JP2008130916A - 気相成長方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄い半導体結晶層を成長する場合にも、半導体結晶層の層厚を均一化できる気相成長方法を提供する。
【解決手段】基板(1)を保持した自転サセプタ(2)を公転サセプタ(3)に設置して前記基板(1)を自公転させ、加熱された前記基板(1)上に原料ガス(G)を供給して基板(1)上に半導体
結晶を成長させる気相成長方法において、前記基板(1)上に一つの半導体結晶層を成長さ
せるのに要する基板(1)の自転回数が16回未満の場合に、前記一つの半導体結晶層を成
長させる時間を前記基板(1)の自転周期の整数倍とした。
【選択図】図1
【解決手段】基板(1)を保持した自転サセプタ(2)を公転サセプタ(3)に設置して前記基板(1)を自公転させ、加熱された前記基板(1)上に原料ガス(G)を供給して基板(1)上に半導体
結晶を成長させる気相成長方法において、前記基板(1)上に一つの半導体結晶層を成長さ
せるのに要する基板(1)の自転回数が16回未満の場合に、前記一つの半導体結晶層を成
長させる時間を前記基板(1)の自転周期の整数倍とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、気相成長方法、特に半導体結晶層の厚さの均一化を図った気相成長方法に関するものである。
半導体結晶の成長方法の一つに気相成長方法がある。気相成長方法では、原料としてガスを使用しており、加熱された半導体基板上に原料ガスを流し、半導体基板の表面に半導体結晶を成長させる。原料ガスの供給量を制御することで、厚さ数nm(ナノメートル)という極めて薄い薄膜を成長できる。
図2は自転公転型の気相成長装置におけるサセプタ部の概略的な横断面図を示す。GaAs等からなる半導体の基板1は自転サセプタ2に保持され、自転サセプタ2は公転サセプタ3に回転自在に支持されており、公転サセプタ3の回転に伴って歯車機構等を介して自転サセプタ2も回転するよう構成されている。つまり、自転サセプタ2に保持された基板1は公転と自転を行う。原料ガスGは、図示のように公転サセプタ3の中心部から導入され、放射状に基板1表面に沿って流れる。ヒータ(図示せず)によって基板1が加熱されているため、原料ガスGが基板1上で熱分解し、結晶成長が行われる。基板1が公転及び自転しているので、基板1上に均一な半導体結晶を成長できる。
なお、複数の基板をサセプタに回転対称に配置して保持し、サセプタにより基板を回転し、加熱された基板上に原料ガスを供給して半導体結晶を成長させる気相成長方法において、スペーサ層のような成長時間の短い半導体結晶層の成長に際して、一つの半導体結晶層を2回に分けて成長させ、2回の成長開始時刻をサセプタが半回転する時間の奇数倍だけずらすことにより、半導体結晶層の厚さを均一にするという提案がある(特許文献1参照)。
特開2001−19598号公報
ところで、気相成長方法では、原料ガスの流れ方向の上流側から下流側へ向かうに従って、例えば上記図2のような自転公転型の気相成長装置では、公転サセプタ3の中心部から半径方向外方へ向かうに従って、半導体結晶層の厚さが単調に薄くなる傾向がある。これは、下流側になるほど原料ガスが消耗するからである。このため、上述したように、気相成長装置では基板1を自転させることで、基板1面内の半導体結晶層の厚さの均一化を図っている。
しかしながら、半導体レーザの活性層のように薄い半導体結晶層では、成長に要する時間が短く基板を十分に回転させられないため、基板面内の半導体結晶層の厚さが不均一になってしまう。
しかしながら、半導体レーザの活性層のように薄い半導体結晶層では、成長に要する時間が短く基板を十分に回転させられないため、基板面内の半導体結晶層の厚さが不均一になってしまう。
本発明は、上記課題を解決し、薄い半導体結晶層を成長する場合にも、半導体結晶層の層厚を均一化できる気相成長方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は次のように構成されている。
本発明の第1の態様は、基板を保持した自転サセプタを公転サセプタに設置して前記基板を自公転させ、加熱された前記基板上に原料ガスを供給して基板上に半導体結晶を成長させる気相成長方法において、前記基板上に一つの半導体結晶層を成長させるのに要する
