JP4126176B2 - 電気錠の切換え装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気錠の切換え装置に関する。特に本発明は、電気錠の作動モード(非通電時施錠型か、それとも通電時施錠型かに切換えること)と電気錠の内外の操作部材態様(例えばレバーハンドルの回動操作を自由にするか、それとも不自由にすること)を切換えることができることを特徴とする電気錠の切換え装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気錠は建物の扉に取り付けられているが、住居用、商業用、福祉施設用など建物の用途如何によって、非通電時施錠型か、それとも通電時施錠型か、何れかの錠前を選択して取り付けている。また電気錠は、非通電時施錠型であれ或いは通電時施錠型であれ、例えばホテルの各部屋の扉に取り付ける場合には、アンチパニック機能(サムターンを操作しなくても内側操作部材の操作のみで扉を開けることができること。)を有することが望ましいので、室内からサムターンを操作しなくても、レバーハンドルの回動操作のみで扉を開くことができる電気錠を取り付けることが多い。一方、養老ホーム、公共的施設などの建物の扉に取り付ける場合には、防災時を考慮し、部屋の外からシリンダーのキー操作をしなくても外側操作部材の操作のみで扉を開けることができることが望ましい。そこで、そのようなタイプの電気錠が取り付けられている。このように電気錠は、現在、様々な型式のものが存在し、建物の用途別に選択されている。
【0003】
ところで、ある建物の扉に非通電時施錠型を装着した場合に於いて、当該電気錠を通電時施錠型に作動モードを換えたい時がある。また、建物の用途変更に対応して当該電気錠の内外操作部材の態様も変えたいという場合もある。このような場合、従来の電気錠では、扉に一旦取り付けた電気錠を所望する型式の電気錠と交換せざるを得ないという問題点があった。そこで、一つの電気錠で作動モードと、内外の操作部材の態様(ここでは「操作部材を回転可能状態又はロック状態にすること。」)を自由に切換えることが可能な電気錠の切換え装置が要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような従来の実施例が有する問題点に鑑み、第1の目的は、一つの電気錠で作動モードと内外の操作部材の態様を自由に切換えることが可能な電気錠の切換え装置を提供することである。第2の目的は、錠箱からフロント板を取り外すだけで、電気錠の作動モード及び/又は内外の操作部材の態様を簡単に切換えることができることである。第3の目的は、各作動部材を合理的に組み合わせ、切換えを適格になさんとすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気錠の切換え装置は、錠箱に、内側の操作部材により回動する内側の駆動カムと、この内側駆動カムと係合するように軸支され、かつストライクに係合した施錠片を引き戻す連動部材と、前記駆動カムと係脱するように案内部に設けられた操作部材用ロック手段と、このロック手段のロック状態をロック解除の状態に切換えることができるように軸支された内側の係合アームと、この係合アームと係合するように軸支され、かつ内側の操作部材を回転可能状態又はロック状態にする操作部材態様用切換え手段と、前記内側の係合アームを回転させることができるように軸支された駆動片を駆動源の作動杆に有し、かつ、駆動源の配設位置を移動させることによって電気錠の作動モードを非通電時施錠か、それとも通電時施錠かに切換える作動モード切換え手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
