水溶液を保持する水溶液保持手段、水溶液保持手段に水を供給する水供給手段、および水溶液保持手段における燃料水溶液に泡が発生した後に水供給手段による水の供給が開始されるように水供給手段を制御する制御手段を備える、燃料電池システムが提供される。
この発明では、水溶液保持手段における燃料水溶液に泡が発生した後に水溶液保持手段への水の供給を開始することによって、泡が発生していない状態で水を供給する場合に比べて、水溶液保持手段の液位が目標の液位になるまでに水溶液保持手段に供給される水の量を少なくできる。したがって、泡が発生していない状態で水を供給する場合に比べて、燃料水溶液の状態の変化を抑えることができ、燃料水溶液が発電に好ましい状態である場合またはその状態に近い場合は燃料電池が定常的に発電可能な通常運転に迅速に移行できる。
輸送機器は、安定して運行できるようになるまでの時間ができるだけ短いことが望まれる。この発明の燃料電池システムによれば、燃料水溶液が発電に好ましい状態である場合またはその状態に近い場合、迅速に通常運転に移行でき、補機類ひいては輸送機器を迅速に安定して駆動できる。したがって、この発明の燃料電池システムは、輸送機器に好適に用いられる。
この発明によれば、迅速に通常運転に移行できる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。
ここでは、この発明の燃料電池システム100を、輸送機器の一例である自動二輪車10に搭載した場合について説明する。
まず、自動二輪車10について説明する。この発明の実施の形態における左右、前後、上下とは、自動二輪車10のシートにドライバがそのハンドル24に向かって着座した状態を基準とした左右、前後、上下を意味する。
図1を参照して、自動二輪車10は車体フレーム12を有する。車体フレーム12は、ヘッドパイプ14、ヘッドパイプ14から後方へ斜め下方に延びる縦断面I字型のフロントフレーム16、およびフロントフレーム16の後端部に連結されかつ後方へ斜め上方に立ち上がるリヤフレーム18を備えている。
フロントフレーム16は、上下方向に幅を有して後方へ斜め下方に延びかつ左右方向に対して直交する板状部材16aと、それぞれ板状部材16aの上端縁および下端縁に形成されかつ左右方向に幅を有して後方へ斜め下方に延びるフランジ部16bおよび16cと、板状部材16aの両表面に突設される補強リブ16dとを備えている。補強リブ16dは、フランジ部16bおよび16cとともに板状部材16aの両表面を区画して、後述する燃料電池システム100の構成部材を収納する収納スペースを形成している。
一方、リヤフレーム18は、それぞれ前後方向に幅を有して後方へ斜め上方に延びかつフロントフレーム16の後端部を挟むように左右に配置される一対の板状部材を含む。リヤフレーム18の一対の板状部材の上端部には、図示しないシートを設けるためのシートレール20が固設されている。なお、図1には、リヤフレーム18の左側の板状部材が示されている。
ヘッドパイプ14内には、ステアリング軸22が回動自在に挿通されている。ステアリング軸22の上端にはハンドル24が固定されたハンドル支持部26が取り付けられている。ハンドル支持部26の上端には表示操作部28が配置されている。
図3をも参照して、表示操作部28は、電動モータ40(後述)の各種データを計測表示するためのメータ28a、走行状態等の各種情報提供用のたとえば液晶ディスプレイ等で構成される表示部28b、および各種指示や各種情報入力用の入力部28cを一体的に設けたものである。入力部28cは、燃料電池セルスタック(以下、単にセルスタックという)102の発電開始を指示するための開始ボタン30a、およびセルスタック102の発電停止を指示するための停止ボタン30bを含む。
また、図1に示すように、ステアリング軸22の下端には左右一対のフロントフォーク32が取り付けられており、フロントフォーク32それぞれの下端には前輪34が回転自在に取り付けられている。
また、リヤフレーム18の下端部には、スイングアーム(リヤアーム)36が揺動自在に取り付けられている。スイングアーム36の後端部36aには、後輪38に連結されかつ後輪38を回転駆動させるためのたとえばアキシャルギャップ型の電動モータ40が内蔵されている。また、スイングアーム36には、電動モータ40に電気的に接続される駆動ユニット42が内蔵されている。駆動ユニット42は、電動モータ40の回転駆動を制御するためのモータコントローラ44、および二次電池126(後述)の蓄電量を検出する蓄電量検出器46を含む。
このような自動二輪車10には、車体フレーム12に沿って燃料電池システム100の構成部材が配置されている。燃料電池システム100は、電動モータ40や補機類等を駆動するための電気エネルギを生成する。
以下、図1および図2を参照して、燃料電池システム100について説明する。
燃料電池システム100は、メタノール(メタノール水溶液)を改質せずにダイレクトに電気エネルギの生成(発電)に利用する直接メタノール型燃料電池システムである。
燃料電池システム100は、セルスタック102を含む。図1に示すように、セルスタック102は、フランジ部16cから吊るされ、フロントフレーム16の下方に配置されている。
図2に示すように、セルスタック102は、メタノールに基づく水素イオンと酸素との電気化学反応によって発電できる燃料電池(燃料電池セル)104を、セパレータ106を挟んで複数個積層(スタック)して構成されている。セルスタック102を構成する各燃料電池104は、固体高分子膜等から構成される電解質膜104aと、電解質膜104aを挟んで互いに対向するアノード(燃料極)104bおよびカソード(空気極)104cとを含む。アノード104bおよびカソード104cはそれぞれ、電解質膜104a側に設けられる白金触媒層を含む。
また、図1に示すように、フロントフレーム16の下方でありかつセルスタック102の上方には、ラジエータユニット108が配置されている。
