JP2008133852A - バルブ装置 - Google Patents

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Takashi Mishima
崇司 三島
Nobutaka Kiku
信隆 菊
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

【課題】弁体が開弁動作しにくい場合であっても、弁口を閉鎖している弁体を開弁動作させるのに有利なバルブ装置を提供する。
【解決手段】バルブ装置は、弁口10をもつボディ1と、軸長方向に沿って前進および後退可能に設けられた弁軸2と、弁軸2の前進により弁口10を閉弁し且つ弁軸2の後退により弁口10を開弁する鍔状の弁体3と、弁体3が弁口10を開弁する方向(M2方向)に弁軸2を後退させると共に弁体3が弁口10を閉弁する方向(M1方向)に弁軸2を前進させる駆動機構5とを備えている。開弁時において弁軸2を開弁させる方向に作用する開弁力の作用中心点E1は、弁軸2の径方向において、弁体3の中心線P3に対して偏った位置に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は弁軸と弁軸の先端部に連設された鍔状の弁体とを備えるバルブ装置に関する。
従来、流体の流れを遮断させた流体を供給させたりするバルブ装置が設けられている。バルブ装置は、図13に模式的に示すように、弁口10Xを形成する弁座をもつボディと、ボディの内部で前進および後退可能に設けられた弁軸2Xと、弁軸2Xの先端部に連設された鍔状の弁体3Xと、弁体3Xが弁口10Xを開弁する方向(矢印M2方向)に弁軸2Xを後退させると共に弁体3Xが弁口10Xを閉弁する方向(矢印M1方向)に弁軸2Xを前進させる駆動機構とを備えている。
弁体3Xは、弁軸2Xの矢印M1方向への前進により弁口10Xを閉弁し、且つ、弁軸2Xの矢印M2方向への後退により弁口10Xを開弁する。弁軸2Xの中心線P2と弁体3Xの中心線P3とは、同軸的に設定されている。従って、開弁時において弁軸2Xに作用する開弁力の作用中心点E10は、弁軸2Xの中心線上にある。
バルブ装置の用途として燃料電池システムがある。燃料電池システムの分野では、発電反応により水が生成される傾向にあるため、バルブ装置に残留する水を外部に排出させるために、ボディの底部に水抜き路を形成したバルブ装置が開発されている(特許文献1)。
また、燃料電池システムの運転停止直後に、バルブの上側から乾燥流体を吹き込むと共に、逆止弁の入口に向けて乾燥流体を吹き込み、バルブの内部に乾燥流体を閉じこめる燃料電池システム用のバルブ装置が開発されている(特許文献2)。
特開2006−147455号公報 特開2006−147401号公報
上記したバルブ装置によれば、駆動機構により弁軸2Xが開弁方向(矢印M2方向)に後退すれば、弁体3Xが弁口10Xの弁座11Xから離間し、弁口10Xが開弁される。しかしながら弁体3Xの開弁動作を確実に行わせるためには、駆動機構の駆動力が所定値以上必要である。駆動機構が小型であると、弁体2Xの開弁動作性が充分に得られないおそれがある。
例えば、バルブ装置の弁口10X側が負圧化されている場合には、弁軸2Xの開弁力は負圧に打ち勝たなければ、弁軸2Xの開弁動作性が低下するおそれがある。また、例えば、寒冷地等で、バルブ装置の弁口10Xを形成する弁座11Xに弁体3Xが氷結等により固着する場合があるが、この場合、弁軸2Xの開弁力は氷結等の固着力に打ち勝たなければ、弁体3の開弁動作性が低下するおそれがある。駆動機構が大型化されると、弁体3Xの開弁動作性が増加するが、駆動機構の大型化にはスペース、コスト等の限界がある。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、弁体が開弁動作しにくい場合であっても、弁口を閉鎖している弁体を開弁動作させるのに有利なバルブ装置を提供することを課題とする。
(1)様相1に係るバルブ装置は、(a)入口ポートと、出口ポートと、入口ポートと出口ポートと間に設けられている弁口を形成する弁座をもつボディと、
(b)ボディに軸長方向に沿って前進および後退可能に設けられた弁軸と、
(c)弁軸に連設され弁軸の中心線の回りに縁部をもち弁軸の前進により弁口を閉弁し且つ弁軸の後退により弁口を開弁する鍔状の弁体と、
(d)弁体が弁口を開弁する方向に弁軸を後退させると共に弁体が弁口を閉弁する方向に弁軸を前進させる駆動機構とを具備するバルブ装置において、
(e)開弁時の少なくとも初期において、弁軸に作用する開弁力の作用中心点は、弁軸の径方向において、弁体の中心線に対して偏った位置に設けられていることを特徴とする。
弁座に固着状態に着座している弁体を開弁させる開弁時において、開弁時のうち初期(開弁初期)が弁体を開弁させにくい。様相1によれば、開弁時の少なくとも初期において、弁軸に作用する開弁力の作用中心点は、弁軸の径方向(弁体の径方向)において、弁体の中心線に対して偏った位置に設けられている。このため開弁時の少なくとも初期において、弁体を開弁方向に移動させる開弁力は、弁体の周方向において一様に作用するよりも、局部的に集中して作用する傾向が得られる。弁体のうち開弁力が集中した部分が優先的に開弁される。この場合、開弁時の少なくとも初期に限らず、開弁時の全体にわたり、弁軸に作用する開弁力の作用中心点は、弁軸の径方向(弁体の径方向)において、弁体の中心線に対して偏った位置に設けられていても良い。
本様相によれば、弁体が弁座に固着状態に着座して閉弁している状況のもとでは、時間的にみると、弁体の全体は、弁座から瞬間的に同時に離れるのではなく、弁体の縁部のうち離間し易い部分から、優先して弁座から離れる。このように弁体のうち離間し易い部分から優先して弁座から離れれば、開弁力は、弁体のうちまだ閉弁状態にある残りの部分に集中して作用する傾向が得られ、開弁性が確保される。このように開弁時において、弁体を時間的にずらして少しずつ開弁させる。
このため駆動機構(駆動部)の開弁用の駆動力が大きくないときであっても、また、出口ポートおよび弁口が負圧化されて弁体が開弁しにくい状況のときであっても、また、弁体が弁座に氷結等により固着しているため、弁体が開弁しにくい状況のときであっても、弁体を良好に開弁させることができる。駆動機構は、弁体が弁口を開弁する方向に弁軸を後退させる機能をもつと共に、弁体が弁口を閉弁する方向に弁軸を前進させる機能をもつものであれば何でも良い。駆動機構としては、モータで弁体を直接的または間接的に移動させるモータ機構、シリンダで弁体を直接的または間接的に移動させるシリンダ機構、流体圧室に供給した流体圧で弁体を直接的または間接的に移動させる流体圧室機構等が例示される。間接的とは、他の部材を介してという意味である。
なお、負圧や氷結等が発生していないとき等のように、弁体が弁座に固着状態に閉弁していない状況のもとでは、弁体の縁部の全体は弁座から同時に離れることができる。
(2)様相2に係るバルブ装置によれば、様相1において、弁軸の径方向において弁軸の中心線は弁体の中心線に対して偏芯していることを特徴とする。この場合、開弁時において弁軸に作用する開弁力の作用中心点は、弁軸の径方向において弁体の中心線に対して偏った位置に設けられている。このため様相1で述べた作用が得られる。
このため駆動機構の開弁用の駆動力が大きくないときであっても、また、弁口が負圧化されて弁体が開弁しにくい状況のときであっても、また、弁体が弁座に氷結等により固着しているため、弁体が開弁しにくい状況のときであっても、弁体を良好に開弁させることができる。弁軸の径方向において弁軸の中心線と弁体の中心線との偏芯量をΔDとし、弁体の外径をDとすると、ΔD/D×100=αとすると、α=1〜25に設定されていることが好ましい。ここで、より好ましいαとして、α=1.5〜20、1.5〜10が例示される。αの上限値としては24または20または15または10または5が例示される。各上限値と組み合わせ得るαの下限値としては、1または2または3または4または6が例示される。但しこれらに限定されるものではない。
