JP2008139470A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像に用いられる現像剤を工夫することにより、中抜け現象の発生を抑制することができるとともに、転写画像への歪みや色ずれの発生を抑制することができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】中間転写ベルト27の厚みを300μm以下に設定する。とくに、樹脂層の厚みを200μm以下に設定する。現像剤には、溶融状態にあるトナー成分を円筒繊維状に引き伸ばし切断して作製された円柱状トナー粒子に微粒子を外添して得られたトナーを含むものが用いられる。かかる円柱状トナー粒子は、その形状のために、中間転写ベルト27との付着力が小さい。
【選択図】図2
【解決手段】中間転写ベルト27の厚みを300μm以下に設定する。とくに、樹脂層の厚みを200μm以下に設定する。現像剤には、溶融状態にあるトナー成分を円筒繊維状に引き伸ばし切断して作製された円柱状トナー粒子に微粒子を外添して得られたトナーを含むものが用いられる。かかる円柱状トナー粒子は、その形状のために、中間転写ベルト27との付着力が小さい。
【選択図】図2
Description
この発明は、現像により像担持体に形成されたトナー像が、中間転写ベルトに一時的に転写された後に転写材に転写される中間転写方式を採用する画像形成装置に関する。
たとえばタンデム型の画像形成装置では、無端状の中間転写ベルトを用いて、トナー像の転写が行われる。この画像形成装置は、それぞれ異なる色のトナー像を形成する複数の像担持体を備えている。各像担持体に形成された各色のトナー像が中間転写ベルト上に転写されて、各色のトナー像が中間転写ベルト上で重ね合わされ(一次転写)、中間転写ベルト上で重ね合わされたトナー像が転写材に転写されることにより(二次転写)、転写材にフルカラー画像が形成される。
ところで、OHPシートや薄い転写材を用いる場合、二次転写の際に、トナー像の一部(とくに文字の中央部に相当)だけ上手く転写できないいわゆる中抜け現象が生じるという問題がある。
この中抜け現象は、トナー像の厚みのために、そのトナー像の一部に応力が集中することが原因であるとされている。そこで、たとえば中間転写ベルトに比較的厚い弾性層を設け、その弾性層にトナー像の厚みを吸収させて、トナー像への集中応力の発生を抑制することが提案されている。
特開平10−83122号公報
特開平9−190090号公報
特開平10−240020号公報
この中抜け現象は、トナー像の厚みのために、そのトナー像の一部に応力が集中することが原因であるとされている。そこで、たとえば中間転写ベルトに比較的厚い弾性層を設け、その弾性層にトナー像の厚みを吸収させて、トナー像への集中応力の発生を抑制することが提案されている。
しかしながら、上述のような中間転写ベルトでは、その弾性層のために、伸縮し易い。転写の際に中間ベルトが伸縮すると、転写材に転写される画像に歪みや色ずれが生じるという問題がある。さらに、中間転写ベルトが伸縮すると、ベルト表面が大きく変形して、ベルト表面に亀裂(クラック)が発生するという問題もあった。
このようにベルトの厚みを大きくすると、種々の問題がある。このため、ベルトの厚みを大きくすることなく、たとえば現像剤を改良することにより、中抜け現象の発生を抑制することが望ましい。
このようにベルトの厚みを大きくすると、種々の問題がある。このため、ベルトの厚みを大きくすることなく、たとえば現像剤を改良することにより、中抜け現象の発生を抑制することが望ましい。
そこで、この発明の目的は、現像に用いられる現像剤を工夫することにより、中抜け現象の発生を抑制することができるとともに、転写画像への歪みや色ずれの発生を抑制することができる画像形成装置を提供することである。
請求項1記載の発明は、静電潜像が形成される像担持体(23M,23C,23Y,23BK)と、溶融状態にあるトナー成分を円筒繊維状に引き伸ばし切断して作製された円柱状トナー粒子(13)に微粒子を外添して得られたトナーを含む現像剤を、像担持体の静電潜像を可視像化させるために像担持体に供給するための現像装置(26M,26C,26Y,26BK)と、各像担持体に可視像化されたトナー像が一時的に転写されるものであって、その厚みが300μm以下に設定された中間転写ベルト(27)と、上記中間転写ベルトに転写されたトナー像を、転写材(P)に対して転写する転写装置(33)とを含むことを特徴とする画像形成装置である。
なお、括弧内の数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、円柱状のトナー粒子を用いるので、トナー粒子と中間転写ベルトの表面との付着力を小さくすることができる。このため、二次転写の際に中間転写ベルトに保持されている現像剤が中間転写ベルトから離れ易く、現像剤が転写材に向けて良好に移動するようになる。これにより、良好な転写を行うことができ、中抜け現象の発生を抑制することができる。そして、中間転写ベルトの厚みを300μm以下に設定した場合であっても、中抜け現象の発生を抑制できる。このため、中間転写ベルトを、300μm以下の少ない厚みに設定することができ、これにより、転写画像への歪みや色ずれの発生を抑制することができる。ゆえに、中抜け現象の発生を抑制することができるとともに、転写画像への歪みや色ずれの発生を抑制することができる。
この構成によれば、円柱状のトナー粒子を用いるので、トナー粒子と中間転写ベルトの表面との付着力を小さくすることができる。このため、二次転写の際に中間転写ベルトに保持されている現像剤が中間転写ベルトから離れ易く、現像剤が転写材に向けて良好に移動するようになる。これにより、良好な転写を行うことができ、中抜け現象の発生を抑制することができる。そして、中間転写ベルトの厚みを300μm以下に設定した場合であっても、中抜け現象の発生を抑制できる。このため、中間転写ベルトを、300μm以下の少ない厚みに設定することができ、これにより、転写画像への歪みや色ずれの発生を抑制することができる。ゆえに、中抜け現象の発生を抑制することができるとともに、転写画像への歪みや色ずれの発生を抑制することができる。
