JP2011164353A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】補給したばかりの劣化していないキャリアが排出口から排出されにくく、現像剤の帯電性能が安定して画像濃度の再現性が高く、省資源にも適う画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像装置4dの上部に、画像形成の1枚ごとのビデオカウント値に応じた量のトナーを補給するトナー補給部8dと10分おきに10gのキャリアを補給するキャリア補給部9dとが接続されている。現像装置4dの撹拌室の中央にはキャリア補給に伴って剤面が上昇すると現像剤がオーバーフローする排出口40が配置されている。撹拌室24の上流側にトナー補給口33aを配置し、撹拌室24の長手方向の中央部に排出口40を配置し、排出口40の下流側の近接した位置にキャリア補給口33bを配置した。
【選択図】図3

Description

本発明は、現像剤の循環路に現像剤を補給する一方で、排出口を通じて劣化した現像剤を循環路から排出する画像形成装置、詳しくは排出口と現像剤の補給位置の配置に関する。
トナー(非磁性)とキャリア(磁性)を含む二成分現像剤を用いて感光体に形成した静電像を現像する画像形成装置が広く用いられている。二成分現像剤を用いる現像装置は、現像剤担持体に沿って配置された循環路で、撹拌を伴って現像剤を循環させることにより、トナーとキャリアを摩擦帯電させている。そして、帯電した現像剤は、現像剤担持体に磁気的に形成したキャリアの磁気穂にトナーを静電的に担持させた状態で感光体を摺擦して、感光体の静電像にトナーのみを移転させている。
二成分現像剤を用いる現像装置は、画像形成を続けていくと、現像剤中のトナーだけが消費されて減ってくるので、画像形成に伴うトナー消費を補うように、現像剤補給装置からトナーを現像装置に補給する必要がある。しかし、二成分現像剤は、トナーが補給によって新しいものに置換されていく一方で、キャリアは、現像装置内で撹拌と摩擦を受け続けて、次第に帯電性能が低下してしまうという問題がある。このため、特許文献1の画像形成装置では、現像剤の循環路にトナーとキャリアを別々に補給する一方で、循環路に設けた排出口から過剰になった現像剤を排出させて、キャリアも少しずつ新しいものに入れ替えている。
特公平2−21591号公報 特開2007−93944号公報
特許文献1に示される現像装置の場合、キャリアの補給口を現像剤の排出口よりも上流側に配置すると、補給口から補給したばかりの劣化していないキャリアが多く排出されてしまう。また、現像剤の排出口をトナーの補給口よりも上流側に配置すると、トナーの補給口から現像材担持体までの距離が短くなって、現像材担持体に到達するまでにトナーが十分に摩擦帯電されなくなる。トナーが十分に摩擦帯電されないと、現像不良やトナー飛散の問題を引き起し易くなる。混合不十分で帯電状態にムラがある現像剤で現像を行なうと、濃度ムラやカブリといった画像不良の要因となる。
特許文献2の図17、18に示される現像装置の場合、現像剤担持体に現像剤を供給する循環路とは別に、循環路からオーバーフローさせた現像剤にトナーとキャリアを混合して循環路に戻す専用の搬送路を設けている。この構成によれば、専用の搬送路でトナーとキャリアを十分に攪拌混合して摩擦帯電できるため、上述のような問題は回避されるが、現像装置の構造が複雑化して小型化が難しくなり、運転に必要な消費電力も大きくなる。
本発明は、専用の搬送路を付加することなく、トナーとキャリアを現像剤の循環路に補給しても現像剤担持体に達するまでに十分な混合攪拌と摩擦帯電を確保できる現像装置を提供することを目的としている。これにより、補給したばかりの劣化していないキャリアが排出口から排出されにくく、現像剤の帯電性能が安定して画像濃度の再現性が高く、省資源、省電力にも適う画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明の画像形成装置は、現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体と対向する対向領域で前記現像剤担持体に現像剤を供給するとともに、現像剤を搬送する第1搬送路と、前記第1搬送路の両端部に接続して前記第1搬送路と現像剤の循環路を形成する第2搬送路と、前記循環路に設けられ、前記循環路中の余剰現像剤を排出する排出口と、前記循環路において、前記排出口よりも現像剤搬送方向上流側で、かつ前記第1搬送路内の前記対向領域よりも現像剤搬送方向下流側の位置に、第1現像剤を補給する第1補給装置と、前記循環路において、前記排出口よりも現像剤搬送方向下流側で、かつ前記第1搬送路内の前記対向領域よりも現像剤搬送方向上流側の位置に、前記第1現像剤よりもトナー比率が小さい、もしくは全てキャリアのみからなる第2現像剤を補給する第2補給装置とを有する。
本発明の画像形成装置では、排出口よりも現像剤搬送方向下流側で第2現像剤を補給するため、補給したばかりのキャリアが排出口から排出されることがない。排出口よりも上流側で補給された第1現像剤は、第1搬送路を搬送される過程で既存の現像剤と十分に混合撹拌されて、現像剤の安定した一定割合を占めた状態で現像剤担持体に担持される。キャリアの補給量はトナーの補給量ほどには変動しないため、また、大きさと数の違いから1個のキャリアの摩擦機会は1個のトナーの摩擦機会よりも多い。このため、第2現像剤の攪拌長さは第1現像剤の攪拌長さほど長くなくても、現像剤担持体までに十分な摩擦帯電がされる。
従って、専用の搬送路を付加することなく、トナーとキャリアを現像剤の循環路に補給しても現像剤担持体に達するまでに十分な混合攪拌と摩擦帯電を確保できる。これにより、補給したばかりの劣化していないキャリアが排出口から排出されにくくなり、現像剤の帯電性能が安定して画像濃度の再現性が高くなり、省資源、省電力にも適う。
