JP3896192B2 - 外出確認信号錠 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外出確認信号錠に係わり、特に、簡単な構成で外出及び在室の確認をすることができる外出確認信号錠に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビルの部屋やホテルの客室などにおける人の在室、あるいは外出を遠方から監視できれば、建物の管理上好都合である。
【0003】
そこで、本出願人は、先に、特願平3−276864を以て、新規な外出確認信号錠を提案した。
【0004】
この外出確認信号錠は、シリンダ錠に、施、解錠時内筒に駆動されて錠前操作信号を発生させる第一信号発生器を組込むと共に、扉の内面に装着されたサムターンに、サムターンによる施錠時サムターン施錠信号を、サムターンによる解錠時サムターン解錠信号をそれぞれ発生させる第二信号発生器を組込み、これら第一及び第二信号発生器から取り出された電気信号を電気的な判別回路に供給して、この判別回路から外出信号及び在室信号を出力させると共に、これを保持するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した外出確認信号錠は、実用されて所期の機能を発揮しているが、シリンダ錠及びサムターンにそれぞれ電気スイッチである信号発生器を組込む必要があるため、機械的に少しく複雑になる。
【0006】
また、信号発生器から取り出された電気信号を通常はマイクロコンピュータにより構成された判別回路を用いて処理するので、外出確認信号錠のコストが増大するばかりでなく、例えば停電等により電源が一時的に遮断されると、外出及び在室信号が消失する可能性がある、等未だ改良の余地がある。
【0007】
そこで、この発明は、錠箱の中の機械的な機構の状態変化により外出及び在室を判別し、この機構の状態変化を単一の電気スイッチにより電気信号に変換できるようにした新規な外出確認信号錠を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、錠箱内の錠止部材を制御するダルマを、テールピースを介してシリンダ錠に連結される外側ダルマと、扉内面に装着されたサムターンに連結される内側ダルマとに分割し、内側ダルマに錠止部材制御部を、外側ダルマにスイッチ駆動部をそれぞれ形成すると共に、これら外側及び内側ダルマを、回転方向において相互に係合可能にして重合し、一方、外側ダルマの一端部にキャッチャーを設け、その一端を内側ダルマと係合する方向に付勢すると共に、外側ダルマの回動の終期に他端が錠箱内の固定部と係合して一端を内側ダルマから離間する方向に駆動するようにし、外側ダルマのスイッチ駆動部により切換え駆動されるスイッチの出力信号を外出信号及び在室信号として取り出すようにしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明について説明する。
なお、図1乃至図3はこの発明の第一の実施例を、図4乃至図7は第二の実施例を夫々示す。
【0010】
また、図示の実施例は所謂電気錠にこの発明を適用したものであるが、電気錠ではない通常の錠前にもこの発明を適用することができる。これは後に述べる。
【0011】
第一の実施例を示す図1において符号1は錠箱を示し、この錠箱の下方には、ラッチボルトを兼ねるデッドボルト2がフロント板3に垂直な前後方向に移動可能に案内されており、コイルばね4の弾力により錠箱1外に突出する方向の前方に付勢されている。
【0012】
上記デッドボルト2の上方には、第1支軸5により回動自在に軸支され、図示しない捩りばねにより時計方向に付勢されたロッキングレバー6が配設されている。
【0013】
このロッキングレバー6は、図1に示すように、施錠時には後述の制御レバー7に駆動されてその付勢力に抗して反時計方向に回動させられており、この時にはロッキングレバー6の先端はデッドボルト2の先端段部に係合可能に臨んでいる。
【0014】