粉砕法によって作製された粉砕トナーでは、その表面は比較的凸凹している。そのため、中間転写ベルト上の粉砕トナーは、中間転写ベルトとの接触面積が比較的大きい。したがって、中抜け現象の発生を抑制することはできない。また、粉砕トナーは、粉砕によって作製されるが、内部の離型剤(ワックス)が表面に多量に露出していると、この離型剤により現像剤が中間転写ベルトの表面に付着し、中抜けの発生が促進されることにもなる。
また、懸濁重合法によって作製された重合トナーでは、円形度が非常に高い(1に近い)ために、中間転写ベルトとの接触面積が少なくなり、ベルト表面との付着力が低減されるが、円形度が高すぎてクリーニング性に劣り、そのため、像担持体でのフィルミングなどの不具合が生じる。
さらに、中間転写ベルトにおいて、その厚みが300μmを超えると、転写画像に歪みや色ずれが生じるようになる。
さらに、中間転写ベルトにおいて、その厚みが300μmを超えると、転写画像に歪みや色ずれが生じるようになる。
さらにまた、現像剤は、トナーが上記の円柱状トナー粒子を含むものであれば、キャリアを含まない1成分現像剤(1成分トナー)であってもよいし、トナーとキャリアとを含む2成分トナーであってもよい。そして、1成分現像剤(1成分トナー)である場合はトナーが磁性を帯びていない非磁性1成分現像剤(非磁性1成分トナー)であってもよいし、トナーが磁性を帯びた磁性1成分現像剤(磁性1成分トナー)であってもよい。
請求項2記載の発明は、上記中間転写ベルトは、弾性層(41)を含む積層構造を有しており、上記弾性層の厚みは200μm以下に設定されていることを特徴とする画像形成装置である。
この構成によれば、円柱状トナー粒子を含む現像剤を用いることにより、中間転写ベルトの弾性層の厚みを200μm以下に設定した場合であっても、中抜け現象の発生を抑制できる。これにより、転写画像への歪みや色ずれの発生を抑制することができる。
この構成によれば、円柱状トナー粒子を含む現像剤を用いることにより、中間転写ベルトの弾性層の厚みを200μm以下に設定した場合であっても、中抜け現象の発生を抑制できる。これにより、転写画像への歪みや色ずれの発生を抑制することができる。
弾性層において、その厚みが200μmを超えると、転写画像に歪みや色ずれが生じるようになる。
以下では、図面を参照して、この発明の実施形態を、具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に画像形成装置の要部構成を示す概略図である。
画像形成装置は、たとえばタンデム型のカラー画像形成装置であり、カラー画像を形成するための画像形成機構20を備えている。画像形成機構20では、マゼンタ(M)用の画像形成ユニット22M、シアン(C)用の画像形成ユニット22C、イエロー(Y)用の画像形成ユニット22Yおよびブラック(BK)用の画像形成ユニット22BKが図1における左から右に向けて順に配列されている。各画像形成ユニット22M,22C,22Y,22BKは、円筒状の像担持体23M,23C,23Y,23BKと、像担持体23M〜23BKの表面を帯電させるための帯電器24M,24C,24Y,24BKと、帯電器24M〜24BKにより帯電された像担持体23M〜23BKの表面を、作成画像に対応して露光するための露光器25M,25C,25Y,25BKと、像担持体23M〜23BKの表面に各色(マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック)の現像剤を供給して、露光により形成された静電潜像を現像する円筒状の現像剤担持体26M,26C,26Y,26BKと、トナー像が後述する中間転写ベルト27に転写された後の像担持体23M〜23BKの表面に残留する現像剤を除去するためのクリーニング装置28M,28C,28Y,28BKと、トナー像が中間転写ベルト27に転写された後の像担持体23M〜23BKの表面を除電するための除電器29M,29C,29Y,29BKとが備えられている。帯電器24M〜24BK、露光器25M〜25BK、現像装置26M〜26BK、転写装置27M〜27BK、クリーニング装置28M〜28BKおよび除電器29M〜29BKは、像担持体23M〜23BKの周囲において、像担持体23M〜23BKの回転方向に沿って順に配置されている。
図1は、この発明の一実施形態に画像形成装置の要部構成を示す概略図である。
画像形成装置は、たとえばタンデム型のカラー画像形成装置であり、カラー画像を形成するための画像形成機構20を備えている。画像形成機構20では、マゼンタ(M)用の画像形成ユニット22M、シアン(C)用の画像形成ユニット22C、イエロー(Y)用の画像形成ユニット22Yおよびブラック(BK)用の画像形成ユニット22BKが図1における左から右に向けて順に配列されている。各画像形成ユニット22M,22C,22Y,22BKは、円筒状の像担持体23M,23C,23Y,23BKと、像担持体23M〜23BKの表面を帯電させるための帯電器24M,24C,24Y,24BKと、帯電器24M〜24BKにより帯電された像担持体23M〜23BKの表面を、作成画像に対応して露光するための露光器25M,25C,25Y,25BKと、像担持体23M〜23BKの表面に各色(マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック)の現像剤を供給して、露光により形成された静電潜像を現像する円筒状の現像剤担持体26M,26C,26Y,26BKと、トナー像が後述する中間転写ベルト27に転写された後の像担持体23M〜23BKの表面に残留する現像剤を除去するためのクリーニング装置28M,28C,28Y,28BKと、トナー像が中間転写ベルト27に転写された後の像担持体23M〜23BKの表面を除電するための除電器29M,29C,29Y,29BKとが備えられている。帯電器24M〜24BK、露光器25M〜25BK、現像装置26M〜26BK、転写装置27M〜27BK、クリーニング装置28M〜28BKおよび除電器29M〜29BKは、像担持体23M〜23BKの周囲において、像担持体23M〜23BKの回転方向に沿って順に配置されている。
