JP2008127904A - 電気錠 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 錠ケース5に進退可能に設けられるラッチボルト6と、錠ケース5に枢支されてラッチボルト6を後退不能に係止するよう付勢される第一ストッパー62および第二ストッパー63と、ソレノイド10により枢軸83まわりに回動し、その枢軸83が錠ケース5に対し上下動可能に保持されたテコ板77と、このテコ板77と第二ストッパー63とを連結する第一リンク材76と、枢軸83を上方位置または下方位置に位置決めする切替機構11とを備える。切替機構11は、錠ケース5に枢支されると共に、テコ板77に第二リンク材94を介して連結される切替部材95を備え、切替部材95の回動が規制されることで枢軸83の位置決めがなされる。
【選択図】 図2
Description
このような場合、たとえば電気錠を扉に取り付けた後に、型式を間違えていた場合には、扉から電気錠を取り外し、再び違う型式の電気錠を取り付け直す必要があった。
この特許文献1に開示された発明によれば、操作片(5)を操作するだけで、電気錠を交換することなく、通電時施錠タイプまたは通電時解錠タイプのいずれかに切り替えることが可能とされる。
このため、部品数が多くなり、かつ、二つのレバー列を収容するためのスペースが錠ケースに必要となり、コンパクト化が困難となっている。
なお、上記括弧書きの数字は、特許文献1における符号を示す。
ここでは、本発明の電気錠が例えばビルの通用口に適用される場合について説明する。
なお、以下の説明においては、扉が閉鎖した状態において室内外方向を前後方向とし、扉の幅方向を左右方向とする。
また、図3は、図2の主要部を示す図であり、施錠機構などを示している。
さらに、図4は、本実施例の電気錠を戸先側から見た図であり、(a)はフロント板が取り外され、フロント裏板が露出した状態を示しており、(b)はさらにカバーが取り外された状態を示している。
そして、本実施例の電気錠は、通電時解錠タイプ(ソレノイドに通電している間は解錠状態)、または通電時施錠タイプ(ソレノイドに通電している間は施錠状態)のいずれかのタイプに切り替え可能な構成とされる。
以下においては、まず、本実施例の電気錠が、図2に示すように、通電時解錠タイプにセットされ、施錠された状態について説明する。
具体的には、扉2は、扉枠(不図示)の一側端部に、ヒンジを介して回動可能に取り付けられている。そして、扉2に設けられた取手4を操作することで、ラッチボルト6が進退して扉2の開閉を行うことができる。この取手4は、扉2の室外側と室内側の双方に設けられており、本実施例ではノブ型の取手とされる。
また、本実施例の電気錠1は、通電時解錠タイプまたは通電時施錠タイプのいずれかに切り替えるための切替機構11も備える。
本実施例の錠ケース5は、室外側(基端側)へ開口するケース本体5Aと、その開口を閉じるようケース本体5Aに重ね合わされてネジで固定される矩形板状の蓋5Bとを備える。
具体的には、図2に示すように、錠ケース5の左側壁面(戸先側端面)13には、矩形板状のフロント裏板14が重ね合わされる。そして、図2に示すように、錠ケース5が扉2に埋め込まれると共に、フロント裏板14を介して扉2の戸先側端部に取付ネジ15で錠ケース5が扉2に固定される。
そして、フロント板16が扉2の戸先側端面に重ね合わされてネジ17でフロント裏板14に固定される。
また、図3および図4に示すように、錠ケース5の左側壁面13には、後述する切替部材95の操作部98が差し込まれる穴18が形成されている。
さらに、フロント裏板14には、錠ケース5の穴18に対応した位置に矩形状の開口部19が形成されており、この開口部19には、矩形板状のカバー20がはめ込まれてネジ21で錠ケース5に固定されている。
カバー20の貫通穴22,23は、切替部材95の操作部98に対応した大きさとされる。また、このカバー20は、フロント裏板14にフロント板16が重ね合わされることで、外部から視認されることはない。