したがって、扉外面に装着されたノブ又はハンドルのような外部操作部材によりリトラクター8を介してデッドボルト2を錠箱内に引込めようとしても、そのデッドボルト2の先端段部がロッキングレバー6の衝止されてそれ以上錠箱内に引込むことはできない。
【0015】
ちなみに、通常リトラクター7は内外2枚に分割されており、それぞれ内部操作部材及び外部操作部材によって独立に作動できるようになっている。
【0016】
そして、内側リトラクターの自由端(図1で上端)には解錠ピン9が植設されており、この解錠ピン9はロッキングレバー6の中央部に形成されたV字形の切欠に係入している。
【0017】
その為、内側からリトラクター8を回動させると解錠ピン9がロッキングレバー6を時計方向に駆動し(図示せず)、その為ロッキングレバー6の先端がデッドボルト2の前端段部の軌跡外に退避してデッドボルト2を錠箱1内に引込めることができる。すなわち、室内側からのハンドル操作によりこの電気錠は何時でも解錠できる。
【0018】
一方、ロッキングレバー6の後方には全体の形状が略V字形の制御レバー7が第2支軸12により回動自在に軸支されている。
【0019】
この制御レバー7の下方の自由端はロッキングレバー6の後方に植設された第1連結ピン11に下方から係合している。
【0020】
また、制御レバー7の上方の自由端に植設された第2連結ピン13は、後述の内側ダルマ14に一体に形成されたレバー状の錠止部材制御部15の先端のU字形の切欠に係合している。
【0021】
更にまた、ロッキングレバー6の上方に配設された例えばラッチングソレノイド16のプランジャに装着された制御バー17と制御レバー7とは、例えば前者の裏面に植設された第3連結ピン18を後者に開口した長穴に摺動可能に係合させることにより、相互に連結されている。
【0022】
上記した構成により、ラッチングソレノイド16に解錠信号を供給してこれに通電すれば、図2に示すように、ヨーク内に引込むプランジャに駆動されて制御バー17は前方に移動し、その結果制御レバー7が反時計方向に回動する。
【0023】
すると、制御レバー7の下方の自由端に従動してロッキングレバー6がその付勢力により時計方向に回動し、ロッキングレバー6の前端がデッドボルト2の頭部の移動軌跡外に退避してこの電気錠は解錠される。
【0024】
なお、図示の電気錠の構成は周知であり、しかもこの発明の要旨ではないから、更に詳細な説明は省略する。
【0025】
また、この発明による外出確認信号錠を装備した電気錠は、主に内側からはサムターンにより、外側からは合鍵を操作しての機械的なシリンダ錠により、夫々施解錠操作するものとし、電気錠は例えば緊急時における各戸の一斉解錠等の特殊な用途に用いるものとする。
【0026】
図1に戻って、制御バー7の上方で、錠箱のやや後方寄りには、内側及び外側ダルマ14、19が同軸に、かつ相互に独立に回動可能に支承されている。
【0027】
通常の錠前ではこのダルマは単一の錠止部材制御体であり、例えば中央に開口したクラッチ孔を介してシリンダ錠及びサムターンに夫々連結されているが、この発明においては、内側ダルマ14は図示しないサムターンに、外側ダルマ19は図示しないシリンダ錠の内筒に夫々別個に連結されている。
【0028】
内側ダルマ14の外周部の所定の角度位置に一体に形成され、半径方向に延伸するレバー状の錠止部材制御部15は、第2連結ピン13を介して、前記制御レバー7に連結されていることは前記したとおりである。
【0029】
一方、外側ダルマ19の外周部の所定の角度位置に突設された突片は錠箱の厚さ方向に折り曲げられてスイッチ駆動部21が形成されている。
【0030】
このスイッチ駆動部21に対応して、外側ダルマ19の下方にはマイクロスイッチとしてのスイッチ22が配設されている。
【0031】
他方、上記内側及び外側ダルマ14、19は基本的には独立に回動できるように構成されているが、回転方向において相互に係合できるように、クラッチ23により相互に連結されている。
【0032】
