JP2008135130A - 光ディスク検査装置および光ディスク検査方法 - Google Patents

光ディスク検査装置および光ディスク検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光ディスクに生じたトラッキング阻害要因を簡易な構成で確実に検出すること。
【解決手段】光ディスク1に形成されているトラックに対して光を照射する光学系(対物レンズ15)と、光学系を駆動する駆動手段(RTA16,ATA17)と、駆動手段を制御してトラック上に光が照射されるように制御する制御手段(サーボ回路29,30)と、駆動手段に印加されるトラッキング駆動信号を取得するトラッキング駆動信号取得手段(トラッキング阻害要因検出回路40)と、光のトラックからのずれを示すトラッキングエラー信号を制御手段から取得するトラッキングエラー信号取得手段(トラッキング阻害要因検出回路40)と、トラッキング駆動信号とトラッキングエラー信号とに基づいて、光ディスクに存在するトラッキング阻害要因を検出する検出手段(トラッキング阻害要因検出回路40)と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ディスク検査装置および光ディスク検査方法に関する。
CDまたはDVD等の光ディスクは、金型原盤としてのスタンパによって樹脂を射出成形することによって形成される。
ところで、このような方法によって光ディスクを製造する場合、例えば、樹脂中に気泡が混入することによりいわゆるエアバブルが生じたり、スタンパの不良によってトラックが剥離したり、スタンパまたは樹脂にゴミが付着することにより光ディスク中にゴミが混入したりする場合がある。これらの事象はトラッキングを阻害する要因(トラッキング阻害要因)となって、トラッキングを円滑に行うことができなくなる。
特に、記録が可能な光ディスクにおいて、高速での書き込みを実行するためには、これらの阻害要因の有無が速度を決定する重要な要素となる。したがって、高速での書き込みを保証するためには、これらの阻害要因を確実に検出して、当該要因を有する光ディスクを出荷しないようにする必要が生じる。
特許文献1には、これらのトラッキング阻害要因を検出する技術が示されている。
特許文献1に示す技術では、光学系から照射され、光ディスクのディスク面によって反射された光の一部をハーフミラーによって抽出し、抽出した光の光量の変化を検出することによって、上述したトラッキング阻害要因を検出する。
特開昭60−5440号公報(要約書、請求項)
ところで、特許文献1に示す技術では、前述したハーフミラーおよび光量の変化を検出するフォトディテクタを設ける必要が生じるとともに、フォトディテクタによって検出された信号を処理する処理回路が必要になる。このため、これらの追加的な構成要素によって、装置の構成が複雑となってしまうという問題点がある。
一方、他の方法として、光ディスクのトラックを再生装置によってトレースした際に、光学系による光の照射位置と、光ディスク上のトラックとの間の位置のずれを示すトラッキングエラー信号を参照して、上述したトラッキング阻害要因を検出する方法がある。しかしながら、トラッキングエラー信号は、再生装置のサーボの特性の影響を受けるため、再生装置の種類によってトラッキング阻害要因が検出されたり、されなかったりする。このため、検出された阻害要因の信頼性が低いという問題点がある。
本発明は、上記の事情に基づきなされたもので、その目的とするところは、光ディスクに生じたトラッキング阻害要因を簡易な構成で確実に検出することが可能な光ディスク検査装置および光ディスク検査方法を提供することである。
上述の目的を達成するため、本発明の光ディスク検査装置は、光ディスクに形成されているトラックに対して光を照射する光学系と、光学系を駆動する駆動手段と、駆動手段を制御してトラック上に光が照射されるように制御する制御手段と、制御手段から駆動手段に印加されるトラッキング駆動信号を取得するトラッキング駆動信号取得手段と、光学系が照射する光のトラックからのずれを示すトラッキングエラー信号を制御手段から取得するトラッキングエラー信号取得手段と、トラッキング駆動信号と、トラッキングエラー信号とに基づいて、光ディスクに存在するトラッキング阻害要因を検出する検出手段と、を有することを特徴とする。このため、光ディスクに生じたトラッキング阻害要因を簡易な構成で確実に検出することが可能な光ディスク検査装置を提供することができる。
また、他の発明の光ディスク検査装置は、上述の発明に加えて、トラッキング駆動信号は、光ディスクのラジアル方向に光学系を駆動するためのラジアルトラッキング駆動信号を有し、トラッキングエラー信号は、光ディスクのラジアル方向における照射位置のずれを示すラジアルトラッキングエラー信号を有し、検出手段は、ラジアルトラッキング駆動信号およびラジアルトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング阻害要因を検出するようにしている。このため、サーボ系の特性に拘わらず、光ディスクのラジアル方向におけるトラッキング阻害要因を確実に検出することができる。
また、他の発明の光ディスク検査装置は、上述の発明に加えて、トラッキング駆動信号は、光ディスクのアキシャル方向に光学系を駆動するためのアキシャルトラッキング駆動信号を有し、トラッキングエラー信号は、光ディスクのアキシャル方向における照射位置のずれを示すアキシャルトラッキングエラー信号を有し、検出手段は、アキシャルトラッキング駆動信号およびアキシャルトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング阻害要因を検出するようにしている。このため、サーボ系の特性に拘わらず、光ディスクのアキシャル方向におけるトラッキング阻害要因を確実に検出することができる。
