JP2008130264A - ロンチグラム中心の決定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】走査型透過電子顕微鏡の最終結像面に撮像手段を設け、形状を認識できる試料を配置し、ロンチグラムを観察できるような光学系にして十分なデフォーカスをとり、この状態で前記撮像手段でロンチグラム像1を撮影し、加速電圧を変化させ、既知の色収差により変化したデフォーカス量から拡大率変化を計算し、この状態で前記撮像手段によりロンチグラム像2を撮影し、前記ロンチグラム像1とロンチグラム像2を用いて所定の画像処理を行ない、該画像処理結果に基づき画像の不動点を求めるように構成する。
【選択図】図3
Description
(2)請求項2記載の発明は、走査型透過電子顕微鏡の最終結像面に撮像手段を設け、形状を認識できる試料を配置し、ロンチグラムを観察できるような光学系にして十分なデフォーカスをとり、この状態で前記撮像手段でロンチグラム像1を撮影し、この状態で対物レンズ電流を変化させ、変化したデフォーカス量から拡大率変化を計算し、この状態で前記撮像手段によりロンチグラム像2を撮影し、前記ロンチグラム像1とロンチグラム像2を用いて所定の画像処理を行ない、該画像処理結果に基づき画像の不動点を求めることを特徴とする。
(3)請求項3記載の発明は、前記所定の画像処理はロンチグラム像1とロンチグラム像2の相互相関をとることであることを特徴とする。
(4)請求項4記載の発明は、走査型透過電子顕微鏡の最終結像面に撮像手段を設け、形状を認識できる試料を配置し、ロンチグラムを観察できるような光学系にして十分なデフォーカスをとり、この状態で前記撮像手段でロンチグラム像1を撮影し、加速電圧を変化させ、収差の中心付近の拡大率を前記ロンチグラム像1を撮影した時と同じにするため、色収差により変化したデフォーカス量を対物レンズの励磁、或いは試料高さで補い、加速電圧変化前と同じデフォーカスにし、この状態で前記撮像手段によりロンチグラム像2を撮影し、前記ロンチグラム像1とロンチグラム像2を用いて収差の中心付近の相互相関をとり、対物レンズ上方の偏向器により、相互相関ピークの方向に電子線を傾斜させ、前記ロンチグラム像1とロンチグラム像2を撮影し、前記相互相関をとる処理を相互相関ピーク位置が中心になるまで繰り返すことを特徴とする。
(2)請求項2記載の発明によれば、対物レンズ電流変化の前後におけるロンチグラム像を用いて所定の画像処理を行なうことにより、画像の不動点を求めることができる。
(3)請求項3記載の発明によれば、前記所定の画像処理として相互相関処理を用いることにより、相互相関が最大となるポイントを見つけることができる。
(4)請求項4記載の発明によれば、収差中心が既知の場合において、加速電圧変化の前後におけるロンチグラム像を用いて所定の画像処理を行なうことにより、画像の不動点を求めることができる。
図1は本発明を実施する装置構成例を示す図である。図において、10は走査型透過電子顕微鏡である。走査型透過電子顕微鏡10において、1は対物レンズ、2は試料、3は試料2を透過した電子線を受けて結像面に像を結像させるための投影レンズ、4は最終結像面に配置された撮像手段としてのカメラ、5は該カメラ4で撮像した画像を基に、各種演算を行ない不動点を見つけ出す演算装置である。該演算装置5としては、例えばパソコン(PC)が用いられる。なお、図では、電子線を出射する電子線源と電子線を偏向させる偏向系は省略されている。このように、構成された装置を用いて本発明を説明する。
(実施例1)電圧中心の求め方
1)走査型透過電子顕微鏡10の最終結像面にカメラ4を配置すると共に、試料2としては、形状を認識できるものを用いる。形状を認識できるものでないと、後述する相関がとりにくいためである。