図2に示すように、ラジエータユニット108は、水溶液用のラジエータ108aと気液分離用のラジエータ108bとを一体的に設けたものである。ラジエータユニット108の裏面側には、ラジエータ108aを冷却するためのファン110と、ラジエータ108bを冷却するためのファン112(図3参照)とが設けられている。なお、図1においては、ラジエータ108aと108bとが左右に配置されているものとし、左側のラジエータ108aを冷却するためのファン110が示されている。
また、リヤフレーム18の一対の板状部材の間には、上方から順に燃料タンク114、水溶液タンク116および水タンク118が配置されている。
燃料タンク114は、セルスタック102の電気化学反応の燃料となる高濃度(たとえば、メタノールを約50wt%含む)のメタノール燃料(高濃度メタノール水溶液)を収容している。水溶液タンク116は、燃料タンク114からのメタノール燃料をセルスタック102の電気化学反応に適した濃度(たとえば、メタノールを約3wt%含む)に希釈したメタノール水溶液を収容している。水タンク118は、セルスタック102の電気化学反応に伴って生成される水を収容している。
燃料タンク114にはレベルセンサ120が装着され、水溶液タンク116にはレベルセンサ122が装着され、水タンク118にはレベルセンサ124が装着されている。レベルセンサ120,122および124は、それぞれたとえば図示しないフロートを有するフロートセンサであり、浮動するフロートの位置によってタンク内の液面の高さ(液位)を検出する。
また、燃料タンク114の前側でありかつフロントフレーム16の上側には、二次電池126が配置されている。二次電池126は、セルスタック102からの電力を蓄え、コントローラ142(後述)の指令に応じて電気構成部材に電力を供給する。二次電池126の上側には、燃料ポンプ128が配置されている。また、燃料タンク114の前側かつ二次電池126の後方斜め上側には、キャッチタンク130が配置されている。
フロントフレーム16とセルスタック102とラジエータユニット108とによって囲まれた空間には、気体に含まれる塵等の異物を除去するためのエアフィルタ132が配置され、エアフィルタ132の後方斜め下側には水溶液フィルタ134が配置されている。
フロントフレーム16の左側の収納スペースには、水溶液ポンプ136およびエアポンプ138が収納されている。エアポンプ138の左側にはエアチャンバ140が配置されている。また、フロントフレーム16の右側の収納スペースには、コントローラ142、防錆用バルブ144および水ポンプ146が配置されている。
フロントフレーム16には、フロントフレーム16の収納スペースを右側から左側に貫通するようにメインスイッチ148が設けられている。メインスイッチ148がオンされることによってコントローラ142に運転開始指示が与えられ、メインスイッチ148がオフされることによってコントローラ142に運転停止指示が与えられる。
図2に示すように、燃料タンク114と燃料ポンプ128とはパイプP1によって連通され、燃料ポンプ128と水溶液タンク116とはパイプP2によって連通され、水溶液タンク116と水溶液ポンプ136とはパイプP3によって連通され、水溶液ポンプ136と水溶液フィルタ134とはパイプP4によって連通され、水溶液フィルタ134とセルスタック102とはパイプP5によって連通されている。パイプP5はセルスタック102のアノード入口I1に接続され、水溶液ポンプ136を駆動させることによってセルスタック102にメタノール水溶液が供給される。セルスタック102のアノード入口I1付近には、セルスタック102に供給されたメタノール水溶液の濃度(メタノール水溶液におけるメタノールの割合)に対応する濃度情報をメタノール水溶液の電気化学的特性を利用して検出する電圧センサ150が設けられている。電圧センサ150は、燃料電池(燃料電池セル)104の開回路電圧(Open Circuit Voltage)を検出し、その電圧値を電気化学的な濃度情報とする。コントローラ142は、その濃度情報に基づいて、セルスタック102に供給されたメタノール水溶液の濃度を検出する。また、セルスタック102のアノード入口I1付近には、セルスタック102に供給されたメタノール水溶液の温度を検出する温度センサ152が設けられている。
セルスタック102と水溶液用のラジエータ108aとはパイプP6によって連通され、ラジエータ108aと水溶液タンク116とはパイプP7によって連通されている。パイプP6はセルスタック102のアノード出口I2に接続されている。
上述したパイプP1〜P7は主として燃料の流路となる。
また、エアフィルタ132とエアチャンバ140とはパイプP8によって連通され、エアチャンバ140とエアポンプ138とはパイプP9によって連通され、エアポンプ138と防錆用バルブ144とはパイプP10によって連通され、防錆用バルブ144とセルスタック102とはパイプP11によって連通されている。パイプP11はセルスタック102のカソード入口I3に接続されている。燃料電池システム100の発電時には防錆用バルブ144を開いておき、その状態でエアポンプ138を駆動させることによって、酸素を含む空気が外部から吸入される。防錆用バルブ144は、燃料電池システム100の停止時には閉じられており、エアポンプ138への水蒸気の逆流を防ぎエアポンプ138の錆を防止する。エアフィルタ132付近には、外気温度を検出する外気温度センサ154が設けられている。
セルスタック102と気液分離用のラジエータ108bとはパイプP12によって連通され、ラジエータ108bと水タンク118とはパイプP13によって連通され、水タンク118にはパイプ(排気管)P14が設けられている。
上述したパイプP8〜P14は主として酸化剤の流路となる。
さらに、水タンク118と水ポンプ146とはパイプP15によって連通され、水ポンプ146と水溶液タンク116とはパイプP16によって連通されている。
上述したパイプP15,P16は水の流路となる。