ここで弁体の外径をDミリメートル(20〜60ミリメートル、30〜50ミリメートル)とし、弁軸の径方向において弁軸の中心線と弁体の中心線との偏芯量をΔDミリメートルとするとき、ΔDとしては0.5〜13ミリメートル、0.5〜10ミリメートル、0.75〜8ミリメートル、1〜5ミリメートルが例示される。但しこれに限定されるものではない。
(3)様相3に係るバルブ装置によれば、様相1において、駆動機構により移動され弁軸に係合し弁軸を前進後退させる係合軸が設けられており、係合軸は、弁軸をこれの前進方向に加圧して弁体を弁口に閉弁させる弁軸前進面と、弁軸をこれの後退方向に引っ張って弁体を弁口から離間させて開弁させる弁軸後退面とを備えており、弁軸は、係合軸の弁軸前進面に対面して係合する弁軸被前進面と、係合軸の弁軸後退面に対面して係合する弁軸被後退面とを備えており、係合軸の弁軸後退面は弁軸の中心線に対して弁軸の径方向において偏った位置に形成されていることを特徴とする。
本様相によれば、係合軸の弁軸前進面は、弁軸の弁軸被前進面をこれの前進方向に加圧して、弁体を弁口に向けて前進させ弁座に着座させ弁口を閉弁させる。また、係合軸の弁軸後退面は、弁軸の弁軸被後退面をこれの後退方向に引っ張って、弁体を弁座から離間させて弁口を開弁させる。
ここで、係合軸の弁軸後退面は、弁軸の中心線に対して弁軸の径方向において偏った位置に形成されている。このため弁軸を弁口から後退させて開弁する開弁時において、弁軸に作用する開弁力の作用中心点は、弁軸の径方向において、弁体の中心線に対して偏った位置に設けられている。このため弁体の開弁時に、弁体の開弁力は、弁体の周方向において一様に作用するよりも、弁体の縁部のうち開弁力の作用中心点に近い側に局部的に集中して作用する傾向が得られる。このため上記した様相1における作用が得られる。
このため駆動機構の開弁用の駆動力が大きくないときであっても、また、出口ポートおよび弁口が負圧化されて弁体が開弁しにくい状況のときであっても、また、弁体が弁座に氷結等により固着しているため、弁体が開弁しにくい状況のときであっても、弁体を良好に開弁させることができる。
(4)様相4に係るバルブ装置によれば、様相1において、駆動機構により前進後退される係合軸と、一端部が係合軸に揺動可能に連結され他端部が弁軸に揺動可能に連結され係合軸および弁軸に対して揺動可能な揺動体とが設けられており、
揺動体は、弁軸をこれの前進方向に加圧して弁体を弁口に閉弁させる弁軸前進位置と、弁軸をこれの後退方向に引っ張って弁体を弁口から離間させて開弁させる弁軸後退位置とを備えており、揺動体の弁軸後退位置は弁軸の中心線に対して弁軸の径方向において偏った位置に形成されていることを特徴とする。
本様相によれば、揺動体が弁軸前進位置に揺動すると、弁軸をこれの前進方向に加圧して、弁体を弁座に着座させ、弁口を閉弁させる。これに対して、揺動体が弁軸後退位置に揺動すると、弁軸をこれの後退方向に引っ張って弁体を弁座から離間させて弁口を開弁させる。ここで、揺動体の弁軸後退位置は、弁軸の径方向において、弁軸の中心線に対して偏った位置に形成されている。このため弁軸を弁口から後退させて開弁する開弁時の少なくとも初期において、弁軸に作用する開弁力の作用中心点は、弁軸の径方向において弁体の中心線に対して偏った位置に設けられている。このため弁体の開弁時の少なくとも初期において、弁体の開弁力は、弁体の周方向において一様に作用するよりも、弁体の縁部のうち開弁力の作用中心点に近い側に集中して作用する傾向が得られる。このため弁体の縁部のうち開弁力の作用中心点に近い側が弁座から離間し易くなり、様相1における作用が得られる。
このため駆動機構の開弁用の駆動力が大きくないときであっても、また、出口ポートおよび弁口が負圧化されて弁体が開弁しにくい状況のときであっても、また、弁体が弁座に氷結等により固着しているため、弁体が開弁しにくい状況のときであっても、弁体を良好に開弁させることができる。
(5)様相5に係るバルブ装置によれば、様相1において、弁軸を前進後退方向に案内する第1案内部が設けられていることを特徴とする。この場合、弁軸と第1案内部の間には、弁軸の中心線を第1案内部の中心線に対して傾斜させる隙間が、弁軸の径方向において形成されている。第1案内部により弁軸は前進後退方向に良好に案内される。隙間により、弁軸の中心線を第1案内部の中心線に対して傾斜させることができる。従って、弁軸を前進後退方向に案内する第1案内部が設けられていたとしても、弁軸の傾きは許容される。
(6)様相6に係るバルブ装置によれば、上記様相において、閉弁時の少なくとも初期において弁軸に作用する閉弁力の作用中心点は、開弁時において弁軸に作用する開弁力の作用中心点よりも、弁軸の径方向において、弁体の中心線の近くに設定されていることを特徴とする。この場合、弁体を閉弁させるとき、弁軸および弁体の全体に閉弁力を均等に作用させるのに有利となる。このため弁体の縁部の全体を弁座に均等に着座させるのに有利となる。故に、閉弁時における着座性のムラおよびシール性のムラが低減される。
本発明に係るバルブ装置によれば、弁体が開弁動作しにくい場合であっても、弁口を閉鎖している弁体を開弁動作させるのに有利となる。これにより弁体の開弁性が良好に維持される。
(実施形態1)
本発明の実施形態1について図1および図2を参照して説明する。図1はバルブ装置の要部を模式的に示す。バルブ装置は、気体状または液体状の流体を遮断・供給させるものである。このバルブ装置は、耐負圧性、耐凍結性等に優れているため、気相状または液相状の水を含む流体を遮断・供給させる環境(例えば燃料電池システムで使用されるカソードガスまたはアノードガスを流すバルブ装置)で使用するのに有効である。図1は中心線P2,P3を含む面の断面である。
図1に模式的に示すように、バルブ装置は、弁口10をもつ金属または硬質樹脂製のボディ1と、ボディ1に軸長方向に沿って前進および後退可能に設けられた縦軸型の円柱形状をなす弁軸2と、弁軸2の先端部2u(下端部)に連設された鍔状の弁体3と、弁体3および弁軸2を移動させる駆動機構5とを備えている。弁口10は、円筒形状をなす筒部12で形成されている。筒部12の先端部はリング状の弁座11とされている。弁座11は円形状の弁口10を形成している。弁口10は上下方向(鉛直方向)に沿って貫通している。場合によっては、弁口10は、鉛直方向に対して斜めに沿って貫通していても良い。つまり弁口10の中心線は上下方向(鉛直方向)に沿って延設されていても良いし、斜め上下方向に沿って延設されていても良い。弁口10の中心線は弁体3の中心線と同軸であることが好ましい。
弁軸2は、ボディ1の内部において、円柱形状をなす弁軸2の軸長方向に沿って、矢印M1方向に前進および矢印M2方向に後退可能に設けられている。弁体3は、弁軸2の外径よりも大きな外径をもつ円形鍔状をなしており、弁軸2の軸直角方向に沿っている。弁体3は、弁軸2の先端部2u(下端部)に連設された金属または硬質樹脂製の第1弁体31と、第1弁体31に被覆されたゴムや樹脂等のシール材料で形成された第2弁体32とを備えている。第2弁体32は弁座11に着座するので、シール性が確保される。第1弁体31は、第2弁体32の中心線P3の回りにおいて円鍔形状をなしている。第2弁体32は、弁体3の中心線P3の回りに円形状をなしており、第1弁体31の外周および下面を被覆している。
駆動機構5は、鍔状の弁体3が弁口10を開弁する方向(矢印M2方向)に弁軸2を後退させる開弁力を発生させる第1駆動機構51と、弁体3が弁口10を閉弁する方向(矢印M1方向)に弁軸2を前進させる閉弁力を発生させる第2駆動機構52とを備えている。第1駆動機構51としては、流体圧(気体圧、液圧等)で開弁力を発生させる機構でも良いし、電磁吸引力で開弁力を発生させる機構でも良いし、バネ力で開弁力を発生させる機構でも良いし、モータで開弁力を発生させる機構でも良い。第2駆動機構52としては、流体圧で閉弁力を発生させる機構でも良いし、電磁吸引力で閉弁力を発生させる機構でも良いし、バネ力で閉弁力を発生させる機構でも良い。
