JP3845481B2 - 引戸用電気錠のデッドボルトの出没機構 - Google Patents

引戸用電気錠のデッドボルトの出没機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は引戸用電気錠のデッドボルトの出没機構に関し、特に特別養護老人ホームや病院などの引戸用電気錠のデッドボルトの出没機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
特別養護老人ホームや病院では、天気の良い日などには、「風を入れたい」という理由で引戸を多少開くような場合がある。このような場合、管理上の観点から、引戸の全閉時はもちろん、所望の通風空間を設定した半開状態(ここでは一般に人の通過が不可能な空間状態:例えば12cmを意味する。)に於いても確実に引戸を電気錠で施錠状態にする必要がある。
【0003】
しかしながら、引戸の全閉時又は半開時を問わず、引戸が電気的に施錠状態になっている場合であっても、所望する時には、キー操作などにより、機械的に引戸用電気錠のデッドボルトをケース内に後退させ、引戸を自由に開放したい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような従来の要望点に鑑み、第1の目的は引戸の全閉時施錠又は半開時施錠を問わず、所望する時にはキー操作などにより、機械的に引戸用電気錠のデッドボルトを支持箱内に後退させ、自由に引戸を開放することができることである。また第2の目的は複数個のデッドボルト3A、3Bを支持箱内に同期的に後退させることができ、この場合デッドボルト出没用同期機構Yを支持箱に内蔵しても、支持箱のコンパクト化を図ることができることである。また第3の目的は、容易に同期機構Yの駆動用ピニオン部材を回転させることができることである。第4の目的は引戸の全閉時及び通風空間の設定が可能な半開時にラッチを施錠する引戸用電気錠に合理的に適合することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の引戸用電気錠のデッドボルトの出没機構は、引戸1側の支持箱4に取付けられた複数個のデッドボルト3A、3Bと、前記支持箱4に内装されたデッドボルト出没用同期機構Yと、一方、戸枠側の錠ケース7に内蔵され、かつ、前記デッドボルト3A、3Bに対してそれぞれ係脱するラッチ50及びこのラッチを駆動源30の駆動力に基づき係止する回動ロック部材35を備える施解錠機構Xとから成る引戸用電気錠のデッドボルトの出没機構であり、前記デッドボルト出没用同期機構Yは、支持箱4の中央部に回動可能に設けられた駆動用ピニオン部材90と、この駆動用ピニオン部材90の左右にそれぞれ回動可能に配設された同期用ピニオン部材91A、91Bと、これらの同期用ピニオン部材91A、91B並びに前記駆動用ピニオン部材90と噛合するように左右動可能に配設されたラック92とから構成されていることを特徴とする。
【0006】
また上記構成に於いて、ラック92は、略クランク状に形成されていることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す本発明の実施の形態を、引戸1の上端部或いは上框2に設けられた支持箱4に取付けられた複数個のデッドボルト3A、3Bと、前記支持箱4に内装されたデッドボルト出没用同期機構Yと、デッドボルト3A、3Bに対してそれぞれ係脱〜係合するラッチ50を有する電気錠の施解錠機構Xを内蔵し、かつ、望ましくは戸枠の上枠5内に設けられた錠ケース7との関係で説明する。
【0008】
まず複数個のデッドボルト3A、3Bについて説明する。デッドボルト3A、3Bは、図1乃至図3で示すように引戸1のデッドボルト用支持箱4に所要間隔を有して固定されている。ここで「所要間隔」とは、通風空間用の半開状態を形成するためのあいだを意味する。なお、デッドボルト3A、3Bの幅は同一であるが、同一の直線ライン上には位置していない(互い違い)。
【0009】