また、パイプP4の分岐部Aには、パイプP4を流れるメタノール水溶液の一部が流入するようにパイプP17が接続されている。パイプP17には超音波センサ156が取り付けられている。超音波センサ156は、濃度に応じて超音波の伝播時間(伝播速度)が変化することを利用して、メタノール水溶液の濃度を検出するために用いられる。超音波センサ156は、発信部156aと受信部156bとを含み、発信部156aから発信した超音波を受信部156bで受信してパイプP17内での超音波伝播時間を検出し、その伝播時間に相当する電圧値を物理的な濃度情報とする。コントローラ142は、その濃度情報に基づいて、パイプP17内のメタノール水溶液の濃度を検出する。
パイプP17には検出用バルブ157が接続され、検出用バルブ157と水溶液タンク116とはパイプP18によって連通されている。濃度の検出時には検出用バルブ157が閉じられ、パイプP17内でのメタノール水溶液の流れが止められる。濃度の検出後、検出用バルブ157が開けられ、濃度検出済みのメタノール水溶液が水溶液タンク116に戻される。
上述したパイプP17,P18は主として濃度検出用の流路となる。
さらに、水溶液タンク116とキャッチタンク130とはパイプP19,P20によって連通され、キャッチタンク130とエアチャンバ140とはパイプP21によって連通されている。
上述したパイプP19〜P21は主として燃料処理用の流路となる。
ついで、図3を参照して、燃料電池システム100の電気的構成について説明する。
燃料電池システム100のコントローラ142は、必要な演算を行い燃料電池システム100の動作を制御するためのCPU158、CPU158に現在の時刻を知らせるための時計回路160、燃料電池システム100の動作を制御するためのプログラムやデータおよび演算データ等を格納するための、たとえばEEPROMからなるメモリ162、自動二輪車10を駆動する電動モータ40にセルスタック102を接続するための電気回路164における電圧を検出するための電圧検出回路166、燃料電池104ひいてはセルスタック102を流れる電流を検出するための電流検出回路168、電気回路164を開閉するためのON/OFF回路170、電気回路164に設けられるダイオード172、ならびに電気回路164に所定の電圧を供給するための電源回路174を含む。
このようなコントローラ142のCPU158には、レベルセンサ120,122および124からの検出信号、ならびに電圧センサ150、温度センサ152、外気温度センサ154および超音波センサ156からの検出信号が入力される。CPU158は、レベルセンサ120,122および124からの液位に対応する検出信号に基づいて各タンク内の液量を検出する。
また、CPU158には、電源をオン/オフするためのメインスイッチ148からの入力信号や、入力部28cの開始ボタン30aおよび停止ボタン30bからの入力信号が入力される。また、CPU158には蓄電量検出器46からの検出信号が入力される。
さらに、CPU158には電圧検出回路166によって検出される電圧値および電流検出回路168によって検出される電流値が入力される。CPU158は、入力された電圧値と電流値とを用いてセルスタック102の出力を算出する。
また、CPU158によって、燃料ポンプ128、水溶液ポンプ136、エアポンプ138、水ポンプ146、ファン110,112、防錆用バルブ144および検出用バルブ157等の補機類が制御される。さらに、CPU158によって、各種情報を表示し自動二輪車10のドライバに各種情報を報知するための表示部28bが制御される。
セルスタック102には二次電池126および駆動ユニット42が接続される。二次電池126および駆動ユニット42はリレー176を介して電動モータ40に接続される。二次電池126は、セルスタック102からの出力を補完するものであり、セルスタック102からの電力によって充電され、その放電によって電動モータ40や補機類等に電力を与える。
電動モータ40には、電動モータ40の各種データを計測するためのメータ28aが接続される。メータ28aによって計測されたデータや電動モータ40の状況は、インターフェイス回路178を介してCPU158に与えられる。
また、インターフェイス回路178には充電器200が接続可能であり、充電器200は外部電源(商用電源)202に接続できる。充電器200が接続されている場合にはインターフェイス回路178を介してCPU158に充電器接続信号が与えられる。充電器200のスイッチ200aはCPU158によってオン/オフできる。
記憶手段であるメモリ162には、図4および図5に示す動作を実行するためのプログラム、電圧センサ150によって得られた電気化学的な濃度情報(開回路電圧)を濃度に変換するための変換情報、超音波センサ156によって得られた物理的な濃度情報(伝播速度に対応する電圧)を濃度に変換するための変換情報、レベルセンサ122によって検出された水溶液タンク116内の液位と比較するための所定の液位、温度センサ152によって検出されたメタノール水溶液の温度と比較するための第1および第2閾値、電流検出回路168によって検出された電流値と比較するための所定の電流値、時計回路160によって得られた前回の発電停止時の時刻、電圧センサ150を用いて検出された前回の発電停止時のメタノール水溶液の濃度ならびに演算データ等が格納されている。
この実施形態では、水溶液タンク116が水溶液保持手段に相当し、水ポンプ146が水供給手段に相当し、CPU158が制御手段に相当し、レベルセンサ122が液位検出手段に相当し、温度センサ152が温度検出手段に相当し、開始ボタン30aが指示手段に相当する。また、CPU158が指示手段としても機能する。情報取得手段はCPU158と電流検出回路168とを含み、計時手段はCPU158と時計回路160とメモリ162とを含み、濃度検出手段は電圧センサ150とCPU158とを含み、濃度調整手段は燃料ポンプ128と水ポンプ146とCPU158とを含む。
ついで、燃料電池システム100の基本的な動作について説明する。
燃料電池システム100は、メインスイッチ148がオンされることを契機として、コントローラ142を起動し、運転を開始する。そして、コントローラ142の起動後に、二次電池126の蓄電量が所定量以下(たとえば蓄電率40%以下)になるまたは開始ボタン30aが押されることを契機として、二次電池126からの電力によって水溶液ポンプ136やエアポンプ138等の補機類が駆動され、セルスタック102の発電が開始される。これとともに、ON/OFF回路170のオンおよびリレー176の切り替えが行われ、電動モータ40がセルスタック102および二次電池126に接続される。