弁軸2が閉弁方向(矢印M1方向,下方向)に前進すると、弁体3は同方向に前進して弁座11に着座し、弁口10は閉弁される。これに対して、弁軸2が開弁方向(矢印M2方向,上方向)に後退すると、弁体3は弁座11から同方向に離間して弁口10は開弁される。このように駆動機構5は、鍔状の弁体3が弁口10を開弁する方向(矢印M2方向)に弁軸2を後退させると共に、弁体3が弁口10を閉弁する方向(矢印M1方向)に弁軸2を前進させる。
図1は弁体3が弁口10を閉弁している状態を示す。閉弁している弁体3を開弁させるとき、図1に示すように、弁軸2を開弁させる方向に作用する開弁力の作用中心点E1は、弁軸2の径方向(矢印X方向)において、弁体3の中心線P3に対して偏った位置に設けられている。具体的には、図1に示すように、弁軸2の径方向(矢印X方向)において、弁軸2の中心線P2は弁体3の中心線P3に対してΔD偏芯している。この結果、開弁時において、弁軸2を開弁させる方向に作用する開弁力の作用中心点E1は、弁軸2の径方向において、弁体3の中心線P3に対してΔD偏った位置に偏芯して設けられている。
ここで、弁体3の外径をDミリメートル(40ミリメートル)とし、弁軸2の径方向において弁軸2の中心線P2と弁体3の中心線P3との偏芯量をΔDミリメートルとするとき、ΔDとしては0.5ミリメートル、1ミリメートル、1.5ミリメートル、2ミリメートル、3ミリメートルが例示される(0.5〜3ミリメートル、0.5〜2ミリメートル)。αは上記した値に設定できる。但しこれらに限定されるものではない。
図1に示すように、弁体3の縁部34のうち、一方の縁部34rと他方の縁部34tとは、弁軸2の中心線P2を挟んで互いに対向する。弁軸2の中心線P2を含むように中心線P2に沿った断面(図1)でみると、弁体3の一方の縁部34rの外周面と弁軸2の中心線P2との間の距離をL1とする。弁体3の他方の縁部34t(一方の縁部34rと反対側)の外周面と弁軸2の中心線P2との間の距離をL2とする。L1とL2とを比較すると、L1はL2よりも短く設定されている(L1<L2)。従って、弁軸2の中心線P2に沿った断面において、一方の縁部34rは、弁軸2の径方向(矢印X方向)において、他方の縁部34tよりも弁軸2の中心線P2に近い位置とされている。この結果、弁体3の全体が負圧または凍結等により弁座11に固着しているとき、開弁時における引き剥がし力Fは、一方の縁部34rに集中して作用し易い。弁軸2の径方向(矢印X方向)において、縁部34rは、縁部34tよりも、開弁力の作用中心点E1に近いため、縁部34tが支点となり縁部34r(作用点)に梃子の原理が作用するためであると推論される。
更に説明を加える。上記した本実施形態によれば、弁体3が開弁するときにおいて、弁軸2を開弁させる方向に作用する開弁力の作用中心点E1は、弁軸2の径方向(矢印X方向)において、弁体3の中心線P3に対してΔD偏った位置に設けられている。このため開弁時に、弁体3に作用する開弁力は、弁体3の周方向において一様に作用するよりも、弁体3の周方向において局部的に集中して作用する傾向が得られる。
弁体3の縁部34のうち、ΔD偏っている側の縁部34r(弁軸2の中心線P2からの距離が短い側の縁部、即ち、弁軸2の中心線P2に相対的に接近している側の縁部)に引き剥がし力Fが作用し易い。なお、弁体3のうち偏っている縁部34rと反対側の縁部34t(弁軸2の中心線P2からの距離が長い側、つまり、弁軸2の中心線P2から相対的に離間している側の縁部)に押圧力F3が作用すると考えられる。このように縁部34rが弁座11から離間するものの、反対側の縁部34tが弁座11に着座しているため、弁軸2は弁口10の中心線に対して傾斜しつつ、矢印M2方向に開弁する。
この結果、弁体3が弁座11に固着しており開弁しにくい状況のもとでは、時間的にみると、閉弁状態の弁体3の縁部34の全体は、瞬間的に弁座11から同時に離れるのではなく、弁体3を1周する縁部34のうち、離間し易い側の縁部34rに集中的に開弁力が作用するため、縁部34rから優先して離れる。この後、開弁力は、弁体3のうちまだ閉弁状態にある残りの部分に集中的に作用する。このように閉弁状態の弁体3の縁部34について、時間的にずらして少しずつ開弁させることができる。
この結果、駆動機構5の第1駆動機構51の開弁用の駆動力が大きくないときであっても、また、出口ポートおよび弁口10側が負圧化されて弁体3が開弁しにくい状況のときであっても、また、弁体3が弁座11に氷結等により固着しているため、弁体3が開弁しにくい状況のときであっても、開弁力の集中性を向上させることができるため、弁体3を弁座11から開弁方向(矢印M2方向)に離間させて良好に開弁させることができる効果が得られる。
弁体3のうちΔD偏っているため中心線P2に接近している縁部34rが優先的に弁座11から離間するものの、弁体3の反対側の縁部34tが弁座11に着座したままであるときには、弁軸2の中心線P2は、弁口10の中心線(弁座11の中心線)に対して傾斜する。
図1に示すように、弁軸2を案内する断面円形状の第1案内孔70をもつ筒形状をなす第1案内部7が設けられている。第1案内部7は金属または硬質樹脂で形成されている。図2(A)に示すように、第1案内部7の第1案内孔70の第1内壁面71と弁軸2の外壁面との間には、リング状の隙間72が形成されている。従って第1案内部70の第1案内孔70に、弁軸2は隙間72を介して遊嵌されている(図2(A)参照)。上記したように縁部34tが弁座11に固着状態に着座しているものの、縁部34rが弁座11から離れる場合には、弁軸2は弁口10の中心線に対して傾斜する。このとき、第1案内部7に隙間72が存在するため、弁軸2の上記した傾きが許容されている。故に、弁軸2を傾けて縁部34rを縁部34tよりも優先して弁座11から離間させることができる。
図2(B)に示すように、第1案内部7は、硬質の外層7xと外層7xよりも軟質の内層7yとの複層構造で形成しても良い。内層7yは、ゴムや軟質樹脂等の可撓性をもつ材料で形成されている。内層7yは、弁軸2を案内する断面円形状の第1案内孔70をもつ第1内壁面71を形成する。内層7yにより、弁軸2の上記した傾きが許容されている。なお本実施形態によれば、開弁力の作用中心点E1は、弁軸2を閉弁させる方向に作用する閉弁力の作用中心点としても機能する。
(実施形態2)
図3および図4(中心線P2,P3を含む面の断面である)は実施形態2を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有する。共通する部位に共通の符号を付する。このバルブ装置は、弁口10を形成する弁座11を形成する筒部12をもつボディ1と、ボディ1に軸長方向に沿って前進および後退可能に設けられた弁軸2と、弁軸2に連設され弁軸2の前進により弁口10を閉弁し且つ弁軸2の後退により弁口10を開弁する鍔状の弁体3と、弁体3を移動させる駆動機構5とを備えている。
ボディ1は、高圧側の入口ポート14と低圧側の出口ポート15と中間室16とをもつ。弁体3の外径よりも弁軸2の外径は大きくされている。弁体3は鍔状とされており、弁軸2の中心線P2の回りに径大な縁部34をもつ。
駆動機構5は、第1駆動機構51と第2駆動機構52とを備えている。第1駆動機構51は、鍔状の弁体3が弁口10を開弁する方向(矢印M2方向)に弁軸2を後退させる開弁力を発生させるものである。第1駆動機構51は、ボディ1に保持された励磁コイル部511と、透磁率が高い透磁材料(例えば軟磁性材料)で形成されたヨーク512と、ボディ1に保持され透磁率が高い透磁材料で形成された固定透磁体として機能する固定鉄芯513と、ボディ1に保持され透磁率が高い透磁材料で形成された可動透磁体として機能する可動鉄芯514とをもつ。非磁性材料で形成された筒形状の支持部材515が励磁コイル部511の内側に配置されている。可動鉄芯514の底部のうち弁口10に対面する域には、弁軸2が下向きに連設されている。弁軸2の先端部2u(下端部)に弁体3が連設されている。なお、可動鉄芯514の底部中央域に連接されている弁軸3の中心線P2は、可動鉄芯514や固定鉄芯513と同軸的配置とされている。弁体3の中心線P3は弁口10の中心線P4と同軸的配置とされている。
