JP2008136856A - ゴルフクラブヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴルフクラブヘッドの各パーツの強度等の特性劣化を回避しながら各パーツをロウ接合可能なゴルフクラブヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】ヘッドパーツであるヘッド本体部と、クラウンパーツ2aやフェースパーツ3aのような他のヘッドパーツとを準備する。ヘッド本体部と、クラウンパーツ2aやフェースパーツ3aとの接合部にロウ材を供給する。そして、ロウ材とともに、ヘッド本体部と、クラウンパーツ2aやフェースパーツ3aとの接合部またはその近傍を選択的に加熱することで、ロウ材を溶融させる。このロウ材を硬化させることで、ヘッド本体部に、クラウンパーツ2aやフェースパーツ3aを接合する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ゴルフクラブヘッドの製造方法に関し、特に、複数のパーツを接合することで作製されるゴルフクラブヘッドの製造方法に関する。
従来から、複数のパーツを接合して作製されるゴルフクラブヘッドは知られている。ゴルフクラブヘッドの各パーツを接合する手法としては、圧入、溶接、ロウ接合等の様々な手法がある。
上記の様々な接合手法の中で、ロウ接合は、溶接の困難なパーツ同士の接合や、圧入に不向きなパーツ同士の接合に有用である。かかるロウ接合によりゴルフクラブヘッドの各パーツを接合する手法については、たとえば特開2003−339923号公報に記載されている。
上記特開2003−339923号公報には、バックウエイト部材の溝、穴にロウ材を入れ、ヘッド本体とバックウエイト部材を組み合わせ、その後ヘッド全体を加熱しロウ付を実行する接合手法が記載されている。当該ロウ接合の際に、ヘッドはたとえば真空炉内で加熱される。
特開2003−339923号公報
上記特開2003−339923号公報に記載されているような従来のロウ接合は、炉内でゴルフクラブヘッド全体を加熱して行なっていた。そのため、ロウ接合に必要な熱がヘッド全体に加わることとなる。つまり、ヘッドを構成する各パーツ全体に、ロウ接合のための熱影響が及ぶこととなる。その結果、ヘッドの各パーツの金属組織が肥大化してヘッドの硬度が低下したり、また接合界面において脆性的な金属間化合物生成層が大きくなるため、ヘッドが脆化するなどの強度面の問題が生じ得る。
そこで、本発明は、ゴルフクラブヘッドの各パーツの強度等の特性劣化を回避しながら各パーツをロウ接合することが可能なゴルフクラブヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るゴルフクラブヘッドの製造方法は、ロウ材によって互いに接合される第1と第2パーツを含むゴルフクラブヘッドの製造方法であって、1つの局面では、次の各工程を備える。第1と第2パーツの接合部にロウ材を供給する。このロウ材とともに第1と第2パーツの接合部またはその近傍に選択的にレーザを照射して加熱することで、ロウ材を溶融させる。ロウ材を硬化させることで第1と第2パーツを接合する。ここで、「パーツ」とは、本願明細書では、ゴルフクラブヘッドの一部を構成する部材のことを称し、ヘッド本体部や、該ヘッド本体部に装着される単数または複数の各種部材も、上記「パーツ」に含まれる。
本発明に係るゴルフクラブヘッドの製造方法は、他の局面では、次の各工程を備える。第1と第2パーツの接合部にロウ材を供給しながら、このロウ材とともに第1と第2パーツの接合部またはその近傍に選択的にレーザを照射して加熱することでロウ材を溶融させる。ロウ材を硬化させることで第1と第2パーツを接合する。
上記第1と第2パーツの接合部は、第1と第2パーツの端部同士を重ね合せた重ね合せ部を含むものであってもよい。この場合、当該重ね合せ部上にロウ材を供給する。また、上記第1と第2パーツの接合部は、第1と第2パーツの端部同士を突合せた突合せ部を含むものであってもよい。この場合、当該突合せ部上にロウ材を供給する。なお、本願明細書において「突合せ部」とは、実際に第1と第2パーツの端部同士が当接するものではなく、これらの間にはロウ材を受け入れる間隙が存在する。
