JP2018036672A - 画像形成装置における消耗品の管理方法とそのプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】同じネットワークに接続された画像形成装置の台数の変動にかかわらず、各画像形成装置について消耗品の補充/交換時期を正確に予測することが可能な消耗品管理システムを提供する。
【解決手段】デバイス群(110)と管理装置(120)とがネットワーク(NTW)で互いに接続されている。管理装置では記憶部(350)がデバイス群に関する登録情報(351)を記憶し、通知部(312)がその登録情報からデバイスの台数(NTC)を求めて各デバイスに通知する。各デバイスでは監視部(611)がトナーの消耗度を監視し、その消耗度に基づいて予測部(612)がトナーの補充時期を予測し、予測したその時期に要求部(613)がトナーの補充要求(RQS)を送信する。予測部は更に、通知部からデバイスの台数が通知される度にその台数と前回通知された台数との比較に基づいて補充時期の予測値を補正する。
【選択図】図2

Description

本発明は画像形成装置に関し、特にそれが利用する消耗品を管理する技術に関する。
画像形成装置は多様な消耗品を利用する。たとえば、画像形成装置は、予め給紙カセットに蓄えられたシートを印刷の対象に利用する。その印刷には、電子写真式の装置であればトナーを利用し、インクジェット式の装置であれば顔料等のインクを利用する。電子写真式の装置では更に、感光体ドラム、中間転写ベルト、転写ローラー等の可動部材が他の部材との接触で摩耗し、かつ振動等で疲労する。したがって、画像形成装置の保守には、これらの消耗品を的確な時期に補充し、または交換することが求められる。
画像形成装置は一般に消耗品の管理を支援するための機能として、消耗品の消耗度に応じてその補充/交換の時期を通知する機能を搭載している。具体的には、画像形成装置はまず、印刷枚数、トナーの消耗量、処理したジョブの数、または動作時間等、自機の稼働状態を定量的に表すパラメーターを監視し、それらの値に基づいて消耗品の消耗度を評価する。その評価値が、紙切れ、トナー切れ、可動部材の寿命等、消耗品の補充/交換の必要性を表す値に等しいとき、画像形成装置はその補充/交換を操作画面の表示でユーザーに通知し、または外部の管理サーバーへ要求する(たとえば特許文献5参照)。
さらに、たとえば特許文献1−4には、画像形成装置の稼働状態の推移から消耗品の補充/交換時期を予測するシステムが開示されている。具体的には、このシステムはまず画像形成装置の稼働状態を、1時間ごとに、1日ごとに等、定期的に取得する。このシステムは次に、画像形成装置の稼働状態の履歴から、消耗品が消耗する速度(以下、「消耗率」という。)を推定し、その推定値を利用して消耗品の補充/交換時期を予測する。この予測が示す時期までに納品されるように新たな消耗品を発注すれば、消耗品の枯渇によって画像形成装置が使用不能に陥る時間を削減し、更に除去することができる。
特開2014−092729号公報 特開2014−091293号公報 特開2014−052697号公報 特開2012−128237号公報 特開2002−300308号公報
ネットワーク技術の普及に伴い、複数の画像形成装置をネットワーク経由で一元的に管理するシステムが増えている。特に近年ではこのシステムの規模が、オフィス単位にとどまらず会社単位にまで拡がり、管理対象の画像形成装置の台数が十数台〜数百台にまで及ぶものも珍しくない。
このように大規模のシステムでは、各画像形成装置の稼働状態の履歴に基づく消耗品の補充/交換時期の予測が狂いやすい。実際、このようなシステムが利用するネットワークでは一般に画像形成装置の台数の変動が激しい。特に、このネットワークから画像形成装置が一時的または永続的に撤去される場合が頻繁に生じる。この場合、撤去された装置がそれまで担当していたジョブを周囲の他の装置が代わりに処理する等により、それらの装置では稼働率が一般に増大する。それに伴い、消耗品の消耗率が上昇して稼働状態の履歴に基づく推定値を超えやすいので、消耗品の補充/交換時期が予測よりも早まりやすい。
このような予測の狂いを防ぐ方法としては、たとえば各画像形成装置に自機の稼働状態を取得させる頻度を高めることが考えられる。この頻度が高ければ、ネットワークにおける画像形成装置の台数の変動に予測を追従させることができそうではある。しかし、稼働状態を取得する頻度が高すぎると、稼働状態の評価が個々のジョブに影響を受けやすくなるので、かえって予測の精度を損ないかねない。したがって、稼働状態の取得頻度を高めることは、予測の狂いを防ぐ方法としては好ましくない。
本発明の目的は上記の課題を解決することであり、特に、同じネットワークに接続された画像形成装置の台数の変動にかかわらず、各画像形成装置について消耗品の補充/交換時期を正確に予測することが可能な消耗品管理システムを提供することにある。
本発明の1つの観点による消耗品管理方法は、ネットワークに接続される複数の画像形成装置への消耗品の補充または交換を要求するための消耗品管理方法であって、複数の画像形成装置のそれぞれによる消耗品の消耗度に基づいて、その画像形成装置への消耗品の補充時期または交換時期を予測する予測ステップと、複数の画像形成装置全体の稼働状態に関する情報に基づいて、予測された消耗品の補充時期または交換時期を補正する補正ステップとを含む。
稼働状態は複数の画像形成装置のそれぞれにおける、電源の状態、シートの収容状態、障害に関する状態のうち少なくとも1つを含んでいてもよい。稼働状態は少なくとも複数の画像形成装置のいずれかの障害に関する状態を含んでいてもよい。稼働状態は複数の画像形成装置それぞれの使用頻度を含んでいてもよい。
複数の画像形成装置全体の稼働状態に関する情報は稼働可能な画像形成装置の台数に対応する情報であってもよい。稼働可能な画像形成装置の台数と複数の画像形成装置それぞれの使用頻度に基づき、予測された消耗品の補充時期または交換時期を補正してもよい。
予測ステップは定期的に行われるとともに、補正ステップは、予測ステップの予測の周期以下の周期で、複数の画像形成装置全体の稼働状態に関する情報を定期的に取得し、補正を行ってもよい。
本発明の別の観点による消耗品管理方法は、ネットワークに接続される複数の画像形成装置への消耗品の補充または交換を要求するための消耗品管理方法であって、複数の画像形成装置のそれぞれによる消耗品の消耗度に基づいて、その画像形成装置への消耗品の補充時期または交換時期を予測する予測ステップと、複数の画像形成装置全体のネットワークへの接続状態に関する情報に基づいて、予測された消耗品の補充時期または交換時期を補正する補正ステップとを含む。
予測ステップは定期的に実行されるとともに、補正ステップは、予測ステップの予測の周期以下の周期で複数の画像形成装置全体の接続状態に関する情報を定期的に取得し、補正を行ってもよい。補正ステップは、ネットワークに接続された画像形成装置として登録された画像形成装置の識別情報によって得られた台数に基づき、予測された消耗品の補充時期または交換時期を補正してもよい。補正ステップは処理可能なジョブの種類またはシートの属性が共通する画像形成装置ごとに、対応する画像形成装置の台数に基づき消耗品の補充時期または交換時期の補正を行ってもよい。ジョブの種類は、処理対象の画像がモノクロとカラーとのいずれであるかを示していてもよい。予測ステップは、消耗品の消耗度が所定の閾値に到達する時点を補充時期または交換時期の到来とみなしてもよい。
この消耗品管理方法は、補正された消耗品の補充時期または交換時期が到来したとき、対応する画像形成装置への消耗品の補充、交換、または発注を行うための情報を出力する出力ステップを更に備えていてもよい。予測ステップは、消耗品の発注から納品までに必要な時間に基づいてその消耗品の補充時期または交換時期を算出してもよい。
本発明の1つの観点による消耗品管理プログラムは、上記の消耗品管理方法の含むステップをコンピューターに実行させるプログラムである。
本発明による消耗品管理システムでは上記のとおり、特定の画像形成装置が自機における消耗品の消耗度に基づいてその補充時期または交換時期を予測する。このシステムでは更に管理装置が、ネットワークに接続された他の画像形成装置に関して登録された情報を参照してそれら他の画像形成装置の台数を求め、その台数を特定の画像形成装置に通知し、その通知に応じてその画像形成装置がその台数と前回通知された台数との比較に基づいて補充時期または交換時期の予測値を補正する。これによりこのシステムは、同じネットワークに接続された画像形成装置の台数の変動にかかわらず、各画像形成装置について消耗品の補充/交換時期を正確に予測することができる。
本発明の実施形態1による消耗品管理システムのネットワーク図である。 (a)は、図1の示すシステムが消耗品の補充を要求する際に行うデータ交換を表す模式図であり、(b)は、ネットワークからの画像形成装置の撤去が登録された際に行うデータ交換を表す模式図である。 図1の示す管理装置のハードウェア構成を表すブロック図である。 図3の示す記憶部に保存されたデバイス群に関する登録情報を示す表である。 図1の示す画像形成装置の構造を模式的に表す正面図である。 (a)は、図5の示す作像ユニットの断面図であり、(b)と(c)とはそれぞれ、そのユニットに内蔵された現像部の上面図と断面図とである。 図5の示す画像形成装置の電子制御系統の構成を示すブロック図である。 図7の示す画像形成装置がトナーの消耗量の履歴に基づいてその補充時期を予測する処理を説明する模式図である。 図7の示す画像形成装置がネットワークに接続された他の画像形成装置の台数に基づいて補充時期の予測値を補正する処理を説明する模式図である。 図7の示す画像形成装置が画像データからトナーの消耗量を推定する処理のフローチャートである。 図7の示す画像形成装置がトナーの消耗量の履歴に基づいてトナーの補充の要否を判断する処理のフローチャートである。 図7の示す画像形成装置が、管理装置から通知された画像形成装置の台数に基づいてトナーの消耗量に対する閾値を補正する処理のフローチャートである。 本発明の実施形態2による管理装置が、稼働可能な画像形成装置の台数を求めて各画像形成装置へ通知する処理のフローチャートである。 図13の示すステップS133のサブルーチンのフローチャートである。 (a)は、本発明の実施形態3による消耗品管理システムにおいて管理装置が各画像形成装置から稼働状態に関する情報を取得する際に行うデータ交換を表す模式図であり、(b)は、そのシステムが稼働不能な画像形成装置を検出した際に行うデータ交換を表す模式図である。 図15の示す画像形成装置が、稼働不能な画像形成装置の使用頻度と稼働可能な他の画像形成装置の台数とに基づいて補充時期の予測値を補正する処理を説明する模式図である。 図15の示す管理装置が稼働可能な画像形成装置の台数と使用頻度とを求めて各画像形成装置へ通知する処理のフローチャートである。 図17の示すステップS173のサブルーチンのフローチャートである。 図15の示す画像形成装置が、管理装置から通知された稼働可能な画像形成装置の台数と使用頻度とに基づいてトナーの消耗量に対する閾値を補正する処理のフローチャートである。 図19の示すステップS197のサブルーチンのフローチャートである。 本発明の実施形態4による画像形成装置が稼働可能な画像形成装置の台数と使用頻度とに基づいてトナーの補充時期の予測値を補正する処理を説明する模式図である。 図21の示す画像形成装置が、管理装置から通知された稼働可能な画像形成装置の台数と使用頻度とに基づいてトナーの消耗量に対する閾値を補正する処理のフローチャートである。 図22の示すステップS223のサブルーチンのフローチャートである。 図22の示すステップS227のサブルーチンのフローチャートである。 本発明の実施形態5による電子機器であるパーソナルコンピュータ(PC)のハードウェア構成を示すブロック図である。 ネットワークからの画像形成装置の撤去に伴い、対応するデバイスドライバーが図25の示すPCからアンインストールされた際に、本発明の実施形態5による消耗品管理システムが行うデータ交換を表す模式図である。 各画像形成装置が図26の示すPCから通知された画像形成装置の台数に基づいて、トナーの消耗量に対する閾値を補正する処理のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
《実施形態1》
本発明の実施形態1による消耗品管理システムは、複数台の画像形成装置と1台以上の管理装置とがネットワークを介して構成する既存のシステムに組み込まれて、各画像形成装置が消耗するトナーの、時期に適った補充を支援する。この既存のシステムにはたとえば、プリントサーバー等によるジョブの振り分け/分散、各画像形成装置の利用に応じた課金、紙詰まり等の障害の検知と管理者への通報を目的とするものが含まれる。
[消耗品管理システムの構成]
図1は、本発明の実施形態1による消耗品管理システムのネットワーク図である。図1を参照するに、このシステム100はデバイス群110と管理装置120とを含む。これらの装置群110、120はネットワークNTWを通して互いに接続され、更にパーソナルコンピューター(PC)群140に接続されている。このネットワークNTWはたとえばTCP/IPネットワークであり、1つのオフィス、1棟のビル等に付設されたローカルエリアネットワーク(LAN)、1つの企業に専有されたイントラネット、またはインターネットを利用した仮想プライベートネットワーク(VPN)である。このネットワークNTWは更にルーター150を通してインターネット等の広域ネットワークWWWに接続されている。これにより、管理装置120は広域ネットワークWWW上のクラウドサーバー130と通信可能である。クラウドサーバー130は、デバイス群110の含む画像形成装置をリースした企業、またはそれらの保守を委託された企業が所有するPC、サーバー専用機、またはメインフレームである。
デバイス群110は、プリンター、コピー機、スキャナー、ファクシミリ(FAX)、複合機(multi-function peripheral:MFP)等の画像形成装置(以下、「デバイス」と略す。)を複数台含む。各デバイス110はネットワークNTWを通してパーソナルコンピューター(PC)群140に接続され、画像データをPC群140から受信して印刷し、または原稿から取り込んでPC群140へ送信する。
管理装置120は、PCもしくはサーバー専用機等、汎用の情報処理装置が特定のソフトウェアを実行することで機能するもの、または特定の機能に特化した電子回路等のハードウェアが組み込まれた専用の情報処理装置であり、デバイス群110の少なくとも一部のデバイスに課せられるジョブの管理を主要な機能とする。具体的には、管理装置120はたとえばプリントサーバーとしてPC群140からジョブの要求を受け付けて、それらのジョブをデバイス群110のうち管理対象のデバイスに振り分け、または分散させる。管理装置120はまたストレージサーバーとして、デバイス群110のうち管理対象のデバイスが処理すべき画像データ、もしくは処理した画像データを保管し、またはクラウドサーバー130からダウンロードし、もしくはそれへアップロードする。
これとは別に、管理装置120はデバイス群110の少なくとも一部のデバイスに対する保守の支援を主要な機能としてもよい。具体的には、管理装置120はネットワークNTWを通してデバイス群110のうち、保守対象のデバイスの稼働状態を監視し、印刷枚数、動作時間等、稼働状態を定量的に表すパラメーターの値を各デバイスから定期的に収集してクラウドサーバー130へ送信してもよい。管理装置120は更に保守対象のデバイスから紙詰まり等の障害を検出してクラウドサーバー130へ通知してもよい。この場合、クラウドサーバー130は、管理装置120から定期的に受信するパラメーターの値に基づいて保守対象のデバイスの利用に対する課金を行い、管理装置120からの障害の通知に応じて、作業員の手配等、その障害の復旧作業の支援を行う。
[消耗品管理システムの機能の概要]