また、他の発明の光ディスク検査装置は、上述の発明に加えて、検出手段は、トラッキング駆動信号の信号レベルと、光学系の変位量との関係を示す特性に基づいて、トラッキング駆動信号を補正する補正手段と、補正手段によって補正されたトラッキング駆動信号と、トラッキングエラー信号とを加算する加算手段と、加算手段による加算処理によって得られた信号から所定の信号を抽出する抽出手段と、を有するようにしている。このため、対物レンズ等の光学系の特性に影響されることなく、トラッキング阻害要因を確実に検出することができる。
また、他の発明の光ディスク検査装置は、上述の発明に加えて、抽出手段は、加算手段による加算処理によって得られた信号を2回微分し、微分によって得られた信号から所定の周波数帯域の信号を抽出するようにしている。このため、加速度成分を生成し、そこから所定の周波数帯域の信号を抽出することにより、トラッキングエラーを生じる原因となるトラッキング阻害要因を確実に検出することができる。
また、他の発明の光ディスク検査装置は、上述の発明に加えて、検出手段は、トラッキング駆動信号と、トラッキングエラー信号を1回微分して所定の係数を乗じて得られた信号と、トラッキングエラー信号を2回微分して所定の係数を乗じて得られた信号と、を加算し、得られた信号から所定の周波数帯域の信号を抽出するようにしている。このため、トラッキング駆動信号の信号レベルと、光学系の変位量との関係を示す回路が不要となるため、回路を簡易化することができる。
また、本発明の光ディスク検査方法は、光ディスクに形成されているトラックに対して光を照射する光学系と、光学系を駆動する駆動手段と、駆動手段を制御してトラック上に光が照射されるように制御する制御手段と、を有する光ディスク検査装置の検査方法において、制御手段から駆動手段に印加されるトラッキング駆動信号を取得し、光学系が照射する光のトラックからのずれを示すトラッキングエラー信号を制御手段から取得し、トラッキング駆動信号と、トラッキングエラー信号とに基づいて、光ディスクに存在するトラッキング阻害要因を検出するようにしている。このため、光ディスクに生じたトラッキング阻害要因を簡易な構成で確実に検出することが可能な光ディスク検査方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下では、(A)本発明の実施の形態の構成例、(B)本発明の実施の形態の動作の概要、(C)本発明の実施の形態の動作の詳細、および、(D)変形実施の態様の順に説明する。
(A)本発明の実施の形態の構成例
図1は、本発明の実施の形態に係る光ディスク検査装置の構成例を示す図である。この図に示すように、本発明の実施の形態に係る光ディスク検査装置10は、制御回路11、レーザダイオード12、スピンドルモータ13、ビームスプリッタ14、対物レンズ15、ラジアルトラッキングアクチュエータ(RTA(Radial Tracking Actuator))16、アキシャルトラッキングアクチュエータ(ATA(Axial Tracking Actuator))17、フォトダイオード18、ラジアルトラッキングエラー(RTE)信号生成回路25、アキシャルトラッキングエラー(ATE)信号生成回路26、A/D(Analog to Digital)変換回路27,28、サーボ回路29,30、D/A(Digital to Analog)変換回路31,32、トラッキング阻害要因検出回路40を主要な構成要素としており、光ディスク1に生じているトラッキング阻害要因を検出する。
ここで、光ディスク1は、例えば、CD−R(Compact Disk Recordable)、CD−RW(Rewritable)、DVD−R(Digital Versatile Disk Recordable)、DVD+R、DVD−RW、DVD+RW、または、これらの2層式または両面式のディスク型記録媒体である。これらの光ディスク1は、例えば、有機色素にレーザ光を照射して昇華させることによりピットを形成して情報を記録したり、相変化材料にレーザ光を照射して結晶または非結晶の相を変化させることによりピットを形成して情報を記録したりする。なお、光ディスク1には、レーザ光を案内するためのプリグルーヴ(Pregroove)が形成されている。光ディスク検査装置10は、当該プリグルーヴに記録されている情報に基づいて、トラッキング制御を行う。
制御回路11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、I/F(Interface)等によって構成され、レーザダイオード12、スピンドルモータ13、および、光ディスク検査装置10のその他の部分を制御する。
レーザダイオード12は、制御回路11の制御に応じてレーザ光を発生してビームスプリッタ14に対して射出する。なお、レーザダイオード12は、APC(Auto Power Control)等の方法によって、出力されるレーザ光の強度が一定となるように制御されている。
スピンドルモータ13は、制御回路11の制御に応じて、CLV(Constant Linear Velocity)方式、CAV(Constant Angular Velocity)方式、ZCLV(Zoned CLV)方式、または、ZCAV(Zoned CAV)方式に基づいて、光ディスク1を回転駆動する。
ビームスプリッタ14は、レーザダイオード12から照射された光を反射して対物レンズ15に入射するとともに、光ディスク1の記録面(情報が記録されている面)で反射された光を透過してフォトダイオード18に入射する。
光学系としての対物レンズ15は、レーザダイオード12から照射され、ビームスプリッタ14によって反射されたレーザ光を光ディスク1上に形成された所定のトラックに対して合焦させる。合焦されたレーザ光のうち、光ディスク1の記録面において反射されたレーザ光は、対物レンズ15を介してビームスプリッタ14に入射される。
