JP2008140582A - 反射鏡付き管球、および照明装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】反射鏡22のガラス基体28を形成するガラス材料として、発光部2個でフィラメント体を構成する場合は熱膨張係数が5.0×10−6[1/K]以下のものを、発光部3個でフィラメント体を構成する場合は熱膨張係数が4.0×10−6[1/K]以下のものを用いる。
【選択図】図2
Description
反射鏡は、漏斗状をしたガラス製基体を有し、当該基体内面に多層干渉膜等がコーティングされて反射面が形成されている。
ハロゲン電球を反射鏡と組み合わせて使用する場合、フィラメント体をできるだけコンパクトにして、その発光領域を可能な限り反射鏡の焦点位置に集中させることによって、集光効率を向上させることができる。この場合に、発光領域を特に反射鏡の光軸方向に縮小することが、集光効率を向上させるためには効果的であることが知られている。
この問題を解決しつつ、フィラメント体のコンパクト化(光軸方向の短縮化)を図れるハロゲン電球として、特許文献2には、複数個の一重コイルが全体的に反射鏡の光軸に対して対称となるように各々の一重コイルを反射鏡の光軸と平行に配したものが開示されている。これにより、当該複数個の一重コイルに相当するものを1個の一重コイルで作製した場合と比較して、光軸方向の長さが短縮されるので、集光効率が向上することとなる。また、各々のコイルは一重なので、上記振動に因る問題も軽減される。
そこで、本発明は、集光効率の改善された上記のような管球等を用いたとしても、反射鏡に割れの発生しにくい反射鏡付き管球を提供することを目的とする。また、そのような反射鏡付き管球を備える照明装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る照明装置は、照明器具と、前記照明器具に取り付けられている、上記の反射鏡付き管球と、を有することを特徴とする。
図1は、実施の形態1に係る照明装置10の概略構成を示す一部切欠き図である。なお、図1を含む全ての図面において、各部材間の縮尺は統一していない。
照明装置10は、例えば、住宅、店舗、あるいはスタジオ等におけるスポットライト照明として用いられる。照明装置10は、照明器具12と反射鏡付き管球(反射鏡一体型の管球)の一例として示す反射鏡付きハロゲン電球14とを有する。
器具本体16の底部には、反射鏡付きハロゲン電球14の口金26(図2参照)を取り付けるための受け具(図示せず)が設けられている。なお、器具本体16は、円筒状に限らず、種々の公知形状とすることができる。
反射鏡付きハロゲン電球14は、ハロゲン電球20、反射鏡22、前面ガラス24、および口金26等で構成される。
ハロゲン電球20の詳細については後述する。
反射鏡22は、ホウ珪酸ガラスからなり、漏斗状をしたガラス基体28を有する。ガラス基体28において回転楕円面または回転放物面等に形成された凹面部分28Aには、反射面を構成する多層干渉膜30が形成されている。多層干渉膜30は、アルミニウムやクロム等の金属膜の他、二酸化ケイ素(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、硫化亜鉛(ZnS)等で形成することができ、これにより、ダイクロイックミラーが構成される。実施の形態におけるダイクロイックミラーは、可視光は反射し、赤外線を80%透過する特性を有している。反射鏡22の開口径(ミラー径)は100mmである。なお、反射面には必要に応じてファセットを形成してもよい。
ガラス基体28のネック部28Bは、口金26の端子部36,38とは反対側に設けられた基体受け部40と嵌合された上、接着剤42で固着されている。
ハロゲン電球20は、気密封止されたバルブ44を有している。
バルブ44は、封止切りの残痕であるチップオフ部46、後述するフィラメント体72等を収納するフィラメント体収納部48、略円筒状をした筒部50、および公知のピンチシール法によって形成された封止部52がこの順に連なった構造をしている。
なお、フィラメント体収納部48の外面には赤外線反射膜が形成されている。もっとも、この赤外線反射膜は必ずしも必要なものではなく、適宜形成されるものである。
封止部52内には、一対の金属箔54,56が封着されている。金属箔54,56はモリブデン製である。
金属箔54の一端部には外部リード線58の一端部が、金属箔56の一端部には外部リード線60の一端部が、それぞれ接合されて電気的に接続されている。外部リード線58,60は、タングステン製である。外部リード線58,60の他端部は、バルブ44の外部に導出されていて、それぞれ、口金26(図2)の端子部36,38(図2)に電気的に接続されている。
図4に示すように、フィラメント体72の一部を直接に支持する支持部材としては他に、タングステンからなるサポート線66がある。
内部リード線62,64、サポート線66は、一対の円柱状ステムガラス68,70で挟持されている。これによって、サポート線66が支持されると共に、内部リード線62,64、サポート線66相互間の相対的な位置が保持されることとなる。
内部リード線62,64、サポート線66は、フィラメントコイル74,76の端部部分に挿入されて、フィラメントコイル74,76を支持するための「コ」字状に屈曲した部分(以下、この部分を「コイル支持部」と称する。)を1箇所または2箇所有する。
第2フィラメントコイル76は、サポート線66のコイル支持部66B(図4参照)と内部リード線64のコイル支持部64A(図4参照)とで支持されている。
