JP6868371B2 - 高圧流体制御弁および燃料電池システム - Google Patents

高圧流体制御弁および燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP6868371B2
JP6868371B2 JP2016220898A JP2016220898A JP6868371B2 JP 6868371 B2 JP6868371 B2 JP 6868371B2 JP 2016220898 A JP2016220898 A JP 2016220898A JP 2016220898 A JP2016220898 A JP 2016220898A JP 6868371 B2 JP6868371 B2 JP 6868371B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
valve body
valve
diameter
port
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016220898A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018077796A (ja
Inventor
森山 明信
明信 森山
夏樹 黒岩
夏樹 黒岩
花田 知之
知之 花田
鈴木 豊
豊 鈴木
二宮 誠
誠 二宮
友哉 早瀬
友哉 早瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd, Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2016220898A priority Critical patent/JP6868371B2/ja
Publication of JP2018077796A publication Critical patent/JP2018077796A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6868371B2 publication Critical patent/JP6868371B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

本発明は、高圧流体に適した高圧流体制御弁およびこれを備える燃料電池システムに関する。
特許文献1には、水素タンク2と、水素タンク2に貯蔵されている高圧の水素ガスを燃料電池1のアノード極に供給するための水素供給通路3と、水素供給通路3に介装された制御弁4と、を備える燃料電池システムが開示されている。制御弁4は、燃料電池1に供給される水素ガスの圧力を調整するためのものである。さらに、この燃料電池システムは、燃料電池1の発電停止時(電源オフ時)に水素タンク2の内部と水素供給通路3との連通を遮断する開閉弁5を備える(段落0013、0014)。
特開2013−134687号公報
しかし、特許文献1では、制御弁4が水素供給通路3の途中、換言すれば、高圧配管3Aと低圧配管3Bとの間に配置される一方、開閉弁5が水素タンク2のガス取出部、換言すれば、水素タンク2と水素供給通路3の高圧配管3Aとの接続部に配置されており、制御弁4と開閉弁5とが個別に設けられている。ここで、開閉弁の機能と圧力制御弁の機能とを一体の制御弁に統合することができれば、配管等のレイアウト性が向上するとともに、部品数および製造コストの削減に繋がる。
そこで、本発明は、開閉機能と調圧機能とを兼ね備える高圧流体制御弁およびそのような制御弁をアノード系に備える燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明の一形態では、高圧側の第1ポートと低圧側の第2ポートとを有するハウジングに、第1ポートと連通する高圧室と、第2ポートと連通する低圧室と、高圧室および低圧室の間の中間室と、を形成するとともに、高圧室と中間室との間に遮断シート部を、中間室と低圧室との間に調圧シート部を、夫々形成する。弁体を高圧室から中間室にかけて延在させるようにハウジングに収容するとともに、ハウジングの弁体案内孔に摺動可能に挿入し、高圧室を外部に対して密封するための摺動シール部を形成する。さらに、弁体において、全閉時に遮断シート部と当接して高圧室と中間室との連通を遮断する遮断部と、全閉時に調圧シート部と当接して中間室と低圧室との連通を遮断する調圧部と、を形成する。調圧シート部は、全閉からの開弁動作時に弁体の移動に対して所定の距離だけ追従して変位または変形可能である。遮断シート部は、そのシート径である遮断シート径を、調圧シート部のシート径である調圧シート径よりも大きく、摺動シール部における弁体の外径よりも大きな値に設定する。
さらに、別の形態では、燃料電池システムにおいて、上記高圧流体制御弁を、燃料タンクに貯蔵されている燃料を第1ポートを通じて導入し、減圧後の燃料を第2ポートから送出するように配置する。
本発明によれば、開閉機能と調圧機能とを統合した高圧流体制御弁が提供され、配管等のレイアウト性が向上するとともに、部品数および製造コストを削減することが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る高圧流体制御弁を適用した燃料電池システムの全体構成図である。 図2は、同上高圧流体制御弁の全体構成を示す概略断面図である。 図3は、同上高圧流体制御弁の要部構成を示す拡大断面図である。 図4は、同上高圧流体制御弁の全閉からの開弁時の動作を概略的に示す説明図である。 図5は、弁体の開方向位置に応じたシート面圧の変化を示す説明図である。 図6は、開弁動作時にソレノイドに供給する駆動エネルギの変化を示す説明図である。 図7は、本発明の他の実施形態に係る遮断シート部の構成を示す説明図である。 図8は、本発明のさらに別の実施形態に係る遮断シート部の構成を示す説明図である。 図9は、本発明のさらに別の実施形態に係る調圧シート部の構成を示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(燃料電池システムの全体構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る高圧流体制御弁5を適用した燃料電池システム1の構成を、アノード系を中心に示している。
本実施形態に係る燃料電池システム1は、大別すると、燃料電池10と、カソードガス給排機構12と、アノードガス給排機構14と、を備える。燃料電池10は、発電装置を構成する。カソードガス給排機構12は、燃料電池10のカソード極に酸化剤を供給し、発電反応後のカソードオフガスを燃料電池10から排出する機構である。アノードガス給排機構14は、燃料電池10のアノード極に燃料を供給し、発電反応後のアノードオフガスをアノード極に再度供給するとともに、アノードオフガスの一部を必要に応じて燃料電池システム1の外部に排出する機構である。