管理装置120は上記の主要な機能に加え、消耗品管理システム100の一要素として次の機能を持つ。(1)デバイス群110のうち管理対象のデバイスからトナーの補充要求を受け付ける。(2)デバイス群110に対するデバイスの追加/撤去についてPC群140からの登録要求を受け付ける。(3)デバイス群110を構成するデバイスの台数を定期的に、デバイス群110のうち管理対象のデバイスへ通知する。
一方、デバイス群110のうち管理対象の各デバイスは消耗品管理システム100の一要素として次の機能を持つ。(4)自機におけるトナーの消耗量を監視する。(5)自機におけるトナーの消耗率に基づいて自機へのトナーの補充時期を予測する。(6)予測した補充時期が到来したとき、管理装置120へトナーの補充要求を送信する。(7)管理装置120からの通知に応じて、その通知が示すデバイスの台数に基づいて補充時期の予測値を補正する。
−トナーの補充要求−
図2の(a)は、システム100がトナーの補充を要求する際に行うデータ交換を表す模式図である。図2の(a)を参照するに、まずデバイス群110のうち管理対象の各デバイスは、トナーの消耗量が閾値以上に到達した時点をトナーの補充時期とみなし、トナーの補充要求RQSを管理装置120へ送信する。管理装置120はこの補充要求RQSをクラウドサーバー130、またはPC群140に属する端末141へ送信する。クラウドサーバー130はこの補充要求RQSに応じて、トナーボトルの発注等、トナーの補充作業を支援する。端末141はこの補充要求RQSに応じて、たとえば「トナーを補充してください」というメッセージ等を画面に表示して、各デバイス110へのトナーの補充をユーザーに促す。
トナーの消耗量に対する上記の閾値を各デバイス110は次のように設定する。各デバイス110はまず、ジョブごとにトナーの消耗量を推計し、各ジョブでの推計値を定期的に、たとえば1営業日(デバイス群110の稼働日)ごとに集計する。各デバイス110は次に、この集計値の履歴からその集計の周期以上の周期で、たとえば1週間=5営業日ごとにトナーの消耗率(1営業日あたりの消耗量)を推定する。各デバイス110は続いてこの推定値に、トナーの補充要求RQSを送信してから、トナーが実際に補充されるまでに必要と見込まれる営業日数(以下、「トナーの納期」という。)を乗じた値を“トナーボトルの発注時に残っているべきトナーの量”(以下、「トナー残量の下限」という。)として算定する。各デバイス110は更に、自機に充填可能なトナーの最大容量からトナー残量の下限を除いた値を上記の閾値に設定する。
この設定により閾値は、トナーが枯渇する時点からトナーの納期だけ前の時点に通算の消耗量が到達することが予測される値を表す。以下、この意味で閾値を「トナーの補充時期の予測値」とみなす。実際、各デバイス110における通算のトナー消耗量がこの閾値に到達した時点でそのデバイス110が補充要求RQSを送信すれば、そのデバイス110にはトナーが枯渇する前にトナーが補充される可能性が十分に高い。
上記の設定ではまた、この閾値、すなわちトナーの補充時期の予測値が定期的に、たとえば1週間=5営業日ごとに更新される。このように予測値を適度の間隔で更新することにより、その予測値を、例外的に膨大な部数のジョブの処理等、突発的な消耗量の変動からは大きな影響を受けさせることなく、月末、年度末における恒例的なジョブの集中等、トナーの消耗率への影響が大きいデバイスの使用状況の長周期での変動には精度良く追従させることができる。
−補充時期の予測の補正−
デバイス群110を構成するデバイスの台数が変動する度にシステム100は管理対象の各デバイスにトナーの補充時期の予測を、追加/撤去されたデバイスが管理対象であるか否かにかかわらず変動前後の台数の比較に基づいて次のように補正させる。
図2の(b)は、ネットワークNTWからのデバイスの撤去が登録された際にシステム100が行うデータ交換を表す模式図である。図2の(b)を参照するに、デバイス群110の中の1台DV1がネットワークNTWから撤去される場合、この1台DV1が管理装置120の管理対象であるか否かにかかわらず、ユーザーはPC群140の中の1台の端末142にその撤去に関する登録要求RSTを管理装置120へ送信させる。この登録要求RSTは撤去対象のデバイスDV1の識別情報を含む。管理装置120はこの登録要求RSTを受け付けて、それの示す識別情報から撤去対象のデバイスDV1を特定し、そのデバイスDV1が管理装置120の管理対象であるか否かにかかわらず、そのデバイスDV1について登録されている情報を書き換える。デバイス群110に新規のデバイスを追加する場合も同様に、管理装置120はその追加に関する登録要求RSTに応じて、その新規のデバイスが管理対象に加える否かにかかわらず、そのデバイスに関する登録情報を作成する。
管理装置120は定期的にデバイス群110に関する登録情報を参照してデバイスの台数を、それらが管理対象であるか否かにかかわらずに確認し、その台数を示す情報NTCを各デバイス110に通知する。この通知の周期は、トナーの補充時期を予測する周期、たとえば1週間=5営業日以下の値、たとえば1営業日に設定される。
この情報NTCが通知される度に、各デバイス110はその情報NTCからデバイスの台数を読み出し、前回の情報NTCから読み出した台数との比を求める。この比が“1”でなければデバイスの台数の変動を表す。したがって、各デバイス110はこの比に基づいてトナーの補充時期の予測値、すなわちトナーの消耗量に対する閾値を補正する。たとえば、この比が“1”よりも大きければデバイスの増加を表すので、閾値を増やして補充時期を先に延ばし、逆に“1”よりも小さければデバイスの減少を表すので、閾値を減らして補充時期を早める。こうして、デバイスの台数の変動に応じてトナーの補充時期の予測値が補正される。
特に、デバイスの台数を通知する周期はトナーの補充時期を予測する周期以下に設定されているので、1台のデバイスDV1の撤去に伴ってその周辺のデバイスの処理すべきジョブの量が急に増大したとしても、それに遅れることなく、各デバイスにトナーの補充時期を早めさせることができる。
[管理装置のハードウェア構成]
図3は、管理装置120のハードウェア構成を示すブロック図である。図3を参照するに、管理装置120は、CPU310、RAM320、ROM330、記憶部350、およびネットワークインタフェース(I/F)370を含む。これらの要素310−370はバス380を通して互いに通信可能に接続されている。
CPU310、RAM320、およびROM330は、管理装置120の内部に設置された1枚の基板の上に実装された電子回路である。CPU310はファームウェアに従って、バス380に接続された他の要素320−370を制御する。この制御により、CPU310は特に消耗品管理システムの一要素としての上記3種類の機能、すなわち、(1)トナーの補充要求の受付、(2)デバイスの追加/撤去についての登録要求の受付、(3)デバイスの台数の定期的な通知を実現する。RAM320は、CPU310がファームウェアを実行する際の作業領域をCPU310に提供する。ROM330は書き込み不可の半導体メモリー装置と、EEPROM等の書き換え可能な半導体メモリー装置とを含む。前者はファームウェアを格納し、後者はCPU310に環境変数等の保存領域を提供する。
記憶部350は、管理装置120に内蔵された不揮発性の大容量記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブ(HDD)またはソリッドステートドライブ(SSD)である。この記憶部350には特にデバイス群110に関する登録情報351が保存される。
ネットワークI/F370はネットワークNTWに有線または無線で接続され、そのネットワークNTWを通して、デバイス群110、PC群140、およびクラウドサーバー130と通信する。ネットワークI/F370は特に、デバイス群110からはトナーの補充要求RQSを受信してCPU311へ通知し、PC群140からはデバイスの追加/撤去に関する登録要求RSTを受信してCPU311へ通知し、クラウドサーバー130へはトナーの補充要求RQSを送信する。
−デバイス群に関する登録情報の項目−
図4は、記憶部350に保存されたデバイス群に関する登録情報を示す表である。図4を参照するに、この登録情報の項目には、各デバイスの識別情報、処理可能なジョブの種類、および処理可能なシートの属性が含まれる。識別情報はたとえばデバイス名とIPアドレスとを示す。ジョブの種類はたとえば、カラーでの処理能力の有無と、プリンター、コピー、スキャナーの各機能の有無とを示す。シートの属性はたとえば、A3、A4、B4等の各サイズと、普通紙、塗工紙、上質紙等の各紙種とへの対応の可不可を示す。登録情報の項目にはその他に、両面印刷の可不可、自動原稿送り装置(ADF)の有無、実行可能な後処理の種類が含まれていてもよい(図4は示していない)。
[管理装置の機能部]
図3を再び参照するに、CPU310はファームウェアに従って3種類の機能部311−313として動作することにより上記3種類の機能(1)−(3)を実現する。これらの機能部は、監視部311、通知部312、および登録部313を含む。監視部311はネットワークI/F370にデバイス群110からの補充要求RQSとPC群140からの登録要求RSTとを検出させる。通知部312は定期的に(たとえば1営業日ごとに)記憶部350にアクセスしてデバイス群110に関する登録情報351を参照し、たとえば識別情報の含むIPアドレスを数えてデバイスの台数を求める。通知部312は更に、この台数を示す情報NTCを生成し、この情報NTCをネットワークI/F370に各デバイス110へ通知させる。通知部312はまた、ネットワークI/F370がデバイス群110からの補充要求RQSを検出したとき、この要求RQSをネットワークI/F370にクラウドサーバー130へ転送させる。登録部313は、ネットワークI/F370が検出したPC群140からの登録要求RSTを解析し、それが追加対象のデバイスの識別情報を含む場合はこの識別情報を記憶部350内の登録情報351に追記し、撤去対象のデバイスの識別情報を含む場合はこの識別情報に関連づけられた登録情報351の項目を記憶部350内から検索してその項目に「デバイスが撤去された」旨を書き加え、またはその項目を記憶部350から削除する。
[画像形成装置の構造]
図5は、デバイス群110に属する画像形成装置の一例としてMFP111の構造を示す模式的な正面図である。図5にはこのMFP111の内部の要素が、あたかも筐体の前面を透かして見えているように描かれている。このMFP111は特にカラープリンターの機能を搭載している。図5を参照するに、MFP111は、操作部50、制御部60、および画像形成部を備えている。操作部50は、操作パネルに対するユーザーの操作、または外部の電子機器との通信を通して印刷等のジョブの要求と処理対象の画像データとを受け付けて、それらを制御部60へ伝える。制御部60は1枚の基板の上に実装された電子回路であり、操作部50からの情報に基づいてMFP111の他の要素の動作を制御する。画像形成部は、操作部50の受け付けた画像データに基づいてシートにトナー像を形成する部分であり、給送部10、作像部20、定着部30、および排紙部40を含む。
給送部10は、MFP111の下部に内蔵された給紙カセット11にシートの束SHTを収容している。シートSHTの材質は紙または樹脂であり、サイズは、A3、A4、A5、またはB4等であり、紙種は、普通紙、塗工紙、上質紙等である。図5は示していないが、給紙カセット11は複数であってもよく、異なるカセットには属性の異なるシートの束が収容されている。給送部10は、搬送ローラー群12、13、14を利用してこの束SHTからシートを1枚ずつ分離して作像部20へ送り出す。
作像部20はまず、2本のローラー23L、23Rに掛け渡された中間転写ベルト23を回転させながら、4つの作像ユニット21Y、21M、21C、21Kと4本の1次転写ローラー22Y、22M、22C、22Kとの間を通過させる。これにより、その中間転写ベルト23の同じ位置に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の4色のトナー像を重ねて1つのカラートナー像を形成する。作像部20は次に、中間転写ベルト23と2次転写ローラー24との間のニップに給送部10から送り出されたシートSH2を通紙して、中間転写ベルト23からこのシートSH2へカラートナー像を転写すると共に、定着部30へ送り出す。
定着部30は、このシートSH2を定着ローラー31と加圧ローラー32との間のニップに通紙し、このシートSH2を定着ローラー31の内蔵ヒーター等で加熱すると共に、加圧ローラー32で定着ローラー31へ押し付ける。定着ローラー31からの熱と加圧ローラー32からの圧力とにより、トナー像がシートSH2の表面上に定着する。定着ローラー31と加圧ローラー32とは更にこのシートSH2を排紙部40へ送り出す。
排紙部40は、定着部30の上部からガイド板41に沿って移動してきたシートSH2を排出ローラー43で排出口42から排紙トレイ44へ送り出す。こうして、排紙トレイ44には、トナー像が形成されたシートSH3が積載される。
−作像ユニットの構造−
図6の(a)は作像ユニット21の断面図である。4つの作像ユニット21Y−21Kはいずれも、図6の(a)の示す作像ユニット21と同様な構造であり、感光体ドラム211、帯電器212、露光口213、現像部214、クリーナー215、イレーサーランプ(図2は示していない。)、トナー補給管216、およびトナーカートリッジ217を備えている。
感光体ドラム211は、その外周が感光体で覆われた円筒部材である。この感光体は帯電可能であり、外光にさらされるとその露光部分が除電される。感光体ドラム211は中心軸のまわりに回転可能であり、その回転により外周面の各部を、帯電器212、露光口213、現像部214、中間転写ベルト23、クリーナー215の順に対向させる。
帯電器212は感光体ドラム211の外周面のうち、対向した部分の近傍で放電を生じさせ、またはその部分へ直に電荷を注入する。それにより、感光体ドラム211のその部分が均一に帯電する。
露光口213は露光部25からのレーザー光を作像ユニットの内部へ導入して、感光体ドラム211の外周面上の帯電領域のうち、対向した部分に照射する。そのとき、その露光部分が除電されて、その部分に静電潜像が形成される。
現像部214は、トナーカートリッジ217に格納されたトナーをトナー補給管216216を通して取り込み、感光体ドラム211の外周面のうち、静電潜像が形成された部分にトナーを乗せる。それにより、トナーがその静電潜像に付着してその静電潜像をトナー像として顕在化させる。
クリーナー215は感光体ドラム211の外周面のうち、中間転写ベルト23に接触した直後の部分から、残存するトナーを除去する。イレーサーランプは感光体ドラム211の外周面のうち、対向した部分に一様に光を照射して除電する。
−現像部の構造−
図6の(b)と(c)とはそれぞれ、現像部214の上面図と断面図とである。図6の(b)、(c)を参照するに、現像部214は、筐体240、撹拌軸241、供給軸242、および現像ローラー243を含む。
筐体240の内部は隔壁PRTによって撹拌槽TK1と供給層TK2とに仕切られている。撹拌槽TK1と供給層TK2の一部とは現像剤DVLに浸されている。この現像剤DVLはトナーとキャリアとの2成分を含む。トナーは、導電性を持つ非磁性体の微粉末であり、Y、M、C、Kの4色のいずれかに着色されている。キャリアは、磁性を持つ絶縁体の粉末であり、その粒径がトナーのものよりも大きく、トナーの粉末を多数、表面に吸着する。
撹拌軸241は撹拌槽TK1に内蔵され、中心軸のまわりに回転可能である。攪拌軸241の外周面にはスクリューSC1が形成されており、撹拌軸241の回転に伴って現像剤DVLをかき混ぜながら一方向(図6の(b)では矢印AR1の方向)に移動させる。供給軸242は供給槽TK2のうち、現像剤DVLに浸された部分に内蔵され、中心軸のまわりに回転可能である。供給軸242の外周面にはスクリューSC2が形成されており、供給軸242の回転に伴って現像剤DVLをかき混ぜながら、撹拌軸241のスクリューSC1とは逆方向(図6の(b)では矢印AR2の方向)に移動させる。隔壁PRTには開口部OP1、OP2が設けられているので、現像剤DVLは撹拌槽TK1と供給槽TK2との間を循環する(図6の(b)の示す矢印AR3、4参照)。このように現像剤DVLが循環する間にトナーはキャリアとの摩擦によって帯電する。