基板の自転回数が16回未満の場合に、前記一つの半導体結晶層を成長させる時間を前記基板の自転周期の整数倍としたことを特徴とする気相成長方法である。
本発明の第1の態様は、基板を保持した自転サセプタを公転サセプタに設置して前記基板を自公転させ、加熱された前記基板上に原料ガスを供給して基板上に半導体結晶を成長させる気相成長方法において、前記基板上に一つの半導体結晶層を成長させるのに要する
基板の自転回数が16回未満の場合に、前記一つの半導体結晶層を成長させる時間を前記基板の自転周期の整数倍としたことを特徴とする気相成長方法である。
本発明の第2の態様は、基板を保持した自転サセプタを公転サセプタに設置して前記基板を自公転させ、加熱された前記基板上に原料ガスを供給して基板上に半導体結晶を成長させる気相成長方法において、前記基板上に一つの半導体結晶層を成長させるのに要する基板の自転回数が16回未満の場合に、前記一つの半導体結晶層を成長させる時間を、前記基板の自転周期の5.0〜5.1倍、5.9〜6.1倍、6.9〜7.1倍、7.9〜8.1倍、8.9〜9.1倍、9.8〜10.2倍、10.8〜11.2倍、11.8〜12.2倍、12.8〜13.3倍、13.7〜14.3倍または14.7〜15.4倍としたことを特徴とする気相成長方法である。
本発明の第3の態様は、公転サセプタの同一円周上に複数配置された自転サセプタに基板を保持して前記基板を自公転させ、前記公転サセプタの中心部から放射状に前記基板表面に沿って原料ガスを供給して、加熱された前記基板上に半導体結晶を成長させる気相成長方法において、前記基板位置における前記原料ガスの流れ方向に沿った半導体結晶層の成長分布データに基づき、前記基板の自転回数に対する前記基板上に成長する前記半導体結晶層の層厚ばらつきを求め、一つの半導体結晶層を成長させる間の前記基板の自転回数を、前記層厚ばらつきが所定の許容値以下にある基板の自転回数域に設定することを特徴とする気相成長方法である。
本発明の第4の態様は、第1〜第3の態様のいずれかの気相成長方法おいて、前記一つの半導体結晶層が、HEMT用のスペーサ層又は発光素子用の活性層であることを特徴とする気相成長方法である。
なお、上記第1〜第4の態様における前記基板の自転回数は、前記公転サセプタの座標系での回数である。
本発明によれば、薄い半導体結晶層を成長する場合にも、半導体結晶層の層厚を均一化できる。このため、得られるデバイス特性が良好かつ均一となり、歩留り及び生産性を大幅に向上できる。
以下、本発明に係る気相成長方法の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、この実施形態の気相成長方法に用いた気相成長装置の縦断面図である。図2は、図1の公転サセプタ部の動作を説明するための概略的な横断面図である。
図1に示す気相成長装置は、原料ガスGが公転サセプタ3の中央部からその半径方向外方へと流れると共に、基板1がその成長面を下向きにして自転サセプタ2に保持されつつ自公転する、自転公転型のフェイスダウンタイプの気相成長装置である。
図1に示す気相成長装置は、原料ガスGが公転サセプタ3の中央部からその半径方向外方へと流れると共に、基板1がその成長面を下向きにして自転サセプタ2に保持されつつ自公転する、自転公転型のフェイスダウンタイプの気相成長装置である。
図1に示すように、気相成長装置の円筒状の成長容器10内には、円板状の公転サセプタ3が水平に設けられている。成長容器10の上部壁を貫通して設けられた駆動軸11の下端に、公転サセプタ3の中央部が取り付けられており、駆動軸11に連結されたモータ12の駆動により、公転サセプタ3が回転する。
公転サセプタ3には、その外周に沿って等間隔に複数の円筒形の自転サセプタ2が設けられている。各自転サセプタ2はベアリング4を介して公転サセプタ3に回転自在に支持されている。各自転サセプタ2内の底部には半導体からなる基板1が収納され、その成長
面を下向きにして支持されている。
面を下向きにして支持されている。
自転サセプタ2上端の外向フランジ部2aには外歯車となる歯が形成され、外向フランジ部2aの歯と、公転サセプタ3外側部に位置する成長容器10の側壁内周面に設けられた内歯車(大歯車)7の歯とが噛み合うよう構成されている。このため、モーター12によって公転サセプタ3を回転させると、図2に示すように、自転サセプタ2は公転サセプタ3と一緒に駆動軸11周りに回転すると共に、自転サセプタ2の歯が内歯車7と噛み合っているため、自転サセプタ2は公転サセプタ3上で公転サセプタ3とは逆回りに回転する。従って、自転サセプタ2内に保持された基板1は、公転と自転とを行うことになる。