デッドボルト3A、3Bは、各々同一形態であり、横方向に横設された長箱状の支持箱4に対称的に配設され、かつ、デッドボルト出没用同期機構Yを介し、支持箱4に出没可能に設けられている。そこで、図3又は図4を基準に一方のデッドボルト3Aの形態について説明する。他方のデッドボルト3Bの形態についてはデッドボルト3Aと同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
しかして、3aはデッドボルト3Aの下端部の中央部に形成された垂直長孔で、この垂直長孔3aには支持箱4に横架されたガイドピン6が貫通している。3bはデッドボルト3Aの下端部の左側壁に突出形成され、かつ、支持箱4の内側壁4aと摺接する垂直板状ガイド部である。3cはデッドボルト3Aの右側壁に突出形成され第1係合部である。3dは第1係合部3cに対向するようにデッドボルト3Aの右側壁に突出形成された第2係合部である。そして、デッドボルト3Aの第2係合部3dと前記第1係合部3cとの間は、適当な逃がし用切欠部3eと成っている。
【0011】
ところで、本実施例では支持箱4の所定位置に合計2個のデッドボルト3A、3Bがそれぞれ設けられているが、引戸の開放側端部に位置するデッドボルト3Aは、引戸1を半開状態にした時に施解錠機構Xのラッチ50に係止ロックされる係合片であり、一方、引戸の開放側端部寄りの部位に位置するデッドボルト3Bは、引戸1を全閉状態にした時に前記ラッチ50に係止ロックされる係合片である。
【0012】
次にデッドボルト出没用同期機構Yについて説明する。この同期機構Yは、図3を基準にすると、支持箱4の中央部に回動可能に設けられた駆動用ピニオン部材90と、この駆動用ピニオン部材90の左右にそれぞれ回動可能に配設された同期用ピニオン部材91A、91Bと、これらの同期用ピニオン部材91A、91B並びに前記駆動用ピニオン部材90と噛合するように左右動可能に配設された略クランク状のラック92とから構成されている。
【0013】
しかして、前記駆動用ピニオン部材90は、シリンダー状の内筒体93と、この内筒体93の外周壁の適宜部位に突出形成された複数個の駆動爪部93aによって回動し、かつ、ラック92の中央係合歯92aと噛合するピニオン外筒体94と、前記内筒体93内に固定的に取り付けられ、かつ、キーガイド95a、摘み部などを有する中心駆動体95から成る。なお、キー操作又はサムターンによって回動する中心駆動体95は、普通一般のタンブラーシリンダー錠(ダルマ)であることが望ましいが、必ずしも鍵機構を有するタンブラーシリンダー錠である必要はない。
【0014】
また前記同期用ピニオン部材91A、91Bは、デッドボルト3A、3Bが支持箱4に互い違いに設けられていることに対応し、支持箱4の左右に互い違いに、かつ、反対向きに軸支されている。
【0015】
そこで、図4を基準に一方の同期用ピニオン部材91Aの形態について説明し、他方の同期用ピニオン部材91Bの形態については説明の便宜上同期用ピニオン部材91Aと同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】
しかして、96は同期用ピニオン部材91Aの中心軸孔で、この中心軸孔96には支持箱4に横架された中心軸97が貫通している。98は同期用ピニオン部材91Aの外周壁の適宜部位に形成されたこぶ状突起部で、このこぶ状突起部98の一側壁面には、デッドボルト3Aの第1係合部3c及び第2係合部3dに選択的に係合する係合ピン99が突設されている。100は外周壁に形成されたピニオンで、このピニオン100はラックの端部に形成された係合歯92bと噛合する。101はデッドボルト用付勢バネ102を取り付けるための取付けピンで、この取付けピン101は係合ピン99に対して反対側の側面に位置している。デッドボルト用付勢バネ102は、デッドボルト3Aを支持箱4の突出方向並びに後退方向に付勢する。なお、103は前記付勢バネ102の一端部を取付けるために支持箱4に設けられた固定ピンである。また同期用ピニオン部材91Aの外周壁部は一部カットされている。
【0017】