現像ローラー243は供給槽TK2のうち、現像剤DVLに浸された部分の上方に設置され、中心軸のまわりに回転可能である。現像ローラー243は磁石を内蔵しており、その磁力で現像剤DVLの中のキャリアを外周面に吸着する。この外周面は感光体ドラム211の外周面と所定の距離を隔てて対向している。現像ローラー243と感光体ドラム211との間にはバイアス電圧が印加されているので、その電圧に起因する静電力により、現像ローラー243の外周面に吸着したキャリアの表面からトナーが感光体ドラム211の外周面へと移動して付着する。
図6の(b)を更に参照するに、撹拌槽TK1の底部には透磁率(toner-carrier ratio:TCR)センサー245が設置されている。TCRセンサー245は、撹拌槽TK1の内部を移動する現像剤DVLの透磁率を測定する。キャリアとは異なりトナーは磁性を持たないので、現像剤DVLの透磁率が高いほどキャリアに対するトナーの割合が低い。これを利用して制御部60はTCRセンサー245の測定値から現像剤DVLにおけるトナーとキャリアとの混合比を検出し、その検出値に基づいて、現像部214に補給すべきトナーの量を決定する。
図6の(b)はまたトナー補給口244を示す。トナー補給口244はトナー補給管216を撹拌槽TK1に連結する部分であり、トナー補給用のモーターを含む。このモーターは制御部60からの駆動信号に応じて駆動し、トナー補給管216を通してトナーカートリッジ217から撹拌槽TK1の内部へ所望量のトナーを供給する。
[画像形成装置の電子制御系統]
図7は、MFP111の電子制御系統の構成を示すブロック図である。図7を参照するに、この系統では、操作部50、制御部60、および画像形成部10−40がバス90を通して互いに通信可能に接続されている。
操作部50は、操作パネル51、スキャナー52、メモリーインタフェース(I/F)53、およびLANI/F54を含む。操作パネル51は、押しボタン、タッチパネル、およびディスプレイを含む。操作パネル51は制御部60からの駆動信号に応じて、操作画面および各種パラメーターの入力画面等のGUI画面をディスプレイに表示する。操作パネル51はまた、ユーザーが操作した押しボタンまたはタッチパネルの位置を識別し、その識別に関する情報を操作情報として制御部60へ伝える。スキャナー52は内蔵の光学機器を利用して原稿の表面に光を照射し、その反射光の強度分布から、文字、図柄、または写真を読み取って画像データに変換して制御部60へ渡す。メモリーI/F53は、USBポート、メモリカードスロット等の映像入力端子を通して、USBメモリー、HDD等の外付けの記憶装置から直に画像データを取り込む。LANI/F54は外部のネットワークNTWに有線または無線で接続され、そのネットワークNTWに接続された他の電子機器と通信する。LANI/F54はユーザーからの指示、特にジョブと印刷対象の画像データとをそれらの電子機器から受信する。
制御部60は、CPU61、RAM62、およびROM63を含む。CPU61はファームウェアに従って、バス90に接続された他の要素10、…、50を制御する。RAM62は、CPU61によってファームウェアが実行される際の作業領域をCPU61に提供すると共に、操作部50によって受け付けられた印刷対象の画像データを保存する。ROM63は書き込み不可の半導体メモリー装置とEEPROM等の書き換え可能な半導体メモリー装置とを含む。前者はファームウェアを格納し、後者はCPU61に環境変数等の保存領域を提供する。
[制御部の機能]
制御部60は操作部50からの操作情報に基づいてMFP111内の他の要素へ駆動信号を送信する。これにより、制御部60はそれら他の要素に対し、稼動モード、待機モード、スリープモード等の動作モードを指示して、その動作モードに応じた処理を各要素に実行させる。
制御部60は操作部50に操作画面を表示させて、ユーザーによる操作を受け付けさせる。操作部50がユーザーからジョブを受け付けたとき、制御部60は操作部50に印刷対象の画像データをRAM62へ転送させる。制御部60は更に、そのジョブの示す印刷条件に従って、給送部10に対しては給送すべきシートの種類とその給送のタイミングとを指定し、作像部20に対しては、形成すべきトナー像を表す画像データを提供する。制御部60は特に露光部25に、その画像データに基づいてレーザー光の出射パターンを変化させる。
制御部60は画像データを作像部20に提供する際、その画像データに対して、色補正処理、階調補正処理、スクリーン処理、および誤差拡張処理等の画像処理(以下、RIP(raster-image processor)処理という。)を行い、その結果として得られたラスタデータを作像部20へ渡す。特にスクリーン処理により、画像データは4色の階調値を画素ごとに、各色のトナーで描かれる「点」(以下、「ドット」という。)の密度で表す。
図7を更に参照するに、制御部60は、監視部611、予測部612、および要求部613を含む。これらの機能部は、CPU61がファームウェアに従って動作することによって実現し、特に以下に述べるとおり上記4種類の機能、すなわち(4)トナー消耗量の監視、(5)トナーの補充時期の予測、(6)管理装置120へのトナーの補充要求RQSの送信、および(7)デバイスの台数に基づく補充時期の補正を果たす。
−監視部−
監視部611は自機におけるトナーの消耗量を監視する。たとえば、ジョブごとに処理対象の画像データから各画素の階調値を読み取り、これらの階調値から、作像部20がその画像データに基づいてトナー像を形成する際に消耗するトナー量を推計する。具体的には、監視部611はまず、RIP処理後の画像データすなわちラスタデータに基づいて、各色の階調値別に画素を数える。監視部611は次に、各階調値の画素数にその階調値の画素1つあたりでのトナーの消耗量の推計値を乗算し、得られた積を色別にすべての階調値について合計する。ここで、各色の階調値とトナーの消耗量との間に推測される対応関係、すなわち1つの画素に描かれるドットの数とそれらのドットの描画で消耗するトナー量の推計値との間の対応関係は予め、テーブルまたは関数としてROM63に保存されている。監視部611は更に、ジョブごとに得られた推計値を定期的に(たとえば1営業日ごとに)集計してROM63に保存すると共に、前回トナーが補充された時点からの通算のトナー消耗量を監視する。その通算値がそれに対する閾値に到達していれば監視部611はその旨を要求部613へ通知する。
監視部611が集計したトナー消耗量の推計値は次のように、現像部214へのトナーの補給にも利用される。制御部60はまず、TCRセンサー245の測定値を通して現像剤DVLにおけるトナーとキャリアとの混合比を監視する一方、前回現像部214へトナーを補給した時点以降に集計されたトナー消耗量の推計値を積算する。トナーの消耗に伴ってキャリアに対するトナーの割合が許容下限まで降下したとき、またはトナー消耗量の積算値が所定の上限に達したとき、制御部60は現像部214へトナーを補給する。具体的には制御部60は、トナー消耗量の積算値に基づいてトナーの補給量を決定し、その補給量に基づいてトナー補給口244のモーターの駆動量を計算して駆動信号でそのモーターの駆動回路へ伝える。この駆動信号に応じたそのモーターの駆動により、その補給量のトナーがトナー補給口244から現像部214の撹拌槽TK1へ供給される。
−予測部−
予測部612は自機におけるトナーの消耗率に基づいて自機へのトナーの補充時期を予測する。具体的には予測部612はまず、定期的(たとえば1営業日ごと)に集計されたトナーの消耗量の履歴から定期的(たとえば1週間ごと)にトナーの消耗率(=消耗量/営業日)を推定する。この推定値としてはたとえば、前回の推定時以降における集計値の平均が選択される。予測部612は続いてこの推定値からトナー残量の下限(=トナーの消耗率×トナーの納期)を算定し、さらに、この下限をトナーの最大容量から除いた値をトナーの消耗量に対する閾値として設定する。トナーの消耗率の推定値は定期的に更新されるので、閾値すなわちトナーの補充時期の予測値もまた同じ周期で(たとえば1週間ごとに)更新される。
この機能に加えて予測部612は、管理装置120から定期的(たとえば1営業日ごと)にデバイスの台数を示す情報NTCが通知される度に、その台数に基づいて閾値を補正する。具体的には、予測部612はまず、その情報NTCからデバイスの台数を読み出して、前回の情報NTCから読み出した台数に対する比を求める。この比が“1”に等しい場合、予測部612は予測値を補正することなく元の値に維持する。一方、この比が“1”でない場合、予測部612はこの比でトナー残量の下限RMAを割り、この商で下限RMAを更新する。これにより、台数比が“1”よりも大きければトナー残量の下限RMAが減って消耗量に対する閾値が増えるので補充時期が先に延び、逆に“1”よりも小さければ下限RMAが増えて閾値が減るので補充時期が早まる。
−要求部−
要求部613は、予測部612の予測したトナーの補充時期が到来したときに管理装置120へトナーの補充要求RQSを送信する。具体的には要求部613は、通算のトナー消耗量が閾値に到達していることを監視部611から通知される時点をトナーの補充時期とみなし、その通知に応じて補充要求RQSを生成してLANI/F54に管理装置120へ送信させる。
その後、トナーが実際に補充されるまで、要求部613は予測部612に、管理装置120からデバイスの台数を示す情報NTCが通知されてもトナーの補充時期の予測値の補正処理をスキップさせる。具体的にはたとえば、要求部613は補充要求RQSを送信したときには所定のフラグを立て、トナーが補充されたときにはそのフラグを倒す。予測部612は管理装置120から情報NTCが通知される度にそのフラグをチェックし、そのフラグが立っていれば予測値の補正を行い、倒れていればその補正をスキップする。
[トナーの補充時期の予測]
図8は、制御部60がトナーの消耗量の履歴に基づいてその補充時期を予測する処理を説明する模式図である。図8を参照するに、監視部611が1営業日ごとに集計したトナー消耗量と、前回トナーが補充された時点からの通算のトナー消耗量とが営業日ごとに、トナーの最大容量に対する百分率で表示されている。たとえば、トナーの最大容量がトナーボトル1本分“500g”である場合、消耗量“0.5%”はトナー量500g×0.5%=2.5gに等しい。図8は更に、これらの値から予測部612が1週間=5営業日ごとに設定したトナーの消耗量に対する閾値を示す。
第5営業日に予測部612はまず、第1−5営業日におけるトナーの消耗量の平均値“0.44%/日”を求めてこの週におけるトナーの消耗率とみなす。予測部612は次にこの消耗率“0.44%/日”にトナーの納期“6日”を乗じ、その積をトナー残量の下限RMAに設定する:RMA=0.44%/日×6日≒3%。ここで、納期“6日”はトナーボトルの発注から納品までに必要な時間“4日”に余裕として“2日”を加えた値である。予測部612は更にこの下限RMA=3%をトナーの最大容量“100%”から除いた値“97%”を閾値に設定する。これにより、監視部611はこの閾値“97%”と通算のトナー消耗量との比較を第5営業日以降、第10営業日に補充時期を予測し直すまで繰り返す。図8が示すとおり、第5−9営業日では閾値“97%”よりも通算のトナー消耗量は小さい。
第10営業日に予測部612は補充時期の再予測、すなわち閾値の見直しを行う。具体的には、予測部612はまず、第6−10営業日におけるトナーの消耗量の平均値“0.60%/日”を求めてこの週におけるトナーの消耗率とみなす。予測部612は次に、この消耗率“0.60%/日”にトナーの納期“6日”を乗じ、その積でトナー残量の下限RMAを更新する:RMA=0.60%/日×6日≒4%。予測部612は更に、この下限RMA=4%をトナーの最大容量“100%”から除いた値“96%”で閾値を更新する。更新後の閾値“96%”を通算のトナー消耗量“97.3%”が超えているので、監視部611はその旨を要求部613へ通知し、この通知に応じて要求部613はトナーの補充要求RQSを管理装置120へ送信する。
[補充時期の予測の補正]
図9は、予測部612がネットワークNTWに接続されたデバイスの台数に基づいて補充時期の予測値を補正する処理を説明する模式図である。図9を参照するに、管理装置120から通知された情報NTCの示すデバイスの台数、その台数と前回の情報NTCから読み出された台数との比、および前回トナーが補充された時点からの通算のトナー消耗量が営業日ごとに表示されている。図9は更に、予測部612が設定したトナーの消耗量に対する閾値を示す。
第1−6営業日までは、管理装置120から通知された情報NTCの示すデバイスの台数は一定値“4”のままであるので、台数比が“1”に維持される。したがって、図8と同様に、第5営業日に予測部612はトナー残量の下限RMA=3%と閾値“97%”とを設定し、第5、6営業日に監視部611は、この閾値“97%”よりも通算のトナー消耗量が小さいことを確認する。
第7営業日に管理装置120から通知された情報NTCはデバイスの台数“3”を示すので、台数比“3/4”は“1”よりも小さい。これに応じて予測部612は閾値を補正する。すなわち、予測部612はこの台数比“3/4”でトナー残量の下限RMAを割ってこの商で下限RMAを更新する:RMA=(100%−97%)/(3/4)=4%。予測部612は更にこの下限RMA=4%をトナーの最大容量“100%”から除いた値“96%”で閾値を更新する。
このとき、更新後の閾値“96%”に通算のトナー消耗量“96%”がすでに到達しているので、監視部611はその旨を要求部613へ通知し、この通知に応じて要求部613はトナーの補充要求RQSを管理装置120へ送信する。
[トナー消耗量の推計処理の流れ]
図10は、監視部611が画像データからトナーの消耗量を推定する処理のフローチャートである。この処理は、制御部60が操作部50からジョブの要求を通知されたときに開始される。
ステップS101では、制御部60による画像データに対するRIP処理に並行して監視部611はまず、そのRIP処理後の画像データすなわちラスタデータから1枚のページを選択する。監視部611は次に、そのページから1組の画素データを抽出する度にこの画素データから4色の階調値を読み取り、各階調値を示す画素のカウントを1ずつ増やす。こうして、そのページが含む画素を各色の階調値別に数える。その後、処理はステップS102へ進む。
ステップS102では、監視部611は、各階調値(ドットの数)に対するトナーの消耗量の推計値にその階調値の画素数を乗じ、それらの積を色別にすべての階調値で合計して、その合計結果を各色のトナー消耗量の推計値CSMに加える。その後、処理はステップS103へ進む。
ステップS103では、RIP処理後の画像データの中に未処理のページが残っているか否かを監視部611が確認する。未処理のページが残っていれば処理はステップS101から繰り返され、残っていなければ処理は終了する。
[トナーの補充の要否判断処理の流れ]
図11は、制御部60がトナーの消耗量の履歴に基づいてトナーの補充の要否を判断する処理のフローチャートである。この処理は、トナーが補充された時点から予測の周期、たとえば1週間=5営業日が経過したときに開始される。
ステップS111では、予測部612は、トナーが補充された時点以降、定期的に、たとえば1営業日ごとに集計されたトナーの消耗量の履歴から集計値の平均値CAVを計算し、トナーの消耗率(=消耗量/営業日)の推定値に設定する。その後、処理はステップS112へ進む。
ステップS112では、予測部612はトナーの消耗率の推定値CAVとトナーの納期との積をトナー残量の下限RMAに設定する:RMA=CAV×納期。その後、処理はステップS113へ進む。