また、図5から明らかなように、第1フィラメントコイル74と第2フィラメントコイル76の一端部同士は、サポート線66で電気的に接続されている。すなわち、第1フィラメントコイル74と第2フィラメントコイル76は、サポート線66によって電気的に直列に接続されている。
すなわち、図6に示すように、円柱状をした芯線(マンドレル)78を複数本(図示例では4本)、平行かつ一列に密着させて並べたものの外周に、タングステン線80を巻回した後、芯線78を溶解して作製する。
図7の上部に示すのは、第1フィラメントコイル74をそのコイル軸心CX方向から視た平面図を模式的に表したものであり、図7の下部に示すのは、同正面図を模式的に表したものである。
図7の上部に示すように、第1フィラメントコイル74は、そのコイル軸心CX方向から見て、平行に配された2本の線分の対応する端同士を半円で結んでなる、いわゆる(陸上競技の)トラック形状をしている。この形状は、上記した作製方法に由来するものであり、芯線78の本数が多いほど、より扁平したトラック形状となる。すなわち、芯線78の本数で、扁平の度合い(扁平率)を調整することができる。
また、上述したとおり、図7の下部に示すように、第1フィラメントコイル74は、コイル支持部62Aとコイル支持部66A(図4、図5)で支持された両端部部分の非発光部74Bと両コイル支持部62A,66A間部分の発光部74Aとを有している。
しかしながら、このようにフィラメント体を構成した場合には、点灯後まもなくに、反射鏡を構成するガラス基体の割れるものが発生した。本願発明者がその原因を追究したところ、ガラス基体が局所的に加熱されることによる熱割れであることが判明した。
実験は、熱膨張係数の異なるガラス材料で基体を構成し、点灯させた際のガラス基体の割れ(亀裂)発生の有無を調査することによって行った。熱膨張係数は、3.6×10−6[1/K]、4.0×10−6[1/K]、4.5×10−6[1/K]、5.0×10−6[1/K]、および5.6×10−6[1/K]の5通りとした。なお、熱膨張係数は、ホウ珪酸ガラスを組成する成分中のホウ素(酸化ホウ素)とナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属との成分比によって調整できる。
ここで、上記参考例として準備した反射鏡付きハロゲン電球を「参考電球」、フィラメント体72を有するハロゲン電球を備えた反射鏡付きハロゲン電球を「第1供試電球」と称することとする。
また、第1供試電球は、第1フィラメントコイル74(第1発光部74A)と第2フィラメントコイル76(第2発光部76A)が鉛直方向(縦方向)に並ぶ姿勢で点灯させた。後述するように、この姿勢が、ガラス基体の割れ(亀裂)が発生しやすい姿勢だからである。
参考電球においては、いずれの熱膨張係数の場合でもガラス基体の割れ(亀裂)は発生しなかった。
一方、第1供試電球の場合、熱膨張係数が5.6×10−6[1/K]の場合に亀裂が発生し、5.0×10−6[1/K]以下の場合では割れ・亀裂は派生しなかった。
上記実施の形態では、2個のフィラメントコイル(発光部)でフィラメント体を構成したが、これに限らず、3個のフィラメントコイル(発光部)でフィラメント体を構成しても構わない。
図10は、支持構造体に支持されたフィラメント体82を表した斜視図であり、図5に対応するものである。図11は、フィラメント体82を模式的に表したものであり、図8に対応する図である。
第1フィラメントコイル84は、内部リード線90のコイル支持部90Aとサポート線92のコイル支持部92Aとで支持されている。第2フィラメントコイル86は、サポート線92のコイル支持部92Bとサポート線94のコイル支持部94Aとで支持されている。第3フィラメントコイル88は、サポート線94のコイル支持部94Bと内部リード線96のコイル支持部96Aとで支持されている。
フィラメント体82において、図11に示すコイル間隔d1も、フィラメント体72のコイル間隔D1の場合と同様の観点から定められる。
したがって、第2供試電球の場合には、ガラス基体を形成するガラス材料の熱膨張係数を4.0×10−6[1/K]以下にすることで、点灯後間もなく生じるガラス基体の割れ(亀裂)を防ぐことが可能となる。
図12(a)に、一例として示す反射鏡付きハロゲン電球102の正面図を、図12(b)に同平面図を示す。反射鏡付きハロゲン電球102では、反射鏡104のガラス基体106に上記目印として突起108を設けた。突起108の設けるのは、反射鏡104の光軸Rが水平方向となり、かつ、3個のフィラメントコイル84,86,88が水平方向に並ぶような姿勢をとった際に、ガラス基体106の外表面上、光軸R周りに最上部となる位置を含む部分である。
図12(d)に示す反射鏡付きハロゲン電球114は、目印となる突起116を前面ガラス118に設けた例である。突起116の設けるのは、反射鏡120の光軸Rが水平方向となり、かつ、3個のフィラメントコイル84,86,88が水平方向に並ぶような姿勢をとった際に、前面ガラス118の外表面上、光軸R周りに最上部となる位置を含む部分である。なお、突起116に代えて凹部を設けることとしてもよい。
照明器具によっては、取り付けられた反射鏡付きハロゲン電球の姿勢をある程度変更できるものがある。このような照明器具の場合、上記目印を見ながら、反射鏡付きハロゲン電球を上記した好ましい姿勢に調整することが可能となる。
(1)上記実施の形態では、フィラメント体を複数個のフィラメントコイルで構成したが、これに限らず、フィラメントコイル1個で構成することとしても構わない。
図13は、そのように構成したフィラメント体122を表した図である。フィラメント体122は、フィラメントコイル74,76(図5)、フィラメントコイル84,86,88(図10)と同様にして作成された(図6)1個のフィラメントコイル124を湾曲状態で保持したものである。
