JP2008129496A - 光モジュール製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光通過用貫通孔の中心が、レーザ光出射軸に一致し、かつ光学的基準面の位置となる光通過用貫通孔の上端が光コネクタのフェルールの先端に整合するように位置決めしながら調芯作業を行う光モジュール製造方法を提供する。
【解決手段】光モジュール製造方法は、スリーブを備える光モジュールの製造方法であって、前記スリーブに前記光モジュール外部から、フランジを備える光コネクタに付随するフェルールを挿入し、前記フランジに重りを載せ、前記フェルールの先端を前記スリーブ内に想定される光学的基準面に保持する。前記重りは磁石とし、前記スリーブは磁性材料で形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、モニタ用の光出力を最適に保持した状態で組み立てる光モジュール製造方法に関する。
光ファイバを伝送路とする光モジュールの製造時、調芯を行いながら組み立てる方法は種々提案されている。例えば、調芯のために金属スリーブを爪状の治具で押さえ、金属スリーブと光モジュールとの溶接固定を安定化させる製造方法(特許文献1、2参照)、レーザーチップを光ファイバの光軸からずらして設け、レーザーチップに反射する光を防ぎ調芯作業を容易にする製造方法(特許文献3参照)、発光素子と光ファイバとの光軸方向の間隔を調節して調芯し結合効率を向上させる製造方法(特許文献4参照)等がある。また、例えば、特許文献5には、ステムスリーブの上面壁に光ファイバフェルールの端面を接触させて、光軸と直角方向に微動させ光軸合わせを行い組立精度の向上を図る組立方法が示されている。
図7は前記特許文献5に開示の光モジュールの構成図である。
この光モジュールでは、図7(A)に示すように、ステムスリーブ50とセラミック筒51aを備えたフェルールホルダ51bとを製造する際、フェルールホルダ51bに光コネクタ52の光ファイバフェルール52aを挿入し、光ファイバフェルール52aの先端をステムスリーブ50の上面壁50aに設けた光通過用貫通孔50bの上端の光学的基準面53に接触させた状態で光軸合わせを行う。
このとき、最大の光結合が得られるように、ステムスリーブ50の上面壁50aに対するフェルールホルダ51bの位置調整を行なう。このステムスリーブ50は、上面壁50aに形成した光通過用貫通孔50bの中心が、レーザ光出射軸に一致し、かつ光通過用貫通孔50bの上端が光学的基準面に一致するようにステム55に対して溶接固定されている。また、図7(B)に示すように、フェルールホルダ56の内部には、光コネクタ52の光ファイバフェルール52a(図示省略)を挿入した際に、光ファイバフェルール52aの先端が当接する光学的基準面となる止まり部57が形成されている。
また、特許文献6には、フェルールホルダ内にスタブを備える光モジュールが開示されている。図8は、前記特許文献6に開示の光モジュールの構成図である。
この調芯対象の光軸は、ステム55のサイド面55aにチップキャリア58を介して設けたLD(Laser Diode)59と、ステム55上にレンズキャップ60を介して保持されるレンズ61により構成される。ところで、この光軸に係わる構成について、LD59とレンズ61が直線上に真っ直ぐ実装されて光ファイバに結合すると、ファイバ端面からの反射光がLD59に戻り、出力が変動する不具合が起こることがある。
また、反射を防止する為、スタブ62のLD側の端面に角度を設けているが、その角度の影響でスタブ中央の結合ファイバ63の光軸に真っ直ぐ入射した光がスタブ62を伝搬する際に、干渉が起こり、光結合が落ちることがある。この光結合が変動すると、光結合の出力をモニタしながら正しく調芯を行うことが困難になる。
このため、LD59とレンズ61の実装位置を結合ファイバ63の光軸に対してオフセットを施し、光を結合ファイバ61の端面に対し斜めからファイバに入射するようにしている(スタブ端面が光軸に対してそもそも角度を有しているので、オフセットを施すことでさらに入射角が大きくなる)。