ステップS113では、予測部612はトナー残量の下限RMAとトナーの最大容量との差をトナーの消耗量に対する閾値に設定する:閾値=最大容量−RMA。その後、処理はステップS114へ進む。
ステップS114では、予測部612がステップS113を終えた時点から、予測の周期、たとえば1週間=5営業日が経過したか否かを監視部611が確認する。その周期が経過していれば処理はステップS111から繰り返され、経過していなければ処理はステップS115へ進む。
ステップS115では、監視部611がトナーの消耗量の推計値を前回集計した時点から集計の周期、たとえば1営業日が経過したか否かを監視部611が確認する。その周期が経過していなければ処理はステップS115を繰り返し、経過していれば処理はステップS116へ進む。
ステップS116では、前回トナーが補充された時点からの通算のトナー消耗量が閾値未満であるか否かを監視部611が確認する。閾値未満であれば処理はステップS114から繰り返され、閾値以上に到達していれば処理はステップS117へ進む。
ステップS117では、通算のトナー消耗量が閾値以上に到達しているので、監視部611はその旨を要求部613へ通知し、その通知に応じて要求部613はトナーの補充要求RQSを管理装置120へ送信する。その後、処理は終了する。
[補充時期の予測の補正処理の流れ]
図12は、制御部60が管理装置120から通知されたデバイスの台数に基づいてトナーの消耗量に対する閾値を補正する処理のフローチャートである。この処理を制御部60は、デバイスの台数を示す情報NTCを管理装置120から通知されたときに開始する。
ステップS121では、予測部612がその情報NTCからデバイスの台数を読み出して前回の情報NTCから読み出した台数に対する比を求める。その後、処理はステップS122へ進む。
ステップS122では、デバイスの台数比が“1”に等しいか否かを予測部612が確認する。“1”に等しければ処理は終了し、“1”でなければ処理はステップS123へ進む。
ステップS123では、デバイスの台数比が“1”でないので台数が変動している。予測部612はこの台数比とトナー残量の下限RMAとの商で下限RMAを更新し、更新後の下限RMAとトナーの最大容量との差でトナーの消耗量に対する閾値を更新する:閾値=最大容量−RMA。その後、処理はステップS124へ進む。
ステップS124では、閾値がその上限、たとえば“98%”以下であるか否かを予測部612が確認する。この上限は、標準的なデバイスであればトナーの消耗量がその上限に達した時点から所定時間、たとえば4日間、稼働可能のままでもトナーの枯渇を回避することができるように設定される。閾値が上限以下であれば処理はステップS126へ進み、上限を超えていれば処理はステップS125へ進む。
ステップS125では、閾値が上限を超えているので予測部612は閾値を上限、たとえば“98%”に制限する。その後、処理はステップS126へ進む。
ステップS126では、前回トナーが補充された時点からの通算のトナー消耗量が閾値未満であるか否かを監視部611が確認する。閾値未満であれば処理は終了し、閾値以上に到達していれば処理はステップS127へ進む。
ステップS127では、通算のトナー消耗量が閾値以上に到達しているので、監視部611はその旨を要求部613へ通知し、その通知に応じて要求部613はトナーの補充要求RQSを管理装置120へ送信する。その後、処理は終了する。
[実施形態1の利点]
本発明の実施形態1による消耗品管理システム100では上記のとおり、まず、各デバイス110の監視部611が自機におけるトナーの消耗量を監視する。次に、その消耗量の履歴に基づいて各デバイス110の予測部612が、トナーの補充時期に通算の消耗量が到達する値を予測し、その値を通算の消耗量に対する閾値に設定する。このシステムでは更に、管理装置120がデバイスの台数を示す情報NTCを各デバイス110へ定期的に通知し、その通知の度に各デバイス110がその情報NTCの示す台数と前回の情報NTCの示す台数とを比較する。これらの台数の比が“1”でなければ、予測部612はこの台数比とトナー残量の下限RMAとの商で下限RMAを更新する。このとき、台数比が“1”よりも大きければ下限RMAが減って閾値が増えるので補充時期が先に延び、逆に“1”よりも小さければ下限RMAが増えて閾値が減るので補充時期が早まる。こうしてデバイスの台数の変動に応じて補充時期の予測値が補正される。
このように、このシステム100は、ネットワークNTWに接続されたデバイスの台数の変動にかかわらず、各デバイス110にトナーの補充時期を正確に予測させることができる。特に、1台のデバイスの撤去に伴ってその周辺のデバイスの処理すべきジョブの量が急に増大したとしても、それに遅れることなく、各デバイスにトナーの補充時期を早めさせることができる。
[実施形態1の変形例]
(A)実施形態1による消耗品管理システム100は、デバイス群110が含む各画像形成装置についてトナーの時期に適った補充を支援する。このシステム100が管理対象とする消耗品はトナーの他に、シート、インクジェットプリンターの利用する顔料等のインク、作像部20の感光体ドラム、中間転写ベルト、転写ローラー、露光部25のレーザー素子等であってもよい。この場合、システム100はたとえば、シートは印刷枚数から、インクは使用量から、感光体ドラム等は使用時間から、それぞれ消耗度を評価し、それに対する閾値として補充/交換時期の予測値を設定すればよい。
(B)各デバイス110では、監視部611が画像データに基づいてトナーの消耗量を推計し、制御部60がこの推計値に基づいて現像部214へのトナーの補給量を決定する。その他に、制御部60は、現像剤DVLにおけるトナーとキャリアとの混合比が許容下限まで降下する時間、光センサーが検出した現像部214内での現像剤DVLの嵩等に基づいてトナーの補給量を決定し、監視部611はその補給量を積算してトナーの消耗量を推計してもよい。監視部611はまた、シートの処理枚数、デバイスの動作時間等からトナーの消耗量を推計し、またはそれらを消耗量の指標として利用してもよい。
(C)管理装置120は、デバイス群110を構成するデバイスの台数を定期的に各デバイス110へ通知する。管理装置120はその他に、PC群140からの登録要求RSTに応じて登録情報351を書き換えた時点で台数の変更があれば直ちに、その旨を各デバイス110へ通知してもよい。
(D)管理装置120は図1の示すとおり、デバイス群110とPC群140とのいずれからも独立した装置として分離されている。管理装置はその他に、デバイス群110のいずれかのデバイス、またはPC群140のいずれかの端末に組み込まれていてもよい。
(E)実施形態1では管理装置120の通知部312が、デバイス群110に関する登録情報351のうちデバイスの識別情報を参照してデバイスの台数を求める。通知部312はその他に、デバイス群110へ通知する情報NTCにデバイスの識別情報を組み込み、各デバイス110の予測部612がその識別情報を参照して、たとえばそれが含むIPアドレスの数をデバイスの台数に設定してもよい。
(F)通知部312は、デバイス群110に関する登録情報351のうちデバイスの識別情報を参照し、それが含むIPアドレスを数えてデバイスの台数を求める。したがって、通知部312がデバイス群110に通知する情報NTCの示す台数は、記憶部350に登録されているデバイスの総数に等しい。
通知部312はその他に、図4の示す登録情報の他の項目、すなわち処理可能なジョブの種類またはシートの属性ごとにデバイスの台数を分けてもよい。通知部312はデバイス群110をたとえば、カラーで処理可能な機種とモノクロでのみ処理可能な機種とに分けても、プリンター、コピー、スキャナーの各機種に分けてもよい。さらに、A3、A4、B4等の各サイズのシートを処理可能な機種、または、普通紙、塗工紙、上質紙等の各紙種に対応可能な機種に分けてもよい。
こうして得られたジョブの種類別の台数またはシートの属性別の台数を示す情報NTCを通知部312はデバイス群110に通知する。各デバイス110はこの情報NTCの示す台数のうち、処理可能なジョブの種類またはシートの属性が自機と共通する機種の台数に基づいてトナーの補充時期の予測値を補正すればよい。たとえばカラープリンターは、Y、M、Cの3色のトナーについては、カラープリンター、カラーコピー機等、カラーで処理可能な機種の台数に基づいて閾値を補正し、K色のトナーについては、カラー、モノクロを問わず、すべてのデバイスの台数に基づいて閾値を補正すればよい。
(G)図12の示すとおり、トナーの消耗量に対する閾値の補正処理では、ステップS122においてデバイスの台数比が“1”でなければ、ステップS123においてこの台数比とトナー残量の下限RMAとの商で下限RMAが更新される。
その他に、ステップS122においてデバイスの台数比が“1”でない場合、予測部612は更に閾値と現時点での通算の消耗量との差を求め、その差が所定の余裕値、たとえば10%以上であれば閾値の補正をスキップする:閾値−通算の消耗量≧余裕値10%。このように、閾値の補正を、その値に通算の消耗量が迫っている場合に制限することで、その補正を更に効果的にすることができる。
《実施形態2》
本発明の実施形態2による消耗品管理システムは実施形態1によるもの100と同様、デバイス群110が含む各画像形成装置の消耗するトナーの、時期に適った補充を支援する。しかし、管理装置120の監視部311がデバイス群110の稼働状態を監視する点で、実施形態2によるシステムは実施形態1によるもの100とは異なる。
以下、実施形態2によるシステムについて実施形態1によるもの100とは異なる部分を説明する。両方のシステムに共通する部分については実施形態1についての説明を援用する。
実施形態1による管理装置120では、記憶部350に保存したデバイス群110に関する登録情報351のうち、識別情報の含むIPアドレスを通知部312が数えてデバイスの台数に設定する。したがって、デバイス群110に通知される情報NTCの示す台数は、登録されているデバイスの総数に等しい。
これに対し、実施形態2による管理装置120では、その識別情報の含むIPアドレスに対して監視部311がポーリング等による監視を行い、その監視結果に基づいてデバイス群110のうち稼働可能なものを数える。したがって、デバイス群110に通知される情報NTCの示す台数は、登録されているデバイスのうち稼働可能なもののみの台数に等しい。ここで、デバイスが「稼働可能」であるための条件は、たとえば次の3つである。(A)電源がオンであり、(B)少なくとも1つの給紙カセットに処理可能なシートを保持し、かつ(C)紙詰まり等のエラー状態には陥っていない。
監視部311はネットワークI/F370にデバイス群110に対するポーリングを定期的に行わせる。すなわち、デバイス群110に関する登録情報351の示すIPアドレスへ順番にポーリング信号を送り、その応答として各デバイスから自機の稼働状態に関する情報を返信させる。これらの情報の示す稼働状態に基づいて監視部311は、「稼働可能」という上記の定義に合致する稼働状態のデバイスを数える。
ポーリングの周期は好ましくは1時間等、デバイスの台数を示す情報NTCをデバイス群110へ通知する周期、たとえば1営業日以下に設定される。この場合、通知部312は、その情報NTCをデバイス群110へ新たに通知する際、前回の通知以降のポーリングで得られた稼働可能なデバイスの台数の中から、たとえば最大値を選んでその情報NTCに組み込む。
図13は、管理装置120が稼働可能なデバイスの台数を求めて各デバイス110へ通知する処理のフローチャートである。この処理は、管理装置120への電源投入によって開始される。
ステップS131では、デバイス群110に情報NTCを通知すべき時期が到来したか否か、たとえば前回の通知から1日が経過したか否かを通知部312が確認する。その時期が到来していれば処理はステップS136へ進み、到来していなければ処理はステップS132へ進む。
ステップS132では、まだ情報NTCを通知すべき時期ではないので、稼働可能なデバイスを数えるべき時期が到来したか否か、たとえば前回数えた時点から1時間が経過したか否かを監視部311が確認する。その時期が到来していれば処理はステップS133へ進み、到来していなければ処理はステップS131から繰り返される。
ステップS133では、稼働可能なデバイスを数えるべき時期であるので、監視部311がデバイス群110に対する監視を行い、その監視結果に基づいて稼働可能なデバイスの台数NDVを求める。このステップS133の詳細については後述する。その後、処理はステップS134へ進む。
ステップS134では、ステップS133で求めた台数NDVが記憶している台数NPRよりも大きいか否かを監視部311が確認する。前者NDVが後者NPRよりも大きければ処理はステップS135へ進み、大きくなければ処理はステップS131から繰り返される。
ステップS135では、ステップS133で求めた台数NDVが記憶している台数NPRよりも大きいので、監視部311は前者NDVで後者NPRを更新する。その後、処理はステップS131から繰り返される。
ステップS136では、情報NTCを通知すべき時期であるので、監視部311が記憶している台数NPRを、通知部312が情報NTCに組み込んでデバイス群110へ通知する。情報NTCの前回の通知以降、ステップS134、S135が繰り返されることにより、監視部311がこの時点で記憶している台数NPRは、その前回の通知以降にステップS133で求めた稼働可能なデバイスの台数の中での最大値に等しい。その後、処理はステップS137へ進む。
ステップS137では、監視部311が、記憶している台数NPRを“0”に初期化する。その後、処理はステップS138へ進む。
ステップS138では、デバイス群110の監視処理を終了すべきか否かを監視部311が確認する。終了すべきであれば処理は終了し、そうでなければ処理はステップS131から繰り返される。
図14は、図13の示すステップS133、すなわちデバイス群110に対する監視結果に基づいて稼働可能なデバイスの台数NDVを求めるサブルーチンのフローチャートである。
ステップS141では、監視部311が記憶部350からデバイス群110に関する登録情報351のうちデバイスのIPアドレスを読み出し、それらのIPアドレスに対して順番にポーリング信号をネットワークI/F370に送信させる。監視部311は更にネットワークI/F370を通して、そのポーリング信号に対するデバイス群110からの返信を受け取る。その後、処理はステップS142へ進む。
ステップS142では、監視部311が稼働可能なデバイスの台数NDVを“0”に初期化する。その後、処理はステップS143へ進む。
ステップS143では、監視部311はポーリング信号に対する返信の中から1つを選択して解析し、その返信元のデバイスの稼働状態が「稼働可能」であるための条件(A)を満たすか否か、すなわちそのデバイスの電源がオンであるか否かを確認する。オンであれば処理はステップS144へ進み、オフであれば処理はステップS147へ進む。
ステップS144では、返信元のデバイスの稼働状態が「稼働可能」であるための条件(B)を満たすか否か、すなわちそのデバイスが少なくとも1つの給紙カセットに処理可能なシートを保持しているか否かを監視部311が確認する。保持していれば処理はステップS145へ進み、保持していなければ処理はステップS147へ進む。
ステップS145では、返信元のデバイスの稼働状態が「稼働可能」であるための条件(C)を満たすか否か、すなわちそのデバイスが紙詰まり等のエラー状態ではないか否かを監視部311が確認する。エラー状態でなければ処理はステップS146へ進み、エラー状態であれば処理はステップS147へ進む。
ステップS146では、返信元のデバイスの稼働状態が「稼働可能」であるための条件(A)−(C)をすべて満たしているので、監視部311が台数NDVを“1”だけ増やす。その後、処理はステップS147へ進む。