各像担持体23M〜23BKの表面に現像された各色のトナー像は、各像担持体23M〜23BKに対応して設けられた一次転写ローラ30によって、無端状の中間転写ベルト27に転写され、一次的に中間転写ベルト27に保持される。この中間転写ベルト27は、駆動ローラ31とテンションローラ32との働きにより、所定の張力を付与された状態で回転されている。中間転写ベルト27では、各色のトナー像が重ねあわされて、フルカラーのトナー像が形成される。二次転写ローラ33によって転写材としての用紙Pに転写される。また、テンションローラ32に対応して、クリーニングファーブラシ34が設けられており、クリーニングファーブラシ34によってトナー像が転写された後の中間転写ベルト27が清掃される。フルカラーのトナー像が転写された用紙Pは、定着装置35によって加熱および加圧され、これによって、フルカラーのトナー像が用紙上に定着される。
図2は、中間転写ベルト27の断面図である。
中間転写ベルト27は、樹脂層40、弾性層41および表面層42から構成されている。樹脂層40の上に弾性層41が配置され、その弾性層41の上に表面層42が配置されている。
樹脂層40は、中間転写ベルト27に強度を付与するためのものであり、その材質として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリイミドなどの樹脂を用いることができる。樹脂層40の厚みは、たとえば100μm程度に設定されている。
中間転写ベルト27は、樹脂層40、弾性層41および表面層42から構成されている。樹脂層40の上に弾性層41が配置され、その弾性層41の上に表面層42が配置されている。
樹脂層40は、中間転写ベルト27に強度を付与するためのものであり、その材質として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリイミドなどの樹脂を用いることができる。樹脂層40の厚みは、たとえば100μm程度に設定されている。
弾性層41の材質として、たとえばCRゴムや、ニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴムが用いられる。弾性層41の厚みは、200μm以下に設定されていることが好ましい。
弾性層41を、200μm以下の少ない厚みに設定することで、転写画像への歪みや色ずれの発生を抑制することができる。弾性層41において、その厚みが200μmを超えると、転写画像に歪みや色ずれが生じるようになる。
弾性層41を、200μm以下の少ない厚みに設定することで、転写画像への歪みや色ずれの発生を抑制することができる。弾性層41において、その厚みが200μmを超えると、転写画像に歪みや色ずれが生じるようになる。
なお、弾性層41の厚みを0μm、すなわち、中間転写ベルト27から弾性層41を省略することもできる。
表面層42は、像担持体22M〜22BKや用紙Pと接する層であり、たとえば、テフロン(登録商標)やフッ素などからなる層を用いることができる。表面層42の厚みは、たとえば2μm〜3μmに設定されている。
表面層42は、像担持体22M〜22BKや用紙Pと接する層であり、たとえば、テフロン(登録商標)やフッ素などからなる層を用いることができる。表面層42の厚みは、たとえば2μm〜3μmに設定されている。
中間転写ベルト27の全体の厚みは、300μm以下であることが好ましい。中間転写ベルト27を、300μm以下の少ない厚みに設定することで、転写画像への歪みや色ずれの発生を抑制することができる。中間転写ベルト27の厚みが300μmを超えると、転写画像に歪みや色ずれが生じるようになる。
また、中間転写ベルト27の全体の厚みは、80μm以上であることが好ましい。中間転写ベルト27の厚みが80μm未満であると、中間転写ベルト27の強度が低すぎて、所定の張力で張架させることが困難となる。
また、中間転写ベルト27の全体の厚みは、80μm以上であることが好ましい。中間転写ベルト27の厚みが80μm未満であると、中間転写ベルト27の強度が低すぎて、所定の張力で張架させることが困難となる。
この画像形成装置では、現像装置26M〜26BKで用いられる現像剤は、キャリアを含まず、かつ、トナーが磁性を帯びていない非磁性1成分現像剤(非磁性1成分トナー)である。この現像剤を構成するトナーは、以下の紡糸法という製造方法によって作製された円柱状トナー粒子を含んでいる。この紡糸法は、たとえば特開2006−106236号公報に詳しく記載されている。
紡糸法では、トナー原料を溶融状態とし混練する混練工程と、溶融状態で混練された溶融トナーを繊維状に形成する繊維化工程と、繊維状に形成されたトナーを切断する切断工程とが順に実行される。
図3および図4を参照して、混練工程では、エクストルーダ1を用いてトナー原料の混練が行われる。トナー原料は、結着樹脂、着色料、電荷制御剤および離型剤を含み、これらのトナー原料は、予備混合装置(例えば、ホソカワミクロン(株)製:サイクロミックス)7で予備的に混合された後に、ホッパ1Aを介して、エクストルーダ1に与えられる。エクストルーダ1は、その内部に、トナー原料を加熱するためのヒータ(図示せず。)と、トナー原料を混練する混練部材としての回転スクリュー15とを備えている。エクストルーダ1に与えられたトナー原料はヒータによって加熱されて溶融状態となり、その溶融トナーが、所定の混練温度(たとえば140℃)で、回転スクリュー15で混練される。エクストルーダ1はギアポンプを介して静止型ミキサ2に接続されており、エクストルーダ1によって混練された溶融トナーは、静止型ミキサ2に与えられるようになっている。