このとき、スタブ62はスリーブ組立体64中に保持されている。スリーブ組立体64は、スリーブ65、ブッシュ66、及びカバー67を有し、スリーブ組立体64の内部根元部にスタブ62が保持される。スリーブ組立体64と、LD59を搭載する光デバイス(ステム55、LD59、レンズキャップ60、レンズ61からなる)との間の光学的調芯方法は2通りある。
1つは、光軸に平行な方向(Z方向)について、スリーブ組立体と光デバイスの両者の間に介在させるJ−スリーブ(Joint−Sleeve)68を、レンズキャップ60の外周に沿ってスライドさせることで行う。
もう1つは、光軸に垂直な2方向(XY方向)について、スリーブ組立体64をJ−スリーブ68の端面上でスライドさせることにより行う。
このスリーブ組立体68と光デバイスの調芯時には、光コネクタにおける光ファイバ(図示省略)を挿通保持したフェルール(図示省略)をスリーブ65に挿入し、そのフェルール先端をスタブ62の先端と物理的に接触させる(Physical Contact)。そして、LD59に実際に電流を流してLD59を発光させ、その光をフェルール内の光ファイバに集光し、この光ファイバの他端に接続されたパワーモニター計(図示省略)で光出力を観測しながら位置合わせを行う。
所定の光結合状態が得られたならば、その位置で光デバイスとJ-スリーブ68、J-スリーブ68とスリーブ組立体相互をYAG溶接により固定する。
特開平09−005585号公報 実開平05−018785号公報 特開平10−096839号公報 特開2005−010211号公報 特開平07−335984号公報 特開2005−10216号公報
図7に示されるスタブ無しの光モジュールの場合は、光ファイバフェルール52aをスリーブとなるフェルールホルダ51bに挿入し、中央に保持された光ファイバに直接光結合させて出力を得る。
しかし、このとき、プラグフェルール52aの先端がスリーブとなるフェルールホルダ51b内の光学的基準面53の位置より浮く(プラグフェルール52aの先端がLDに対してより離間した位置に動く)と、光出力安定性、特にウイグル(Wiggle)特性が悪化する。
また、図8においては、光コネクタを用いた調芯工程時に、本来物理接触しているべきフェルールの先端と光学的基準面を形成するスタブ62の先端が実際にはPC状態(物理的接触状態)に無い場合があり、これが原因となって、調芯時にフレネル反射が起こり、光パワーが安定しないことがある。
Wiggle特性は、ファイバコア端面と当該端面での光ビームの断面積の関係に依存する。光ファイバがゆすられてファイバ端面がビーム位置に対して相対的に移動し、コアに入射する光量(ビーム断面とコア断面との重なり部分に依存)が変化することでWiggle特性が悪化する。
なお、ビーム径を絞ってコア断面よりも小さくし、かつ、光ファイバをゆすってもビームがコア断面から外れなければWiggle特性の劣化は少ない。
プラグフェルール52aをフェルールホルダ51bに挿入し、光結合を調整した後であっても、その状態でプラグフェルール52aに繋がる光ファイバをゆする(ぶらぶらさせる:Wiggleの原義)と、光結合効率がこのぶらぶらに共鳴して変動する。この変動現象を伴わずにこれらを安定に製造するには、常にプラグフェルール52aの先端がフェルールホルダ51bの光学的基準面の位置に整合する必要がある。
プラグフェルール52aは浮いたまま実装されると、本来整合する光学的基準面より上方の離れた位置で光結合するため、本来の最高光出力がでない。
更に、実装位置が光学的基準面と異なることにより、規定の位置にきちんと挿入されていないことになるため、Wiggle特性が悪くなる。このことは、LDとレンズの実装位置にも関連する。
光コネクタを用いた調芯作業時に、本来物理接触しているべき組立用ファイバの先端と光学的基準面を構成するスタブの先端が実際にはPC状態に無い場合があり、これが原因となって、調芯時にフレネル反射が起こり、光パワーが安定しない問題が発生する。
更に、レセプタクルタイプの場合には、光コネクタ端に対してレンズ、LDがそれぞれファイバの光軸に対してオフセットされる。そのため、光がこの光コネクタ端に斜めに入射する際に、入射端位置(結合ポイント)がずれて、トレランスカーブの頂点で実装できなくなる。これにより、Wiggle特性まで劣化してしまう。
これは、フェルールを光軸方向(Z方向)に変位させた際、図9に示すトレランス(許容値)カーブの頂点がずれていることに起因する。それぞれ光軸方向に変異させたトレランスカーブの頂点を結ぶと線Tとなり分かる。