次に錠ケース7について説明する。錠ケース7は長箱状に形成され、上述したように戸枠の上枠5内に横設されている。ここで図1又は図5を基準にすると、7aは前壁、7bは後壁、7cは左側壁、7dは右側壁、7eは上壁、7fは底壁である。図1又は図5で示すように前壁7a及び後壁7bには、それぞれ対向する複数個の案内部としての垂直ガイド長孔11、12や軸孔13、14、15が適宜に形成されている。
【0018】
しかして、11は錠ケース7の右側壁7d寄りの部位に形成された弧状部を有する第1垂直ガイド長孔で、この第1垂直ガイド長孔11にはラッチ50を案内するガイド部材としての横軸16が横架されている。
【0019】
また12は第1垂直ガイド長孔11に対して形成され、かつ、錠ケース7の略中央部に位置する第2垂直ガイト長孔で、この第2垂直ガイド長孔12には横軸16と相俟ってラッチ50を上下方向に案内するラッチ突起軸60が係合する。
【0020】
また13は錠ケース7の中央部寄りの部位に形成された第1軸孔で、この第1軸孔13には後述する回動ロック部材を枢支する軸(突起軸又は横軸)17が取付けられる。また14は錠ケース7の略中央部に位置する第2軸孔で、この第2軸孔14にはトリガーバネ用軸18が取付けられる。また15は錠ケース7の右端部に位置する第3軸孔で、この第3軸孔15にはラッチバネ用軸19が取付けられる。
【0021】
さらに、錠ケース7の底壁7fには、錠ケース7の一部を形成する長板状の取付け板20が固定的に設けられ、この取付け板20には固着具21を介してフロント板22が一体的に取付けられている。そして、各板20、22の右端部よりの部位には、ラッチ用貫通孔23が形成されている。
【0022】
次に施解錠機構Xを構成する各部材について説明する。この施解錠機構Xは、本発明の主要部として回転及び上下方向に移動可能な駆動体(ラッチ)50と、この駆動体と共に錠ケース7内に後退動する従動体(トリガ)70と、この従動体の回転動を利用し、本実施例ではソレノイドに素早く通電させるための検出信号を拾う検出手段(スイッチ)80などを有している。
【0023】
そこで、まず30は駆動源の一例としてのソレノイドである。このソレノイド30は錠ケース7内に横設され、かつ、図示しない接続コードを介し、複数個のスイッチング回路を制御する制御装置に接続している。31はソレノイド30の作動杆で、この作動杆31は水平方向に伸縮動するが、本実施例では通電時に伸張し、一方、非通電時には収縮する。しかして、図6で示すように作動杆31の突出先端部にはやや大径の駆動部32が設けられ、この駆動部32の中央部には駆動ピン33が作動杆と交差する水平方向に突出している。
【0024】
次に35は作動杆31の伸縮動により回動するように錠ケース7に軸17を介して軸支された回動ロック部材である。回動ロック部材35は、前記駆動ピン33を介し、通電時に作動杆31が伸張するとラッチ50の回転を阻止するロック方向に、一方、非通電時に作動杆31が収縮するとラッチ50の回転を許容するロック解除の方向にそれぞれ回転する。
【0025】
この回動ロック部材35は、図6を基準にすると、基本的には前後一対の対向軸受板36と、これらの対向軸受板36を作動杆31の下方の位置で連結する垂直連結板37とから成る。そして、前記対向軸受板36の上端部は作動杆31の駆動部32と外嵌合するように上方に延び、かつ、駆動ピン33と係合するU字状切欠部38を有する。また対向軸受板36の一方の左下端部には突起部39が形成され、この突起部39は底壁7fに設けられた施解錠信号検出手段(スイッチ)81とプッシュ的に接触可能である。さらに、対向軸受板36の下端部寄りの右側にはやや幅広のロックアーム部41が突出し、このロックアーム部41にはラッチの後退側垂直面と当接する水平ローラ42が設けられている。なお、43は軸17に設けられた軸筒であり、また44は回動ロック部材35内に位置するように該軸筒43に巻装された回動ロック部材用バネ44である。回動ロック部材35はこのバネ44により常時ロック解除の方向(反時計方向)に付勢されている。
【0026】