図3および図4を参照して、混練工程では、エクストルーダ1を用いてトナー原料の混練が行われる。トナー原料は、結着樹脂、着色料、電荷制御剤および離型剤を含み、これらのトナー原料は、予備混合装置(例えば、ホソカワミクロン(株)製:サイクロミックス)7で予備的に混合された後に、ホッパ1Aを介して、エクストルーダ1に与えられる。エクストルーダ1は、その内部に、トナー原料を加熱するためのヒータ(図示せず。)と、トナー原料を混練する混練部材としての回転スクリュー15とを備えている。エクストルーダ1に与えられたトナー原料はヒータによって加熱されて溶融状態となり、その溶融トナーが、所定の混練温度(たとえば140℃)で、回転スクリュー15で混練される。エクストルーダ1はギアポンプを介して静止型ミキサ2に接続されており、エクストルーダ1によって混練された溶融トナーは、静止型ミキサ2に与えられるようになっている。
静止型ミキサ2は捩られた曲面からなる複数の羽根体14を有しており、その内部には、複数の羽根体14によって螺旋状の流路が区画されている。エクストルーダ1によって混練された溶融トナーは、羽根体14の回転によってさらに混練される。これにより、静止型ミキサ2では、トナー原料の各成分が均一に細かく分散した状態で保持される。この静止型ミキサ2では、溶融トナーは、上記の混練温度よりも高温(180℃)で保持されている。なお、前記のギアポンプ4は、後述するノズル6からの溶融トナーの押し出し量を調節するためのものであり、たとえばモータ5によって駆動されている。次に、繊維化工程に移る。
静止型ミキサ2には、多段の分配流路3Aを有する流路構造体3が接続されている。各分配流路3Aには、静止型ミキサ2から混練状態の溶融トナーが与えられるようになっており、この溶融トナーは、流路構造体3に設けられたヒータ(図示しない。)によってさらに高温(たとえば215℃)に加熱されて、各分配流路3Aの流路出口に設けられたノズル6から押し出される。
各ノズル6から押し出された溶融トナーは繊維状となっており、この繊維状の溶融トナーが図示しない延伸用エアー吹き出し装置から吹き出される熱風(たとえば215℃)によって延伸された後、冷風の吹き付けによって急速に冷却されて、繊維状トナー12が形成される。
次に、繊維状トナー12を切断する切断工程について説明する。図4に示すように、ノズル6から押し出されて形成された繊維状トナー12は、搬送装置11によって切断装置8へと搬送される。この切断装置8は、搬送装置11上を搬送される繊維状トナー12の搬送方向と直交する方向に延びた固定刃9と、図示しないモータによって回転駆動される回転刃10とを備えている。固定刃9と回転刃10との間に繊維状トナー12が連続的に供給されると、固定刃9のエッジ9aと、回転刃10の切断刃10aとの間で生じる剪断作用によって繊維状トナー12が順次切断されて、円柱状トナー粒子13が連続的に製造される。
次に、繊維状トナー12を切断する切断工程について説明する。図4に示すように、ノズル6から押し出されて形成された繊維状トナー12は、搬送装置11によって切断装置8へと搬送される。この切断装置8は、搬送装置11上を搬送される繊維状トナー12の搬送方向と直交する方向に延びた固定刃9と、図示しないモータによって回転駆動される回転刃10とを備えている。固定刃9と回転刃10との間に繊維状トナー12が連続的に供給されると、固定刃9のエッジ9aと、回転刃10の切断刃10aとの間で生じる剪断作用によって繊維状トナー12が順次切断されて、円柱状トナー粒子13が連続的に製造される。
以上説明した製造方法によって作製された円柱状トナー粒子13に外添剤を添加した後に、ヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)にて混合されて非磁性1成分トナー、すなわち現像剤が得られる。外添剤は、トナーの流動性を改善するためものであり、その粒径は、たとえば数十nm〜数百nmのものである。
円柱状トナー粒子は、円柱断面直径がたとえば4〜9μmに設定されており、円柱長さがたとえば4μm〜13μmに設定されている。
円柱状トナー粒子は、円柱断面直径がたとえば4〜9μmに設定されており、円柱長さがたとえば4μm〜13μmに設定されている。
円柱状トナー粒子13は、その形状のために、中間転写ベルト27の表面層40との付着力を小さい。このため、二次転写の際に、中間転写ベルト27に保持されているトナーが中間転写ベルト27から離れ易く、現像剤が用紙Pに向けて良好に移動されるようになる。これにより、良好な転写を行うことができ、中抜け現象の発生を抑制することができる。
そのため、上述のように、弾性層41の厚みを200μm以下に設定するとともに、中間転写ベルト27全体の厚みを300μm以下に設定する場合であっても、中抜け現象の発生を抑制できる。これにより、中抜け現象の発生を抑制することができるとともに、転写画像への歪みや色ずれの発生を抑制することができる。
トナー粒子の原料となる結着樹脂の種類は特に制限されるものではないが、例えば、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂およびスチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられることが好ましい。
トナー粒子の原料となる結着樹脂の種類は特に制限されるものではないが、例えば、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂およびスチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられることが好ましい。
ポリスチレン系樹脂は、スチレンの単独重合体だけでなく、スチレンと共重合可能な他の共重合モノマーとの共重合体でもよい。スチレンと共重合可能な共重合モノマーとしては、p−クロルスチレン;ビニルナフタレン;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドテシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどの他のアクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデンなどのN−ビニル化合物などが挙げられる。これらは、単独で、または2種以上を組み合わせて、スチレンと共重合させることができる。