本実施例のラッチボルト6は、錠ケース5の戸先側端面13から突出して扉枠(不図示)の戸先側縦枠24に設けられた受25の受穴25aに突入するラッチ頭部26と、このラッチ頭部26に設けられる丸棒状のラッチ軸部27と、このラッチ軸部27が挿通されるラッチガイド板28とを有する。
また、ラッチ頭部26の右端部には、右側へ開口する筒状部29が一体に形成されており、この筒状部29にラッチ軸部27の左端部がはめ込まれてラッチ頭部26にラッチ軸部27が固定されている。
支持部材31は、板材を屈曲して形成された右側へ開口するコ字形材とされ、その中央片32には左右方向に沿って貫通穴が形成されている。
そして、この支持部材31の貫通穴にラッチ軸部27が挿通されて、ラッチ軸部27が支持部材31に左右方向に移動可能に保持されている。
また、ラッチガイド板28の右端片34には、先端側および基端側へ突出して矩形状の突部36が一体に形成されている。
さらに、ラッチガイド板28の中央片の左右方向略中央部には、下方へ突出して矩形状の係止部37が形成されている。
そして、ラッチ軸部27にラッチガイド板28が取り付けられた状態において、ラッチ軸部27の右端部38は、ラッチガイド板28の右端片34から右側へ延出している。
このような構成のラッチ頭部26、ラッチ軸部27およびラッチガイド板28は左右方向に一体に移動する。
さらに、ラッチ軸部27には、コイルバネ39が挿通されており、バネ39の一端部がラッチガイド板28の左端片33に当接する一方、他端部が支持部材31の中央片32に当接している。
これによりラッチボルト6は、戸先側へ付勢されており、ラッチ頭部26はフロント裏板14およびフロント板16の穴14a,16aを介して戸先側へ突出可能とされている。
そして、図2に示すように、閉扉され施錠された状態においては、ラッチ頭部26は扉枠に設けられた受25に突入している。
なお、取手4の先端部には、断面矩形状の軸部(不図示)が一体に設けられている。
室外側ラッチ後退操作機構7Aと室内側ラッチ後退操作機構は同様の構成であり、以下においては室外側ラッチ後退操作機構7Aについて説明する。
また、ラッチハブ40には、その中央部に前後方向に沿って略矩形状の貫通穴45が形成されている。
ラッチハブ板41の一片47には、略U字状に切り欠かれて外方へ開口する凹部49が形成されている。
また、ラッチハブ板41の一片47には、先端側へ突出して円柱状のピン50が一体に設けられている。
図2に示すように、施錠され、取手4が回転操作されていない状態では、ラッチハブ板41の他片48は、支持部材31とラッチガイド板28の右端片34との間に配置されている。
なお、この施錠状態では、図2に示すように、ラッチハブ板41の他片48とラッチガイド板28の右端片34との間には隙間Sが生じている。
また、ラッチハブ40の係合片44は、その上端部がラッチハブ板41のピン50に時計方向側から当接している。
ハブテコ42の開放両端片の各中央部には、前後方向に沿って貫通穴42aが形成されている。このハブテコ42の貫通穴42aに、錠ケース5に前後方向に沿って一体に設けられる枢軸51がはめ込まれて、ハブテコ42は枢軸51まわりに回動可能に錠ケース5に保持されている。
また、ハブテコ42の開放両端片には、下方へ突出して板状の接続片55がそれぞれ形成されている。
スライド部材43は、錠ケース5の底壁に左右方向に移動可能に載せ置かれている。
この室内側端片56の右端部には、上下方向に細長い貫通穴58が形成されている。
スライド部材43は、その室内側端片56の右端部が、ハブテコ42の接続片55,55間に差し込まれて、スライド部材43の長穴58を通るように、ハブテコ42の接続片55,55間にピン59が前後方向に沿って差し込まれ、スライド部材43がハブテコ42に連結されている。
第二ストッパー63の中央部には、上方へ開口する略コ字形の凹部67が形成されている。また、凹部67の右側端縁67aは、上方へ行くに従って右側へ傾斜している。
また、第二ストッパー63の中央部には、先端側へ突出して第二ピン69および第三ピン70が一体に設けられている。
さらに、第二ストッパー63の右端部には、先端側へ突出して第四ピン71が一体に設けられている。