上記ロウ材を溶融させる工程の前に、第1と第2パーツの接合部を予め加熱するようにしてもよい。たとえば第1と第2パーツの接合部またはその近傍にレーザを照射することで、上記接合部を予め加熱することが考えられる。また、ロウ材を溶融させる工程は、常温(たとえば室温)雰囲気で行なうことが好ましい。さらに、上記ロウ材を溶融させるには、たとえばロウ材にレーザを照射すればよい。
本発明では、ゴルフクラブヘッドのパーツ全体を加熱するのではなく、ロウ材とともにパーツ間の接合部またはその近傍を選択的に加熱してロウ材を溶融させるので、各パーツ全体に、ロウ接合のための熱影響が及ぶのを回避することができる。それにより、各パーツの強度等の特性劣化を回避しながら各パーツ同士をロウ接合することができる。
以下、本発明の実施の形態について図1〜図13を用いて説明する。図1〜図3に、本実施の形態の製造方法を適用可能なウッド型のゴルフクラブヘッド1の一例を示す。
図1〜図3に示すように、ゴルフクラブヘッド1は、クラウン部2と、フェース部3と、サイド部4と、ソール部5と、接合部6a,6bとを備える。
図4に、ゴルフクラブヘッド1を分解した状態を示す。図4に示すように、ゴルフクラブヘッド1は、クラウン部2にクラウン開口部2bを有し、フェース部3にフェース開口部3bを有するヘッド本体部(本体パーツ)と、クラウン部2の一部を構成するクラウンパーツ2aと、フェース部3の一部を構成するフェースパーツ3aとを備える。ヘッド本体部とクラウンパーツ2aとは接合部6aを介して接合され、ヘッド本体部とフェースパーツ3aとは接合部6bを介して接合される。
上記ヘッド本体部、クラウンパーツ2a、フェースパーツ3aは、様々な金属材料や樹脂材料等を用いて作製可能であるが、熱影響を受け易いと考えられる材料をヘッドの少なくとも一部に用いた場合に、本実施の形態の製造方法は有用である。たとえば、軟鉄、チタン合金(βチタン(Ti−15V−6Cr−4Al)やα−βチタン(Ti−6Al−4V)等)、マルテイサイト系ステンレス、マルエージング鋼、マグネシウム合金、アルミニウム合金で作製されたパーツを備える場合に、本実施の形態の製造方法は有用である。
次に、図5〜図9を用いて、図1〜図4に示すタイプのウッド型のゴルフクラブヘッド1の製造方法の一例について説明する。
まず、図7に示すように、鋳造や鍛造等の周知の手法で、ヘッド本体部と、ヘッドパーツ(クラウンパーツ2a、フェースパーツ3a)とを準備する(ステップS1)。
本実施の形態では、鋳造によりα−βチタン製で0.9mmの厚みのヘッド本体部と、βチタン製で0.5mmの厚みのクラウンパーツ2aとを作製し、鍛造によりα−βチタン製で3.0mmの厚みのフェースパーツ3aを作製する。
次に、ヘッド本体部と、ヘッドパーツ(クラウンパーツ2a、フェースパーツ3a)との接合部にロウ材を供給する(ステップS2)。ロウ材としては、銀ロウ(BAg−8:72%Ag−28%Cu)や、Ag−Cu−Pd系のロウや、Niロウ等が使用可能である。
本実施の形態では、ヘッド本体部におけるクラウン開口部にクラウンパーツ2aを装着した状態で、ヘッド本体部とクラウンパーツ2aとの接合部にロウ材を供給する。ロウ材は、固相、液相、気相のいずれの状態で接合部に供給してもよいが、たとえばワイヤのような固相状態や、流動性を有する状態(たとえばペースト状)で接合部に供給することが考えられる。他方、フェースパーツ3aをヘッド本体部に接合する際には、ヘッド本体部におけるフェース開口部にフェースパーツ3aを装着した状態で、ヘッド本体部とフェースパーツ3aとの接合部に上記のようなロウ材を供給すればよい。
なお、ヘッド本体部とクラウンパーツ2aとの接合部へのロウ材の供給と、ヘッド本体部とフェースパーツ3aとの接合部へのロウ材の供給とでは、いずれを先に行なってもよい。
次に、常温雰囲気で、ロウ材とともに、ヘッド本体部とヘッドパーツとの接合部またはその近傍を選択的に加熱して、ロウ材を溶融させる(ステップS3)。つまり、ロウ材とともにヘッド本体部とヘッドパーツとを局所的に加熱してロウ材を溶融させる。このとき、好ましくは、ヘッド本体や上記接合部の酸化を抑制するため、当該接合部の表面および裏面からAr等の不活性ガスを吹き付ける。その結果、ヘッド本体部やヘッドパーツの全体にロウ接合のための熱影響が及ぶのを回避しながら、ロウ接合によるヘッド本体部や各パーツの強度等の特性劣化を回避することができる。なお、ロウ材を接合部に供給しながらロウ材を溶融させるようにしてもよい。