燃料電池システム1は、さらに、図示しない負荷装置を備えるとともに、加熱/冷却機構等の燃料電池10の運転に必要な設備を適宜備える。本実施形態において、燃料電池システム1は、車両に搭載され、負荷装置は、具体的には、車両走行用の電動モータである。燃料電池10は、この燃料電池自動車の駆動源を構成し、電動モータに供給される電力のほか、車両の走行に必要な電力を発電する。
燃料電池10は、膜電極接合体を一対のセパレータにより挟持して構成される燃料電池セルを積層して構成され、カソードガス給排機構12を介して空気の供給を受けるとともに、アノードガス給排機構14を介して水素ガスの供給を受け、空気中の酸素と水素との化学反応により発電する。本実施形態では、水素が燃料であり、空気中の酸素が酸化剤である。水素ガスは、後に述べる高圧水素タンク141から供給され、空気は、大気中から図示しないコンプレッサ等を介して取り込まれる。発電により生じた電気は、車両走行用の電動モータに供給され、この電動モータの駆動に用いられる。
カソードガス給排機構12は、カソードガス供給通路121と、カソードガス排出通路122と、を備える。カソードガス供給通路121は、燃料電池10のカソード極に供給される空気が流れる通路であり、カソードガス排出通路122は、燃料電池10から排出されるカソードオフガスが流れる通路である。カソードガス供給通路121を介して大気中の空気が燃料電池10のカソード極に供給され、カソードガス排出通路122を介してカソードオフガスが燃料電池システム1の外部に放出される。
アノードガス給排機構14は、高圧水素タンク141と、アノードガス供給通路142と、アノードオフガス循環通路143と、を備える。高圧水素タンク141は、燃料電池10のアノード極に供給される水素ガスを高圧状態に保って貯蔵する高圧ガス容器であり、本実施形態に係る「燃料タンク」を構成する。アノードガス供給通路142は、燃料電池10のアノード極に供給される水素ガスが流れる通路であり、高圧水素タンク141のガス取出口と、燃料電池10のアノード極のガス流入口と、の間に接続されている。アノードガス供給通路142は、本実施形態に係る「燃料供給管」を構成し、後に述べるエゼクタ145よりも上流側の第1燃料供給管142aと、エゼクタ145よりも下流側の第2燃料供給管142bと、からなる。アノードオフガス循環通路143は、燃料電池10から排出されたアノードオフガスをアノード極に再度供給するための通路であり、燃料電池10のアノード極のガス流出口と、アノードガス供給通路142と、の間に接続されている。
高圧水素タンク141のガス取出口には、本実施形態に係る「高圧流体制御弁」である統合主止弁5が取り付けられている。統合主止弁5は、高圧水素タンク141の内部とアノードガス供給通路142との連通を遮断する開閉機能と、アノードガス供給通路142に送り出す水素ガスの圧力を制御する減圧ないし調圧機能とを兼ね備えるものである。高圧水素タンク141に貯蔵されている水素ガスは、統合主止弁5の開放中に、統合主止弁5による制御を受けてアノードガス供給通路142に送出され、アノードガス供給通路142を介して燃料電池10のアノード極に供給される。
さらに、アノードガス供給通路142とアノードオフガス循環通路143との接続部にエゼクタ145が設置されており、アノードガス供給通路142に送出された水素ガスは、エゼクタ145のノズル部に供給される。他方で、燃料電池10のアノード極における発電反応に寄与せずに残った水素と、発電反応に際してカソード極からアノード極に漏洩した水分および窒素等の不純物と、を含んだアノードオフガスが、アノードオフガス循環通路143を介してエゼクタ145に供給される。アノードオフガスは、エゼクタ145の内部でノズル部を通じた水素ガスの噴流により形成される負圧の作用を受けてアノードガス供給通路142に吸入され、この水素ガスとともに燃料電池10のアノード極に循環される。
本実施形態では、アノードオフガス循環通路143にアノードオフガス排出通路144が接続されている。アノードオフガスの一部は、燃料電池システム1からの不純物の排出等の必要に応じ、アノードオフガス循環通路143からアノードオフガス排出通路144に流入し、アノードオフガス排出通路144を介して燃料電池システム1の外部に排出される。
(制御システムの基本構成)
本実施形態において、燃料電池10の運転は、コントロールユニット101により制御される。コントロールユニット101は、中央演算装置、記憶装置および入出力インターフェース等を備えた電子制御ユニットとして構成され、燃料電池10の運転制御のため、燃料電池システム1に対する運転要求および燃料電池10の実際の運転状態を検出する各種センサ111〜117等から信号を入力する。
アクセルセンサ111は、当該車両の運転者によるアクセルペダルの踏込量を示す信号を出力する。HFR測定装置112は、燃料電池10のセルを構成する電解質膜の湿潤度(HFR測定値)を示す信号を出力する。スタック電流センサ113は、燃料電池10が実際に生じさせている電流を示す信号を出力する。さらに、起動スイッチ114は、運転者のキー操作に応じて燃料電池システム1に対する起動および停止指令を示す信号を出力する。
タンク圧力センサ115は、高圧水素タンク141に設置され、高圧水素タンク141内部の圧力、換言すれば、高圧水素タンク141に貯蔵されている水素ガスの圧力を検出する。上流側圧力センサ116は、アノードガス供給通路142の第1燃料供給管142aに設置され、エゼクタ145に供給される水素ガスの圧力を検出する。下流側圧力センサ117は、アノードガス供給通路142の第2燃料供給管142bに設置され、エゼクタ145から送出されたアノードガス、換言すれば、水素ガスとアノードオフガスとの混合ガスの圧力を検出する。
コントロールユニット101は、入力した各種信号をもとに燃料電池10の運転制御に関する所定の演算を実行する。具体的には、燃料電池システム1に対する起動および停止指令を検出するとともに、燃料電池10の目標発電電力を算出し、統合主止弁5に駆動信号を出力する。
(高圧流体制御弁の全体構成)
図2は、本実施形態に係る高圧流体制御弁である統合主止弁5の全体構成を示す断面図である。統合主止弁5は、開閉機能と調圧機能とを兼ね備えており、高圧水素タンク141のガス取出口に取り付けられる。図2を参照して、統合主止弁5の全体的な構成について説明する。
