JP2008138469A - プレストレス導入用の自己収縮性横筋、この横筋を用いた外郭プレキャスト材、及びコンクリート構造物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】形状記憶合金のオーステナイト変態を利用してプレストレスを導入できる自己収縮性横筋と、この横筋を用いた外郭プレキャスト材及びコンクリート構造の製造方法を提案する。
【解決手段】鉄筋コンクリートの主筋群の全部又は一部に巻装又は嵌装することができる形に、コンクリートに組み込む前から製造され、 形状記憶合金が温度の上昇によりオーステナイト変態して、予め記憶させた形状に復帰する性質を利用して、上記主筋群に対する横拘束力としてのプレストレスを導入するために上記形状記憶合金で製造された横筋であって、オーステナイト変態温度未満の温度で、中間成形品としての寸法から横拘束方向と反対側へ引き延ばすことで完成品として形成し、オーステナイト変態温度以上の温度で中間成形品の寸法に復帰することでコンクリート内部で能動的にプレストレスを導入した。
【選択図】図1

Description

本発明は、プレストレス導入用の自己収縮性横筋、この横筋を用いた外郭プレキャスト材、及びコンクリート構造物の製造方法とに関する。
一般にコンクリート構造物にプレストレスを導入するときには、構造物を貫通する長孔状又はパイプ状のシースを形成し、このシース内にPC鋼材を挿通させて緊張させ、シースの両端が開口する構造物外面部分に、PC鋼材の両端に付設した定着具を係止する(特許文献1)。
この方法では、コンクリート柱又は梁の長手方向に延びる主筋にプレストレスを導入することはできるが、主筋の周囲に巻き付ける補強用の横筋(帯筋・あばら筋など)にプレストレスを導入することは困難である。しかしコンクリート構造物の耐力を向上させるためには主筋だけでなく横筋も緊張させることが望まれる。
これに対してコンクリートの柱や梁の外側から枠状の拘束具を取り付けて締め付けることが提案されている(特許文献2)。
又、コンクリート内部にプレストレスを導入する方法として、柱の断面形状に柱の主筋群を瓢箪形に配列して、この瓢箪形に横筋型ループ状の横筋を巻装し、この横筋の括れ部分に中間帯筋を架設・緊張させることが行われている(特許文献3)。
特開2005−220593号 特開2005−098103号 特開2002−088977号 特開平06−108656号 特開2002−137220号 X. Jin, T. Y. Hsu, "Prediction of Martensitic Transformation Start Temperature Ms in Fe-Mn-Si Shape Memory Alloys", Materials Science Forum Vols. 327-328 (2000) pp.219-222, Proceedings of the international Symposium on shape Memory Materials held in Kanazawa, Japan, May 1999
特許文献2の拘束具は、柱・梁の外周に取り付けられるから、体裁が良くないとともに、風雨に晒されたり、他物が衝突することで破損するおそれがある。また各拘束具を一つ一つ取り付けなければならないので、作業が面倒である上、表面には更に建物として美観上の仕上げ材が必要となる。また特許文献3の中間帯筋の場合には、主筋が瓢箪形に配列されているということが前提となり、適用範囲が制限される。
ここで本出願人は、横筋の素材に形状記憶合金を利用して横拘束力を高めるという着想に思い至った。
本出願人は、既にプレストレスの導入に関して形状記憶合金を利用する技術について出願している。例えばコンクリート構造物中のシース内にコイル状の形状記憶合金製のプレキャスト部材を加熱状態で挿入した後に引き延ばし、この部材が常温まで冷却されることで収縮し、プレストレスが導入されるようにしたものを提案している(特許文献4)。しかしこれは、特許文献1のPC鋼材の代わりに形状記憶合金製の部材を用いるとともに収縮性を高めるためにコイル形状としたものであり、結局は主筋としての構造の工夫に過ぎない。主筋の場合にはその長手方向に引き延ばした後に収縮させれば良く、その伸縮の作用はコンクリート中でも容易に実現できる。しかしフープ筋・あばら筋などの横筋の場合には、横方向(ループの場合には径方向)に引き延ばすことが必要である。この引き延ばし作業をコンクリートの内部で行うことは無理であり、またコンクリートへ組み込む直前にするにしても、引き延ばしのための設備が必要となり、建築現場でこうした設備を容易するのは困難である。さりとて特許文献4のプレキャスト部材の如く高温の変形状態から常温の原形状態へ復帰するものでは、仮に工場で加熱変形させたものを建築現場に持ち込むとすれば、加熱状態のままで製品を運び込まなければならないという問題を生ずる。
そこで本発明は、後述の形状記憶合金のオーステナイト変態を利用してプレストレスを導入できる自己収縮性横筋と、この横筋を用いた外郭プレキャスト材及びコンクリート構造物の製造方法を提案し、以てコンクリートの構造物中の横拘束力を体裁良くかつ簡易に高めることを目的とする。
第1の手段は、プレストレス導入用の自己収縮性横筋であり、
鉄筋コンクリートの主筋群の全部又は一部に巻装又は嵌装することができる形に、コンクリートに組み込む前から製造され、
形状記憶合金が温度の上昇によりオーステナイト変態して、予め記憶させた形状に復帰する性質を利用して、上記主筋群及びコンクリートに対する横拘束力としてのプレストレスを導入するために上記形状記憶合金で製造された横筋であって、