また本発明の電気錠の切換え装置は、錠箱に、内外の操作部材によりそれぞれ回動する内外の駆動カムと、これらの駆動カムと係合するように軸支され、かつストライクに係合した施錠片を引き戻す連動部材と、前記駆動カムとそれぞれ係脱するように案内部に設けられた操作部材用ロック手段と、これらのロック手段のロック状態をそれぞれロック解除の状態に切換えることができるように軸支された内外の係合アームと、これらの係合アームとそれぞれ係合するように軸支され、かつ内外の操作部材を回転可能状態又はロック状態にする操作部材態様用切換え手段と、前記内外の係合アームを回転させることができるように軸支された駆動片を駆動源の作動杆に有し、かつ、駆動源の配設位置を移動させることによって電気錠の作動モードを非通電時施錠か、それとも通電時施錠かに切換える作動モード切換え手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1乃至図15に基づいて第1実施例を説明する。図1は電気錠1の外観を示す。図2は扉2の自由側端部に形成された錠箱用空洞に電気錠1を収納した場合に於いて、フロント板の一部を切欠、かつフロント板側から見た説明図である。まず図1及び図2を参照に本発明の環境部材を説明する。電気錠1の錠箱3は、普通一般に一側開口のケース身3aとケース蓋とか3bら成り、ケース身3aには後述する各部材が組み込まれる。4はフロント板、5はデッドボルト、ラッチボルトなどの施錠片、6は外側の操作部材(ノブ,レバーハンドル)、7は内側の操作部材(ノブ,レバーハンドル)、8はキー操作によって施・解錠するシリンダー、9はサムターンである。
次に図3乃至図8を参照に本発明の主要部について説明する。まず、本発明の錠前は、電気錠1であることが前提である。普通一般に「電気錠」とは、電気的に施錠片を施・解錠操作する錠前のことをいう。
【0008】
したがって、本発明の電気錠1も、特に図示しないが、離れた場所から制御回路により電気的に錠箱3に内装された駆動源(例えばマイクロモータ)を起動し、該駆動源の駆動力によって錠箱3内の各部材(歯車、ロック片など)を作動させて施錠片5用のロック片10のロック状態を解消させることができる。なお、サムターンやシリンダーを操作した後に内外の操作部材をそれぞれ回すこともできる。
【0009】
以下、本発明の電気錠の切換え装置Xの特定事項を中心に説明し、付随的な構成要件については図示や説明を割愛する。また、錠箱3、施錠片5、連動部材30なども設計上の形状や寸法に基づくものではなく、技術的思想を説明するために簡略化してある。
【0010】
まず、錠箱3は、フロント板4の裏面に固定的に接合する裏板11、固着具などを介して扉2に固定される。この錠箱3内には、電気錠の切換え装置Xを構成する各部材が内装される。裏板11の下部には、後述する複数個のレバー状切換え手段の自由端部が臨む開口11aが形成されている。
【0011】
次に施錠片の一例としてのデッドボルト5はフロント板4を基準に出没自在に進退動する。デッドボルト5は、公知のように戸枠12側のストライク13と係脱する。デッドボルト5は水平状態で進退動する時、錠箱3に形成された水平切欠部、水平溝などの水平案内部に案内される。デッドボルト5はフロント板4の窓14から出没する先端部側5aと、この先端部側5aに連設する後端部側5bに区別される。そして、後端部5bに錠箱3に軸支(軸15)された前記ロック片10が係脱する。デッドボルト5は、錠箱3に内装された図示しないデッドバネのバネ力に抗して後退する。
【0012】
次に電気錠の切換え装置Xを構成する主な部材について説明する。なお、本発明の実施例に於いて、錠箱3内に対称的に配設される内外の部材に関しては、同一名称の部材が出てくる。そこで部品図については、その形状の如何を問わず、説明の便宜上、一方の部材の部品のみ示し、他方の部材の図示や説明を割愛する(機能上同一の部分には、同一の符号を付す)。
【0013】
20は内側の操作部材7の回転操作により回る内側駆動カムである。これに対して21は外側の操作部材6の操作により回る外側駆動カムである。したがって、切換え装置Xは、内外の操作部材によりそれぞれ回動する内外の駆動カム20,21を備えている。図4は内側駆動カム20の一例を示す正面図である。図3で示す符号23を、ここでは内側操作部材7用の操作軸とする。そこで、24は操作軸用の軸孔、25は段差状の操作軸23が嵌合する環状の連結筒、26は連結筒から半径方向に突出する幅広(親指の関節形状)の第1カム部である。27は係合切欠28を形成するように連結筒から突出する幅狭(指関節形状)の第2カム部で、この第2カム部27は、第1カム部26の一辺と対向する。29は右の人差し指を上方に向けるように連結筒から突出する押圧部で、この押圧部29は長板形状の連動部材(リトラクター)30の中央部の側辺と摺接する。
【0014】