駆動手段としてのラジアルトラッキングアクチュエータ16は、D/A変換回路31から供給されるラジアルトラッキング駆動信号(RTD)信号に基づいて対物レンズ15をラジアル方向(トラックに直交する方向)に駆動し、レーザ光がトラックに沿って移動するように調整する。具体的には、例えば、中心軸からずれた位置に対物レンズ15が形成された軸摺回動型の場合には、ラジアルトラッキングアクチュエータ16は、中心軸を中心として対物レンズ15を回動させることにより、ラジアル方向のトラッキング制御を行う。また、対物レンズ15がヒンジによって支持されたヒンジ型の場合には、ラジアルトラッキングアクチュエータ16は、ヒンジを中心として対物レンズ15を回動させることによりラジアル方向のトラッキング制御を行う。
駆動手段としてのアキシャルトラッキングアクチュエータ17は、D/A変換回路32から供給されるアキシャルトラッキング駆動信号(ATD信号)に基づいて対物レンズ15をアキシャル方向(光軸方向)に駆動し、レーザ光がトラック上に正確に合焦するように調整する。具体的には、例えば、前述した軸摺回動型の場合には、アキシャルトラッキングアクチュエータ17は、前述した中心軸に沿って対物レンズ15を移動させることにより、アキシャル方向(いわゆるフォーカシング方向)のトラッキング制御を行う。また、前述したヒンジ型の場合には、アキシャルトラッキングアクチュエータ17は、ヒンジを湾曲させるように対物レンズ15を移動させることによりアキシャル方向のトラッキング制御を行う。
フォトダイオード18は、4つの受光素子18a〜18dによって構成され、光ディスク1の記録面で反射され、ビームスプリッタ14を透過したレーザ光を受光して、それぞれの受光素子18a〜18dに入射された光の光量に応じた電気信号を出力する。
ラジアルトラッキングエラー信号生成回路25は、受光素子18a〜18dの出力信号に基づいてラジアルトラッキングエラー(RTE)信号を生成する。生成されたラジアルトラッキングエラー信号は、A/D変換回路27と、トラッキング阻害要因検出回路40に供給される。
アキシャルトラッキングエラー信号生成回路26は、受光素子18a〜18dの出力信号に基づいてアキシャルトラッキングエラー(ATE)信号を生成する。生成されたアキシャルトラッキングエラー信号は、A/D変換回路28と、トラッキング阻害要因検出回路40に供給される。
A/D変換回路27は、ラジアルトラッキングエラー信号生成回路25の出力信号(アナログ信号)を対応するディジタル信号に変換して出力する。A/D変換回路28も同様に、アキシャルトラッキングエラー信号生成回路26の出力信号(アナログ信号)を対応するディジタル信号に変換して出力する。
制御手段としてのサーボ回路29は、ディジタル化されたラジアルトラッキングエラー信号に対して、振幅および位相の補償処理を実行する。これにより、ラジアルトラッキングアクチュエータ16が発振することなく適切に駆動され、ラジアルトラッキングエラーを解消するように対物レンズ15が駆動される。
制御手段としてのサーボ回路30も同様に、ディジタル化されたアキシャルトラッキングエラー信号に対して、振幅および位相の補償処理を実行する。これにより、アキシャルトラッキングアクチュエータ17が発振することなく適切に駆動され、アキシャルトラッキングエラーを解消するように対物レンズ15が駆動される。
D/A変換回路31は、サーボ回路29から出力される信号(ディジタル信号)を対応するアナログ信号に変換して出力する。D/A変換回路31から出力されたアナログ信号としてのラジアルトラッキング駆動信号(RTD信号)は、ラジアルトラッキングアクチュエータ16とトラッキング阻害要因検出回路40に供給される。
D/A変換回路32は、サーボ回路30から出力される信号(ディジタル信号)を対応するアナログ信号に変換して出力する。D/A変換回路32から出力されたアナログ信号としてのアキシャルトラッキング駆動信号(ATD信号)は、アキシャルトラッキングアクチュエータ17とトラッキング阻害要因検出回路40に供給される。
トラッキング阻害要因検出回路40は、ラジアル方向およびアキシャル方向のそれぞれについて、トラッキング阻害要因を検出する。なお、検出された結果は、例えば、図示せぬ表示装置に表示させたり、図示せぬパーソナルコンピュータに転送して、当該パーソナルコンピュータに接続されている表示装置に表示させたりすることができる。
図2は、図1に示すトラッキング阻害要因検出回路40を構成する回路のうち、アキシャルトラッキングに関する回路の詳細な構成例を示す図である。図2に示すように、トラッキング阻害要因検出回路40のアキシャルトラッキングに関する回路は、フィルタ50、定数倍回路51、加算回路52、微分回路53,54、抽出回路55、および、判定回路56を主要な構成要素としている。なお、ラジアルトラッキングに関する回路も同様の回路構成とされているので、ここでは、アキシャルトラッキングに関する回路を例に挙げて説明する。
ここで、トラッキング駆動信号取得手段および補正手段としてのフィルタ50は、アキシャルトラッキングアクチュエータ17を含む電気系と、対物レンズ15その他の機械系とを電気的な等価回路によって表したものであり、アキシャルトラッキング駆動信号が入力されると、対物レンズ15のアキシャル方向の変位に対応する信号を生成して出力する。
図3は、対物レンズ15を含む機械系と、電気系であるアキシャルトラッキングアクチュエータ17との電気的な等価回路を示している。なお、この等価回路は、力を電圧に対応させ、速度を電流に対応させる力−電圧法に基づいている。ここで、Zetは、機械系を自由にした場合に(対物レンズ15を自由にした場合に)、アキシャルトラッキングアクチュエータ17の入力端子から見た電気インピーダンス(自由インピーダンス)を示す。Zeoは、機械系を固定した場合に(対物レンズ15を固定した場合に)、アキシャルトラッキングアクチュエータ17の入力端子から見た電気インピーダンス(固定インピーダンス)を示す。また、中央のトランスは、電気系と機械系を変換する変換器であり、比例定数(力係数)Aによってこれらの系を変換する働きを有する。Zmoは、対物レンズ15に代表される機械系自身が有している内部機械インピーダンスである。Zmlは、例えば、対物レンズ15が振動する際に、音波の放射等によって生じる放射抵抗等の外部負荷機械インピーダンスである。