画像形成装置の構成の説明図である。 現像装置の構成の説明図である。 現像装置の平面図である。 現像装置の制御系のブロック図である。 キャリア補給制御のフローチャートである。 キャリア補給制御の効果の説明図である。 比較例の現像装置の説明図である。 実施例2の現像装置の構成の説明図である。 実施例2の現像装置を側面から見た断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、排出口よりも搬送方向下流側でキャリア補給が行われる限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
従って、二成分現像剤を用いて画像形成を行う画像形成装置であれば、タンデム型/1ドラム型、中間転写型/記録材搬送型/直接転写型の区別無く実施できる。本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
なお、特許文献1、2に示される画像形成装置の一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成装置100は、中間転写ベルト5に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
画像形成部Paでは、感光ドラム1aにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト5に一次転写される。画像形成部Pbでは、感光ドラム1bにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト5上のイエロートナー像に重ねて一次転写される。画像形成部Pc、Pdでは、それぞれ感光ドラム1c、1dにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて同様に中間転写ベルト5上に順次重ねて一次転写される。
中間転写ベルト5に担持された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送されて記録材Pへ一括二次転写される。四色のフルカラートナー像を二次転写された記録材Pは、中間転写ベルト5から曲率分離して定着装置16へ送り込まれる。定着装置16は、記録材Pを加熱加圧して表面にトナー像を定着させる。その後、記録材Pが機体外部へ排出される。
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、現像装置4a、4b、4c、4dで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、実質的に同一に構成される。以下では、ブラックの画像形成部Pdについて説明し、他の画像形成部Pa、Pb、Pcについては、説明中の構成部材に付した符号の末尾のdをa、b、cに読み替えて説明されるものとする。
画像形成部Pdは、感光ドラム1dの周囲に、コロナ帯電器2d、露光装置3d、現像装置4d、一次転写ローラ6d、ドラムクリーニング装置7dを配置している。
感光ドラム1dは、帯電極性が負極性の感光層をアルミニウムシリンダの基体上に形成して構成され273mm/secのプロセススピードで矢印R1方向に回転する。コロナ帯電器2dは、コロナ放電に伴う荷電粒子を照射して感光ドラム1dの表面を、負極性の暗部電位VDに一様に帯電処理する。
露光装置3dは、ブラックの分解色画像を展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査して、感光ドラム1dの表面に画像の静電像を書き込む。暗部電位VDに帯電した感光ドラム1dの表面電位が露光を受けて明部電位VLに低下することで、負極性に帯電したトナーが付着可能となる。なお、露光装置3dは、レーザービームスキャナに代えて、発光ダイオード素子アレイ等他の画素列発光体を用いることもできる。
現像装置4dは、後述するように、感光ドラム1dに形成された静電像を反転現像してトナー像を形成する。一次転写ローラ6dは、中間転写ベルト5の内側面を押圧して感光ドラム1dと中間転写ベルト5の間に一次転写部を形成する。一次転写ローラ6dに正極性の電圧を印加することにより、感光ドラム1dに担持されたトナー像が中間転写ベルト5へ一次転写される。
ドラムクリーニング装置7dは、感光ドラム1dにクリーニングブレードを摺擦させて、中間転写ベルト5への一次転写を逃れて感光ドラム1dに残った転写残トナーを回収する。
中間転写ベルト5は、テンションローラ61と駆動ローラ63と対向ローラ62に掛け渡して支持され、駆動ローラ63に駆動されて273mm/secのプロセススピードで矢印R2方向に回転する。
二次転写ローラ10は、対向ローラ62によって内側面を支持された中間転写ベルト5に当接して二次転写部T2を形成する。記録材カセット12から引き出された記録材Pは、分離ローラ13で1枚ずつに分離して、レジストローラ14へ送り出される。レジストローラ14は、停止状態で記録材Pを受け入れて待機させ、中間転写ベルト5のトナー像にタイミングを合わせて二次転写部T2へ記録材Pを送り出す。
トナー像と重ねて記録材Pが二次転写部T2を挟持搬送される過程で、二次転写ローラ10に正極性の直流電圧が印加されることにより、フルカラートナー像が中間転写ベルト5から記録材Pへ二次転写される。転写されずに中間転写ベルト5の表面に残った転写残トナーは、ベルトクリーニング手段18に回収される。
なお、感光ドラム1dは、アモルファスシリコン感光体等の無機感光体を使用することもできる。また、ベルト状の感光体を用いることも可能である。帯電方式、転写方式、クリーニング方式、定着方式に関しても、上記方式に限られるものではない。
<現像装置>
図2は現像装置の構成の説明図である。図3は現像装置の平面図である。
図2に示すように、現像装置4dは、感光ドラム1d表面から所定の隙間を隔てて現像スリーブ28が対向するように設置されている。現像装置4dは、トナーとキャリアを含む現像剤(二成分現像剤)を帯電させて、回転する現像スリーブ28に担持させて、感光ドラム1dとの対向部へ搬送する。現像剤は、磁気ブラシ状態で感光ドラム1dの静電像を摺擦して、静電像にトナーを付着させて反転現像を行う。
図3に示すように、現像剤は、現像装置4dの現像容器22内を撹拌を受けつつ矢印で示すように循環する過程で、トナーとキャリアが摩擦して、トナーが負極性に、キャリアが正極性にそれぞれ帯電する。現像容器22の内部は、長手方向に延在する隔壁27によって、ほぼ中央で現像室23と撹拌室24とに区画されている。現像室23と撹拌室24は、隔壁27の長手方向の両端部の開口部11、12で連通している。