本実施の形態では、クラウンパーツ2aの接合の際には、ヘッド本体部とクラウンパーツ2aとの接合部に銀ロウ(BAg−8:72%Ag−28%Cu)を供給しながら、図5に示すように、銀ロウとともに、ヘッド本体部とクラウンパーツ2aとの接合部を局所的に加熱することで、銀ロウを溶融させる。より詳しくは、ロウ材供給器7aからワイヤ状あるいはペースト状の銀ロウを接合部に供給しながら、加熱器7からレーザを銀ロウに照射し、銀ロウとともに、レーザヘッド本体部とフェースパーツ3aとの接合部を加熱し、銀ロウを溶融させる。このようにロウ材とともに接合部をもレーザで加熱することで、接合部におけるロウ材の濡れ性を向上することができる。図5の例では、予熱器8で接合部(母材)を予め加熱しているが、このように接合部(母材)を予熱することにより銀ロウを効率的に溶融させることができる。なお、レーザを照射可能な予熱器8を採用し、該予熱器8から接合部(母材)にレーザを照射し、接合部(母材)を予め加熱するようにしてもよい。しかし、この予熱工程は省略可能である。
他方、フェースパーツ3aをヘッド本体部に接合する際には、ヘッド本体部とフェースパーツ3aとの接合部にペースト状の銀ロウを塗布する等して供給し、図6に示すように加熱器7からレーザを銀ロウに照射する。それにより、銀ロウとともに、ヘッド本体部とフェースパーツ3aとの接合部を局所的に加熱し、銀ロウを溶融させる。
上記のようにレーザをロウ材に照射してロウ材とともに上記接合部を局所的に加熱する場合には、ヘッド本体部と各パーツとを治具等で固定する必要がなくなるので、治具等による煩雑な固定作業を省略することができる。したがって、作業性を格段に向上することができる。また、治具等による固定の程度のバラツキによる品質のバラツキをも回避することができる。さらに、治具等による固定を考慮する必要がないので、治具等による固定が困難な各パーツの形状をも選択することができ、各パーツの形状に対する制限を緩和することもできる。よって各パーツの設計の自由度をも向上することできる。
ここで、ゴルフクラブヘッド1の各パーツ同士の接合手法について、図8と図9を用いてより詳しく説明する。
図8に示すように、部材10a,10bの端部同士を突合せた状態でロウ材11を突合せ部12に供給し、このロウ材11を突合せ部12で溶融させることで、ロウ材11を介して部材10a,10bを接合(突合せ接合)してもよい。また、図9に示すように、部材10c,10dの端部同士を重ね合せた状態でロウ材11を重ね合せ部13に供給し、このロウ材11を重ね合せ部13で溶融させることで、ロウ材11を介して部材10c,10dを接合(重ね合せ接合)することも可能である。
ヘッド本体部とクラウンパーツ2aとの接合の際には、たとえばヘッド本体部の周縁部と、クラウンパーツ2aの周縁部とを突合せた状態(図8参照)で、この突合せ部にワイヤ状のロウ材を供給し、このロウ材を突合せ部で溶融させればよい。他方、フェースパーツ3aをヘッド本体部に接合する際には、ヘッド本体部の周縁部と、フェースパーツ3aの周縁部とを重ね合せた状態(図9参照)で、この重ね合せ部にペースト状のロウ材を塗布する等して供給し、このロウ材を重ね合せ部で溶融させればよい。なお、上記の突合せ接合と重ね合せ接合との双方を適宜組合せて採用することもできる。
加熱器7としては、レーザ溶接ヘッドのようにレーザを照射可能な加熱器具を使用可能であるが、ヘッド本体部と各パーツとの接合部を局所的に加熱できるものであれば、これ以外の任意の加熱装置を採用可能である。
次に、上記加熱器7を用いて、銀ロウ(BAg−8)を溶融させる場合の具体的条件を例示する。
上記加熱器7を用いて銀ロウ(BAg−8)を溶融させるには、突合せ接合の場合には、たとえばレーザ速度を3mm/sとし、銀ロウ(BAg−8)の供給速度を20mm/sとし、レーザ出力を400〜500Wとすればよい。重ね合せ接合の場合、レーザ速度を3mm/sとし、レーザ出力を500Wとすればよい。なお、銀ロウ(BAg−8)は、塗布しておけばよい。また、重ね代は3mm、重ね合せ部の厚みは1mmでよい。