発電開始後においては、二次電池126が満充電になるかまたは停止ボタン30bが押されると、セルスタック102の発電が停止される。
図2を参照して、水溶液タンク116内のメタノール水溶液は、水溶液ポンプ136の駆動によってパイプP3,P4を介して水溶液フィルタ134に供給される。そして、水溶液フィルタ134で不純物等が除去されたメタノール水溶液は、パイプP5、アノード入口I1を介してセルスタック102を構成する各燃料電池104のアノード104bにダイレクトに供給される。
また、水溶液タンク116内にある気体(主に、二酸化炭素、気化したメタノールおよび水蒸気)は、パイプP19を介してキャッチタンク130に与えられる。キャッチタンク130内では気化したメタノールと水蒸気とが冷却される。そして、キャッチタンク130内で得られたメタノール水溶液は、パイプP20を介して水溶液タンク116に戻される。また、キャッチタンク130内の気体(二酸化炭素、液化されなかったメタノールおよび水蒸気)は、パイプP21を介してエアチャンバ140に与えられる。
一方、エアポンプ138の駆動によってエアフィルタ132から吸入された空気(エア)は、パイプP8を介してエアチャンバ140に流入することによって消音される。そして、エアチャンバ140に与えられた空気およびキャッチタンク130からの気体が、パイプP9を介してエアポンプ138に流入し、さらに、パイプP10、防錆用バルブ144、パイプP11およびカソード入口I3を介してセルスタック102を構成する各燃料電池104のカソード104cに供給される。
各燃料電池104のアノード104bでは、供給されたメタノール水溶液におけるメタノールと水とが化学反応し、二酸化炭素および水素イオンが生成される。生成された水素イオンは、電解質膜104aを介してカソード104cに流入し、そのカソード104c側に供給された空気中の酸素と電気化学反応して水(水蒸気)および電気エネルギが生成される。つまり、セルスタック102において発電が行われる。セルスタック102からの電力は、二次電池126への充電や自動二輪車10の走行駆動等に利用される。セルスタック102は、電気化学反応に伴って発生する熱によって温度上昇する。セルスタック102の出力はその温度上昇に伴って上昇し、セルスタック102は約50℃で定常的に発電可能となる。つまり、燃料電池システム100はセルスタック102の温度が50℃以上で定常的に発電可能な通常運転に移行できる。セルスタック102の温度は、温度センサ152が検出したメタノール水溶液の温度によって確認できる。
各燃料電池104のアノード104bで生成された二酸化炭素および未反応メタノールを含むメタノール水溶液は、上記電気化学反応に伴って熱せられる。当該二酸化炭素およびメタノール水溶液は、セルスタック102のアノード出口I2およびパイプP6を介してラジエータ108aに与えられ冷却される。ファン110の駆動によってその冷却動作が促進される。そして、パイプP7を介して水溶液タンク116に戻される。つまり、水溶液タンク116内のメタノール水溶液がセルスタック102に循環供給される。発電時には、セルスタック102からの二酸化炭素およびメタノール水溶液の還流、燃料タンク114からのメタノール燃料の供給ならびに水タンク118からの水の供給によって水溶液タンク116内のメタノール水溶液に泡が発生する。レベルセンサ122のフロートは泡の発生に伴って上昇するので、発電時にレベルセンサ122によって検出される液位は実際のメタノール水溶液の液位よりも高くなる。つまり、発電時には泡を含んだ液位が水溶液タンク116内の液位として検出される。このために、発電時には水溶液タンク116内の液量が実際の液量よりも多いと認識される。
一方、各燃料電池104のカソード104cで生成された水蒸気の大部分は液化して水となってセルスタック102のカソード出口I4から排出されるが、飽和水蒸気分はガス状態で排出される。カソード出口I4から排出された水蒸気は、パイプP12を介してラジエータ108bに与えられてラジエータ108bで冷却され、その一部は温度が露点以下となることによって液化される。ラジエータ108bによる水蒸気の液化動作は、ファン112を動作させることによって促進される。水分(水および水蒸気)、二酸化炭素および未反応の空気を含むカソード出口I4からの排気は、パイプP12、ラジエータ108bおよびパイプP13を介して水タンク118に与えられ、水タンク118に水が回収された後にパイプP14を介して外部に排出される。
また、各燃料電池104のカソード104cでは、キャッチタンク130からの気化したメタノールおよびクロスオーバーによってカソード104cに移動したメタノールが白金触媒層で酸素と反応して無害な水分と二酸化炭素とに分解される。メタノールから分解された水分と二酸化炭素とは、カソード出口I4から排出されラジエータ108bを介して水タンク118に与えられる。さらに、水のクロスオーバーによって各燃料電池104のカソード104cに移動した水分が、カソード出口I4から排出されラジエータ108bを介して水タンク118に与えられる。
水タンク118内の水は、水ポンプ146の駆動によってパイプP15,P16を介して水溶液タンク116に適宜還流される。また、燃料タンク114内のメタノール燃料は、燃料ポンプ128の駆動によってパイプP1,P2を介して水溶液タンク116に適宜供給される。メタノール水溶液の濃度調整は電圧センサ150または超音波センサ156を用いて検出した水溶液タンク116内のメタノール水溶液の濃度に基づいて行われる。
電圧センサ150では、異なる濃度毎の開回路電圧の差はメタノール水溶液の温度が高温の方が大きくなる。これは、メタノール水溶液の温度が高温の方が化学変化が活発になるからである。一方、超音波センサ156では、異なる濃度毎の電圧の差はメタノール水溶液の温度が低温になるほど大きくなる。これは、低温になるほどメタノールと水との超音波伝播速度の差が大きくなるからである。つまり、比較的高温では電圧センサ150を用いてメタノール水溶液の濃度を検出した方が検出精度が高くなり、比較的低温では超音波センサ156を用いてメタノール水溶液の濃度を検出した方が検出精度が高くなる。