公転サセプタ3の上方には、基板1を加熱するヒータ5が設けられると共に、基板1の直上を覆うように、自転サセプタ2の上部には、基板1の面内温度分布を均一にするための均熱板6が嵌め込まれている。
原料ガスGは、成長容器10底壁の中心部に形成されたガス導入口8から上方に向けて成長容器10内に導入された後、公転サセプタ3の中心部から放射状に半径方向外方に基板1の表面に沿って流れ、成長容器10の側壁に複数形成されたガス排出口9より流出する。その間に、ヒータ5によって加熱された基板1上で原料ガスGは熱分解し、基板1上に半導体結晶層(エピタキシャル層)が成長する。
原料ガスGには、例えば、III−V族化合物半導体結晶を有機金属気相成長法(MOV
PE法)により成長する場合には、III族原料ガス、V族原料ガス、希釈用ガス及びドー
パント原料ガスが含まれる。
具体的には、V族原料ガスとしては、AsH3(アルシン)、As(CH3)3(トリメチル砒素)、TBA(ターシャリーブチルアルシン)、PH3(ホスフィン)、TBP(ターシャリーブチルホスフィン)、NH3(アンモニア)などが、III族原料としては
、Al(CH3)3(トリメチルアルミニウム)、Al(CH3CH2)3(トリエチルアルミニウム)、Ga(CH3)3(トリメチルガリウム)、Ga(CH3CH2)3(トリエチルガリウム)、In(CH3)3(トリメチルインジウム)、In(CH3CH2)3(トリエチルインジウム)などが、希釈用ガスとしては、H2(水素)、N2(窒素)などが、ドーパント原料ガスとしては、Zn(C2H5)2(ジエチルジンク)、Cp2Mg(ビスペンタジエニルマグネシウム)、ジシラン(Si2H6)、Te(C2H5)2(ジエチルテルル)、H2Se(セレン化水素)、CBr4(四臭化炭素)などが挙げられる。
PE法)により成長する場合には、III族原料ガス、V族原料ガス、希釈用ガス及びドー
パント原料ガスが含まれる。
具体的には、V族原料ガスとしては、AsH3(アルシン)、As(CH3)3(トリメチル砒素)、TBA(ターシャリーブチルアルシン)、PH3(ホスフィン)、TBP(ターシャリーブチルホスフィン)、NH3(アンモニア)などが、III族原料としては
、Al(CH3)3(トリメチルアルミニウム)、Al(CH3CH2)3(トリエチルアルミニウム)、Ga(CH3)3(トリメチルガリウム)、Ga(CH3CH2)3(トリエチルガリウム)、In(CH3)3(トリメチルインジウム)、In(CH3CH2)3(トリエチルインジウム)などが、希釈用ガスとしては、H2(水素)、N2(窒素)などが、ドーパント原料ガスとしては、Zn(C2H5)2(ジエチルジンク)、Cp2Mg(ビスペンタジエニルマグネシウム)、ジシラン(Si2H6)、Te(C2H5)2(ジエチルテルル)、H2Se(セレン化水素)、CBr4(四臭化炭素)などが挙げられる。
図1、図2のような自転公転型の気相成長装置では、公転サセプタ3の中心部から半径方向外方へ向かうに従って、半導体結晶層の厚さが単調に薄くなる。これは、原料ガスが下流側になるほど消耗するからである。このため、基板1を自転させることで、基板1面内の半導体結晶層の層厚(膜厚)の均一化を図っている。しかし、半導体レーザの活性層のように薄い半導体結晶層では、成長に要する時間が短く、基板1を十分に回転させることができず、基板1面内の半導体結晶層の厚さが不均一になってしまう。
図1に示す気相成長装置を用いて、直径100mmのGaAs(ガリウム砒素)基板を自転させずに公転サセプタ3に設置し、GaAs基板上にAlGaAs(アルミニウムガリウム砒素)を結晶成長させた。この時、原料ガスの流れ方向、即ち公転サセプタ3の中心から半径方向外方へのGaAs基板上のAlGaAs層の厚さを測定した実験データを図3に示す。図3の横軸はGaAs基板中心からの距離であり、単位はmm(ミリメートル)である。縦軸はAlGaAs層の厚さであり、単位はμm(マイクロメートル)である。