これにより第一ストッパー62は、枢軸61まわりに反時計方向へ付勢されている。
これにより、第二ストッパー63は、枢軸61まわりに反時計方向へ付勢されている。
この際、第一ストッパー62の他片65は第二ストッパー63の第二ピン69に反時計方向側から当接または近接している。
そして、図2に示す状態では、第二ストッパー63の左端部は、第一ストッパー62の一片64の左端部より若干右側に配置されて段部35に近接している。
第一リンク材76は、その上端部に、長手方向に沿って長穴78が貫通して形成されていると共に、下端部に円形の貫通穴79が形成されている。
第一リンク材76は、その下端部の貫通穴79に第二ストッパー63の第一ピン68が回動可能にはめ込まれて、第二ストッパー63に連結されている。
テコ板77の一片80の上端部には、長手方向に沿って細長い貫通穴82が形成されている。
また、テコ板77の一片80の中央部には、前後方向に突出してピン83が一体に設けられている。
つまり、テコ板77の一片80の中央部には、先端側および基端側へ同軸上に突出してピン83が設けられている。
なお、取付部材86は、略矩形状の板状体とされ、錠ケース5の室内側壁面30と平行に離隔して配置されて錠ケース5に固定されており、上下方向に細長い貫通穴87が形成されている。
また、テコ板77は、その他片81のピン85が第一リンク材76の長穴78に回動可能に、かつ長穴78に沿って移動可能にはめ込まれて、第一リンク材76に連結されている。
ソレノイド10は、リード線89を介して遠隔の管理室などから通電制御できるようにされており、通電によりプランジャ88を吸引駆動する。つまり、ソレノイド10に通電された場合、プランジャ88はソレノイド10に引き込まれ、図2において、右側へ移動する。
テコ板77は、その一片80の上端部がプランジャ88の溝に差し込まれている。
そして、プランジャ88およびテコ板77を挟み込むように、ガイド部材90が設けられる。
また、ガイド部材90の開放両端片は、中央片より下方へ延出しており、この開放両端片間にプランジャ88の左端部およびテコ板77の一片80の上端部が配置されている。
そして、ガイド部材90の開放両端片間に前後方向に沿ってピン92が差し込まれる。
このピン92は、プランジャ88の左端部に前後方向に沿って差し込まれると共に、テコ板77の長穴82にも挿通されている。
これにより、ガイド部材90は、枢軸91まわりに時計方向に付勢されている。
なお、ガイド部材90に取り付けられたバネ93は、第二ストッパー63に取り付けられたバネ73より付勢力が強い。
第二リンク材94は、その貫通穴97がテコ板77の一片80のピン83の基端側に回動可能にはめ込まれてテコ板77に連結されている。
切替部材95の右端部には、前後方向に沿って貫通穴99が形成されている。
また、切替部材95の中央部には、前後方向に沿って貫通穴100が形成されている。
また、切替部材95の右端部の貫通穴99に、第二リンク材94のピン96が回動可能にはめ込まれて、第二リンク材94に連結されている。
そして、フロント裏板14の開口部19にカバー20がはめ込まれて、錠ケース5の左側壁面13にネジ21で固定される。
この際、図2に示すように、切替部材95の操作部98がカバー20の下側の穴23に差し込まれて回動不能に位置決めされることで、本実施例の電気錠1は通電時解錠タイプにセットされる。
これに伴い、第二リンク材94に連結されたテコ板77も、上方位置に配置される。
さらに、テコ板77の係止ピン84は、第二ストッパー63の凹部67の上方に配置されている。
そして、第一ストッパー62は、バネ72の付勢力により、その一片64の左端部がラッチボルト6の段部35に当接し、ラッチボルト6の後退を阻止して施錠状態としている。また、第二ストッパー63もバネ73の付勢力により揺動されて、その左端部は段部35に近接している。
このツバ部108の一部には、歯109が形成されており、本実施例では、約半周部分に歯109が形成されている。
なお、ハブ105の内穴105aの径方向両端部は、径方向内側へ三角形状に突出している。