オーステナイト変態温度未満の温度で、形状記憶合金を中間成形品としての寸法から少なくとも横拘束方向と反対側へ引き延ばすことで完成品として形成し、
オーステナイト変態温度以上の温度で形状記憶合金が中間成形品の寸法に復帰することでコンクリート内部で能動的にプレストレスを導入するとともに、
その形状記憶合金について、温度の下降により発現するマルテンサイト変態が始まる温度を常温より低く設定することで、コンクリート温度が常温まで下降しても上記プレストレスが維持されるように形成し、
更に上記形状記憶合金は、少なくともセメント水和物の反応温度よりも高い温度でオーステナイト変態を開始するように設定している。
本手段は、形状記憶合金を利用した自己収縮性の横筋を提案している。即ち、横筋はコンクリート内部に包含された状態で熱などのエネルギーを供給された状態で自ら収縮する。これにより柱や梁などのコンクリート構造物内にプレストレスを導入し、柱などの横拘束力を高め、主筋の座屈を防止することができる。尚、横拘束力を高めるためにはプレストレス導入技術の他、横筋の配置間隔を狭くして横筋の量を増やすという方法もある。しかし、配置間隔を狭くするとコンクリートの充填性が悪くなるため、横筋の量を増やすのは限界がある。本手段の構成によれば、横筋がコンクリートの外部へ露出している必要がないので、体裁が良く、また締付作業も容易である。本手段は、前述の柱や梁の他に、トラス及びアーチ構造などの鉄筋コンクリート製の部材に適用することができる。
「横筋」とは、主筋に対して横拘束力を加える筋材、特に鉄筋をいい、例えば柱の帯筋又はフープ、或いは梁のあばら筋又はスラーラップである。本発明の横筋は、建築現場で加工するのではなく、予め工場において所定形状に形成されるものである。現場では、形状記憶合金に形状を記憶させるための所定の処理を行うのが困難だからである。横筋の形状は、ループ又はスパイラル形状が基本的な形であるが、横拘束力を加えるのに適した形状であればどのような形でも良い。一般の横筋は現場で主筋の形状に合わせて普通にループ状に巻き付ければ足りるが、本発明では工場で成形したものを主筋に組み付けるため、その組み付けに適合させて基本形状から変形させることは可能である。例えば両端に係合部(フックなど)を有する半円弧形又はコ字形である横筋部材であって、これらを2つ組み合わせることでループとなるように形成する如くである。
「形状記憶合金」は、一般的に高温側では柔らかく外力により簡単に変形できるオーステナイト相(γ相)を、また低温側では硬くて変形し難いマルテンサイト相(ε相)を呈する。一方から他方への相転移により原子の並び方が変化することを変態といい、ε相→γ相のときのそれをオーステナイト変態、γ相→ε相のときのそれをマルテンサイト変態という。形状記憶合金としては、コスト面から鉄系形状記憶合金が望ましいが、Ni−Ti系の形状記憶合金もある。鉄系形状記憶合金と同様に温度ヒステリシスが大きく、プレストレスに利用可能な程度の形状記憶特性を示すものとしてNi−Ti−Nbがある。
「変態温度」とは、各変態が生ずる温度をいい、一般的には変態が開始する温度から終了する温度までの一定の温度領域である。「オーステナイト変態温度未満」とは当該変態の開始温度未満を指し、「オーステナイト変態温度以上」とは当該変態の開始温度以上を指す。
図3中ではオーステナイト変態の開始点及び終了点をそれぞれAs、Afと、またマルテンサイト変態の開始点及び終了点をそれぞれMs、Mfとそれぞれ表している。Afより高温ではγ相のみであり、そこから温度を下げていくとMsまではγ相のままである。そこで本発明では、マルテンサイト変態の開始温度Msとオーステナイト変態の開始温度As(>Ms)との間で形状記憶合金を引き延ばしてε相とγ相との混合相とし、次に温度を上げていくと、ε相が徐々に縮小していき、Af以上の温度ではγ相のみになって原型品の形状・寸法へ収縮する。この状態からMs〜Asの範囲に戻しても縮小した(主筋を締め付けた)ままの状態が維持され、コンクリートの主筋を締め付けるという作用が得られる。この作用を得るには、マルテンサイト変態の開始温度Msを少なくとも常温より低く設定するべきである。これにより、常温以上の温度ではオーステナイト変態のみを発現させることができる(1wayの形状復帰効果)。
「常温」とは、本明細書において加熱も冷却もしない平常の温度という意味であり、より具体的にはコンクリートが使用される自然環境で平常に到達し得る温度を指す。日本であればおおよそ35℃〜−10℃程度である。理科年表によれば、日本で平均気温が最も低いのは帯広で、1月の平年気温(日平均気温の過去30年間の平均値)が−8℃、同月の日最低気温の平均値が−15℃程度である。日平均気温及び日最低気温のどちらを採用してもよいが、コンクリートは熱容量が大きく、熱しにくくかつ冷めにくい性質を持つことを考慮すると、前者を採用するのが合理的である。もっとも常温というのは最低限の条件である。マルテンサイト変態の開始温度Msは、何年に一度という異常環境を想定してそれより低く設定することが望ましい。後述の鉄系形状記憶合金では、Ms=−30℃、Mf=−80℃程度とすることができるので好適である。ここで温度の設計は形状記憶合金の組成の比率を変更することで実現することができる。変態温度に最も強く影響する合金成分はMnであり、一般的にはMnの割合が多いとマルテンサイト変態開始温度Msが下降する。例えば非特許文献1は、Mn≦32%の範囲であるが、Mnの組成とMsの温度との間に次の数式1が成立することを紹介している。出願人はこの式にMn=35%、Si=5%の値を代入して、Ms=−33.4℃という値を得て、Mn=35%前後でも数式1にある程度の適用性があることを確認した。以上の検討から、Ms=−30℃以下という条件を満たすためには、鉄系形状記憶合金の組成のうちMnの重量%を33〜36%(より好ましくは35〜36%)とすることが望ましいということがわかる。