ポリスチレン系樹脂の分子量は、結着樹脂において、二つの質量平均分子量ピーク(低分子量ピークおよび高分子量ピークと称する。)を有することが好ましい。具体的に、低分子量ピークが3000〜20000の範囲内であり、もう一つの高分子量ピークが300000〜1500000の範囲内であり、Mw/Mnが10以上あるものが好ましい。質量平均分子量ピークがこのような範囲内にあれば、現像剤を容易に定着させることができ、また、耐オフセット性を向上させることもできる。なお、結着樹脂の質量平均分子量は、分子量測定装置(GPC)を用いて、カラムからの溶出時間を測定し、標準ポリスチレン樹脂を用いて予め作成しておいた検量線と照らし合わせることにより、求めることができる。
また、ポリエステル系樹脂としては、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合ないし共縮重合によって得られるものが用いられる。ポリエステル系樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のものが挙げられる。まず、2価または3価以上のアルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5,−トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類が例示される。
さらに、2価または3価以上のカルボン酸成分としては、2価または3価カルボン酸、この酸無水物またはこの低級アルキルエステルが用いられ、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、あるいはn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキルまたはアルケニルコハク酸等の2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸等が例示される。
ポリエステル系樹脂の軟化点は、110℃〜150℃であることが好ましく、より好ましくは1.20μm℃〜140℃である。
また、結着樹脂は、定着性が良好な観点から熱可塑性樹脂が好ましいが、ソックスレー抽出器を用いて測定される架橋部分量(ゲル量)が10質量%以下の値、より好ましくは0.1質量%〜10質量%の範囲内の値であれば、熱硬化性樹脂であってもよい。このように一部架橋構造を導入することにより、定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性や形態保持性、あるいは耐久性をより向上させることができる。よって、トナーの結着樹脂として、熱可塑性樹脂を100質量%使用する必要はなく、架橋剤を添加し、あるいは、熱硬化性樹脂を一部使用することも好ましい。
また、結着樹脂は、定着性が良好な観点から熱可塑性樹脂が好ましいが、ソックスレー抽出器を用いて測定される架橋部分量(ゲル量)が10質量%以下の値、より好ましくは0.1質量%〜10質量%の範囲内の値であれば、熱硬化性樹脂であってもよい。このように一部架橋構造を導入することにより、定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性や形態保持性、あるいは耐久性をより向上させることができる。よって、トナーの結着樹脂として、熱可塑性樹脂を100質量%使用する必要はなく、架橋剤を添加し、あるいは、熱硬化性樹脂を一部使用することも好ましい。
したがって、熱硬化性樹脂として、エポキシ系樹脂やシアネート系樹脂等を使用することができる。より具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂等の1種または2種以上の組み合わせが挙げられる。
さらに、結着樹脂において、ガラス転移点(Tg)を50℃〜70℃の範囲内の値とするのが好ましい。結着樹脂のガラス転移点が、50℃未満では、得られたトナー同士が融着し、保存安定性が低下する傾向がある。一方、結着樹脂のガラス転移点が、70℃を超えると、トナーの定着性が乏しくなる傾向がある。なお、結着樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。
離型剤としてのワックスとしては、特に限定はなく、例えばカルナバワックスやサトウワックス、木ワックス等の植物性ワックス;蜜ワックスや昆虫ワックス、鯨ワックス、羊毛ワックスなどの動物性ワックス;エステルを側鎖に有するフィッシャートロプシュ(以下、「FT」と記すことがある)ワックスやポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックスなどが挙げられる。この中でも分散性の点から、エステルを側鎖に有すFTワックスやポリエチレンワックスの使用が推奨される。
また、離型剤としてのワックスは、示差走査熱量計による吸熱曲線における吸熱メインピークが70〜120℃の範囲であるものが好ましい。吸熱メインピークが70℃未満にある場合、トナーブロッキングおよびホットオフセットが生じるおそれがあり、他方吸熱メインピークが120℃を超える場合、低温定着性が得られない虞があるからである。
さらに、離型剤としてのワックスの添加量は結着樹脂100重量部に対して1〜20重量部の範囲が好ましい。ワックスの添加量が1重量部より少ないと充分なワックスの効果が得られにくく、他方添加量が20重量部より多いと耐ブロッキング性が低下し、またトナーからの脱離が生じるおそれがある。
さらに、離型剤としてのワックスの添加量は結着樹脂100重量部に対して1〜20重量部の範囲が好ましい。ワックスの添加量が1重量部より少ないと充分なワックスの効果が得られにくく、他方添加量が20重量部より多いと耐ブロッキング性が低下し、またトナーからの脱離が生じるおそれがある。