2)ロンチグラムを観察できるような光学系にして、十分なデフォーカスをとる。このようにして光学系が決まれば、色収差は一定であり、既知である。
3)この状態でカメラ4を用いてロンチグラム像1(ロンチ1)を撮影する。
4)次に、加速電圧を変化させる。加速電圧を変化させると、拡大像はある位置(電圧中心)を中心にして放射状に動く。
5)既知の色収差により変化したデフォーカス量から拡大率変化mを計算しておく。
加速電圧を変化させた場合の、色収差によるデフォーカスdfCcは次式で表される。
dfCc=Cc×(ΔV/V)
ここで、Ccは色収差、ΔVは加速電圧変化量、Vは加速電圧である。よって、加速電圧変化後の拡大率M’は次式で表される。
加速電圧変化前後の拡大率変化mは次式で表される。
m=M’/M=(dfCc+df)/df=1+((Cc×ΔV/V)÷df)
mは実際の測定においては、画像処理精度の問題から0.2〜5の間が望ましい。
6)この状態でカメラ4を用いてロンチグラム像2(ロンチ2)を撮影する。
7)演算装置5を用いて、ロンチ1とロンチ2を用いて、拡大率変化mを考慮して、2枚の画像の不動点を求める。
8)前記ステップ7)で不動点が求まったら、この不動点が軸中心であるので、必要に応じてこの軸に対して収差補正を行えばよい。
(実施例2)電流中心の求め方
1)走査型透過電子顕微鏡10の最終結像面にカメラ4を配置すると共に、試料2としては、形状を認識できるものを用いる。
2)ロンチグラムを観察できるような光学系にして、十分なデフォーカスをとる。このようにして光学系が決まれば、色収差は一定であり、既知である。
3)この状態でカメラ4を用いてロンチグラム像1(ロンチ1)を撮影する。
4)次に、対物レンズ電流を変化させる。対物レンズ電流を変化させると、拡大像はある位置(電流中心)を中心にして円周方向に動く。この場合において、変化させたデフォーカス量は既知である。
5)既知の色収差により変化したデフォーカス量から拡大率変化mを計算しておく。拡大率変化mの算出方法は、実施例1の5)で説明したものと同じである。
6)この状態において、カメラ4を用いてロンチグラム像2(ロンチ2)を撮影する。
7)演算装置5を用いて、ロンチ1とロンチ2において、拡大率変化mを考慮して2枚の画像の不動点を求める。求め方は、実施例1で説明したものと同じである。
8)前記ステップ7)で不動点が求まったら、この不動点が軸中心であるので、必要に応じてこの軸に対して収差補正を行えばよい。
(実施例3)収差中心が既知の場合
1)走査型透過電子顕微鏡10の最終結像面にカメラ4を配置すると共に、試料2としては、形状を認識できるものを用いる。
2)ロンチグラムを観察できるような光学系にして、十分なデフォーカスをとる。このようにして光学系が決まれば、色収差は一定であり、既知である。
3)この状態でカメラ4を用いてロンチグラム像1(ロンチ1)を撮影する。
4)次に、加速電圧を変化させる。加速電圧を変化させると、拡大像はある位置(電圧中心)を中心にして放射状に動く。
5)収差の中心付近(デフォーカスが主な収差である領域)の拡大率を3)と同様にするため、色収差により変化したデフォーカス量を、対物レンズ1の励磁、或いは試料高さで補い、加速電圧変化前と同じデフォーカスにする。
6)この状態において、カメラ4を用いてロンチグラム像2(ロンチ2)を撮影する。
7)演算装置5を用いて、ロンチ1とロンチ2において、収差の中心付近(デフォーカスが主な収差である領域)の相互相関をとる。相互相関のとり方は実施例1において説明したものと同じである。
8)対物レンズ1上方の偏向器(図示せず)により、相互相関ピークの方向に電子線を傾斜させ、3)〜7)を行なう。
9)相互相関ピーク位置が中心になるまで、3)〜8)を繰り返す。
10)相互相関ピーク位置が中心にきたら、その軸に対して収差補正を行なう。
次に、不動点の別の見つけ方について説明する。図4は別な不動点の求め方の説明図である。