なお、外側駆動カム21は、図3を基準にすると、内側駆動カム21の背面側に係合切欠28を「10時の方向」に向けた状態で、かつ、操作軸23と同軸上に配設されている。そして、内側操作部材7を回すと手前側の内側駆動カム20が独立に回転し、一方、外側操作部材6を回すと奥側の外側駆動カム21が独立に回転するように軸に支承されている。
【0015】
前記連動部材30は、内外の駆動カム20,21と係合するように錠箱3に軸支されて、かつ駆動カムに押されて戸枠側のストライク13に係合している施錠片5を引き戻す。しかして、連動部材30の下端部は錠箱3に横設軸架された横軸31に軸支され、一方、その上端部30aはデッドボルト5の後端部5bに直接又は連結杆16を介して間接的に連結されている。
【0016】
35,36は内外の駆動カム20,21とそれぞれ係脱するように錠箱3に摺動自在に設けられた内外操作部材(駆動カム)用のロック手段である。ここでは符号35を内側操作部材用のロック手段、一方、符号36を外側操作部材用のロック手段とする。これら上下の対称的なロック手段35,36は、略矩形状に形成され、かつ図3で示すように錠箱3に斜め方向に形成された上下一対の案内部(開口、溝など)37,37にそれぞれスライド自在に嵌め込まれている。
【0017】
図5は下方に位置する内側操作部材用のロック手段35の平面図である。しかして、38は一辺35aの中央部から他辺35bの中央部に向けて所要量形成された切欠部である。39は切欠部38を二分割する交差状の係合ピンである。なお、前記案内部37,37の一部(図3では右側端部)は、正面から見ると内外の駆動カムの係合切欠部28と重なるように位置している。
【0018】
41,42は内外のロック手段35,36のロック状態をそれぞれロック解除の状態に切換えることができるように中央軸43を介して軸支された内外の係合アームである。ここでは符号41を内側の係合アームとし、これと対称的に錠箱3に軸支されたそれを外側の係合アーム42とする。
【0019】
図6は内側の係合アーム41、ロック手段35等の正面からの説明図である。この図6を基準に説明すると、45は中央軸43に嵌着する軸受け部、46は軸受け部から右下へと延設された第1係合腕、47は軸受け部46から左へと延設された第2係合腕である。
【0020】
しかして、前記第1係合腕46は、先端部に内側操作部材用ロック手段35の係合ピン39と係合する挟み状の係合指46aと、この係合指46aと軸受け部46との間に連設する規制枠部46bとから成り、前記規制枠部46b内には錠箱3に植設された回動規制ピン48が入り込んでいる。一方、前記第2係合腕47は鉤状の受け部47aと、この受け部47aに水平方向に連設する先端受部47bとから成る。そして、前記中央軸43にはバネ部材50が巻装され、このバネ部材50の下端部50aは規制枠部46bに圧接し、一方、その他端部50bは外側係合アーム42の規制枠部46bに圧接している。
【0021】
したがって、内外の係合アーム41,42は、一つのバネ部材50のバネ力により、対応する内外の板状ロック手段35,36が、それぞれ内外の駆動カム20,21の係合切欠28と係合するように付勢されている。
【0022】
51,52は内外係合アーム41,42の第2係合腕47の先端受部47bとそれぞれ係合するようにフロント板側に軸支された内外の操作部材態様用切換え手段である。ここでは符号51を内側の切換え手段、符号52を外側の切換え手段とする。内外の切換え手段51,52は、錠箱3の横設した一つ枢軸(同軸上)53に対称的に軸支され、水平状の自由端部はフロント板側を指向している。
【0023】
図7はレバー状の内側切換え手段51の正面図である。この図7を基準にして内側の切換え手段51を説明すると、54は軸受け部、55は自由端部、56は指先状の駆動部である。駆動部56は前述した内側係合アーム41の先端受部47bの外壁面と当接している。
【0024】
60は錠箱3内に移動可能に設けられた駆動源で、本実施例ではソレノイドが用いられている。ソレノイド60は錠箱3の隅部に水平移動可能に配設され、作動杆の突出部61には、中央部が錠箱3に軸支(軸62)された棒状の駆動片63が連結されている。駆動片63の上端部63aは、内外係合アーム41,42の鉤状受部47aにそれぞれ係合している。またソレノイド60は、その上壁に被係合部としての複数個の突起64,64を有している。
【0025】
