JP2008286937A - 2成分現像剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】履歴現象の発生を防止することができ、かつ、トナー飛散の発生を防止することができる、タッチダウン現像方式に好適な2成分現像剤を提供すること。
【解決手段】非磁性トナーは、溶融状態のトナー原料が紡糸法によって円柱繊維状に引き延ばされたものを所定の長さに切断することにより得られた円柱体のトナー粒子を含んでいる。磁性キャリアは、磁性粒子と、その表面に形成された樹脂コート層とを有するものであり、かつ、樹脂コート層の臨界表面張力が、30dyn/cm以上40dyn/cm以下である。
【選択図】図3

Description

この発明は、画像形成装置に使用される2成分現像剤に関し、とくに、タッチダウン現像方式で静電潜像を現像する画像形成装置において使用される2成分現像剤に関する。
電子写真法、静電記録法、静電印刷法等を利用したレーザプリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの複合機などの画像形成装置においては、まず、潜像保持体の表面を帯電手段によって一様に帯電させ、次いで、潜像保持体の表面を半導体レーザ、発光ダイオード等の露光手段によって露光して静電潜像を形成した後、この静電潜像を、現像手段によってトナー像に顕像化する。次に、このトナー像を、転写手段によって紙などの被印刷物の表面に直接に転写するか、または、中間転写体の表面に転写し、次いで紙などの被印刷物の表面に再転写した後、定着手段によって定着させることで、一連の画像形成工程が実行される。
静電潜像をトナー像に現像するための現像方法としては、大別して、乾式および湿式の2種類があるが、現在は、乾式の現像方法が広く普及している。
乾式の現像方法は、使用するトナーの種類を基準とすると、結着樹脂を有するトナー粒子中に磁性粉を内包した磁性トナーを用いる現像方法(磁性1成分現像方法または磁性2成分現像方法等)と、磁性粉を内包しない非磁性トナーを用いる現像方法(非磁性1成分現像方法または非磁性2成分現像方法等)とに分類される。
ところで、非磁性トナーを用いる非磁性2成分現像方法の1つとして、近年、フルカラー画像形成装置において、タッチダウン現像方式が注目されている。
タッチダウン現像方式とは、非磁性トナーおよび磁性キャリアを有する現像剤を攪拌し、その周面に現像剤の穂立ちを形成するための磁気ローラと、磁気ローラに穂立ちした現像剤と接することにより、その周面に非磁性トナーの薄層を形成するための現像ローラとを備え、現像ローラの周面に対して一定間隔をあけて配置された感光体の表面に向けて、現像ローラ周面で薄層を形成している非磁性トナーを飛翔させ、感光体表面の静電潜像を現像するという現像方法である。この現像方法では、非磁性トナーが飛翔された後の磁気ローラおよび現像ローラ間の電圧は変化されて、トナー薄層は現像ローラから引き剥がされ、新たなトナー薄層が次の現像のために再度形成される。
一方、画像形成装置の機械的構成として、トナーの色に対応した複数の感光体を用い、転写部材の送りに同期させてカラー画像を形成し、転写部材上で色重ねを行うタンデム方式が、フルカラー画像形成装置の高速化の上で注目されている。このタンデム方式は、高速性に優れているという利点があるものの、各色の電子写真プロセス部材を並べて配置しなければならず、大型化するという欠点があることは否めない。
そこで、その対策として、感光体同士の間隔を狭くして小型化された画像形成ユニットを配置した小型タンデム画像形成装置も提案されている。この小型タンデム画像形成装置においては、画像形成ユニットの幅方向のサイズを極小にするためには、現像器を縦型とすることが有利である。すなわち、感光体の上部方向に現像器を配置することがレイアウト上好ましい。
その場合において、感光体と現像ローラとの間に空隙を有する非接触現像方式とすることで、感光体へのキャリア付着や磁気ブラシによる感光体の傷の発生がなく、高画質化が可能となる。そして、現像器内での帯電方式として、トナーとキャリアとの混合による2成分現像剤方式を採用することで、高濃度印字時や連続印字時においても素早くトナーを所望の帯電量にすることができ、特に、省スペース化により現像器の容積が小さい機種において有効である。このような背景のもとに、小型タンデム画像形成装置において、タッチダウン現像方式の構成が広く採用されつつある。