図示の実施例におけるクラッチ23は、内側ダルマから延伸したレバーに植設された第4連結ピン24と、外側ダルマの外周部に開口した円弧状のガイド孔25とからなり、両者は相互に摺動可能に係合している。
【0033】
更に、外側ダルマ19の外周部上端には、磁性材質の鈎付レバー状のキャッチャー26が水平軸により回動自在に支承されている。
【0034】
このキャッチャー26は、捩りばねとしてのキャッチャーばね27の弾力により、反時計方向に付勢されているが、図1に示すように外側ダルマ19が解錠角度位置にあるとき、すなわちキャッチャー26が最上端位置にあるときには、その上端折り曲げ部が錠箱1の天井に装着された永久磁石28に吸着されて図示の角度位置を占める。
【0035】
また、キャッチャー26の自由端部となる鈎部の紙面方向におけるエレベーション位置は、外側ダルマ19と、これより浮くように配設され上記第4連結ピン24を植設したレバーとの間に入り込めるように設定されている。
【0036】
上記のように構成されたこの発明の第一実施例による外出確認信号錠は、シリンダ錠が解錠されているときには、図1に示すように、外側ダルマ19は時計方向に一杯に振れている。
【0037】
また、サムターンが施錠方向に駆動されているときには、図1に示すように、内側ダルマ14が反時計方向に一杯に振れている。
【0038】
その結果、制御レバー7は時計方向に回動し、ロッキングレバー6をその付勢力に抗して反時計方向に駆動するので、この錠前は施錠状態となる。
【0039】
このように錠前が室内側からサムターンにより施錠されているときには、外側ダルマ19は解錠角度位置にあり、そのスイッチ駆動部21はスイッチのアクチュエータに接触していない。この状態におけるスイッチ21の出力信号を在室信号として建物管理システムに供給する。
【0040】
外出の為サムターンを操作して内側ダルマ14を解錠方向(図1で時計方向)に回動させると、図2に示すように、制御レバー7が反時計方向に回動されて錠前が解錠される。
【0041】
上記内側ダルマ14の回動時、これと一体の第4連結ピン24は外側ダルマの前記ガイド孔25中を遊動するので、外側ダルマ19とは独立に回動できる。
【0042】
室内側のハンドルやノブを操作して扉を開け室外に出た後、合鍵を使用してシリンダ錠を施錠すると、その施錠操作におけるシリンダ錠内筒の回動に従動して外側ダルマ19は施錠方向、すなわち図1及び図2において反時計方向に回動する。
【0043】
このときには、図2から明らかなように、外側ダルマ19はクラッチ23を介して内側ダルマ14に係合し、換言すれば両者は一体に回動できるようになる。
【0044】
合鍵の操作により外側ダルマ19を反時計方向に回動させると、外側ダルマ19と一体に回動する内側ダルマ14の錠止部材操作部15の回動により、図3に示すように、制御レバー7が時計方向に駆動されて錠前は施錠される。
【0045】
同時に、外側ダルマのスイッチ駆動部21がスイッチ22を切換えるので、このスイッチから外出信号が取り出される。
【0046】
また、このときキャッチャー26が永久磁石28から離間するので、自由になったキャッチャー26はキャッチャーばね27の弾力により図3で反時計方向に回動し、第4連結ピン24にこれを包持するように係合する。
【0047】
外出から帰って合鍵によりシリンダ錠を解錠操作すると、その合鍵の回動により外側ダルマ19は図3で時計方向に回動するが、このときにはキャッチャー26を介して内側ダルマ14も一体に回動するので、図2に示すように錠前は解錠される。
【0048】
同時にスイッチ駆動部21がスイッチ22から離間するので、このスイッチからの出力信号は在室信号に切り替わる。
【0049】
また、解錠操作が完了すると、キャッチャー26は再び永久磁石28に近接するので、その永久磁石28とキャッチャー26との磁気的係合により、キャッチャー26は第4連結ピンから離間する方向に回動し(図2参照)、内側及び外側ダルマ14、19の係合が解ける。
【0050】
以降、室内に入った後サムターンを操作して施錠しても、またその儘解錠の状態にしておいても、外側ダルマ19が回動しないのでスイッチ22の出力は在室信号の儘に保たれる。