次にラッチ50について説明する。本実施例に於いては、ラッチ50は従動体(トリガ)70との関係では支軸59を介して従動体70を錠ケース7内に持ち上げ(後退させ)たり、錠ケース7内から元の位置へと復帰(突出)させたりする。また引戸1の係合部材(デッドボルト)との関係ではストッパーとしの機能を発揮する。
【0027】
そこで、このラッチ50を図7に基づいて説明する。51は錠ケース7から突出する垂直係止面である。この垂直係止面51は引戸1を半開〜全開方向へ開くと、デッドボルト3B、3Aの一側面に係脱〜係合する。
【0028】
52は垂直係止面51の下端縁から後方へ連設するテーパー状摺接面である。このテーパー状摺接面52は引戸1を全開〜半開位置から全閉位置へと閉じると、デッドボルト3A、3Bの他側面に係脱する。
【0029】
53はテーパー状摺接面52にやや弧状に連設すると共に、ラッチ用貫通孔22に遊嵌合する後方連設部である。54はこの後方連設部53と錠ケース7内に常時位置する上壁55にそれぞれ連設する突起部で、この突起部54には固定軸筒56を介して横軸16が設けられている。
【0030】
57は全体としてピストル形状に形成された前後の側壁で、この前後の側壁57には錠ケース7の第2垂直ガイド長孔12と係合する一対の突起軸60が形成されている。また本実施例では一方側壁57の略中間部(突起軸60と横軸16とに間)に、従動体70を枢支する支軸59が突設されている。
【0031】
61は前記上壁55の先端部に突起状に形成され、かつ、回動ロック部材35の水平ローラ42と当接する後退側垂直面61aを有する当接部である。
【0032】
次に従動体70について説明する。この従動体(トリガー)70は、本発明を特定するための構成ではないが、便宜上説明する。この従動体70は全閉用デッドボルト3Bが半開方向へ水平動するとラッチ50と共に移動(本実施例ではやや回転しながら上下動)し、かつ、トリガーバネのバネ力により所定量回転したまま所定位置に保持され、一方、全閉用デッドボルト3Bが全閉方向へ水平動すると再びラッチ50と共に移動し、かつ、トリガーバネのバネ力により元の位置に復帰する従動体70について説明する。
【0033】
図8及び図9で示すように、71はラッチ50の支軸59が嵌挿する中心孔である。従動体70はこの中心孔71を介してラッチ50に回動可能に装着されている。72はこの中心孔71から左下半径方向へ広がるように一部切欠された切欠部で、この切欠部72はラッチ50の垂直係止面51と全閉用デッドボルト3Bとの係合関係を考慮し、本実施例では山形状に切欠されている。そこで、従動体70を山形状切欠部72との関係で親指〜人差し指の形態に例えると、73はラッチ50の前の側壁57の一部に対向する親指部であり、一方、74は引戸の半開時錠ケース7から突出する反面、引戸の全閉の際には全閉用デッドボルト3Bの上端面と一旦摺接する人差し指部である。
【0034】
75は、図8を基準にすると板状従動体70の前壁面70aの上部に設けられた突出ピンで、一方、76は板状従動体70の後壁面70bの上部に設けられた検出手段用突起部である。前記突出ピン75は検出手段用突起部76よりも右側に位置し、トリガーバネ78と相俟って従動体70を左右いずれかの方向に回転させる役割を果たす。また前記検出手段用突起部76は、トリガー70が一方向へ回転した際にラッチ50の上壁55と当接し、トリガー70がフリーにならないように所定位置に保持する役割を果たす。
【0035】
次に78は軸18に巻装され、かつ、一端部78a側が従動体70の突出ピン75に圧接係合する従動体用付勢バネである。一方、79は軸19に巻装され、かつ、ラッチ50の固定軸筒56に圧接するラッチ用復帰バネである。
【0036】
次に検出手段(スイッチ部材)80について説明する。この検出手段80は錠ケース7に内装され、従動体70に対して設けられている。本実施例では引戸1が全閉状態の時、その可動接片80aが検出手段用突起部76に押圧され、ソレノイド30に対して通電スイッチOFFであり、一方、全閉用デッドボルト3Bが半開方向へ水平動することにより従動体70がラッチ50と共に移動し、その可動接片80aが検出手段用突起部76から離れるや否や、ソレノイド30に対して通電スイッチONと成る。なお、81は前述したように施解錠機構Xの施解錠信号を検出するための検出手段である。