このようなタッチダウン現像方式では、感光体に高い表面電位と大きな現像電界を印加することが必要であり、そのため、現像ローラの周面におけるトナーの消費領域と非消費領域との間でトナーの付着状態およびトナーの電位差にばらつきが生じる関係から、前の現像画像の一部が次の現像時に残像(ゴースト)として現れる、いわゆる履歴現象が発生し易いという不具合がある。
この履歴現象の発生を防止するために、現像ローラの周面に残留したトナーを、現像ローラの回転方向下流側に配置されたトナー剥離手段によって物理的に除去する技術が提案されている(特許文献1参照)。
ところで、従来、トナーは、たとえば粉砕法により作製されていた。粉砕法は、熱可塑性樹脂に着色剤、電荷制御剤、離型剤等を加えて混合し、混練した後、粉砕して分級するトナー製造方法である。この製造方法は粉砕してトナー粒子を得るためトナー表面が破断面になってしまう。このため、ワックスや低溶融成分がトナー表面に露出している。
特開2000−298396号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、トナー剥離手段を現像ローラの周面に常時圧接させるために、現像ローラが摩耗するおそれがある。このため、装置の耐久性が求められる用途には適さない。
一方、キャリアの臨界表面張力が高いと、現像ローラ上の非磁性トナーが、磁気ローラ上のキャリアによって除去され易くなるから、高臨界表面張力の磁性キャリアを用いることにより残像(ゴースト)の発生を防止することも考えられる。しかしながら、タッチダウン現像方式においては、画像形成処理を実行する度に、非磁性トナーと磁性キャリアとを含む磁気ブラシによって現像ローラ上にトナー層が形成され、現像終了後には、現像ローラ上に残留するトナー層が上記の磁気ブラシによって除去されることから、磁性キャリアと非磁性トナーとの接触回数が、他の2成分現像方式に比べて格段に多い。このため、タッチダウン現像方式において高臨界表面張力の磁性キャリアを用いる場合、トナー表面にワックスや低融点成分が存在していると、トナースペントが発生し、トナー飛散といった不具合が発生するおそれがある。
この発明は、このような背景のもとになされたもので、履歴現象の発生を防止することができ、かつ、トナー飛散の発生を防止することができる、タッチダウン現像方式に好適な2成分現像剤を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、非磁性トナーおよび磁性キャリアを有する2成分現像剤を攪拌して、周面に現像剤の穂立ちを形成するための磁気ローラと、磁気ローラに穂立ちした現像剤と接することにより、周面に非磁性トナーの薄層を形成するための現像ローラと、現像ローラの周面と一定の間隔をあけて設けられ、その表面に静電潜像が形成される感光体とを備え、現像ローラの周面に形成された非磁性トナーを感光体表面へ飛翔させ感光体表面の静電潜像を非磁性トナーによって現像する画像形成装置に使用される2成分現像剤であって、上記非磁性トナーは、溶融状態のトナー原料が紡糸法によって円柱繊維状に引き延ばされたものを、所定の長さに切断することにより得られた直径φおよび長さLの円柱体のトナー粒子を含み、上記磁性キャリアは、磁性粒子と、その表面に形成された樹脂コート層とを有するものであり、かつ、上記樹脂コート層の臨界表面張力が、30dyn/cm以上40dyn/cm以下であることを特徴とする、2成分現像剤である。
この構成によれば、磁性キャリアの樹脂コート層の臨界表面張力が30dyn/cm以上40dyn/cm以下とされている。このように磁性キャリアの樹脂コート層の臨界表面張力が比較的高いので、現像後において、現像ローラ上の非磁性トナーが除去され易い。このため、履歴現象の発生を防止することができる。
しかも、非磁性キャリアに含まれるトナー粒子が紡糸法によって作製されているので、トナー粒子の表面にワックス等の低融点材料が露出することはない。したがって、磁性キャリアの樹脂コート層の臨界表面張力が比較的高い場合であっても、スペントの発生を防止することができる。これにより、トナー飛散の発生を防止することができ、結果として、高い画像安定性を実現することができる。
磁性キャリアの樹脂コート層の臨界表面張力が30dyn/cm未満であると、現像ローラからのトナーの除去が良好に行われず、現像ローラ上に残留トナー量が増加する。このため、履歴現象が発生する。
さらに、本発明では、樹脂コート層の臨界表面張力を40dyn/cmを超えると、トナー粒子と磁性キャリアとの結合が強くなり過ぎて、スペントが発生し易くなる。このため、トナーの帯電量が低下し、トナー飛散が発生する。