なお、内部機械インピーダンスZmoを生じる原因となる構成要素(構成部材)としては、対物レンズ15、対物レンズ15が所定の軸方向に可動状態となるように固定する固定部材、対物レンズ15を元の位置に復元させるためのバネ部材等が存在する。ここで、対物レンズ15に代表される可動部分の質量はインダクタンスLに対応付けされ、対物レンズ15を復元させるバネ部材のコンプライアンスはキャパシタンスCに対応付けされ、対物レンズ15が可動する際の機械抵抗(摺動抵抗等)は、電気抵抗Rに対応付けされる。機械系の構成にもよるが、内部機械インピーダンスZmoは、一般的にはLCRの直列回路として表される。
ここで、アキシャルトラッキングアクチュエータ17にアキシャルトラッキング駆動信号が印加されると、Zetに応じた電流Iが流れる。電流Iが流れると機械系にはAIの力が生じることから機械系は速度Vで駆動される。機械系が速度Vで駆動されることにより、電気系には−AVの逆起電力が生じる。図3は、この状態を示している。
図4は、図3に示す等価回路の振幅特性および位相特性の一例を示している。図4(A)は図3に示す等価回路の振幅特性を示している。この図の横軸はアキシャルトラッキング駆動信号の周波数を示し、縦軸は対物レンズ15の振幅を示している。図4(B)は、図3に示す等価回路の位相特性を示している。この図の横軸はアキシャルトラッキング駆動信号の周波数を示し、縦軸は対物レンズ15の位相を示している。この図に示すように、対物レンズ15の振幅特性は、約20Hz付近でピークを有する低域通過特性を有している。また、位相特性は、20Hz付近で位相が90度遅れ、それ以降は180度の遅れに漸近する特性を有している。なお、この図の例は一例であって、機械系および電気系の構成によっては、これ以外の特性となる場合もある。
これらの図から分かるように、アキシャルトラッキング駆動信号をアキシャルトラッキングアクチュエータ17に印加した場合、周波数によって振幅特性および位相特性が変化する。つまり、アキシャルトラッキング駆動信号の電圧と、対物レンズ15の振幅との関係はリニアな比例関係とはならない。そこで、本実施の形態では、アキシャルトラッキング駆動信号に対して、図4と同様の振幅特性および位相特性を有するフィルタをかけることにより、対物レンズ15の実際の移動量に近い値を得ている。
図2に戻って、トラッキングエラー信号取得手段としての定数倍回路51は、アキシャルトラッキングエラー信号を所定の定数K倍した信号を出力する。
加算手段としての加算回路52は、フィルタ50から出力された信号と、定数倍回路51から出力された信号を加算して出力する。
抽出手段の一部としての微分回路53は、加算回路52から出力された信号を微分して出力する。抽出手段の一部としての微分回路54は、微分回路53から出力された信号をさらに微分して出力する。なお、微分回路53,54による2回の微分によって、加速度成分の信号を得ることができる。
抽出手段の一部としての抽出回路55は、微分回路54から出力された信号の中から、所定の周波数帯域の信号(検出しようとするトラッキング阻害要因に関係する信号)を抽出するバンドパスフィルタである。
判定回路56は、抽出回路55によって抽出された信号に基づいて、光ディスク1に存在するトラッキング阻害要因の良否、または、多寡を判定する。
(B)本発明の実施の形態の動作の概要
つぎに、図5を参照して、本発明の実施の形態の動作の概要について説明する。図5の最上段の曲線は、光ディスク1の記録面の断面形状を示している。この図の例では、記録面は、平面ではなく、凹凸を有する形状となっている。凹凸には緩やかに変化する部分と、中央部に存在するように急激に変化する部分とがある。急激に変化する部分は、例えば、前述したエアバブルや、スタンパの不良等によって形成されるものであり、このように急激に変化する凹凸が存在する場合には、サーボ系への外乱となり、トラッキング阻害要因となってしまう。図5の中段の曲線は上段のディスク面を読んだ際の対物レンズ15の動きを示している。対物レンズ15は、サーボ系の制御により、ディスク面の凹凸に応じてアキシャル方向に移動する。しかしながら、対物レンズ15は所定の質量を有することから、記録面に生じた急激に変化する凹凸には追随できない。このため、上段の中央に存在する急激な凹凸に対しては、対物レンズ15は追随できないため、対物レンズ15は緩やかな曲線を描く。図5の下段は、アキシャルトラッキングエラー(ATE)信号を示している。アキシャルトラッキングエラー信号は、一般的には、ディスク面の形状に対物レンズ15が追随できなかった誤差を示しているので、曲線の中央部分に示す急激な凹凸(トラッキング阻害要因)に対応する信号(残留エラー信号)が出力されている。
ところで、従来においては、前述したように、アキシャルトラッキングエラー信号を取り出して、トラッキング阻害要因を検出することが行われていた。しかしながら、アキシャルトラッキングエラー信号は、対物レンズ15がディスク面の形状に追随できなかった誤差を示すことから、例えば、サーボ系の性能が高い場合にはこの誤差成分は少なくなる傾向にあり、逆に、サーボ系の性能が低い場合には誤差成分は多くなる傾向にある。また、サーボ系の性能は、同じ機種でも個体差が存在することから、同じ機種でも出力される誤差が異なる場合がある。したがって、検査結果にばらつきが生じることから、このような方法では、信頼性が高い検査結果を得ることは困難である。
一方、本発明の実施の形態では、アキシャルトラッキング駆動信号から対物レンズ15の動きに対応する信号(対物レンズ15の動きをより忠実に再現した信号)を生成するとともに、当該信号にアキシャルトラッキングエラー信号を加算することで、記録面の形状をより忠実に再現した信号を得る。そして、得られた信号に対して、例えば、微分処理および帯域抽出処理を施すことにより、目的とするトラッキング阻害要因に対応する信号を検出する。