図14に、銀ロウ(BAg−8)の供給速度を20mm/sとした場合の、レーザ速度とレーザ出力との関係を示す。なお、この図14では、チタン合金(α−βチタン)の板材と、ステンレス鋼(SUS630)の板材とを、銀ロウ(BAg−8)を用いて突合せ接合する場合の、レーザ速度とレーザ出力との関係を示している。
図14に示すように、レーザ速度やレーザ出力により、板材間におけるロウ材の充填の程度が変化するのがわかる。この結果から、下記の表1のような条件が、上記突合せ接合の適切な条件であると考えられる。
Figure 2008136856
なお、ロウ材の供給速度は20mm/s以外の値とすることも可能であり、この場合には、上記レーザ速度等の他の条件を変更すべき場合もあるものと考えられる。
ここで、再び図7を参照して、上述のようにロウ材を加熱して溶融させた後、ロウ材を硬化させる。典型的には、接合部を冷却することでロウ材を硬化させることができる。それにより、ヘッド本体部とヘッドパーツとの接合することができる(ステップS4)。
上記の各工程を経てゴルフクラブヘッド1の各パーツを接合した後、表面を研磨する等の表面処理や塗装等の各種処理を施すことで、図1〜図3に示すゴルフクラブヘッド1を作製することができる。
次に、本実施の形態の接合手法による接合部の構造例について、図10(a)〜(e)を用いて説明する。なお、この図10(a)〜(e)には、チタン合金(α−βチタン)の板材と、ステンレス鋼(SUS630)の板材とを、銀ロウ(BAg−8)を用いて突合せ接合した場合の接合構造例を示している。
図10(a)は、レーザ速度が4.5mm/s、レーザ出力が400W、銀ロウ(BAg−8)の供給速度が20mm/sの場合の接合部の断面構造を示し、図10(b)は、レーザ速度が4mm/s、レーザ出力が350W、銀ロウ(BAg−8)の供給速度が20mm/sの場合の接合部の断面構造を示し、図10(c)は、レーザ速度が3mm/s、レーザ出力が400W、銀ロウ(BAg−8)の供給速度が20mm/sの場合の接合部の断面構造を示し、図10(d)は、レーザ速度が3mm/s、レーザ出力が350W、銀ロウ(BAg−8)の供給速度が20mm/sの場合の接合部の断面構造を示し、図10(e)は、レーザ速度が4mm/s、レーザ出力が400W、銀ロウ(BAg−8)の供給速度が20mm/sの場合の接合部の断面構造を示している。
図10(a)〜(e)に示すように、いずれの条件においても、ロウ材(銀ロウ(BAg−8))11を介して、チタン合金(α−βチタン)の板材と、ステンレス鋼(SUS630)の板材とを接合することができることがわかる。
ここで、従来の一般的なロウ付け(加熱炉での加熱により行なうロウ付け)により、チタン合金(α−βチタン)の板材と、ステンレス鋼(SUS630)の板材とを接合した場合と、本実施の形態の手法で、チタン合金(α−βチタン)の板材と、ステンレス鋼(SUS630)の板材とを接合した場合との構造上の相違点について図15と図16を用いて説明する。
図15に、上記一般的なロウ付けにより、チタン合金(α−βチタン)の板材と、ステンレス鋼(SUS630)の板材とを接合した場合の接合部の断面構造を示し、図16に、本実施の形態の手法により、チタン合金(α−βチタン)の板材と、ステンレス鋼(SUS630)の板材とを接合した場合の接合部の断面構造を示す。
図15に示すように、従来の一般的なロウ付けの場合には、チタン合金製の部材10aとロウ材11との間に、厚い金属間化合物生成層14が形成されているのがわかる。そのため、接合部の強度が低下してしまう。それに対し、図16に示すように、本実施の形態の手法を採用することにより、金属間化合物生成層14の厚みが薄くなっているのがわかる。本実施の形態の手法によれば、上記のように金属間化合物生成層14の厚みを薄くすることができるので、接合部の強度を向上することができる。
なお、ステンレス鋼の表面にフラックスを塗布することで、レーザ出力を比較的低くしても(300W〜400W程度)各板材同士を突合せ接合することができる。また、レーザ出力が過剰となると、母材が溶融し易くなることも判明している。