磁性キャリア表面の樹脂コート層の臨界表面張力は、樹脂コート層を形成する樹脂材料に固有の値である。臨界表面張力(dyn/cm)は、測定対象となる樹脂材料を平板上に塗布して、磁性キャリアの製造時と同じ条件で処理することによって樹脂被膜を形成し、こうして得られた試験片の樹脂被膜上で、純水、ヨウ化メチレンおよびα−ブロモナフタレンのそれぞれの接触角を測定するとともに、この接触角の測定結果に基づいて、ジスマン(Zisman)法によって算出することができる。
本発明によれば、磁性キャリアの臨界表面張力を制御することにより、履歴現象の発生を防止することができる。また、溶融状態のトナー原料が紡糸法によって円柱繊維状に引き延ばされたものを所定の長さに切断することにより得られた円柱体のトナー粒子を非磁性トナーとして用いるので、トナー飛散の発生を防止することができる。
以下、この発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。
この発明の一実施形態に係る2成分現像剤は、溶融状態のトナー原料が紡糸法によって円柱繊維状に引き延ばされたものを、所定の長さに切断することにより得られた直径φおよび長さLの円柱体のトナー粒子を含む非磁性トナーと、磁性粒子およびその表面に形成された樹脂コート層を有するものであり、かつ、樹脂コート層の臨界表面張力が、30dyn/cm以上40dyn/cm以下である磁性キャリアとを含むものである。
次に、本発明の2成分現像剤のうち、非磁性トナーについて説明する。
<非磁性トナー>
この発明の一実施形態に用いられる非磁性トナーは、トナー原料として、
80〜90%の樹脂(結着樹脂またはバインダー樹脂と称される)
3〜8%の離型剤(ワックス)
3〜8%の顔料(着色剤)
1〜3%の帯電制御剤(電荷制御剤)
を予備混合して得られたトナー原料を、溶融混合する溶融混合工程と、溶融混合工程で得られた溶融状態のトナー原料をノズルから押し出して繊維状に形成する繊維化工程と、繊維状に形成されたトナー原料を切断して柱状粒子を作製する粒子化工程により、直径φ=4〜9μm、円柱方向長さL=4〜13μm、L≧φの柱状トナー粒子として製造される。これら溶融混合工程および繊維化工程を有する製造方法を、紡糸法と称する。
<溶融混合工程および繊維化工程>
図1を参照して、溶融混合工程および繊維化工程では、予備混合装置(たとえば、ホソカワミクロン(株)製:サイクロミックス)7、ホッパー1A付で内部に混練部材としての回転スクリュー15を有する一軸型エクストルーダー1、静止型ミキサー2、および、静止型ミキサー2の出口から分岐した多段の分配流路3Aを有する流路構造体3などが用いられる。一軸型エクストルーダー1の出口と静止型ミキサー2の入り口の間には、モータ5で駆動されるギアポンプ4が配置されている。
分配流路3Aの最終段の各流路出口には、押し出し用のノズル6が設けられている。また、一軸型エクストルーダー1、静止型ミキサー2、流路構造体3およびギアポンプ4には、図示は省略するが、それぞれ、トナー原料をバインダー樹脂の融点以上の高温、たとえば130℃〜240℃程度に加熱して低粘度にするためのヒータが備えられている。
上記の装置構成において、トナー原料は、ホッパー1Aから一軸型エクストルーダー1内に投入されると、ヒータによって加熱されて溶融状態となり、混合されながら出口側に送られる。一軸型エクストルーダー1から送り出されたトナー原料の溶融混合物は、ギアポンプ4で圧力および押し出し量が調整された後、静止型ミキサー2内の流路と多段の分配流路3Aを流通する間に混合が促進され、トナー原料の各成分が均一に細かく分散した状態になる。そして、溶融状態のトナー原料は、複数のノズル6から下向きに繊維状に押し出される。
各ノズル6から押し出された複数の繊維状体12は、図示しない延伸用エアー吹き出し装置から吹き出す熱風によって延伸された後、送風ファンからの冷風によって急冷される。
上記の構成における静止型ミキサー2は、公知の静止型ミキサーを使用することができ、具体的には、図1に示すように、螺旋状の流路を形成するように捩られた曲面を有する羽根体14が、トナー原料の流れ方向に沿って隣接するもの同士で螺旋の捩れ角度を反転させながら複数個(図1の例では3個)設けられた構造のものを例示することができる。
次に、図2に示すように、ノズル6から押し出された多数の繊維状体12は、ベルトコンベア11上に載置されて横向きに搬送され、搬送途中において室温下に放冷され、適度な粘度を持った略直線状の繊維状体12が横方向に整然と並んだ一層の集合体となって、次工程の繊維切断装置8に到達する。
