JP2008140680A - 面状発熱体の検査方法 - Google Patents

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秀世 湯野
Masayuki Terakado
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Abstract

【課題】中継接続部の抜けを検出できる面状発熱体の検査方法を提供すること。
【解決手段】電気絶縁性基材7と、ヒータ部8と、被覆材9とを備えた複数の面状発熱体で、電源接続部2と、中継接続部3とを有する面状発熱体に対して、電源供給部より交流電圧を前記電源接続部2と前記面状発熱体4により加熱される被加熱体10の上に載せた導体板15間に印加することで、前記ヒータ部8と前記導体板15間の静電容量により前記中継接続部3の接続状態を確認することにより、前記面状発熱体4、前記被加熱体10が静電容量として働き、前記電源接続部2と前記導体板15間に電流が流れ、検出電流が前記ヒータ部8と前記導体板15の対向面積に比例して増減することにより、前記中継接続部3の抜けを検出できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、暖房、加熱、乾燥などの熱源として用いることのできる発熱体の検査方法に関するものである。
従来、この種の発熱体の検査方法は、発熱体自体に流れる電流を測定して発熱体の断線を検知している(例えば、特許文献1参照)。
図3は、従来の面状発熱体断線検査等価回路図を示すものである。図3に示すように、電源供給部1と、電源接続部2と、中継接続部3と、面状発熱体a4と、面状発熱体b5と、電流測定部6から構成されている。
特開2002−100455号公報
しかしながら、面状発熱体により加熱される被加熱体の構造上それぞれの面状発熱体自体毎に電流を測定できない前記従来の構成では、複数の面状発熱体を有する場合や面状発熱体a4の抵抗値に対し面状発熱体b5の抵抗値が非常に大きい場合、中継接続部3が外れても電流変化率が小さいために、中継接続部3の抜けを検出できないという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、被加熱体の構造上それぞれの面状発熱体自体毎に電流を測定できない構成で、複数の面状発熱体を有する場合や第1の面状発熱体aの抵抗値に対し、第1の面状発熱体aと並列接続された面状発熱体bの抵抗値が非常に大きい場合でも、中継接続部の抜けを検出できる面状発熱体の検査方法を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の面状発熱体の検査方法は、電気絶縁性基材と、前記電気絶縁性基材上に形成されたヒータ部と、前記ヒータ部を覆い前記電気絶縁性基材と密着させて配設した被覆材とを備えた複数の面状発熱体で、第1のヒータ部へ給電するための電源接続部と、前記電源接続部からの電気を前記第1のヒータ部と並列して他のヒータ部へ給電するための中継接続部とを有する面状発熱体に対して、電源供給部より交流電圧を前記電源接続部と前記面状発熱体により加熱される被加熱体の上に載せた導体板間に印加することで、前記ヒータ部と前記導体板間の静電容量により前記中継接続部の接続状態を確認するものである。
これによって、前記面状発熱体、前記被加熱体が静電容量として働き、前記電源接続部と前記導体板間に電流が流れる。検出電流Iは、I=2πfVεS/d(f:電源周波数,V:電源電圧,ε:誘電率,S:前記ヒータ部と前記導体板の対向面積,d:前記ヒータ部と前記導体板の間隔)で表され、検出電流が前記ヒータ部と前記導体板の対向面積に比例して増減することにより、中継接続部の抜けを検出できる。
また、本発明の面状発熱体の検査方法は、導体板を複数の面状発熱体毎に対応して分割配設したことによりどの中継接続部が抜けているかを検出できたり、導体板に柔軟性をもたせることにより立体的な被加熱体でも中継接続部の抜けを検出できたり、電源供給部を高周波出力可能としたことにより検出電流が大きくなり、外部ノイズの影響を受けにくく
、耐電圧が低い面状発熱体でも高精度に中継接続部の抜けを検出できたり、電源供給部をパルス出力可能としたことによりパルス出力に対応した検出電流の有無で瞬時に中継接続部の抜けを検出できたり、被加熱体と導体板間に高誘電率材を挿入したことにより検出電流が大きくなり、高精度に中継接続部の抜けを検出できる。
本発明の面状発熱体の検査方法は、被加熱体の構造上それぞれの面状発熱体自体毎に電流を測定できない構成で、複数の面状発熱体を有する場合や第1の面状発熱体aの抵抗値に対し、第1の面状発熱体aと並列接続された面状発熱体bの抵抗値が非常に大きい場合でも、中継接続部の抜けを検出できる。
第1の発明は、電気絶縁性基材と、前記電気絶縁性基材上に形成されたヒータ部と、前記ヒータ部を覆い前記電気絶縁性基材と密着させて配設した被覆材とを備えた複数の面状発熱体で、第1のヒータ部へ給電するための電源接続部と、前記電源接続部からの電気を前記第1のヒータ部と並列して他のヒータ部へ給電するための中継接続部とを有する面状発熱体に対して、電源供給部より交流電圧を前記電源接続部と前記面状発熱体により加熱される被加熱体の上に載せた導体板間に印加することで、前記ヒータ部と前記導体板間の静電容量により前記中継接続部の接続状態を確認することにより、前記面状発熱体、前記被加熱体が静電容量として働き、前記電源接続部と前記導体板間に電流が流れる。検出電流Iは、I=2πfVεS/d(f:電源周波数,V:電源電圧,ε:誘電率,S:前記ヒータ部と前記導体板の対向面積,d:前記ヒータ部と前記導体板の間隔)で表され、検出電流が前記ヒータ部と前記導体板の対向面積に比例して増減することにより、中継接続部の抜けを検出できる。