このような方法によれば、サーボ系の性能によらず、一定の検査結果を得ることができる。すなわち、アキシャルトラッキングエラー信号は、対物レンズ15の追従誤差を示すことから、サーボ系の性能が高い場合には誤差は少なく、性能が低い場合には誤差は多くなる。しかしながら、対物レンズ15の動きに対応する信号(アキシャルトラッキング駆動信号から生成した信号)と、アキシャルトラッキングエラー信号とを加算することにより、サーボ系の性能による相違を吸収し、記録面の形状に忠実な信号を得ることができるため、性能の如何によらず、一定の検査結果を得ることができる。
なお、以上では、アキシャル方向を例に挙げて説明したが、ラジアル方向についても同様である。
(C)本発明の実施の形態の動作の詳細
つぎに、本発明の実施の形態の詳細な動作について説明する。まず、検査対象となる光ディスク1が光ディスク検査装置10の図示せぬクランプ部によって把持される。
クランプ部によって光ディスク1が把持されると、制御回路11は、スピンドルモータ13を制御して、例えば、光ディスク1が所定の線速度となるように回転駆動する。また、制御回路11は、レーザダイオード12を制御して一定強度のレーザ光を照射させる。
レーザダイオード12から射出されたレーザ光は、ビームスプリッタ14によって反射され、対物レンズ15によって収束されて、光ディスク1上の所定の領域に合焦される。光ディスク1の記録面では、合焦されたレーザ光が、記録面の形状に応じた強度によって反射され、対物レンズ15を介してビームスプリッタ14に入射される。
ビームスプリッタ14は、光ディスク1によって反射されたレーザ光を透過させ、フォトダイオード18に入射させる。
フォトダイオード18では、入射されたレーザ光を、4つの受光素子18a〜18dによって受光し、それぞれ対応する電気信号に変換する。
ここで、アキシャルトラッキングエラー信号生成回路26は、例えば、非点収差法を用いてアキシャルトラッキングの誤差信号を生成する。また、ラジアルトラッキングエラー信号生成回路25は、DPD(Differential Phase Detection)法を用いてラジアルトラッキングの誤差信号を生成する。詳細を以下に説明する。
図6は、非点収差法の動作の概要を説明する図である。図1に示す実施の形態では、ビームスプリッタ14を透過したレーザ光は、図示せぬシリンドリカルレンズを通過してフォトダイオード18に入射される。シリンドリカルレンズを通過したレーザ光は、対物レンズ15のアキシャル方向の位置が適正である場合には断面形状が略真円となり、位置が近い場合または遠い場合には図示するようにいずれかの方向に傾きを有する楕円となる。
ここで、アキシャルトラッキングエラー信号生成回路26は、受光素子18a〜18dから出力される信号に基づいてアキシャルトラッキングエラー信号を生成する。具体的には、受光素子18a〜18dのそれぞれの出力信号をa〜dとすると、アキシャルトラッキングエラー信号生成回路26は、まず、これらの信号に対して(b+c)−(a+d)の演算を行う。対物レンズ15の位置が適正である場合には、それぞれの受光素子18a〜18dに入射されるレーザ光の面積が等しいことから前述した式の演算結果は“0”となる。一方、位置が近い場合には、受光素子18a,18dに入射されるレーザ光の面積の方が受光素子18b,18cに入射されるレーザ光の面積よりも広いことから、前述した式の演算結果は、マイナスとなる。逆に位置が遠い場合には、これとは逆の状態となるため、演算結果はプラスとなる。したがって、アキシャルトラッキングエラー信号生成回路26は、このような演算結果に基づいてアキシャル方向の誤差信号(アキシャルトラッキングエラー信号)を生成する。
図7は、DPD法の動作の概要を説明する図である。(A)は、トラッキングの状態、すなわち、レーザ光のスポットSと、トラックTとの位置関係を示している。また、(B)は、(A)の位置関係を有する場合のフォトダイオード18に入射されるレーザ光の明暗のパターンを示している。また、(C)は対角上に位置する受光素子18bおよび受光素子18cの出力を加算した信号(対角和信号)の時間的な変化を示し、(D)は他の対角上に位置する受光素子18aおよび受光素子18dの出力を加算した信号(対角和信号)の時間的な変化を示している。(E)は(D)に示す信号をゼロクロス点において2値化した2値化信号である。(F)は(C)に示す信号を同様にして2値化した2値化信号である。(G)は、(E)および(F)の信号に基づいて生成された誤差信号(Δt(DPD)信号)である。
図7の(y)(横方向の中央部)に示すように、スポットSがトラックTの中央部に位置している場合(正常な場合)は、(C),(D)に示すように、対角和信号(b+c),(a+d)の位相は略同じである。一方、(x)に示すように、スポットSがトラックTの中央部分から図中の上方向にずれた場合には、(C)に示す(b+c)の位相の方が(D)に示す(a+d)の位相よりも進んだ状態となる。他方、(z)に示すように、スポットSがトラックTの中央部分から図中の下方向にずれた場合には、(D)に示す(a+d)の位相の方が(C)に示す(b+c)の位相よりも進んだ状態となる。DPD法では、二値化された対角和信号のエッジ(立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジ)と、信号の状態(ハイまたはロー)に基づいて、(G)に示すようなΔt(DPD)信号を生成し、当該信号に基づいてトラッキング制御を行う。