統合主止弁5は、大別すると、ハウジング51と、弁体52と、ソレノイド53と、を備える。
ハウジング51は、高圧側の第1ポートp1と、低圧側の第2ポートp2と、を有し、第1ポートp1は、高圧水素タンク141の内部に、第2ポートp2は、アノードガス供給通路142に、夫々流体接続される。高圧水素タンク141に貯蔵されている水素ガスは、第1ポートp1から統合主止弁5に導入され、ハウジング51の内部で弁体52の位置に応じた減圧ないし調圧作用を受けた後、第2ポートp2からアノードガス供給通路142に送出される。本実施形態において、高圧水素タンク141に貯蔵されている水素ガスの圧力は、数MPaから数十MPa(例えば、1〜70MPa)に設定され、調圧の結果、第2ポートp2では、数kPaから1MPa程度(エゼクタ145がない場合は、例えば、0.005〜0.2MPa)にまで減圧される。第1ポートp1における水素ガスの圧力を「一次圧」といい、第2ポートp2における圧力を「二次圧」という。
ハウジング51の内部には、統合主止弁5の動作に関して異なる圧力を規定する空間として、水素ガスが流れる方向に対して上流側から順に、高圧室Ch、中間室Cmおよび低圧室Clが形成されている。高圧室Chは、第1ポートp1と連通し、一次圧P1の水素ガスが導入される空間である。ここで、高圧室Chの圧力を、一次圧に等しい圧力P1とする。低圧室Clは、第2ポートp2と連通し、減圧後の二次圧P2の水素ガスを通過させる空間であり、低圧室Clの圧力を、二次圧に等しい圧力P3とする。中間室Cmは、高圧室Chと低圧室Clとの間に介在する空間である。ハウジング51の内部には、さらに、高圧室Chと中間室Cmとの間に遮断シート部511が、中間室Cmと低圧室Clとの間に調圧シート部512が、夫々形成されている。
弁体52は、第1ポートp1から第2ポートp2へ向かう水素ガスの流れを規制するものであり、ハウジング51の内部に、軸方向に往復移動可能に収容されている。本実施形態において、弁体52は、軸方向に摺動するスプール状の弁体として具現され、図2に示す全閉時の状態で、高圧室Chと中間室Cmとの連通を遮断するとともに、中間室Cmと低圧室Clとの連通を遮断する。
弁体52は、円筒状に形成された主軸部521と、主軸部521の一端から軸方向に延設された第1棒状部522と、主軸部521の他端から第1棒状部522とは逆方向に延設された第2棒状部523と、を有する。弁体52は、さらに、主軸部521の中間部付近から径方向に延設された遮断部524と、主軸部521の基端部付近から径方向に延設された調圧部525と、を備える。
主軸部521は、一端側で高圧室Chから中間室Cmにかけて延在するとともに、他端側でハウジング51の弁体案内孔51aに延伸する長さに設定されている。第1棒状部522は、主軸部521の一端から先端側に延び、ハウジング51の一方の側壁を貫通する長さに設定され、第2棒状部523は、主軸部521の他端から基端側に延び、ハウジング51の他方の側壁を貫通する長さに設定されている。第1棒状部522および第2棒状部523がハウジング51の内壁に設置された環状シール部材に対して摺動自在に支持されることで、弁体52全体がハウジング51に対して支持されている。さらに、弁体案内孔51aを形成するハウジング51の内壁に環状シール部材526が設置されており、この環状シール部材526に対して主軸部521が摺動自在に支持されることで、ハウジング51に対する追加の支持部が弁体52に形成される。ここで、環状シール部材526とこれに摺接する主軸部521とにより、高圧室Chをハウジング51の外部に対して密封する「摺動シール部」が形成される。
遮断部524は、弁体52の中心軸に垂直な断面において円環状に形成されており、ハウジング51に対して全閉時に遮断シート部511に当接する関係にある。調圧部525は、遮断部524よりも基端側に設けられ、弁体52の中心軸に垂直な断面で遮断部524よりも幅の狭い円環状に形成されている。そして、調圧部525は、ハウジング51に対して全閉時に調圧シート部512に当接する関係にある。遮断部524が遮断シート部511と当接することで、高圧室Chと中間室Cmとの連通が遮断され、調圧部525が調圧シート部512と当接することで、中間室Cmと低圧室Clとの連通が遮断される。
ソレノイド53は、弁体52を電磁的に駆動するものであり、ハウジング51に対し、弁体52の基端側に隣接して配置されている。
ソレノイド53は、電磁コイル531と、電磁コイル531と内側で、同心に配置されたプランジャ532と、を備え、プランジャ532は、電磁コイル531が生じさせる電磁力を受けて直線的に移動する。電磁コイル531およびプランジャ532は、ソレノイドケース533に収容され、ソレノイドケース533は、ホルダ534を介してハウジング51に固定されている。ソレノイド53は、電磁コイル531への通電がオンされることで電磁力を生じ、プランジャ532を駆動する。プランジャ532の運動が第2棒状部523を介して弁体52に伝達され、弁体52を開方向に駆動する。そして、弁体52の移動量、換言すれば、弁体52の開方向位置に応じて遮断シート部511および調圧シート部512が開放される。
本実施形態では、ハウジング51に対し、弁体52の先端側に隣接して弁戻し機構54が設けられている。弁戻し機構54は、弁体52をソレノイド53とは反対側から弾性的に付勢するものであり、電磁コイル531への通電がオフされた場合に、弁体52を閉方向に駆動し、全閉時の位置に復帰させる。
弁戻し機構54は、スプリング541と、弁体52の先端部に取り付けられたリテーナ542と、リテーナ542に対してスプリング541の反対側に設置されたホルダ543と、を備える。スプリング541は、リテーナ542およびホルダ543とともにスプリングケース544に収容され、スプリングケース544は、ハウジング51に対して直に固定されている。スプリングケース544がハウジング51に固定された状態で、スプリング541は、リテーナ542およびホルダ543の間で圧縮状態にある。さらに、弁体52とリテーナ542とで挟み込むようにして円盤状のダイヤフラム545が設置されており、ダイヤフラム545は、ハウジング51とスプリングケース543とによりその外周部が挟持されている。低圧室Clの圧力P3ないし二次圧が圧力帰還通路513を介して弁戻し機構54の圧力室Cpに導入され、この帰還圧がダイヤフラム545を介して弁体52に作用することで、弁体52に対する閉方向の駆動力が補助される。本実施形態では、弁体52を全閉時の位置に復帰させる駆動力の発生源としてスプリング541を採用したが、スプリング541に代えてゴム等、他の弾性体を採用してもよく、弾性体ばかりでなく、永久磁石を採用することも可能である。