第1搬送路の一例である現像室23には、第1の搬送部材の一例である搬送スクリュー25が配置され、第2搬送路の一例である撹拌室24には、第2の搬送部材の一例である搬送スクリュー26が配置される。搬送スクリュー25は、現像スリーブ28に沿ってほぼ平行に配置され、図2に示すように、回転に伴って現像スリーブ28に現像剤を供給する。搬送スクリュー25は、矢印R5方向(時計回り方向)に回転する。時計回りとした理由は、現像スリーブ28への現像剤の供給という観点で有利だからである。
搬送スクリュー26は、撹拌室24内に搬送スクリュー25とほぼ平行に配置され、搬送スクリュー25と逆方向(半時計回り)に回転する。搬送スクリュー25、26は、隔壁27を挟んで現像剤を長手方向の逆方向に搬送して、図3に示す隔壁27の開口部11、12を通じて現像剤を受け渡すことにより、現像室23と撹拌室24とに現像剤を循環させる。
図2に示すように、現像容器22の感光ドラム1dに対向した現像領域に相当する位置に開口部が設けられ、この開口部に、現像スリーブ28が感光ドラム1d方向に一部露出するように回転可能に配設されている。現像スリーブ28は、アルミニウムやステンレスのような非磁性材料で構成されて直径は20mm、感光ドラム1dの直径は80mmである。現像スリーブ28と感光ドラム1dとが最近接する現像領域における対向間隔は、現像領域に搬送した現像剤を感光ドラム1と接触させた状態で現像が行なえるように、約400μmに設定されている。
現像スリーブ28の内部にはキャリアを拘束する磁界形成部材であるマグネットローラ28mが非回転状態に設置されている。マグネットローラ28mは、感光ドラム1に対向させた現像極S2と、規制ブレード(穂切り部材)29に対向させた磁極S1と、磁極S1、S2の間の磁極N1と、現像室23に対向させた磁極N2、N3とを有する。
現像スリーブ28は、現像時に、矢印R4方向(反時計方向)に回転し、規制ブレード29による磁気ブラシの穂切りによって層厚を規制された現像剤を担持して、これを感光ドラム1dと対向する現像領域へ搬送する。現像領域では、現像極S2の磁界に応答して形成される二成分現像剤の磁気ブラシが感光ドラム1d上に形成された静電像を摺擦しつつトナーを付着させて静電像を反転現像する。
この時、現像効率、つまり、静電像へのトナー付与率を向上させるために、現像スリーブ28には、電源D4から直流電圧Vdcに交流電圧を重畳した振動電圧が印加される。本実施形態では、ピーク・ツウ・ピーク電圧Vppが1800Vで周波数fが12kHzの矩形波の交流電圧を−500Vの直流電圧Vdcに重畳して用いた。しかし、直流電圧Vdc値、交流電圧Vpp、波形は、これに限られるものではない。
このような磁気ブラシ現像法においては、交流電圧を印加すると現像効率が増して画像は高品位になるが、逆に、画像の白地部にトナーが付着する白地かぶり画像が発生し易くなる。このため、現像スリーブ28に印加する直流電圧Vdcと感光ドラム1dの帯電電位(白地部電位)との間に電位差(かぶり取りコントラスト)を設けて、白地かぶりを防止している。
磁気ブラシの穂切り部材である規制ブレード29は、感光ドラム1dよりも現像スリーブ28の回転方向上流側に配設されて、現像スリーブ28の長手方向に沿って延在している。規制ブレード29は、板状のアルミニウムなどで形成されて層厚を規制する非磁性部材29aと、キャリアを磁気的に緩く拘束して現像剤溜まりを形成するための鉄材のような磁性部材29bとで構成される。
そして、規制ブレード29の先端と現像スリーブ28との間隙を、現像剤が通過して現像領域へと送られ、この間隙を調整することによって、現像スリーブ28上に形成される磁気ブラシの穂切り量が規制されて、現像領域へ搬送される現像剤量が調整される。規制ブレード29と現像スリーブ28は、間隙を200〜1000μm、好ましくは300〜700μmに設定される。本実施形態では、500μmに設定しており、規制ブレード29によって、現像スリーブ28上の単位面積当りの現像剤コート量を30mg/cmに規制している。
現像領域においては、現像スリーブ28は、感光ドラム1dの表面の移動方向と順方向に回転し、周速比は、感光ドラム1dとの周速比で1.75倍の周速で回転する。この周速比に関しては、0〜3.0倍の間で設定され、好ましくは、0.5〜2.0倍の間に設定されれば、何倍でも構わない。移動速度比は、大きくなればなるほど、現像効率がアップするが、大き過ぎると、トナー飛散、現像剤劣化等の問題が発生し易くなるので、上記の範囲内で設定することが好ましい。
<二成分現像剤>
現像剤は、トナー(非磁性)とキャリア(磁性)を含む二成分現像剤である。トナーは、結着樹脂、着色剤、そして、必要に応じてその他の添加剤を含む着色樹脂粒子と、コロイダルシリカ微粉末のような外添剤が外添されている着色粒子とを有している。トナーは、負帯電性のポリエステル系樹脂であり、体積平均粒径は4μm以上、10μm以下が好ましい。より好ましくは8μm以下であることが好ましい。
また、キャリアは、例えば、表面酸化或は未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属、及びそれらの合金、或は酸化物フェライトなどが好適に使用可能であり、これらの磁性粒子の製造法は特に制限されない。キャリアは、重量平均粒径が20〜60μm、好ましくは30〜50μmであり、抵抗率が10Ωcm以上、好ましくは10Ωcm以上である。本実施形態では、10Ωcmのものを用いた。
トナーの体積平均粒径は、以下に示す装置及び方法にて測定した。測定装置としては、コールターカウンターTA−II型(コールター社製)を使用し、電解水溶液として一級塩化ナトリウムを用いて調製した1%NaCl水溶液を使用した。
測定方法は、以下に示す通りである。すなわち、上記の電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1bl加え、測定試料を0.5〜50mg加える。