なお、繊維状体12を搬送する手段としては、ベルトコンベア11の他に、一定の流速と流れ方向を持った空気流などによる気体搬送手段を用いることもできる。
<粒子化工程>
図2に示すように、粒子化工程では、繊維状体12を切断するために繊維切断装置8が用いられる。繊維切断装置8は、ベルトコンベア11上を搬送される繊維状体12の搬送方向と直交する方向に延びた固定刃9と、複数の切断刃10aが回転軸に取り付けられた回転刃10とを有している。図示しないモータによって回転駆動される回転刃10の切断刃10aと固定刃9のエッジ9aとの間に繊維状体12が連続的に供給され、切断刃10aと固定刃9のエッジ9aとの間で生じる剪断作用によって繊維状体12が順次切断されて、柱状粒子13が連続的に作製される。
ここで、繊維状体12の切断長(柱状粒子13の長さ)は、繊維状体12の搬送速度と回転刃10の回転速度との比によって調節することができる。
<トナーの形状>
図3に、トナー粒子の典型的な形状例を示す。図3のAはトナー粒子の拡大斜視図、Bは円柱の端面形状、Cは円柱の側面形状を表わしている。図3に示すように、トナー粒子は、直径がφ、長さLの円柱体をしている。なお、この実施形態では、トナー粒子の形状として歪みのない円柱体を示したが、製造上の技術により、端面形状や周面形状に多少の歪みが生じるが、この発明は、そのような歪みを有する円柱体も含むものである。
φおよびLは、上述したように、φ=4〜9μm、L=4〜13μm、L≧φの条件内のものが好ましい。
一例として、平均値が、φ=5μm、L=7μmの円柱体を作製した。
トナー粒子が、図3に示すように、円柱体であると、円柱周面と端面との境界がエッジを形成しており、これにより、トナー粒子自身が感光体表面に対する適度な研磨作用を具備したものとなっている。
なお、上記のように形成された非磁性トナーは、その流動性および保存安定性を維持する目的で、たとえばコロイダルシリカ、疎水性シリカ等でトナー粒子表面を処理したものとしてもよい。
<トナー成分(トナー原料の説明)>
結着樹脂(バインダー樹脂):
結着樹脂の種類は、特に制限されるものではないが、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。
より具体的には、ポリスチレン系樹脂として、スチレンの単独重合体でも、スチレンと共重合可能な他の共重合モノマーとの共重合体でもよい。共重合モノマーとしては、p−クロルスチレン;ビニルナフタレン;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドテシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどの他のアクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデンなどのN−ビニル化合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用することもできるし、あるいは2種以上を組み合わせてスチレン単量体と共重合させることもできる。
ポリスチレン系樹脂は、その分子量において、二つの質量平均分子量ピーク(低分子量ピークと、高分子量ピークと称する。)を有することが好ましい。具体的に、低分子量ピークが3,000〜20,000の範囲内であり、もう一つの高分子量ピークが300,000〜1,500,000の範囲内であり、Mw/Mnが10以上あるものが好ましい。質量平均分子量ピークがこのような範囲内にあれば、トナーを容易に定着させることができ、また、耐オフセット性を向上させることもできる。
なお、結着樹脂の質量平均分子量は、分子量測定装置(GPC)を用いて、カラムからの溶出時間を測定し、標準ポリスチレン樹脂を用いて予め作製しておいた検量線と照らし合わせることにより、求めることができる。
また、ポリエステル系樹脂としては、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合ないし共縮重合によって得られるものであれば使用することができる。ポリエステル系樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のものが挙げられる。
まず、アルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5,−トリヒドロキシメチルベンゼン等の、2価または3価以上のアルコール類が例示される。