この実施形態では、メタノール水溶液の温度がメモリ162に格納されている第1閾値(たとえば45℃)以上であれば電圧センサ150を用いてメタノール水溶液の濃度を検出し、メタノール水溶液の温度が第1閾値未満であれば超音波センサ156を用いてメタノール水溶液の濃度を検出するものとする。
ついで、図4を参照して、燃料電池システム100の主要動作について説明する。
まず、ステップS1において二次電池126の蓄電量が所定量以下となってまたは開始ボタン30aが押されてCPU158に発電開始指示が与えられると、CPU158によって前回の発電停止から今回の発電開始指示までの時間(以下、経過時間という)が計時される(ステップS3)。
ステップS3では、メモリ162に格納されている前回の発電停止時の時刻と時計回路160から取得した発電開始指示時の時刻との差をCPU158が算出することによって、経過時間が計時される。
つづいて、経過時間が所定時間(たとえば2時間)内であるか否かがCPU158によって判定される(ステップS5)。経過時間が所定時間内である場合、CPU158が燃料ポンプ128および水ポンプ146の少なくともいずれか一方を駆動させることによって、水溶液タンク116内のメタノール水溶液がセルスタック102の電気化学反応(発電)に適した濃度(約3wt%)に調整される(ステップS7)。
後述するように、発電停止時には水溶液タンク116内のメタノール水溶液の濃度が0.5wt%程度に薄くされる。これは発電停止後にカソード104cにクロスオーバーするメタノールを少なくするためである。ステップS7では、水溶液タンク116内のメタノール水溶液を発電に適した濃度(約3wt%)に戻すために、メモリ162に格納されている前回の発電停止時の濃度に基づいて燃料ポンプ128を駆動させ、水溶液タンク116にメタノール燃料が供給される。
つづいて、温度センサ152によってメタノール水溶液の温度が検出され、温度センサ152の検出結果がメモリ162に格納されている第2閾値(たとえば50℃)以上であるか否かがCPU158によって判定される(ステップS9)。温度センサ152の検出結果が第2閾値以上である場合、CPU158はセルスタック102に発電を開始させる(ステップS11)。
ステップS11では、CPU158が水溶液ポンプ136およびエアポンプ138を駆動させ、セルスタック102に発電を開始させる。セルスタック102の発電に伴ってセルスタック102に循環供給されるメタノール水溶液の濃度は薄くなる。そこで、ステップS11以降では、メタノール水溶液の濃度の検出結果に基づいてCPU158が燃料ポンプ128を駆動させ、メタノール水溶液をステップS7で調整した濃度(約3wt%)に保つように水溶液タンク116にメタノール燃料が供給される。維持すべきメタノール水溶液の濃度は約3wt%と薄いので、濃度を維持するために水溶液タンク116に供給されるメタノール燃料は、水溶液タンク116内のメタノール水溶液に対して少量である。したがって、水溶液タンク116内のメタノール水溶液の温度はほとんど変化しない。
その後、電流検出回路168によって検出される電流値が所定の電流値(たとえば10A)以上になるまで待機する(ステップS13)。電流検出回路168によって検出される電流値が所定の電流値以上になればメタノール水溶液の循環供給ひいてはセルスタック102の発電に伴って水溶液タンク116内のメタノール水溶液に十分な泡が発生していると推定できる。つまり、電流検出回路168によって検出される電流値が泡の発生に関する情報としてCPU158によって取得され、所定の電流値(10A)が十分な泡が発生していることを示す所定の情報として設定されている。
そして、電流検出回路168によって検出される電流値が所定の電流値以上になれば、つまり、水溶液タンク116内のメタノール水溶液に十分な泡が発生していると推定できれば、水溶液タンク116内の液位を所定の液位にするように図5に示す液量調整が行われる(ステップS15)。所定の液位は水溶液タンク116内の液量がたとえば500ccになったときの液位に設定されている。
図5に示すように、液量調整では、まず、CPU158の指示に従って水ポンプ146の駆動が開始される(ステップS101)。そして、レベルセンサ122によって検出される水溶液タンク116内の液位が所定の液位になるまで水ポンプ146の駆動が継続される(ステップS103)。その後、水の供給によって水溶液タンク116内の液位が所定の液位になれば水ポンプ146の駆動を停止し(ステップS105)、液量調整を終了する。つまり、水溶液タンク116内の液量が所定量(500cc)になったと認識されれば液量調整を終了する。
図4に戻って、ステップS13からステップS15に進む場合、メタノール水溶液の循環供給ひいてはセルスタック102の発電に伴って水溶液タンク116内のメタノール水溶液には十分な泡が発生している。したがって、レベルセンサ122によって検出される液位は当該泡の分だけ上昇し、水溶液タンク116内の液量は実際の液量よりも多いと認識される。このことから、ステップS15で水溶液タンク116に供給される水の量は、発電開始前の状態(水溶液タンク116内のメタノール水溶液に泡が発生していない状態)で液量調整を行う場合に比べて少なくなる。
つづいて、通常運転に移行する(ステップS17)。ステップS17以降では、液量調整が一定の間隔で行われるとともにメタノール水溶液を発電に適した濃度に保つように一定の間隔で濃度調整が行われる。つまり、通常運転では、水溶液タンク116内の液量を制御しつつメタノール水溶液の濃度を制御し、セルスタック102の発電が行われる。
その後、ステップS19において二次電池126が満充電になってまたは停止ボタン30bが押されてCPU158に発電停止指示が与えられると、発電停止処理が行われる(ステップS21)。