試料を懸濁した電解水溶液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、上記のコールターカウンターTA−II型により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布を求めた。こうして求めた体積平均分布より、体積平均粒径を得た。
キャリアの抵抗率は、測定電極面積4cm、電極間間隔0.4cmのサンドイッチタイプのセルを用いて測定した。セルの片方の電極に10N(1kg)の加圧下で、両電極間の印加電圧E(V/cm)を印加して、回路に流れた電流から、キャリアの抵抗率を得る方法によって測定した。
<現像剤補給装置>
電子写真方式によってフルカラーやマルチカラー画像を形成するカラー画像形成装置では、発色性や混色性といった観点から、トナーとキャリアを混合した二成分現像剤を使用している。そして、二成分現像方式において、安定した品質の画像を長期間維持するためには、安定したトナー帯電量Q/M(トリボ)をトナーに付与していくことが重要である。そのためには、トナーに対するキャリアの帯電付与能力が画像形成を累積しても安定して高く保たれている必要がある。
しかし、実際には、トナーは、画像形成に伴って消費され、補給された新しいトナーに随時置き換わっていくのに対し、キャリアは消費されずに、現像装置内に停滞して撹拌され続ける。このため、長時間使用していくと、キャリアがトナーと長時間に渡って摩擦し続けることで、キャリア表面がトナーやトナーの外添剤の付着によって汚染される可能性が高まる。その結果、キャリアのトナーに対する帯電付与性能が下がって、トナー帯電量Q/Mが低下し、トナー飛散やかぶり画像と言った画像品質の低下が発生し易くなる。
このようなキャリア劣化の問題に対する解決方法の1つは、耐久寿命を過ぎた劣化現像剤を、定期的なサービスメンテナンス時にサービスマンが新しい現像剤に全交換する方法である。しかし、この方法を採用すると、現像剤寿命がサービスメンテナンス間隔を決定付けて、頻繁なサービスメンテナンスが必要となり、画像形成装置のランニングコストを引き上げてしまう。サービスメンテナンス間隔は、サービスマンへの負担、コスト、更には画像形成装置のダウンタイムという観点からも、長く設定可能なほうが好ましい。
キャリア劣化の問題に対する別の解決方法は、長時間摩擦を続けても帯電付与性能が低下しない現像剤の開発や現像剤を劣化させない現像装置の運転方法の開発である。しかし、これらの対策を施しても、現状の現像剤寿命は、連続画像形成で3万枚から5万枚のあたりで停滞している。
そこで、トナーにキャリアを一定割合(例えば重量比10%)で予め混合した補給現像剤を現像装置へ補給して、余剰になった現像剤を現像装置から取り出す方式が実用化されている。ここでは、新しい現像剤の補給装置を現像装置に設けて、いわゆるトリクル補給を行うことにより、キャリアの帯電付与性能の低下を抑制している。新しい現像剤の補給よって過剰になった現像剤は、現像容器の壁面に設けられた排出口よりオーバーフローさせて回収している。
トリクル補給−オーバーフロー方式では、現像剤の補給に伴って新しいキャリアの補給と、古くなった現像剤の排出とが逐次繰り返されて、現像装置内のキャリアが、新たに供給されたキャリアに随時置換されていく。このため、現像装置内の現像剤の帯電付与性能の低下が抑制されて現像剤の現像特性が一定に維持され、複写画質の低下が抑制される。その結果、現像剤の全交換を行うためのサービスメンテナンス間隔が延長され、或いは現像剤の全交換自体が不要となっている。
しかし、トリクル補給−オーバーフロー方式では、トナーとキャリアを一定割合で予め混合したものを補給剤としているため、キャリアの劣化状態に即した補給が行なえないという問題がある。
例えば、1枚あたりトナー消費量が少ない(画像比率が低い)画像形成が続いた場合、現像剤の補給が少ないため、キャリアの更新が進まない一方で、現像剤が撹拌され続けるため、キャリアの平均的な帯電付与性能は低下してしまう。キャリアの補給がほとんどされないまま現像装置が稼動する結果、キャリアへのトナーのスペントが生じ、トナー帯電量Q/Mが低下する可能性がある。
一方、1枚あたりトナー消費量が多い(画像比率が高い)画像形成が続いた場合、現像剤の補給が多いため、必要以上にキャリアが供給されてしまい、帯電能力が劣化していないキャリアが排出されてしまう無駄が生じる。これは、キャリアを無駄に廃棄してランニングコストを押し上げることになる。
また、トリクル補給−オーバーフロー方式では、補給現像剤は、現像装置内の現像剤(5〜12重量%)に比較してトナーの比率が極端に高い(90重量%)。この比率は、平均的な画像比率の連続画像形成において、現像装置4d内のキャリアの寿命に応じて、適切にキャリアが入れ代るように設定されている。
このような、極端にトナーが多い現像剤では、キャリアより比重が軽く、キャリアに捕捉していないトナーが多数存在するために、補給剤を蓄える容器内でトナーとキャリアが均一に混ざらないことがある。
トナーとキャリアの混合状態が不均一だと、キャリアの供給が更に不正確になり、キャリアの劣化や、キャリアの無駄な消費が更に助長されてしまう問題がある。補給現像剤の補給容器内でトナーとキャリアを均一に混合するためには、補給容器を横長にしたり、補給容器に撹拌部材を設けなくてはならず、現像装置のレイアウトが制限されたり、補給容器がコストアップしたりする。
ここで、特許文献1に示されるように、100%トナーと100%キャリアとを独立に供給する場合、トナーの消費量に左右されることなく、現像剤中のキャリアの劣化状態に即したキャリアの供給を行なうことができる。例えば、画像比率によらず、現像装置の運転時間に応じてキャリアを供給する制御が可能である。また、現像剤中のキャリアの劣化度合いが現像装置の温度に感度があるなら、それも加味してキャリアの補給量を制御することができる。
しかし、キャリアを補給するための第2補給装置を設ける場合、その配置によっては、供給したキャリアがすぐに排出口を通じて排出されてしまう。キャリアの補給によって現像剤の長寿命化を図るには、新しいキャリアの補給によって、劣化したキャリアだけが排出口からオーバーフローすることが理想である。