取付座110は、板材を屈曲して形成された下方へ開口する略コ字形材とされ、その室内側端片にハブ105の外径に対応した円形の貫通穴が形成されており、ハブ105の先端部が回動可能に差し込まれている。
また、取付座110の室外側端片には、略半円形の切欠きが形成されており、ハブ105の基端部外周面に当接している。
このように、取付座110に回動可能に保持されたハブ105の内穴105aに室外側からシリンダー装置12の軸部(不図示)がはめ込まれ、室内側からサムターン装置の軸部(不図示)がはめ込まれ、キーまたはツマミの回転操作に伴ってハブ105が回動する。
従動部材106は、ハブ105の下方に配置されて、錠ケース5に前後方向に沿って設けられた枢軸112に回動可能に保持されている。従動部材106が枢軸112に取り付けられた状態では、その歯111がハブ105の歯109と噛み合わされている。
これにより、従動部材106は、枢軸112まわりに時計方向に付勢されていると共に、前記柱114に当接することで、一定以上の回動が阻止されている。
保持レバー107の他片120には、従動部材106の突部117が差し込み可能な貫通穴121が形成されている(図9)。
保持レバー107は、その一片119の上端部が、錠ケース5に前後方向に沿って設けられる枢軸122に回動可能に保持されている。
これにより、保持レバー107は、枢軸122まわりに時計方向に付勢されている。
また、保持レバー107の他片120は、従動部材106の円弧状部118に当接する位置から右下方へ屈曲された後、さらに左下方へ屈曲されて延出しており、他片120の下端部は、ラッチ軸部27の右側へ配置されている。
ラッチ突出量制限部材103の室内側端片124は、室外側端片より左側へ長方形状に延出しており、その左端部は、基端側へ直角に屈曲されている。
具体的には、この屈曲部125は、下方へ行くに従って右側へ傾斜するよう形成されている。
枢軸126には、ねじりバネ127が挿通されており、その一端部が、錠ケース5に前後方向に沿って立設された柱128に当接する一方、他端部がラッチ突出量制限部材103の中央片に当接している。
これにより、ラッチ突出量制限部材103は、枢軸126まわりに時計方向に付勢されている。
トリガー頭部129の右端部には、右側へ開口する筒状部が一体に形成されており、この筒状部にトリガー軸部130の左端部がはめ込まれてトリガー頭部129に固定されている。
第二支持部材132は、板材を屈曲して形成された右側へ開口するコ字形材とされ、その中央片には左右方向に沿って貫通穴が形成されている。
そして、この第二支持部材132の貫通穴にトリガー軸部130が挿通されて、トリガー軸部130が第二支持部材132に左右方向に移動可能に保持されている。
案内部材131の中央片133は、上方へ矩形状に延出しており、その右端部が先端側へ直角に屈曲されて突出片134が一体に形成されている。
この際、案内部材131の左端片135がトリガー頭部129の右端部に当接されて、トリガー頭部129とトリガー軸部130に案内部材131が固定されており、トリガー頭部129、トリガー軸部130および案内部材131は、左右方向に一体に移動する。
なお、案内部材131の中央片133には、矩形状の開口部136が形成されており、この開口部136に第二支持部材132が配置されている。
これによりトリガー104は左側へ付勢されている。
そして、この状態では、ラッチ突出量制限部材103は、バネ127の付勢力により時計方向に回動して柱128に当接し、略水平状態で位置決めされている。
本実施例の電気錠は、施錠状態から解錠する場合、ソレノイド10に通電して解錠する方法と、シリンダー装置12のキーまたはサムターン装置のツマミを回転操作して手動で解錠する方法とがあり、以下においては、まず、ソレノイド10に通電して解錠する場合について説明する。
これにより、テコ板77は、ピン83まわりに時計方向に回動して、一片80の上端部が右側へ移動する。
テコ板77が時計方向に回動することで、テコ板77の他片81が上方へ移動し、他片81に連結された第一リンク材76が上方へ引き上げられる。