また、カルボン酸成分としては、2価または3価カルボン酸、この酸無水物またはこの低級アルキルエステルが用いられ、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、あるいはn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキルまたはアルケニルコハク酸等の2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸等が例示される。
また、ポリエステル系樹脂の軟化点は、110〜150℃であることが好ましく、より好ましくは120〜140℃である。
さらにまた、結着樹脂は、定着性が良好な観点から熱可塑性樹脂が好ましいが、ソックスレー抽出器を用いて測定される架橋部分量(ゲル量)が10質量%以下の値、より好ましくは0.1〜10質量%の範囲内の値であれば、熱硬化性樹脂であっても良い。このように一部架橋構造を導入することにより、定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性や形態保持性、あるいは耐久性をより向上させることができる。よって、トナーの結着樹脂として、熱可塑性樹脂を100質量%使用する必要はなく、架橋剤を添加したり、あるいは、熱硬化性樹脂を一部使用したりすることができる。
したがって、熱硬化性樹脂として、エポキシ系樹脂やシアネート系樹脂等が使用することができる。より具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂等の1種または2種以上の組み合わせが挙げられる。
結着樹脂において、磁性粉の分散性を向上させるために、ヒドキロキシ(水酸)基、カルボキシル基、アミノ基およびグリシドキシ(エポキシ)基から選択される少なくとも一つの官能基を分子内に有する樹脂を使用することが好ましい。なお、これらの官能基を有しているか否かは、FT−IR装置を用いて確認することができ、さらに滴定法を用いて定量することができる。
結着樹脂において、ガラス転移点(Tg)を55〜70℃の範囲内の値とするのが好ましい。結着樹脂のガラス転移点が、55℃未満では、得られたトナー同士が融着し、保存安定性が低下する傾向がある。一方、結着樹脂のガラス転移点が、70℃を超えると、トナーの定着性が乏しくなる傾向がある。なお、結着樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。
離型剤(ワックス):
ワックスとしては、特に限定はなく、例えばカルナバワックスやサトウワックス、木ワックス等の植物性ワックス;蜜ワックスや昆虫ワックス、鯨ワックス、羊毛ワックスなどの動物性ワックス;エステルを側鎖に有するフィッシャートロプシュ(以下、「FT」と記すことがある)ワックスやポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックスなどが挙げられる。この中でも分散性の点から、エステルを側鎖に有すFTワックスやポリエチレンワックスの使用が推奨される。
また、ワックスは、示差走査熱量計による吸熱曲線における吸熱メインピークが70〜120℃の範囲であるものが好ましい。吸熱メインピークが70℃未満にある場合、トナーブロッキングおよびホットオフセットが生じるおそれがあり、他方吸熱メインピークが120℃を超える場合、低温定着性が得られないおそれがあるからである。
さらに、ワックスの添加量は結着樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲が好ましい。ワックスの添加量が0.1重量部より少ないと充分なワックスの効果が得られにくく、他方、添加量が20重量部より多いと耐ブロッキング性が低下し、またトナーからの脱離が生じるおそれがある。
顔料(着色剤):
着色剤としては、例えば、黒色顔料として、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラック等のカーボンブラック;黄色顔料として、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ;橙色顔料として、赤口黄鉛、モリブテンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK;赤色顔料として、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B;紫色顔料として、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ;青色顔料として、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC;緑色顔料として、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーンG;白色顔料として、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等を使用できる。このような着色剤は結着樹脂100重量部当り2〜20重量部、特に5〜15重量部の量で使用するのが好ましい。