[数式1]Ms=11.55−7.857Mn+46.0Si
また、上記形状記憶合金は、少なくともセメント水和物の反応温度(一般的には20〜80℃又は30〜80℃)よりも高い温度でオーステナイト変態を開始するものであることが必要である。そうでなければコンクリートの強度が損なわれるからである。後述の鉄系記憶合金では、Af=350℃、As=100℃程度とすることができる。As点はMn量が増大するに従い低くなる傾向を示す。As=100℃以上という条件を満たす鉄系形状記憶合金の組成要件は、Mnが36%以下であることである。
「巻装」とは、装着した段階で巻き付けた状態になるという意味であって、文字通り巻き付ける作業を行うということではない。「嵌装」とは、主筋群の周囲を囲うように取り付けることをいい、主筋群との間に遊びを存して嵌めること(遊嵌)を含む。
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ上記鉄筋コンクリートの横拘束材として少なくとも常温を含むように設定された品質保証温度帯の下限よりも低い温度でマルテンサイト変態が開始し、またこの品質保証温度帯の上限より高い温度でオーステナイト変態が開始するように設計している。
「品質保証温度帯」とは、その温度領域の下限以上では鉄筋コンクリート中の横筋の横拘束力が失われることがないこと、及び同温度領域の上限以下では、鉄筋コンクリートに組み込む前の横筋が徒に収縮することがないことを保証するものである。この温度帯は常温を含み、従って本手段に係る横筋を工場で引き延ばしてから建築現場に運び込むまでの過程を常温下で行うことができる。この品質保証温度帯は、例えば45℃〜−20℃程度の範囲(或いは常温の温度帯よりも上方及び下方にそれぞれ10℃の余裕をとった範囲)とすることができる。
第3の手段は、第1の手段又は第2の手段を有し、かつ形状記憶合金として鉄系形状記憶合金を用いている。
鉄系形状記憶合金を用いる理由は、前述の1wayの形状復帰効果を得られ易いとともに、ニッケル系の形状記憶合金に比べて柔らかいので横筋の径が太いものでも変形させ易く、従って加工し易いこと、当該合金に比べて廉価であるので建築材料として大量に使用し易いこと、他の鉄筋と接触してもイオン化傾向の差が小さいので錆びにくいことが主な理由である。
「鉄系形状記憶合金」とは鉄を主成分の一つとする合金である。鉄系形状記憶合金としては、価格の安いMn−Si−Fe基合金や、超弾性という性質を持つCo−Fe基合金が知られているが、大量に使用される建築材料としては特に前者が好適である。また鉄系形状記憶合金は、そのままではNi−Ti系に比べて記憶性能が低く、これをカバーするためにトレーニングと呼ばれる一連の処置をすることが通常であるが、これに代えて従来公知の如くNb,Cという成分を添加することもある。
第4の手段は、第1の手段から第3の手段のいずれかを有し、かつ予め鉄筋コンクリート製部材の主筋群の周囲への巻装又は嵌装用のスパイラルないしループ状に形成している。
「コンクリート製部材」とは、柱や梁、ブレース・壁・階段・煙突などを種々のコンクリート部材を含む。また、建物の建築形式としては、鉄筋コンクリート造や鉄筋鉄骨コンクリート造であり、鉄骨造ではその鉄筋コンクリート部位を含む。
この様にスパイラル状又はループ状とすることで柱や梁の主筋群を全方位から緊密に締め付け、横拘束力を高めることができる。また建築現場で主筋の周りに鉄筋を例えば螺旋状又は環状に巻き付けると、その螺旋のピッチや径にばらつきを生ずる可能性があるが、本発明では予めスパイラル状又はループ状に一体成形するので、そうした施工誤差を生ずるおそれがない。従ってプレストレスを精度良く導入することができる。
第5の手段は、第4の手段を有し、かつ前記主筋の軸方向から見て多角形状のループ又はスパイラルに形成している。
本手段では、断面多角形状の柱又は梁の主筋群の周りを囲うためにそれら主筋群の配列に対応した多角形のループ又はスパイラル形状の横筋を提案している。そうすることで柱又は梁の部材などに主軸方向の圧縮力が作用したときの横拘束力を高めることができる。一般に多角形の柱・梁部材などに上記圧縮力が作用したときには、その主筋に巻き付けた多角形状の帯筋やあばら筋は、図18に示す如く、その各辺部分が横方向外方へ膨らむことになる。従ってこれらの横筋は、その筋自身の軸方向の引っ張り力の他に、主としてコーナー部分において曲げモーメントの作用を受ける。横筋の断面軸耐力をNとしても、曲げモーメントMが作用するときには、図19に示す如く、横拘束力として利用可能な軸耐力の有効値NeffはNよりも低くなる。単に横筋を主筋に巻き付けた場合には上記横方向外方への膨らみが大きく、従って横拘束力の低下も大となる。その結果、図20中のLで区画されるコンクリート部分は有効に拘束されず、断面耐力(軸耐力、曲げ及び剪断耐力)に対する寄与が少なくなってしまう。他方、本発明の如く横筋にプレストレスを与えた場合では、図9に示す如くその応力の一部が、ポアソン効果による横方向膨張変形に抵抗して横方向内方へ作用するので、この変形が小さくなる。従ってコーナー部での曲げモーメントも小さくなり、横拘束力の低下を小さくすることができる。従って図20でLで示す如く有効に拘束されない部分を最小限にすることができる。コンクリートの横拘束力の程度は、柱・梁の曲げ及び曲げ靱性、あるいは剪断耐力に対しても影響を及ぼすので、これらの耐力向上に有効であると考えられる。
