JP2008139340A - 光走査光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリント生産性を損なうことなく、露光位置調整用のモータの振動によるレジスト性能の劣化を効果的に防止できる光走査光学装置を得る。
【解決手段】タンデム方式の電子写真法によるカラープリンタに搭載される光走査光学装置。複数のレーザダイオード22Y,22M,22C,22Kからなる光源部21及びスキュー調整用モータ51はハウジング27に取り付けられている。モータ51と光源部21とは主走査方向Xにおいて互いに対向する側に配置されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、光走査光学装置、特に、電子写真法によるタンデム方式の画像形成装置にプリントヘッドとして搭載される光走査光学装置に関する。
電子写真法によるタンデム方式のプリンタや複写機などの画像形成装置においては、色の3原色(Y,M,C)と黒色(K)の画像を平行に配置された四つの感光体上に形成し、各画像を中間転写ベルト上に1次転写して合成し、さらに記録材上に2次転写するようにしている。この場合、色ずれを防止するために、四つの画像が中間転写ベルト上で精度よく合成されるように位置合わせを高精度に調整する必要がある。
色ずれの調整の項目は、図14に示すように(白丸は設計上の露光位置、黒丸はずれた露光位置をそれぞれ示す)、主走査印字開始位置、全体倍率、部分倍率、主走査高次位置ずれ、副走査印字開始位置、スキュー(走査線傾き)、ボウ(走査線湾曲)、副走査高次位置ずれ、を挙げることができる。
このうち、スキューの調整に関しては、特許文献1,2に記載のように、ポリゴンミラーで偏向された各光束の光路を折り曲げるミラーの主走査方向の傾きをモータにて補正する機構が記載されている。しかしながら、モータを駆動してスキュー補正を行う場合、モータの振動が各種光学素子に伝播し、各色の画像にピッチむらやジッタが発生してレジスト性能が劣化するおそれを有している。特に、連続的に通紙される用紙間でスキュー補正を行う場合、高速機では用紙間隔が短いために、この問題点が顕著に現れる。モータの振動が減衰するまで、次の画像形成動作を停止させると、プリント生産性(単位時間当たりのプリント枚数)が犠牲になり、好ましいものではない。
特開平9−269455号公報 特開2002−283619号公報
そこで、本発明の目的は、プリント生産性を損なうことなく、露光位置調整用モータの振動によるレジスト性能の劣化を効果的に防止できる光走査光学装置を提供することにある。
以上の目的を達成するため、本発明に係る光走査光学装置は、
複数の光源と、該光源から放射される各光束を同一面で偏向する偏向器と、該偏向器で偏向された各光束を感光体上に結像させる結像素子と、前記光束をそれぞれに対応する前記感光体上に導くミラーと、これらの各部材を保持するハウジングと、前記光束が前記感光体上を露光する位置を調整するためのモータと、を備え、
前記モータは前記感光体の配列方向に複数配置されており、
前記複数のモータと前記複数の光源とは、主走査方向において互いに対向する側に配置されていること、
を特徴とする。
本発明に係る光走査光学装置において、露光位置調整用モータは主走査方向において複数の光源とは対向する側に配置されているため、該モータの振動は複数の光源に到達する際にはかなり弱められており、4色の各画像のピッチむらやジッタを所定の許容量に抑えることができ、レジスト性能の劣化を抑えることができる。
露光位置調整用モータは、例えば、感光体上を露光する走査線の傾き(スキュー)を調整するためのものである。
本発明に係る光走査光学装置においては、複数の光源が取り付けられているハウジングの空間部と複数のモータが取り付けられているハウジングの空間部との間に仕切り壁が介在していてもよい。あるいは、複数の光源は、ハウジングよりも剛性の高いプレートに取り付けられ、該プレートを介してハウジングに固定されていてもよい。あるいは、ハウジングの複数の光源の取付け面と複数のモータの取付け面とは段差を有していてもよい。これらの構成によって、モータの振動が光源に伝達することを効果的に減衰させることができる。
以下、本発明に係る光走査光学装置の実施例について、添付図面を参照して説明する。
(画像形成装置の全体構成、図1参照)