ステップS21では、CPU158が水ポンプ146を駆動させることによって水溶液タンク116内のメタノール水溶液の濃度が薄くされる(約0.5wt%)。または、メタノール水溶液の濃度が薄くなるまで発電が継続される。これによって発電停止後にカソード104cにクロスオーバーするメタノールを少なくできる。そして、水溶液ポンプ136およびエアポンプ138が停止され、セルスタック102の発電が停止される。その後、水溶液ポンプ136およびエアポンプ138を停止したときの時刻が前回の発電停止時の時刻としてメモリ162に格納される。また、このときのメタノール水溶液の濃度が電圧センサ150を用いて検出され、検出された濃度が前回の発電停止時の濃度としてメモリ162に格納される。
一方、ステップS9で温度センサ152の検出結果が第2閾値未満であれば、CPU158によって温度センサ152の検出結果が第1閾値(45℃)以上であるか否かが判定される(ステップS23)。温度センサ152の検出結果が第1閾値以上である場合、CPU158は、上述のステップS11と同様に液量調整を行う前にセルスタック102に発電を開始させる(ステップS25)。その後、温度センサ152の検出結果が第2閾値(50℃)以上になるまでは待機する(ステップS27)。メタノール水溶液の温度が第2閾値以上になれば上述のステップS13と同様に電流検出回路168によって検出される電流値が所定の電流値(10A)以上になるまで待機する(ステップS29)。電流値が所定の電流値以上になれば上述のステップS15と同様に図5に示す液量調整を行い(ステップS31)、ステップS17に進む。
ステップS13からステップS15に進む場合と同様に、ステップS29からステップS31に進む場合も水溶液タンク116内のメタノール水溶液には十分な泡が発生している。したがって、ステップS31で水溶液タンク116に供給される水の量も発電開始前の状態で液量調整を行う場合に比べて少なくなる。
一方、ステップS23で温度センサ152の検出結果が第1閾値未満であれば、発電開始前に図5に示す液量調整が行われる(ステップS33)。ステップS5で経過時間が所定時間を超えている場合についても同様にステップS33に進む。
前回の発電停止後しばらくすると水溶液タンク116内のメタノール水溶液に発生していた泡は消えるので、ステップS33では水溶液タンク116内のメタノール水溶液に泡が発生していない。したがって、ステップS33では、泡を含まない実際の液位から所定の液位にするように水溶液タンク116に水が供給されてしまう。つまり、ステップS33では本来の水の量が供給されてしまう。したがって、ステップS33で供給される水の量(本来の水の量)はステップS15およびS31で供給される水の量に比べて大幅に多くなる。
つづいて、メタノール水溶液を昇温用の濃度に調整する昇温用濃度調整が行われる(ステップS35)。セルスタック102の昇温時間を短縮するためにはメタノール水溶液の濃度を高くすることが効果的である。ステップS35では、水溶液タンク116内のメタノール水溶液の濃度がたとえば5wt%程度になるように水溶液タンク116にメタノール燃料が供給される。
つづいて、CPU158が水溶液ポンプ136およびエアポンプ138を駆動させ、メタノール水溶液の濃度を濃くした状態でセルスタック102に発電を開始させる(ステップS37)。その後、一定の間隔で液量調整を行って水溶液タンク116内の液量を所定量に保ちつつ一定の間隔で昇温用濃度調整を行ってメタノール水溶液を昇温用の濃度に保ち、温度センサ152の検出結果が第2閾値(50℃)以上になるまで待機する(ステップS39)。ステップS33の液量調整によって水溶液タンク116内のメタノール水溶液の温度は外気温度に近くなっているので、ステップS39での待機時間はステップS13での待機時間、ならびにステップS27およびS29での待機時間よりも大幅に長くなる。その後、メタノール水溶液の温度が第2閾値以上になればステップS17に進み、水溶液タンク116内の液量を所定量に保つとともにメタノール水溶液を発電に適した濃度に保ちつつ発電が行われる。
なお、ステップS13,S27,S29およびS39がYESになるまでの時間(待機時間)が所定時間以上になればエラーとして別の処理を実行するようにしてもよい。
このような燃料電池システム100では、水溶液タンク116内のメタノール水溶液に泡を発生させた状態で液量調整できる。つまり、水溶液タンク116内のメタノール水溶液に泡を発生させた状態で水溶液タンク116に水を供給できる。このように泡を発生させた状態で水を供給することによって、泡が発生していない状態で水を供給する場合に比べて水溶液タンク116内の液位が所定の液位(目標の液位)になるまでに水溶液タンク116に供給される水の量を少なくできる。したがって、泡が発生していない状態で水を供給する場合に比べて、メタノール水溶液の状態の変化を抑えることができ、メタノール水溶液が発電に好ましい状態である場合またはその状態に近い場合は通常運転に迅速に移行できる。
電流検出回路168によって検出される電流値が所定の電流値(ここでは10A)になるまでは水溶液タンク116への水の供給を開始しないので、水溶液タンク116内のメタノール水溶液に十分な泡を発生させてから水の供給を開始できる。したがって、水溶液タンク116に供給される水の量をより少なくでき、より確実にメタノール水溶液の状態の変化を抑えることができる。
電流検出回路168によって検出される電流値が所定の電流値になれば所定の液位にするように液量調整を行うことによって、メタノール水溶液の状態の変化を抑えつつも水溶液タンク116内のメタノール水溶液が不足することを防止でき、セルスタック102の発電を円滑に行うことができる。また、十分な泡を発生させた状態で液量調整を行うことによって、泡が発生していない状態で水を供給した結果、水溶液タンク116内の液位が上昇しすぎるといった弊害を防止できる。すなわち、メタノール水溶液の液位(実際の液位)が所定の液位である状態から泡が発生することによって、水溶液タンク116から泡があふれ出すことを防止できる。