第一リンク材76が上方へ引き上げられることで、第一リンク材76の下端部に連結された第二ストッパー63がバネ73の付勢力に対抗して枢軸61まわりに時計方向に回動する。
取手4を時計方向に回転操作した場合、取手4の軸部がはめ込まれたラッチハブ40が時計方向に回動し、ラッチハブ40の係合片44の上端部がラッチハブ板41のピン50を時計方向に押し込む。
これにより、ラッチハブ板41も時計方向に回動し、ラッチハブ板41の他片48がラッチガイド板28の突部36に当接し、ラッチガイド板28を右側へ押し込む。
これにより、図6に示すように、ラッチ頭部26が後退して受25の受穴25aから抜け出し、錠ケース5内に収没される。この際、ラッチ頭部26は、案内部材131の中央片133に当接している。
なお、取手4を回転操作することで、ハブテコ42は、ピン54を介して反時計方向に回動し、これに伴いスライド部材43が右側へ移動している。また、ラッチ軸部27の右端部38は、保持レバー107の他片120に当接して、保持レバー107を枢軸122まわりに反時計方向に回動させている。
スライド部材43が右方向へ移動することで、スライド部材43とピン59で連結されたハブテコ42が枢軸51まわりに反時計方向に回動する。
そして、ハブテコ42のピン54によりラッチハブ板41が時計方向に押し込まれ、ラッチハブ板41の他片48がラッチガイド板28の突部36を押圧し、取手4を時計方向に回転操作した場合と同様にラッチボルト6を後退させる。
このように、本実施例では、取手4を時計方向または反時計方向のいずれに回転操作してもラッチボルト6を後退させることができる。
図6の状態から開扉して取手4から手を放すと、ハブテコ42はバネ52の付勢力により時計方向に回動し、ハブテコ42とピン54で連結されたラッチハブ板41が反時計方向に回動する。また、ラッチハブ板41のピン50が係合片44に当接してラッチハブ40も反時計方向に回動する。そして、ハブテコ42の回動に伴ってスライド部材43も左側へ移動し、図7に示すように各部材40,41,42,43は元の状態へ戻る。
この際、トリガー104もバネ137の付勢力により左側へ移動する。つまり、トリガー頭部129、トリガー軸部130および案内部材131が左側へ一体に移動する。
トリガー104が左側へ移動することで、トリガー頭部129が錠ケース5の戸先側端面13から突出すると共に、案内部材131の突出片134が、ラッチ突出量制限部材103の屈曲部125に当接する。
これにより、ラッチ突出量制限部材103の右端部は上方へ移動し、ラッチガイド板28の中央片に当接する。この際、ラッチガイド板28の係止部37は、ラッチ突出量制限部材103の上方へ到達してない。
そして、さらにラッチボルト6が左側へ移動すると、ラッチガイド板28の係止部37がラッチ突出量制限部材103に当接し、ラッチボルト6は、図7に示す進出位置で止められる。
つまり、ラッチ頭部26は、錠ケース5の戸先側端面13から完全に突出せずに斜面部6aのみが突出した状態とされる。
そして、扉2が完全に閉じられると、再び図5の状態となる。つまり、ラッチ頭部26に対応した位置に受25の受穴25aが配置されていることで、ラッチボルト6はバネ39の付勢力により左側へ進出し、ラッチ頭部26が受穴25aに突入する。
また、扉2が完全に閉じられた状態では、トリガー頭部129が突出する位置には、受穴25aが形成されていないので、トリガー頭部129は受25に当接して、錠ケース5内に収容された状態とされる。
つまり、ソレノイド10が非通電となると、プランジャ88がガイド部材90により左側へ押し出される。
これにより、テコ板77がピン83まわりに反時計方向に回動し、テコ板77の他片81が下方に移動する。これにより、テコ板77による第一リンク材76の引き上げが解除され、ひいては、第一ストッパー62および第二ストッパー63が、それぞれバネ72,73の付勢力により枢軸61まわりに反時計方向に回動し、第一ストッパー62の一片64の左端部がラッチボルト6の段部35に当接して、図2に示す施錠状態となる。
なお、第二ストッパー63の回動に伴い、第一リンク材76も下方へ移動する。