図9は、上記オフセット量を0から400μmまで50μm毎にとり、光コネクタをスリーブに対し光軸方向(Z方向)に変位させたときの光出力特性を示したグラフである。また、図7に示されるようなスリーブ内にスタブを有しない構造の場合には、溶接時に調芯ずれが発生し易い。このため、フェルールに対し光軸と垂直方向に懸かる荷重に対する挿入損失変動、反射減衰量変動の特性、即ち、ウイグル(Wiggle)特性が悪くなる。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、光通過用貫通孔の中心が、レーザ光出射軸に一致し、かつ光学的基準面の位置となる光通過用貫通孔の上端が光コネクタのフェルールの先端に整合するように位置決めしながら調芯作業を行う光モジュール製造方法を提供することにある。
本発明の光モジュール製造方法は、スリーブを備える光モジュールの製造方法であって、 前記スリーブに前記光モジュール外部から、フランジを備える光コネクタに付随するフェルールを挿入し、前記フランジに重りを載せ、前記フェルールの先端を前記スリーブ内に想定される光学的基準面に保持する。
なお、スリーブ内にスタブを備える場合は、光学的基準面の位置はスタブの光コネクタ側の先端とする。また、想定される光学的基準面は、スリーブの構成に応じて決まることとなる。
また、前記の重りを磁石とし、スリーブを磁性材料で形成とする。
さらに、前記の重りは、フランジに当接する側にテーパー部を形成し、軸方向に貫通孔と該貫通孔に連設されたスリットを設けたものとし、光コネクタの光ファイバ部分をスリットから貫通孔内に挿入する。
本発明によれば、重りにより、光ファイバを保持したフェルールの先端を、スリーブ内の光学的基準面の位置に整合した状態を維持するので、光結合を正常に構成することができる。これにより光出力を一定且つ正常に確保することができ、さらに、調芯時にフレネル反射の発生を抑制でき、光出力を安定に保った状態で光モジュールを組立・製造を行うことができる。
また、上記のようにフェルールの先端を、スリーブ内の光学的基準面の位置に整合した状態を維持するので、Wiggle特性を良好な状態に維持することができる。
重りを磁石とし、対向するスリーブを磁性材料で形成とすることにより、重りの重力以外に磁力による磁気吸引力の作用によって、前記整合状態を強固に維持することができる。この結果、製造過程でのモニタリングの精度を高めることができる。
重りは軸方向に貫通孔と該貫通孔に連設されたスリットを設けたものとし、光ファイバをスリットから貫通孔内に挿入するようにしたので、重りの光コネクタへの装着が容易となり、効率的な光モジュールの製造ができるようになる。
重りは、フランジに当接する側にテーパー部を形成したので、スリーブ把持の作業を容易にし、荷重のかかり方を均等にすることができる。
本発明の実施形態を図に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の光モジュール組立方法に用いる光コネクタの一般的な構成図である。この光コネクタをここでは「組立ファイバ」と言うものとする。この組立ファイバ1は、光ファイバ1aと、この光ファイバ1aを中心に保持するフェルール1bと、このフェルール1bを把持するように設けたフランジ1cとからなる。フランジ1cは鍔部1dを有する。この鍔部1dは光ファイバ1aおよびフェルール1bに直交する向きの面を有する。フェルール1bの先端1eはスリーブの光学的基準面と当接される。この鍔部1dの段部1fには、後述する重りが載置される。
図2は光コネクタのフェルールを受けたスリーブをスリーブチャックで把持した状態を示す図である。スリーブ2は既に組立が終わった光デバイス収納体(例えば、ステム上に設けられた発光素子やレンズ等を収納するステムスリーブ等)4上に載置され、スリーブチャック5で把持され、位置調整される。
本発明の光モジュールは、組立ファイバ1のフェルール1bを受ける開口2aを構成するスリーブ2を備える。スリーブ2は前記開口2aを形成するためにスタブを備えないものと備えるものがある。
