JP2008129598A - 静電写真印刷の現像剤カートリッジ交換方法 - Google Patents

Abstract

【課題】適時に現像ハウジング内の現像剤を所望通りに一掃したり微妙に調整できる、静電写真プリンタを動作させる方法を提供する。
【解決手段】現像剤を画像受容体２０に供給するための現像ハウジング１２を有する現像部と、現像ハウジング１２と連通するリプレニッシャ５０とを有する静電写真プリンタを動作させる方法において、基本状態では第１の所定ＴＣを有する現像剤の標準供給を行い、特別な状態では第２の所定ＴＣを有する現像剤の特別供給を行い、プリンタが特別な状態にあるか否かを判断し、プリンタが特別な状態にあると判断された場合に、現像剤の特別供給をプリンタに対して行うことを要求する。
【選択図】図２

Description

本発明は、静電写真装置または電子写真装置を操作する方法に関する。特に、本明細書の教示は、現像ハウジング内の物質を所定の状態内に維持することに関する。

現像ハウジング内の物質を最適条件の範囲内の状態に維持することによって現像能力や転写効率が改善することが周知である。これを達成するために多くの印刷システムでは多様な処理によって現像物質の状態を最適条件の範囲内に維持している。これは例えば、温度、湿度、電荷、トナー濃度（キャリアに対するトナーの比率）およびトナー電荷分配を含む、物質の１又は複数の特性を監視し、制御することによって行う。

米国特許第４，６１４，１６５号（本出願の譲受人に譲渡）は、「滴り(trickle)」現像システムとして周知になったシステムを開示する。つまり滴り現像システムは現像剤（この文脈において「現像剤」とはトナーおよびキャリアを含む）の交換可能カートリッジを提供する。このカードリッジはその内容物を所定の速度で現像ハウジングに滴り落とす。このハウジングは静電潜像を現像するために直接的に使用できる現像剤の容器である。ハウジング内の現像剤は、画質、転写効率、その他の予想される測定値の最高の結果に対する所望の「ＴＣ」を有する。（本明細書で使用する「ＴＣ」は、現像剤内のトナーおよびキャリアの、少なくとも部分的に重量またはそれ以外の相対量から得られる測定可能又は／及び制御可能な値である。「ＴＣ」は単純な比率または割合でもあり得るし、これに関連する他の値（電荷等）を含むより洗練された数字でもあり得る。）カートリッジ（「リプレニッシャ（補給器）」と呼ばれることがあるカートリッジ）内の現像剤は、ハウジング内の現像剤のＴＣとは大きく異なるＴＣを有するが、カートリッジが現像剤を漸次的にハウジングに投入することで、ハウジング内のＴＣが所望のＴＣに保たれるように設計されている。

一実施形態によると、現像剤を画像受容体に供給するための現像ハウジングを有する現像部と、前記現像ハウジングと連通するリプレニッシャとを有する静電写真プリンタを動作させる方法を提供する。基本状態において、第１の所定ＴＣを有する現像剤の標準供給を行う。特別な状態において、第２の所定ＴＣを有する現像剤の特別供給を行う。前記プリンタが特別な状態にあるとの判断に応じて、現像剤の特別供給をプリンタに対して行うことを要求する。

図１は、通常、電子写真においてよく知られている、プリンタに用いられる現像部の簡略図である。（本明細書で使用するように「プリンタ」とは、プリントを出力する任意の装置であり、プリンタ、コピー機、ファックス機、または多機能装置等に適用できる。）現像部１０は現像ハウジング１２を含む。現像ハウジング１２は、静電潜像に対して適用するために直ちに使用できる現像剤のリザーバとして機能する。通常、現像ハウジング１２内にはオーガ１４、パドル輪１６、磁気ロール１８が設けられるが、そのデザインは多様である。磁気ロール１８が磁気ブラシとして作用して、処理方向Ｐに移動する画像受容体２０の上にある静電潜像にトナー粒子を適用する。

１０等の典型的な現像部は更に、これに関連するセンサを含む。これは、現像ハウジング１２内にある現像剤を供給することに関連するセンサ３０、または現像部１０によって作られるテストパッチをモニタするセンサ３２等である。センサ３２は光学センサであるが、センサ３０は、必要に応じて現像剤に関して必要な任意の種類の物理的測定を行うことができる光学的、磁気的、または電気センサでもよい。これは当業において周知の通りである。センサ３０、３２は信号を（制御システム（図示せず）に対して）出力する。この信号は、任意の所定時間における現像ハウジング１２内の現像剤の全体的な「品質」に関する。多くの場合、現像剤の品質は現像ハウジング１２内の現像剤のＴＣと関連する。