【0037】
上記構成に於いて、まず図10は半開用デッドボルト3A及び全閉用デッドボルト3Bが支持箱4内に同期的に後退した場合の状態を示す。
【0038】
すなわち、図示しないキー操作によりダルマ部材を介して駆動用ピニオン部材90を時計方向に回転すると、ラック92は矢印で示すように左側に水平移動する。そうすると、一方の同期用ピニオン部材91Aは付勢バネ102のバネ力に抗して反時計方向に回転し、これに対し、他方の同期用ピニオン部材91Bは同じく付勢バネ102のバネ力に抗して時計方向に回転する。その結果、半開用デッドボルト3A及び全閉用デッドボルト3Bは支持箱4内に同期的に後退する。
【0039】
したがって、後述するように、ラッチ50が半開用デッドボルト3A又は全閉用デッドボルト3Bをロック状態に係止している場合に於いて、引戸1を自由に開くことができる。
【0040】
次に図11乃至図15を参照に施解錠機構Xの作用について説明する。前述したように本実施例では引戸1の全閉状態に於いて、ソレノイド30が通電状態のの場合(引戸全閉時施錠)、ソレノイド30の作動杆31は伸張し、回動ロック部材35の水平ローラ42はラッチ50の後退側垂直面61aに当接している。そのためラッチ50は反時計方向に回転することができず、全閉用デッドボルト3Bはラッチ50に阻止されている。
【0041】
そこで、ソレノイド30が非通電状態に成ると(引戸全閉時解錠)、ソレノイド30の作動杆31は収縮し、回動ロック部材35は反時計方向に回転する。これにより回動ロック部材35の水平ローラ42はラッチ50の後退側垂直面61aから離れる。また施解錠信号用検出手段81は、図示しない施解錠制御回路の解錠信号(引戸開放可能の信号)を検出する。
【0042】
次に図11で示すように引戸1を開放方向Aへと開くと、ラッチ50は全閉用デッドボルト3Bの移動により、ラッチ用復帰バネ79のバネ力に抗して突起軸60を支点に反時計方向へ回転する。そうすると、従動体70はラッチ50に支軸59を介して一体的に連結されているので、ラッチ50の軌跡に基づいて錠ケース7内に回転後退する。この場合従動体70の突出ピン75は付勢バネ78の一端部78aをそのバネ力に抗して押し上げ、従動体70の中心孔71よりも左側へと移行しようとする。この突出ピン75の移行時に従動体70の突起部76も検出手段80の可動接片80aから離れようとする。
【0043】
そこで、引戸1を開放方向Aへとさらに開き、全閉用デッドボルト3Bがラッチ50の下方を通過中にソレノイド30が通電状態になる。引戸1を開放方向Aへとさらに開くと、前述したように突出ピン75はトリガーバネ78のバネ力に抗して従動体70の中心孔71よりも左側へと移行し、従動体70の突起部76は検出手段80の可動接片80aから離れる。しかして、検出手段80は前記突起部76が可動接片80aから離れるや否や「スイッチON」となることから、ソレノイド30が通電状態になる。
【0044】
次に図12は、図11に於いて、引戸1を開放方向Aへさらに開き、全閉用デッドボルト3Bがラッチ50の下方を通過した場合を示す。この場合ラッチ50はラッチ用復帰バネ79のバネ力により回転して直ぐ元の位置に復帰する。この時従動体70は突出ピン75の位置が左側に移行しているため、付勢バネ78のバネ力により支軸59を支点に反時計方向へ回転し、そのまま付勢バネ78により押さえ付けられ、かつ、突起部76がラッチ50の上壁55と当接するため、所定位置に回転停止する。したがって、検出手段80は「スイッチON」のままである。回動ロック部材35は作動杆31の伸張により、バネ44のバネ力に抗して時計方向に回転し、ラッチ50の回転を確実に阻止している。
【0045】
しかして、図13は、引戸1を半開状態にし、半開用デッドボルト3Aがラッチ50に係止ロックされた場合の説明図(引戸半開時施錠)である。この場合半開用デッドボルト3Aは、全閉用デッドボルト3Bに対して互い違いに位置しているので、従動体70の人差し指部74が錠ケース7から突出していても邪魔にならない。