電磁コイル531に対する通電のオンおよびオフは、コントロールユニット101により制御される。
(高圧流体制御弁の要部構成)
図3は、統合主止弁5の要部構成を弁体52の中心軸に平行な断面で示しており、図4は、統合主止弁5の全閉からの開弁動作を、図3と同じ断面により概略的に示している。図3および4を参照して、本実施形態で採用する遮断シート部511および調圧シート部512についてさらに説明する。
先に述べたように、本実施形態では、スプール状の1つの弁体52に、開閉機能を実現するための遮断部524と、調圧機能を実現するための調圧部525と、を形成する一方、ハウジング51に、遮断部524を受ける遮断シート部511と、調圧部525を受ける調圧シート部512と、を形成する。
遮断シート部511は、摺動シール部における弁体52の外径、換言すれば、先に述べた摺動シール部を形成する主軸部521の直径(以下「摺動シール径」という)d1よりも大きなシート径(以下「遮断シート径」という)d3を有する。ここで、「遮断シート径」とは、弁体52の遮断部524と遮断シート部511との当接部の直径をいい、弁体52に対して一次圧P1が作用する受圧面を定める際の基準となる寸法である。よって、遮断部524と遮断シート部511とが線ではなく、実質的に面で接触する場合は、「遮断シート径」とは、接触面の外縁部の直径、換言すれば、最大径をいう。
遮断シート部511は、例えば、所定の遮断面圧を確保し得る硬質な樹脂材から形成することができ、本実施形態では、そのような樹脂材を円環状に成形し、これをハウジング51の内壁に形成した凹状部に嵌合させ、固定ないし固着させることで設けられている。
調圧シート部512は、遮断シート径d3よりも小さなシート径(以下「調圧シート径」という)d2を有する。換言すれば、遮断シート径d3は、調圧シート径d2よりも大きな値に設定されている。本実施形態において、調圧シート部512は、ハウジング51自体ではなく、ハウジング51の付帯部品、具体的には、「可動体」である円筒状のスライド体515と、スライド体515とハウジング51の内壁との間に圧縮状態で設置されたバネ体516と、により形成される。バネ体516は、「弾性体」を構成するものであり、所定の閉弁面圧を達成し得る弾性を呈するように設定されている。
スライド体515がバネ体516により開方向に付勢されて、その先端部が弁体52の調圧部512に当接し、このスライド体515と調圧部512との当接部として調圧シート部512が形成されている。当接部におけるスライド体515の直径d2を遮断シート径d3よりも小さな値に設定することで、上記関係(d3>d2)を規定する調圧シート径d2を設定することが可能である。低圧室Clを画成するハウジング51の内壁に凹状案内部を形成し、スライド体515の基端側に設けられた拡径部をこの凹状案内部に収容することで、スライド体515が弁体52の開方向に移動自在な状態で低圧室Clに設置されている。スライド体515とハウジング51の内壁との間には、全閉時の状態で所定の間隔gが形成されている。ここで、スライド体515は、バネ体516により弁体52の開方向に付勢されているため、開弁動作時における弁体52の移動に対し、この所定の間隔gに相当する距離だけ、弁体52に追従して移動可能である。
さらに、本実施形態では、調圧シート径d2が摺動シール径d1と等しい値に設定されている。
図4の説明に移り、図4(A)は、統合主止弁5の「全閉時」における状態を、図4(B)は、全閉からの開弁動作の過程において、遮断シート部511が開放されたものの、調圧シート部512が遮断されたままである「閉弁時」における状態を、図4(C)は、開弁動作がさらに進み、遮断シート部511および調圧シート部512の双方が開放された「開弁時」における状態を、夫々示している。
統合主止弁5は、ソレノイド53に供給する電気エネルギ(以下「駆動エネルギ」という)を制御することで弁体52を開方向および閉方向に移動させ、高圧室Chと中間室Cmとの間の流路面積(以下「遮断シート部の開度」という)を制御するとともに、中間室Cmと低圧室Clとの間の流路面積(以下「調圧シート部の開度」という)を制御する。弁体52の開方向の駆動は、電磁コイル531の電磁力により、閉方向の駆動は、スプリング541の弾性に基づく復元力による。
図4(A)に示す全閉時では、弁体52の遮断部524が遮断シート部511に、調圧部525が調圧シート部512(スライド体515の先端部)に夫々当接することで、遮断シート部511および調圧シート部512が閉塞された状態にあり、これらの開度は、いずれも0(ゼロ)である。高圧室Chには、第1ポートp1を通じて高圧水素タンク141内部の圧力が導入され、高い圧力(一次圧)P1が作用する。これに対し、低圧室Clに作用する圧力(二次圧)P3は、第2ポートp2がアノードガス供給通路142に接続されていることで、一次圧に比べて極めて低い。中間室Cmには、一次圧P1および二次圧P3の間の圧力P2が作用する。遮断シート部511には、全閉時に完全な流体遮断が求められるのに対し、調圧シート部512には、全閉時であっても安全性の観点から支障のない範囲で僅かな漏れが許容される。よって、システム1の前回停止時から充分な時間が経過している場合に、中間室Cmの圧力P2は、停止直後の圧力から大幅に低下し、一次圧P1よりも寧ろ二次圧P3に近い状態にある。遮断シート径d3が摺動シール径d1よりも大きいことで、弁体52には、一次圧P1に基づき、遮断シート径d3と摺動シール径d1との差分に応じた力が閉方向に作用する(以下、弁体52に対して閉方向に作用する力を「閉弁力」といい、反対に、開方向に作用する力を「開弁力」という)。全閉状態にある弁体52を開方向に移動させるには、一次圧P1に基づく閉弁力に打ち勝つだけの電磁力を電磁コイル531により生じさせる必要がある。
図4(B)に示す閉弁時では、弁体52の遮断部524が遮断シート部511から離間し、遮断シート部511が開放される一方、調圧部525が調圧シート部512に当接したままであることで、調圧シート部512の開度は、依然として0である。遮断シート部511が開放されることで、高圧室Chから中間室Cmへの流れ生じ、高圧室Chと中間室Cmとで圧力P1、P2が均衡する(P1=P2)。調圧シート径(スライド体515の外径)d2が摺動シール径d1と等しいことで、弁体52に対する一次圧P1の影響が相殺される。閉弁時では、スライド体515の拡径部がハウジング51の内壁に当接した状態にあり、弁体52には、バネ体516の弾性力も働いておらず、弁体52に作用する閉弁力は、実質的にスプリング541の弾性力のみである。よって、弁体52を開方向にさらに移動させるには、この比較的小さな閉弁力に打ち勝つ程度の電磁力を生じさせればよい。