具体的には、例えば、(b+c)の二値化信号の立ち下がりエッジにおいて(a+d)の二値化信号がハイの状態であるか、(b+c)の二値化信号の立ち上がりエッジにおいて(a+d)の二値化信号がローの状態である場合には、(b+c)が(a+d)に比較して進相している状態(図7の(x)の状態)であるので、図7(G)に示すように正のパルス信号を生成する。また、(a+d)の二値化信号の立ち下がりエッジにおいて(b+c)の二値化信号がハイの状態であるか、(a+d)の二値化信号の立ち上がりエッジにおいて(b+c)の二値化信号がローの状態である場合には、(a+d)が(b+c)に比較して進相している状態(図7の(z)の状態)であるので、図7(G)に示すように負のパルス信号を生成する。生成されるパルス信号のデューティー比は、対角和信号同士の位相の進み具合に応じて変化する。したがって、このようにして得られたパルス信号を、所定の遮断特性を有するローパスフィルタによって平滑化処理することで、デューティー比に応じた振幅を有する信号(例えば、図7(G)に破線で示すような信号)を得る。
ラジアルトラッキングエラー信号生成回路25では、前述したような演算が行われ、ラジアルトラッキングエラー信号が生成される。
ラジアルトラッキングエラー信号生成回路25によって生成されたラジアルトラッキングエラー信号は、A/D変換回路27およびトラッキング阻害要因検出回路40に供給される。一方、アキシャルトラッキングエラー信号生成回路26によって生成されたアキシャルトラッキングエラー信号は、A/D変換回路28およびトラッキング阻害要因検出回路40に供給される。
A/D変換回路27は、ラジアルトラッキングエラー信号生成回路25によって生成されたラジアルトラッキングエラー信号を所定の周期でサンプリングし、ディジタル信号に変換してサーボ回路29に供給する。一方、A/D変換回路28は、アキシャルトラッキングエラー信号生成回路26によって生成されたアキシャルトラッキングエラー信号を所定の周期でサンプリングしてディジタル信号に変換し、サーボ回路30に供給する。
サーボ回路29は、A/D変換回路27から供給されたディジタル信号に対して振幅補償処理および位相補正処理を施して、最適な応答特性が得られるようにデータ処理した後、D/A変換回路31に供給する。一方、サーボ回路30は、A/D変換回路28から供給されたディジタル信号に対して振幅補償処理および位相補正処理を施して、最適な応答特性が得られるようにデータ処理した後、D/A変換回路32に供給する。
D/A変換回路31から出力されたラジアルトラッキング駆動信号は、ラジアルトラッキングアクチュエータ16に供給される。ラジアルトラッキングアクチュエータ16は、ラジアルトラッキング駆動信号に応じて対物レンズ15をラジアル方向に移動させ、スポットSがトラックT上を正確にトレースするように制御する。このとき、ラジアルトラッキングアクチュエータ16の電気系および対物レンズ15を含む機械系は、図3に示すものと同様の等価回路によって表され、印加された駆動電圧(ラジアルトラッキング駆動信号)に対して、Zeo、Zmo、Zml、および、Aによって定まる所定の振幅で対物レンズ15が駆動される。対物レンズ15が駆動されると、前述した動作によって、対物レンズ15の位置のずれに応じたラジアルトラッキングエラー信号が生成される。
一方、D/A変換回路32から出力されたアキシャルトラッキング駆動信号は、アキシャルトラッキングアクチュエータ17に供給される。アキシャルトラッキングアクチュエータ17は、アキシャルトラッキング駆動信号に応じて対物レンズ15をアキシャル方向に移動させ、スポットSがトラックT上に正確に合焦するように制御する。このとき、アキシャルトラッキングアクチュエータ17の電気系および対物レンズ15を含む機械系は、図3に示す等価回路によって表され、印加された駆動電圧(アキシャルトラッキング駆動信号)に対して、Zeo、Zmo、Zml、および、Aによって定まる所定の振幅で対物レンズ15が駆動される。対物レンズ15が駆動されると、前述した動作によって、対物レンズ15の位置のずれに応じたアキシャルトラッキングエラー信号が生成される。
ここで、トラッキング阻害要因検出回路40は、以上のようにして生成されたアキシャルトラッキング駆動信号、アキシャルトラッキングエラー信号、ラジアルトラッキング駆動信号、および、ラジアルトラッキングエラー信号を入力する。入力されたこれらの信号のうち、アキシャルトラッキング駆動信号およびアキシャルトラッキングエラー信号は、図2に示す回路に入力される。図2に示す回路では、アキシャルトラッキング駆動信号がフィルタ50に供給され、そこで、図3に示す等価回路と同様の特性を有するフィルタリング処理を受ける。その結果、フィルタ50からは、対物レンズ15の変位を忠実に再現した信号が出力される。
一方、アキシャルトラッキングエラー信号は定数倍回路51に供給される。定数倍回路51は、フィルタ50から出力される信号とスケールを等しくするための定数を乗算して出力する。
加算回路52は、フィルタ50から出力された信号と、定数倍回路51から出力された信号を加算して出力する。前述したように、これらの信号が加算された信号は、光ディスク1の記録面の形状を正確に反映した信号となる。
加算回路52から出力された信号は、微分回路53に入力され、そこで微分処理が施される。その結果、加算回路52から出力された信号のうち位置成分の信号は、速度成分の信号に変換される。
微分回路53から出力された信号は、微分回路54に入力され、そこで微分処理が施される。その結果、微分回路53から出力された信号のうち速度成分の信号は、加速度成分の信号に変換される。
微分回路54から出力された信号は、抽出回路55に入力され、そこで、所定の周波数成分の信号が抽出される。ここで、図5に示すように、トラッキング阻害要因となるのは、図の中央に示すように記録面が急激に変化する部分である。そこで、抽出回路55では、急激に変化する部分に対応する周波数の高い成分を抽出する。なお、加算回路52から出力された信号は、微分回路53,54によって2回の微分処理が施されることから、高周波ノイズ成分を多く含んでいる。そこで、抽出回路55は、目的の周波数以外については減衰させるバンドパスフィルタであることが望ましい。