リプレニッシャカートリッジ５０は現像剤を現像ハウジング１２内に投入する。図示するように、リプレニッシャカートリッジ５０は円柱状（図では端部を示す）で、その軸周りをプリンタ内のモータ（図示せず）によって回転する。各回転毎に幾らかの所定量の現像剤を排出する。リプレニッシャカートリッジ５０は当然、必要に応じてプリンタ内で容易に交換できる。

カートリッジ５０は「データホルダ」３４を有することができる。これは、プリンタの一部であるセンサ３６と相互に作用する。つまり、データがデータホルダ３４からセンサ３６に様々なときに送信される。これは継続的に行ってもよいし、カートリッジ５０をプリンタに装着した際に行ってもよい。ある実施形態では、データホルダ３４はメモリチップと、センサ３６との間で通信を行うハードコネクタまたは極短範囲ＲＦ送信機とを有する。他の多様な実施形態では、データホルダ３４は光学的な印（例えば、センサ３６を構成する光学センサが読めるバーコード、またはセンサ３６を構成する機械的センサが検出できる圧痕や突起等といったより単純な立体構造物）でもよい。この目的のためにデータホルダ３４は、どの種類の現像剤が特別カートリッジ５０内に保持されているかを示すために十分なデータを保持し、センサ３６を介して効率的に伝達する。

上記のように、基本的な「滴り現像」構成では、リプレニッシャカートリッジ５０内の現像剤の（上記で規定したような）ＴＣは現像ハウジング１２内の現像剤のＴＣとは非常に異なる。しかし、リプレニッシャカートリッジ５０から供給されるトナーおよびキャリアによって再充填されることで、現像ハウジング１２内の現像剤のＴＣが時間の経過と共に一定に保たれるように企図されている。

本開示によると、２種類の現像剤が提供される。１つは標準現像剤と呼ばれ、符号５０で示すような標準リプレニッシャカートリッジ５０の現像部１０に供給される。もう一方は特別現像剤であって、特別リプレニッシャカートリッジの中にある。特別現像剤は、標準現像剤のＴＣまたは特性とは大きく異なるＴＣまたは特性を有する。ある実施形態では、標準現像剤のキャリアに対するトナーの重量比率は約３：１であり、特別現像剤のキャリアに対するトナーの重量比率は約５：７である。キャリア濃度の増加は、最小トナー濃度が所望領域範囲に保たれるように制限される。

特別リプレニッシャカートリッジを所定の条件に応じてプリンタに装着する。この条件とは、特別現像剤によって現像ハウジング１２内の現像剤の品質（どのように規定されていようとも）を改良し、ひいてはプリンタの画質（どのように規定されていようとも）を改良する条件である。ある実施形態では、特別リプレニッシャカートリッジに特別現像剤を時々投入することで、現像ハウジング１２内の現像剤を「一掃」する効果がある。つまり、現像ハウジング１２内に溜まるキャリアの経年時間を加速された速度で減らす効果がある。

図２は、プリンタの制御方法のフローチャートである。図示するように、上述のセンサ３０又は／及び３２からの信号をモニタして、現像ハウジング１２内の現像剤あるいは画像受容体２０上にある現像された画像の低品質の所定条件を検出する（ステップ２００）。最初に、所謂基本状態において、所定の条件を検出するまでプリンタを動作させる。これによってプリンタは特別な状態になる。現像ハウジング１２内の現像剤を一掃することによって低品質の問題を解決できるのであれば（ステップ２０２）、プリンタを管理する制御システムはインターネットまたは他の種類の方法によって特別リプレニッシャカートリッジを投入するように指示する（ステップ２０４）。つまり、制御システムは人間又は／及び自動化されたシステムに対して、特別リプレニッシャをプリンタに装着するように要求する。実際に特別リプレニッシャカートリッジが装着されるまでプリンタが待機している間、プリンタのユーザインターフェース（ＵＩ）には警告が表示され、印刷品質が次善の状態であることを示す（ステップ２０６）。ただし、その場合もプリンタは動作できる。任意の時に特別リプレニッシャカートリッジがプリンタに装着されたことが、図１のセンサ３６等によって検出される（ステップ２０８）。