図4(C)に示す開弁時では、閉弁時の状態からさらに調圧部525が調圧シート部512から離間し、遮断シート部511および調圧シート部512の双方が開放される。これにより、中間室Cmから低圧室Clに水素ガスが流入し、統合主止弁5の下流側に備わる部品(例えば、エゼクタ145)への水素ガスの供給が開始される。調圧シート部512の開度を調節することで、下流部品に供給される水素ガスの圧力を制御する。遮断シート部511の開放後、弁体52に対する一次圧P1の影響が相殺されているため、比較的小さな駆動エネルギで弁体52を移動させることが可能である。
図5は、全閉からの開弁動作時に遮断シート部511および調圧シート部512に作用する面圧の変化を示している。
本実施形態では、開弁動作時に、スライド体515が弁体52の移動に対して間隔gに相当する所定の距離だけ追従するので、図5に示すように、弁体52が移動を開始した後、遮断シート部511がまず開放され、その後、スライド体515の拡径部がハウジング51の内壁に当接した時点で、調圧シート部512が開放される。弁体52の遮断部524および調圧部525が遮断シート部511、調圧シート部512から離間する弁位置を、夫々「着座点」として示している。
遮断シート部511は、硬質の樹脂材から形成されており、全閉時には、一次圧P1に基づく閉弁力が弁体52の遮断部524に作用して、所定の遮断面圧を上回る面圧をもって遮断部524と当接した状態にある。電磁コイル531に対する通電がオンされ、弁体52に作用する開弁力が一次圧P1に基づく閉弁力を超えると、弁体52が移動を開始し、これに伴い、遮断シート部511の面圧が急激に減少する。着座点以降、遮断シート部511の面圧は、0(ゼロ)となる。
調圧シート部512は、スライド体515およびバネ体516により構成され、バネ体516は、所定の閉弁面圧を達成し得る弾性を呈するように設定されている。よって、全閉時には、スライド体515は、バネ体516の弾性力により、所定の閉弁面圧を上回る面圧をもって弁体52の調圧部525に押し付けられた状態にある。弁体52に追従してスライド体515が移動するのに伴い、バネ体516の変位量が減少し、弾性力が減少するため、調圧シート部512の面圧も減少する。調圧シート部512の面圧の減少は、遮断シート部511よりも緩やかである。着座点以降、調圧シート部512の面圧も、遮断シート部511と同様に0となる。本実施形態では、弁体52の調圧部525が調圧シート部512に着座した直後または離間する直前の面圧を閉弁面圧とする。
開弁からの閉弁動作時では、遮断シート部511および調圧シート部512の面圧は、開弁動作時とは逆の変化を示す。ただし、弁戻し機構54のスプリング541によっては遮断シート部511の反発力に抗するだけの閉弁力を生じさせることができないので、遮断部524が遮断シート部511に着座した後の面圧の上昇は、高圧室Chと中間室Cmとの差圧の増大に応じたものとなる。
図6は、全閉からの開弁動作時にソレノイド53に供給する駆動エネルギの変化を示している。
本実施形態では、動作開始後の期間A(時間t0〜t1)において、一次圧P1に基づく閉弁力に打ち勝つだけの大きな開弁力を生じさせるため、駆動エネルギを急減に増大させ、ソレノイド53に対して大きな開弁エネルギE1を供給する。開弁エネルギE1の大きさは、一次圧P1、換言すれば、高圧水素タンク141内部の圧力に応じて変更する。具体的には、高圧水素タンク141の貯蔵量ないし残容量が多く、一次圧P1が高いときほど、開弁エネルギE1を増大させる。
弁体52が移動を開始し、遮断部524と遮断シート部511との間に僅かな隙間が生じると、高圧室Chから中間室Cmへの流れが生じ、中間室Cmの圧力P2が上昇する。高圧室Chと中間室Cmとの差圧が減少するのに従い、閉弁力が減少する。高圧室Chと中間室Cmとで圧力が均衡した状態(P1=P2)では、弁体52に対する一次圧P1の影響が相殺され、弁体52は、スプリング541の弾性力に打ち勝つ程度の比較的小さな開弁力で移動させることが可能である。よって、本実施形態では、弁体52が移動を開始し、遮断部524が遮断シート部511から離間し始めたのに合わせて駆動エネルギを減少させ、開弁エネルギE1よりも大幅に低い調圧エネルギE2に切り換える(時間t2)。
切換後、調圧エネルギE2を増大させたり(時間t3、t5)、減少させたりすることで(時間t4、t6)、燃料電池10に対する水素ガスの供給流量を制御する。燃料電池システム1を停止する場合は、駆動エネルギを0として、電磁コイル531に対する通電を停止する(時間t7)。
(作用効果の説明)
以上が統合主止弁5に関する説明であり、以下、本実施形態により得られる効果をまとめる。
第1に、開閉機能と調圧機能とを1つの制御弁(統合主止弁5)に統合することができる。
遮断シート部511のシート径(遮断シート径)d3を摺動シール部における弁体52の外径(摺動シール径)d1よりも大きくしたことで、これらの差分に相当する面を一次圧の受圧面として機能させ、この受圧面に作用する圧力(一次圧)P1により、全閉時の遮断機能を確保することができる。
さらに、遮断シート径d3を調圧シート部512のシート径(調圧シート径)d2よりも大きく、換言すれば、調圧シート径d2を遮断シート径d3よりも小さくしたことで、遮断シート部511の開放後、弁体52に対する一次圧P1の影響を低減し、比較的小さな開弁力(ソレノイド53の電磁力)で弁体52を駆動することが可能となる。これにより、調圧時における弁体52の制御性を確保するとともに、電力の消費を抑制することができる。
そして、開閉機能と調圧機能との統合を通じて配管等のレイアウト性が向上するとともに、部品数および製造コストを削減することが可能となる。
第2に、調圧シート径d2が摺動シール径d1と等しいことで、遮断シート部511が開放されたものの、調圧シート部512が依然として閉塞されたままの状態にある閉弁時に(図4(B))、高圧室Chの圧力P1と中間室Cmの圧力P2(=P1)とが弁体52に対して閉方向に作用させる力と、開方向に作用させる力と、が互いに均衡する。このように、遮断シート部511の開放後、一次圧P1の影響を相殺することが可能となり、調圧時における弁体52の制御性をさらに高めることができる。
第3に、スライド体515とバネ体516とを用いた簡易な構造により、調圧シート部512を実現することができる。そして、開弁動作時にスライド体515が弁体52の移動に追従する間、バネ体516により調圧シート部512を通じた過大な漏れを抑えるのに必要な面圧を維持することが可能であるとともに、弾性力の調整により、漏れの抑制に必要な面圧を容易に設定し、確保することができる。