【0051】
次に、図4乃至図7を参照してこの発明の第二実施例について説明する。この第二実施例は、この発明をモータ駆動の引戸の電気錠に適用したものである。
【0052】
図4において符号29はカマを示し、このカマ29は錠箱1のフロント板3の近傍に配設された水平なカマ軸31により錠箱1の側板に平行な平面内で回動で着るように軸支されている。
【0053】
図4は引戸の施錠状態を示し、この施錠状態ではカマ29はフロント板3から外方に振出され、図示しない引戸枠のストライク板の開口に投入される。かかる引戸の錠止機構については従来周知であるから更に詳細な説明を省略する。
【0054】
上記カマ軸31の後方にはセクターギア32が錠箱の側板に平行な平面内で回動できるように軸支されており、このセクターギア32に一体に結合された作動アーム33の先端には駆動ピン34が植設されている。
【0055】
この駆動ピン34はカマ29の基端部に開口した長孔35に摺動可能に係合している。
【0056】
その為、セクターギア32が図4に示す角度位置から時計方向に回動すると、図5に示すように、カマ29がカマ軸31の回りを反時計方向に回動し、カマ29を錠箱1内に引込めてこの引戸錠を解錠する。
【0057】
図4に戻って、上記セクターギア32を駆動する為、マイクロモータ等の電動機35を駆動源とし、減速機36、減速機36の最終段歯車37、電磁クラッチ38を介してこの最終段歯車37に同軸に連結された第1傘歯車39、この第1傘歯車と噛み合うこれより大径の第2傘歯車42、及びこの第2傘歯車42と同軸かつ一体に結合されると共に、セクターギアと噛み合う第1平歯車41よりなる歯車列がセクターギア32に接続されている。
【0058】
上記した構成の引戸の電気錠は、電気的な解錠信号或いは施錠信号に応じて電動機35を正逆両方向に回転させ、解錠信号発生時セクターギア32を時計方向に回動させ、施錠信号発生時反対に反時計方向に回動させることにより、カマ29を錠箱内に引込め、或いはフロント板3から振出して施解錠をする。
【0059】
このとき、すなわちこの引戸の電気錠を電気錠として使用するとき、電磁クラッチ38を作動させて最終段歯車37と第1傘歯車39とを一体に連結する。
【0060】
この発明の第二実施例による外出確認信号錠を装備した電気錠は、前記第一実施例による電気錠と同様に、主に内側からはサムターンにより、外側からは合鍵を使用しての機械的なシリンダ錠により夫々施解錠操作するものとし、電気錠は例えば緊急時における各戸の一斉解錠等の特殊な用途に用いるものとする。
【0061】
前記セクターギア32をサムターン或いはシリンダ錠によって制御するため、錠箱1内の上端部中央には、内側及び外側ダルマ14、19が同軸に、かつ相互に独立に回動可能に支承されている。
【0062】
上記内側ダルマ14は図示しないサムターンに、外側ダルマ19は図示しないシリンダ錠の内筒に夫々別個に連結されていることは前記した第一実施例における電気錠と同様である。
【0063】
また、上記内側ダルマ14の外周部には一定の角度範囲にわたって歯車が切ってあり、この内側ダルマ14の歯車部は、外周部を一定の角度範囲にわたって扇形に切り欠いた第2平歯車43を介して、前記セクターギア32に第1平歯車41と共に噛み合っている。
【0064】
上記第2平歯車43の外周部の切欠は、ストッパーピン40(図4参照)との係合により第2平歯車42の回動角度範囲を規制するものであるが、この発明の必須の構成要件ではない。
【0065】
なお、上記内側ダルマ14の歯車部は、前記第一実施例における錠止部材制御部15(図1参照)に相当する。
【0066】
一方、外側ダルマ19の外周部は一定の角度範囲にわたって大径に成形され、この大径部がスイッチ駆動部21を構成している。
【0067】
このスイッチ駆動部21と外側ダルマ19の小径部とは傾斜カム44によって接続されている。
【0068】
上記スイッチ駆動部21に対応して、外側ダルマ19の近傍にはマイクロスイッチとしてのスイッチ22が配設されている。