図3の実験結果(原料ガスの流れ方向に沿った半導体結晶層の成長分布データないし成長速度データ)に基づき、基板の自転回数と基板面内の半導体結晶層の層厚ばらつきとの関係を計算した。その結果を図4に示す。図4の横軸は薄い半導体結晶層を成長中の基板の自転回数(回)であり、縦軸は半導体結晶層の膜厚ばらつき(%)である。層厚ばらつきの計算式は、層厚ばらつき=(最大値−最小値)÷(最大値+最小値)×100である。なお、上記層厚ばらつきの計算式における最大値、最小値は、基板中心を基準点とし、オリエンテーションフラットに対して垂直な方向に10mmピッチで半導体結晶層の層厚を測定したときの、層厚の測定値の最大値、最小値である。
図4に示すように、基板の自転回数が少ない場合でも、基板の自転回数が整数の場合は、基板面内の各点の成長開始位置に依らずに層厚が均一化されるため、基板自転回数が16回以下と少なくても層厚ばらつきを小さくできる。また、基板を15.6回以上自転さ
せれば、基板自転回数を整数にしなくても、層厚ばらつきを1%以下にできることが分かる。
一方、一つの半導体結晶層の成長に要する基板自転回数が16回未満でも、基板自転回数を、5.0〜5.1回、5.9〜6.1回、6.9〜7.1回、7.9〜8.1回、8.9〜9.1回、9.8〜10.2回、10.8〜11.2回、11.8〜12.2回、12.8〜13.3回、13.7〜14.3回、14.7〜15.4回にすれば、図4に示すように、層厚ばらつきを1%以下に低減できる。
せれば、基板自転回数を整数にしなくても、層厚ばらつきを1%以下にできることが分かる。
一方、一つの半導体結晶層の成長に要する基板自転回数が16回未満でも、基板自転回数を、5.0〜5.1回、5.9〜6.1回、6.9〜7.1回、7.9〜8.1回、8.9〜9.1回、9.8〜10.2回、10.8〜11.2回、11.8〜12.2回、12.8〜13.3回、13.7〜14.3回、14.7〜15.4回にすれば、図4に示すように、層厚ばらつきを1%以下に低減できる。
気相成長装置の構造、形状、寸法など、或いは気相成長時の温度、圧力、ガス供給量などの成長条件や半導体結晶成長層の種類などが上記実施形態と異なる場合にも、図3に示すような原料ガスの流れ方向に沿った半導体結晶層の成長分布データを実測し、得られた成長分布データに基づいて、図4に示すような基板の自転回数に対する基板上に成長する半導体結晶層の層厚ばらつきを求めておけば、一つの半導体結晶層を成長させる間の基板の自転回数を、層厚ばらつきが所望の許容値以下(1%以下など)にある基板の自転回数域に設定することにより、均一な層厚の半導体結晶層を歩留りよく成長できる。
なお、上記実施形態では、基板1がその成長面を下向きにして自転サセプタ2に保持されたフェイスダウンタイプの気相成長であったが、基板がその成長面を上向きにして自転サセプタに保持されたフェイスアップタイプの気相成長にも勿論適用できる。
次に、本発明の実施例を説明する。
[実施例1]
実施例1では、直径76mmの基板上に半導体レーザ用の半導体結晶をMOVPE法により成長させた。図5に、作製した半導体レーザ用の半導体結晶構造の断面図を示す。作製にあたっては、上記実施形態で用いた図1の気相成長装置を使用し、図5に示すように、GaAs基板21上に、AlGaAsクラッド層22、AlGaAsガイド層23、AlGaAs活性層24、AlGaAsガイド層25,AlGaAsクラッド層26およびGaAsキャップ層27を順次積層して形成した。
上記AlGaAs系半導体レーザの発光部はAlGaAs活性層24であり、AlGaAs活性層24の上下にレーザ光の放射角度を制御するためのAlGaAsガイド層23,25がある。さらにそれらの外側には、レーザ光を閉じ込めるためのAlGaAsクラッド層22,26が形成され、最上層には電極を形成するためのGaAsキャップ層27が設けられている。
[実施例1]
実施例1では、直径76mmの基板上に半導体レーザ用の半導体結晶をMOVPE法により成長させた。図5に、作製した半導体レーザ用の半導体結晶構造の断面図を示す。作製にあたっては、上記実施形態で用いた図1の気相成長装置を使用し、図5に示すように、GaAs基板21上に、AlGaAsクラッド層22、AlGaAsガイド層23、AlGaAs活性層24、AlGaAsガイド層25,AlGaAsクラッド層26およびGaAsキャップ層27を順次積層して形成した。
上記AlGaAs系半導体レーザの発光部はAlGaAs活性層24であり、AlGaAs活性層24の上下にレーザ光の放射角度を制御するためのAlGaAsガイド層23,25がある。さらにそれらの外側には、レーザ光を閉じ込めるためのAlGaAsクラッド層22,26が形成され、最上層には電極を形成するためのGaAsキャップ層27が設けられている。