(他の実施形態の説明)
図7は、本発明の第2実施形態に係る統合主止弁5の構成を、遮断シート部511を中心に示している。
先に示した第1実施形態では、遮断シート部511を、弁体52の遮断部524に対して線で接触させた(例えば、図3)。線接触による場合は、閉弁動作時に、弁体52の遮断部524が遮断シート部511に当接した後、短時間のうちに弁体52を再度開弁させる際に必要となる駆動エネルギを小さく抑えることができる。中間室Cmの圧力P2がP1からそれほど減少していないため、一次圧P1に基づく閉弁力と開弁力とが依然として近い状態にあるからである。しかし、遮断シート部511と遮断部524とは、径方向に幅を有する面で接触させてもよい。
本実施形態において、弁体52の遮断部524は、中心軸ないし開方向に対して傾斜して形成され、遮断シート部511は、全閉時にこの傾斜面に対して面接触する。遮断シート部511は、第1実施形態と同様に、所定の遮断面圧を確保し得るほどの硬質な樹脂材からなり、図7(a)に示す全閉時の状態において、最大径d3maxおよび最小径d3minを有する。同図から明らかなように、最大径d3maxは、弁体52に対して一次圧P1が作用する受圧面を定める際の基準となる寸法であることから、遮断シート径d3に相当し、摺動シール径d1および調圧シート径d2よりも大きな値に設定されている。これに対し、最小径d3minは、摺動シール径d1および調圧シート径d2に等しい値に設定されている。
このように、遮断シート部511が弁体52の遮断部524に対して面接触するとともに、接触面の最大径d3max(換言すれば、遮断シート径d3)が摺動シール径d1よりも大きいことで、全閉直後から一次圧P1による遮断機能を発揮させることが可能となる。仮に線接触によるならば、全閉直後は、中間室Cmの圧力P2が一次圧P1に等しく、一次圧P1に基づく閉弁力と開弁力とが互いに均衡した状態となる。中間室Cmの圧力P2が時間の経過とともに低下し、高圧室Chと中間室Cmとの差圧が拡大するのに従い、閉弁力が開弁力に対して相対的に増大し、所望の遮断面圧が形成され、遮断機能が発揮されることとなる。これに対し、面接触を採用し、最大径d3maxを摺動シール径d1よりも大きくした場合は、接触面の分だけ一次圧P1の受圧面が閉弁側で大きくなり、その分だけ、開弁力よりも大きな閉弁力を確保することができる。
そして、接触面の最小径d3minが調圧シート径d2と等しいことで、全閉時に中間室Cmの圧力P2の影響を相殺することができる。
図8は、本発明の第3実施形態に係る統合主止弁5の遮断シート部511の構成を示している。
本実施形態では、第2実施形態と同様に、遮断シート部511と弁体52の遮断部524とを面接触させることに加え、遮断シート部511を所定の長さlだけ開方向に突出させている。これにより、遮断シート部511は、所定の長さlに亘って接触面と等しい開方向の投影面積を有し、最大径d3maxがこの長さlの範囲で一定となる。このようにすれば、遮断シート部511を形成する材料の摩耗に対し、最大径d3maxの変化を抑制し、一次圧P1に基づく閉弁力を安定して生じさせることができる。
図9は、本発明の第4実施形態に係る統合主止弁5の構成を、調圧シート部512を中心に示している。
第1実施形態では、調圧シート部512を、ハウジング51自体ではなく、ハウジング51の付帯部品であるスライド体515およびバネ体516により構成した。しかし、調圧シート部512は、ハウジング51自体により、換言すれば、ハウジング51の一部として構成することも可能である。
本実施形態において、調圧シート部512は、例えば、所定の閉弁面圧を確保し得るだけの弾性を呈する樹脂材から形成され、遮断シート部511と同様に、そのような樹脂材を円環状に成形し、これをハウジング51の内壁に形成した凹状部に固定ないし固着させることで設けられている。
調圧シート部512は、図9(a)に示す全閉時の状態で圧縮変形されており、弁体52の調圧部525に面接触する。この接触面は、径方向に一定の幅を有し、外縁部により定められる最大径d2maxが遮断シート径d3と等しく、内縁部により定められる最小径d2minが摺動シール径d1と等しい。よって、本実施形態でも、遮断シート径d3は、摺動シール径d1よりも大きな値を有する。全閉からの開弁動作時に、調圧シート部512は、弁体52の移動に伴って徐々に形状を復元し、調圧部525が調圧シート部512から離間する直前に(図9(b))、調圧部525は、調圧シート部512に対してその内縁部で当接した状態にある。
このような構成によれば、遮断シート径d3が摺動シール径d1よりも大きいことで、これらの差分に相当する面を一次圧の受圧面として一次圧P1を閉方向に作用させ、全閉時の遮断機能を確保することができる。
さらに、調圧シート部512の最小径d2minが遮断シート径d3よりも小さいことで、遮断シート部511の開放後、弁体52に対する一次圧P1の影響を低減し、調圧時における弁体52の制御性を確保するとともに、電力の消費を抑制することができる。最小径d2minが摺動シール径d1と等しいことで、一次圧P1に基づく閉弁力と開弁力とが均衡し、より小さな電磁力で弁体52を移動させることが可能となるので、弁体52の制御性をさらに高めることができる。
このように、スライド体515等の付帯部品によらず、ハウジング51自体によっても調圧シート部512を実現することが可能であり、開閉機能と調圧機能との統合を通じて配管等のレイアウト性を向上させ、部品数および製造コストを削減することができる。
以上の説明では、本発明を燃料電池自動車に適用した場合を例に説明したが、本発明は、これに限らず、天然ガス自動車に対し、調圧弁の機能を兼ね備えた統合主止弁として適用することも可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内において、様々な変更および修正が可能であることはいうまでもない。
1…燃料電池システム
5…統合主止弁(高圧流体制御弁)
51…ハウジング
51a…弁体案内孔
511…遮断シート部
512…調圧シート部
Ch…高圧室
Cm…中間室
Cl…低圧室
52…弁体
521…主軸部
524…遮断部
525…調圧部
526…環状シール部材
53…ソレノイド
531…電磁コイル
532…プランジャ
54…弁戻し機構
p1…第1ポート
p2…第2ポート
12…カソードガス給排機構
121…カソードガス供給通路
122…カソードオフガス排出通路
14…アノードガス給排機構
141…高圧水素タンク(燃料タンク)
142…アノードガス供給通路
143…アノードオフガス循環通路
101…コントロールユニット