【0069】
他方、上記内側及び外側ダルマ14、19は基本的には相互に独立に回動できるように構成されているが、回転方向において相互に係合できるようになっている。
【0070】
その為、内側ダルマ14の所定の角度位置に形成されたアーム45の端部に係合ピン46が植設されており、これに対応して、外側ダルマ19の一端の係合ピン46と同じ半径方向位置に、U字形の切欠47がその開口を係合ピン46に向けて形成されている。
【0071】
なお、上記係合ピン46は前記第一実施例の第4連結ピン24(図1参照)に、切欠47はガイド孔25の上方の端部に夫々対応する。
【0072】
また、外側ダルマ19の一端部には、磁性材質の鈎付レバー状のキャッチャー26が水平軸により回動自在に支承されている。
【0073】
このキャッチャー26は、図7に示すように、係合ピン46と係合可能なU字形のキャッチ溝48を有し、図1に示すように、捩りばねとしてのキャッチャーばね27の弾力により反時計方向に付勢されている。
【0074】
また、キャッチャー26は、図4に示すように外側ダルマ19が解錠角度位置にあるとき、すなわちキャッチャー26が最上端位置にあるときには、その上端折曲げ部48a(図7参照)が錠箱1の天井に装着された永久磁石28に吸着されて図4に示す角度位置、すなわちキャッチ溝48が外側ダルマ19の切欠47から離間する角度位置を占める。
【0075】
更にまた、キャッチャー26の自由端部となる鈎部の紙面方向におけるエレベーション位置は、外側ダルマ19と、係合ピン46を植設したアーム45との間に入り込めるように設定されている。
【0076】
なお、図5において符号49は錠箱1の側板内面に切り起こされたストッパーを、符号51はこのストッパー49、49との干渉を避ける為外側ダルマ19に形成された円弧状の開口を夫々示す。
【0077】
上記のように構成されたこの発明の第二実施例による外出確認信号錠は、シリンダ錠が解錠されているときには、図4に示すように、外側ダルマ19は時計方向に一杯に振れている。
【0078】
また、サムターンが施錠方向に駆動されているときには、図4に示すように、内側ダルマ14が反時計方向に一杯に振れている。
【0079】
その結果、セクターギア32は反時計方向に回動し、カマ29を時計方向に駆動するので、カマ29はフロント板3から振出されてこの錠前は施錠状態となる。
【0080】
このように錠前が室内側からサムターンにより施錠されているときには、外側ダルマ19は解錠角度位置にあり、そのスイッチ駆動部21はスイッチ22のアクチュエータ押動駆動している。この状態におけるスイッチ21の出力信号を在室信号として建物管理システムに供給する。
【0081】
外出の為サムターンを操作して内側ダルマ14を解錠方向(図4で時計方向)に回動させると、図5に示すように、第2平歯車43が反時計方向に、これと噛み合うセクターギア32が時計方向に回動してカマ29が錠箱1内に引込められ、解錠される。
【0082】
なお、サムターン或いは合鍵による施解錠操作時、電磁クラッチ38は例えば通電を遮断する等して不作動状態に置かれているので、内側ダルマ14の回動は減速機36や電動機35には伝達されず、したがってこれらによるブレーキ力が作用しないので施解錠操作は余計な操作力を伴うことなく円滑に行われる。
【0083】
上記内側ダルマ14の回動の終端において、これと一体の係合ピン46は外側ダルマの一端に形成された切欠47(図4参照)と係合する。
【0084】
室内側のハンドルやノブを操作して扉を開け室外に出た後、合鍵を使用してシリンダ錠を施錠すると、その施錠操作におけるシリンダ錠内筒の回動に従動して外側ダルマ19は施錠方向、すなわち図4及び図5において反時計方向に回動する。
【0085】
このときには、図5から明らかなように、外側ダルマ19の切欠47が内側ダルマ14の係合ピン46に係合してこれを押動するので、両者は一体に回動できるようになる。
【0086】