第6の手段は、第4の手段を有し、かつ前記主筋の軸方向から見て円形又は渦巻き形のスパイラル、或いは円形のループに成形している。
本手段では、断面円形の柱又は梁の主筋群の周囲を囲うために適した形状の横筋を提供している。この構成によれば、前述の多角形状のコンクリートの膨張変形による局部的な曲げ変形を生じないので、全ての半径方向に均一にプレストレスを導入することができる。
第7の手段は、外郭プレキャスト材であり、第1の手段から第6の手段の何れかである横筋を、当該横筋の形状に対応する断面形状を有するコンクリート製筒壁の内部に組み込んでいる。
鉄筋コンクリート中の横筋のみが収縮するとコンクリート構造物の外郭部分内にひび割れを生ずる可能性がある。そこで形状記憶合金である横筋を、引っ張り強度の大きいスリーブに組み込んだから、このスリーブを介してコンクリート構造物を締め付けることができる。この外郭プレキャスト部材の筒壁は、その横筋の横拘束力に抵抗できる程度の引っ張り強度を有することが望ましい。具体的には、繊維補強セメント製で形成してもよいが、コンクリート構造物よりも引っ張り強度を大きい通常のコンクリートとすることもできる。その引っ張り強度は横筋の収縮により横筋内方の筒壁部分と横筋外方の筒壁部分との間にひびが生じないように設定する。
第8の手段は、コンクリート構造物の製造方法であり、
鉄筋コンクリートの主筋群を配筋する工程と、
この主筋群の周囲に第1の手段から第6の手段の何れかに記載の横筋を巻装又は嵌装する工程と、
これら主筋群及び横筋の周囲に型枠を形成する工程と、
この型枠にフレッシュコンクリートを打ち込んで養生する工程と、
この鉄筋コンクリートが固まったのちに外部からエネルギーを加えることで横筋を加熱し、オーステナイト変態により収縮させる工程とからなり、上記フレッシュコンクリートの打込み温度及び養生温度のいずれよりも高い温度で横筋2のオーステナイト変態が開始するようにしている。
本手段では、まずコンクリートを打ち込む通常の手順の中でオーステナイト変態が開始する温度より低い温度でコンクリートを打込みかつ養生するようにしている。特に例えばプレキャスト部材を製造する場合には硬化を早めるために70〜80℃程度の蒸気を用いて養生する場合が一般的である(特許文献5)。このときに、養生温度が変態開始温度よりも高いと、オーステナイト変態が半ば進行した状態でコンクリートが固まってしまい、収縮力の全てを横拘束力として活用することができなくなってしまう。これを防止することができるようにこれを防止するようにオーステナイト変態温度を設定している。
尚、横筋にエネルギーを加える方法としては、直接加熱する方法、通電による電気抵抗加熱、電磁誘導加熱などが考えられる。電磁誘導を用いる場合には、コンクリート構造物の外側に、電磁誘導コイルを、そのコイルの磁界を横筋が横切る向きに配置すれば良い。この場合には、横筋の周方向の適所に間隔を置いて複数の電磁誘導コイルを設置し、各電磁誘導コイルに交流電流を同期させて流せば良い。
第9の手段は、第8の手段を有し、かつ前記鉄筋コンクリートの構造物をプレキャストコンクリートとし、このプレキャストコンクリート全体を外部から加熱することを特徴としている。
本手段では、直接加熱法の一つとしてプレキャストコンクリートを工場等の製造施設で加熱することを提案している。直接加熱法としては、現場打ちのコンクリートを加熱器などを用いて加熱することも考えられるが、コンクリート中の横筋の加熱具合が均一でないと、コンクリート各部の横拘束力にばらつきを生じてしまう可能性がある。しかしプレキャストコンクリートの場合には、例えばコンクリート体の全部を加熱容器内に入れるなどして、被加熱物の温度を一定とし、横筋の収縮具合を均一とすることができる。また現場打ちしたコンクリート製の柱や梁は周囲の構造物と連続しているために熱が外部へ逃げるが、本手段の方法では製品を養生槽に入れるなどして熱の逃散を最小限に抑えることができる。また、プレキャスト部材の場合には、前述の蒸気養生により加熱しながら養生をすることが一般的であるが、その仕組みをそのまま形状記憶合金の収縮のための加熱に転用することができるので、加熱のための特別の器具・設備が不要である。
第10の手段は、第9の手段を有し、同じ加熱手段48を用いて、上記プレキャストコンクリートを加熱して養生する工程と、横筋2を形状復帰させるための加熱工程とを、共通の加熱手段48を用いて連続して行うこととした。
プレキャスト部材の場合には、前述の蒸気養生により加熱しながら養生をすることが一般的である。そこで本手段では、その仕組みをそのまま形状記憶合金の収縮のための加熱に転用することができるので、加熱のための特別の器具・設備が不要である。尚、本手段にいう「加熱手段」とは、必ずしも蒸気養生設備には限定されない。
第11の手段は、第8の手段を有し、かつ上記横筋を鉄筋コンクリート構造物である柱又は梁の全長に亘るスパイラル形状とし、
上記の形状記憶合金を、通電により発熱する程度の抵抗を有する通電材料とし、
通電することで横筋が自ら発生する熱で収縮するようにし、かつ電気エネルギーが横筋2から主筋40へ逃散しないようにこれら横筋と主筋とを電気的に絶縁している。