一方、トナーを補給するための第1補給装置は、その配置によっては、補給したトナーが、現像剤と混ざり合って十分に摩擦帯電される前に現像スリーブに達して担持されてしまう。混合不十分で帯電状態にムラがあるトナーで現像を行うと、濃度ムラやカブリといった画像不良の要因となる。これはトナーの消費量が多い、すなわちトナーの補給量が多いほど顕著になる。
また、排出口に関しても、その配置によっては、トナーの消費に対して現像剤面が安定せず、キャリアの補給に対して排出が反応良く行なわれず、その結果、現像剤の帯電能力の改善に遅れが生じる場合がある。この現象もトナーの消費量が多いほど顕著となる。
近年、画像形成装置では、画像出力の高速化と画像品質の安定化を両立する性能が強く求められており、トナーの急激な消費量変化に対しても安定して動作する現像装置が必要とされている。また、画像形成装置の小型化に伴って現像装置の小型化も求められており、スペースの制約がある中で高速化、安定化の性能を実現することが重視されている。
以下の実施例では、トナーとキャリアとを独立に補給して排出口より現像剤をオーバーフローさせる現像装置において、トナーの補給位置とキャリアの補給位置と排出口の位置関係が改善されている。現像剤の循環方向における現像剤担持体の下流側の端部を起点としたときの順列が、現像剤の循環方向に沿って、トナーの補給位置、排出口、キャリアの補給位置の順番となるよう構成されている。これにより、キャリアの補給に伴う現像剤の帯電性能の回復度合いを効率化、迅速化するとともに、トナーの補給に伴う現像剤中のトナーとキャリアの分布のムラを抑制している。
<実施例1>
図4は現像装置の制御系のブロック図である。図5はキャリア補給制御のフローチャートである。図6はキャリア補給制御の効果の説明図である。
図2に示すように、現像装置4dの上部には、第1の現像剤補給装置の一例であるトナー補給部8dと第2の現像剤補給装置の一例であるキャリア補給部9dとが接続されている。
第1補給装置の一例であるトナー補給部8dは、現像装置4d内を循環する現像剤よりもトナー比率が高い第1現像剤を撹拌室24の上流側端部に補給する。実施例1では、トナー補給部8dのホッパー31aには、現像装置4dに充填された現像剤のものと等しいトナーを100%重量比で含む補給現像剤が収容されている。
トナー補給部8dは、現像剤の循環路における排出口40よりも現像剤搬送方向上流側で、かつ第1搬送路内の現像スリーブ28との対向領域よりも現像剤搬送方向下流側の位置に、第1現像剤を補給する。ただし、第1現像剤は、100%トナーには限定されないので、攪拌室24を循環する現像剤との混合性を高めるために、少量のキャリアを混合させてもよい。
第2補給装置の一例であるキャリア補給部9dは、現像装置4d内を循環する現像剤よりもキャリア比率が高い第2現像剤を撹拌室24の前記第2搬送路の現像剤搬送方向中間位置に補給する。実施例1では、キャリア補給部9dのホッパー31bには、現像装置4dに充填された現像剤のものと等しいキャリアを100%重量比で含む補給現像剤が収容されている。
キャリア補給部9dは、排出口40よりも現像剤搬送方向下流側で、かつ第1搬送路内の現像スリーブ28との対向領域よりも現像剤搬送方向上流側の位置に第2現像剤を補給する。第2現像剤は、第1現像剤よりもトナー比率が小さい、もしくは全てキャリアのみとすることができるので、100%キャリアには限定されない。第2現像剤は、攪拌室24を循環する現像剤との混合性を高めるために少量のトナーを混合させてもよい。
トナー補給部8dは、ホッパー31aの下部にスクリュー状の搬送部材32aを備え、搬送部材32aの一端が現像装置4dのトナー補給口33aに接続されている。画像形成によって消費された分のトナーは、搬送部材32aの回転力と、トナーに作用する重力とによって、ホッパー31aからトナー補給路30aを経由して、トナー補給口33aを通して現像容器22に補給される。このようにして、ホッパー31aから現像装置4dにトナーが補給される。
トナーの補給量は、搬送部材32aの回転数によっておおよそ定められるが、この回転数は、制御部110が実行するトナー補給量制御によって定められる。
図2を参照して図4に示すように、制御部110は、4つの画像形成部(Pa、Pb、Pc、Pd:図1)のトナー補給部8a、8b、8c、8dとキャリア補給部9a、9b、9c、9dを制御する。
実施例1ではビデオカウント出力からトナー補給量を求め、トナー濃度検出センサ43は、トナー濃度の適正範囲を逸脱しないように、そのトナー補給量を修正するために用いられている。
制御部110は、ビデオカウンタ113のビデオカウント出力に基づいて画像形成1枚ごとのトナー消費量を求め、1枚前の画像形成でのトナー消費量に相当するだけ搬送部材32aを回転させてトナーを現像容器22に補給する。ビデオカウント出力は、露光装置3dを作動させるための画像信号を定量化したものであり、これをCPU111において画像1枚分積算することで、今回の画像の現像で現像装置4dから取り出されたトナー量が推定される。
制御部110は、現像装置4dに付設されたトナー濃度検出センサ43の出力を検出して、撹拌室24を搬送される現像剤のトナー濃度(重量比)を求める。トナー濃度検出センサ43は、現像剤のインダクタンスを測定することによってトナー濃度を推測する方式のものである。制御部110は、トナー濃度が許容範囲を割り込むと、ビデオカウント方式で求めたトナー補給量を割り増してトナー濃度を高める一方、トナー濃度が許容範囲を上回ると、トナー補給量を削減してトナー濃度を低下させる。
次に、キャリアの補給方法について述べる。キャリア補給部9dは、ホッパー31bの下部にスクリュー状の搬送部材32bを備え、搬送部材32bの一端が現像装置4dのキャリア補給口33bに接続されている。排出口40を通じてオーバーフローさせる量に相当するキャリアが、搬送部材32bの回転力とトナーに作用する重力とによってホッパー31bからキャリア補給路30bへ送り出され、キャリア補給口33bを通じて現像容器22に補給される。このようにして、ホッパー31bから現像装置4dにキャリアが補給される。