合鍵の操作により外側ダルマ19を反時計方向に回動させると、外側ダルマ19と一体に回動する内側ダルマ14の錠止部材操作部15(図4参照)の回動により、図6に示すように、制御レバー7が時計方向に駆動されて錠前は再び施錠される。
【0087】
同時に、外側ダルマのスイッチ駆動部21がスイッチ22から離間してこれを切換えるので、このスイッチから外出信号が取り出される。
【0088】
また、このときキャッチャー26が永久磁石28から離間するので、自由になったキャッチャー26はキャッチャーばね27の弾力により図6で反時計方向に回動し、係合ピン46にこれを包持するように係合する。
【0089】
外出から帰って合鍵によりシリンダ錠を解錠操作すると、その合鍵の回動により外側ダルマ19は図6で時計方向に回動するが、このときにはキャッチャー26を介して内側ダルマ14も一体に回動するので、図5に示すように錠前は解錠される。
【0090】
同時にスイッチ駆動部21がスイッチ22を押動するので、このスイッチ22からの出力信号は在室信号に切り替わる。
【0091】
また、解錠操作が完了すると、キャッチャー26は再び永久磁石28に近接するので、その永久磁石28とキャッチャー26との磁気的係合により、キャッチャー26は係合ピン46から離間する方向に回動し(図5参照)、内側及び外側ダルマ14、19の係合が解ける。
【0092】
以降、室内に入った後サムターンを操作して施錠しても、またその儘解錠の状態にしておいても、外側ダルマ19が回動しないのでスイッチ22の出力は在室信号の儘に保たれる。
【0093】
なお、図示の第一及び第二実施例はこの発明を電気錠に適用した場合を示すが、この発明は通常の機械的な錠前にも適用できる。
【0094】
例えば、図1に示す錠止部材制御部15は、反時計方向に回動したときに施錠し、時計方向に回動したときには解錠することは前記したとおりである。
【0095】
一方、通常の錠前において、デッドボルトを施解錠操作する所謂デッドカムはダルマに一体に形成された錠止部材制御部用の部材である。
【0096】
但し、そのデッドカムはデッドボルトに形成された切欠と係合して、時計方向に回動したときデッドボルトを扉枠のストライクに投入して施錠する。
【0097】
そこで、この発明の要部である内側及び外側ダルマ14及び19、キャッチャー26及びスイッチ22などをダルマの中心軸に関し左右対称的に形成或いは配設すれば(図示せず)、一連の施解錠操作は矛盾無く成立する。
【0098】
また、図示の実施例では、キャッチャー26の第4連結ピン24に対する係脱制御を永久磁石28とキャッチャー26との磁気的係合により行っているが、これはキャッチャー26の回動軸に関して鈎部とは反対側に制御突部を形成し、これと錠箱内の固定部との係合によりキャッチャー26を回動させるようにすることができる(図示せず)。
【0099】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明は、ダルマを内外2枚の部材に分割して機械的な外出及び在室判別機構を構成し、その機構の変化を単一のスイッチにより検知するようにしたから、外出確認信号錠の全体の構造が簡単になる。
【0100】
また、同じ理由により、外出及び在室確認信号の形成及び保持に電源を必要としないから、保守点検にも手間が掛からず、使い勝手が良い、等種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施例による外出確認信号錠の側面図で、サムターンにより施錠され、シリンダ錠は解錠されている状態を示す。
【図2】図1と同様の側面図で、サムターンにより解錠され、シリンダ錠も解錠されている状態を示す。
【図3】図1と同様の施錠状態を示す側面図で、シリンダ錠も施錠されている状態を示す。
【図4】この発明の第二実施例による外出確認信号錠の側面図で、サムターンにより施錠され、シリンダ錠は解錠されている状態を示す。
【図5】図4と同様の側面図で、サムターンにより解錠され、シリンダ錠も解錠されている状態を示す。
【図6】図4と同様の施錠状態を示す側面図で、シリンダ錠も施錠されている状態を示す。