ステップS147では、ポーリング信号に対する返信の中に未処理のものがないか否かを、すなわち、すべてのデバイスについて稼働状態の確認を終えたか否かを監視部311が確認する。未処理の返信がなければ処理は終了し、あれば処理はステップS143から繰り返される。
[実施形態2の利点]
本発明の実施形態2による消耗品管理システムは実施形態1によるもの100と同様、各デバイス110が自機におけるトナーの消耗量を監視し、その消耗量の履歴に基づいてトナー残量の下限RMAを設定し、この下限RMAだけトナーの最大容量よりも少ない閾値に通算の消耗量が到達する時点をトナーの補充時期として予測する。このシステムでは更に管理装置120が、デバイスの台数を示す情報NTCを各デバイス110へ定期的に通知し、この通知の度に各デバイス110がその情報NTCの示す台数と前回の情報NTCの示す台数との比を求め、その比が“1”でなければ、この比とトナー残量の下限RMAとの商で下限RMAを更新する。こうして、デバイスの台数の変動に応じて補充時期の予測値が補正されるので、ネットワークNTWに接続されたデバイスの台数の変動にかかわらず、各デバイス110についてトナーの補充時期を正確に予測することができる。
本発明の実施形態2では実施形態1とは異なり、管理装置120がデバイス群110のうち稼働可能なもののみを数える。これにより、ネットワークNTWからデバイスが撤去されたことだけでなく、ネットワークNTWに接続されたデバイスが実際には稼働可能でないことも補充時期の予測値の補正に反映されるので、その予測の精度を更に向上させることができる。
[実施形態2の変形例]
(A)管理装置120の監視部311はポーリングを利用してデバイス群110を監視する。管理装置はその他に、各デバイスに定期的な割り込みで自機の稼働状態を通知させることによってそのデバイスを監視してもよい。
(B)デバイスの稼働状態が「稼働可能」であるための条件(B)、(C)は、そのデバイスが紙切れ、エラー状態であればその復旧に必要な時間の長さによらず一律に満たされないと、監視部311は判断する。その他に、復旧予定時間に応じて条件(B)、(C)の真偽を監視部311は判断してもよい。たとえば、紙切れの復旧は比較的短時間で実現するので、条件(B)を「稼働可能」であるための条件から外してもよい。また、単発の紙詰まり、紙切れ等、比較的短時間で復旧可能なエラー状態については条件(C)を満たすと判断し、紙詰まりの頻発、部品の交換等、作業員の派遣を必要とするために復旧に比較的長時間がかかるエラー状態については条件(C)を満たさないと判断してもよい。この判断の際、管理装置120は、条件(C)の真偽の基準とすべき復旧予定時間の設定をユーザーに促してもよい。
《実施形態3》
本発明の実施形態3による消耗品管理システムは実施形態1によるもの100と同様、デバイス群が含む各画像形成装置の消耗するトナーの、時期に適った補充を支援する。しかし、デバイス群の稼働状態についての監視項目に監視対象の使用頻度を含み、トナーの補充時期の予測値の補正に、デバイスの台数に加えてそれらの使用頻度を利用する点で、実施形態3によるシステムは実施形態1によるもの100とは異なる。
以下、実施形態3によるシステムについて実施形態1によるもの100とは異なる部分を説明する。両方のシステムに共通する部分については実施形態1についての説明を援用する。
[消耗品管理システムの機能]
管理装置は実施形態1のものと同様な機能、すなわち(1)トナーの補充要求の受付、(2)デバイスの追加/撤去についての登録要求の受付に加えて次の機能を持つ。(2A)デバイス群の稼働状態、特に処理したシートの枚数を監視する。(3A)デバイス群のうち稼働可能なデバイスの台数と使用頻度とを定期的に各デバイスへ通知する。
各デバイスは実施形態1のものと同様な機能、すなわち(4)トナー消耗量の監視、(5)トナーの補充時期の予測、および(6)管理装置へのトナーの補充要求の送信に加えて次の機能を持つ。(7A)管理装置からの通知に応じ、その通知が示す稼働可能なデバイスの台数と使用頻度とに基づいて補充時期の予測値を補正する。特に、稼働可能なデバイスの台数が減少した場合には予測部が、減少前でのみ稼働可能であったデバイスの使用頻度を減少後のデバイスと自機とに“等しい割合で”分配し、分配前後における自機の使用頻度の変化に基づいて閾値を補正する。
−デバイスの稼働状態の監視−
図15の(a)は、実施形態3によるシステム300において、管理装置123が各デバイス113から稼働状態に関する情報を取得する際に行うデータ交換を表す模式図である。図15の(a)を参照するに、管理装置123の監視部311はネットワークI/F370にデバイス群113に対するポーリングを定期的に行わせる。すなわち、記憶部350に保存されたデバイス群113に関する登録情報351のうち、デバイスの識別情報が示すIPアドレスへ順番にポーリング信号POLを送り、その応答として各デバイス113から自機の稼働状態に関する情報RPTを返信させる。これらの情報RPTの示す稼働状態に基づいて監視部311は稼働可能なデバイスを数え、その台数を登録部313が登録情報351の一項目として記憶部350に保存する。ポーリングの周期は実施形態2での周期と同様に、好ましくは1時間等、デバイスの台数を示す情報NTCをデバイス群113へ通知する周期、たとえば1営業日以下に設定される。
デバイスが「稼働可能」であるための条件は、たとえば実施形態2での条件と同様に次の3つである。(A)電源がオンであり、(B)少なくとも1つの給紙カセットに処理可能なシートを保持し、かつ(C)紙詰まり等のエラー状態には陥っていない。この定義に合致する稼働状態のデバイスを監視部311は数える。したがって、ネットワークNTWからの撤去が登録されたデバイスに加えて、条件(A)−(C)のうちのいずれかを満たさないデバイス(以下、「稼働不能なデバイス」という。)は「稼働可能なデバイスの台数」の勘定から外される。
監視部311は実施形態2のものとは異なり、ポーリングの度に各デバイス113に、前回のポーリング以降に処理したシートの枚数を稼働状態に関する情報RPTの一項目として通知させ、この枚数をデバイスごとに積算する。登録部313はこの積算値を登録情報351の一項目として記憶部350に保存する。
−補充時期の予測の補正−
デバイス群113のうち稼働可能なデバイスの台数が変動したとき、システム300は各デバイス113にトナーの補充時期の予測を次のように補正させる。
まず、管理装置123では通知部312が定期的に、たとえば1営業日ごとにデバイス群113に関する登録情報351を参照して稼働可能なデバイスの台数と使用頻度とを求め、それらを示す情報NTCを各デバイス113に通知する。「稼働可能なデバイスの台数」として通知部312は、たとえば前回台数を通知した時点以降にポーリングで得られた台数の中での最大値を選ぶ。一方、「稼働可能なデバイスの使用頻度」には通知部312は、たとえば前回台数を通知した時点以降にポーリングで得られた処理枚数の積算値、すなわち台数の通知周期、たとえば1営業日あたりの処理枚数を設定する。
図15の(b)は、稼働不能なデバイスDV1を検出した際にシステム300が行うデータ交換を表す模式図である。図15の(b)を参照するに、デバイス群113の中の1台DV1が稼働不能である。この場合、通知部312は稼働可能な他のデバイスの台数と使用頻度とを情報NTCに組み込んでデバイス群113へ通知する。
この情報NTCを受ける度に各デバイス113の予測部612はその情報NTCから、まずデバイスの台数を読み出し、前回の情報NTCから読み出した台数との比を求める。この台数比が“1”に等しい場合、予測部612はトナーの補充時期の予測値、すなわちトナーの消耗量に対する閾値を補正することなく元の値に維持する。一方、台数比が“1”でない場合、稼働可能なデバイスの台数は変動しているので、予測部612は台数比に基づいて閾値を補正する。
具体的には、まず台数比が“1”よりも大きい場合、予測部612はこの台数比でトナー残量の下限RMAを割り、たとえば“98%”を上限としてこの商で下限RMAを更新する。この上限は、標準的なデバイスであればトナーの消耗量がその上限に達した時点から所定時間、たとえば4日間、稼働可能のままでもトナーの枯渇を回避することができるように設定される。これにより、台数比が“1”よりも大きい場合にはトナー残量の下限RMAが減って消耗量に対する閾値が増えるので補充時期が先に延びる。
一方、台数比が“1”よりも小さい場合、予測部612はまず、管理装置123から通知された情報NTCの含む使用頻度を参照し、前回通知された情報NTCに使用頻度が含まれていたデバイスの中から、今回通知された情報NTCには使用頻度が含まれていないデバイスを探して稼働不能とみなす。予測部612は次に、その稼働不能なデバイスについて、トナーの補充時期を前回予測した時点以降に管理装置123から通知された使用頻度全体での平均値を計算する。予測部612は更に、その平均の使用頻度を稼働可能なデバイスの台数に等分してそれら1台あたりの分担量として推定し、この分担量を自機の使用頻度に追加する。この「自機の使用頻度」として予測部612は、稼働不能なデバイスの使用頻度と同様に、トナーの補充時期を前回予測した時点以降に管理装置123から通知された自機の使用頻度全体での平均値を算定する。
予測部612は次に、自機の使用頻度に分担量を追加して追加前の使用頻度に対する追加後の使用頻度の比を求め、この比とトナー残量の下限RMAとの積で下限RMAを更新する。これにより、台数比が“1”よりも小さい場合にはトナー残量の下限RMAが増えるので消耗量に対する閾値が減り、補充時期が早まる。
図16は、特定のデバイスDV0の予測部612が稼働不能なデバイスDV1の使用頻度と稼働可能な他のデバイスDV2、DV3の台数とに基づいてトナーの補充時期の予測値を補正する処理を説明する模式図である。図16を参照するに、管理装置123から通知された情報NTCの示す稼働可能なデバイスの台数、各デバイスDV0、DV1、DV2、DV3の使用頻度、前回トナーが補充された時点から特定のデバイスDV0が消耗した通算のトナー量、およびそのデバイスDV0の予測部612が設定したトナーの消耗量に対する閾値が営業日ごとに表示されている。
第1−5営業日までは、管理装置123から通知された情報NTCの示す稼働可能なデバイスの台数は一定値“4”のままであるので、台数比が“1”に維持される。したがって、予測部612は閾値を、第1−4営業日までは前回の設定値“97%”に維持する。
第5営業日は新たな予測の時期であるので予測部612は閾値を見直す。すなわち、予測部612は図8の示すとおり、第1−5営業日におけるトナーの消耗量の中から最大値“0.5%/日”を選択してこの週におけるトナーの消耗率とみなし、それにトナーの納期“6日”を乗じた値でトナー残量の下限RMAを更新する:RMA=0.5%/日×6日=3%。予測部612は更にこの下限RMA=3%をトナーの最大容量“100%”から除いた値“97%”を閾値に設定する。
こうして設定された閾値“97%”よりも通算のトナー消耗量が小さいか否かを監視部611は確認する。図16が示すとおり、第5営業日では閾値“97%”よりも通算のトナー消耗量は小さい。
第6営業日においても、管理装置123から通知された情報NTCの示す稼働可能なデバイスの台数は一定値“4”のままであるので、台数比が“1”に維持される。したがって、予測部612は閾値を前回の設定値“97%”に維持する。一方、監視部611は、この閾値“97%”よりも通算のトナー消耗量が小さいことを確認する。
第7営業日に管理装置123から通知された情報NTCは稼働可能なデバイスの台数“3”を示すので、台数比“3/4”は“1”よりも小さい。これに応じて予測部612は閾値を補正する。
具体的には、予測部612はまず情報NTCから稼働可能なデバイスの使用頻度を参照し、第6営業日に通知された情報NTCに使用頻度が含まれていたデバイスDV0−DV3の中から、今回通知された情報NTCには使用頻度が含まれていないデバイスDV1を探して稼働不能とみなす。予測部612は次に、稼働不能なデバイスDV1の第1−6営業日における使用頻度全体での平均値“125枚/日”を計算し、第7営業日における稼働可能なデバイスの台数“3”で等分して1台あたりの分担量SHRと推定する:SHR=125/3≒42枚/日。予測部612は続いて、自機DV0の使用頻度として第1−6営業日における使用頻度全体での平均値“108枚/日”を算定し、その値に分担量SHR=42枚/日を追加して、追加前の使用頻度“108枚/日”に対する追加後の使用頻度“108+42=150枚/日”の比を求める。予測部612は更に、この比とトナー残量の下限RMA=100%−97%=3%との積で下限RMAを更新する:RMA=(100%−97%)×(150/108)≒4%。この更新後の下限RMA=4%をトナーの最大容量“100%”から除いた値“96%”で予測部612は閾値を更新する。
このとき、更新後の閾値“96%”に通算のトナー消耗量“96%”がすでに到達しているので、監視部611はその旨を要求部613へ通知し、この通知に応じて要求部613はトナーの補充要求RQSを管理装置123へ送信する。
[補充時期の予測の補正処理の流れ]
−管理装置の処理−
図17は、管理装置123が稼働可能なデバイスの台数と使用頻度とを求めて各デバイス113へ通知する処理のフローチャートである。この処理は、図13の示す実施形態2による管理装置120の処理とは、ステップS133、S136に代えてステップS173、S176を含む点でのみ異なり、その他のステップは同様である。これら同様なステップには図13と同じ符号“S131、S132、…”を付す。
ステップS131では、デバイス群113に情報NTCを通知すべき時期が到来したか否か、たとえば前回の通知から1日が経過したか否かを通知部312が確認する。その時期が到来していれば処理はステップS176へ進み、到来していなければ処理はステップS132へ進む。
ステップS132では、まだ情報NTCを通知すべき時期ではないので、稼働可能なデバイスを数えるべき時期が到来したか否か、たとえば前回数えた時点から1時間が経過したか否かを監視部311が確認する。その時期が到来していれば処理はステップS173へ進み、到来していなければ処理はステップS131から繰り返される。
ステップS173では、稼働可能なデバイスを数えるべき時期であるので、監視部311がデバイス群113に対する監視を行い、その監視結果に基づいて稼働可能なデバイスの台数NDVを数え、シートの処理枚数NSHを積算する。このステップS173の詳細については後述する。その後、処理はステップS134へ進む。
ステップS134では、ステップS173で求めた台数NDVが登録情報351の含む台数NPRよりも大きいか否かを監視部311が確認する。前者NDVが後者NPRよりも大きければ処理はステップS135へ進み、大きくなければ処理はステップS131から繰り返される。
ステップS135では、ステップS173で求めた台数NDVが登録情報351の含む台数NPRよりも大きいので、監視部311は前者NDVで後者NPRを更新する。その後、処理はステップS131から繰り返される。
ステップS176では、情報NTCを通知すべき時期であるので、通知部312は登録情報351から稼働可能なデバイスの台数NPRと処理枚数NSHの積算値FRAとを読み出し、それらを情報NTCに組み込んでデバイス群113へ通知する。この台数NPRは、情報NTCの前回の通知以降、ステップS134、S135が繰り返されたことにより、前回の通知以降にステップS173で得られた稼働可能なデバイスの台数NDVの中での最大値に等しい。また、処理枚数NSHの積算値FRAは前回の通知以降に処理された枚数の合計であるので、その通知周期、たとえば1営業日あたりの処理枚数、すなわち使用頻度に等しい。その後、処理はステップS137へ進む。
ステップS137では、監視部311が、登録情報の含む稼働可能なデバイスの台数NPRを“0”に初期化する。その後、処理はステップS138へ進む。
ステップS138では、デバイス群113の監視処理を終了すべきか否かを監視部311が確認する。終了すべきであれば処理は終了し、そうでなければ処理はステップS131から繰り返される。