図３は、プリンタの別の制御方法のフローチャートである。この方法では、主に標準リプレニッシャカートリッジをプリンタに装着した回数のカウントが入力される。この単純なカウントによって、現像ハウジング１２内の現像剤のＴＣが所望の範囲の外になった場合、つまり特別リプレニッシャカートリッジを装着することによって問題を解決できる状態ではなくなった場合に、これを有効に検出できる。カウントは、標準リプレニッシャカートリッジをプリンタに装着した回数を維持する（ステップ３００）。装着数が所定数に達したら（ステップ３０２）、特別リプレニッシャカートリッジをインターネットや他の方法によって指示する（ステップ３０４）。この方法では、その次に装着されるリプレニッシャカートリッジが特別リプレニッシャカートリッジであるかどうかを、図１に示すセンサ３６等によって確認できる（ステップ３０６）。次に装着されるリプレニッシャカートリッジが特別リプレニッシャカートリッジであれば、その後のリプレニッシャカートリッジは標準のカートリッジでなければならない（ステップ３０８）。もし、特別リプレニッシャカートリッジが装着されない、あるいは装着されても、その次に装着されるカートリジが標準カートリッジでなければ、ユーザインターフェース、サービススタッフが使用するラップトップディスプレイ、またはいずれかの中央コンピュータに、エラーメッセージが表示される（ステップ３１０）。

上記の方法のステップは、図１に示す制御システム１００等の個々のプリンタの制御システムに搭載されたプログラムによって実行されてもよい。あるいは各々の方法のステップの全てまたは一部を図１に１０２として示すような、１つまたは１グループのプリンタを管理する外部コンピュータによって行うことができる。（様々な実務的な実施形態では、図２または図３の方法の異なる側面を組み合わせても良い。）これらの方法の実務的な利点は、多くの場合、顧客側に既に準備されているプリンタにおいて実行できることであり、特別リプレニッシャカートリッジを装着するか否かの決定に関する情報は中央コンピュータに送信されるか、サービススタッフによって回収される。特に図３の方法では、プリンタ内のいずれのセンサや内部制御システムを大きく変更しなくとも、現像ハウジング１２内の現像剤を所望通りに一掃したり微妙な調整をしたりすることができる。インターネットを使って特別な種別のリプレニッシャカートリッジを指示することは、前出の米国特許第６，７９８，９９７号に開示する一般的な方法に沿って実行できる。

より洗練された実施形態では、様々なときに指示してプリンタに装着するために、利用が見込まれる複数の種類の特別リプレニッシャカートリッジを提供することができる。このとき、各種類は特別なＴＣ、またはある添加物の特定のセットまたは割合を有する。例えば、３種類の特別リプレニッシャカートリッジがある場合、この３種類を所定の順番で装着するように指示することで、現像ハウジング１２内の現像剤の特性を比較的漸次的に所望の特性に変えることができる。（このようは構成では、プリンタには時間の経過と共に「通常の」リプレニッシャカートリッジより更に「特別な」リプレニッシャカートリッジが装着されてもよい。）あるいは、センサ３０、３２によって検出された画像または現像剤の品質の問題の特定の種類または範囲に応じて必要なように、３種類の利用可能な特別リプレニッシャカートリッジの一つを指示することができる。

別の実施形態では、特別リプレニッシャカートリッジは、実際、センサ３０、３２によって検出される画質のその時々の問題を解決するように特別に設計されてもよい。図４はプリンタの別の制御方法のフローチャートである。この実施形態では、プリンタを管理する制御システムがプリンタに関する現在または最近の状態に関する情報を、特別リプレニッシャカートリッジを指示する際に付随して、外部コンピュータに送信する。新規カートリッジを指示する状態が検出されると（ステップ４００）、制御システム（図１の１００等）はセンサ３０、３２からの入力に基づいて現在の画像および現像剤の状態を問い合わせ（ステップ４０２）、更にどんな種類の標準または特別リプレニッシャカートリッジが最近プリンタに装着されたかといった最近の履歴も問い合わせる（ステップ４０４）。最近の履歴に関するこの問い合わせはプリンタ自身の制御システム１００または中央管理コンピュータ１０２内に保持されたデータを利用できる。つまり、最近の履歴データは現像ハウジング１２内のトナーの経過時間（統計的な意味で）を検出または推定するために有益である。電子写真において一般的に周知であるように、装着後のトナー粒子の経過時間は現像剤の多様な静電気特性に関連し、更にセンサ３２によって検出できる多くの画質の問題の影響と関連する。問い合わせによって得られたデータにアルゴリズムを適用し、何れの種類の標準または特別なリプレニッシャカートリッジを指示すべきかを判断する（ステップ４０６、４０８）。１つの考えられる実施形態では、新規のリプレニッシャカートリッジの指示と共に装置または画像状態に関するデータの特別なセットを受信した場合に販売人が、（例えば）ＴＣ、添加剤、および総質量と言った点において現像剤の処方を「注文にあわせて調合」することができる。