スタブを含めたスリーブの構成は前記開口2aを画成する一体の構造物として認識し、光ファイバ1aを保持したフェルール1bの先端1dと、この先端1dが整合(当接、突き合わせ等)する光モジュールのスリーブ2内の底部2b上面の光学的基準面2cの位置を基準として位置合わせを行う。スリーブ2は、凹状の開口2aを形成するために、側壁部2d、底部2b、開孔2eからなる。以下、スタブを備えない例と備える例について説明する。
図2はスタブを備えない例であるが、考え方としてはスタブを有する場合も同じである。スリーブを位置決め組立するとき、既に組み立てた光デバイス収納体4の上に、組立ファイバ1を所定位置に組み込んだスリーブ2を載置し、このスリーブ2をスリーブチャック5により把持し、光結合を介した光出力をモニタリングしながら、左右に微動させて調芯する。
このスリーブ2は、図7(A)で説明したように、セラミック筒51aを備えたフェルールホルダ51bと、ステムスリーブ50の上面壁50aが相当し、同じく、図7(B)に示すように、フェルールホルダ56と、止まり部57が相当する。
組立ファイバ1のフェルール1bの先端1eは、図7(A)の光ファイバフェルール52aの先端面が相当する。
フェルール1bの先端1eが当接する光モジュール内の光学的基準面の位置は、図7(A)に示すステムスリーブ50の上面壁50aに形成した光通過用貫通孔の上端が相当し、図7(B)ni示す光学的基準面となる光ファイバフェルールの止まり部57が相当する。
また、スリーブ2の開孔2aは、図7(A)に示すセラミック筒51aを備えたフェルールホルダ51bと、ステムスリーブ50の上面壁50aにより画成される開口が相当し、同じく図7(B)に示すフェルールホルダ56と、止まり部57により画成される開孔が相当する。
図3はスリーブと組立ファイバの挿入状況を示す図であり、図3(A)は組立ファイバがスリーブの開口の奥の光学的基準面の位置であって両者が当接する位置まで挿入された状態を示す図、図3(B)は組立ファイバがスリーブの開口の奥の光学的基準面の位置まで挿入されていない状態を示す図である。
従来、光結合の出力をモニターしながら光モジュールの組立を行うときには、図3(A)に示すように、組立ファイバ1におけるフェルール1bの先端1eがスリーブ2の開口2aの奥の光学的基準面2cの位置に整合(当接(PC(Physical Contact:物理接触))した状態で光結合の出力をモニターしながら調芯を行い組み立てている。
この場合、一度組立ファイバ1の先端1aをスリーブ2の光学的基準面2cの位置に整合したならば、調芯・組立工程が完了するまでこの整合状態が有効に機能することを前提としている。
しかし、一度はスリーブ奥端にまで押し込んだはずのフェルール1bが、調芯時にだんだんとスリーブ2の光学的基準面2cの位置から離れて浮いてしまうことがある。これは、調芯時の細かいXY及びZ方向の動きに、フェルールが追随出来ないことが原因となっている。
また、フェルール1bが浮くことにより当初の光結合効率(発光素子からの光出力に対する光ファイバ端の出力の比率等)が変動する。このため、調芯作業時、正確なモニタリングができなくなるという問題も副次的に発生している。
なお、スリーブ内にスタブを備える光モジュールの例では、図2および図3に示すスリーブ2は、図8で説明したスタブ62、第1のスリーブ66、第2のスリーブ65、第3のスリーブ67が相当し、開口2aに、スタブ62、第2のスリーブ65、第3のスリーブ67で形成される開口が相当し、底部2bに、スタブ62の先端が相当する。
そうとすると、光コネクタ1のフェルール1bの先端が整合する光モジュールにおけるスリーブ2の光学的基準面2cの位置は、開口2aの底部2bに相当するスタブ62の先端となる。
本発明の光モジュールの製造方法は、組立ファイバのフェルールの先端をスリーブ内の光学的基準面の位置に整合させるように配置した状態を保ちながら、モニタリングにより光結合出力を検出して調芯し組み立てることを前提とする。
このとき、(1)重りの重力により組立ファイバをスリーブ内に押し込み、その状態を保持し、組立ファイバの光学的基準面をスリーブ内の規定位置に整合させて保持する。(2)前記おもりを磁石で構成し、重力と磁力により同じく整合させて保持することに特徴を有する。なお、組立ファイバを構成するフランジを、既存のものよりも比重の大きい物質で形成する手段とすることもできる。