第2の発明は、特に、第1の発明の導体板を複数の面状発熱体毎に対応して分割配設したことにより、どの中継接続部が抜けているかを検出することができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の導体板に柔軟性をもたせることにより、立体的な被加熱体でも中継接続部の抜けを検出することができる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明の電源供給部を高周波出力可能としたことにより、検出電流が大きくなり、外部ノイズの影響を受けにくく、耐電圧が低い面状発熱体でも高精度に中継接続部の抜けを検出することができる。
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明の電源供給部をパルス出力可能としたことにより、パルス出力に対応した検出電流の有無で瞬時に中継接続部の抜けを検出することができる。
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明の被加熱体と導体板間に高誘電率材を挿入したことにより、検出電流が大きくなり、高精度に中継接続部の抜けを検出することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における面状発熱体の構成図、図2は、本発明の第1の実施の形態における面状発熱体断線検査等価回路図を示すものである。
図1において、面状発熱体a4は、ポリエステル不織布にポリエステルフィルムなどをラミネートされた電気絶縁性基材a7上に、銀ペーストの印刷・乾燥により形成された電極と、電極に重なるように高分子抵抗体インキの印刷・乾燥により形成された高分子抵抗体からなるヒータ部a8を形成している。そして電極、高分子抵抗体、および電気絶縁性基材a7と接着性を有するアクリル系接着剤などの接着性樹脂層を予め形成されたポリエステルフィルムなどの電気絶縁性オーバーコート基材をラミネートした不織布などの被覆材a9を貼り合わせて形成される。
座席などの被加熱体a10は、座席の基部を形成するパットなどの座席基材と、座席基材を包囲する基材表布と、座席基材と基材表布の間に両面テープなどで接着固定された面状発熱体a4とを備えている。
面状発熱体b5は、上記面状発熱体a4と同様に電気絶縁性基材b11、ヒータ部b12、被覆材b13から形成され、被加熱体b14は、被加熱体a10と同様に座席基材、基材表布、面状発熱体b5とを備えている。
ヒータ部a8へは電源接続部2より給電され、面状発熱体a4と並列接続された面状発熱体b5へは中継接続部3より給電される。
検査は、導体板15を被加熱体の上に載せて行う。
以上のように構成された面状発熱体について、以下その動作、作用を説明する。
図2において、電源供給部1より絶縁トランスを介して電源接続部2と導体板15間に交流電圧を印加すると、面状発熱体a4と導体板15間および面状発熱体b5と導体板15間の静電容量により、電流測定部6に電流が流れる。
以上のように、本実施の形態においては、電気絶縁性基材と、前記電気絶縁性基材上に形成されたヒータ部と、前記ヒータ部を覆い前記電気絶縁性基材と密着させて配設した被覆材とを備えた複数の面状発熱体で、第1のヒータ部へ給電するための電源接続部と、前記電源接続部からの電気を前記第1のヒータ部と並列して他のヒータ部へ給電するための中継接続部とを有する面状発熱体に対して、電源供給部より交流電圧を前記電源接続部と前記面状発熱体により加熱される被加熱体の上に載せた導体板間に印加することで、前記ヒータ部と前記導体板間の静電容量により前記中継接続部の接続状態を確認することにより、前記面状発熱体、前記被加熱体が静電容量として働き、前記電源接続部と前記導体板間に電流が流れる。検出電流Iは、I=2πfVεS/d(f:電源周波数,V:電源電圧,ε:誘電率,S:前記ヒータ部と前記導体板の対向面積,d:前記ヒータ部と前記導体板の間隔)で表され、検出電流が前記ヒータ部と前記導体板の対向面積に比例して増減することにより、中継接続部の抜けを検出できる。
なお、ヒータ部の面積を大きくとることにより、検出電流が増え、検出精度を上げることができる。
また、本実施の形態では、導体板を複数の面状発熱体毎に対応して分割配設したことにより、どの中継接続部が抜けているかを検出することができる。
また、本実施の形態では、導体板に柔軟性をもたせることにより、立体的な被加熱体でも中継接続部の抜けを検出することができる。
また、本実施の形態では、電源供給部を高周波出力可能としたことにより、検出電流が
大きくなり、外部ノイズの影響を受けにくく、耐電圧が低い面状発熱体でも高精度に中継接続部の抜けを検出することができる。
また、本実施の形態では、電源供給部をパルス出力可能としたことにより、パルス出力に対応した検出電流の有無で瞬時に中継接続部の抜けを検出することができる。
また、本実施の形態では、被加熱体と導体板間に高誘電率板や高誘電率シートなどの高誘電率材を挿入したことにより、検出電流が大きくなり、高精度に中継接続部の抜けを検出することができる。
以上のように、本発明の面状発熱体の検査方法は、被加熱体の構造上それぞれの面状発熱体自体毎に電流を測定できない構成で、複数の面状発熱体を有する場合や第1の面状発熱体aの抵抗値に対し、第1の面状発熱体aと並列接続された面状発熱体bの抵抗値が非常に大きい場合でも、中継接続部の抜けを検出できるので、主に車両に用いられるカーシートヒータなどの車両用や暖房器具や加熱器具などの用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における面状発熱体の構成図 本発明の実施の形態1における面状発熱体断線検査等価回路図 従来の面状発熱体断線検査等価回路図
符号の説明
1 電源供給部
2 電源接続部
3 中継接続部
4 面状発熱体a
5 面状発熱体b
6 電流測定部
7 電気絶縁性基材a
8 ヒータ部a
9 被覆材a
10 被加熱体a
11 電気絶縁性基材b
12 ヒータ部b
13 被覆材b
14 被加熱体b
15 導体板