本手段では、通電による電気抵抗加熱を利用する方法を提案している。この方法では横筋自身が発熱するので、コンクリート構造物の外からコンクリートを介在して熱や電磁波などのエネルギーを注入する場合に比べて、このエネルギーの損失を少なくすることができる。またスパイラルの全長に亘って単位長当たりの抵抗値とすることによりコンクリート構造物の全体に均一にプレストレスを導入することができる。更に本手段では、横筋と主筋とを電気的に絶縁することで、投入したエネルギーを効率的にプレキャストの導入に用いることができるようにしている。「横筋と主筋とを電気的に絶縁する」とは、横筋又は主筋の何れかの表面を被覆すること、及び両者を離間させることを含む。なお、被覆材としては、エポキシ樹脂を0.2〜0.3mm程度の厚さで横筋又は主筋の何れかの表面に塗布すればよい。
第12の手段は、第8の手段から第11の手段のいずれかを有し、かつ
上記横筋2を加熱して収縮する工程の次に、或いはこの工程と並行して、当該横筋の加熱状態、或いは横筋の収縮状態を計測することで、プレストレスの導入の成否を確認する工程を行うこととしている。
本発明の横筋はコンクリート構造物の内部に埋め込まれているため、その収縮の具体を目視により確認できない。従って何らかの事情でプレストレスの導入に失敗し、そのことに施工者が気付かないと、建物の安全確保上で非常に問題である。そこで本手段は、プレストレスの導入の成否を確認させることとしている。
その成否を確認するため、第1に、横筋の収縮状態自体を直接又は間接に測定することができる。具体的には、横筋自体又はコンクリートの表面において、任意の二点間の距離を正確に測定する歪み検出手段を用いて、加熱前後の距離の変化から横筋の変形量を計測し、横筋に導入された軸力を推定すれば良い。歪み検出手段としては、従来公知の歪みゲージを用いればよい。これは、通常、絶縁体の上に金属抵抗体を取り付け、この抵抗体が伸びるときの抵抗の変化から伸びを検出するものである。横筋自体に歪みゲージを貼着する場合には、横筋の歪みの測定精度が高いが、コンクリートの打設前にゲージを貼着するので、準備が面倒である。反対に、コンクリートの表面に歪みゲージを貼着する場合には、横筋の歪みの測定精度は低いが、準備は容易である。
第2に、加熱時の横筋の温度を直接又は間接に計測することができる。横筋の温度を直接に測定するときには、横筋自体に熱伝対などの温度センサーを貼付しておくと良い。また、間接的な計測法としては、加熱時のコンクリート表面温度を測定し、これから横筋の温度を計測すれば良い。コンクリートの表面温度測定は、直接接触法、赤外線などの非接触計測法などが考えられる。
第1の手段に係る発明によれば次の効果を奏する。
○コンクリート内で外力を付与せずに能動的に収縮するから、締付作業が容易である。
○横筋がコンクリートの外に表われないから、体裁が良い。
○予め工場などで成形するから、現場で加工して成形する場合と比較して、形状を均一とすることができ、プレストレス導入量の品質を一定にすることができる。
○一本当たり(スパイラルの場合には単位長さ当たり)の筋材の横拘束力を高めることができるので、横拘束力を向上するために横筋の配置間隔が狭くした場合と比べて、コンクリートの充填性を損なうおそれがない。
第2の手段に係る発明によれば、常温を含む品質保証温度帯の上限より高い温度でオーステナイト変態が始まるから、横筋を延伸してから建築現場に搬入してコンクリート内に組み込むまで横筋を常温で扱うことができ、取り扱いが簡単である。
第3の手段に係る発明によれば次の効果を奏する。
○横筋2を鉄系形状記憶合金で形成したから、主筋などの他の鉄筋とのイオン化傾向の差が少なく、錆びにくい。
○横筋2を鉄系形状記憶合金製で形成したから、ニッケル系の形状記憶合金に比べて柔らかいので加工が容易であるとともに、当該合金より廉価である。
第4の手段に係る発明によれば、柱又は梁などの部材の周りに巻き付けるから、強い横拘束力が得られ、また自己収縮性のスパイラル又はループ状製品として予め成形するから、成形精度を高め、柱・梁の長さ方向全体に亘って精密に横拘束力を導入できる。
第5の手段に係る発明によれば、横筋2は、前記主筋の軸方向から見て主筋群の配列に対応した多角形のループ又はスパイラルに形成したから、形状記憶合金の収縮により多角形の角部での曲げ変形に対抗し、曲げに伴う横拘束力の低減を防止することができる。
第6の手段に係る発明によれば、横筋2は、前記主筋の軸方向から見て円又は渦巻き形のスパイラル、或いは円形のループに成形したから、コンクリートの膨張変形による局部的な曲げ変形を生じず、全ての半径方向に均一にプレストレスを導入することができる。
第7の手段に係る発明によれば、横筋2を、十分な引っ張り強度を有する筒壁に組み込んだから、ひび割れを生ずることを有効に防止することができる。
第8の手段に係る発明によれば、コンクリート構造物の製造方法において、形状記憶合金のオーステナイト変態温度より低い温度でフレッシュコンクリートを養生するから、この養生過程で形状記憶鉄筋が収縮してしまうことがなく、十分にプレストレスを導入することができる。
第9の手段に係る発明によれば、次の効果を奏する。
○プレキャストコンクリート全体を外部から加熱するから均等に加熱することができ、従ってプレストレスの導入量を均等にすることができる。
○現場で加熱する場合に比べて熱の逃散を少なくすることができる。
第10の手段に係る発明によれば、プレキャスト部材の製造に用いられる加熱養生(蒸気養生)の設備をそのまま形状記憶合金の加熱のために転用できるから、設備費を低減できるとともに、養生→形状復帰の各工程を同じ場所・同じ設備で連続して行うことができ、作業が容易である。
第11の手段に係る発明によれば、次の効果を奏する。
○スパイラル状の横筋2に通電するだけなので、プレストレス導入の作業が容易かつ確実であり、かつプレストレスを均等に導入することも簡単である。
○横筋自身が通電により発熱するから、外部から加熱する場合に比べてエネルギー損失が少ない。