重りにより組立ファイバに荷重を加えて常に組立ファイバの先端の光学的基準面がスリーブの規定位置(結合ポイント)に整合し保持できるようにする。図4は本発明で用いる重りの一例を示す図である。図4(A)は重りを組立ファイバへ載置した状態の斜視図、図4(B)は重りと組立ファイバの分解図、図4(C)は図4(A)の側面図である。
フェルール1bの長さは、スリーブの側壁部の長さ(例えば、図7において、スタブ62の端面からスリーブカバー67の先端までの長さ)よりも長く設定される(そうしないと、フランジ1cの鍔部1dがスリーブカバー67の先端に接触し、荷重がかからない)。
重り3は、長さ方向の貫通孔3aから半径方向へスリット3bを設けた中空円筒体で構成する。重り3の組立ファイバ側は平坦面3cに形成されている。重り3は、スリット3bから貫通孔3aに光ファイバ1aを挿通し、フランジ1cの鍔部1dの段部1fに重り3の平坦面3cを載置することにより装着される。貫通孔3aの内径は、重り3の平坦面3cがフランジ1cの段部1fに載るように形成する。なお、重り3の形状は中空円筒以外の形状でもよい。
図5は本発明の組立ファイバに当接する側にテーパー部を設けた重りの実施例である。
重り3には、図5に示されるように、組立ファイバ1の鍔部1dの段部1fに当接する側にテーパー部3dを設け、スリーブチャックとの干渉を防止するようにしてもよい。テーパー部3dは、フランジ1cの段部1fと当接する端面と、外周に形成され端面に向かって半径方向の径が小さくなるテーパー面を有する。テーパーの角度は任意に設定できる。
以上、説明したように、組立ファイバ1のフランジ1cは、重り3を載置する段部1fを有し、この段部1fの平面により重り3を支持する。具体的な荷重は、組立ファイバ1の形状によるが、一般的には、例えば、20〜200gの範囲とする。20g程度の場合、フェルール1bの外径とスリーブ2の内径との差は2μm程度必要だが、フェルール1bの先端をスリーブの開口を画成する底部に当接できる限界レベルである。200gの場合、フェルール1bの中心へ均等に重り3の荷重が掛かる工夫が必要で、これ以上の重さになると組立ファイバのバランスが取りづらくなる。
実施例2は、実施例1の重り(荷重)を比較的強力な磁石で構成し、スリーブを磁性材料で形成した例である。このように構成することにより、磁性材料製のスリーブを磁石の重りにより磁気的に吸引する。この結果、相対的に組立ファイバのフェルールが磁性材の金属スリーブの開孔内に奥まで強制的に挿入され、組立ファイバの先端が磁性材料製のスリーブ内の光学的基準面の位置に整合される。
図6に本発明の磁石の重りを用い、強制的にフェルールを磁性材の金スリーブの開孔内に奥まで挿入する過程を示す。仮に、図6(A)の状態になったとしても、重り3の重力と磁石の磁気吸引力により図6(B)の組立ファイバの先端1eが磁性材料製のスリーブ2内の光学的基準面2cの位置に整合される。この場合、荷重は20g程度でも良い。この時挿入されるフェルールの材質はジルコニアで、スリーブの材質は任意の磁性材料とする。
他の実施例として、組立ファイバのうち、光ファイバを保持するフェルールを除き、残りのフランジを上記問題の位置ずれが発生したときのものより比重の大きい物質、例えば、タングステン(W)等で形成することもできる。これにより、従来の構成部品に重りの機能を追加することができる。
次に、本発明の光モジュールの調芯の手順を図8のスタブを備えた例で説明する。
(a)光デバイス収納体(搭載部材+半導体発光素子59+ハウジング60)を、レンズ61を上方に向け所定の治具(図示省略)上にセットする。
治具は、ステム55の鍔がストッパとなる様な開口(図示省略)を有するもので、当該開口中にステム55のリードピンを落としこむ。開口奥にリードピンと接続するコネクタを有していてもよい。
(b)ハウジング60にJ−スリーブ68を被せ、J−スリーブ68上にスリーブ組立体(光レセプタクル64=スタブ62+第1のスリーブ66+第2のスリーブ65+第3のスリーブ67)をセットする。
(c)スリーブ65内に図1に示す組立ファイバ1のフェルール1bを挿入し、その先端をスタブ62の先端に現れる結合ファイバ63の先端と物理接触させる。このスタブ62の先端に現れる結合ファイバ63の先端が光学的基準面の位置になる。