【0046】
次に図14は、引戸1を半開状態から全閉方向Bへ移動させ、全閉用デッドボルト3Bによりラッチ50が錠ケース7内へと後退した場合の説明図である。この場合全閉用デッドボルト3Bがラッチ50のテーパー状摺接面52に摺接すると、ラッチ50はラッチ用復帰バネ79のバネ力に抗し、かつ、横軸16、突起軸60を介し、第1垂直ガイド長孔11及び第2垂直長孔12に案内されながら錠ケース7内へと水平後退する。したがって、従動体70もラッチ50と共に錠ケース7内へと水平後退する。
【0047】
しかして、図15で示すように全閉用デッドボルト3Bがラッチ50及び従動体70の下方を通過する際、従動体70はその人差し指部74が全閉用デッドボルト3Bの上端面と摺接する一方、その後ラッチ50が錠ケース7から突出するのに追従し、かつ、トリガーバネ78のバネ力により支軸59を支点に時計方向に回転する。その結果、従動体の突出ピン75は元の位置へと戻ると共に、その突起部76が検出手段80の可動接片80aを押圧し、検出手段80は「スイッチOFF」と成る。したがって、ソレノイド30は一旦非通電状態になるが、この時図示しない並列回路を有する施解錠制御装置は、検出手段80の「スイッチOFF」の信号に基づき、ソレノイド30を通電状態にする。そして、前述した図8で示すように全閉状態になると、ラッチ50はラッチ用復帰バネ79のバネ力により錠ケース7から突出し、全閉用デッドボルト3Bを係止する。
【0048】
【実施例】
まず本発明の実施例に於いては、ラック92は、支持箱4のコンパクト化を図るために側端面が略クランク状に形成されているが、例えば左右の同期用ピニオン部材91A、91Bの外周壁を普通一般の円形に形成した場合は、ラック92を単なる長板状に形成しても良い。また同期用ピニオン部材91A、91Bには、駆動用ピニオン部材90の回転の容易化を図るために、デッドボルト3A、3Bをそれらの移動中に支持箱4の突出方向並びに後退方向にそれぞれ付勢するデッドボルト用付勢バネ102が合計2個設けられているが、付勢バネ102は本発明の構成を特定するための要件ではなく、また同期用ピニオン部材91A、91Bのいずれか一方に装着しても良い。
【0049】
さらに、駆動用ピニオン部材90を構成する各部品93、94、95に関し、シリンダー状の内筒体93を錠ケース7に固定的に設け、一方、中心駆動体95キーを用いて回動すると、該中心駆動体95と一緒にピニオン外筒体94が所定量回動するように構成しても良い。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙するような効果がある。
(1)引戸の全閉時施錠又は半開時施錠を問わず、所望する時にはキー操作などにより、機械的に引戸用電気錠のデッドボルトを支持箱内に後退させ、自由に引戸を開放することができる。
(2)複数個のデッドボルト3A、3Bを支持箱内に同期的に後退させることができ、この場合デッドボルト出没用同期機構Yを支持箱に内蔵しても、支持箱のコンパクト化を図ることができる。
(3)デッドボルトを元の位置へと突出させる場合、容易に同期機構Yの駆動用ピニオン部材を回転させることができる。
(4)引戸の全閉時及び通風空間の設定が可能な半開時にラッチを施錠する引戸用電気錠に合理的に適合する。
【図面の簡単な説明】
図1乃至図15は本発明の実施の形態を説明するための第1実施例に基づく各説明図。
【図1】引戸の全閉状態に於いて、正面から見た場合の概略説明図。
【図2】支持箱側の部材(主にデッドボルト)を示す斜視からの説明図。
【図3】支持箱側のデッドボルトと同期機構との関係を示す説明図
【図4】本発明の主要部の分解斜視図。
【図5】施解錠機構を構成する各部材の説明図。
【図6】駆動源、回動ロック部材等を示す斜視からの説明図。
【図7】駆動体(ラッチ)と従動体(トリガー)との関係を示す斜視からの説明図。
【図8】従動体を示す斜視図。
【図9】従動体と他の部材との関係を示す概略説明図。
【図10】デッドボルトが支持箱に後退した状態の説明図。