着色剤としては、例えば、黒色顔料として、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラック等のカーボンブラック;黄色顔料として、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマンネントイエローNCG、タートラジンレーキ;橙色顔料として、赤口黄鉛、モリブテンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK;赤色顔料として、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B;紫色顔料として、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ;青色顔料として、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC;緑色顔料として、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーンG;白色顔料として、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛;白色顔料として、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等を使用できる。このような着色剤は結着樹脂100重量部当り2〜20重量部、特に3〜15重量部の量で使用するのが好ましい。
電荷制御剤の種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、ニグロシン、第四級アンモニウム塩化合物、樹脂にアミン系化合物を結合させた樹脂タイプの電荷制御剤等の正帯電性を示す電荷制御剤を使用することができる。カラートナー用と使用する場合には無色ないし白色のものが好ましい。結着樹脂100重量部当り0.5〜10重量部、特に1〜5重量部の量で使用するのが好ましい。
外添剤には、シリカ、アルミナ、酸化スズ、酸化チタン、酸化ストロンチウム、各種樹脂粉等の従来公知の外添剤を用いることができる。
以上の説明では、キャリアを有さず、かつ、トナーが磁性を帯びていない非磁性1成分現像剤(非磁性1成分トナー)が用いられる画像形成装置を例に挙げて説明してきたが、画像形成装置に用いられる現像剤は、トナーが磁性を帯びた磁性1成分現像剤であってもよい。
以上の説明では、キャリアを有さず、かつ、トナーが磁性を帯びていない非磁性1成分現像剤(非磁性1成分トナー)が用いられる画像形成装置を例に挙げて説明してきたが、画像形成装置に用いられる現像剤は、トナーが磁性を帯びた磁性1成分現像剤であってもよい。
この場合、上述の結着樹脂において、磁性粉の分散性を向上させるために、ヒドキロキシ(水酸)基、カルボキシル基、アミノ基およびグリシドキシ(エポキシ)基から選択される少なくとも一つの官能基を分子内に有する樹脂を使用することが好ましい。なお、これらの官能基を有しているか否かは、FT−IR装置を用いて確認することができ、さらに滴定法を用いて定量することができる。
さらに、この発明の画像形成装置に、トナーおよびキャリアを含む2成分現像剤に適用することもできる。
この場合、キャリアは、キャリア芯材として、鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、コバルト等の粒子や、これらの材料とマンガン、亜鉛、アルミニウム等との合金の粒子、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金等の粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウム等のセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ロッシェル塩等の高誘電率物質の粒子、樹脂中に上記磁性粒子を分散させた樹脂キャリア等、従来公知の種々のものが用いられる。
この場合、キャリアは、キャリア芯材として、鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、コバルト等の粒子や、これらの材料とマンガン、亜鉛、アルミニウム等との合金の粒子、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金等の粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウム等のセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ロッシェル塩等の高誘電率物質の粒子、樹脂中に上記磁性粒子を分散させた樹脂キャリア等、従来公知の種々のものが用いられる。
キャリアの樹脂被覆層として、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体、オレフィン系重合体(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、アミノ樹脂等のコーティングキャリア用として従来公知の種々の樹脂を用いることができる。これらは、単独で、或いは2種以上混合して使用される。
また、上記樹脂被覆層には必要に応じて、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、脂肪酸金属塩、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等の、樹脂コート層の特性を調整するための添加剤を含有させることもできる。
樹脂コート層の膜厚は従来と同程度でよく、特に限定されないが、具体的には、キャリア芯材へのコート量で表して、キャリア芯材に対して0.01〜10重量%、特に0.05〜5重量%コート量であることが好ましい。
樹脂コート層の膜厚は従来と同程度でよく、特に限定されないが、具体的には、キャリア芯材へのコート量で表して、キャリア芯材に対して0.01〜10重量%、特に0.05〜5重量%コート量であることが好ましい。