発光部であるAlGaAs活性層24は、厚さ10nm以下と薄く、AlGaAs活性層24の成長に要する時間が短い。比較例1では、AlGaAs活性層24を成長させている間に、GaAs基板21が4.3回自転していた。なお、自転回数は公転サセプタ3
の座標系を基準にして数えている。図6は、比較例1で作製したAlGaAs活性層24を、PL(ホトルミネッセンス)装置でPL波長を測定した結果である。図6の横軸は基板中心からの距離(mm)であり、縦軸はPL波長(nm)である。なお、PL測定は、半導体結晶にレーザ光線を照射し、半導体結晶が発した光の波長を測定するものであって、活性層のPL波長が活性層の厚さに依存することが理論的に分かっている。図6に示すように、基板面内のPL波長の最大値と最小値の差は4.7nmと大きく、基板面内のA
lGaAs活性層24の厚さが不均一であることを示している。
の座標系を基準にして数えている。図6は、比較例1で作製したAlGaAs活性層24を、PL(ホトルミネッセンス)装置でPL波長を測定した結果である。図6の横軸は基板中心からの距離(mm)であり、縦軸はPL波長(nm)である。なお、PL測定は、半導体結晶にレーザ光線を照射し、半導体結晶が発した光の波長を測定するものであって、活性層のPL波長が活性層の厚さに依存することが理論的に分かっている。図6に示すように、基板面内のPL波長の最大値と最小値の差は4.7nmと大きく、基板面内のA
lGaAs活性層24の厚さが不均一であることを示している。
これに対し、実施例1では、AlGaAs活性層24の成長中における基板自転回数を6.0回とした。図7に、実施例1で作製したAlGaAs活性層24を、PL装置によ
ってPL波長を測定した結果を示す。図示のように、実施例1では、基板面内のAlGaAs活性層24のPL波長の最大値と最小値の差は1.2nmであり、比較例1の4.7nmの3分の1以下と非常に小さく、基板面内のAlGaAs活性層24の厚さが均一化されたといえる。
ってPL波長を測定した結果を示す。図示のように、実施例1では、基板面内のAlGaAs活性層24のPL波長の最大値と最小値の差は1.2nmであり、比較例1の4.7nmの3分の1以下と非常に小さく、基板面内のAlGaAs活性層24の厚さが均一化されたといえる。
[実施例2]
実施例2では、直径100mmのGaAs基板上にHEMT(High Electron Mobility
Transistor)用の半導体結晶をMOVPE法によって成長させた。図8に、作製したH
EMT用の半導体結晶構造の断面図を示す。気相成長は、上記実施例1と同様に、図1の気相成長装置を使用して行い、図8に示すように、GaAs基板31上に、GaAsバッファ層32、InGaAsチャネル層33、AlGaAsスペーサ層34、AlGaAsキャリア供給層35およびGaAsキャップ層36を順次積層して形成した。
実施例2では、直径100mmのGaAs基板上にHEMT(High Electron Mobility
Transistor)用の半導体結晶をMOVPE法によって成長させた。図8に、作製したH
EMT用の半導体結晶構造の断面図を示す。気相成長は、上記実施例1と同様に、図1の気相成長装置を使用して行い、図8に示すように、GaAs基板31上に、GaAsバッファ層32、InGaAsチャネル層33、AlGaAsスペーサ層34、AlGaAsキャリア供給層35およびGaAsキャップ層36を順次積層して形成した。
HEMTのAlGaAsスペーサ層34は厚さ5nm以下と薄く、AlGaAsスペーサ層34の成長に要する時間が短いため、従来技術では基板の自転不足のため基板面内の厚さの均一化が困難である。比較例2では、AlGaAsスペーサ層34の成長中における基板の自転回数は2.3回であった。図9に、比較例2で作製したHEMTを、Van der
Pauw法でシートキャリア濃度を測定した結果を示す。図9の横軸は基板中心からの距離
(mm)であり、縦軸はシートキャリア濃度(cm−2)である。AlGaAsスペーサ層34の厚さが不均一であるため、基板面内のシートキャリア濃度のばらつき(=(最大値−最小値)÷(最大値+最小値)×100)は4.6%と大きい。なお、上記基板面内
のシートキャリア濃度のばらつきにおける最大値、最小値は、基板中心を基準点とし、オリエンテーションフラットに対して垂直な方向に10mmピッチでシートキャリア濃度を測定したときの、シートキャリア濃度の測定値の最大値、最小値である。
