JP2017117542A - 燃料電池車両のガス供給システム - Google Patents

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健嗣 小宮
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敬悟 野口
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Abstract

【課題】調圧弁での異音によるユーザーへの影響を抑制できるガス供給システムを提供する。【解決手段】燃料電池車両に設けられるガス供給システム5は、車両外から燃料ガスを受け入れる充填口53から車両内の水素タンク50に燃料ガスを充填する水素充填流路52と、水素タンク50内に充填された燃料ガスを燃料電池2に供給する水素供給流路41とが並列接続されている。水素供給流路41の水素タンク50と燃料電池2との間には、インジェクタ70と調圧弁60とが設けられている。制御部6は、車両のイグニッションがOFFの状態で充填口53から燃料ガスが充填された後、OFFの状態が所定時間維持された場合にはインジェクタ70を作動させ、イグニッションがOFFからONになっても前記所定時間が経過する前に燃料電池2が起動されない場合には、燃料電池2の起動前にインジェクタ70を作動させる。【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池車両のガス供給システムに関する。
反応ガスである燃料ガスと酸化ガスの供給を受け、これら反応ガスの電気化学反応によって発電する燃料電池を備えた燃料電池車両においては、ガス供給システムとして、車両外から燃料ガスを受け入れる充填口から車両内の燃料タンクに燃料ガスを充填する充填ラインと、燃料タンク内に充填された燃料ガスを燃料電池に供給する供給ラインとが並列接続されたものを備えたものがある。燃料タンクと燃料電池とを接続している供給ラインには、燃料タンクからの高圧燃料ガスを所定圧に調圧する調圧弁と、その下流に配置されて燃料電池への燃料ガス供給量を調整するインジェクタとが設けられている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2009−168165号公報 特開2009−168166号公報
上記のようなガス供給システムでは、車両外から燃料タンクに燃料ガスを充填させるべく、高圧流路の充填口から燃料ガスを充填すると、充填ラインと供給ラインとが並列に配置されているため、充填口から導入された高圧燃料ガスが調圧弁にも供給され、調圧弁に高い圧力が作用する。調圧弁では、樹脂製のシート部材の弁座部に弁体が押し付けられ、これにより、弁座部が加圧されて徐々に弾性変形する。すると、燃料電池へ燃料ガスを供給する際の調圧弁の作動時に、弁座部の形状が元に戻るまで、調圧弁内での燃料ガスの流れが不安定になるので、異音が発生し、ユーザーに違和感を持たせるおそれが生じる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、調圧弁での異音によるユーザーへの影響を抑制できるガス供給システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のガス供給システムは、
燃料ガスと酸化ガスを燃料電池に供給して発電する燃料電池システムを備えた燃料電池車両に設けられる、前記燃料ガスを前記燃料電池へ供給するガス供給システムであって、
前記ガス供給システムは、前記燃料電池車両外から燃料ガスを受け入れる充填口から前記燃料電池車両内の燃料タンクに燃料ガスを充填するガス充填流路と、前記燃料タンク内に充填された燃料ガスを前記燃料電池に供給するガス供給流路とが並列接続された構成とされ、
前記ガス供給流路における前記燃料タンクよりも前記燃料電池側に設けられ、開閉駆動することで前記燃料タンク内の燃料ガスを前記燃料電池へ供給するインジェクタと、
前記ガス供給流路における前記燃料タンクと前記インジェクタとの間に設けられた調圧弁と、
前記インジェクタを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記燃料電池車両のイグニッションがOFFの状態で前記充填口から燃料ガスが充填された後、前記OFFの状態が所定時間維持された場合には、前記インジェクタを作動させ、
前記イグニッションがOFFからONになった後に、前記燃料電池が起動されない場合には、前記所定時間が経過する前に前記インジェクタを作動させる。
この構成によれば、燃料ガスの充填後、燃料電池車両のイグニッションがOFFの状態が所定時間維持された場合には、インジェクタを作動させる。