○上記横筋2と主筋40とが電気的に接触しないようにしたから、投入したエネルギーを効率的にプレキャストの導入に用いることができる。
第12の手段に係る発明によるから、上記横筋2を加熱して収縮する工程の次に、或いはこの工程と並行して、当該横筋の加熱状態、或いは横筋の収縮状態を計測するから、プレストレスの導入の成否を確認し、コンクリート構造物の安全性を確認することができる。
図1から図10は、本発明に係る自己収縮性横筋2を示している。
この横筋2は、断面四角形状の柱42の主筋40の配列に対応してほぼ四角形状のループに形成され、それら主筋群の周りに緩く嵌装されている。ループといっても、図示の横筋は、完全な輪ではなく、一本の筋材を折り曲げるとともにその両端をフック状に屈曲させ、2本のフック4で柱の角側の主筋を挟むように成形している。この成形は工場で行う。もっとも一本の鉄筋の両端を溶接するなどして、完全なループ又はリング形状とすることもできる。横筋の角部6は丸みを有しており、横筋が収縮し易いようにしている。このループ状の横筋の場合には、通常のプレストレスコンクリートの如く定着板で係止しないので、定着部が破損して緊張が緩むことがない。
この横筋は、Mn−Si−Fe基合金である鉄系形状記憶合金で形成する。この横筋は、予め元の中間品の寸法から引き延ばされ、γ相の中にε相が生じている応力誘起マルテンサイト状態となっており、加熱することで原寸法に復帰するように形成している。
形状記憶合金の組成は、少なくともオーステナイト変態の開始温度Asが室温よりも高くなり、マルテンサイト開始温度Msが室温よりも低くなるように設計する。ここでまずMn−Si−Fe基合金の組成と各変態温度との一般的な関係を説明する。この基合金の3成分のうち変態温度に対する影響の大きいのは前述の如くMnである。Mnを単独で用いる場合、Ms点を室温以下にするためには、Mnの成分範囲を30〜36質量%とする必要がある。これよりMnが少なければMsは室温より高くなり、これより多ければ応力誘起変態を生じなくなることが知られている。即ち、変態誘起応力が高くなりすぎて応力誘起変態が困難となって、塑性変形をしたり、或いは反強磁性変態温度が高くなり、応力誘起変態が消失するからである。そこで通常は、Mn−Si−Fe基合金が形状記憶合金として機能するためのMnの組成条件を、上述の30〜36質量%とし、その範囲で用途に応じてMnなどの成分を設計することになる。本発明の場合、Msを下げるためには、上記許容されるMnの組成範囲内でMnを多くすれば良い。Msを−30℃以下にするためにはMnを33〜36重量%にする必要があると考えられる。次に、この横筋は以下の手順で形成する。
第1に、オーステナイト変態の終了温度Af以上で棒材を横筋の形状(図示例では前述のループ)とし、中間成形品を形成する(図4のS)。この中間成形品の寸法は、最終部材の寸法よりも1〜10%程度(最適値は5%)小さくするものとする。また中間成形品は最終部材と相似形とすると、収縮時に横拘束力が均等にかかるので好適である。
第2に、中間成形品の温度をオーステナイト変態の開始温度Asとマルテンサイト変態の開始温度Msとの間に(好ましくは常温に)戻し、治具を用いて最終部材の寸法及び形状になるまで引き延ばす(図4のS)。多角形状の横筋の場合には、その角部の内側にそれぞれ治具を入れて引き延ばすと良い。
次に、本発明を用いたコンクリート構造物の製造方法を説明する。
(1)主筋群の配筋及び主筋群への横筋の嵌装
まず柱の設置箇所に複数の主筋40を立てて、適当な連結治具(なまし鉄線など)で結束する。そしてそれら主筋40の先端がフリーな段階で複数のループ状の横筋を挿通し、それぞれ所要間隔で主筋40に対して同様の連結具で結束する。この工程では、なるべく工場で製造された横筋の形状のままで主筋の周りに装着することが望ましい。工場での延伸工程後に現場で余分な変形を加えると、その変形を加えた部分が元の形状に戻らなくなる可能性があるからである。従って主筋の上端である先端が自由端である間に、ループ状の横筋を挿通する。
(2)型枠の形成
周囲に横筋を装着した主筋を囲んで型枠を設ける。このときのコンクリートの被り厚さに対応して、横筋の外縁と型枠の内面とに間隙を設ける。
(3)コンクリートの打ち込み及び養生
上記型枠にフレッシュコンクリートを打ち込み(図10のS)、養生する(S)が、この際にセメント成分と水分との反応熱により、打込み時及び養生時のコンクリートはある程度発熱する。この過程で横筋2の形状復帰作用が発現しないように、横筋2のオーステナイト変態開始温度Asを、上記コンクリートの打込み温度と養生温度よりも高く設定する。一般的に打込み温度は外気温より数℃程度高く、また養生温度は一時的に打込み温度より10℃程度高くなり、その後徐々に常温となる場合が多い。もっとも硬化速度を高めたり、高い硬度を得るために蒸気養生を行う場合には、養生温度は70〜80℃程度に達する可能性がある。蒸気養生を行うときには、図5に示す如く、例えば加熱手段48であるボイラーから、加熱容器として設置された断熱構造の養生槽50内へ蒸気を送り込むとともに、各養生槽から余剰のエアを排出する排気路52を設けるとよい。この排気路には排気弁54を、また養生槽内には温度センサー56をそれぞれ付設し、槽内の温度に応じて排気弁の開度及びボイラーの出力を調整するように構成すると良い。
(4)横筋の収縮
コンクリートの養生により所要の圧縮強度が発現した後にコンクリート外部から熱を加えて(図10のS)、横筋2を元の寸法に収縮させる。横筋2がプレキャスト部材である場合には、蒸気養生槽内で槽内の温度を養生温度からオーステナイト変態温度へ上昇させれば良い。横筋がプレキャスト部材である場合には、この部材全体を上記養生内に入れて加熱すればよい。本発明の横筋を現場打ちの柱や梁に使用する場合には、これら柱・梁の外周面から電磁誘導器又は加熱器で電気又は熱エネルギーを加えれば良い。