図4に示すように、弁体3は弁軸2の外径よりも外径が大きい円形鍔状をなしている。弁体3は、弁軸2の先端部(下端部)に連設された金属または硬質樹脂製の第1弁体31と、第1弁体31に被覆されたゴムや樹脂等のシール材料で形成された第2弁体32とを備えている。第2弁体32は弁座11に着座するため、シール性が確保される。弁体34は、弁軸2の中心線P2の回りに円形状をなす縁部34をもつ。図3に示すように、ゴムまたは軟質樹脂等の弾性材料で形成された可撓性をもつダイヤフラム膜6は、中間室16を第1室16fと第2室16sとに仕切る。ダイヤフラム膜6の内部にはガスバリヤ層が埋設されていても良い。ダイヤフラム膜6の内周部は、弁軸2と弁体3との間に位置するように保持されている。ダイヤフラム膜6の外周部は、リング状のシート座17を介してボディ1に保持されている。ダイヤフラム膜6は、入口ポート14および出口ポート15の流体が可動鉄芯514および励磁コイル部511の側に進入することを防止する。
第2駆動機構52は、弁体3が弁口10を閉弁する方向(矢印M1方向、下方向)に弁軸2を前進させる閉弁力を発生させるものである。第2駆動機構52は、固定鉄芯513と可動鉄芯514との間に介在する付勢要素として機能するコイル状のバネ520で形成されている。バネ520の長さ方向の一端部は固定鉄芯513の着座面513xに着座している。バネ520の長さ方向の他端部は可動鉄芯514の着座面514xに着座している。バネ520は板バネとしても良い。通常の状態では、バネ520により弁体3は閉弁されている。
図3に示すように弁体3が閉弁している状態において、励磁コイル部511に通電されると、固定鉄芯513および可動鉄芯514を透過する磁路が形成され、磁気吸引力が発生する。この結果、バネ520の付勢力に反抗して可動鉄芯が開弁方向(矢印M2方向、上方)に移動し、弁体3が同方向に移動し、弁体3が弁座11から離間し、弁口10が開弁される。
図4は、弁体3が弁口10を閉弁している状態を模式的に示す。閉弁している弁体3を開弁させるとき、弁軸2を開弁させる方向に作用する開弁力の作用中心点E1は、弁軸2の径方向(矢印X方向)において、弁体3の中心線P3に対してΔD2偏った位置に設けられている。具体的には、弁軸2の径方向(矢印X方向)において、弁軸2の中心線P2は弁体3の中心線P3に対してΔD2偏芯している。
本実施形態によれば、弁体3が開弁するときにおいて、図4に示すように、弁軸2を開弁させる方向に作用する開弁力の作用中心点E1は、弁軸2の径方向(矢印X方向)において、弁体3の中心線P3に対してΔD2偏った位置に設けられている。このため弁軸2が開弁方向(矢印M2方向)に移動するとき、弁体3の開弁力は、弁体3の周方向において一様に作用するよりも、弁体3の周方向において局部的に集中して作用する傾向が得られる。
換言すると、弁体3の縁部34のうち中心線P2にΔD2近づくように偏っている側の縁部34r(弁軸2の中心線P2に対して相対的に近い側)に、縁部34t(弁軸2の中心線P2に対して相対的に遠い側)よりも、引き剥がし力Fが集中して作用する傾向が得られる。このような本実施形態によれば、弁体3が開弁しにくい状況のもとでは、時間的にみると、閉弁状態の弁体3の縁部34の全体は、瞬間的に弁座11から同時に離れるのではなく、弁体3を1周する縁部34のうち、離間し易い側の縁部34rから優先して離れる。その後、開弁力は、弁体3の縁部34のうちまだ閉弁状態にある残りの部分に作用する。このように閉弁状態の弁体3について、時間的にずらして少しずつ開弁させることができる。このように縁部34tが弁座11に固着状態に着座しているものの、縁部34rが離れる場合には、弁軸2は弁口10の中心線P4(図3参照)に対して傾斜する。
この結果、駆動機構5の第1駆動機構51の開弁用の駆動力が大きくないときであっても、また、出口ポート15および弁口10側が負圧化されて弁体3が開弁しにくい状況のときであっても、また、弁体3が弁座11に氷結等により固着しているため、弁体3が開弁しにくい状況のときであっても、開弁力の集中性を向上させることができるため、弁体3を弁座11から開弁方向(矢印M2方向)に離間させて良好に開弁させることができる。
(実施形態3)
図5〜図7は実施形態3を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有する。共通する部位に共通の符号を付する。このバルブ装置は、気体または液体状の流体を遮断・供給させるものであり、耐凍結性に優れているため、気相状または液相状の水を含む流体を遮断・供給させる環境(例えば燃料電池システムで使用されるカソードガスまたはアノードガスを流すバルブ装置)で使用するのに有効である。
図5に示すように、バルブ装置は、弁口10をもつ金属または硬質樹脂製のボディ1と、ボディ1に軸長方向に沿って前進および後退可能に設けられた弁軸2と、弁軸2の先端部2u(下端部)に連設された鍔状の弁体3と、駆動機構5とを備えている。図5に示すように、ボディ1は、主ボティ1mと、主ボティ1mの上部に連結された副ボディ18とを備えている。副ボディ18は、主ボティ1mに第1取付具1xにより連結された第1副ボディ18fと、第1副ボディ18fに第2取付具1yにより連結された第2副ボディ18sとをもつ。第1副ボディ18fと第2副ボディ18sとにより気体室19が形成されている。
図5に示すように、気体室19には、可撓性をもつ第1ダイヤフラム膜6Fが配置されている。第1ダイヤフラム膜6の縁部は第1副ボディ18fと第2副ボディ18sとにより挟持されている。気体室19は、第1ダイヤフラム膜6Fにより閉弁室19aと開弁室19cに区画されている。第1ダイヤフラム膜6Fの中央域は弁軸2の上端部に取付具6xにより接続されている。主ボディ1mと第1副ボディ18fとにより、可撓性をもつ流路隔壁となる可撓性をもつ可撓材料(ゴムや軟質樹脂等)で形成された第2ダイヤフラム膜6Sが配置されている。第2ダイヤフラム膜6Sの縁部は、主ボディ1mと第1副ボディ18fとにより挟持されている。第2ダイヤフラム膜6Sと第1副ボディ18fの仕切壁18rとでダイヤフラム室13を形成している。ダイヤフラム室13は第1副ボディ18fの呼吸ポート18aに連通しており、呼吸ポート18aを介して大気に開放されている。第1副ボディ18fの仕切壁18rと第2ダイヤフラム膜6Sとの間には、付勢部材としてのコイル状のシールバネ139が配置されている。シールバネ139は弁軸2の回りに同軸的に配置されており、第2ダイヤフラム膜6Sが出口ポート15を覆うように第2ダイヤフラム膜6Sを下方に付勢している。
図5に示すように、弁体3が閉弁しているとき、シールバネ139の付勢力により、第2ダイヤフラム膜6Sは下方に弁口10に向けて付勢されており、第2ダイヤフラム6Sの膜部分は出口ポート15に対面して出口ポート15を覆っている。これにより出口ポート15側の水蒸気または水がバルブ装置の内部に進入することが抑制されている。シールバネ139はノーマルクローズとして利用するものである。弁体3が矢印M2方向(上方)に移動して弁体3が開弁するにつれて、第2ダイヤフラム膜6Sの膜部分は上方(矢印M2方向,上方)に変位し、出口ポート15から遠ざかる。この結果、出口ポート15と弁口10との連通性が高まる。
ここで、図5に示すように、主ボティ1mは、弁口10に連通する高圧側の入口ポート14と、低圧側の出口ポート15とをもつ。主ボディ1mの中心線P6が水平方向に沿うように、主ボディ1mは配置されている。副ボディ18の中心線P7は、鉛直線PSに対して角度θ1傾斜して配置されており、主ボディ1mの中心線P6に対して角度θ2傾斜している。