Claims (6)

  1. 高圧側の第1ポートと、低圧側の第2ポートと、を有し、
    前記第1ポートを通じて導入した高圧流体を減圧して、前記第2ポートから送出する高圧流体制御弁であって、
    ハウジングと、前記ハウジングに収容され、前記第1ポートから前記第2ポートへ向かう前記高圧流体の流れを制御する弁体と、前記弁体を駆動するソレノイドと、を備え、
    前記ハウジングは、前記第1ポートと連通する高圧室と、前記第2ポートと連通する低圧室と、前記高圧室および前記低圧室の間の中間室と、が形成されるとともに、
    前記高圧室と前記中間室との間に形成された遮断シート部と、前記中間室と前記低圧室との間に形成された調圧シート部と、を有し、
    前記弁体は、前記高圧室から前記中間室にかけて延在する一方、前記ハウジングの弁体案内孔に摺動可能に挿入されて、前記高圧室を外部に対して密封するための摺動シール部を形成し、さらに、全閉時に前記遮断シート部と当接し、前記高圧室と前記中間室との連通を遮断する遮断部と、全閉時に前記調圧シート部と当接し、前記中間室と前記低圧室との連通を遮断する調圧部と、を有し、
    前記調圧シート部は、全閉からの開弁動作時に前記弁体の移動に対して所定の距離だけ追従して変位または変形可能であり、
    前記遮断シート部は、そのシート径である遮断シート径が、前記調圧シート部のシート径である調圧シート径よりも大きく、前記摺動シール部における前記弁体の外径よりも大きい、
    高圧流体制御弁。
  2. 前記調圧シート径は、前記摺動シール部における前記弁体の外径と等しい、請求項1に記載の高圧流体制御弁。
  3. 全閉時に前記弁体の調圧部に当接するとともに、前記ハウジングに対して前記所定の距離に相当する隙間が形成されるように、前記低圧室に配置された可動体と、前記可動体を前記弁体の開方向に付勢する弾性体と、をさらに備え、
    前記調圧シート部は、前記可動体の前記調圧部に対する当接部として形成される、請求項1または2に記載の高圧流体制御弁。
  4. 前記弁体の遮断部は、開方向に対して傾斜して形成され、
    前記遮断シート部は、前記遮断部に対して全閉時に面接触し、
    前記遮断シート部の接触面は、最大径が前記摺動シール部における前記弁体の外径よりも大きく、最小径が前記調圧シート径に等しい、請求項1〜3のいずれか一項に記載の高圧流体制御弁。
  5. 前記遮断シート部は、開方向への投影面積が一定になるように開方向に突出する突出部を有する、請求項4に記載の高圧流体制御弁。
  6. 燃料と酸化剤との供給を受けて発電する燃料電池と、
    前記燃料を貯蔵する燃料タンクと、
    前記燃料タンクと前記燃料電池との間に介装され、前記第1ポートを通じて前記燃料を導入し、減圧後の燃料を前記第2ポートから送出する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の高圧流体制御弁と、
    前記高圧流体制御弁の前記第2ポートと前記燃料電池のアノード極とを接続する燃料供給管と、
    前記燃料電池の運転状態を検出する運転状態センサと、
    前記運転状態センサの出力信号を入力し、前記ソレノイドに対する駆動信号を出力する
    コントローラと、
    を備える、燃料電池システム。
JP2016220898A 2016-11-11 2016-11-11 高圧流体制御弁および燃料電池システム Active JP6868371B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016220898A JP6868371B2 (ja) 2016-11-11 2016-11-11 高圧流体制御弁および燃料電池システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016220898A JP6868371B2 (ja) 2016-11-11 2016-11-11 高圧流体制御弁および燃料電池システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018077796A JP2018077796A (ja) 2018-05-17
JP6868371B2 true JP6868371B2 (ja) 2021-05-12