制御部110は、タイマー114を用いて現像装置4dの運転時間に応じてキャリアを補給するキャリア補給制御を実行する。タイマー114は、現像装置4dの回転時間の累積時間を積算するものである。
図2を参照して図5に示すように、実施例1では、現像装置4dの運転時間が10分積算されるごとに10gのキャリア補給を行う。制御部110は、現像装置4dの運転時間を積算し(S11)、積算時間が10分経過するごとに(S12のYES)、10gのキャリアを補給する(S13)。補給後、積算時間をリセットして(S14)、次回のキャリア補給のための積算を開始する(S11、S12のNO)。
図3に示すように、キャリアは、循環路中の余剰現像剤を排出する排出口40よりも下流側に配置したキャリア補給口33bから撹拌室24に補給され、既存の現像剤と撹拌混合される。そして、現像室23を現像スリーブ28に沿って撹拌を受けつつ搬送されて撹拌室24に受け渡され、循環路をほぼ一周して、補給されたキャリアがほぼ均一に混合された状態で、排出口40からオーバーフローする。
キャリア補給の効果を確認するために、トナー補給に併せてキャリア補給を行った実施例1の制御と、トナー補給のみを行ってキャリア補給を行わなかった比較例1とでトナー帯電量Q/Mの推移を測定して比較した。
図6に示すように、実施例1では、10分ごとに10gのキャリア補給を行って現像剤に均等に拡散した状態で排出口40からオーバーフローさせるため、トナーの劣化状態が一定値に安定して維持される。これに対して、キャリア補給を行わない比較例1では、現像装置4の運転時間の累積とともに、キャリアの劣化が進行してトナー帯電量Q/Mが低下し続ける。
トナー帯電量Q/Mの低下は以下のような現象と考えられている。キャリアのトナーに対する帯電性能が低下する要因としては、様々な要因があるが、そのうち最も大きい要因は、トナーを構成する樹脂がキャリアに融着する、いわゆるトナースペントである。トナースペントが起きると、その部分は樹脂で被覆されてトナーを摩擦帯電することができなくなって帯電能が低下する。トナースペントは、現像剤に圧力が加わり、トナーとキャリアが強く接触することによって、トナーの樹脂が削り取られてキャリアに付着することが主原因であると考えられている。
現像装置4dにおいて、現像剤に最も圧力が掛かるのは現像スリーブ28に担持させる現像剤の層厚規制部である規制ブレード29の上流近傍である。現像剤は、ここを通過した回数だけトナースペントが進行すると考えられる。現像剤は、全体がほぼ一定周期で現像装置4d内を循環しているので、現像剤の撹拌時間の累積値がトナースペントのレベル、ひいてはキャリアの帯電能力に対応している。
<キャリア補給口の配置>
図2に示すように、現像装置4の壁面には、現像剤の排出口40が設けられており、排出口40を通じて劣化キャリアを含む現像剤が矢印のように排出される。キャリア補給口33bを通じたキャリアの補給がされると、現像装置4d内の現像剤が増えて剤面が上昇し、現像剤は、増加量に応じて、排出口40より溢れ出るように排出される。
トナーの補給によっても、現像装置4d内の現像剤が増えて剤面が上昇し、補給量に応じた現像剤が排出口40を通じて排出される場合もある。このようなメカニズムが機能することで、現像容器22内の現像剤量がほぼ一定に保たれている。そして、排出口40を通じて排出された現像剤は、撹拌室24の外壁面に沿って配置された回収スクリュー41によって現像装置4dの長手方向の端部に搬送され、その後下方へ導かれて不図示の回収現像剤貯蔵容器に回収される。
図3に示すように、実施例1では、トナー補給口33aが撹拌室24の上流端部に配置され、撹拌室24の長手方向の中央に排出口40が配置され、排出口40のすぐ下流にキャリア補給口33bが配置されている。トナー補給口33aの下流側で撹拌室24の長手方向の中央部に、排出口40及びキャリア補給口33bが近接して配置されている。
現像剤の搬送方向で現像スリーブ28の下流側の端部Aを起点として考えた場合、トナー補給口33aは、キャリア補給口33b、排出口40よりも上流側に位置している。これは、トナーが補給されて現像スリーブ28に到達するまでの経路長を長くして、補給したトナーが既存の現像剤と十分に撹拌されて現像剤が均一になるようにするためである。
これに対して、トナー補給口33aから現像スリーブ28までの経路長が短い場合、トナーが十分に摩擦帯電する前に現像スリーブ28にコートされるため、現像濃度が上昇する。現像スリーブ28からのトナー飛散が増える。特に、画像比率が高い画像形成が連続して多量のトナーが補給された場合、現像剤のトナーの濃度が不均一になり、出力画像に濃度ムラが生じる可能性がある。
次に、排出口40は、トナー補給口33aから距離を置いた下流位置に配置されている。これは以下の理由による。排出口40が、撹拌室24の上流側に配置された場合、トナー補給口33aが必然的に排出口40よりも下流側に配置されることになる。その結果、トナー補給口33aから現像スリーブ28までの経路長が短くなって、上述したように、トナー濃度が不均一なまま現像剤が現像スリーブ28に供給される可能性が高まる。
ここで、撹拌室24を下流側に延長すれば、排出口40の下流側でトナー補給口33aから現像スリーブ28までの経路長を確保できるが、現像装置4dが大型化するデメリットがある。
また、撹拌室24の長手方向の同じ位置に並べてトナー補給口33aと排出口40を配置する構成も考えられるが、トナー補給口33aから補給したトナーがそのまま排出口40から排出される可能性があるため好ましくない。
このことから、排出口40は、トナー補給口33aより下流側に配置することが好ましい。さらに、補給したトナーがそのまま排出されることがない程度に、トナー補給口33aからある程度の距離をおいて排出口40を配置することが好ましい。
次に、キャリア補給口33bは、排出口40に近接した下流位置に配置されている。これは以下の理由による。現像装置4dに新しいキャリアを補給して現像剤の性能を維持させるには、補給したばかりの新しいキャリアが排出口40を通じてなるべく排出されないようにすることが好ましい。