ここで、燃料タンクへ燃料ガスを充填させるべく、充填口から燃料ガスを充填することで、ガス供給流路における充填口と調圧弁との間が高圧となると、調圧弁に高い圧力が作用する。すると、調圧弁では、弁座部に弁体が押し付けられ、弁座部が加圧されて徐々に弾性変形する。したがって、燃料ガスの充填後、燃料電池車両のイグニッションがOFFの状態が所定時間維持された場合では、その後にインジェクタを作動させて燃料タンクの燃料ガスを燃料電池へ供給する際の調圧弁の作動時に、弁座部の形状が元に戻るまで、調圧弁内での燃料ガスの流れが不安定になり、異音が発生するおそれが生じる。
しかしながら、上記構成によれば、制御部が予めインジェクタを作動させておくので、弁座部の形状を基に戻すことが可能になり、燃料電池起動後のユーザーへの異音による違和感を与えないようにすることができる。
一方、調圧弁で異音が発生するおそれが生じるまでの時間である所定時間の経過前は、インジェクタが作動されて調圧弁に燃料ガスが流されても、異音は発生しない。しかしながら、このような場合であっても、イグニッションがONになった際に、燃料ガスの供給が不要な、例えば、燃料電池でなくバッテリで駆動モータを駆動する運転モード(EVモード)などとなると、インジェクタが作動されず、その後に、調圧弁に高い圧力が付与された状態が所定時間経過することがある。このような場合でも、上記構成によれば、制御部は、イグニッションがONになった後、所定時間経過前にインジェクタを作動させておくので、弁座部の形状を基に戻すことが可能になり、燃料電池起動後のユーザーへの異音による違和感を与えないようにすることができる。
本発明のガス供給システムによれば、調圧弁での異音によるユーザーへの影響を抑制できる。
実施形態に係るガス供給システムを備えた燃料電池システムを模式的に示す構成図である。 本実施形態に係るガス供給システムを説明する概略構成図である。 ガス供給システムに設けられた調圧弁の断面図である。 調圧弁の弁座部及び弁体を説明する図であって、(a)及び(b)は、それぞれ調圧弁の一部の概略断面図である。 本実施形態に係るインジェクタの制御例を示すフローチャートである。
以下、本実施形態に係るガス供給システムについて、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係るガス供給システムを備えた燃料電池システムを模式的に示す構成図である。図2は、本実施形態に係るガス供給システムを説明する概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係るガス供給システムは、燃料電池車両(FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)の車載発電システムとして用いられる燃料電池システム1に適用されている。
燃料電池システム1は、反応ガスである酸化ガスおよび燃料ガス(高圧ガス)の供給を受けて電気化学反応により電力を発生する燃料電池2と、酸化ガスとしての空気を燃料電池2に供給する酸化ガス配管系3と、燃料ガスとしての水素を燃料電池2に供給する水素ガス配管系4と、システム全体を統括制御する制御部6とを有する。
燃料電池2は、例えば、高分子電解質型の燃料電池であり、多数の単セルを積層したスタック構造となっている。単セルは、イオン交換膜からなる電解質の一方の面にカソード極(空気極)を有し、他方の面にアノード極(燃料極)を有し、さらにカソード極およびアノード極を両側から挟み込むように一対のセパレータを有する構造となっている。この場合、一方のセパレータの水素ガス流路に水素ガスが供給され、他方のセパレータの酸化ガス流路に酸化ガスが供給され、これらの反応ガスが化学反応することで電力が発生する。
酸化ガス配管系3は、大気中の酸化ガスを取り込んで圧縮してから送出するコンプレッサ31と、酸化ガスを燃料電池2に供給するための空気供給流路32と、燃料電池2から排出された酸化オフガスを排出するための空気排出流路33とを有する。空気供給流路32および空気排出流路33には、コンプレッサ31から圧送された酸化ガスを燃料電池2から排出された酸化オフガスを用いて加湿する加湿器34が設けられている。この加湿器34で水分交換等された酸化オフガスは、最終的に排ガスとしてシステム外の大気中に排気される。
水素ガス配管系4は、燃料供給源としての水素タンク(燃料タンク)50と、水素タンク50に貯留(充填)された高圧の水素ガスからなる燃料ガスを燃料電池2に供給するための水素供給流路(ガス供給流路)41と、燃料電池車両外(例えば、水素テーション)から燃料ガスを受け入れるための充填口53と、充填口53から水素タンク50に燃料ガスを充填する水素充填流路(ガス充填流路)52と、燃料電池2から排出された水素オフガスを水素供給流路41に戻すための水素循環流路42とを有する。