図18は、図17の示すステップS173、すなわちデバイス群113に対する監視結果に基づいて稼働可能なデバイスの台数NDVと処理枚数NSHの積算値FRAとを求めるサブルーチンのフローチャートである。この処理は、図14の示す実施形態2による管理装置の処理とは、ステップS146の後にステップS180を含む点でのみ異なり、その他のステップは同様である。これら同様なステップには図14と同じ符号“S141、S142、…”を付す。
ステップS141では、監視部311が記憶部350からデバイス群113に関する登録情報351のうちデバイスのIPアドレスを読み出し、それらのIPアドレスに対して順番にポーリング信号POLをネットワークI/F370に送信させる。監視部311は更にネットワークI/F370を通して、そのポーリング信号POLに対するデバイス群113からの返信RPTを受け取る。その後、処理はステップS142へ進む。
ステップS142では、監視部311が稼働可能なデバイスの台数NDVを“0”に初期化する。その後、処理はステップS143へ進む。
ステップS143では、監視部311はポーリング信号POLに対する返信RPTの中から1つを選択して解析し、その返信元のデバイスの稼働状態が「稼働可能」であるための条件(A)を満たすか否か、すなわちそのデバイスの電源がオンであるか否かを確認する。オンであれば処理はステップS144へ進み、オフであれば処理はステップS147へ進む。
ステップS144では、返信元のデバイスの稼働状態が「稼働可能」であるための条件(B)を満たすか否か、すなわちそのデバイスが少なくとも1つの給紙カセットに処理可能なシートを保持しているか否かを監視部311が確認する。保持していれば処理はステップS145へ進み、保持していなければ処理はステップS147へ進む。
ステップS145では、返信元のデバイスの稼働状態が「稼働可能」であるための条件(C)を満たすか否か、すなわちそのデバイスが紙詰まり等のエラー状態ではないか否かを監視部311が確認する。エラー状態でなければ処理はステップS146へ進み、エラー状態であれば処理はステップS147へ進む。
ステップS146では、返信元のデバイスの稼働状態が「稼働可能」であるための条件(A)−(C)をすべて満たしているので、監視部311が台数NDVを“1”だけ増やす。その後、処理はステップS180へ進む。
ステップS180では、監視部311はステップS143で選択した返信RPTから、前回のポーリング以降に処理したシートの枚数NSHを読み出し、この枚数NSHを、登録情報351の一項目として記憶部350に保存された積算値FRAに加算する。その後、処理はステップS147へ進む。
ステップS147では、ポーリング信号POLに対する返信RPTの中に未処理のものがないか否かを、すなわちすべてのデバイスについて稼働可能であるか確認し終えたか否かを監視部311が確認する。未処理の返信がなければ処理は終了し、あれば処理はステップS143から繰り返される。
−デバイスの処理−
図19は、制御部60が管理装置123から通知された稼働可能なデバイスの台数NPRと使用頻度FRAとに基づいてトナーの消耗量に対する閾値を補正する処理のフローチャートである。この処理は、制御部60が管理装置123から情報NTCを通知されたときに開始される。
ステップS191では、予測部612がその情報NTCから稼働可能なデバイスの台数NPRを読み出し、前回の情報NTCから読み出した台数に対する比を求める。その後、処理はステップS192へ進む。
ステップS192では、稼働可能なデバイスの台数比が“1”以下であるか否かを予測部612が確認する。“1”以下であれば処理はステップS196へ進み、“1”よりも大きければ処理はステップS193へ進む。
ステップS193では、稼働可能なデバイスの台数比が“1”よりも大きいのでその台数が増加している。予測部612はこの台数比とトナー残量の下限RMAとの商で下限RMAを更新し、更新後の下限RMAとトナーの最大容量との差でトナーの消耗量に対する閾値を更新する:閾値=最大容量−RMA。その後、処理はステップS194へ進む。
ステップS194では、閾値がその上限、たとえば“98%”以下であるか否かを予測部612が確認する。閾値が上限以下であれば処理はステップS198へ進み、上限を超えていれば処理はステップS195へ進む。
ステップS195では、閾値が上限を超えているので予測部612は閾値を上限、たとえば“98%”に制限する。その後、処理はステップS198へ進む。
ステップS196では、稼働可能なデバイスの台数比が“1”以下であるので、それが“1”に等しいか否かを予測部612が確認する。“1”に等しければ処理は終了し、“1”未満であれば処理はステップS197へ進む。
ステップS197では、稼働可能なデバイスの台数比が“1”未満であるのでその台数が減少している。すなわち、稼働不能なデバイスが新たに出現している。したがって、予測部612はその稼働不能なデバイスの使用頻度を稼働可能なデバイスに等しい割合で分配し、分配前後における自機の使用頻度の変化に基づいて閾値を補正する。このステップS197の詳細については後述する。その後、処理はステップS198へ進む。
ステップS198では、前回トナーが補充された時点からの通算のトナー消耗量が閾値未満であるか否かを監視部611が確認する。閾値未満であれば処理は終了し、閾値以上に到達していれば処理はステップS199へ進む。
ステップS199では、通算のトナー消耗量が閾値以上に到達しているので、監視部611はその旨を要求部613へ通知し、その通知に応じて要求部613はトナーの補充要求RQSを管理装置120へ送信する。その後、処理は終了する。
図20は、図19の示すステップS197、すなわち稼働不能なデバイスの使用頻度に基づいて閾値を補正するサブルーチンのフローチャートである。
ステップS201では、予測部612は、管理装置123から通知された情報NTCの含む使用頻度FRAを参照し、前回通知された情報NTCに使用頻度FRAが含まれていたデバイスの中から、今回通知された情報NTCには使用頻度FRAが含まれていないデバイスを探し、稼働不能なデバイスとして特定する。その後、処理はステップS202へ進む。
ステップS202では、予測部612は、ステップS201で特定した稼働不能なデバイスについて、トナーの補充時期を前回予測した時点から現時点までに管理装置123から通知された使用頻度FRAの全体での平均値FAVを計算する。その後、処理はステップS203へ進む。
ステップS203では、予測部612は自機の使用頻度MFRとして、トナーの補充時期を前回予測した時点以降に管理装置123から通知された自機の使用頻度FRAの全体での平均値を算定する。その後、処理はステップS204へ進む。
ステップS204では、予測部612はまず、ステップS202で求めた平均の使用頻度FAVを稼働可能なデバイスの台数NPRに等分してそれら1台あたりの分担量SHRとして推定する。予測部612は次に、この分担量SHRを自機の使用頻度MFRに追加し、追加前の自機の使用頻度MFRに対する追加後の使用頻度MFR+SHRの比を求め、この比とトナー残量の下限RMAとの積で下限RMAを更新する:RMA=RMA×(MFR+SHR)/MFR。予測部612は更に、この更新後の下限RMAとトナーの最大容量との差を予測部612はトナーの消耗量に対する閾値に設定する:閾値=最大容量−RMA。その後、処理は図19の示すフローへ戻り、ステップS198へ進む。
[実施形態3の利点]
本発明の実施形態3による消耗品管理システム300は実施形態1によるもの100と同様、各デバイス113が自機におけるトナーの消耗量を監視し、その消耗量の履歴に基づいてトナー残量の下限RMAを設定し、この下限RMAだけトナーの最大容量よりも少ない閾値に通算の消耗量が到達する時点をトナーの補充時期として予測する。このシステム300では更に管理装置123が、稼働可能なデバイスの台数を示す情報NTCを各デバイス113へ定期的に通知し、この通知の度に各デバイス113がその情報NTCの示す台数と前回の情報NTCの示す台数との比に基づいて閾値を補正する。こうして、稼働可能なデバイスの台数の変動に応じて補充時期の予測値が補正されるので、ネットワークNTWに接続されたデバイスの台数の変動にも、それらの稼働状態の変動にもかかわらず、各デバイス113についてトナーの補充時期を正確に予測することができる。
本発明の実施形態3では実施形態1とは異なり、稼働可能なデバイスが減少した場合、各デバイス113の予測部612がまず、管理装置123から通知された情報NTCにおける使用頻度の有無に基づいて稼働不能なデバイスを特定する。予測部612は次に、前回の予測以降、現時点までに通知されたその稼働不能なデバイスの使用頻度の平均値を稼働可能なデバイスの台数に等分してそれら1台あたりの分担量として推定する。予測部612は続いて、この分担量を自機の使用頻度に追加して追加前後での使用頻度の比を求め、この比とトナー残量の下限RMAとの積で下限RMAを更新する。これにより、稼働不能なデバイスの出現に伴う稼働可能な他のデバイスの使用頻度の増加が補充時期の予測値の補正に反映されるので、その予測の精度を更に向上させることができる。
[実施形態3の変形例]
(A)管理装置123では監視部311が、ポーリングの度に各デバイス113に、前回のポーリング以降に処理したシートの枚数を稼働状態に関する情報RPTの一項目として通知させる。その他に、管理装置123がプリントサーバーである等、PC群140からデバイス群113に要求されるジョブの内容をすでに把握している場合、それらのジョブの内容からデバイスごとに処理枚数を積算してもよい。この場合、デバイス群113のうち管理対象ではないデバイスには、自機の処理枚数を定期的に管理装置123へ通知させてもよい。
(B)管理装置123では監視部311がデバイス群113の各デバイスにポーリングの度にシートの処理枚数を通知させ、通知部312がその処理枚数の積算に基づいて台数の通知周期あたりの処理枚数でデバイスの使用頻度を評価する。その他に、監視部311が各デバイス113にポーリングの度にジョブあたりのトナーの消耗量(カバレッジ)を通知させ、通知部312がそのカバレッジでデバイスの使用頻度を評価してもよい。
(C)管理装置123の通知部312は、図4の示す登録情報351の含む識別情報以外の項目、すなわち処理可能なジョブの種類またはシートの属性ごとに稼働可能なデバイスの台数と使用頻度とを求めてもよい。通知部312は特に使用頻度を、たとえばカラーでの処理とモノクロでの処理とに分けて求めても、プリンター、コピー、スキャナーの機能ごとに、A3、A4、B4等のシートのサイズごとに、または、普通紙、塗工紙、上質紙等の紙種ごとに求めてもよい。
こうして得られたジョブの種類別、またはシートの属性別の台数と使用頻度とを示す情報NTCを通知部312はデバイス群113に通知する。この場合、各デバイス113はこの情報NTCの示す台数と使用頻度とのうち、処理可能なジョブの種類またはシートの属性が自機と共通する機種の台数と使用頻度とに基づいて、トナーの補充時期の予測値を補正すればよい。たとえばカラープリンターは、Y、M、Cの3色のトナーについては、カラープリンター、カラーコピー機等、カラーで処理可能な機種の台数と、それらがカラーでの処理に使用された頻度とに基づいて閾値を補正する。一方、K色のトナーについては、カラー、モノクロを問わず、すべての稼働可能なデバイスの台数、およびそれらのカラーとモノクロとの両方での使用頻度に基づいて閾値を補正すればよい。
(D)管理装置123の通知部312は、稼働可能なデバイスの台数と使用頻度との両方をデバイス群113に通知する同じ情報NTCに組み込むので、台数と使用頻度とのいずれについてもデバイス群113への通知の周期が等しい。通知部312はその他に、稼働可能なデバイスの台数と使用頻度とで通知の周期を変えてもよい。好ましくは、台数の通知周期が使用頻度の通知周期以下に設定される。
(E)各デバイス113では予測部612が自機の使用頻度として、トナーの補充時期を前回予測した時点以降に管理装置123から通知された自機の使用頻度の全体での平均値を算定する。予測部612はその他に、前回の予測以降、自機の処理したシートの枚数を積算し、管理装置123から情報NTCが通知された時点での積算値と予測の周期とから自機の使用頻度を算定してもよい。
《実施形態4》
本発明の実施形態4による消耗品管理システムは実施形態1によるもの100と同様、デバイス群が含む各画像形成装置の消耗するトナーの、時期に適った補充を支援する。このシステムは更に実施形態3によるもの300と同様に、デバイス群の稼働状態についての監視項目に監視対象の使用頻度を含み、トナーの補充時期の予測値の補正に他のデバイスの台数に加えてそれらの使用頻度を利用する。しかし、稼働不能なデバイスの使用頻度を稼働可能なデバイスに、等しい割合ではなく、使用頻度の増分の割合で分配する点で、実施形態4によるシステムは実施形態1、3によるもの100、300のいずれとも異なる。
以下、実施形態4によるシステムについて実施形態1、3によるもの100、300とは異なる部分を説明する。実施形態4によるシステムと実施形態1によるもの100または実施形態3によるもの300とに共通する部分については、実施形態1または実施形態3についての説明を援用する。
[消耗品管理システムの機能]
管理装置は実施形態1のものと同様な機能、すなわち(1)トナーの補充要求の受付、(2)デバイスの追加/撤去についての登録要求の受付に加え、実施形態3のものと同様な機能、すなわち(2A)デバイス群の稼働状態の監視、(3A)稼働可能なデバイスの台数と使用頻度との定期的な通知という機能を持つ。
各デバイスは実施形態1のものと同様な機能、すなわち(4)トナー消耗量の監視、(5)トナーの補充時期の予測、および(6)管理装置へのトナーの補充要求の送信に加えて次の機能を持つ。(7B)管理装置からの通知に応じて、その通知が示す稼働可能なデバイスの台数と使用頻度とに基づいて補充時期の予測値を補正する。特に、稼働可能なデバイスの台数が減少した場合には予測部が、減少前でのみ稼働可能であったデバイスの使用頻度を減少後のデバイスと自機とに“使用頻度の増分の割合で”分配し、分配前後における自機の使用頻度の変化に基づいて閾値を補正する。
−補充時期の予測の補正−
図21は、特定のデバイスDV0の予測部612が稼働可能なデバイスの台数と使用頻度とに基づいてトナーの補充時期の予測値を補正する処理を説明する模式図である。図21を参照するに、管理装置124から通知された情報NTCの示す稼働可能なデバイスの台数、各デバイスDV0、DV1、DV2、DV3の使用頻度、前回トナーが補充された時点から特定のデバイスDV0が消耗した通算のトナー量、およびそのデバイスDV0の予測部612が設定したトナーの消耗量に対する閾値が営業日ごとに表示されている。
第1−5営業日までは、管理装置124から通知された情報NTCの示すデバイスの台数は一定値“4”のままであるので、台数比が“1”に維持される。したがって、予測部612は閾値を、第1−4営業日までは前回の設定値“97%”に維持する。予測部612はまた、情報NTCから各デバイスの使用頻度を読み出して記憶する。
第5営業日は新たな予測の時期であるので予測部612は閾値を見直す。すなわち、予測部612は図8の示すとおり、第1−5営業日におけるトナーの消耗量の中から最大値“0.44%/日”を選択してこの週におけるトナーの消耗率とみなし、それにトナーの納期“6日”を乗じた値でトナー残量の下限RMAを更新する:RMA=0.44%/日×6日≒3%。予測部612は更にこの下限RMA=3%をトナーの最大容量“100%”から除いた値“97%”を閾値に設定する。
こうして設定された閾値“97%”よりも通算のトナー消耗量が小さいか否かを監視部611は確認する。図21が示すとおり、第5営業日では閾値“97%”よりも通算のトナー消耗量は小さい。