65は枢軸53の軸支されたレバー状の作動モード切換え手段である。この作動モード切換え手段65は、図8で示すように、軸受け部66と、この軸受け部66からフロント側に指向して延びる自由端部67と、この自由端部67に対して所定角度を設定して軸受け部66に突設され、かつソレノイド60の複数個の突起64,64に選択的に係合する小係合突起68とから成る。
しかして、作動モード切換え手段65を操作すると、ソレノイド60の配設位置が水平移動し、これにより電気錠の作動モードを非通電時施錠か、それとも通電時施錠かに切換えることができる。
【0026】
上記構成に於いて、電気錠の作動モードの切換え(非通電時施錠型か、それとも通電時施錠型かに切換えること)と、電気錠の内外の操作部材態様(例えばレバーハンドルの回動操作を自由にするか、それとも固定的にロックすること)の切換えとを説明する。付言すると、「操作部材態様」とは、操作部材を回転可能状態又はロック状態にすることである。
まず図9は非通電時施錠型、かつ、内外操作部材ロック態様にした場合の電気錠1である。この電気錠1は、ソレノイド60に電気が流れていない時(非通電状態の時)に作動杆61が伸張し、一方、通電時に作動杆61が収縮する。このタイプの電気錠1は一般にマンションの共用玄関やビルの通用口に用いられている。
【0027】
図9を参照にして電気錠1の作動状態を簡単に説明する。まず非通電時に於いて、ソレノイド60の作動杆61は伸張している。この時駆動片63は略垂直状態に起立し、その上端部63aは内外係合アーム41,42の鉤状受部47aにそれぞれ係合している。そして、内外係合アーム41,42の係合指46aは内外の駆動カム20,21に接近しているため、内外の操作部材用ロック手段35,36は、内外の駆動カム20,21の係合切欠部28にそれぞれ入り込んでいる。また、内外の操作部材態様用切換え手段51,52の自由端部55は枢軸53を基準にして略水平状態である。この時内外の係合アーム41,42は、非通電時の時と全く変わらない。したがって、内外の操作部材用ロック手段35,36は、内外の駆動カム20,21の係合切欠部28にそれぞれ入り込んでいる。
【0028】
それ故に、電気錠1が非通電状態の時は、何らかのロック解消手段、例えばサムターン9、サムターンに連動する部材等を介して内側の操作部材用ロック手段35のロックを解消させない限り、内側操作部材7を回すことができない。この点外側操作部材も同様であり、シリンダーを回さない限りロックされている。
【0029】
なお、電気錠1の通電時は、上記とは逆であり、作動杆61は収縮する。この時駆動片63は軸62を支点に時計方向へ回転して傾倒状態となる。その結果、上端部63aは内外係合アーム41,42の鉤状受部47aから離れ軸受け部45に近づく。一方、内外係合アーム41,42の係合指46aは内外の駆動カム20,21から離れるため、内外の操作部材用ロック手段35,36は内外の駆動カム20,21の係合切欠部28から離脱する。したがって、内外の操作部材7,6の阻止(ロック)の状態が同時に解消される。
【0030】
図10は、ソレノイドの位置を右側に多少移動させることにより、図9の「非通電時施錠型の電気錠1」を「通電時施錠型の電気錠1」へと作動モードを切換えた場合の説明図である。図11は作動モードを切換えた場合の模式的説明図である。この場合内外の切換え手段51,52はそのままの状態なので、内外操作部材のロック態様は、図9と同様である。単に電気錠の作動モードを変えただけである。
【0031】
しかして、作動モードを変える場合には、錠箱3のフロント板4を取り外し、かつ裏板11の開口11aから図示しないドイラバーなどを利用して作動モード切換え手段65の自由端部67を下方へと切換える。そうすると、ソレノイド60は作動モード切換え手段65の小係合突起68により押され、所定位置までスライドする。なお、作動態様は重複するので割愛する。
【0032】
図12及び図13は、電気錠のモード態様が、「非通電時施錠型の電気錠1」又は「通電時施錠型の電気錠1」の場合に於いて、内側の切換え手段51のみを切換えた時の説明である。非通電時施錠型であれ、又は通電時施錠型であれ、前述したように錠箱3のフロント板4を取り外し、かつ裏板11の開口11aから図示しないドイラバーなどを利用して内側の切換え手段51の自由端部55を下方へと切換えると、切換え手段51の駆動部56により内側係合アーム41の第2係合腕47は上方向に持ち上げられる。
【0033】