さらに上記の1成分現像剤(1成分トナー)や2成分現像剤には、この発明の効果を害しない範囲で、たとえば表面処理剤といった、その他の添加剤を付加することもできる。
以下に、この発明を実施例および比較例を挙げて、さらに詳しく説明する。
(円柱状トナー粒子を含む非磁性トナーの作製)
スチレン70重量部、アクリル酸ブチル30重量部からなるモノマー溶液を、重合開始剤であるV−65(2,2−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、和光純薬(株)製)6重量部と、溶媒としてのトルエン200重量部が入っている溶液中(コンデンサを具備し、トルエンを還流)に3時間かけて滴下し、滴下後60℃に保った状態で12時間重合させた後、トルエンを減圧蒸留して除去し、結着樹脂(スチレン−アクリル系)を得た。
(円柱状トナー粒子を含む非磁性トナーの作製)
スチレン70重量部、アクリル酸ブチル30重量部からなるモノマー溶液を、重合開始剤であるV−65(2,2−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、和光純薬(株)製)6重量部と、溶媒としてのトルエン200重量部が入っている溶液中(コンデンサを具備し、トルエンを還流)に3時間かけて滴下し、滴下後60℃に保った状態で12時間重合させた後、トルエンを減圧蒸留して除去し、結着樹脂(スチレン−アクリル系)を得た。
このようにして得た結着樹脂(スチレン-アクリル系樹脂)100重量部に対して、着色剤としてのカーボンブラック(MA−100:三菱化学(株)製):4重量部と、電荷制御剤(N−01:オリエント化学(株)製)2重量部と、離型剤としてのワックス(FT−100:日本精蝋(株)製)5重量部とをトナー原料として、上述の図3および図4に示す装置を用い、上述の紡糸法によって体積平均粒径6.5μmの円柱状トナー粒子を作製し、この円柱状トナー粒子に、外添剤としてシリカ:RA−200H(日本アエロジル(株)製)を1.2%添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)を用いて混合することにより、非磁性トナーを作製した。
(画像形成装置)
画像形成装置として、タンデム型のレーザーカラープリンタ「LS−5020」(京セラミタ(株)製)を用いた。この画像形成装置の中間転写ベルトは、図2のような積層構造を有しており、樹脂層にはポリフッ化ビニリデンが、弾性層にはCRゴムが、表面層にはテフロン(登録商標)が、それぞれ用いられている。
(画像形成装置)
画像形成装置として、タンデム型のレーザーカラープリンタ「LS−5020」(京セラミタ(株)製)を用いた。この画像形成装置の中間転写ベルトは、図2のような積層構造を有しており、樹脂層にはポリフッ化ビニリデンが、弾性層にはCRゴムが、表面層にはテフロン(登録商標)が、それぞれ用いられている。
実施例1:現像剤として上述の非磁性トナーを用いるとともに、画像形成装置の中間転写ベルトの膜厚を300μm(うち弾性層の厚みが200μm)に設定した。
実施例2:現像剤として上述の非磁性トナーを用いるとともに、画像形成装置の中間転写ベルトの膜厚を200μm(うち弾性層の厚みが100μm)に設定した。
実施例3:現像剤として上述の非磁性トナーを用いるとともに、画像形成装置の中間転写ベルトの膜厚を100μm(弾性層はなし)に設定した。
実施例2:現像剤として上述の非磁性トナーを用いるとともに、画像形成装置の中間転写ベルトの膜厚を200μm(うち弾性層の厚みが100μm)に設定した。
実施例3:現像剤として上述の非磁性トナーを用いるとともに、画像形成装置の中間転写ベルトの膜厚を100μm(弾性層はなし)に設定した。
比較例1:上記の円柱状トナー粒子の作製に用いられるものと同じ結着樹脂(スチレン-アクリル系樹脂)100重量部に対して、着色剤としてのカーボンブラック(MA−100:三菱化学(株)製):4重量部と、電荷制御剤(N−01:オリエント化学(株)製)2重量部と、離型剤としてのワックス(FT−100:日本精蝋(株)製)5重量部とをトナー原料として、溶融混練工程、粗粉砕工程、微粉砕工程および分級工程を含む粉砕法によって、体積平均粒径6.5μmのトナー粒子を作製し、この粉砕されたトナー粒子に、外添剤としてシリカ:RA−200H(日本アエロジル(株)製)を1.2%添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)を用いて混合することにより、非磁性トナーを作製した。
この非磁性1成分トナーを現像剤として用いるとともに、画像形成装置の中間転写ベルトの膜厚を400μm(うち弾性層の厚みが300μm)に設定した。
比較例2:現像剤として比較例1の粉砕法によって作製された非磁性トナーを用いるとともに、画像形成装置の中間転写ベルトの膜厚を300μm(うち弾性層の厚みが200μm)に設定した。
比較例2:現像剤として比較例1の粉砕法によって作製された非磁性トナーを用いるとともに、画像形成装置の中間転写ベルトの膜厚を300μm(うち弾性層の厚みが200μm)に設定した。
比較例3:現像剤として比較例1の粉砕法によって作製された非磁性トナーを用いるとともに、画像形成装置の中間転写ベルトの膜厚を200μm(うち弾性層の厚みが100μm)に設定した。
比較例4:上記の円柱状トナー粒子の作製に用いられるものと同じ結着樹脂(スチレン-アクリル系樹脂)100重量部に対して、着色剤としてのカーボンブラック(MA−100:三菱化学(株)製):4重量部と、電荷制御剤(N−01:オリエント化学(株)製)2重量部と、離型剤としてのワックス(FT−100:日本精蝋(株)製)5重量部とをトナー原料として、懸濁重合法によって、体積平均粒径6.5μmのトナー粒子を作製し、この重合によって作製されたトナー粒子に、外添剤としてシリカ:RA−200H(日本アエロジル(株)製)を1.2%添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)を用いて混合することにより、非磁性トナーを作製した。