【図7】キャッチャーの拡大平面図。
【符号の説明】
14 内側ダルマ
15 錠止部材制御部
19 外側ダルマ
21 スイッチ駆動部
22 スイッチ
24 第4連結ピン
26 キャッチャー
28 永久磁石
29 カマ
46 係合ピン
47 切欠
48 キャッチ溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、外出確認信号錠に係わり、特に、簡単な構成で外出及び在室の確認をすることができる外出確認信号錠に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビルの部屋やホテルの客室などにおける人の在室、あるいは外出を遠方から監視できれば、建物の管理上好都合である。
【0003】
そこで、本出願人は、先に、特願平3−276864を以て、新規な外出確認信号錠を提案した。
【0004】
この外出確認信号錠は、シリンダ錠に、施、解錠時内筒に駆動されて錠前操作信号を発生させる第一信号発生器を組込むと共に、扉の内面に装着されたサムターンに、サムターンによる施錠時サムターン施錠信号を、サムターンによる解錠時サムターン解錠信号をそれぞれ発生させる第二信号発生器を組込み、これら第一及び第二信号発生器から取り出された電気信号を電気的な判別回路に供給して、この判別回路から外出信号及び在室信号を出力させると共に、これを保持するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した外出確認信号錠は、実用されて所期の機能を発揮しているが、シリンダ錠及びサムターンにそれぞれ電気スイッチである信号発生器を組込む必要があるため、機械的に少しく複雑になる。
【0006】
また、信号発生器から取り出された電気信号を通常はマイクロコンピュータにより構成された判別回路を用いて処理するので、外出確認信号錠のコストが増大するばかりでなく、例えば停電等により電源が一時的に遮断されると、外出及び在室信号が消失する可能性がある、等未だ改良の余地がある。
【0007】
そこで、この発明は、錠箱の中の機械的な機構の状態変化により外出及び在室を判別し、この機構の状態変化を単一の電気スイッチにより電気信号に変換できるようにした新規な外出確認信号錠を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、錠箱内の錠止部材を制御するダルマを、テールピースを介してシリンダ錠に連結される外側ダルマと、扉内面に装着されたサムターンに連結される内側ダルマとに分割し、内側ダルマに錠止部材制御部を、外側ダルマにスイッチ駆動部をそれぞれ形成すると共に、これら外側及び内側ダルマを、回転方向において相互に係合可能にして重合し、一方、外側ダルマの一端部にキャッチャーを設け、その一端を内側ダルマと係合する方向に付勢すると共に、外側ダルマの回動の終期に他端が錠箱内の固定部と係合して一端を内側ダルマから離間する方向に駆動するようにし、外側ダルマのスイッチ駆動部により切換え駆動されるスイッチの出力信号を外出信号及び在室信号として取り出すようにしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明について説明する。
なお、図1乃至図3はこの発明の第一の実施例を、図4乃至図7は第二の実施例を夫々示す。
【0010】
また、図示の実施例は所謂電気錠にこの発明を適用したものであるが、電気錠ではない通常の錠前にもこの発明を適用することができる。これは後に述べる。
【0011】
第一の実施例を示す図1において符号1は錠箱を示し、この錠箱の下方には、ラッチボルトを兼ねるデッドボルト2がフロント板3に垂直な前後方向に移動可能に案内されており、コイルばね4の弾力により錠箱1外に突出する方向の前方に付勢されている。
【0012】
上記デッドボルト2の上方には、第1支軸5により回動自在に軸支され、図示しない捩りばねにより時計方向に付勢されたロッキングレバー6が配設されている。
【0013】