図1に、本発明に係る光走査光学装置を搭載したカラープリンタ1の概略構成を示す。このカラープリンタ1は、タンデム方式で4色の画像を合成するように構成されている。即ち、四つの画像形成ステーション2(2Y,2M,2C,2K)の直上に中間転写ベルト10が配置され、直下に光走査光学装置20が配置されている。各画像形成ステーション2には、それぞれ、感光体ドラム3(3Y,3M,3C,3K)、現像器4(4Y,4M,4C,4K)や図示しない帯電器、残留トナーのクリーナなどが配置されている。なお、黒色の画像を形成するための画像形成ステーション2Kは大型に構成され、使用頻度の高いモノクロ画像を高速で形成できるようにしている。
光走査光学装置20は、Y,M,C,Kの画像データに基づいて放射される光束By,Bm,Bc,Bkによって各感光体ドラム3上に画像(静電潜像)を形成する。この潜像はトナーによって可視像化される。このような電子写真プロセスは周知であり、その説明は省略する。
中間転写ベルト10は、駆動ローラ11及び支持ローラ12に無端状に張り渡され、矢印Y方向への回転に基づいて前記各感光体ドラム3上に形成された各色のトナー画像が順次1次転写され、合成される。また、中間転写ベルト10上に形成された画像(調整用トナーパターン)を読み取るため、黒色の画像形成ステーション2Kの直後に光学センサ71が配置されている。
記録材は、自動給紙カセット5に収納されており、1枚ずつ所定のタイミングで給紙され、通紙経路6を経由して中間転写ベルト10から2次転写位置13にて合成トナー画像を2次転写され、定着装置15でトナーの加熱定着を施された後、排出ローラ16から排紙部9上に排出される。一方、両面プリントの際、記録材はスイッチバックローラ17からプリンタ1の外方に搬送され、スイッチバックされて反転経路7を経由して2次転写位置13に戻される。ここで裏面にトナー画像を2次転写された記録材は排出ローラ16から排紙部9上に排出されることになる。
(光走査光学装置の概略構成、図2〜図4参照)
図2は一実施例である光走査光学装置20の断面図、図3は平面図、図4は底面図である。この光走査光学装置20は、光源部21と、ポリゴンミラー40と第1及び第2結像レンズ31,32と、各光路ごとに設けた折返しミラー34,35,36及び第3結像レンズ33と、これらの部材を保持するハウジング27とで構成されている。光源部21は、レーザダイオード22(22Y,22M,22C,22K)と、合成ミラー23(23Y,23M,23C)と、折返しミラー24と、シリンドリカルレンズ25とで構成されている。
レーザダイオード22Kから放射された光束は折返しミラー24に直接導かれる。また、レーザダイオード22C,22M,22Yからそれぞれ放射された光束は、合成ミラー23C,23M,23Yでそれぞれ反射し、折返しミラー24に導かれる。折返しミラー24で反射された各光束はシリンドリカルレンズ25で副走査方向Z(図2参照)にほぼ平行に集光され、ポリゴンミラー40の同一面に副走査方向Zに所定の角度を有して導かれる。
これらの光束はポリゴンミラー40の回転に基づいて主走査方向Xに等角速度で偏向され、第1及び第2結像レンズ31,32を透過した後、光束Bkは第3結像レンズ33Kを透過して折返しミラー34Kで反射され、感光体ドラム3K上を露光/走査する。光束Bcは折返しミラー34C,35Cで反射されて第3結像レンズ33Cを透過し、さらに折返しミラー36Cで反射され、感光体ドラム3C上を露光/走査する。光束Bmは折返しミラー34Mで反射されて第3結像レンズ33Mを透過し、さらに折返しミラー35Mで反射され、感光体ドラム3M上を露光/走査する。光束Byは折返しミラー34Yで反射されて第3結像レンズ33Yを透過し、さらに折返しミラー35Yで反射され、感光体ドラム3Y上を露光/走査する。
ポリゴンミラー40は、図2に示すように、プレート44に固定したモータ42に取り付けられている。プレート44はさらに基板41及び放熱板43が取り付けられている。
また、各感光体ドラム3上での各走査線の書出し位置を検出するため、即ち、主走査同期信号を得るため、ポリゴンミラー40で偏向された光束Bkの主走査方向上流側光束は、図3に示すように、検出用ミラー37で反射されてレンズ38で集光され、同期信号検出用受光センサ39に入射する。