経過時間が短い場合やメタノール水溶液が高温である場合はメタノール水溶液が発電に好ましい状態である可能性が高いので、経過時間が所定時間(ここでは2時間)内でありかつ水溶液保持手段の温度が第1閾値(ここでは45℃)以上である場合に十分な泡を発生させてから液量調整が行われる。このようにメタノール水溶液が発電に好ましい状態またはそれに近い状態であれば泡を発生させた状態で水溶液タンク116に水を供給することによって、当該メタノール水溶液の状態の変化を抑えることができ、迅速に通常運転に移行できる。一方、経過時間が所定時間を超えている場合やメタノール水溶液の温度が第1閾値未満である場合は、液量調整と昇温用濃度調整とを行ってから発電を開始することによって、確実に通常運転に移行できる。
経過時間が所定時間内である場合、前回の発電停止時の濃度を現在のメタノール水溶液の濃度と推定でき、濃度を検出せずとも発電開始前に簡単にメタノール水溶液をセルスタック102の発電に適した濃度に調整できる。このようにメタノール水溶液の濃度を調整することによって、セルスタック102の発電効率を向上させることができ、より迅速に通常運転に移行できる。
濃度調整によってメタノール水溶液の温度が変化するおそれがあるので、濃度調整後かつ発電開始前の温度センサ152の検出結果を用いることによって液量調整の前に発電を開始するか否かを適切に判定できる。
この発明によれば、泡を発生させた状態で水溶液タンク116に水を供給でき、発電に好ましいメタノール水溶液の状態の変化を抑えることができるので、水溶液タンク116内の液位を所定の液位にするために水溶液タンク116に大量の水が供給されるおそれのある燃料電池システム100に好適に用いられる。
燃料電池システム100によれば、メタノール水溶液が発電に好ましい状態である場合またはその状態に近い場合、迅速に通常運転に移行でき、補機類や電動モータ40を迅速に安定して駆動できる。したがって、燃料電池システム100は、起動から安定して走行できるようになるまでの時間ができるだけ短いことが望まれる自動二輪車10に好適に用いられる。
なお、上述の実施形態では、電流検出回路168によって検出される電流値が所定の電流値(ここでは10A)になるまでは液量調整をしない(水ポンプ146を駆動しない)場合について説明したが、この発明はこれに限定されない。電流値が所定の電流値未満であっても、泡が発生していない状態において所定の液位になるまでに供給される水の量(本来の水の量)よりも少なくなるように水溶液タンク116に水を供給してもよい。この場合、たとえば、所定の電流値になるまでは所定の液位よりも低い液位で水の供給を停止すればよい。また、検出される液位にたとえば泡による液位の上昇分を加算し、加算後の液位が所定の液位になれば水の供給を停止するようにしてもよい。このようにして、本来の水の量よりも少なくなるように水溶液タンク116に水を供給できる。
このように水の供給量を少なくする(供給しない場合も含む)ことによって、メタノール水溶液の状態の変化を抑えることができる。
また、上述の実施形態では、所定の液位にするように水溶液タンク116に水を供給する場合について説明したが、水の供給によって到達させるべき液位(目標液位)は可変であってもよい。
また、図4に示す動作のステップS5において、経過時間が所定時間内であれば、発電開始前の温度センサ152の検出結果が第1閾値未満であっても液量調整の前に発電を開始してもよい。これによれば、液量調整時に水溶液タンク116に泡を発生させた状態で水を供給することができる。
さらに、発電開始前の温度センサ152の検出結果が第1閾値以上であれば、経過時間が所定時間を超えていても液量調整の前に発電を開始してもよい。これによれば、液量調整時に水溶液タンク116に泡を発生させた状態で水を供給することができる。
なお、上述の実施形態では、発電停止時にメタノール水溶液の濃度を薄くする場合について説明したが、この発明はこれに限定されない。発電停止時にメタノール水溶液の濃度を変更しないようにしてもよい。この場合、経過時間が所定時間内であれば発電開始前にメタノール水溶液の濃度を調整せずともよい。
また、上述の実施形態では、第1閾値を45℃、第2閾値を50℃に設定する場合について説明したが、この発明はこれに限定されない。第2閾値は通常運転に移行可能な温度以上であれば任意に設定でき、第1閾値は第2閾値未満でありかつ通常想定される外気温度以上であれば任意に設定できる。
また、上述の実施形態では、所定時間を2時間に設定する場合について説明したが、この発明はこれに限定されない。クロスオーバーや気化等によって、水溶液タンク116内のメタノール水溶液の濃度にばらつきが生じない範囲でありかつ水溶液タンク116内の液量が大幅に減少しない範囲であれば所定時間は任意に設定できる。
さらに、上述の実施形態では、泡の発生に関する所定の情報である所定の電流値が10A(アンペア)に設定されている場合について説明したが、この発明はこれに限定されない。十分な泡が発生していると推定できれば所定の情報として任意の電流値を設定できる。
なお、上述の実施形態では、セルスタック102の電流値を泡の発生に関する情報として取得する場合について説明したが、この発明はこれに限定されない。
たとえば、泡の発生に関する情報として発電開始からの時間を取得するようにしてもよい。このように発電開始からの時間を取得することによって、セルスタック102の発電状態ひいては泡の発生状態を推定できる。この場合、情報取得手段はCPU158と時計回路160とを含む。所定の情報となる時間は既定値であってもよいしメタノール水溶液の温度に応じて変更される可変値であってもよい。所定の情報となる時間がメタノール水溶液の温度に応じて変更される場合は、情報取得手段に温度センサ152がさらに含まれる。
また、泡の発生に関する情報として発電開始時と現在とのメタノール水溶液の温度差を取得するようにしてもよい。このようにメタノール水溶液の温度差を取得することによって、セルスタック102の発電状態ひいては泡の発生状態を推定できる。この場合、情報取得手段は温度センサ152とCPU158とを含む。