図6及び図7は、電磁誘導コイル58を用いてコンクリート柱の横筋2を誘導加熱している様子を示している。この例では断面四角形の柱の4つの側面に電磁誘導コイル58をそれぞれ配置している。各コイルの軸は主筋40と平行に配置されており、横筋2にのみ電流が流れるようにしている。即ち、仮に各主筋が横筋と接続して閉回路ができていても、主筋に電流が流れることがない。
(5)プレストレスの導入の確認
次に上記各工程により十分なプレストレスを導入されたか否かを確認する。そのためには歪み検出手段60である歪みゲージを用いる。この歪みゲージは、予め横筋に取り付けておくか、主筋に横筋を装着した後に取り付けておけばよい。この歪みゲージは、従来公知のものであり、本発明の用途には、検長(観測する距離)が2ミリ程度のものを利用すれば十分である。この場合には、歪みゲージの長さも2〜4ミリ程度におさまる。図8では横筋を複数のリブを有する異径鉄筋として、そのリブの間の鉄筋部分に歪み検出手段60を固着している。歪み検出手段60を、歪みの信号を送信するための細い信号線62を有しており、この信号線はコンクリートの表面から外部に延びている。上記の構成で電磁誘導コイル58に電流を流すと、横筋が加熱され、収縮するので、その収縮分が歪み検出手段60により歪みとして検出される。歪みの検出が終了したら、コンクリートの表面で信号線を切断すればよく、コンクリート構造物の体裁を損なうことはない。もっとも最近では、ワイヤレスタイプの歪みゲージも市販されており、これを利用することもできる。尚、図示例とは異なり、コンクリートの表面に上記歪み検出手段60を付設してコンクリートの収縮量を検出しても良い。
以下、本発明の他の実施形態を説明する。これらの説明において第1実施形態と同じ構成に関しては、同一符号を付することで説明を省略する。
図11及び図12は、本発明に係る横筋の第2実施形態である。本形態は、第1の実施形態における複数のループ状横筋に代えて、単一のスパイラル状の横筋を主筋40群の周りに巻装させたものである。本実施形態の横筋を加熱する場合には、上記横筋の両端を外部電源(図示せず)に接続して通電すればよい。
また、スパイラル状の横筋2を誘導加熱するときは、スパイラル状の横筋の両端を補助電気線(図示せず)で接続すればよい。こうして電気的な閉ループを形成し、図7と同様に任意数の電磁誘導コイルを用いて渦電流を流せれば良い。誘導加熱の場合でも、誘起された電流を効果的に加熱に利用するために、横筋と主筋とを電気的に非接触にすることが望ましい。もっとも横筋の両端を補助電気線で接続できない場合には、あえて横筋と主筋とを電気的に接触させて電気的な閉ループを作り、誘導加熱することもできる。
図13から図15は、本発明に係る横筋の第3実施形態である。本形態では、本発明をコンクリート壁44に適用したものである。具体的には図13〜図14に示す如く、この壁44の中に内外1対の主筋2を等間隔で配筋するとともに、隣り合う4本の主筋を囲うように四角形状の横筋2を嵌装したものである。各横筋は、上方から見てそれぞれの端部において重なり合っている。図15は、上記の如く横筋2を嵌装した壁44の使用例を示す図であり、同図中、各階にある柱及び梁などを四辺とし外周端に接して、集合住宅等の戸境壁として一般的に用いられている壁面を5層分に構成している。更に同図では、曲げモーメントが特に大きく作用する下層階において、前記壁面に対してその外力を負担させるために壁44を柱際(幅w)、及び1階から2階と3階との中間部まで(高さh)の範囲に適用しているのである。なお、w、hは、必要に応じて適宜、設計すればよい。
図16及び図17は、本発明に係る外郭プレキャスト材10を示している。この外郭プレキャスト材は、補強繊維入りのプレキャストコンクリートの筒体を、コンクリート製の柱本体43(又は梁本体)の外面に嵌合するように形成し、かつこの筒体内に第1の実施形態に係るループ状の横筋2を組み込んだものである。この外郭プレキャスト材と柱本体とで柱を構成している。こうすることでコンクリート柱42自体にひび割れを生ずることを防止することができる。ループ状の横筋に代えてスパイラル状の横筋を組み込むことも可能である。尚、図示しないが、フラットスラブにおいて、梁要素を構成する部材にこの横筋2を嵌装する(図14の拡大断面図を梁要素としてその一部を梁要素の近傍に適用する)ことも可能である。また、この場合、フラットスラブの全断面(壁に適用した図13の横断面を、フラットスラブの縦断面図に読み替える)にこの横筋2を嵌装することも可能である。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることはもちろんである。