これにより、ハブ105と噛み合った従動部材106がバネ113の付勢力に対抗して枢軸112まわりに反時計方向に回動し、その端縁116が第二ストッパー63の第四ピン71を押し込む一方、円弧状部118が保持レバー107の他片120を押圧する。
そして、第一ストッパー62が時計方向に回動することで、ラッチボルト6の段部35への当接が解除されて、図9に示すように解錠状態となる。
なお、第一リンク材76もその長穴78がピン85に沿って移動し、上方へ移動している。
そして、従動部材106が反時計方向に回動していくと、図9に示すように、従動部材106の突部117が保持レバー107の他片120の貫通穴121に差し込まれる。
従動部材106の突部117が保持レバー107の貫通穴121に差し込まれ、保持レバー107が時計方向に付勢されていることで、キーの回転操作終了後においても、従動部材106はバネ113の付勢力により時計方向に回動することがなく、位置決めされている。
このように、従動部材106が位置決めされていることで、第一ストッパー62および第二ストッパー63も時計方向に回動した状態で位置決めされ、解錠状態が維持される。
図10は、図9の状態から取手を回転操作させた状態を示す図である。
図9の状態から取手4を回転操作することで、ラッチ軸部27が右側へ移動するが、この移動に伴い、ラッチ軸部27の右端部38は保持レバー107の他片120を右側へ押し込み、保持レバー107は反時計方向に回動する。
保持レバー107の回動に伴い従動部材106の突部117が保持レバー107の貫通穴121から抜け出て、従動部材106はバネ113の付勢力により時計方向に回動し、元の位置へ戻る。
これにより、第一ストッパー62および第二ストッパー63がバネ72,73の付勢力により、反時計方向に回動するが、ラッチボルト6が錠ケース5内に収没していることで、図10に示すように、第一ストッパー62および第二ストッパー63の左端部はラッチ頭部26の上面に当接する。
そして、この状態から閉扉しようとすると、前記と同様に、ラッチボルト6およびトリガー104が戸先側縦枠24に取り付けた受25に当接して、錠ケース5内に収容され、完全に閉扉された状態においてラッチ頭部26が受25の受穴25aに突入する。これにより、第一ストッパー62および第二ストッパー63がバネ72,73の付勢力により反時計方向に回動して、第一ストッパー62の左端部がラッチボルト6の段部35に当接し、再び、図2に示す施錠状態となる。
なお、サムターン装置のツマミを操作しても、シリンダー装置のキー操作と同様に解錠することが可能である。
そして、切替部材95を枢軸101まわりに回動させて、操作部98を上方位置に配置することにより通電時施錠タイプに切り替えられる。
次に、操作部98をカバー20の上側の穴22に差し込んだ状態でカバー20を再び取り付け、フロント板16も取り付ける。
このように、切替部材95の操作部98がカバー20の上側の穴22に差し込まれて、切替部材95が回動不能に位置決めされることで通電時施錠タイプに切り替えられた状態に保持される。
これに伴い、第二リンク材94にピン83で連結されたテコ板77も下方位置に配置される。つまり、図2の状態からテコ板77は、そのピン83の先端側が長穴87に沿って下方へ移動して下方位置に配置される。
このテコ板77の押し込みにより、第二ストッパー63は、バネ73の付勢力に対抗して枢軸61まわりに時計方向に回動させられて位置決めされている。
このように、通電時施錠タイプにセットされた本実施例の電気錠は、ソレノイド10が非通電状態では、テコ板77の係止ピン84が第二ストッパー63の凹部67の右側端縁67aに当接し、押圧することで、解錠状態が維持される。
なお、第一リンク材76は、第二ストッパー63の回動に伴い上方位置に配置されている。
具体的には、図11の状態において、ソレノイド10に通電されると、プランジャ88が吸引され右側へ後退し、これに伴い、テコ板77がピン83まわりに時計方向に回動する。