水素循環流路42には、水素循環流路42内の水素オフガスを加圧して水素供給流路41側へ送り出す水素ポンプ44が設けられている。また、水素循環流路42には、気液分離器45および排気排水弁46を介して排出流路47が接続されている。気液分離器45は、水素オフガスから水分を回収する。排気排水弁46は、制御部6からの指令に従って、気液分離器45で回収された水分と水素循環流路42内の不純物を含む水素オフガスとを排出(パージ)する。排気排水弁46から排出された水素オフガスは、希釈器48によって希釈されて空気排出流路33内の酸化オフガスと合流する。
制御部6は、燃料電池車両に設けられた加速操作部材(アクセル等)の操作量を検出し、加速要求値(例えば、トラクションモータ等の電力消費装置からの要求発電量)等の制御情報を受けて、システム内の各種機器の動作を制御する。なお、電力消費装置には、トラクションモータの他に、例えば、燃料電池2を作動させるために必要な補機装置(例えばコンプレッサ31や水素ポンプ44モータ等)、車両の走行に関与する各種装置(変速機、車輪制御装置、操舵装置、懸架装置等)で使用されるアクチュエータ、乗員空間の空調装置(エアコン)、照明、オーディオ等が含まれる。
ここで、制御部6は、物理的には、例えば、CPUと、CPUで処理される制御プログラムや制御データを記憶するROMと、主として制御処理のための各種作業領域として使用されるRAMと、入出力インターフェースとを有する。これらの要素は、互いにバスを介して接続されている。入出力インターフェースには、圧力センサPや温度センサT等の各種センサが接続されているとともに、コンプレッサ31、水素ポンプ44、排気排水弁46、高圧バルブ51およびインジェクタ70等を駆動させるための各種ドライバが接続されている。
CPUは、ROMに記憶された制御プログラムに従って、入出力インターフェースを介して各種センサでの検出結果を受信し、RAM内の各種データ等を用いて処理することで、燃料電池システム1における燃料ガス供給処理等の各種処理を制御する。また、CPUは、入出力インターフェースを介して各種ドライバに制御信号を出力することにより、燃料電池システム1全体を制御する。
ガス供給システム5は、水素タンク50と、水素タンク50を水素供給流路41に接続する高圧バルブ51と、水素充填流路52の端部に設けられた充填口53と、水素供給流路41の水素タンク50よりも下流側に設けられた調圧弁60と、水素供給流路41の調圧弁60よりも下流側に設けられたインジェクタ70とを有し、水素充填流路52が水素供給流路41に並列に接続された構成とされている。
図2に示すように、高圧バルブ51は、逆止弁81を有する流入路82と、電磁弁83を有する流出路84とを備えている。これらの流入路82及び流出路84は、水素タンク50から延びるタンク配管85に接続されている。タンク配管85には、マニュアル弁86が設けられ、このマニュアル弁86によって流路が開閉される。高圧バルブ51は、流入路82及び流出路84が水素供給流路41に接続される。
また、ガス供給システム5は、充填口53に、充填センサ54を有しており、この充填センサ54は、通信ECU55に接続されている。充填センサ54は、充填口53における燃料ガスの充填の有無を検知するセンサであり、この充填センサ54の検知信号は、通信ECU55から車載ネットワークを介して燃料電池システム1を制御する制御部6に送信される。
また、水素タンク50は、内部の温度を検知する温度センサTを有し、調圧弁60は、上流側の圧力を検知する圧力センサPを有している。これらの温度センサT及び圧力センサPの検知信号は、それぞれ制御部6に送信される。
ガス供給システム5において、充填口53から水素供給流路41へ流入された燃料ガスは、高圧バルブ51の流入路82を介して水素タンク50に送り込まれる。また、水素タンク50内の水素ガスは、高圧バルブ51の流出路84を介して水素供給流路41へ送り出され、調圧弁60で調圧され、インジェクタ70を通して燃料電池2へ供給される。調圧弁60は、水素タンク50側の一次圧の燃料ガスを、予め設定した二次圧に調圧する。
図3は、ガス供給システムに設けられた調圧弁の断面図である。図4は、調圧弁の弁座部及び弁体を説明する図であって、(a)及び(b)は、それぞれ調圧弁の一部の概略断面図である。
図3に示すように、調圧弁60は、シリンダ室Sを有するボディ61と、このボディ61のシリンダ室S内に摺動可能に設けられたピストン部材62と、ピストン部材62を付勢するスプリング63とを有している。ピストン部材62には、スプリング63と反対側にピストンピン64が設けられており、このピストンピン64は、ボディ61に形成された流入路65に挿通されている。また、ボディ61には、流出路66が形成されており、ピストン部材62で区画されたシリンダ室Sのスプリング63と反対側に連通されている。