本発明の第1の実施形態に係る自己収縮性横筋をコンクリート柱に組み込んだ状態でも断面図である。 図1の横筋をコンクリート柱に組み込んだ状態での縦断面図である。 図1の横筋に使用される形状記憶合金の原理図である。 図1の横筋の形成の一工程を示す説明図である。 図1の横筋を用いたプレキャスト部材の形成の工程を示す説明図である。 図1の横筋を用いたプレキャスト部材にプレストレスを導入する工程を上方から描いた説明図である。 図6の工程を斜めから描いた説明図である。 図6及び図7の工程でプレストレスが的確に導入されたか否かを確認する工程を示す説明図である。 図1の横筋の作用を説明する図である。 図1の横筋の形成・使用工程での温度変化の様子を表す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る自己収縮性横筋をコンクリート柱に組み込んだ状態でも断面図である。 図11の横筋をコンクリート柱に組み込んだ状態での縦断面図である。 本発明の横筋を壁に適応した実施例の横断面図である。 図13の実施例の横断面拡大図である。 図13の実施例の施工例を示す図である。 本発明の外郭プレキャスト材の横断面図である。 本発明の外郭プレキャスト材の斜視図である。 通常の鉄を使用した横筋を含む従来の構成の縦断面図である。 図18の従来の横筋での横拘束力を説明する図である。 図18の従来の横筋を用いたときの柱内の応力発生状態を示す図である。
符号の説明
2…横筋 4…フック 6…角部 10…外郭プレキャスト材
40…主筋 42…柱 43…柱本体 44…壁 46…治具 48…加熱手段
50…養生槽(加熱容器)52…排気路 54…排気弁 56…温度センサー
58…電磁誘導コイル 60…歪み検出手段 62…電線 B…磁界

Claims (12)

  1. 鉄筋コンクリートの主筋群の全部又は一部に巻装又は嵌装することができる形に、コンクリートに組み込む前から製造され、
    形状記憶合金が温度の上昇によりオーステナイト変態して、予め記憶させた形状に復帰する性質を利用して、上記主筋群及びコンクリートに対する横拘束力としてのプレストレスを導入するために上記形状記憶合金で製造された横筋であって、
    オーステナイト変態温度未満の温度で、形状記憶合金を中間成形品としての寸法から少なくとも横拘束方向と反対側へ引き延ばすことで完成品として形成し、
    オーステナイト変態温度以上の温度で形状記憶合金が中間成形品の寸法に復帰することでコンクリート内部で能動的にプレストレスを導入するとともに、
    その形状記憶合金について、温度の下降により発現するマルテンサイト変態が始まる温度を常温より低く設定することで、コンクリート温度が常温まで下降しても上記プレストレスが維持されるように形成し、
    更に上記形状記憶合金は、少なくともセメント水和物の反応温度よりも高い温度でオーステナイト変態を開始するように設定したことを特徴とする、プレストレス導入用の自己収縮性横筋。
  2. 上記鉄筋コンクリートの横拘束材として少なくとも常温を含むように設定された品質保証温度帯の下限よりも低い温度でマルテンサイト変態が開始し、またこの品質保証温度帯の上限より高い温度でオーステナイト変態が開始するように設計したことを特徴とする、請求項1記載のプレストレス導入用の自己収縮性横筋。
  3. 形状記憶合金として鉄系形状記憶合金を用いたことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載のプレストレス導入用の自己収縮性横筋。
  4. 予め鉄筋コンクリート製部材の主筋群の周囲への巻装又は嵌装用のスパイラルないしループ状に形成したことを特徴とする、請求項1から請求項3の何れかに記載のプレストレス導入用の自己収縮性横筋。
  5. 前記主筋の軸方向から見て多角形状のループ又はスパイラルに形成したことを特徴とする、請求項4記載のプレストレス導入用の自己収縮性横筋。
  6. 前記主筋の軸方向から見て円形又は渦巻き形のスパイラル、或いは円形のループに成形したことを特徴とする、請求項4記載のプレストレス導入用の自己収縮性横筋。
  7. 請求項1から請求項6の何れかに記載の横筋を、当該横筋の形状に対応する断面形状を有するコンクリート製筒壁の内部に組み込んだことを特徴とする、外郭プレキャスト材。
  8. 鉄筋コンクリートの主筋群を配筋する工程と、
    この主筋群の周囲に請求項1から請求項6の何れかに記載の横筋を巻装又は嵌装する工程と、
    これら主筋群及び横筋の周囲に型枠を形成する工程と、
    この型枠にフレッシュコンクリートを打ち込んで養生する工程と、
    この鉄筋コンクリートが固まったのちに外部からエネルギーを加えることで横筋を加熱し、オーステナイト変態により収縮させる工程とからなり、
    上記フレッシュコンクリートの打込み温度及び養生温度のいずれよりも高い温度で横筋2のオーステナイト変態が開始するようにしていることを特徴とする、コンクリート構造物の製造方法。
  9. 前記鉄筋コンクリートの構造物をプレキャストコンクリートとし、このプレキャストコンクリート全体を外部から加熱することを特徴とする、請求項8記載のコンクリート構造物の製造方法。
  10. 上記プレキャストコンクリートを加熱して養生する工程と、横筋2を形状復帰させるための加熱工程とを、共通の加熱手段48を用いて連続して行うことを特徴とする、請求項9記載のコンクリート構造物の製造方法。
  11. 上記横筋を鉄筋コンクリート構造物である柱又は梁の全長に亘るスパイラル形状とし、
    上記の形状記憶合金を、通電により発熱する程度の抵抗を有する通電材料とし、
    通電することで横筋が自ら発生する熱で収縮するようにし、かつ電気エネルギーが横筋2から主筋40へ逃散しないようにこれら横筋と主筋とを電気的に絶縁したことを特徴とする、請求項8記載のコンクリート構造物の製造方法。
  12. 上記横筋2を加熱して収縮する工程の次に、或いはこの工程と並行して、当該横筋の加熱状態、或いは横筋の収縮状態を計測することで、プレストレスの導入の成否を確認する工程を行うことを特徴とする、請求項8から請求項11の何れかに記載のコンクリート構造物の製造方法。
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