図5に示すように、弁口10は、リング状の弁座11をもつ円筒形状をなす筒部12で形成されている。弁口10は斜め上下方向に沿って貫通している。従って、弁口10の中心線(弁座11の中心線)は、鉛直線PSに対して出口ポート15側に角度θ1傾斜して配置されている。よって弁座11の着座面11cに水が付着したとしても、弁座11の差座面11cは、重力により水を着座面11cのうち傾斜下降部11r側に沿って矢印W3方向に沿って流下させ得るように傾斜されている。よって弁座11の差座面11cには本来的には水が残留しにくく、耐凍結性が高められている。なお、弁口10の中心線(弁座11の中心線)は、鉛直線PSに対して入口ポート14側に傾斜されていても良い。
図5に示すように、弁軸2の中心線P2も鉛直線PSに対して角度θ1斜めに傾斜している。弁軸2は、ボディ1に弁軸2の軸長方向に沿って矢印M1方向(下方)に前進および矢印M2方向(上方)に後退可能に設けられている。弁体3は円形鍔状をなしており、弁軸2の先端部2u(下端部)に連設された第1弁体31と、第1弁体31に被覆された第2弁体32とを備えている。
図5に示すように、駆動機構5は、鍔状の弁体3が弁口10を開弁する方向(矢印M2方向)に弁軸2を後退させる開弁力を発生させる第1駆動機構51と、弁体3が弁口10を閉弁する方向(矢印M1方向)に弁軸2を前進させる閉弁力を発生させる第2駆動機構52とを備えている。第1駆動機構51は、開弁室19cに気体(例えば空気)を供給する気体供給部522と、開弁室19cと気体供給部522とを連通させるように切り替え得る連通バルブ部523と、連通バルブ部523と開弁室19cとを開弁ポート18rを介して連通する通路524とを備えている。気体供給部522としてはコンプレッサ、ポンプが例示される。
第2駆動機構52は、閉弁室19aと、閉弁室19aに気体(例えば空気)を供給する気体供給部522と、閉弁室19aと気体供給部522とを連通させるように切り替え得る連通バルブ部523と、連通バルブ部523と閉弁室19aとを閉弁ポート18kを介して連通させる通路525とを備えている。
気体供給部522から通路525および閉弁ポート18kを介して閉弁室19aに気体(例えば空気)が供給されると、第1ダイヤフラム膜6Fが閉弁室19aの気体圧(例えば100〜300kPa、140〜200kPa、絶対圧)を受圧して矢印M1方向に撓み変形する。よって、弁軸2が閉弁方向(矢印M1方向)に前進し、弁体3は同方向に前進して弁座11に着座し、弁口10を閉弁する。この場合、開弁ポート18rは大気に開放されている。
これに対して気体供給部522から開弁ポート18rを介して開弁室19cに気体(例えば空気)が供給されると、第1ダイヤフラム膜6Fが開弁室19cの気体圧(例えば100〜200kPa、120〜160kPa、絶対圧)を受圧して開弁方向(矢印M2方向)に撓み変形する。よって、弁軸2が矢印M2方向に後退し、弁体3は弁座11から同方向に離間して弁口10を開弁する。この場合、閉弁ポート18kは大気に開放される。このように駆動機構5は、鍔状の弁体3が弁口10を開弁する方向(矢印M2方向)に弁軸2を後退させる機能と、弁体3が弁口10を閉弁する方向(矢印M1方向)に弁軸2を前進させる機能とをもつ。
本実施形態によれば、図6(中心線P2,P3を含む面の断面である)に示すように、開弁時において弁軸2を開弁させる方向に作用する開弁力の作用中心点E1は、弁軸2の径方向(矢印X方向)において、弁体3の中心線P3に対してΔD3偏った位置に設けられている。具体的には、弁軸2の径方向(矢印X方向)において、弁軸2の中心線P2は、弁体3の中心線P3に対してΔD3偏芯している。この結果、開弁時において弁軸2を開弁させる方向に作用する開弁力の作用中心点E1は、弁軸2の径方向(矢印X方向)において、弁体3の中心線P3に対してΔD3偏った位置に設けられている。矢印X方向において、弁体3の縁部34tよりも、弁体3の縁部34rは弁体2の中心線P2に接近している。
図6に示すように、弁軸2を前進後退方向に案内する円筒形状をなす円筒形状の第1案内孔70をもつ第1案内部7が設けられている。第1案内部7の第1案内孔70の中心線は、鉛直線PSに対して傾斜している。この場合、弁軸2の外壁面と第1案内部7の第1案内孔70の第1内壁面71との間には、リング状の隙間72が弁軸2の径方向(矢印X方向)において形成されている。弁軸2と第1案内部7との間に隙間72が存在しているため、弁軸2の中心線P2を第1案内部7の第1案内孔70の中心線に対して傾斜させ得る。第1案内部7の第1案内孔70により、弁軸2の中心線P2は傾斜しつつも弁軸2は、前進後退方向に良好に案内される。隙間72により、弁軸2の中心線P2を第1案内部7の中心線に対して傾斜させることができる。
以上説明したように本実施形態によれば、開弁時において、弁軸2を開弁させる方向に作用する開弁力の作用中心点E1は、弁軸2の径方向(矢印X方向)において、弁体3の中心線P3に対して偏った位置に設けられている。換言すると、弁体3の縁部34のうちΔD3偏っている側の縁部34r(縁部34のうち、弁軸2の中心線P2に対して縁部34tよりも相対的に近い側)に引き剥がし力Fが集中して作用する。これに対して、弁体3のうち偏っている縁部34rと反対側の縁部34t(弁軸2の中心線P2に対して縁部34rよりも相対的に遠い側)に押圧力F3が作用すると考えられる。
このような本実施形態によれば、弁体3が開弁しにくい状況のもとでは、時間的にみると、閉弁状態の弁体3の縁部34の全体は、瞬間的に弁座11から同時に離れるのではなく、離間し易い縁部34rから優先して離れる。その後、開弁力は、弁体3のうちまだ閉弁状態にある残りの部分に作用する。このように閉弁状態の弁体3について、時間的にずらして少しずつ開弁させることができる。
この結果、駆動機構5の第1駆動機構51の開弁用の駆動力が大きくないときであっても、また、弁口10側が負圧化されて弁体3が開弁しにくい状況のときであっても、また、弁体3が弁座11の着座面11cに氷結等により固着しているため、弁体3が開弁しにくい状況のときであっても、弁体3を弁座11から開弁方向(矢印M2方向)に離間させて良好に開弁させることができる。なお、弁体3が開弁し易い状況のもとでは、閉弁状態の弁体3の縁部34の全体は、瞬間的に弁座11から同時に離れることができる。
(実施形態4)
図8および図9は実施形態4を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有する。共通する部位に共通の符号を付する。以下、実施形態1と相違する部分を中心として説明する。バルブ装置には、弁軸2に係合し弁軸2を前進後退させるための係合軸8(可動体)が設けられている。係合軸8は断面円形状をなしており、第1駆動機構51により矢印M1方向(下方)に前進され、第2駆動機構52により矢印M2方向(上方)に後退される。図8に示すように、係合軸8の中心線P8と弁軸2の中心線P2とは、同軸的関係とされている。更に、弁体3の係合軸8の中心線P8と弁軸2の中心線P2と弁体3の中心線P3とは、同軸的関係とされている。
図8に示すように、係合軸8の前進後退を案内する第2案内孔70Sをもつ第2軸受として機能する第2案内部7Sが設けられている。係合軸8は、弁軸2をこれの前進方向(矢印M1方向)に加圧して弁体3を弁口10に閉弁させる弁軸前進面81と、弁軸2をこれの後退方向(矢印M2方向)に引っ張って弁体3を弁口10から離間させて開弁させる弁軸後退面85とを備えている。弁軸前進面81および弁軸後退面85は、平坦面状をなしており、係合軸8の中心線P8および弁軸2の中心線P2に対して軸直角方向に沿っている。弁軸2が係合軸8から離脱することを防止する取付体88は、弁軸2および係合軸8に取り付けられている。なお、弁軸2は係合軸8に対して矢印M1,M2方向に相対変位可能とされている。