図4(a)に示すように、ボディ61には、挿通孔91を有するシート部材92が設けられており、このシート部材92の挿通孔91にピストンピン64が通されている。挿通孔91には、シリンダ室S側へ向かって次第に縮径されるテーパ面93が形成されており、このテーパ面93のシリンダ室S側の端部に形成された角部が弁座部94とされている。ピストンピン64には、ポペット弁体67が設けられている。ポペット弁体67には、テーパ形状のシール面68が形成されており、このシール面68がシート部材92の弁座部94と近接離間される。
上記のガス供給システム5では、インジェクタ70が制御部6によって開閉駆動され、このインジェクタ70が開かれることで、水素タンク50の燃料ガスが調圧弁60で調圧されて燃料電池2へ供給される。このとき、調圧弁60では、流入路65に送り込まれる燃料ガスが、ポペット弁体67の外周側の流路を通り、さらに、ポペット弁体67のシール面68とシート部材92の弁座部94との間を通り、シリンダ室Sから流出路66へ送り出される。
高圧の燃料ガスが、流入路65に送り込まれることで、ポペット弁体67が押し込まれて変位すると、ポペット弁体67のシール面68がシート部材92の弁座部94に近づき、ポペット弁体67のシール面68とシート部材92の弁座部94との間での流路面積が小さくなって圧損が生じる。すると、下流側の流体圧力が上流側に比して低下する。このように、調圧弁60は、流入路65から送り込まれる上流側の流体圧力を所定の圧力に調圧及び安定化させて下流側の流出口66から送り出す。
このように、調圧弁60は、送り込まれる燃料ガスによってポペット弁体67が変位し、このポペット弁体67のシール面68が弁座部94に近接離間することで、流路内を流れる燃料ガスの圧力を調整する。
このガス供給システム5では、水素タンク50に燃料ガスを送り込む際に、充填口53から燃料ガスを充填する。すると、この燃料ガスは、水素充填流路52を流通して水素供給流路41へ流入され、高圧バルブ51の流入路82から水素タンク50に送り込まれる。このとき、調圧弁60では、高圧の燃料ガスの圧力によってピストン部材62がスプリング63の付勢力に抗して押し込まれる。これにより、ピストン部材62のポペット弁体67が変位し、シール面68がシート部材92の弁座部94に密着され、流路が遮断される。したがって、水素供給流路41における充填口53と調圧弁60との間は、水素タンク50へ燃料ガスを充填する際に高圧となる。
ところで、水素タンク50へ燃料ガスを充填させるべく、充填口53から燃料ガスを充填することで、水素供給流路41における充填口53と調圧弁60との間が高圧となると、調圧弁60に高い圧力が作用する。
これにより、図4(b)に示すように、調圧弁60では、樹脂から形成されたシート部材92の弁座部94にポペット弁体67のシール面68が押し付けられ、シール面68によってシート部材92の弁座部94が加圧されて徐々に弾性変形する。これにより、ピストン部材62は、通常のシール位置よりもスプリング63を圧縮する方向へ僅かに変位する(図4(b)中寸法A参照)。すると、燃料ガスの充填後に、インジェクタ70を作動させて水素タンク50の燃料ガスを燃料電池2へ供給する際の調圧弁60の作動時に、シート部材92の弁座部94の形状が元に戻るまで、調圧弁60内での燃料ガスの流れが不安定になり、異音が発生するおそれがある。
本実施形態では、制御部6が、水素タンク50への充填時における制御を次のように行う。
イグニッションがOFFにされて燃料電池システム1による発電が停止した状態で、調圧弁60の圧力センサP及び水素タンク50の温度センサTからの検出信号に基づいて、水素タンク50への燃料ガスの充填の有無を判定する。
上記充填有無判定によって水素タンク50への燃料ガス充填が行われたと判定した場合、制御部6は、その後、図5に示す以下の制御を行う。
(1)燃料ガスの充填後、イグニッションのOFFにより燃料電池システム1の発電停止状態が所定時間維持された場合(ステップS1の判定結果が「Yes」の場合)、車両内及び車両周辺にユーザーがいないことを検知した場合(ステップS3の判定結果が「Yes」の場合)、インジェクタ70を作動させる(ステップS5)。なお、制御部6は、例えば、イグニッションのキーセンサ等でユーザーが車両内または車両周辺にいないことを確認する。一方、車両内及び車両周辺にユーザーがいることを検知した場合(ステップS3の判定結果が「No」の場合)には、警告を出した後に、インジェクタ70を作動させる(ステップS7,ステップS5)。これにより、イグニッションがOFFの状態にもかかわらずインジェクタ70が作動することによってユーザーが感じる違和感を抑制できる。なお、ユーザーの検知は必須ではない。