第6営業日においても、管理装置124から通知された情報NTCの示すデバイスの台数は一定値“4”のままであるので、台数比が“1”に維持される。したがって、予測部612は閾値を前回の設定値“97%”に維持する。これに応じて、監視部611は、この閾値“97%”よりも通算のトナー消耗量が小さいことを確認する。予測部612はまた、情報NTCから各デバイスの使用頻度を読み出して記憶する。
第7営業日に管理装置124から通知された情報NTCはデバイスの台数“3”を示すので、台数比“3/4”は“1”よりも小さい。これに応じて予測部612は閾値を補正すべきか否かを判断する。
具体的には、予測部612はまず情報NTCから稼働可能なデバイスの使用頻度を参照し、第6営業日に通知された情報NTCに使用頻度が含まれていたデバイスDV0−DV3の中から、今回通知された情報NTCには使用頻度が含まれていないデバイスDV1を探して稼働不能とみなす。予測部612は次に、稼働不能なデバイスDV1の第1−6営業日における使用頻度全体での平均値“125枚/日”を計算する。
予測部612は、稼働可能な他のデバイスDV2、DV3、DV0についても同様に、第1−6営業日における使用頻度の全体での平均値FAVを計算する。図20では、稼働可能な各デバイスDV2、DV3、DV0の第1−6営業日における平均の使用頻度FAVが、“17枚/日”、“93枚/日”、“108枚/日”である。
その後、予測部612は管理装置124から次の情報NTCが通知されるのを待つ。これにより、閾値は前回の設定値“97%”に維持されるので、監視部611は、この閾値“97%”よりも通算のトナー消耗量が小さいことを確認する。
第8営業日では、予測部612はまず、管理装置124から新たに通知された情報NTCの示すデバイスの台数が前日の値“3”のままであることを確認する。予測部612は次に、この情報NTCから稼働可能な各デバイスDV2、DV3、DV0の使用頻度FRAを読み出して、第1−6営業日における平均の使用頻度FAVに対する増分INC=FRA−FAVを求める。図20では、第8営業日に通知された情報NTCの示す稼働可能なデバイスDV2、DV3、DV0の使用頻度FRAが、“60枚/日”、“90枚/日”、“150枚/日”であるので、使用頻度の増分INCはデバイスDV2、DV3、DV0の順に、“+43枚/日”、“−3枚/日”、“+42枚/日”である。
予測部612は、これらの増分INCの中から下限以上、たとえば+10枚/日以上であるものを抽出する。抽出された増分INCを示すデバイスの中に自機が含まれていなければ予測部612は閾値を補正することなく元の値に維持し、含まれていれば閾値を補正する。図20では、デバイスDV2、DV0の使用頻度の増分INCが“+10枚/日”以上であるので、これらのデバイスの予測部612が閾値を補正する。
デバイスDV0では予測部612が閾値の補正を次のように行う。予測部612はまず下限“+10枚/日”以上の使用頻度の増分INCの間で比を求める。図20では、稼働可能な他のデバイスDV2と自機DV0との間での増分INCの比が“43:42”である。予測部612は次に、これらのデバイスDV2、DV0に稼働不能なデバイスDV1の平均の使用頻度“125枚/日”を増分INCの比“43:42”で分配する。すなわち、自機DV0の分担量SHRを次式で計算する:SHR=125×42/(43+42)≒62枚/日。予測部612は続いてこの分担量“62枚/日”を自機DV0の使用頻度“108枚/日”に追加して追加前の使用頻度“108枚/日”に対する追加後の使用頻度“108+62=170枚/日”の比を求め、この比とトナー残量の下限RMA=100%−97%=3%との積で下限RMAを更新する:RMA=(100%−97%)×(170/108)≒5%。予測部612は更にこの更新後の下限RMA=5%をトナーの最大容量“100%”から除いた値“95%”で閾値を更新する。
このとき、更新後の閾値“95%”に通算のトナー消耗量“97%”がすでに到達しているので、監視部611はその旨を要求部613へ通知し、この通知に応じて要求部613はトナーの補充要求RQSを管理装置124へ送信する。
[補充時期の予測の補正処理の流れ]
−デバイスの処理−
図22は、制御部60が管理装置124から通知された稼働可能なデバイスの台数と使用頻度FRAとに基づいてトナーの消耗量に対する閾値を補正する処理のフローチャートである。この処理は、図19の示す実施形態3による管理装置123の処理とは、ステップS193−S195に代えてステップS223を含み、かつステップS197に代えてステップS227を含む点でのみ異なり、その他のステップは同様である。これら同様なステップには図19と同じ符号“S191、S192、…”を付す。
ステップS191では、予測部612がその情報NTCから稼働可能なデバイスの台数を読み出して前回の情報NTCから読み出した台数に対する比を求める。その後、処理はステップS192へ進む。
ステップS192では、稼働可能なデバイスの台数比が“1”以下であるか否かを予測部612が確認する。“1”以下であれば処理はステップS196へ進み、“1”よりも大きければ処理はステップS223へ進む。
ステップS223では、稼働可能なデバイスの台数比が“1”よりも大きいのでその台数が増加している。すなわち、稼働可能な新規のデバイスが追加されている。これに伴う使用頻度の減少分に応じて予測部612は閾値を補正する。このステップS223の詳細については後述する。その後、処理はステップS198へ進む。
ステップS196では、稼働可能なデバイスの台数比が“1”以下であるので、それが“1”に等しいか否かを予測部612が確認する。“1”に等しければ処理は終了し、“1”未満であれば処理はステップS227へ進む。
ステップS227では、稼働可能なデバイスの台数比が“1”未満であるのでその台数が減少している。すなわち、稼働不能なデバイスが新たに出現している。したがって、予測部612はその稼働不能なデバイスの使用頻度に基づいて閾値を補正する。このステップS227の詳細については後述する。その後、処理はステップS198へ進む。
ステップS198では、前回トナーが補充された時点からの通算のトナー消耗量が閾値未満であるか否かを監視部611が確認する。閾値未満であれば処理は終了し、閾値以上に到達していれば処理はステップS199へ進む。
ステップS199では、通算のトナー消耗量が閾値以上に到達しているので、監視部611はその旨を要求部613へ通知し、その通知に応じて要求部613はトナーの補充要求RQSを管理装置120へ送信する。その後、処理は終了する。
図23は、図22の示すステップS223、すなわち稼働可能な新規のデバイスの追加に伴う使用頻度の減少分に応じて閾値を補正するサブルーチンのフローチャートである。
ステップS231では、予測部612は、管理装置123から通知された情報NTCの含む使用頻度FRAを参照し、前回通知された情報NTCには使用頻度FRAが含まれておらず、今回通知された情報NTCに初めて使用頻度FRAが含まれていたデバイスを探し、新規のデバイスとして特定する。その後、処理はステップS232へ進む。
ステップS232では、予測部612は、ステップS231で特定した新規のデバイス以外の稼働可能なデバイスごとに、トナーの補充時期を前回予測した時点から現時点までに管理装置123から通知された使用頻度FRAの全体での平均値FAVを計算する。その後、処理はステップS233へ進む。
ステップS233では、管理装置124から次の情報NTCが届いたか否かを予測部612は確認する。次の情報NTCが届いていれば処理はステップS234へ進み、届いていなければ処理はステップS233を繰り返す。
ステップS234では、管理装置124から次の情報NTCが届いているので、予測部612はこの情報NTCから稼働可能なデバイスの台数を読み出し、前回の台数との比を求める。さらに、この台数比が“1”に等しいか否かを予測部612は確認する。“1”に等しければ処理はステップS235へ進み、“1”でなければ処理は図22の示すフローへ戻り、ステップS192から繰り返される。
ステップS235では、予測部612はまず、管理装置124から届いた情報NTCから自機の使用頻度MFRを読み出し、ステップS232で求めた自機の使用頻度の平均値FAVからの減少分DEC=FAV−MFRを計算する。その後、処理はステップS236へ進む。
ステップS236では、ステップS232で求めた自機の使用頻度の減少分DECが下限、たとえば20枚/日以上であるか否かを予測部612が確認する。この下限はたとえば、使用頻度の減少に伴ってトナーの補充時期が1日延期する可能性が生じるときのその減少分に設定される。減少分DECが下限以上であれば処理はステップS237へ進み、下限未満であれば処理は図22のフローへ戻り、ステップS198へ進む。
ステップS237では、自機の使用頻度の減少分DECが下限以上であるので、トナーの補充時期が1日以上延期する可能性がある。したがって、予測部612は自機の減少前の使用頻度、すなわちステップS232で求めた平均値FAVに対する減少後の使用頻度MFRの比を求め、この比とトナー残量の下限RMAとの積で下限RMAを更新する:RMA=RMA×MFR/FAV。予測部612は更に、この更新後の下限RMAとトナーの最大容量との差を予測部612はトナーの消耗量に対する閾値に設定する:閾値=最大容量−RMA。その後、処理は図22の示すフローへ戻り、ステップS198へ進む。
図24は、図22の示すステップS227、すなわち稼働不能なデバイスの使用頻度に基づいて閾値を補正するサブルーチンのフローチャートである。
ステップS241では、予測部612は、管理装置124から通知された情報NTCの含む使用頻度FRAを参照し、前回通知された情報NTCに使用頻度FRAが含まれていたデバイスの中から、今回通知された情報NTCには使用頻度FRAが含まれていないデバイスを探し、稼働不能なデバイスとして特定する。その後、処理はステップS242へ進む。
ステップS242では、予測部612は、トナーの補充時期を前回予測した時点から現時点までに管理装置123から通知された使用頻度FRAの全体での平均値FAVをデバイスごとに計算する。その後、処理はステップS243へ進む。
ステップS243では、管理装置124から次の情報NTCが届いたか否かを予測部612は確認する。次の情報NTCが届いていれば処理はステップS244へ進み、届いていなければ処理はステップS243を繰り返す。
ステップS244では、管理装置124から次の情報NTCが届いているので、予測部612はこの情報NTCから稼働可能なデバイスの台数を読み出し、前回の台数との比を求める。さらに、この台数比が“1”に等しいか否かを予測部612は確認する。“1”に等しければ処理はステップS245へ進み、“1”でなければ処理は図22の示すフローへ戻り、ステップS198へ進む。
ステップS245では、予測部612はまず、管理装置124から届いた情報NTCから稼働可能なデバイスの使用頻度FRAを読み出し、ステップS242で求めた使用頻度の平均値FAVからの増分INC=FRA−FAVを計算する。その後、処理はステップS246へ進む。
ステップS246では、稼働可能なデバイスの中から、ステップS245で求めた増分INCが下限以上、たとえば+10枚/日以上であるデバイスを抽出する。その後、処理はステップS247へ進む。
ステップS247では、ステップS246で自機が抽出されたか否かを予測部612が確認する。自機が抽出されていれば処理はステップS248へ進み、抽出されていなければ処理は図22のフローへ戻り、ステップS198へ進む。
ステップS248では、ステップS246で自機が抽出されているので、稼働可能なデバイスの減少に伴う自機の使用頻度の増分INCが下限以上である。したがって、予測部612は、稼働不能なデバイスの使用頻度を稼働可能なデバイスに使用頻度の増分INCの割合で分配し、分配前後における自機の使用頻度の変化に基づいて閾値を補正する。
具体的には、予測部612はまず、ステップS246で抽出された稼働可能なデバイス全体での使用頻度の増分INCの総和に対する自機の増分INCの比を求め、この比に稼働不能なデバイスの使用頻度を乗じた値を自機の分担量SHRに設定する。予測部612は次に、この分担量SHRを自機の使用頻度MFRに追加して追加前の使用頻度MFRに対する追加後の使用頻度MFR+SHRの比を求め、この比とトナー残量の下限RMAとの積で下限RMAを更新する:RMA=RMA×(MFR+SHR)/MFR。予測部612は更に、この更新後の下限RMAとトナーの最大容量との差を予測部612はトナーの消耗量に対する閾値に設定する:閾値=最大容量−RMA。その後、処理は図22の示すフローへ戻り、ステップS198へ進む。
[実施形態4の利点]
本発明の実施形態4による消耗品管理システムは実施形態1によるもの100と同様、各デバイス114が自機におけるトナーの消耗量を監視し、その消耗量の履歴に基づいてトナー残量の下限RMAを設定し、この下限RMAだけトナーの最大容量よりも少ない閾値に通算の消耗量が到達した時点をトナーの補充時期として予測する。このシステムでは更に管理装置124が、稼働可能なデバイスの台数を示す情報NTCを各デバイス114へ定期的に通知する。この通知の度に各デバイス114は、その情報NTCの示す台数と前回の情報NTCの示す台数との比較に基づいて閾値を補正する。こうして、稼働可能なデバイスの台数の変動に応じて補充時期の予測値が補正されるので、ネットワークNTWに接続されたデバイスの台数の変動にかかわらず、各デバイス114についてトナーの補充時期を正確に予測することができる。
本発明の実施形態4では実施形態1とは異なり、稼働可能なデバイスが減少した場合、各デバイス114の予測部612がまず、管理装置124から通知された情報NTCにおける使用頻度の有無に基づいて稼働不能なデバイスを特定する。予測部612は次に、前回の予測以降、稼働可能なデバイスの台数が減少した時点までに通知された使用頻度の全体での平均値FAVをデバイスごとに求める。予測部612は続いて、稼働不能なデバイス以外の稼働可能なデバイスについて台数の減少前後での使用頻度の増分INCを求め、それらのデバイスに稼働不能なデバイスの使用頻度の平均値を増分INCの割合で分配して自機の分担量SHRを推定する。予測部612は更に、この分担量SHRを自機の使用頻度の平均値FAVに追加して追加前後での使用頻度の比を求め、この比とトナー残量の下限RMAとの積で下限RMAを更新する。これにより、このシステムは稼働可能な各デバイスに、稼働不能なデバイスの出現に伴う使用頻度の実際の増分に応じて補充時期の予測値を補正させることができるので、その予測の精度を更に向上させることができる。
[実施形態4の変形例]
(A)管理装置124の通知部312は稼働可能なデバイスの台数と使用頻度とを同じ周期でデバイス群114へ通知する。通知部312はその他に、台数の通知周期よりも使用頻度の通知周期を長くしてもよい。たとえば、台数を1営業日ごとに通知する場合、使用頻度を1週間ごとに通知してもよい。この場合、好ましくは、台数が変化した時点以降では通知部312は使用頻度を台数と同じ周期で通知する。
《実施形態5》
本発明の実施形態5による消耗品管理システムは実施形態1によるもの100と同様、デバイス群110が含む各画像形成装置の消耗するトナーの、時期に適った補充を支援する。しかし、管理装置120が消耗品管理システムの一要素として備えていた機能を、管理装置120に代えて特定のPCが搭載する点で、実施形態5によるシステムは実施形態1によるもの100と異なる。
以下、実施形態5によるシステムについて実施形態1によるもの100とは異なる部分を説明する。実施形態5によるシステムと実施形態1によるもの100とに共通する部分については、実施形態1についての説明を援用する。
[PCのハードウェア構成]
図25は、特定のPC145のハードウェア構成を示すブロック図である。このPC145は、図1の示すPC群140の中に少なくとも1台、含まれている。図25を参照するに、このPC145は、CPU510、RAM520、ROM530、記憶部550、ネットワークI/F570、およびユーザーI/F580を含む。これらの要素510−580はバス590を通して互いに通信可能に接続されている。