帯電制御剤(電荷制御剤):
電荷制御剤の種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、ニグロシン、第四級アンモニウム塩化合物、樹脂にアミン系化合物を結合させた樹脂タイプの電荷制御剤等の正帯電性を示す電荷制御剤を使用することができる。カラートナー用として使用する場合には、無色ないし白色のものが好ましい。結着樹脂100重量部当り0.5〜10重量部、特に1〜5重量部の量で使用するのが好ましい。
なお、トナーには、本発明の効果を害しない範囲で、表面処理剤その他の添加剤を使用しても構わない。
次に、本発明の2成分現像剤のうち、磁性キャリアについて説明する。
<磁性キャリア>
磁性キャリアは、キャリア芯材と、このキャリア芯材を覆う樹脂コート層とを備えている。この磁性キャリアの重量平均粒径は、25〜100μmの範囲内、特に35〜60μmの範囲内であることが好ましい。
磁性キャリアのキャリア芯材には、鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、コバルト等の粒子や、これらの材料とマンガン、亜鉛、アルミニウム等との合金の粒子、鉄−ニッケル合金、鉄−コバルト合金等の粒子、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウム等のセラミックスの粒子、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ロッシェル塩等の高誘電率物質の粒子、樹脂中に上記磁性粒子を分散させた樹脂キャリア等、従来公知の種々のキャリア芯材が用いられる。
磁性キャリアの樹脂コート層には、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体、オレフィン系重合体(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、アミノ樹脂等のコーティングキャリア用として従来公知の種々の樹脂が用いられる。これらは、単独で、或いは2種以上混合して使用される。
磁性キャリアの樹脂コート層は、その臨界表面張力が、30dyn/cm以上40dyn/cm以下であることが好ましい。樹脂コート層の臨界表面張力が30dyn/cm以上40dyn/cm以下であれば、現像後において、現像ローラ上の非磁性トナーが除去され易い。このため、履歴現象の発生を防止することができる。
しかも、非磁性キャリアに含まれるトナー粒子が紡糸法によって作製されているので、トナー粒子の表面にワックスや低融点材料が露出することはない。したがって、磁性キャリアの樹脂コート層の臨界表面張力が比較的高い場合であっても、スペントの発生を防止することができる。これにより、トナー飛散の発生を防止することができ、結果として、高い画像安定性を実現することができる。
樹脂コート層の臨界表面張力を、上記の30dyn/cm以上40dyn/cm以下に設定するには、磁性キャリアの樹脂コート層の原料となる樹脂(2種以上)の混合比を適宜調整すればよい。
さらに、上記樹脂コート層には、必要に応じて、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、脂肪酸金属塩、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等の、樹脂コート層の特性を調整するための添加剤を含有させることもできる。
非磁性トナーと磁性キャリアとを適当な割合で混合して、静電式複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置に使用することができる。磁性キャリアと非磁性トナーとの配合割合は、従来と同じでよい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