次に、本発明の思想をアイアン型のゴルフクラブヘッド1に適用した場合について、図11〜図13を用いて説明する。
図11図〜13に示すアイアン型のゴルフクラブヘッド1は、フェース部3と、トップエッジ部と、トウ部と、ヒール部と、ソール部5とを備える。
図11および図12の例では、ゴルフクラブヘッド1は、ヘッド本体部と、ヘッドパーツ(フェースパーツ3a、ソールパーツ5a:錘部材)とを備える。ヘッド本体部は、軟鉄製であり、フェースパーツ3aはα−βチタン製で3.0mm程度の厚みを有し、ソールパーツ5aはタングステン合金製である。
ヘッド本体部は、フェース開口部3bを有し、該フェース開口部3bにフェースパーツ3aを接合する。それにより、フェースパーツ3aの外周に沿って延びる接合部6cを介してヘッド本体部にフェースパーツ3aを接合することができる。
また、ヘッド本体部は、ソール部5にソール開口部5bを有し、該ソール開口部5bにソールパーツ5aを接合する。それにより、ソールパーツ5aの外周に沿って延びる接合部6dを介してヘッド本体部にフェースパーツ3aを接合することができる。なお、ソールパーツ5aは錘部材として機能するものであれば、その厚みや形状等は任意に選択可能である。
図11および図12に示すゴルフクラブヘッド1を作製するには、たとえば鍛造等により、ヘッド本体部とフェースパーツ3aとを作製し、粉末冶金等の手法でソールパーツ5aを作製する。なお、予め作製されたヘッド本体部等を準備してもよい。前述のウッドゴルフクラブヘッドの場合も同様である。そして、ウッドゴルフクラブヘッドの場合と同様の手法で、ヘッド本体部に各パーツを接合すればよい。
具体的には、フェースパーツ3aをヘッド本体部に接合するには、ヘッド本体部におけるフェース開口部3bにフェースパーツ3aを装着した状態で、ヘッド本体部とフェースパーツ3aとの接合部にロウ材を供給し、常温雰囲気で、ロウ材とともに、ヘッド本体部とフェースパーツ3aとの接合部またはその近傍を選択的に加熱して、ロウ材を溶融させればよい。このとき、ヘッド本体や上記接合部の酸化を抑制するため、当該接合部の表面および裏面からAr等の不活性ガスを吹き付けることが好ましい。
ソールパーツ5aをヘッド本体部に接合するには、ヘッド本体部におけるソール開口部5bにソールパーツ5aを装着した状態で、ヘッド本体部とソールパーツ5aとの接合部にロウ材を供給し、常温雰囲気で、ロウ材とともに、ヘッド本体部とソールパーツ5aとの接合部またはその近傍を選択的に加熱して、ロウ材を溶融させればよい。ソールパーツ5aを接合するためのロウ材として銀ロウ(BAg−8)を用いる場合、該銀ロウを溶融させるには、たとえば、レーザ速度を3mm/s、レーザ出力を500W、銀ロウの供給速度を20mm/sとすればよい。
上記のようにしてロウ材を溶融させた後、ロウ材を硬化させることにより、各パーツをヘッド本体部に接合することができる。なお、上記フェースパーツ3aとソールパーツ5aは、いずれを先にヘッド本体部に接合してもよい。
上記の各工程を経てゴルフクラブヘッドの各パーツを接合した後、表面を研磨する等の表面処理や塗装等の各種処理を施すことで、図11や図12に示すゴルフクラブヘッド1を作製することができる。
本例の場合も、ゴルフクラブヘッドの各パーツを局所的に加熱するだけでよいので、各パーツの全体にロウ接合のための熱影響が及ぶのを回避することができ、ロウ接合による各パーツの強度等の特性劣化を回避することができる。
図13に示すように、ソール部5に、複数のソールパーツ5aを接合してもよい。それにより、各ソールパーツ5aの外周に沿って延びる接合部6eを介して各ソールパーツ5aをヘッド本体部に接合することができる。本例の場合も、図11や図12に示すゴルフクラブヘッド1の場合と同様の手法で、各パーツをヘッド本体部に接合することができ、図13に示すタイプのゴルフクラブヘッド1を作製することができる。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、上記の実施の形態の各構成要素は、全てが必須のものであるとは限らず、一部の構成要素を省略可能な場合があることも当初から予定している。