抽出回路55によって抽出された信号は、判定回路56に供給される。判定回路56は、抽出回路55から供給される信号に基づいて、光ディスク1のディスク面に生じているトラッキング阻害要因の良否、または、多寡等を判定し、判定結果を図示せぬ表示装置またはパーソナルコンピュータ等へ出力する。これにより、光ディスク1に生じているアキシャル方向のトラッキング阻害要因について詳細な情報を得ることができる。なお、トラッキング阻害要因の良否は、検出された信号振幅が所定の閾値を上回るか否かによって判定することができる。また、トラッキング阻害要因の多寡は、例えば、所定の閾値を上回る箇所が所定の閾値以上存在するか否かによって判定することができる。
なお、ラジアル方向についても図2と同様の回路によって信号処理がなされ、ラジアル方向のトラッキング阻害要因に関する情報を得ることができる。
以上に説明したように、本発明の実施の形態に係る光ディスク検査装置10では、ラジアル方向およびアキシャル方向のトラッキングエラー信号(ラジアルトラッキングエラー信号およびアキシャルトラッキングエラー信号)と、対物レンズ15を初めとする機械系および電気系の等価回路であるフィルタによってラジアルトラッキング駆動信号およびアキシャルトラッキング駆動信号を処理した信号をそれぞれ加算するようにした。このため、サーボ系の性能の如何によらず、光ディスク1の記録面の形状を正確に反映した信号を得ることができる。
また、上述した2つの信号を加算処理した信号に対して2回の微分処理および抽出処理を施すようにしたので、検出しようとするトラッキング阻害要因に関する信号を確実に抽出することが可能になる。
また、トラッキングエラー信号については、定数倍回路によって定数倍した後に加算処理するようにしたので、トラッキングエラー信号とフィルタ処理を施された信号のスケールを合わせることにより、光ディスク1の記録面の形状をより正確に再現することができる。
また、抽出回路の周波数帯域を調整することにより、高速での書き込み時において、トラッキングの阻害要因となる要素を検出し、所定の基準を満たしていない光ディスク1については出荷しないようにすれば、全製品について高速書き込みを確実に保証することができる。
ところで、以上の実施の形態では、トラッキング阻害要因検出回路40としては図2に示す回路を用いたが、例えば、図8に示すような回路を用いることも可能である。
この図のトラッキング阻害要因検出回路40Aでは、図2の場合と比較して、フィルタ50が除外され、トラッキングエラー信号取得手段としての微分回路60,61がアキシャルトラッキングエラー信号の入力側に付加されている。また、微分回路60,61の出力側に定数倍回路62,63が付加され、それぞれの出力がトラッキング駆動信号取得手段としての加算回路64に供給されている。
図2の回路から図8への変形は、以下のような思想に基づいている。すなわち、まず、図2の加算回路52の出力側に付加されている微分回路53,54を、入力側へ移動している。ところで、フィルタ50は、例えば、図4に示すような低域通過特性を有している。このような低域通過特性は、少なくとも2つの積分回路によって実現することができる。したがって、アキシャルトラッキング駆動信号側については、出力側から移動された2つの微分回路が、フィルタ50によって相殺されたと考えることができる。一方、アキシャルトラッキングエラー信号側では、移動された2つの微分回路が微分回路60,61として付加されるとともに、特性を調整するための定数倍回路62,63が新たに付加されている。
したがって、図8に示すトラッキング阻害要因検出回路40Aの場合には、図2の場合に比較すると、特性を一部近似するために、図2の回路のような忠実性は保証できないものの、処理の負荷が高いフィルタ50を除外することが可能になるので、処理速度を向上することができる。なお、このような効果は、後述するように、トラッキング阻害要因検出回路40Aをディジタル回路として構成した場合に特に顕著である。
(D)変形実施の態様
なお、以上の各実施の形態は、一例であって、これ以外にも種々の変形実施態様が存在する。例えば、図1に示す実施の形態では、アキシャル方向のトラッキングエラーについては、非点収差法を用いるようにしたが、スポットサイズ法その他の方法を用いることも可能である。また、ラジアル方向のトラッキングエラーについても、DPD法ではなく、3ビーム法またはプッシュプル法等を用いるようにしてもよい。
また、以上の実施の形態では、ラジアルトラッキングエラー信号生成回路25およびアキシャルトラッキングエラー信号生成回路26の出力信号をディジタル信号に一旦変換してからサーボ回路29,30によって振幅および位相の補償処理を施した後、アナログ信号に再度変換するようにした。しかしながら、アナログ信号のままで振幅および位相の補償処理を施すようにしてもよい。
また、トラッキング阻害要因検出回路40は、アナログ信号であるラジアルトラッキング駆動信号、アキシャルトラッキング駆動信号、ラジアルトラッキングエラー信号、および、アキシャルトラッキングエラー信号を読み込んで処理を施すようにしたが、図9に示すように、ディジタル回路として構成されたトラッキング阻害要因検出回路40Dを備えるとともに、A/D変換回路27,28から出力されたディジタル化されたラジアルトラッキングエラー信号およびアキシャルトラッキングエラー信号を読み込み、サーボ回路29,30から出力されたアナログ信号に変換される前のディジタル信号としてのラジアルトラッキング駆動信号およびアキシャルトラッキング駆動信号を利用して処理を施すようにすることも可能である。その場合、図2に示す回路は、ディジタルデータに対する演算処理として実現することができる。
また、図2に示す回路を、例えば、DSP(Digital Signal Processor)によって構成したり、スイッチトキャパシタ回路によって構成したりすることも可能である。