また、通常運転に移行するまでに水溶液タンク116にメタノール燃料を供給(追加)しない場合、泡の発生に関する情報として発電開始時と現在とのメタノール水溶液の濃度差を取得するようにしてもよい。このようにメタノール水溶液の濃度差を取得することによって、セルスタック102の発電状態ひいては泡の発生状態を推定できる。この場合、情報取得手段は電圧センサ150とCPU158とを含む。
さらに、通常運転に移行するまでにメタノールの消費量に応じて水溶液タンク116にメタノール燃料を供給(追加)する場合、泡の発生に関する情報として発電開始からの燃料ポンプ128の駆動時間ひいては発電開始からの燃料の供給量(追加量)を取得するようにしてもよい。このように、メタノール燃料の追加量を取得することによって、セルスタック102の発電状態ひいては泡の発生状態を推定できる。この場合、情報取得手段はCPU158と時計回路160とを含む。
泡の発生に関する情報としてこれらの情報を用いれば、泡の発生を円滑に検出できる。
なお、この発明の燃料電池システムは、自動二輪車だけではなく、自動車、船舶等の任意の輸送機器に好適に用いることができる。
上述の実施形態では、燃料としてメタノールを、燃料水溶液としてメタノール水溶液を用いたが、これに限定されず、燃料としてエタノール等のアルコール系燃料、燃料水溶液としてエタノール水溶液等のアルコール系水溶液を用いてもよい。
また、この発明は、液体燃料を用いるものであれば、据え付けタイプの燃料電池システムにも適用でき、さらに、パーソナルコンピュータ、携帯機器、小型電子機器等に搭載される可搬型の燃料電池システムにも適用できる。
この発明の一実施形態の自動二輪車を示す左側面図である。 燃料電池システムの配管を示すシステム図である。 燃料電池システムの電気的構成を示すブロック図である。 この発明の動作の一例を示すフロー図である。 液量調整動作の一例を示すフロー図である。
符号の説明
10 自動二輪車
30a 開始ボタン
30b 停止ボタン
100 燃料電池システム
102 燃料電池セルスタック
104 燃料電池(燃料電池セル)
116 水溶液タンク
118 水タンク
120,122,124 レベルセンサ
128 燃料ポンプ
142 コントローラ
146 水ポンプ
150 電圧センサ
152 温度センサ
156 超音波センサ
158 CPU
160 時計回路
162 メモリ
166 電圧検出回路
168 電流検出回路

Claims (10)

  1. 燃料電池、
    前記燃料電池に供給すべき燃料水溶液を保持する水溶液保持手段、
    前記水溶液保持手段に水を供給する水供給手段、
    前記水溶液保持手段における前記燃料水溶液の泡の発生に関する情報を取得する情報取得手段、および
    前記情報取得手段が取得する情報に基づいて前記水供給手段を制御する制御手段を備える、燃料電池システム。
  2. 前記水溶液保持手段の液位を検出する液位検出手段をさらに含み、
    前記制御手段は、前記情報取得手段が前記泡の発生に関する所定の情報を取得すれば前記液位検出手段の検出結果に基づいて前記水溶液保持手段の液位を所定の液位にするように前記水供給手段を制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、前記情報取得手段が前記所定の情報を取得すれば前記水供給手段に前記水溶液保持手段への前記水の供給を開始させる、請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記情報取得手段は、前記燃料電池の出力電流と、前記燃料電池が発電を開始してからの経過時間と、前記燃料水溶液の発電開始時との温度差と、前記燃料水溶液の発電開始時との濃度差と、発電開始時から前記水溶液保持手段に供給された高濃度燃料の量とのうち少なくとも1つの検出結果に基づいて前記水溶液保持手段における前記泡の発生に関する情報を取得する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料水溶液の温度を検出する温度検出手段をさらに含み、
    前記制御手段は、発電開始前の前記温度検出手段の検出結果が閾値以上であれば前記情報取得手段が取得する情報に基づいて前記水供給手段を制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料電池の発電開始を指示する指示手段、および
    前回の発電停止から前記指示手段による今回の発電開始指示までの時間を計時する計時手段をさらに含み、
    前記制御手段は、前記計時手段の計時結果が所定時間内であれば前記情報取得手段が取得する情報に基づいて前記水供給手段を制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料水溶液の濃度を検出する濃度検出手段、
    前記燃料電池の発電開始を指示する指示手段、
    前回の発電停止から前記指示手段による今回の発電開始指示までの時間を計時する計時手段、および
    前記計時手段の計時結果が所定時間内であれば発電開始前に前回の発電停止時の前記濃度検出手段の検出結果に基づいて前記燃料水溶液の濃度を調整する濃度調整手段をさらに含む、請求項1に記載の燃料電池システム。
  8. 前記燃料水溶液の温度を検出する温度検出手段をさらに含み、
    前記制御手段は、前記濃度調整手段による濃度調整後かつ前記燃料電池の発電開始前の前記温度検出手段の検出結果が閾値以上であれば前記情報取得手段が取得する情報に基づいて前記水供給手段を制御する、請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 燃料電池、
    前記燃料電池に供給すべき燃料水溶液を保持する水溶液保持手段、
    前記水溶液保持手段に水を供給する水供給手段、および
    前記水溶液保持手段における前記燃料水溶液に泡が発生した後に前記水供給手段による前記水の供給が開始されるように前記水供給手段を制御する制御手段を備える、燃料電池システム。
  10. 請求項1に記載の燃料電池システムを含む、輸送機器。
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