1)図において、EとFはロンチグラム像であり、これら2枚の像を重ねる。
2)特徴となる点を見つけ、2枚の画像の各特徴点を結ぶ直線をひく。ここで、特徴点とは、その画像を特徴付ける点のことであり、例えば円とか三角とか四角等の特徴を表すものをいう。ロンチEとロンチFとは同一の試料に対する像であるから、Eの特徴点とFの特徴点とは共通している。図4において、K1はロンチEの特徴点、K2はロンチFの特徴点である。ここで、K1とK2を結ぶ直線L1をひく。
3)特徴となる別な点を探し、同様に直線をひく。J1はロンチEの特徴点、J2はロンチFの特徴点である。ここで、点J1と点J2を結び直線L2をひく。
4)直線L1とL2の交点を求める。図では、Pが交点になる。この交点Pが不動点となる。
図5は相互相関による別な不動点の求め方の説明図である。図3に示した不動点の見つけ方に図4に示す不動点の見つけ方を加味したものである。ロンチ1をm倍した画像をA’とする。画像A’とロンチ2との間で相互相関をとり、画像B’を得る。例えば、相互相関ピークを中心として、m倍された四角形Hと元の四角形(ロンチ1の四角形)Gで一致した点を結ぶ直線をひく。このような直線が2つ以上交わる点が不動点である。図5に示す例では、四角形GとHの左端を結ぶ線l1と、中心同士を結ぶ線l2が交わる点Qが不動点である。
2 試料
3 投影レンズ
4 カメラ
5 演算装置
10 走査型透過電子顕微鏡
Claims (4)
- 走査型透過電子顕微鏡の最終結像面に撮像手段を設け、形状を認識できる試料を配置し、
ロンチグラムを観察できるような光学系にして十分なデフォーカスをとり、
この状態で前記撮像手段でロンチグラム像1を撮影し、
加速電圧を変化させ、
既知の色収差により変化したデフォーカス量から拡大率変化を計算し、
この状態で前記撮像手段によりロンチグラム像2を撮影し、
前記ロンチグラム像1とロンチグラム像2を用いて所定の画像処理を行ない、
該画像処理結果に基づき画像の不動点を求める
ことを特徴とするロンチグラム中心の決定方法。 - 走査型透過電子顕微鏡の最終結像面に撮像手段を設け、形状を認識できる試料を配置し、
ロンチグラムを観察できるような光学系にして十分なデフォーカスをとり、
この状態で前記撮像手段でロンチグラム像1を撮影し、
この状態で対物レンズ電流を変化させ、
変化したデフォーカス量から拡大率変化を計算し、
この状態で前記撮像手段によりロンチグラム像2を撮影し、
前記ロンチグラム像1とロンチグラム像2を用いて所定の画像処理を行ない、
該画像処理結果に基づき画像の不動点を求める
ことを特徴とするロンチグラム中心の決定方法。 - 前記所定の画像処理はロンチグラム像1とロンチグラム像2の相互相関をとることであることを特徴とする請求項1又は2記載のロンチグラム中心の決定方法。
- 走査型透過電子顕微鏡の最終結像面に撮像手段を設け、形状を認識できる試料を配置し、
ロンチグラムを観察できるような光学系にして十分なデフォーカスをとり、
この状態で前記撮像手段でロンチグラム像1を撮影し、
加速電圧を変化させ、
収差の中心付近の拡大率を前記ロンチグラム像1を撮影した時と同じにするため、色収差により変化したデフォーカス量を対物レンズの励磁、或いは試料高さで補い、加速電圧変化前と同じデフォーカスにし、
この状態で前記撮像手段によりロンチグラム像2を撮影し、
前記ロンチグラム像1とロンチグラム像2を用いて収差の中心付近の相互相関をとり、
対物レンズ上方の偏向器により、相互相関ピークの方向に電子線を傾斜させ、前記ロンチグラム像1とロンチグラム像2を撮影し、前記相互相関をとる処理を相互相関ピーク位置が中心になるまで繰り返す
ことを特徴とするロンチグラム中心の決定方法。
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