Pauw法でシートキャリア濃度を測定した結果を示す。図9の横軸は基板中心からの距離
(mm)であり、縦軸はシートキャリア濃度(cm−2)である。AlGaAsスペーサ層34の厚さが不均一であるため、基板面内のシートキャリア濃度のばらつき(=(最大値−最小値)÷(最大値+最小値)×100)は4.6%と大きい。なお、上記基板面内
のシートキャリア濃度のばらつきにおける最大値、最小値は、基板中心を基準点とし、オリエンテーションフラットに対して垂直な方向に10mmピッチでシートキャリア濃度を測定したときの、シートキャリア濃度の測定値の最大値、最小値である。
これに対し、実施例2では、AlGaAsスペーサ層34を成長している間の基板自転回数を4.0回とした。図10に、実施例2で作製したHEMTを、Van der Pauw法でシ
ートキャリア濃度を測定した結果を示す。シートキャリア濃度のばらつきは1.4%であ
り、比較例2の4.6%の3分の1以下と小さく、AlGaAsスペーサ層34の基板面
内の厚さを均一化できた。基板面内のシートキャリア濃度のばらつきを低減することで、HEMT素子の歩留が向上し、生産性を大幅に向上させることができる。
ートキャリア濃度を測定した結果を示す。シートキャリア濃度のばらつきは1.4%であ
り、比較例2の4.6%の3分の1以下と小さく、AlGaAsスペーサ層34の基板面
内の厚さを均一化できた。基板面内のシートキャリア濃度のばらつきを低減することで、HEMT素子の歩留が向上し、生産性を大幅に向上させることができる。
1 基板
2 自転サセプタ
3 公転サセプタ
4 ベアリング
5 ヒータ
6 均熱板
7 内歯車
8 ガス導入口
9 ガス排出口
10 成長容器
11 駆動軸
12 モータ
G 原料ガス
2 自転サセプタ
3 公転サセプタ
4 ベアリング
5 ヒータ
6 均熱板
7 内歯車
8 ガス導入口
9 ガス排出口
10 成長容器
11 駆動軸
12 モータ
G 原料ガス
Claims (4)
- 基板を保持した自転サセプタを公転サセプタに設置して前記基板を自公転させ、加熱された前記基板上に原料ガスを供給して基板上に半導体結晶を成長させる気相成長方法において、
前記基板上に一つの半導体結晶層を成長させるのに要する基板の自転回数が16回未満の場合に、前記一つの半導体結晶層を成長させる時間を前記基板の自転周期の整数倍としたことを特徴とする気相成長方法。 - 基板を保持した自転サセプタを公転サセプタに設置して前記基板を自公転させ、加熱された前記基板上に原料ガスを供給して基板上に半導体結晶を成長させる気相成長方法において、
前記基板上に一つの半導体結晶層を成長させるのに要する基板の自転回数が16回未満の場合に、前記一つの半導体結晶層を成長させる時間を、前記基板の自転周期の5.0〜
5.1倍、5.9〜6.1倍、6.9〜7.1倍、7.9〜8.1倍、8.9〜9.1倍、9.8〜10.2倍、10.8〜11.2倍、11.8〜12.2倍、12.8〜13.3倍、13.7〜14.3倍または14.7〜15.4倍としたことを特徴とする気相成長方法。 - 公転サセプタの同一円周上に複数配置された自転サセプタに基板を保持して前記基板を自公転させ、前記公転サセプタの中心部から放射状に前記基板表面に沿って原料ガスを供給して、加熱された前記基板上に半導体結晶を成長させる気相成長方法において、
前記基板位置における前記原料ガスの流れ方向に沿った半導体結晶層の成長分布データに基づき、前記基板の自転回数に対する前記基板上に成長する前記半導体結晶層の層厚ばらつきを求め、一つの半導体結晶層を成長させる間の前記基板の自転回数を、前記層厚ばらつきが所定の許容値以下にある基板の自転回数域に設定することを特徴とする気相成長方法。 - 前記一つの半導体結晶層が、HEMT用のスペーサ層又は発光素子用の活性層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の気相成長方法。
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2006
- 2006-11-22 JP JP2006315802A patent/JP2008130916A/ja active Pending
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