Family

ID=62150784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016220898A Active JP6868371B2 (ja) 2016-11-11 2016-11-11 高圧流体制御弁および燃料電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6868371B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102019106494B4 (de) * 2019-03-14 2022-05-05 Kendrion (Villingen) Gmbh Druckregelventil und Vorrichtung mit einem derartigen Druckregelventil zum Steuern oder Regeln eines Drucks eines Druckfluids in einem Pilotdruckraum
KR102185711B1 (ko) * 2020-03-26 2020-12-02 (주)한빛산업 고착에 의한 오작동을 방지하고 누유를 최소화하기 위한 방향제어 유압밸브 및 이를 이용한 제어방법
KR102212434B1 (ko) * 2020-11-13 2021-02-04 (주)한빛산업 방향제어 유압밸브 및 이를 포함하는 시스템
CN114215925B (zh) * 2021-12-23 2023-06-30 国能(福州)热电有限公司 调节阀

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018077796A (ja) 2018-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6868371B2 (ja) 高圧流体制御弁および燃料電池システム
EP2276096B1 (en) Fuel cell system and mobile article
JP5438745B2 (ja) 流体供給システム
JP5458178B2 (ja) 燃料電池システムの水素ガス供給装置
JP4973831B2 (ja) 燃料電池システム
JP2013089307A (ja) インジェクタ付き減圧弁およびこれを備えた燃料電池システム
JP2010001916A (ja) 電磁遮断弁
JP2012189103A (ja) パイロット式電磁弁
JP2006065587A (ja) 減圧弁
JP6724736B2 (ja) 高圧流体制御弁の制御装置および異常診断方法
US8053129B2 (en) Fuel cell system, fuel cell valve system, and fuel cell gas supply device
JP4263555B2 (ja) 燃料電池システムの起動方法
JP2009068648A (ja) 燃料電池の反応ガス供給装置
JP6004925B2 (ja) 燃料利用システム
JP6852357B2 (ja) 高圧流体制御弁の制御装置および動作方法
JP6117551B2 (ja) 調圧装置及び燃料電池システム
JP6774849B2 (ja) 高圧流体制御弁の制御装置および制御方法
JP2005129427A (ja) 燃料電池用ガス減圧弁及び燃料電池発電システム
JP2012189108A (ja) インジェクタ付きタンク弁と燃料電池システム
JP5023444B2 (ja) 燃料電池システム
JP2012208802A (ja) 締切り機構付き減圧弁
JP2017117542A (ja) 燃料電池車両のガス供給システム
JP4645805B2 (ja) 燃料電池システム
JP2010103062A (ja) 燃料電池システム及びそのシステムの制御方法
JP2006065586A (ja) 減圧弁

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20161129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20161129

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190911

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200807

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200818

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201014

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210316

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210412

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6868371

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150