ここで、上記の所定時間とは、燃料ガスの充填時の高い圧力が調圧弁60に付加され、その後に調圧弁60を燃料ガスが流れた際に、弾性変形したシート部材92の弁座部94とポペット弁体67のシール面68とを通る燃料ガスの流れが不安定となって異音が発生するおそれが生じることのない時間である。
したがって、燃料ガスの充填後、燃料電池システム1の発電停止状態が所定時間維持された場合では、その後にインジェクタ70が作動して調圧弁60を燃料ガスが流れることで、異音が発生するおそれが生じる。しかし、このような場合でも、制御部6がインジェクタ70を作動させるので、弁座部94の形状を基に戻すことが可能になり、ユーザーへの異音による違和感を与えないようにすることができる。
(2)燃料ガスの充填後、所定時間経過前にイグニッションがONにされた場合(ステップS11の判定結果が「Yes」の場合)、燃料電池2の始動判定を行い(ステップS13)、燃料電池2を始動させない場合(ステップS13の判定結果が「No」の場合)、言い換えると、燃料電池2ではなくバッテリ(図示略)で駆動モータ(図示略)を駆動させるEVモードに移行する場合は、所定時間経過前に、インジェクタ70を作動させる必要はないが意図的に作動させる(ステップS15)。その後、バッテリで走行するEVモードに移行する(ステップS17)。一方、燃料電池2を始動させる場合(ステップS13の判定結果が「Yes」の場合)は、通常の制御に従いインジェクタ70は作動する。
なお、本実施形態の車両では、燃料電池2で駆動モータを駆動させて走行するFCモード、燃料電池2ではなくバッテリで駆動モータを駆動させて走行するEVモード、及び燃料電池2及びバッテリの双方で駆動モータを駆動させるモードを備えているものとする。
この制御では、調圧弁60で異音が発生するおそれが生じるまでの時間である所定時間の経過前であることから、インジェクタ70が作動されて調圧弁60に燃料ガスが流されても、異音の発生は生じない。しかしながら、この場合であっても、イグニッションがONになった際に、燃料電池2への燃料ガスの供給が不要な、例えば、燃料電池2ではなくバッテリ(図示略)で駆動モータ(図示略)を駆動するEVモードで走行するモードとなると、インジェクタ70が作動されず、その後に、調圧弁60に高い圧力が付与された状態が所定時間経過することがある。このような場合でも、制御部6は、イグニッションがONになった後、所定時間経過前にインジェクタ70を作動させておくので、弁座部94の形状を基に戻すことが可能になり、ユーザーへの異音による違和感を与えないようにすることができる。
このように、本実施形態によれば、水素タンク50への燃料ガスの充填後において、調圧弁60での異音によるユーザーへの影響を抑制できる。
1 燃料電池システム
2 燃料電池
5 ガス供給システム
6 制御部
41 水素供給流路(ガス供給流路)
52 水素充填流路(ガス充填流路)
50 水素タンク(燃料タンク)
53 充填口
70 インジェクタ
60 調圧弁

Claims (1)

  1. 燃料ガスと酸化ガスを燃料電池に供給して発電する燃料電池システムを備えた燃料電池車両に設けられる、前記燃料ガスを前記燃料電池へ供給するガス供給システムであって、
    前記ガス供給システムは、前記燃料電池車両外から燃料ガスを受け入れる充填口から前記燃料電池車両内の燃料タンクに燃料ガスを充填するガス充填流路と、前記燃料タンク内に充填された燃料ガスを前記燃料電池に供給するガス供給流路とが並列接続された構成とされ、
    前記ガス供給流路における前記燃料タンクよりも前記燃料電池側に設けられ、開閉駆動することで前記燃料タンク内の燃料ガスを前記燃料電池へ供給するインジェクタと、
    前記ガス供給流路における前記燃料タンクと前記インジェクタとの間に設けられた調圧弁と、
    前記インジェクタを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記燃料電池車両のイグニッションがOFFの状態で前記充填口から燃料ガスが充填された後、前記OFFの状態が所定時間維持された場合には、前記インジェクタを作動させ、
    前記イグニッションがOFFからONになった後に、前記燃料電池が起動されない場合には、前記所定時間が経過する前に前記インジェクタを作動させるガス供給システム。
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