さらに、色ずれ調整(レジスト調整)として、図3に示すように、部分倍率調整機構45とスキュー調整機構50が設置されている。スキュー調整機構50は駆動源としてブラケット59を介してハウジング27に固定されたステッピングモータ51を備え、その詳細は図12及び図13を参照して後述する。なお、部分倍率調整機構45の説明は省略する。
(色ずれ調整、図14及び図15参照)
色ずれ(レジスト)調整は、各画像形成ステーション2にて図15に示すトナーパターンPy,Pm,Pc,Pkを形成して中間転写ベルト10上に1次転写し、このトナーパターンPy〜Pkを光学センサ71にて検出することにより、図14に示した各調整項目の全てあるいはその一部の項目を調整する。
(光源部の配置及びレジスト性能、図4〜図11参照)
前記光源部21は、図4及び図5に示すように、プレート26上に固定され、該プレート26によってハウジング27の裏面側に取り付けられている。このハウジング27において、振動源となるモータ51は、各感光体ドラム3の配列方向(図5の矢印B参照)に配置され、主走査方向Xにおいて光源部21とは対向する側に配置されている。即ち、図5に示すように、ハウジング27において、主走査方向Xの中心線X’に対して一方の側部にモータ51が配置され、光源部21は他方側に配置されている。なお、ハウジング27はカラープリンタ1の図示しないフレームに、3箇所の固定点Z1,Z2,Z3により、例えば、ねじ止めにより固定されている。
本光走査光学装置20において、色ずれ調整は、例えば、プリンタ1を立ち上げたときを含めて、連続的に搬送される先行する記録材の後端と後続の記録材の先端が2次転写位置13を通過する間でも行われる。スキューが発生していれば、モータ51を駆動して第3レンズ33を変位させ、スキューを調整する。このときモータ51を駆動した際の振動が光源部21にも伝播し、光源部21が振動することにより画像にピッチむらやジッタが発生してレジスト性能が劣化するおそれがある。
本実施例において、モータ51は主走査方向Xにおいて光源部21とは対向する側に配置されているため、換言すれば、モータ51と光源部21とは十分な距離を有しているため、モータ51の振動は光源部21に到達する際にかなり減衰されており、画像のピッチむらやジッタが所定の許容量以下となり、レジスト性能の劣化を抑えることができる。
ここで、振動について説明する。例えば、モータ51の振動は図9に示す振幅A1の波形Aであり、この振動がハウジング27を伝播して光源部21に伝達されると振幅A2の波形Bとなる。図10は時間に対する振幅を示し、曲線D1は従来の特性、曲線D2は本発明での特性を示している。時間T1において、従来ではモータ51の振幅A1がほぼそのまま光源部21に伝達されていたが、本発明では振幅A2にまで減衰される(振幅が小さくなる)。
そして、図11に示すように、従来のごとく光源部21が振幅A1で振動すると、そのピッチむらは許容値を超え、レジスト性能の劣化をきたしていた。しかし、本発明によれば、光源部21の振幅は許容値以下のA2に減衰されているため、レジスト性能の劣化を効果的に抑えることができる。
光源部21に伝播する振動の減衰効果は以下の構成によって、一層良好に得ることができる。即ち、図6に示すように、光源部21が取り付けられているハウジング27の空間部27aと複数のスキュー調整用モータ51が取り付けられている空間部27bとの間に仕切り壁27cを介在させてもよい。
また、図7に示すように、光源部21を保持するプレート26をハウジング27よりも剛性の高い材質としてもよい。例えば、ハウジング27がポリカーボネートなどの樹脂材からなる場合、プレート26はアルミニウムなどの金属材にて作製する。
また、図8に示すように、ハウジング27のモータ取付け面27dと光源部取付け面27eとに段差Eを形成してもよい。段差Eに設けた垂直壁部27fがモータ51の振動を効果的に減衰させる。
(スキュー調整機構、図12及び図13参照)
走査線の傾き(スキュー)の調整は、光束Bkを基準として光束Bc,Bm,Byに対して行われる。従って、図12に示すスキュー調整機構50は光束Bkに対して配置された第3レンズ33Kに対しては設置されておらず、光束Bc,Bm,Byに対して配置された第3レンズ33C,33M,33Yに対して設置されている。なお、光束Bkに対してもスキュー調整を行うようにしてもよいことは勿論である。