したがって、内側係合アーム41は中央軸43を支点に時計方向へと所定位置まで回転する。その結果、内側係合アーム41の第1係合腕46により内側の操作部材用ロック手段35は内側の駆動カム20の係合切欠部28から離脱する。したがって、内側の操作部材7の阻止(ロック)の状態が解消される。この場合外側操作部材6は相変わらず外側の操作部材用ロック手段36によりロックされている。
【0034】
図14及び図15は、電気錠のモード態様が、「非通電時施錠型の電気錠1」又は「通電時施錠型の電気錠1」の場合に於いて、外側の切換え手段52のみを切換えた時の説明である。前述したように、非通電時施錠型であれ、又は通電時施錠型であれ、錠箱3のフロント板4を取り外し、かつ裏板11の開口11aから図示しないドイラバーなどを利用して外側の切換え手段52の自由端部55を上方へと切換えると、切換え手段52の駆動部56により外側係合アーム42の第2係合腕47は下方向に押し下げられる。
【0035】
したがって、外側係合アーム42は中央軸43を支点に反時計方向へと所定位置まで回転する。その結果、外側係合アーム42の第1係合腕46により外側の操作部材用ロック手段36は外側の駆動カム21の係合切欠部28から離脱する。
【0036】
それ故に、外側の操作部材6の阻止(ロック)の状態が解消される。この場合内側操作部材7は相変わらず内外側の操作部材用ロック手段35によりロックされているので、図12及び図13の場合と全く逆になる。このように内外の操作部材態様の切換え手段を下或いは上に切換えることにより、内外の操作部材6,7を直ちに回せるようになる。
【0037】
【実施例】
図16は、本発明の第2実施例である。なお、第2の実施例の説明にあたって、第1実施例と同一又は同様(機能が同一)の部分には、同一又は同様の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0038】
この第2実施例が第1実施例と異なる点は、作動モード切換え手段65Aである。すなわち、第1実施例の作動モード切換え手段65は、内外の操作部材態様用の切換え手段を軸支する一つの軸53に同軸上に枢支され、かつフロント板4を錠箱3から取り外して切換えることができるにようにレバー状に形成されている。これに対し、第2実施例の作動モード切換え手段65Aは、錠箱3Aの裏板11Aに水平状態に設けられた回動螺杆であり、この回動螺杆65Aは、駆動源60Aを水平移動させることができるように該駆動源の側壁60aに螺合している。なお、回動螺杆65Aは、図示しないドライバーが係合する溝を頭部70に有している。
【0039】
このように構成しても、錠箱3Aからフロント板4を取り外すだけで、電気錠で作動モード及び/又は内外の操作部材の態様を簡単に切換えることができるという本発明の第2の目的を達成することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては、次に列挙するような効果がある。
(1)一つの電気錠で作動モードと内外の操作部材の態様を自由に切換えることが可能な電気錠の切換え装置を提供することができる。
(2)錠箱からフロント板を取り外すだけで、電気錠の作動モード及び/又は内外の操作部材の態様を簡単に切換えることができ
(3)各作動部材を合理的に組み合わせ、切換えを適格になすことができる。
【図面の簡単な説明】
図1乃至図15は本発明の第1実施例を示す各説明図。図16は本発明の第2実施例を示す説明図。
【図1】電気錠1の外観を示す斜視図。
【図2】フロント板の一部を切欠、かつフロント板側から見た概略説明図。
【図3】主要部の内部構造を示す説明図(これを便宜上、正面とする)。
【図4】要部(内側駆動カム)の正面図。
【図5】要部(内側ロック手段)の平面図。
【図6】要部(内側の係合アーム)の正面図。
【図7】要部(内側の切換え手段)の正面図。
【図8】要部(作動モード切換え手段)の正面図。
【図9】非通電時施錠型、かつ内外操作部材ロック態様にした場合の電気錠の作動態様を示す概略説明図。
【図10】非通電時施錠型の電気錠を通電時施錠型の電気錠へと作動モードを切換えた場合の説明図。
【図11】図9及び図10に於いて、作動モードを切換えた場合の模式的説明図。
【図12】電気錠のモード態様が、「非通電時施錠型の電気錠」又は「通電時施錠型の電気錠」の場合に於いて、内側の切換え手段のみを切換えた時の説明図。