図8に示すように、係合軸8の先方に配置されている弁軸2は、係合軸8の弁軸前進面81に対面して係合する弁軸被前進面21と、係合軸8の弁軸後退面85に対面して係合する弁軸被後退面25とを備えている。弁軸被前進面21および弁軸被後退面25は平坦面状をなしており、弁軸2の中心線P2に対して軸直角方向に沿っている。弁軸2の中心線P2に対して直交する方向の断面(図8および図9)において、係合軸8の弁軸後退面85は、弁軸2の中心線P2に対して、弁軸2の径方向(矢印X方向)においてΔD4偏った位置に形成されている。なお、ΔD4は、中心線P3と、弁軸後退面85のうちの中心線P3側の端との間の距離に相当する。
図8において、第2駆動機構52により係合軸8が閉弁方向(矢印M1方向)に前進すると、係合軸8の弁軸前進面81は、弁軸2の弁軸被前進面21に密着してこれを前進方向(矢印M1方向)に加圧し、ひいては、弁体3を弁口10に向けて前進させ、弁座11に着座させて弁口10を閉弁させる。この場合、図8に示すように、係合軸8の弁軸後退面85と弁軸2の弁軸被後退面25との間には、両者を非接触とするための隙間85cが形成されている。
ここで、係合軸8の弁軸前進面81は、弁軸2の中心線P2に対して対称形状またはほぼ対称形状とされている。同様に、弁軸2の弁軸被前進面21は、弁軸2の中心線P2に対して対称形状またはほぼ対称形状とされている。この結果、弁体3を矢印M1方向に前進させて閉弁させるときには、弁軸2および弁体3の全体に閉弁力が均等に作用する。閉弁時において弁軸2に作用する閉弁力の作用中心点E3(図8参照)は、弁体3の中心線P3の軸上に存在する関係(同軸的関係)とされている。このため閉弁時において、弁体3の縁部34の全体を弁座11にできるだけ均等に着座させるのに有利となり、着座の偏りが抑えられ、閉弁時におけるシール性のムラが低減される利点が得られる。
これに対して図9に示すように、第1駆動機構51により係合軸8が開弁方向(矢印M2方向)に後退するとき、係合軸8のうち偏位している弁軸後退面85は、弁軸2の弁軸被後退面25に密着して係合し、これを後退方向(矢印M2方向)に引っ張る。この結果、弁体3を弁座11から離間させて弁口10を開弁させる。この場合、図9に示すように、係合軸8の弁軸前進面81と弁軸2の弁軸被前進面21との間には、非接触とする隙間81cが形成される。
図9に示すように、係合軸8の弁軸後退面85と、弁軸2の弁軸被後退面25とは、弁軸2の径方向(矢印X方向)において、弁軸2の中心線P2に対してΔD4(ΔD4は偏り)偏った位置に形成されている。このため弁軸2を弁口10から開弁方向(矢印M2方向)に後退させて開弁する開弁時において、弁軸2を開弁させる方向に作用する開弁力の作用中心点E1(図9参照)は、弁軸2の径方向(矢印X方向)において、弁体3の中心線P3に対してΔD4相当ぶん偏った位置に設けられている。
この結果、弁体3の開弁時には、弁体3の開弁力は弁体3の周方向において一様に作用するよりも、弁体3の周方向において局部的に集中して作用する傾向が得られる。ここで、弁体3の縁部34のうち縁部34tおよび縁部34rは弁軸2の中心線P2を挟むように対向している。縁部34tは縁部34rよりも作用中心点E1に近い側とされている。従って相対的に大きな引き剥がし力Fが縁部34tに集中して作用する。
この結果、本実施形態によれば、弁体3が開弁しにくい状況のもとでは、時間的にみると、閉弁状態の弁体3の縁部34の全体は、瞬間的に弁座11から同時に離れるのではなく、弁体3のうち弁口10の縁部34のうち離間し易い縁部34tから優先して離れる。その後、開弁力は、弁体3の縁部34うちまだ閉弁状態にある残りの部分に作用する。従って、弁体3の縁部34のうち、作用中心点E1から遠い側の縁部34rが弁座11から弁座11から離れることは、時間的に遅れる。このように閉弁状態の弁体3について、時間的にずらして少しずつ開弁させることができる。
このような本実施形態によれば、駆動機構5の開弁用の駆動力が大きくないときであっても、また、出口ポート15および弁口10が負圧化されて弁体3が開弁しにくい状況のときであっても、また、弁体3が弁座11に氷結等により固着しているため、弁体3が開弁しにくい状況のときであっても、開弁力の集中性を向上させることができるため、弁体3を良好に開弁させることができる。
(実施形態5)
図10および図11は実施形態5を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有する。共通する部位に共通の符号を付する。以下、実施形態1と相違する部分を中心として説明する。図10及び図11に示すように、バルブ装置は、鍔状の弁体3をもつ弁軸2と、前進後退される係合軸8と、リンク状の揺動体9とが設けられている。弁軸2は、弁軸2の中心線P2に対して傾斜すると共に係合軸8に向かう傾斜部28を備えており、傾斜部28に長孔状のスライド孔29をもつ。
図10に示すように、係合軸8の中心線P8と弁軸2の中心線P2とは、同軸的関係とされている。更に、係合軸8の中心線P8と弁軸2の中心線P2と弁体3の中心線P3とは、同軸的関係とされている。図10に示すように、係合軸8の前進後退を案内する第2案内孔70Sをもつ第2軸受として機能する第2案内部7Sが設けられている。
図10に示すように、係合軸8は第2駆動機構52により矢印M1方向に前進され、第1駆動機構51により矢印M2方向に後退される。スライド孔29の中心線29kは、弁軸2の中心線P2および係合軸8の中心線P8に対して傾斜している。揺動体9の一端部9f(ピン)は、係合軸8の先端部の係合孔8aに矢印C方向に揺動可能に連結されている。揺動体9の他端部9e(ピン)は、弁軸2の長孔状のスライド孔29にスライド可能に嵌合されている。この結果、揺動体9は、係合軸8および弁軸2に対して揺動可能とされている。弁軸2および弁体3は、揺動体9を介して係合軸8に対して揺動可能とされている。
上記した揺動体9の他端部9e(ピン)は、弁軸2の長孔状のスライド孔29に沿ってスライドする。このため揺動体9の他端部9eは、図11に示すように弁軸2をこれの前進方向(矢印M1方向)に加圧して弁体3を弁口10に閉弁させる弁軸前進位置W2と、図10に示すように、弁軸2をこれの後退方向(矢印M2方向)に引っ張って弁体3を弁口10から離間させて開弁させる弁軸後退位置W1とに切り替可能とされている。
更に説明を加える。図10に示すように、揺動体9の弁軸後退位置W1は、弁軸2の径方向(矢印X方向)において、弁軸2の中心線P2に対してΔD5偏った位置に形成されている。図11に示すように、揺動体9の弁軸前進位置W2は、弁軸2の径方向(矢印X方向)において弁軸2の中心線P2と同じ位置またはほぼ同じ位置に形成されている。
本実施形態によれば、閉弁時には、第2駆動機構52により係合軸8が矢印M1方向に前進する。すると、揺動体9の他端部9eがスライド孔29に沿ってスライド孔29の他端部29eに向けてスライドして弁軸前進位置W2(図11参照)となるように、揺動体9が揺動する。この状態で係合軸8が矢印M1方向に更に前進すると、弁軸2をこれの前進方向(矢印M1方向)に加圧し、弁体3を弁座11に着座させ弁口10を閉弁させることができる。
ここで、図11に示すように、揺動体9の弁軸前進位置W2は、弁軸2の中心線P2または弁軸2の中心線P2付近に位置する。この結果、弁体3を閉弁させるときには、係合軸8の駆動力は、弁軸2および弁体3の全体にできるだけ均等に作用させることができる。よって、弁体3の縁部34の全体に閉弁力が均等に作用させるのに有利となる。このため弁体3の縁部の全体を弁座11に均等に着座させるのに有利となり、閉弁時における着座性およびシール性のムラが低減される。
これに対して図10に示すように、第1駆動機構51により係合軸8が矢印M2方向に引っ張られて後退するときには、揺動体9の他端部9eがスライド孔29に沿ってスライド孔29の一端部29aに向けてスライドして弁軸後退位置W1となるように、揺動体9が係合孔8aを中心として矢印RA方向に揺動する。この状態で、係合軸8が矢印M2方向に更に後退すると、弁軸2をこれの後退方向(矢印M2方向)に引っ張って弁体3を弁座11から離間させて弁口10を開弁させることができる。