排出口40から現像剤が排出されるのは、キャリアを補給することによって、現像装置4d内の現像剤が増えて剤面が上昇し、排出口40を越えてオーバーフローするためである。剤面が上昇する過程を詳しく観察すると、キャリアが補給された直後は、補給された箇所だけ局所的に剤面が高くなり、現像剤が搬送スクリュー26によって搬送されて新しいキャリアが拡散するにつれて、全体の剤面が上がっていく。
新しいキャリアを全く含まないように現像剤を排出しようとすれば、排出口40に、新しいキャリアを含まずに剤面の上がった状態を作り出す必要があるが、これは無理である。従って、補給したキャリアがすぐに排出されるのを極力防ぎ、キャリアの帯電性能を極力維持するには、新しいキャリアを、搬送スクリュー26によって十分に撹拌して既存の現像剤中に拡散させることが必要である。
そのためには、現像剤の循環路上で、キャリア補給口33bを、排出口40の下流側に配置し、キャリア補給口33bから現像剤の搬送方向に最も遠ざけた位置に排出口40を配置することが好ましい。
また、補給したキャリアが現像剤へ十分に分散しない状態で現像スリーブ28に供給されると、現像スリーブ28上でトナー分布ムラが形成されて画像濃度ムラの要因になる。このため、キャリア補給口33bから現像スリーブ28までの搬送方向の経路長も、現像スリーブ28までで十分な撹拌混合が行えるように確保する必要がある。
ただし、キャリアは、その比重が現像剤の比重に近いため、トナーに較べると現像剤に混ざり易く、トナー補給口33aよりは現像スリーブ28の近くに配置することが可能である。
以上より、キャリア補給口33bは、現像剤の搬送方向で、排出口40の下流側の近接した位置に配置することが好ましい。
<比較実験>
図7は比較例の現像装置の説明図である。図2、図3に示す現像装置4dにおいて、トナー補給口33a、キャリア補給口33b、及び排出口40の配置を変更して、連続画像形成における現像剤の帯電性能と画像濃度均一性の評価を行った。
図7に示すように、B、C、Dの位置に、図3のトナー補給口33a、キャリア補給口33b、及び排出口40を異なるパターンで配置して比較例2〜6として実施例1の配置と比較した。
連続画像形成は、画像形成装置(100:図1)において画像比率10%のモノクロプリント10万枚の耐久試験を行い、5000枚ごとに現像剤の帯電性能と画像濃度の均一性を評価した結果を表1に示す。表1中、排出口40は現像剤排出口と記載した。
Figure 2011164353
表1に示すように、実施例1の現像装置4dでは、比較例2〜6に比較して、現像剤の帯電量の低下が少なく、現像剤中のトナー分布ムラによるの画像濃度ムラも発生しにくい。表1中、実施例1に較べて現像剤の帯電量の変化が大きかったものを×と評価し、画像濃度にムラが見られたものを×と評価した。現像剤の帯電量の測定方法は、トナーとキャリアをそれぞれ2g補給後に一定時間空回転させた後、現像スリーブ28上の現像剤を回収して、トナー帯電量Q/Mの分布を測定して比較した。1回のトナー補給量は、最大でも1g以下に抑えるのが通常だが、ここでは、差を明確にするために、補給量2gで実験した。
この結果、比較例2〜6のいずれにおいてもトナー帯電量Q/Mの安定性と画像濃度の均一性とを両立できなかった。
撹拌室24の位置Dに排出口40を配置して、その上流側の位置Cにキャリア補給口33bを配置した比較例2は、供給したキャリアが排出口40を通じてすぐ排出されてしまう。このため、キャリアの帯電能力が回復しにくく実施例1よりもトナー帯電量Q/Mが低下する。
撹拌室24の位置C、Dにトナー補給口33aを配置した比較例3、4では、トナー補給口33aから現像スリーブ28までの経路長が短いためにトナー帯電量Q/Mが低下して画像濃度ムラが発生する。
撹拌室24の位置Dにトナー補給口33aを配置した比較例5では、補給トナーへの帯電付与のムラが発生して濃度均一性が損なわれた。撹拌室24の位置Cにトナー補給口33aを配置した比較例6では、画像濃度ムラも帯電量の低下も発生してしまう。
従って、実施例1の構成によれば、トナーとキャリアを独立に補給し、排出口より現像剤の排出を行う構成において、キャリアの供給による現像剤の帯電性能の回復度合いの効率化が達成される。同時に、トナー補給によるトナーとキャリアの比率のムラに起因する濃度ムラを解消できる。
<実施例2>
図8は実施例2の現像装置の構成の説明図である。図9は実施例2の現像装置を側面から見た断面図である。
実施例2は、現像室23と撹拌室24とを上下に配置した縦型現像装置に本発明を適用した実施例である。実施例2の現像装置は、図1に示す現像装置4dを置き換えて画像形成装置100に付設される。ここでは、実施例1との対比を容易とするために、図8、図9中、実施例1の現像装置4dと対応する部材には図2、図3と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
図8に示すように、縦型の現像装置4dは、現像容器22内にトナーとキャリアを含む現像剤(二成分現像剤)が収容されている。現像容器22内に、現像剤担持体としての現像スリーブ28と、現像スリーブ28上に担持された現像剤の穂を規制する規制ブレード(穂切り部材)29を有している。
現像容器22の内部は、高さ方向の略中央が紙面に垂直方向に延在する隔壁27によって現像室23と撹拌室24とに上下に区画されており、現像剤は、現像室23及び撹拌室24に収容されている。
現像室23及び撹拌室24には、現像剤を撹拌しつつ搬送する第1及び第2の搬送部材として搬送スクリュー25、26がそれぞれ配置されている。搬送スクリュー25は、現像スリーブ28とほぼ平行に配置され、矢印R5方向(時計回り方向)に回転して、現像室23内の現像剤を軸線方向の一方向に搬送する。時計回りとした理由は、現像スリーブ28への現像剤の供給という観点で有利だからである。
また、搬送スクリュー26は、撹拌室24内に搬送スクリュー25とほぼ平行に配置され、搬送スクリュー25と反対の矢印R6方向(半時計回り)に回転して撹拌室24内の現像剤を搬送スクリュー25と反対方向に搬送する。
図9に示すように、搬送スクリュー25、26に搬送された現像剤が隔壁27の両端部の開口部11、12を通じて受け渡されて、現像剤が現像室23と撹拌室24との間で循環する。