【図13】図12に於いて、内側の切換え手段のみを切換えた時の模式的説明図。
【図14】電気錠のモード態様が、「非通電時施錠型の電気錠」又は「通電時施錠型の電気錠」の場合に於いて、外側の切換え手段のみを切換えた時の説明図。
【図15】図14に於いて、外側の切換え手段のみを切換えた時の模式的説明図。
【図16】本発明の第2実施例を示す説明図。
【符号の説明】
X…切換え装置、1…電気錠、2…扉、3,3A…錠箱、3a…ケース、3b…ケース蓋、4…フロント板、5…施錠片、6…外側の操作部材、7…内側の操作部材、8…シリンダー、9…サムターン、10…ロック片、11,11A…裏板、12…戸枠、13…ストライク、20…内側駆動カム、21…外側駆動カム、23…操作軸、24…軸孔、25…連結筒、26…第1カム部、27…第2カム部、28…係合切欠、29…押圧部、30…連動部材、31…横軸、35…内側操作部材用のロック手段、36…外側操作部材用のロック手段、37…案内部、38…切欠部、41…内側の係合アーム、42…外側の係合アーム、43…中央軸、45…軸受け部、46…第1係合腕、47…第2係合腕、48…回動規制ピン、50…バネ部材、51…内側の切換え手段、52…外側の切換え手段、53…枢軸、54…、55…自由端部、56…駆動部、60…駆動源、60a…側壁、61…突出部、62…軸、63…駆動片、64…突起、65,65A…作動モード切換え手段、66…軸受け部、67…自由端部、70…頭部。

Claims (7)

  1. 錠箱に、内側の操作部材により回動する内側の駆動カムと、この内側駆動カムと係合するように軸支され、かつストライクに係合した施錠片を引き戻す連動部材と、前記駆動カムと係脱するように案内部に設けられた操作部材用ロック手段と、このロック手段のロック状態をロック解除の状態に切換えることができるように軸支された内側の係合アームと、この係合アームと係合するように軸支され、かつ内側の操作部材を回転可能状態又はロック状態にする操作部材態様用切換え手段と、前記内側の係合アームを回転させることができるように軸支された駆動片を駆動源の作動杆に有し、かつ、駆動源の配設位置を移動させることによって電気錠の作動モードを非通電時施錠か、それとも通電時施錠かに切換える作動モード切換え手段とを備える電気錠の切換え装置。
  2. 請求項1に於いて、内側の操作部材態様用の切換え手段の切換えは、錠箱のフロント板を取り外して切換えることができるにように、レバー状の切換え手段の自由端部がフロント板を指向するように軸支されていることを特徴とする電気錠の切換え装置。
  3. 錠箱に、内外の操作部材によりそれぞれ回動する内外の駆動カムと、これらの駆動カムと係合するように軸支され、かつストライクに係合した施錠片を引き戻す連動部材と、前記駆動カムとそれぞれ係脱するように案内部に設けられた操作部材用ロック手段と、これらのロック手段のロック状態をそれぞれロック解除の状態に切換えることができるように軸支された内外の係合アームと、これらの係合アームとそれぞれ係合するように軸支され、かつ内外の操作部材を回転可能状態又はロック状態にする操作部材態様用切換え手段と、前記内外の係合アームを回転させることができるように軸支された駆動片を駆動源の作動杆に有し、かつ、駆動源の配設位置を移動させることによって電気錠の作動モードを非通電時施錠か、それとも通電時施錠かに切換える作動モード切換え手段とを備える電気錠の切換え装置。
  4. 請求項3に於いて、駆動源は、一つのソレノイドであり、作動モード切換え手段を回転させることにより移動することを特徴とする電気錠の切換え装置。
  5. 請求項3に於いて、内外の操作部材態様用の切換え手段と、作動モード切換え手段は、一つの軸に枢支されていることを特徴とする電気錠の切換え装置。
  6. 請求項3に於いて、作動モード切換え手段は、フロント板を取り外して切換えることができるにように、レバー状に形成されていることを特徴とする電気錠の切換え装置。
  7. 請求項3に於いて、作動モード切換え手段は、錠箱の裏板に水平状態に設けられた回動螺杆であり、この回動螺杆は、駆動源を水平移動させることができるように駆動源の側壁に螺合していることを特徴とする電気錠の切換え装置。
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