テコ板77が時計方向に回動することで、テコ板77の係止ピン84による第二ストッパー63への押し込みが解除され、図12に示すように、第二ストッパー63がバネ73の付勢力により枢軸61まわりに反時計方向に回動する。
これにより、第一ストッパー62もバネ72の付勢力により枢軸61まわりに反時計方向に回動し、その一片64の左端部がラッチボルト6の段部35に当接して、図12に示すように施錠される。
逆に、図12に示す施錠状態から解錠する場合、ソレノイド10への通電を停止すればよい。
具体的には、図12に示す状態からソレノイド10への通電を停止することでプランジャ88がガイド部材90により左側へ進出し、テコ板77がピン83まわりに反時計方向に回動する。
これにより、テコ板77の係止ピン84が、第二ストッパー63の凹部67の右側端縁67aに当接して、第二ストッパー63を押圧し、第二ストッパー63を枢軸61まわりに時計方向に回動させる。これに伴い、第二ストッパー63の第二ピン69により第一ストッパー62も枢軸61まわりに時計方向に回動して、その一片64の左端部とラッチボルト6の段部35との係合が解除され、図11に示す解錠状態となる。
さらに、図13の状態から開扉して取手4から手を放すと、通電時解錠タイプにセットした場合と同様に、トリガー104およびラッチ突出量制限部材103により、図14に示すように、ラッチボルト6が完全に突出しない状態とされる。
そして、ソレノイド10に通電することで、図12に示すように施錠される。
図16は、図12の状態からシリンダー装置のキーを回転操作した状態を示す図である。
これにより、第二ストッパー63が時計方向に回動し、第一ストッパー62も第二ストッパー63の第二ピン69により時計方向に回動する。
このように、第一ストッパー62が時計方向に回動することで、ラッチボルト6の段部35への当接が解除され解錠状態となる。
しかもこの切り替えは、切替部材95の操作部98を指で上下動させるだけでよく、操作が簡単である。
また、本実施例の電気錠では、切替部材95の操作部98をカバー20で位置決めして保持させるため、扉の開閉による振動などで切替状態が変化するおそれがない。つまり、カバー20を取り外して操作部98を操作しない限り、通電時解錠タイプまたは通電時施錠タイプにセットされた状態が維持される。
つまり、部品数が少なくて済み、ひいては錠ケース内に広い空間を必要とせずコンパクト化が可能となる。
このような構成の本実施例の施錠機構では、たとえば、受25内に異物などがあり、閉扉時におけるラッチ頭部26の突出が十分でなく、ラッチボルト6の段部35が第一ストッパー62の左端部より左側へ進出せず、第一ストッパー62が段部35へ当接することがない事態が生じても、第一ストッパー62よりも右側へ配置された第二ストッパー63が第一ストッパー62に対して独立して反時計方向に回動して、その左端部がラッチボルト6の段部35に当接し、施錠される。
リードスイッチ140は、錠ケース5の戸先側端面13に近接した位置に設けられている。また、戸先側縦枠24には、閉扉した状態で、リードスイッチ140と対向する位置にマグネット141が設けられている。本実施例では、戸先側縦枠24に設けられた受25の受カバー25b内にマグネット141が設けられている。
これにより、本実施例の電気錠1は、リードスイッチ140がマグネット141の作用によって動作し、リードスイッチ140とマグネット141が対向する状態、つまり完全に閉扉された状態でのみ、ソレノイド10への通電が可能なように制御されると共に、その信号を遠隔の管理室などにリード線を介して送信することで、離れた場所で扉2の開閉状態を確認することが可能とされている。
本実施例では、第二ストッパー63の近傍にマイクロスイッチ143が設けられており、第二ストッパー63が枢軸61まわりに回動することで、マイクロスイッチのオン・オフ状態が切り替えられる。
また、図5や図11に示すように解錠された状態では、第二ストッパー63が枢軸61まわりに時計方向に回動した位置に配置されており、第三ピン70はマイクロスイッチ143のアクチュエータ144を押し込んでいない。