CPU510、RAM520、およびROM550は、PC145の内部に設置された1枚の基板の上に実装された電子回路である。CPU510はファームウェアに従って、バス580に接続された他の要素520−570を制御する。RAM520は、CPU510がファームウェアを実行する際の作業領域をCPU510に提供する。ROM550は書き込み不可の半導体メモリー装置と、EEPROM等の書き換え可能な半導体メモリー装置とを含む。前者はファームウェアを格納し、後者はCPU510に環境変数等の保存領域を提供する。
記憶部550は、PC145に内蔵された不揮発性の大容量記憶装置であり、たとえばHDDまたはSSDである。この記憶部550には特に各デバイス110に対するデバイスドライバーが保存される。
ネットワークI/F570はネットワークNTWに有線または無線で接続され、このネットワークNTWを通して、デバイス群110、PC群140、および保守サーバー150と通信する。ネットワークI/F570は特に、デバイス群110からはトナーの補充要求RQSを受信してCPU511へ通知し、PC群140からはデバイスの追加/撤去に関する登録要求RSTを受信してCPU511へ通知し、保守サーバー150へはトナーの補充要求RQSを送信する。
ユーザーI/F580は、マウス、キーボード、ディスプレイ等の入出力装置とバス590との間でのデータ交換を中継する。このユーザーI/F580を通してCPU510は、ユーザーの操作を受け付けると共に、画面表示等でユーザーに情報を提示する。
[消耗品管理システムの一要素としてのPCの機能]
記憶部550の保存するデバイスドライバーの含む対応するデバイスの設定情報(プロパティ)551は、そのデバイスの登録情報として利用可能である。実際、デバイスドライバー551は図4の示す登録情報の項目、すなわち、デバイス名、IPアドレス等のデバイスの識別情報、カラーでの処理能力、プリンター、コピー、スキャナーの各機能等の処理可能なジョブの種類、および、サイズ、紙種等の処理可能なシートの属性を含む。また、PC145へのデバイスドライバーのインストール/アンインストールは、対応するデバイスのネットワークNTWへの接続/切断とみなすことができる。
図25を更に参照するに、CPU510はファームウェアに従って3種類の機能部、すなわち、監視部511、通知部512、および登録部513として動作する。これらの機能部は、実施形態1による管理装置120の備えていた消耗品管理システムの一要素としての3種類の機能、すなわち、(1)トナーの補充要求の受付、(2)デバイスの追加/撤去についての登録要求の受付、(3)デバイスの台数の定期的な通知を実現する。
監視部511は自機にインストールされたデバイスドライバーに従ってネットワークI/F570に、デバイス群110のうちそのデバイスドライバーに対応するデバイスからの補充要求RQSを検出させる。通知部512は定期的に(たとえば1営業日ごとに)、自機にインストールされたデバイスドライバーを数えて、デバイス群110のうち自機の利用可能なデバイスの台数を求める。通知部512は更に、この台数を示す情報NTCを生成し、この情報NTCをネットワークI/F570に各デバイス110へ通知させる。通知部512はまた、ネットワークI/F570がデバイス群110からの補充要求RQSを検出したとき、この要求RQSをネットワークI/F570にクラウドサーバー130へ転送させる。登録部513はユーザーI/F580を通して、ネットワークNTWにおけるデバイスの追加/撤去に伴う対応するデバイスドライバーのインストール/アンインストールの要求をユーザーから受け付けて、そのインストール/アンインストールを実行する。これにより、インストールの場合には対応するデバイスのプロパティ551が記憶部550に追記され、アンインストールの場合には対応するデバイスのプロパティ551に「デバイスが利用不可である」旨を書き加え、またはそのプロパティ551を含むデバイスドライバーの全体を記憶部550から削除する。
[補充時期の予測の補正]
デバイス群110を構成するデバイスの台数が変動したとき、実施形態5によるシステムは各デバイスにトナーの補充時期の予測を次のように補正させる。
図26は、ネットワークNTWからのデバイスの撤去に伴い、対応するデバイスドライバーがPC145からアンインストールされた際にシステム500が行うデータ交換を表す模式図である。図26を参照するに、デバイス群110の中の1台DV1がネットワークNTWから撤去される場合、ユーザーはPC群140のうち、そのデバイスDV1を利用していた端末145、146に、対応するデバイスドライバーのアンインストールを要求する。各端末145、146の登録部513はこの要求に応じてそのデバイスDV1のデバイスドライバーをアンインストールし、記憶部550に登録されたそのデバイスDV1のプロパティを書き換える。デバイス群110に新たな1台を追加する場合は、対応するデバイスドライバーのインストールの要求に応じてそのデバイスDV1のデバイスドライバーをインストールし、そのデバイスDV1のプロパティを記憶部550に登録する。
PC群140の各端末145、146では通知部512が定期的に、自機にインストールされたデバイスドライバーからデバイスの識別情報、たとえばデバイス名またはIPアドレスを検索し、それらを自機の利用可能なデバイスの識別情報として示す情報NTCを各デバイス110に通知する。この通知の周期はトナーの補充時期の予測周期、たとえば1週間=5営業日以下の値、たとえば1営業日に設定される。
この情報NTCが通知される度に、各デバイス110では予測部612がまず、各情報NTCからデバイスの識別情報を読み出し、それらからデバイスの台数を集計する。このとき、異なるPC間で共通するデバイスは1台として数える。これによりこの集計値は、PC群140の全体が利用可能なデバイスの台数、すなわちデバイス群110を構成するデバイスの総数を表す。予測部612は次に、この集計値と前回の情報NTCから求めた集計値との比を求める。この比が“1”でなければデバイスの台数の変動を表す。したがって、予測部612はこの比に基づいて、実施形態1によるものと同様にトナーの補充時期の予測値、すなわちトナーの消耗量に対する閾値を補正する。
特に、デバイスの台数を通知する周期はトナーの補充時期を予測する周期以下に設定されているので、1台のデバイスDV1の撤去に伴ってその周辺のデバイスの処理すべきジョブの量が急に増大したとしても、それに遅れることなく、各デバイスにトナーの補充時期を早めさせることができる。
−予測の補正処理の流れ−
図27は、各デバイス110の制御部60がPC145、146から通知されたデバイスの台数に基づいて、トナーの消耗量に対する閾値を補正する処理のフローチャートである。この処理を制御部60は、利用可能なデバイスを示す情報NTCをPC145、146から通知されたときに開始する。この処理は、図12の示す実施形態1による制御部60の処理とはステップS121に代えてステップS271、S272を含む点でのみ異なり、その他のステップは同様である。これら同様なステップには、図12と同じ符号“S122、S123、…”を付す。
ステップS271では、予測部612が各情報NTCからデバイスの識別情報を読み出し、PC群140の他の端末から受け付けた同様な情報NTCから読み出したデバイスの識別情報と照合する。これにより、デバイス群110を構成するデバイスの台数を集計する。その後、処理はステップS272へ進む。
ステップS272では、予測部612は、ステップS271で求めた集計値と前回の集計値との比をデバイスの台数比として求める。その後、処理はステップS122へ進む。
ステップS122では、デバイスの台数比が“1”に等しいか否かを予測部612が確認する。“1”に等しければ処理は終了し、“1”でなければ処理はステップS123へ進む。
ステップS123では、デバイスの台数比が“1”でないので台数が変動している。予測部612はこの台数比とトナー残量の下限RMAとの商で下限RMAを更新し、更新後の下限RMAとトナーの最大容量との差でトナーの消耗量に対する閾値を更新する:閾値=最大容量−RMA。その後、処理はステップS124へ進む。
ステップS124では、閾値がその上限以下であるか否かを予測部612が確認する。閾値が上限以下であれば処理はステップS126へ進み、上限を超えていれば処理はステップS125へ進む。
ステップS125では、閾値が上限を超えているので予測部612は閾値を上限に制限する。その後、処理はステップS126へ進む。
ステップS126では、前回トナーが補充された時点からの通算のトナー消耗量が閾値未満であるか否かを監視部611が確認する。閾値未満であれば処理は終了し、閾値以上に到達していれば処理はステップS127へ進む。
ステップS127では、通算のトナー消耗量が閾値以上に到達しているので、監視部611はその旨を要求部613へ通知し、その通知に応じて要求部613はトナーの補充要求RQSを特定のPC145へ送信し、そのPC145の通知部512にクラウドサーバー130へ転送させる。その後、処理は終了する。
[実施形態5の利点]
本発明の実施形態5による消耗品管理システム500は実施形態1によるもの100と同様、各デバイス110が自機におけるトナーの消耗量を監視し、その消耗量の履歴に基づいてトナー残量の下限RMAを設定し、この下限RMAだけトナーの最大容量よりも少ない閾値に通算の消耗量が到達する時点をトナーの補充時期として予測する。一方、このシステムでは実施形態1によるもの100とは異なり、管理装置120に代えてPC群140の中の少なくとも1台145、146が、自機の利用可能なデバイスを示す情報NTCを各デバイス110へ定期的に通知する。各デバイス110はこれらの情報NTCからデバイスの識別情報を読み出して、デバイス群110を構成するデバイスの台数を集計する。各デバイス110は更にこの集計値と前回の集計値との比を求め、その比が“1”でなければ、この比とトナー残量の下限RMAとの商で下限RMAを更新する。こうして、デバイスの台数の変動に応じて補充時期の予測値が補正されるので、ネットワークNTWに接続されたデバイスの台数の変動にかかわらず、各デバイス110についてトナーの補充時期を正確に予測することができる。
[実施形態5の変形例]
(A)PC145の通知部512はデバイスドライバーのカウントとデバイス群110へのデバイスの台数の通知とを同じ周期で繰り返す。通知部512はその他に、デバイスドライバーのカウント周期をデバイスの台数の通知周期よりも短くしてもよい。たとえば、デバイスドライバーを1時間ごとに数え、デバイスの台数を1日ごとに通知してもよい。この場合、通知部512は、前回の台数の通知以降に得られたデバイスドライバーの数の最大値、平均値等の代表値を、自機の利用可能なデバイスの台数に設定してもよい。
[補足]
実施形態1−5とそれらの変形例とが自由に組み合わせ可能であることは、以上の記載から当業者には自明に理解されるであろう。
本発明は、画像形成装置が利用する消耗品の管理システムに関し、上記のとおり、その画像形成装置に他の画像形成装置の台数を定期的に取得させることにより、その台数の変動に応じて消耗品の補充/交換時期の予測値を補正させる。このように、本発明は明らかに産業上利用可能である。
100 消耗品管理システム
110 デバイス群
120 管理装置
130 保守サーバー
140 PC群
141 PC群140に属する端末
150 ルーター
NTW LAN、イントラネット等のネットワーク
WWW 広域ネットワーク
RQS トナーの補充要求
DV1 ネットワークNTWから撤去されたデバイス
RST デバイスの追加/撤去に関する登録要求
NTC デバイスの台数を示す情報

Claims (16)

  1. ネットワークに接続される複数の画像形成装置への消耗品の補充または交換を要求するための消耗品管理方法であって、
    前記複数の画像形成装置のそれぞれによる消耗品の消耗度に基づいて、当該画像形成装置への消耗品の補充時期または交換時期を予測する予測ステップと、
    前記複数の画像形成装置全体の稼働状態に関する情報に基づいて、予測された消耗品の補充時期または交換時期を補正する補正ステップと、
    を含む消耗品管理方法。
  2. 前記稼働状態は前記複数の画像形成装置のそれぞれにおける、電源の状態、シートの収容状態、障害に関する状態のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の消耗品管理方法。
  3. 前記稼働状態は少なくとも前記複数の画像形成装置のいずれかの障害に関する状態を含む、請求項2に記載の消耗品管理方法。
  4. 前記稼働状態は前記複数の画像形成装置それぞれの使用頻度を含む、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の消耗品管理方法。
  5. 前記複数の画像形成装置全体の稼働状態に関する情報は、稼働可能な画像形成装置の台数に対応する情報である、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の消耗品管理方法。
  6. 前記稼働可能な画像形成装置の台数と前記複数の画像形成装置それぞれの使用頻度に基づき、前記予測された消耗品の補充時期または交換時期を補正する、請求項5に記載の消耗品管理方法。
  7. 前記予測ステップは定期的に行われるとともに、
    前記補正ステップは、前記予測ステップの予測の周期以下の周期で、前記複数の画像形成装置全体の稼働状態に関する情報を定期的に取得し、補正を行う、請求項1から請求項6までのいずれかに記載の消耗品管理方法。
  8. ネットワークに接続される複数の画像形成装置への消耗品の補充または交換を要求するための消耗品管理方法であって、
    前記複数の画像形成装置のそれぞれによる消耗品の消耗度に基づいて、当該画像形成装置への消耗品の補充時期または交換時期を予測する予測ステップと、
    前記複数の画像形成装置全体の前記ネットワークへの接続状態に関する情報に基づいて、予測された消耗品の補充時期または交換時期を補正する補正ステップと、
    を含む消耗品管理方法。
  9. 前記予測ステップは定期的に実行されるとともに、
    前記補正ステップは、前記予測ステップの予測の周期以下の周期で前記複数の画像形成装置全体の接続状態に関する情報を定期的に取得し、補正を行う、請求項8に記載の消耗品管理方法。
  10. 前記補正ステップは、ネットワークに接続された画像形成装置として登録された画像形成装置の識別情報によって得られた台数に基づき、予測された消耗品の補充時期または交換時期を補正する、請求項8または請求項9に記載の消耗品管理方法。
  11. 前記補正ステップは処理可能なジョブの種類またはシートの属性が共通する画像形成装置ごとに、対応する画像形成装置の台数に基づき消耗品の補充時期または交換時期の補正を行う、請求項1から請求項10までのいずれかに記載の消耗品管理方法。
  12. 前記ジョブの種類は、処理対象の画像がモノクロとカラーとのいずれであるかを示す、請求項11に記載の消耗品管理方法。
  13. 前記予測ステップは、前記消耗品の消耗度が所定の閾値に到達する時点を補充時期または交換時期の到来とみなす、請求項1から請求項12までのいずれかに記載の消耗品管理方法。
  14. 補正された消耗品の補充時期または交換時期が到来したとき、対応する画像形成装置への消耗品の補充、交換、または発注を行うための情報を出力する出力ステップ、
    を更に備えた、請求項1から請求項13までのいずれかに記載の消耗品管理方法。
  15. 前記予測ステップは、消耗品の発注から納品までに必要な時間に基づいて当該消耗品の補充時期または交換時期を算出する、請求項1から請求項14までのいずれかに記載の消耗品管理方法。
  16. 請求項1から請求項15までのいずれかに記載のステップをコンピューターに実行させる消耗品管理プログラム。
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