図13に示した例では、図14(a)に示すように、発光部を山型の形状としたがこれに限らず、例えば、図14(b)に示すように「U」字状としても、図14(c)に示すように「V」字状としても構わない。
(2)フィラメントコイルは、上記したトラック形状に限らず、他の扁平形状でも構わない。要は、互いに直交する長軸と短軸を有する扁平な横断面をした筒状に巻回されていれば構わない。また、扁平率も整数に限らず、任意の小数をとり得る。
(i)同図(a)に示すように、コイル軸心CX方向から見て、上記したトラック形状のもの、つまり二つの平行な線分とそれらの各々の両端を略半円で結んだもの。
(iii)同図(c)に示すように、コイル軸心CX方向から見て、略楕円形状のもの
(iv)同図(d)に示すように、コイル軸心CX方向から見て、略長方形のもの。但し、四隅は、加工上、丸みを帯びる。
(3)また、本発明は、フィラメント体の発光部を扁平な筒状に巻回された一重のコイル状をしたものとしたが、これに限らず、円筒状に巻回された一重のコイル状をしたものとしても構わない。
(4)上記実施の形態では、管球の一例としてハロゲン電球を示したが、本発明は、ハロゲン電球以外の管球にも適用可能である。要は、フィラメント体に電流を流して白熱発光させる光源であれば構わないのである。
(5)上記実施の形態では、反射鏡のガラス材料として、ホウ珪酸ガラスを例に説明したが、本発明は、他の硬質ガラス、例えば、石英ガラスを用いた場合にも適用可能である。あるいは、反射鏡のガラス材料として、ソーダガラス等の軟質ガラスを用いた場合にも適用することができる。
12 照明器具
14,102,110,114 反射鏡付きハロゲン電球
22,104,120 反射鏡
28,106 ガラス基体
30 多層干渉膜
44 バルブ
72,82,122 フィラメント体
108,118 突起
112 凹部
Claims (4)
- ガラス基体の凹面部に反射面が形成されてなる反射鏡と、
気密封止されたバルブと当該バルブ内に設けられたフィラメント体とを有し、前記反射鏡内に組み込まれた管球と、
を備え、
前記フィラメント体は、一重のコイル状をした2個の発光部からなり、各発光部のコイル軸心が前記反射鏡の光軸と略平行となる姿勢で、かつ、両発光部が前記光軸と交差する方向に間隔を置いて配列されてなるものであり、
前記基体を形成するガラス材料の熱膨張係数が5.0×10−6[1/K]以下であることを特徴とする反射鏡付き管球。 - ガラス基体の凹面部に反射面が形成されてなる反射鏡と、
気密封止されたバルブと当該バルブ内に設けられたフィラメント体とを有し、前記反射鏡内に組み込まれた管球と、
を備え、
前記フィラメント体は、一重のコイル状をした3個の発光部からなり、各発光部のコイル軸心が前記反射鏡の光軸と略平行となる姿勢で、かつ、発光部の各々が前記光軸と交差する方向に互いに間隔を置いて配列されてなるものであり、
前記基体を形成するガラス材料の熱膨張係数が4.0×10−6[1/K]以下であることを特徴とする反射鏡付き管球。 - 前記発光部の前記配列の方向を確認できる目印が、外観上目視できるところに設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の反射鏡付き管球。
- 照明器具と、
前記照明器具に取り付けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の反射鏡付き管球と、を有することを特徴とする照明装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006323435A JP2008140582A (ja) | 2006-11-30 | 2006-11-30 | 反射鏡付き管球、および照明装置 |
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
JP2010257591A (ja) * | 2009-04-21 | 2010-11-11 | Mineta Seisakusho:Kk | コイルフィラメント、反射鏡付管球、半導体ヒーター |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06510881A (ja) * | 1991-07-02 | 1994-12-01 | カニングハム,デビッド ダブリュ. | 白熱照明装置 |
JPH0955109A (ja) * | 1995-08-10 | 1997-02-25 | Toshiba Glass Co Ltd | ガラス反射鏡 |
-
2006
- 2006-11-30 JP JP2006323435A patent/JP2008140582A/ja active Pending
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JPH06510881A (ja) * | 1991-07-02 | 1994-12-01 | カニングハム,デビッド ダブリュ. | 白熱照明装置 |
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JP2010257591A (ja) * | 2009-04-21 | 2010-11-11 | Mineta Seisakusho:Kk | コイルフィラメント、反射鏡付管球、半導体ヒーター |
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