このように、施錠状態または解錠状態によって、マイクロスイッチ143のオン・オフ状態が切り替り、このオン・オフ信号はリード線を介して遠隔の管理室などに送信される。
つまり、解錠した状態において、室内側の取手4を回転操作することで、室内側ラッチ後退操作機構によりラッチボルト6が進退する。
また、図2や図12に示すように施錠された状態において、サムターン装置のツマミを回転操作することでも、手動で解錠することが可能である。
たとえば、上記実施例では、施錠機構が第一ストッパーと第二ストッパーから構成されたが、一体となっていても構わない。
また、本発明の電気錠は、外開き扉だけでなく内開き扉でも使用可能である。
さらに、取手はノブに限定されることなくレバーハンドルなどでもよい。
2 扉
4 取手
5 錠ケース
6 ラッチボルト
7 ラッチ後退操作機構
8 施錠機構
9 リンク機構
10 ソレノイド
11 切替機構
12 シリンダー装置
20 カバー
22,23 貫通穴
61 枢軸
62 第一ストッパー
63 第二ストッパー
76 第一リンク材
77 テコ板
83 ピン(枢軸)
88 プランジャ
94 第二リンク材
98 操作部
105 ハブ
106 従動部材
107 保持レバー
Claims (5)
- 錠ケースに進退可能に設けられるラッチボルトを突出させた状態で後退規制可能なストッパーと、
上方位置または下方位置において、ソレノイドの作動に基づき回動することで前記ストッパーによるラッチボルトの後退規制の有無を変更するテコ板と、
ソレノイドの非通電時において、ストッパーによりラッチボルトを後退規制するか否かを切り替えるために、前記テコ板を上方位置または下方位置に位置決めする切替機構と
を備えることを特徴とする電気錠。 - 錠ケースに進退可能に設けられるラッチボルトと、
錠ケースに枢支されてラッチボルトを後退不能に係止するよう付勢されるストッパーと、
ソレノイドにより枢軸まわりに回動し、その枢軸が錠ケースに対し上下動可能に保持されたテコ板と、
このテコ板と前記ストッパーとを連結する第一リンク材と、
前記枢軸を上方位置または下方位置に位置決めする切替機構とを備え、
前記切替機構により前記枢軸が上方位置に配置された状態では、ソレノイドの作動により前記テコ板が前記第一リンク材を介して前記ストッパーを付勢力に対抗して回動させてラッチボルトの後退を可能とする一方、
前記切替機構により前記枢軸が下方位置に配置された状態では、前記テコ板が前記ストッパーを付勢力に対抗して回動させてラッチボルトの後退を可能とし、ソレノイドの作動により前記ストッパーが前記ラッチボルトの後退を規制する
ことを特徴とする電気錠。 - 前記切替機構は、錠ケースに枢支されると共に、前記テコ板に第二リンク材を介して連結される切替部材を備え、
前記切替部材の回動が規制されることで前記枢軸の位置決めがなされる
ことを特徴とする請求項2に記載の電気錠。 - 前記切替部材は、錠ケースに取り付けられる二つの穴を有したカバーの各穴に差し込み可能な操作部を有し、
この操作部が前記カバーのいずれかの穴に差し込まれることで回動が規制される
ことを特徴とする請求項3に記載の電気錠。 - シリンダーまたはサムターンにより回動させられるハブと、
このハブに噛み合いハブの回動に伴って回動すると共に、前記ストッパーを付勢力に対抗する方向へ回動させる従動部材と、
この従動部材がストッパーを付勢力に対抗する方向へ回動させた状態を維持するように、従動部材を係止する保持レバーと
をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の電気錠。
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JP3637571B2 (ja) * | 1994-12-29 | 2005-04-13 | 美和ロック株式会社 | 電気錠における作動切換え装置 |
-
2006
- 2006-11-22 JP JP2006315737A patent/JP4823871B2/ja active Active
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