また、図2に示す回路では、加算回路52の出力を2回微分して加速度成分を得るようにし、同様に、図8に示す回路では、アキシャルトラッキングエラー信号を2回微分して加速度成分を得るようにした。しかしながら、微分をせずに位置成分の信号に基づいてトラッキング阻害要因を検出したり、1回の微分による速度成分の信号に基づいてトラッキング阻害要因を検出したりするようにしてもよい。また、3回以上の微分に基づくようにしてもよい。さらに、抽出回路55,65として、急峻な遮断特性を有するバンドパスフィルタまたはローパスフィルタを用いるようにし、その特性に応じて微分の回数を決定するようにしてもよい。また、抽出回路55と、微分回路の順序を入れ替えるようにすることも可能である。すなわち、微分の回数および抽出回路の特性は、注目する阻害要因の種類や、目的に応じて適宜選択または設定することが可能である。
本発明は、例えば、DVD等の光ディスクの検査装置に利用することができる。
本発明の実施の形態の光ディスク検査装置の構成例を示す図である。 図1に示すトラッキング阻害要因検出回路の詳細な構成例を示す図である。 図1に示すアキシャルトラッキングアクチュエータおよび対象レンズを含む機械系の等価回路を示す図である。 (A)は図3に示す等価回路の振幅特性を示し、(B)は図3に示す等価回路の位相特性を示す図である。 本発明の実施の形態の動作の概要を示す図である。 非点収差法によるアキシャル方向のエラー検出の概要を説明する図である。 DPD法によるラジアル方向のエラー検出の概要を説明する図である。 図1に示すトラッキング阻害要因検出回路の他の構成例を示す図である。 図1に示すトラッキング阻害要因検出回路をディジタル回路として構成する場合の例である。
符号の説明
1 光ディスク、10 光ディスク検査装置、15 対物レンズ(光学系)、16 ラジアルトラッキングアクチュエータ(駆動手段)、17 アキシャルトラッキングアクチュエータ(駆動手段)、29,30 サーボ回路(制御手段)、50 フィルタ(トラッキング駆動信号取得手段、補正手段)、51 定数倍回路(トラッキングエラー信号取得手段)、52 加算回路(加算手段)、53,54 微分回路(抽出手段の一部)、55 抽出回路(抽出手段の一部)、60 微分回路(トラッキングエラー信号取得手段)、64 加算回路(トラッキング駆動信号取得手段)

Claims (7)

  1. 光ディスクに形成されているトラックに対して光を照射する光学系と、
    上記光学系を駆動する駆動手段と、
    上記駆動手段を制御して上記トラック上に光が照射されるように制御する制御手段と、
    上記制御手段から上記駆動手段に印加されるトラッキング駆動信号を取得するトラッキング駆動信号取得手段と、
    上記光学系が照射する光の上記トラックからのずれを示すトラッキングエラー信号を上記制御手段から取得するトラッキングエラー信号取得手段と、
    上記トラッキング駆動信号と、上記トラッキングエラー信号とに基づいて、上記光ディスクに存在するトラッキング阻害要因を検出する検出手段と、
    を有することを特徴とする光ディスク検査装置。
  2. 前記トラッキング駆動信号は、前記光ディスクのラジアル方向に前記光学系を駆動するためのラジアルトラッキング駆動信号を有し、
    前記トラッキングエラー信号は、前記光ディスクのラジアル方向における照射位置のずれを示すラジアルトラッキングエラー信号を有し、
    前記検出手段は、前記ラジアルトラッキング駆動信号および前記ラジアルトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング阻害要因を検出することを特徴とする請求項1記載の光ディスク検査装置。
  3. 前記トラッキング駆動信号は、前記光ディスクのアキシャル方向に前記光学系を駆動するためのアキシャルトラッキング駆動信号を有し、
    前記トラッキングエラー信号は、前記光ディスクのアキシャル方向における照射位置のずれを示すアキシャルトラッキングエラー信号を有し、
    前記検出手段は、アキシャルトラッキング駆動信号および前記アキシャルトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング阻害要因を検出することを特徴とする請求項1記載の光ディスク検査装置。
  4. 前記検出手段は、
    前記トラッキング駆動信号の信号レベルと、前記光学系の変位量との関係を示す特性に基づいて、上記トラッキング駆動信号を補正する補正手段と、
    上記補正手段によって補正されたトラッキング駆動信号と、前記トラッキングエラー信号とを加算する加算手段と、
    上記加算手段による加算処理によって得られた信号から所定の信号を抽出する抽出手段と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の光ディスク検査装置。
  5. 前記抽出手段は、前記加算手段による加算処理によって得られた信号を2回微分し、微分によって得られた信号から所定の周波数帯域の信号を抽出することを特徴とする請求項4記載の光ディスク検査装置。
  6. 前記検出手段は、
    前記トラッキング駆動信号と、前記トラッキングエラー信号を1回微分して所定の係数を乗じて得られた信号と、前記トラッキングエラー信号を2回微分して所定の係数を乗じて得られた信号と、を加算し、
    得られた信号から所定の周波数帯域の信号を抽出する、
    ことを特徴とする請求項1記載の光ディスク検査装置。
  7. 光ディスクに形成されているトラックに対して光を照射する光学系と、上記光学系を駆動する駆動手段と、上記駆動手段を制御して上記トラック上に光が照射されるように制御する制御手段と、を有する光ディスク検査装置の検査方法において、
    上記制御手段から上記駆動手段に印加されるトラッキング駆動信号を取得し、
    上記光学系が照射する光の上記トラックからのずれを示すトラッキングエラー信号を上記制御手段から取得し、
    上記トラッキング駆動信号と、上記トラッキングエラー信号とに基づいて、上記光ディスクに存在するトラッキング阻害要因を検出する、
    ことを特徴とする光ディスク検査方法。
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