なお、言うまでもないが、以下の説明は本発明を例示するものであり、以下の説明に限定されるものではない。
<結着樹脂の合成>
温度計、攪拌機、窒素導入管、および還流管を接続した反応容器中にキシレン300重量部を入れ、窒素導入管から継続的に窒素を導入しながら、反応容器を加熱して液温を170℃に維持しつつ、スチレン845重量部、アクリル酸n−ブチル155重量部、およびジ−tert−ブチルペルオキシド8.5重量部をキシレン125重量部に溶解した溶液を、上記反応容器中に3時間かけて滴下させた。滴下終了後、170℃でさらに1時間攪拌を続けたのち、溶剤を除去して、結着樹脂としてのスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体を製造した。
<非磁性トナーの作製>
上記のようにして作製したスチレン−アクリル系樹脂からなる結着樹脂92重量部に対し、離型剤としてのポリエチレンワックス(110P:三井化成(株)製)3重量部と、電荷制御剤(P−51:オリエント化学(株)製)1重量部と、着色剤としてのカーボンブラック(MA−100:三菱化学(株)製):4重量部とをトナー原料として、上述の図1および図2に示す装置を用い、上述の紡糸法によって、平均値が、直径φ=5μm、長さL=7μmのトナー粒子を得た。
シリカ(RA−200H:日本アエロジル(株)製)を、ジェットミル(IDS−2型:日本ニューマチック工業(株)製)を用いて、このシリカを所望の比表面積になるように解砕・調整した。こうして得られたシリカ微粒子100質量部を密閉型ヘンシェルに入れ、γ−アミノプロピルトリエトキシシランと、等量部のジメチルシリコーンオイルとを混合した疎水化処理剤20質量部を、スプレーで上から均一に塗布し、さらに混合させながら110℃で2時間反応させ疎水化処理した。その後、副反応生成物を減圧除去し、200℃で1時間加熱することで、所望の疎水性シリカ微粒子を得た。
上記の方法により得られたトナー粒子に、上記の方法により得られた疎水性シリカ微粒子1.0質量部、酸化チタン(EC−100T1J(チタン工業(株)製))0.5質量部を添加し、ヘンシェルミキサにて4分間攪拌混合して、実施例および比較例の非磁性トナーを作製した。
<磁性キャリアの作製>
表1に示す4種類の樹脂(樹脂A〜樹脂D)のうち1種類の樹脂30重量部を、または、表1に示す4種類の樹脂のうち2種類を所定の配合比で配合させた樹脂30重量部を、トルエン200重量部に溶解させ塗布液を作製した。その後、この塗布液を、Cu−Znフェライト芯材1000重量部に、流動層塗布装置を使用して噴霧塗布した後、250℃で60分間の熱処理行い、コート樹脂を有する平均粒径50μm磁性キャリアを得た。
表1は、コート樹脂の原料として用いた樹脂の種類、およびその臨界表面張力を示す。
Figure 2008286937
上記の方法によって得られた非磁性トナーと、上記の方法によって得られた磁性キャリアとを1:10の配合比で配合し、ボールミルで攪拌混合して2成分現像剤を得た。
(実施例1)
磁性キャリアの樹脂コートの材料に、フッ素樹脂とエポキシ樹脂とを配合比5:5で配合した混合樹脂を用いた(キャリア芯材1000部に対して、フッ素樹脂15部、エポキシ樹脂15部を配合)。この磁性キャリアの樹脂コートの臨界表面張力は33dyn/cmである。
(実施例2)
磁性キャリアの樹脂コートの材料に、フッ素樹脂とエポキシ樹脂とを配合比2:8で配合した混合樹脂を用いた(キャリア芯材1000部に対して、フッ素樹脂6部、エポキシ樹脂24部を配合)。この磁性キャリアの樹脂コートの臨界表面張力は39.5dyn/cmである。
(実施例3)
磁性キャリアの樹脂コートの材料に、フッ素樹脂とエポキシ樹脂とを配合比4:6で配合した混合樹脂を用いた(キャリア芯材1000部に対して、フッ素樹脂12部、エポキシ樹脂18部を配合)。この磁性キャリアの樹脂コートの臨界表面張力は34.2dyn/cmである。
(実施例4)
磁性キャリアの樹脂コートの材料に、フッ素樹脂とアクリル樹脂とを配合比6:4で配合した混合樹脂を用いた(キャリア芯材1000部に対して、フッ素樹脂18部、アクリル樹脂12部を配合)。この磁性キャリアの樹脂コートの臨界表面張力は30.3dyn/cmである。
(実施例5)
磁性キャリアの樹脂コートの材料に、フッ素樹脂とアクリル樹脂とを配合比3:7で配合した混合樹脂を用いた(キャリア芯材1000部に対して、フッ素樹脂9部、アクリル樹脂21部を配合)。この磁性キャリアの樹脂コートの臨界表面張力は37dyn/cmである。
(比較例1)