ここで、弁体3を開弁させるときには、図10に示すように、弁軸2の径方向(矢印X方向)において、揺動体9の他端部9eがスライド孔29に沿って矢印K1方向に移動している。この結果、揺動体9の他端部9eの中心が弁軸2の中心線P2に対してΔD5偏った位置に配置されている。このため開弁時において、弁軸2を開弁させる方向に作用する開弁力の作用中心点E1(図10参照)は、弁軸2の径方向(矢印X方向)において、弁体3の中心線P3に対してΔD5偏った位置に設けられている。図10に示すように、弁体3の縁部34のうち縁部34rは、径方向(矢印X1方向)において、縁部34tよりも開弁力の作用中心点E1に近い側とされている。
この結果、弁体3が開弁しにくい状況のもとでは、時間的にみると、閉弁状態の弁体3の縁部34の全体は、瞬間的に弁座11から同時に離れるのではなく、弁体3の縁部34のうち縁部34r(開弁力の作用中心点E1に近い側)から、優先して弁座11から離間する。この後、開弁力は、弁体3のうちまだ閉弁状態にある残りの部分に作用する。このように閉弁状態の弁体3について、時間的にずらして少しずつ開弁させることができる。
このため本実施形態によれば、駆動機構5の開弁用の駆動力が大きくないときであっても、また、出口ポートおよび弁口10が負圧化されて弁体3が開弁しにくい状況のときであっても、また、弁体3が弁座11に氷結等により固着しているため、弁体3が開弁しにくい状況のときであっても、開弁力の集中性を向上させることができるため、弁体3を良好に開弁させることができる。なお、図10および図11において弁軸2の中心線P2とスライド孔29の中心線29kとのなす角度としては5〜30度または5〜20度程度が好ましい。
(実施形態6)
図12は実施形態6を示す。本実施形態は燃料電池システムに適用している。実施形態1と基本的には共通の構成および共通の作用効果を有する。共通する部位に共通の符号を付する。以下、実施形態1と相違する部分を中心として説明する。燃料発電システムは、改質器100と、燃焼器200と、燃料ユニットとして機能する燃料電池300と、改質器100と燃料電池300とを繋ぐ供給通路400とを備えている。改質器100には、改質用原料としての原料ガス(例えば天然ガス、都市ガス)および原料水(または水蒸気)を送給する送給通路110が設けられている。送給通路110には、原料ガスの流量を制御する制御弁100e、原料ガスを搬送するポンプ等の搬送要素100f、原料ガスのガス源100kが接続されている。改質器100は、水蒸気を利用して原料ガスを改質させて水素リッチな燃料ガス(燃料)を生成する。このため改質器100で改質された燃料ガスは水蒸気を含むことが多い。
燃焼器200は、燃焼用原料としての燃焼用ガスを燃焼させることにより改質器100を改質反応に適するように加熱する。燃焼器200は改質器100を効果的に加熱できるように改質器100に隣接されている。改質器100と燃焼器200とで改質ユニットを構成する。燃焼器200に燃焼用ガスを供給する燃焼用ガス通路220が設けられている。燃焼用ガス通路220には、燃焼用ガスの流量を調整する制御弁220eが設けられている。
燃料電池300は燃料極と酸化剤極とを有する。燃料電池300は発電運転により昇温するため、冷却水通路320を流れる冷却水により冷却され、燃料電池300の過熱が抑制されている。供給通路400は、改質器100の出口100pと燃料電池300の燃料極の入口300iとを繋ぐ。供給通路400には、供給弁500(燃料遮断要素)が燃料電池3の燃料極の入口300iの上流に位置して設けられている。
改質器100で改質された燃料ガスは、供給通路400を介して燃料電池300の燃料極に供給される。酸化剤通路330から酸化剤ガス(空気)は加湿器333で加湿された後に、燃料電池300の酸化剤極に供給される。これにより燃料電池300は発電する。
燃料電池300の燃料極の燃料出口300pと燃焼器200とを繋ぐ帰還通路610が設けられている。帰還通路610には開閉可能な帰還弁600(燃料オフ流体遮断要素)が設けられている。燃料電池300で発電反応に使用された燃料オフガス(燃料オフ流体)には、燃料成分が残留していることがある。そこで、帰還弁600が開放すると、帰還通路610は、燃料電池300で発電反応に使用された燃料オフガスを燃料極の出口300pから凝縮器730を介して燃焼器200に帰還させ、燃焼器200で再利用する。
図12に示すように、供給通路400には分岐部400aを介してバイパス通路650が設けられている。バイパス通路650は、改質器100で改質された燃料ガスを燃料電池300に流さないように、燃料電池300を迂回させるものである。バイパス通路650には、開閉可能なバイパス弁660(燃料遮断要素)が設けられている。システムの起動時には、改質器100の温度が必ずしも充分に安定していない。このため、改質器100の改質反応で生成された燃料ガスの組成は、必ずしも充分に安定していないことがある。そこで、システムの起動時には、供給弁500を遮断し、バイパス弁660を開放させて、改質器100からの燃料ガスを燃料電池300に流さず、バイパス通路650から燃焼器200に帰還させる。これにより起動直後に改質された燃料ガスは、燃焼器200の燃焼に再利用される。
使用方法について説明を加える。起動時には、供給弁500および帰還弁600が閉鎖されている。先ず、制御弁220eが開放して燃焼用ガス通路220から燃焼用ガス(燃焼用原料)が燃焼器200に供給されるとともに、空気通路230から空気が燃焼器200に供給され、燃焼器200で燃焼用ガスが燃焼する。これにより改質器100が次第に加熱されて昇温する。送給通路110により原料ガスおよび水蒸気が改質器100に供給され、改質器100において改質反応により水素リッチな燃料ガスが生成される。
しかしシステムの起動時初期には、改質器100の温度が必ずしも充分に安定していないことがある。このため、改質器100の改質反応で生成された燃料ガスの組成は、必ずしも充分に安定していないことがある。例えば、定常運転のときよりも、水素濃度が低いことがある。また、燃料電池300の燃料極に担持されている触媒に影響を与える物質が燃料ガスに含有されているおそれがある。
そこでシステムの起動時初期には、供給弁500および帰還弁600が閉鎖されている状態で、バイパス弁660を開放して、改質器100からの燃料ガスを燃料電池300の燃料極に流さず、バイパス通路650から凝縮器730を介して燃焼器200に帰還させる。これにより燃料ガスは燃焼器200の燃焼に再利用される。
燃焼器200での燃焼が継続されると、改質器100の温度が安定する。改質器100の改質反応で生成された燃料ガスの組成も次第に安定する。そこで、バイパス弁660が閉鎖した状態で、供給弁500および帰還弁600が開放する。すると、改質器100で生成された燃料ガスは、供給通路400および供給弁500を経て燃料電池300の燃料極の入口300iに至り、発電反応に使用される。燃料電池300の酸化剤極の入口に繋がる酸化剤通路330には、酸化剤ガスを加湿する加湿器333および酸化剤供給用の供給弁335が設けられている。燃料電池300の酸化剤極の出口には酸化剤排出通路337が設けられ、酸化剤排出通路337には、酸化剤オフガスを排出する排出弁338および加湿器333が設けられている。発電反応を経た酸化剤ガス(一般的には空気)は、高い湿度をもつ酸化剤オフガスとなり、燃料電池300の酸化剤極の出口から酸化剤排出通路337および排出弁338を経て、更に加湿器333を通過し、加湿器333の水分保持部材に水分を与えた後に、外気に放出される。なお、燃料電池の内部がフラッデング気味であり、加湿器333に水分を与えたくないときには、発電後の酸化剤オフガスをバイパス通路333eおよびバイパス弁333fに通過させることにより加湿器333を迂回させると共に、発電前の酸化剤ガスをバイパス通路333aおよびバイパス弁333bに通過させることにより加湿器333を迂回させる。