【図11】引戸を開放方向Aへと開いた初期時の場合に於いて、駆動体と従動体の動きを示す説明図(引戸の半開状態への初期の移行時)。
【図12】図11に於いて、引戸を開放方向へさらに開き、全閉用デッドボルトがラッチの下方を通過した場合を示す説明図。
【図13】図12に於いて、引戸を半開状態にし、半開用デッドボルトがラッチに係止ロックされた場合の説明図(引戸半開時施錠)。
【図14】引戸を半開状態から全閉方向Bへ移動させ、全閉用デッドボルトによりラッチが錠ケース内へと後退した場合の説明図。
【図15】図14に於いて、従動体が元の位置へ戻る場合の説明図。
【符号の説明】
1…引戸、2…上框、3A…半開用デッドボルト、3B…全閉用デッドボルト、4…支持箱、5…上枠、6…ガイドピン、7…錠ケース、11、12…垂直ガイド長孔、13、14、15…軸孔、16…横軸、17、18、19…軸、59…支軸、60…突起軸、20…取付け板、21…固着具、22…フロント板、Y…同期機構、X…施解錠機構、30…駆動源、31…作動杆、33…駆動ピン、35…回動ロック部材、36…対向軸受板、37…垂直連結板、38…切欠部、39…突起部、41…ロックアーム部、42…水平ローラ、43…軸筒、50、50A…ラッチ、51…垂直係止面、52…摺接面、54…突起部、55…上壁、56…固定軸筒、57…前後の側壁、61…当接部、70、70A…従動体、71…中心孔、72…切欠部、73…親指部、74…人差し指部、75…突出ピン、78…付勢バネ、79…復帰バネ、80…検出手段、81…施解錠信号検出手段、90…駆動用ピニオン部材、91A、91B…同期用ピニオン部材、92…ラック、97…中心軸、99…係合ピン、102…付勢バネ、A…開放方向、B…全閉方向。

Claims (5)

  1. 引戸1側の支持箱4に取付けられた複数個のデッドボルト3A、3Bと、前記支持箱4に内装されたデッドボルト出没用同期機構Yと、一方、戸枠側の錠ケース7に内蔵され、かつ、前記デッドボルト3A、3Bに対してそれぞれ係脱するラッチ50及びこのラッチを駆動源30の駆動力に基づき係止する回動ロック部材35を備える施解錠機構Xとから成る引戸用電気錠のデッドボルトの出没機構であり、前記デッドボルト出没用同期機構Yは、支持箱4の中央部に回動可能に設けられた駆動用ピニオン部材90と、この駆動用ピニオン部材90の左右にそれぞれ回動可能に配設された同期用ピニオン部材91A、91Bと、これらの同期用ピニオン部材91A、91B並びに前記駆動用ピニオン部材90と噛合するように左右動可能に配設されたラック92とから構成されていることを特徴とする引戸用電気錠のデッドボルトの出没機構。
  2. 請求項1に於いて、ラック92は、略クランク状に形成されていることを特徴とする引戸用電気錠のデッドボルトの出没機構。
  3. 請求項1に於いて、同期用ピニオン部材91A、91Bには、デッドボルト3A、3Bを付勢するデッドボルト用付勢バネ102が設けられていることを特徴とする引戸用電気錠のデッドボルトの出没機構。
  4. 請求項1に於いて、複数個のデッドボルト3A、3Bは、一個は引戸1の開放側端部に位置する引戸半開用デッドボルト3Aであり、他の一個はこの半開用デッドボルト3Aに対して所要間隔を有して位置する全閉用デッドボルト3Bであることを特徴とする引戸用電気錠のデッドボルトの出没機構。
  5. 請求項1に於いて、施解錠機構Xは、駆動源30の作動杆31の伸縮動により回動するように錠ケース7に軸支された回動ロック部材35と、この回動ロック部材35にロックされるように錠ケース7に回転及び上下動可能に軸支され、かつ、ラッチ用復帰バネ79で常時突出方向に付勢されたラッチ50と、このラッチと一緒に移動することができるように軸支され、かつ、全閉用デッドボルト3Bが引戸を開く初期の段階で開放方向Aに移動すると、従動体用復帰バネ78のバネのバネ力により所定量回転してそのまま所定位置で停止する従動体70とから成ることを特徴とする引戸用電気錠のデッドボルトの出没機構。
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