特別リプレニッシャカートリッジをプリンタに装着し、データホルダ３４およびセンサ３６等によってプリンタがそれを識別すると、符号１００で示すような制御システムは、特別リプレニッシャカートリッジの内容物の処方に基づいて現像剤を現像ハウジング１２に投入する速度を調整できる。

図５は、１つの現像ハウジング１２に対して使用できる多数のリプレニッシャカートリッジ５０を有するプリンタの簡略図である。同様の構成が前出の米国特許第５，５８５，８９９号に開示されている。このような構成では、上部または下部リプレニッシャカートリッジを回転させて所定量の現像剤を現像ハウジング１２内に投入できる。上述の基本的な方法をマルチカートリッジシステムを用いた使用に適用できる。この場合ユーザは符号５０で示すような標準リプレニッシャカートリッジを１つの場所に装着し、符号５２で示すような特別リプレニッシャカートリッジを別の場所に装着するように指示されることができる。制御システムは、プリンタまたは外部コンピュータ内において全体または一部が実行されるかに関わらず、必要な標準または特別現像剤を現像ハウジング１２内に投入するように制御できる。

特別リプレニッシャカートリッジは標準リプレニッシャカートリッジのトナーまたは現像剤と同量またはこれに匹敵する総量を有する必要はない。実施形態において必要なことは、特別リプレニッシャカートリッジが、現像ハウジング１２がほぼ空になる前にＴＣを所望通りに一掃したり微妙に調整したりするために十分な現像剤を有することだけである。特別リプレニッシャカートリッジ内の現像剤の総質量が標準リプレニッシャカートリッジの５０％未満である場合もある。また特別リプレニッシャカートリッジは、物理的な流れや電荷保有を支援する等のために異なる添加剤または添加剤の特性（大まかに言って「添加剤セット」）を有するという点において、標準リプレニッシャカートリッジと異なってもよい。

上記の実施形態はモノクロプリンタに関するが、上記の教示を任意の種類のカラー静電写真プリンタ内の任意の単現像部に容易に適用することもできる。

電子写真において一般的に知られる、プリンタに使用される現像部の簡略正面図である。 プリンタの制御方法のフローチャートである。 プリンタの別の制御方法のフローチャートである。 プリンタの別の制御方法のフローチャートである。 １つの現像ハウジングに使用できる多数のリプレニッシャカートリッジを有するプリンタの簡略図である。

符号の説明

１０ 現像部、１２ 現像ハウジング、３０，３２ センサ、３４ データホルダ、５０ リプレニッシャカートリッジ。

Claims (4)

1. 現像剤を画像受容体に供給するための現像ハウジングを有する現像部と、前記現像ハウジングと連通するリプレニッシャとを有する静電写真プリンタを動作させる方法において、
   基本状態において、第１の所定ＴＣを有する現像剤の標準供給を行い、
   特別な状態において、第２の所定ＴＣを有する現像剤の特別供給を行い、
   前記プリンタが特別な状態にあるか否かを判断し、
   前記プリンタが特別な状態にあると判断された場合に、現像剤の特別供給をプリンタに対して行うことを要求する、方法。
2. 請求項１に記載の方法であって、前記現像剤の標準供給は、前記現像剤の特別供給の添加剤セットとは異なる添加剤セットを有する、方法。
3. 請求項１に記載の方法であって、前記判断は、前記プリンタにおいて画質測定を実行することを含む、方法。
4. 請求項１に記載の方法であって、前記判断は、過去において前記現像部と関連した現像剤の種類の記録を維持することを含む、方法。

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