発電反応を経た燃料は燃料オフガスとなる。燃料オフガスは、燃料電池300の燃料極の出口300pから帰還通路600に吐出され、帰還通路610および帰還弁600を経て、更に凝縮器730を経て燃焼器200に帰還する。これにより燃料オフガスは燃焼器200の燃焼に再利用される。発電反応を経た燃料は燃料オフガスとなる。
供給通路400の供給弁500、帰還通路610の帰還弁600、バイパス通路650のバイパス弁660、酸化剤通路330の供給弁335、酸化剤排出通路337の排出弁338のうち少なくとも一つを、上記した各実施形態に係るバルブ装置とすることができる。更に制御弁220e、バイパス弁333b、バイパス弁333fについても、上記した各実施形態に係るバルブ装置とすることができる。即ち、燃料電池システムに使用するバルブを上記した各実施形態に係るバルブ装置とすることができる。改質器を搭載していない燃料電池システム(例えば自動車などの車両に搭載される燃料電池システム)において使用されるバルブにも適用できる。このバルブ装置は上記した耐負圧性、耐凍結性が優れているため、燃料電池システムの運転を良好に行うことができる。なお、改質器を搭載しないものの、燃料貯蔵タンクを搭載している燃料電池システムに適用しても良い。燃料電池システム以外の機器のバルブに適用しても良い。
(その他)
ΔD2〜Δ5の大きさは、前記したΔDに対応することができる。弁体3が剛体であり、ゴムや軟質樹脂等の弾性可撓材料を弁座11側に設けることにしても良い。本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。ある実施例に特有の構造および機能は、他の実施例においても適用することができる。
上記した記載から次の技術的思想も把握できる。
(付記項1)弁口を形成する弁座をもつボディと、
前記ボディの内部において軸長方向に沿って前進および後退可能に設けられた弁軸と、
前記弁軸に連設され前記弁軸の中心線の回りに縁部をもち前記弁軸の前進により前記弁口を閉弁し且つ前記弁軸の後退により前記弁口を開弁する鍔状の弁体と、
前記弁体が前記弁口を開弁する方向に前記弁軸を後退させると共に前記弁体が前記弁口を閉弁する方向に前記弁軸を前進させる駆動機構とを具備するバルブ装置において、弁軸の中心線、弁体の中心線および弁口を形成する弁座の中心線は、鉛直線に対して傾斜して配置されていることを特徴とするバルブ装置。弁座の着座面は、水平方向に対して傾斜している。弁軸、弁口、弁座の中心線に沿って当該中心線を通る断面において、弁座の着座面は水平線に対して傾斜している。このため、弁座の着座面に残留する水を、傾斜下降端に向けて重力により流下させ易い。このため、弁座に水が残留することが抑制される。よって弁体が凍結で固着されることが抑えられる。耐凍結性が向上するため、寒冷地などであっても、弁体の開弁動作性が確保され易い。
(付記項2)付記項1において、ボディは、主ボディと主ボディに取り付けられた弁軸を収容する副ボディとを備えており、副ボディの中心線は鉛直線に対して傾斜して配置されていることを特徴とするバルブ装置。弁座の着座面は、水平方向に対して傾斜しているため、弁座の着座面に残留する水を重力により弁座の着座面に沿って流下させ易い。このため氷結が抑制され、弁座に弁体が凍結で固着されることが抑えられる。
本発明は気体状または液体状の流体を流す流体装置に使用されるバルブ装置に利用できる。
実施形態1に係り、弁軸に連設された弁体が弁口を閉弁している状態を模式的に示す断面図である。 実施形態1に係り、(A)は弁軸を嵌合する第1案内部を模式的に示す断面図であり、(B)は別形態に係り、弁軸を嵌合する第1案内部を模式的に示す断面図である。 実施形態2に係り、バルブ装置を模式的に示す断面図である。 実施形態2に係り、弁軸に連設された弁体が弁口を閉弁している状態を模式的に示す断面図である。 実施形態3に係り、バルブ装置を模式的に示す断面図である。 実施形態3に係り、弁軸に連設された弁体が弁口を閉弁している状態を模式的に示す断面図である。 実施形態3に係り、弁軸を嵌合する第1案内部を模式的に示す断面図である。 実施形態4に係り、弁軸に連設された弁体が閉弁する状態を模式的に示す断面図である。 実施形態4に係り、弁軸に連設された弁体が開弁する状態を模式的に示す断面図である。 実施形態5に係り、弁軸に連設された弁体が開弁する状態を模式的に示す断面図である。 実施形態5に係り、弁軸に連設された弁体が閉弁する状態を模式的に示す断面図である。 実施形態6に係り、燃料電池システムを模式的に示す図である。 従来技術に係り、弁軸に連設された弁体が弁口を閉弁している状態を模式的に示す断面図である。
符号の説明
2は弁軸、3は弁体、5は駆動部を示す。

Claims (7)

  1. 入口ポートと、出口ポートと、前記入口ポートと前記出口ポートと間に設けられている弁口を形成する弁座をもつボディと、
    前記ボディに軸長方向に沿って前進および後退可能に設けられた弁軸と、
    前記弁軸に連設され前記弁軸の中心線の回りに縁部をもち前記弁軸の前進により前記弁口を閉弁し且つ前記弁軸の後退により前記弁口を開弁する鍔状の弁体と、
    前記弁体が前記弁口を開弁する方向に前記弁軸を後退させると共に前記弁体が前記弁口を閉弁する方向に前記弁軸を前進させる駆動機構とを具備するバルブ装置において、
    開弁時の少なくとも初期において、前記弁軸に作用する開弁力の作用中心点は、前記弁軸の径方向において、前記弁体の中心線に対して偏った位置に設けられていることを特徴とするバルブ装置。
  2. 請求項1において、前記弁軸の径方向において、前記弁軸の中心線と前記弁体の中心線とは偏芯していることを特徴とするバルブ装置。
  3. 請求項1または2において、前記弁軸の径方向において、前記弁軸の中心線と前記弁体の中心線との偏芯量をΔDとし、前記弁体の外径をDとすると、ΔD/D×100=αとすると、α=1〜25の範囲内に設定されていることを特徴とするバルブ装置。
  4. 請求項1〜3のうちの一項において、前記駆動機構により移動され前記弁軸に係合し前記弁軸を前進後退させる係合軸が設けられており、
    前記係合軸は、前記弁軸をこれの前進方向に加圧して前記弁体を前記弁口に閉弁させる弁軸前進面と、前記弁軸をこれの後退方向に引っ張って前記弁体を前記弁口から離間させて開弁させる弁軸後退面とを備えており、
    前記弁軸は、前記係合軸の前記弁軸前進面に対面して係合する弁軸被前進面と、前記係合軸の前記弁軸後退面に対面して係合する弁軸被後退面とを備えており、
    前記係合軸の前記弁軸後退面は前記弁軸の径方向において前記弁軸の中心線に対して偏った位置に形成されていることを特徴とするバルブ装置。
  5. 請求項1〜3のうちの一項において、前記駆動機構により前進後退される係合軸と、一端部が前記係合軸に揺動可能に連結され他端部が前記弁軸に揺動可能に連結され前記係合軸および前記弁軸に対して揺動可能な揺動体とが設けられており、
    前記揺動体は、前記弁軸をこれの前進方向に加圧して前記弁体を前記弁口に閉弁させる弁軸前進位置と、前記弁軸をこれの後退方向に引っ張って前記弁体を前記弁口から離間させて開弁させる弁軸後退位置とを備えており、
    前記揺動体の弁軸後退位置は前記弁軸の径方向において前記弁軸の中心線に対して偏った位置に形成されていることを特徴とするバルブ装置。
  6. 請求項1〜5のうちの一項において、前記弁軸を前進後退方向に案内する第1案内部が設けられており、前記弁軸と前記第1案内部の間には、前記弁軸の中心線を前記第1案内部の中心線に対して傾斜させる隙間が前記弁軸の径方向において形成されていることを特徴とするバルブ装置。
  7. 請求項1〜6のうちの一項において、閉弁時において前記弁軸に作用する閉弁力の作用中心点は、開弁時において前記弁軸に作用する開弁力の作用中心点よりも、前記弁軸の径方向において前記弁体の中心線の近くに設定されていることを特徴とするバルブ装置。
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