図8に示すように、現像容器22の感光ドラム1dに対向した現像領域に相当する位置に開口部があり、この開口部に現像スリーブ28が感光ドラム1d方向に一部露出するように回転可能に配設されている。
現像スリーブ28の内部には、キャリアを拘束する磁界形成部材であるマグネットローラ28mが非回転状態に設置されている。マグネットローラ28mは、感光ドラム1に対向させた現像極S2と、規制ブレード(穂切り部材)29に対向させた磁極S1と、磁極S1、S2の間の磁極N1と、現像室23に対向させた磁極N1、撹拌室24に対向させた磁極N3とを有する。
現像スリーブ28は、現像時に矢印R4方向(反時計方向)に回転し、現像室23で回転する搬送スクリュー25から現像剤を供給される。現像スリーブ28は、規制ブレード29によって層厚を規制された現像剤を磁気ブラシ状態で担持して、感光ドラム1dと対向した現像領域に搬送する。そして、感光ドラム1d上に形成された静電像に現像剤を供給してトナー像に反転現像する。現像スリーブ28に残った現像剤はマグネットローラ28mの磁極N1、N3の反発磁界で現像スリーブ28から分離して攪拌室24へ流れ込んで搬送スクリュー26により搬送される。
現像バイアスは実施例1と同様である。規制ブレード29も実施例1と同様のものを用いた。また、現像剤も実施例1と同様であり、電圧値等の設定及び運転条件も同様のものとした。
図9に示すように、実施例2では、現像室23の最も下流位置にトナー補給口33aを配置し、撹拌室24の長手方向の中央上流側に排出口40を配置した。そして、排出口40の下流側にキャリア補給口33bを配置した。現像スリーブ28の下流側の端部Aを起点として、現像剤の搬送方向の上流側から、トナー補給口33a、排出口40、キャリア補給口33bの順で配列している。
この構成の現像装置4dにおいて、実施例1と同様に比較例2〜6を試作して比較する実験を行ったところ、実施例2の配置構成のみが現像剤の帯電量の低下や画像濃度ムラも無く、良好な結果が得られた。
(1)比較例2:現像剤の搬送方向の上流側からトナー補給口33a、キャリア補給口33b、排出口40の順番に配置した。供給したキャリアが排出口40を通じてすぐ排出されてしまう。
(2)比較例3:現像剤の搬送方向の上流側からキャリア補給口33b、トナー補給口33a、排出口40の順番に配置した。トナー補給口33aから現像スリーブ28までの経路長が短いためにトナー帯電量Q/Mが低下して画像濃度ムラが発生する。
(3)比較例4:現像剤の搬送方向の上流側からキャリア補給口33b、排出口40、トナー補給口33aの順番に配置した。トナー補給口33aから現像スリーブ28までの経路長が短いためにトナー帯電量Q/Mが低下して画像濃度ムラが発生する。
(4)比較例5:現像剤の搬送方向の上流側から排出口40、キャリア補給口33b、トナー補給口33aの順番に配置した。トナー補給口33aから現像スリーブ28までの経路長が短いためにトナー帯電量Q/Mが低下して画像濃度ムラが発生する。
(5)比較例6:現像剤の搬送方向の上流側から排出口40、トナー補給口33a、キャリア補給口33bの順番に配置した。トナー補給口33aから現像スリーブ28までの経路長が不十分なため、画像濃度ムラも帯電量の低下も発生する。
従って、実施例2の構成によれば、トナーとキャリアを独立に補給し、排出口より現像剤の排出を行う構成において、キャリアの供給による現像剤の帯電性能の回復度を効率化に高められる。同時に、トナー補給によるトナーとキャリアの比率のムラに起因する濃度ムラを解消できる。
1a、1b、1c、1d 感光ドラム(像担持体)
3a、3b、3c、3d 露光装置
4a、4b、4c、4d 現像装置
8a、8b、8c、8d トナー補給部
9a、9b、9c、9d キャリア補給部
23 現像室、24 撹拌室、25 第1の搬送部材
26 第2の搬送奉材、27 隔壁、28 現像スリーブ
28m マグネットローラ、33a トナー補給口
33b キャリア補給口、40 排出口
43 トナー濃度検出センサ

Claims (5)

  1. 現像剤を担持する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体と対向する対向領域で前記現像剤担持体に現像剤を供給するとともに、現像剤を搬送する第1搬送路と、
    前記第1搬送路の両端部に接続して前記第1搬送路と現像剤の循環路を形成する第2搬送路と、
    前記循環路に設けられ、前記循環路中の余剰現像剤を排出する排出口と、
    前記循環路において、前記排出口よりも現像剤搬送方向上流側で、かつ前記第1搬送路内の前記対向領域よりも現像剤搬送方向下流側の位置に、第1現像剤を補給する第1補給装置と、
    前記循環路において、前記排出口よりも現像剤搬送方向下流側で、かつ前記第1搬送路内の前記対向領域よりも現像剤搬送方向上流側の位置に、前記第1現像剤よりもトナー比率が小さい、もしくは全てキャリアのみからなる第2現像剤を補給する第2補給装置と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 現像剤搬送方向に沿った前記第1現像剤の補給位置から前記排出口までの距離は、前記排出口から前記第2現像剤の補給位置までの距離よりも長いことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 現像剤搬送方向に沿った前記第2現像剤の補給位置から前記現像剤担持体までの距離は、前記排出口から前記第2現像剤の補給位置までの距離よりも長いことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記第1現像剤の補給位置が前記第2搬送路の上流側端部に配置され、前記排出口と前記第2現像剤の補給位置が前記第2搬送路の中央部に配置されることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  5. 前記第1現像剤は、トナー比率が100%であり、前記第2現像剤はキャリア比率が100%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置。
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