詳しくは、第3レンズ33は、図13に示すように、レンズホルダ52に保持され、このレンズホルダ52は一端部で矢印F方向に揺動可能にピン53にて支持されている。さらに、レンズホルダ52の他端部には受け部材58が固定され、図12に示すように、この受け部材58はハウジング27の傾斜面27gに板ばね54にて押圧され、かつ、矢印F方向にスライド自在に取り付けられている。ステッピングモータ51の出力軸51aに固定したウォームギヤ55はウォームホイール56に噛合し、該ウォームホイール56と同軸に固定した偏芯カム57の外周面が受け部材58の底面に当接している。
ステッピングモータ51は、図15に示したトナーパターンPy〜Pkから検出されたスキューの状態に応じてその回転を制御され、ウォームギヤ55の回転がウォームホイール56から偏芯カム57に伝達され、偏芯カム57の外周面が受け部材58を押上げることでホルダ52とともに第3レンズ33を変位させてスキューを調整する。また、ホルダ52は図示しないばね部材により下方へ強制的に復帰するように付勢されている。
(他の実施例)
なお、本発明に係る光走査光学装置は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
特に、ハウジングの細部の構成、光源部の構成の詳細、四つの光路を形成する各種光学素子の構成や配置は任意である。また、スキュー調整は、第3レンズを変位させる以外に、折返しミラーなどを変位させることで行うようにしてもよい。
本発明に係る光走査光学装置を備えたカラープリンタを示す概略構成図である。 光走査光学装置を示す断面図である。 光走査光学装置を示す平面図である。 光走査光学装置を示す底面図である。 光走査光学装置において光源部とスキュー調整用モータとの配置関係を示す平面図である。 光走査光学装置の第1の変形例を示す平面図である。 光走査光学装置の第2の変形例を示す断面図である。 光走査光学装置の第3の変形例を示す断面図である。 スキュー調整用モータの振動波形及び光源部の振動波形を示すチャート図である。 光源部の振幅と時間との関係を示すグラフである。 光源部の振幅とピッチむらとの関係を示すグラフである。 スキュー調整機構を示す斜視図である。 第3レンズの保持部を示す斜視図である。 色ずれの種類を示す説明図である。 色ずれ調整のためのトナーパターンを示す説明図である。
符号の説明
3(3Y,3M,3C,3K)…感光体ドラム
20…光走査光学装置
21…光源部
22(22Y,22M,22C,22K)…レーザダイオード
26…プレート
27…ハウジング
27c…仕切り壁
27d,27e…取付け面
31,32,33…結像レンズ
34,35,36…折返しミラー
40…ポリゴンミラー
51…スキュー調整用モータ
E…段差
X…主走査方向

Claims (5)

  1. 複数の光源と、該光源から放射される各光束を同一面で偏向する偏向器と、該偏向器で偏向された各光束を感光体上に結像させる結像素子と、前記光束をそれぞれに対応する前記感光体上に導くミラーと、これらの各部材を保持するハウジングと、前記光束が前記感光体上を露光する位置を調整するためのモータと、を備え、
    前記モータは前記感光体の配列方向に複数配置されており、
    前記複数のモータと前記複数の光源とは、主走査方向において互いに対向する側に配置されていること、
    を特徴とする光走査光学装置。
  2. 前記モータは感光体上を露光する走査線の傾きを調整するためのものであることを特徴とする請求項1に記載の光走査光学装置。
  3. 前記複数の光源が取り付けられているハウジングの空間部と前記複数のモータが取り付けられているハウジングの空間部との間に仕切り壁が介在していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光走査光学装置。
  4. 前記複数の光源は、ハウジングよりも剛性の高いプレートに取り付けられ、該プレートを介してハウジングに固定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光走査光学装置。
  5. 前記ハウジングの複数の光源の取付け面と複数のモータの取付け面とは段差を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の光走査光学装置。
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