また、今回開示した実施の形態はすべての点での例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
本発明の1つの実施の形態におけるゴルフクラブヘッドの平面図である。 図1に示すゴルフクラブヘッドをフェース部側から見た側面図である。 図1に示すゴルフクラブヘッドをトウ部側から見た側面図である。 図1に示すゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。 ヘッド本体部へのクラウンパーツの接合手法を説明するための図である。 ヘッド本体部へのフェースパーツの接合手法を説明するための図である。 本発明の1つの実施の形態のゴルフクラブヘッドの製造工程における各工程を示すフロー図である。 突合せロウ接合法の一例を示す図である。 重ね合せロウ接合法の一例を示す図である。 (a)〜(e)は、突合せロウ接合法により得られた接合部の構造例を示す断面図である。 ヘッド本体部へのフェースパーツの接合手法を説明するための図である。 ヘッド本体部へのソールパーツの接合手法を説明するための図である。 ヘッド本体部へのソールパーツの接合手法を説明するための図である。 レーザ速度とレーザ出力との関係を示す図である。 従来の一般的なロウ付けにより、チタン合金(α−βチタン)の板材と、ステンレス鋼(SUS630)の板材とを接合した場合の接合部の部分断面図である。 本発明の実施の形態の手法により、チタン合金(α−βチタン)の板材と、ステンレス鋼(SUS630)の板材とを接合した場合の接合部の部分断面図である。
符号の説明
1 ゴルフクラブヘッド、2 クラウン部、2a クラウンパーツ、2b クラウン開口部、3 フェース部、3a フェースパーツ、3b フェース開口部、4 サイド部、5 ソール部、5a ソールパーツ、5b ソール開口部、6a〜6e 接合部、7 加熱器、7a ロウ材供給器、8 予熱器、9 バック部、10a〜10d 部材、11 ロウ材、12 突合せ部、13 重ね合せ部、14 金属間化合物生成層。

Claims (7)

  1. ロウ材によって互いに接合される第1と第2パーツを含むゴルフクラブヘッドの製造方法であって、
    前記第1と第2パーツの接合部に前記ロウ材を供給する工程と、
    前記ロウ材とともに前記第1と第2パーツの接合部またはその近傍に選択的にレーザを照射して加熱することで、前記ロウ材を溶融させる工程と、
    前記ロウ材を硬化させることで前記第1と第2パーツを接合する工程と、
    を備えた、ゴルフクラブヘッドの製造方法。
  2. ロウ材によって互いに接合される第1と第2パーツを含むゴルフクラブヘッドの製造方法であって、
    前記第1と第2パーツの接合部に前記ロウ材を供給しながら、前記ロウ材とともに前記第1と第2パーツの接合部またはその近傍に選択的にレーザを照射して加熱することで前記ロウ材を溶融させる工程と、
    前記ロウ材を硬化させることで前記第1と第2パーツを接合する工程と、
    を備えた、ゴルフクラブヘッドの製造方法。
  3. 前記第1と第2パーツの接合部は、前記第1と第2パーツの端部同士を重ね合せた重ね合せ部を含み、
    当該重ね合せ部上に前記ロウ材を供給する、請求項1または請求項2に記載のゴルフクラブヘッドの製造方法。
  4. 前記第1と第2パーツの接合部は、前記第1と第2パーツの端部同士を突合せた突合せ部を含み、
    当該突合せ部上に前記ロウ材を供給する、請求項1または請求項2に記載のゴルフクラブヘッドの製造方法。
  5. 前記ロウ材を溶融させる工程の前に、前記第1と第2パーツの接合部を予め加熱する工程を備えた、請求項1から請求項4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドの製造方法。
  6. 前記第1と第2パーツの接合部またはその近傍にレーザを照射することで前記接合部を予め加熱する、請求項5に記載のゴルフクラブヘッドの製造方法。
  7. 前記ロウ材を溶融させる工程を常温雰囲気で行なう、請求項1から請求項6のいずれかに記載のゴルフクラブヘッドの製造方法。
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