Claims (6)

  1. 電気絶縁性基材と、前記電気絶縁性基材上に形成されたヒータ部と、前記ヒータ部を覆い前記電気絶縁性基材と密着させて配設した被覆材とを備えた複数の面状発熱体で、第1のヒータ部へ給電するための電源接続部と、前記電源接続部からの電気を前記第1のヒータ部と並列して他のヒータ部へ給電するための中継接続部とを有する面状発熱体に対して、電源供給部より交流電圧を前記電源接続部と前記面状発熱体により加熱される被加熱体の上に載せた導体板間に印加することで、前記ヒータ部と前記導体板間の静電容量により前記中継接続部の接続状態を確認する面状発熱体の検査方法。
  2. 導体板は複数の面状発熱体毎に対応して分割配設した請求項1に記載の面状発熱体の検査方法。
  3. 導体板は柔軟性を有した請求項1または2に記載の面状発熱体の検査方法。
  4. 電源供給部は高周波出力を可能とした請求項1〜3のいずれか1項に記載の面状発熱体の検査方法。
  5. 電源供給部はパルス出力を可能とした請求項1〜4のいずれか1項に記載の面状発熱体の検査方法。
  6. 被加熱体と導体板間に高誘電率材を挿入した請求項1〜5のいずれか1項に記載の面状発熱体の検査方法。
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JP2019065188A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 積水化学工業株式会社 両面粘着テープ

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