磁性キャリアの樹脂コートの材料に、シリコン樹脂を用いた。この磁性キャリアの樹脂コートの臨界表面張力は14dyn/cmある。
(比較例2)
磁性キャリアの樹脂コートの材料に、フッ素樹脂を用いた。この磁性キャリアの樹脂コートの臨界表面張力は18dyn/cmである。
(比較例3)
磁性キャリアの樹脂コートの材料に、エポキシ樹脂を用いた。この磁性キャリアの樹脂コートの臨界表面張力は45dyn/cmである。
(比較例4)
磁性キャリアの樹脂コートの材料に、アクリル樹脂を用いた。この磁性キャリアの樹脂コートの臨界表面張力は48dyn/cmである。
(比較例5)
磁性キャリアの樹脂コートの材料に、フッ素樹脂とエポキシ樹脂とを配合比6:4で配合した混合樹脂を用いた(キャリア芯材1000部に対して、フッ素樹脂18部、エポキシ樹脂12部を配合)。この磁性キャリアの樹脂コートの臨界表面張力は27dyn/cmである。
(比較例6)
磁性キャリアの樹脂コートの材料に、フッ素樹脂とアクリル樹脂とを配合比2:8で配合した混合樹脂を用いた(キャリア芯材1000部に対して、フッ素樹脂6部、アクリル樹脂24部を配合)。この磁性キャリアの樹脂コートの臨界表面張力は44dyn/cmである。
(性能評価)
上述した11種の2成分現像剤(実施例1〜5、比較例1〜6)を、タッチダウン現像方式を採用する複写機(京セラミタ(株)製のカラーページプリンタ「FS−C5016N」)を使用して、温度20℃、湿度60%の常温常湿環境下で、原稿濃度5%の原稿に基づいて画像を形成し、以下の性能評価を行った。
(i) 履歴現象発生の有無
履歴現象発生の有無を、複写画像を目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:残像(ゴースト)が出現しなかった。
×:残像(ゴースト)が出現した。
(ii)トナー飛散の有無
10万枚の連続耐刷後のトナーの機内飛散の有無を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
○:トナー飛散なし。
×:トナー飛散が発生。
これらの性能評価の結果を表2に示す。
Figure 2008286937
非磁性トナーが紡糸法によって得られた円柱体のトナー粒子を含み、かつ、磁性キャリアのコート樹脂の臨界表面張力が30dyn/cm以上40dyn/cm以下の範囲にある実施例1〜5は、履歴現象の発生を防止することができ、しかも、トナー飛散を防止することもできることがわかった。これに対し、磁性キャリアのコート樹脂の臨界表面張力が30dyn/cm未満である比較例1,2,5では履歴現象が発生し、磁性キャリアのコート樹脂の臨界表面張力が40dyn/cmを超える比較例3,4,6では、トナースペントが発生して、トナー飛散が発生することがわかった。
トナー製造工程における溶融混合工程および繊維化工程の装置構成の一例を示す概略図である。 トナー製造工程の粒子化工程を行う装置構成例を示す概略図である。 トナー粒子の典型的な形状例を示す概略図である。
符号の説明
1 一軸型エクストルーダー
2 静止型ミキサー
3 流路構造体
3A 分配流路
4 ギアポンプ
6 押し出し用のノズル
7 予備混合装置
8 繊維切断装置
9 固定刃
9a エッジ
10 回転刃
10a 切断刃
12 繊維状体
13 トナー粒子

Claims (1)

  1. 非磁性トナーおよび磁性キャリアを有する2成分現像剤を攪拌して、周面に現像剤の穂立ちを形成するための磁気ローラと、磁気ローラに穂立ちした現像剤と接することにより、周面に非磁性トナーの薄層を形成するための現像ローラと、現像ローラの周面と一定の間隔をあけて設けられ、その表面に静電潜像が形成される感光体とを備え、現像ローラの周面に形成された非磁性トナーを感光体表面へ飛翔させ感光体表面の静電潜像を非磁性トナーによって現像する画像形成装置に使用される2成分現像剤であって、
    上記非磁性トナーは、溶融状態のトナー原料が紡糸法によって円柱繊維状に引き延ばされたものを、所定の長さに切断することにより得られた直径φおよび長さLの円柱体のトナー粒子を含み、
    上記磁性キャリアは、磁性粒子と、その表面に形成された樹脂コート層とを有するものであり、かつ、上記樹脂コート層の臨界表面張力が、30dyn/cm以上40dyn/cm以下であることを特徴とする、2成分現像剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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