比較例4:上記の円柱状トナー粒子の作製に用いられるものと同じ結着樹脂(スチレン-アクリル系樹脂)100重量部に対して、着色剤としてのカーボンブラック(MA−100:三菱化学(株)製):4重量部と、電荷制御剤(N−01:オリエント化学(株)製)2重量部と、離型剤としてのワックス(FT−100:日本精蝋(株)製)5重量部とをトナー原料として、懸濁重合法によって、体積平均粒径6.5μmのトナー粒子を作製し、この重合によって作製されたトナー粒子に、外添剤としてシリカ:RA−200H(日本アエロジル(株)製)を1.2%添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)を用いて混合することにより、非磁性トナーを作製した。
この非磁性トナーを現像剤として用いるとともに、画像形成装置の中間転写ベルトの膜厚を100μm(弾性層はなし)に設定した。
比較例5:現像剤として比較例4の懸濁重合法によって作製された非磁性トナーを用いるとともに、画像形成装置の中間転写ベルトの膜厚を200μm(うち弾性層の厚みが100μm)に設定した。
比較例5:現像剤として比較例4の懸濁重合法によって作製された非磁性トナーを用いるとともに、画像形成装置の中間転写ベルトの膜厚を200μm(うち弾性層の厚みが100μm)に設定した。
(性能評価)
実施例1〜3、比較例1〜5にかかる現像剤および中間転写ベルトの8種の組合せについて、温度20℃、湿度65%の常温常湿環境下で、原稿濃度4%の原稿に基づいて画像を形成し、以下の性能評価を行った。
(i)中抜け現象の評価
この発明による中抜け現象の発生の抑制という効果の有無を確かめるために、中抜け現象の評価を行った。この評価は、複写画像を目視で観察することにより行った。
○:中抜け現象が発生しなかった。
×:中抜け現象が発生した。
(ii)色ずれ評価
この発明による転写画像への歪みや色ずれの発生の抑制という効果の有無を確かめるために、色ずれ評価を行った。この評価は、複写画像を目視で観察することにより行った。
○:色ずれが発生しなかった。
×:色ずれが発生した。
(iii) フィルミング評価
この発明によるクリーニング性の有無を確かめるために、像担持体の周面に、現像剤が固着するいわゆるフィルミング状態が生じるか否かのフィルミング評価を行った。この評価は、像担持体の表面を目視で観察することにより行った。
○:フィルミングが発生しなかった。
×:フィルミングが発生した。
実施例1〜3、比較例1〜5にかかる現像剤および中間転写ベルトの8種の組合せについて、温度20℃、湿度65%の常温常湿環境下で、原稿濃度4%の原稿に基づいて画像を形成し、以下の性能評価を行った。
(i)中抜け現象の評価
この発明による中抜け現象の発生の抑制という効果の有無を確かめるために、中抜け現象の評価を行った。この評価は、複写画像を目視で観察することにより行った。
○:中抜け現象が発生しなかった。
×:中抜け現象が発生した。
(ii)色ずれ評価
この発明による転写画像への歪みや色ずれの発生の抑制という効果の有無を確かめるために、色ずれ評価を行った。この評価は、複写画像を目視で観察することにより行った。
○:色ずれが発生しなかった。
×:色ずれが発生した。
(iii) フィルミング評価
この発明によるクリーニング性の有無を確かめるために、像担持体の周面に、現像剤が固着するいわゆるフィルミング状態が生じるか否かのフィルミング評価を行った。この評価は、像担持体の表面を目視で観察することにより行った。
○:フィルミングが発生しなかった。
×:フィルミングが発生した。
これらの性能評価は、画像形成処理の10万枚の連続耐刷後のタイミングで行われる。ここで、連続耐刷とは、画像形成を連続的に行う印刷のことである。
性能評価の結果を表1に示す。
性能評価の結果を表1に示す。
表1に示す試験結果から、中間転写ベルトの厚みを300μm以下に設定した実施例1〜3では、中間転写ベルトの厚みが300μmを超える比較例1と比較して、色ずれの発生を抑えることができることがわかった。
また、紡糸法によって作製された円柱状トナー粒子を含むトナー(現像剤)を用いた実施例1〜3では、粉砕法によって作製されたトナーを用いた比較例2,3と比較して、中抜け現象が発生することがわかった。また、懸濁重合法によって作製されたトナーを用いた比較例4、5と比較して、クリーニング性が良好であるともわかった。
また、紡糸法によって作製された円柱状トナー粒子を含むトナー(現像剤)を用いた実施例1〜3では、粉砕法によって作製されたトナーを用いた比較例2,3と比較して、中抜け現象が発生することがわかった。また、懸濁重合法によって作製されたトナーを用いた比較例4、5と比較して、クリーニング性が良好であるともわかった。
1 画像形成機構
23M,23C,23Y,23BK 像担持体
26M,26C,26Y,26BK 現像装置
27 中間転写ベルト
33 転写装置
41 弾性層
P 用紙(転写材)
23M,23C,23Y,23BK 像担持体
26M,26C,26Y,26BK 現像装置
27 中間転写ベルト
33 転写装置
41 弾性層
P 用紙(転写材)
Claims (2)
- 静電潜像が形成される像担持体と、
溶融状態にあるトナー成分を円筒繊維状に引き伸ばし切断して作製された円柱状トナー粒子に微粒子を外添して得られたトナーを含む現像剤を、像担持体の静電潜像を可視像化させるために像担持体に供給するための現像装置と、
像担持体に可視像化されたトナー像が転写され、一時的に保持されるものであって、その厚みが300μm以下に設定された中間転写ベルトと、
上記中間転写ベルトに転写されたトナー像を、転写材に対して転写する転写装置とを含むことを特徴とする画像形成装置。 - 上記中間転写ベルトは、弾性層を含む積層構造を有しており、
上記弾性層の厚みは200μm以下に設定されていることを特徴とする画像形成装置。
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