この状態で、重りを装着する。即ち、図1に示す組立ファイバ1におけるフランジ1cの鍔部1dに、光ファイバ1aを図4のスリット3bに挿通した重り3を載置する。
又は、磁石でできた重り3を、磁性材でできたスリーブ2内に挿入されているフェルール1bに設けたフランジ1cの鍔部1dに同じく載置する。
これにより、フェルール1bの先端がスリーブ2の開口2aにおけるスタブ先端の光学的基準面の位置に保持される。
スリーブと組み立てファイバの結合の様子は図3に示される通りである。
(d)治具の開口に覗いている光デバイスのリードピンから電流(信号)を供給して、実際にLDを発光させる。このとき、組み立てファイバの他端(スリーブに係合していない端)は光パワーメータ(図示省略)に接続されていて、LDの発光強度をこのパワーメータで観測する。
(e)J−スリーブ68をハウジング60上で光軸方向にスライドし、所定の(最大)光強度となる位置を決定する。
(f)スリーブ組立体64をJ−スリーブ68上でXY方向にスライドさせ所定の(最大)光強度が得られる相対位置を決定する。この時、通常は、得られた光強度は所定値を上回る。そこで、J−スリーブ68を再度ハウジング60外周面上でスライドさせ、光強度を減ずる(デフォーカス)。
(g)最終的に決定された位置で、J−スリーブ68とハウジング60外周面、およびスリーブ組立体(スリーブカバー67)とJ−スリーブ68端面との間をYAG−溶接して部品を固定する。
スタブを備えない光モジュールの場合にも、同様の手順を実行することにより、光モジュールを調芯しながら組立製造することができる。なお、上記重りを装着する手順を上記手順(e)又は手順(f)で実行するようにしてもよい。また、重りが適切でない場合には、任意の手順のタイミングで、スリットを利用して光ファイバから不適切の重りをはずし、適切な重りを同じくスリットを利用して装着することができる。
本発明の光モジュール組立方法に用いる光コネクタの1例を示す図である 光コネクタのフェルールを挿入位置決めした光モジュールのスリーブをスリーブチャックで把持した状態を示す図である。 スリーブに光コネクタを挿入した状態を示す図である。 本発明の重りを用いた実施例を説明する図である。 本発明のテーパー部を設けた重りの1例を説明する図である。 本発明の磁石の重りを用いる実施例を説明する図である。 従来技術を説明する光モジュールの1例を示す図である。 従来技術を説明するスタブを備える光モジュールの1例を示す図である。 光軸方向に調節したときのトレランス特性を示す図である。
符号の説明
1…組立ファイバ、1a…光ファイバ、1b…フェルール、1c…フランジ、1d…鍔部、1e…先端、1f…段部、2…スリーブ、2a…開口、2b…底部、2c…光学的基準面、2d…側壁部、2e…開孔、3…重り、3a…貫通孔、3b…スリット、3c…平坦面、3d…テーパー部。

Claims (5)

  1. スリーブを備える光モジュールの製造方法であって、前記スリーブに前記光モジュール外部から、フランジを備える光コネクタに付随するフェルールを挿入し、 前記フランジに重りを載せ、前記フェルールの先端を前記スリーブ内に想定される光学的基準面に保持する、ことを特徴とする光モジュールの製造方法。
  2. 前記光モジュールは前記スリーブ内にスタブを備え、前記光学的基準面を前記スタブの光コネクタ側の先端とすることを特徴とする請求項1に記載の光モジュールの製造方法。
  3. 前記重りを磁石とし、前記スリーブを磁性材料で形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の光モジュールの製造方法。
  4. 前記重りは前記スリーブの軸方向に貫通孔と該貫通孔に連設されたスリットを有し、前記光コネクタが有する光ファイバを前記スリットから前記貫通孔内に挿入することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光モジュールの製造方法。
  5. 前記重りは、前記フランジに当接するテーパー部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光モジュールの製造方法。
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