このロッキングレバー6は、図1に示すように、施錠時には後述の制御レバー7に駆動されてその付勢力に抗して反時計方向に回動させられており、この時にはロッキングレバー6の先端はデッドボルト2の先端段部に係合可能に臨んでいる。
【0014】
したがって、扉外面に装着されたノブ又はハンドルのような外部操作部材によりリトラクター8を介してデッドボルト2を錠箱内に引込めようとしても、そのデッドボルト2の先端段部がロッキングレバー6の衝止されてそれ以上錠箱内に引込むことはできない。
【0015】
ちなみに、通常リトラクター7は内外2枚に分割されており、それぞれ内部操作部材及び外部操作部材によって独立に作動できるようになっている。
【0016】
そして、内側リトラクターの自由端(図1で上端)には解錠ピン9が植設されており、この解錠ピン9はロッキングレバー6の中央部に形成されたV字形の切欠に係入している。
【0017】
その為、内側からリトラクター8を回動させると解錠ピン9がロッキングレバー6を時計方向に駆動し(図示せず)、その為ロッキングレバー6の先端がデッドボルト2の前端段部の軌跡外に退避してデッドボルト2を錠箱1内に引込めることができる。すなわち、室内側からのハンドル操作によりこの電気錠は何時でも解錠できる。
【0018】
一方、ロッキングレバー6の後方には全体の形状が略V字形の制御レバー7が第2支軸12により回動自在に軸支されている。
【0019】
この制御レバー7の下方の自由端はロッキングレバー6の後方に植設された第1連結ピン11に下方から係合している。
【0020】
また、制御レバー7の上方の自由端に植設された第2連結ピン13は、後述の内側ダルマ14に一体に形成されたレバー状の錠止部材制御部15の先端のU字形の切欠に係合している。
【0021】
更にまた、ロッキングレバー6の上方に配設された例えばラッチングソレノイド16のプランジャに装着された制御バー17と制御レバー7とは、例えば前者の裏面に植設された第3連結ピン18を後者に開口した長穴に摺動可能に係合させることにより、相互に連結されている。
【0022】
上記した構成により、ラッチングソレノイド16に解錠信号を供給してこれに通電すれば、図2に示すように、ヨーク内に引込むプランジャに駆動されて制御バー17は前方に移動し、その結果制御レバー7が反時計方向に回動する。
【0023】
すると、制御レバー7の下方の自由端に従動してロッキングレバー6がその付勢力により時計方向に回動し、ロッキングレバー6の前端がデッドボルト2の頭部の移動軌跡外に退避してこの電気錠は解錠される。
【0024】
なお、図示の電気錠の構成は周知であり、しかもこの発明の要旨ではないから、更に詳細な説明は省略する。
【0025】
また、この発明による外出確認信号錠を装備した電気錠は、主に内側からはサムターンにより、外側からは合鍵を操作しての機械的なシリンダ錠により、夫々施解錠操作するものとし、電気錠は例えば緊急時における各戸の一斉解錠等の特殊な用途に用いるものとする。
【0026】
図1に戻って、制御バー7の上方で、錠箱のやや後方寄りには、内側及び外側ダルマ14、19が同軸に、かつ相互に独立に回動可能に支承されている。
【0027】
通常の錠前ではこのダルマは単一の錠止部材制御体であり、例えば中央に開口したクラッチ孔を介してシリンダ錠及びサムターンに夫々連結されているが、この発明においては、内側ダルマ14は図示しないサムターンに、外側ダルマ19は図示しないシリンダ錠の内筒に夫々別個に連結されている。
【0028】
内側ダルマ14の外周部の所定の角度位置に一体に形成され、半径方向に延伸するレバー状の錠止部材制御部15は、第2連結ピン13を介して、前記制御レバー7に連結されていることは前記したとおりである。
【0029】
一方、外側ダルマ19の外周部の所定の角度位置に突設された突片は錠箱の厚さ方向に折り曲げられてスイッチ駆動部21が形成されている。
【0030】
このスイッチ駆動部21に対応して、外側ダルマ19の下方にはマイクロスイッチとしてのスイッチ22が配設されている。
【0031】
他方、上記内側及び外側ダルマ14、19は基本的には独立に回動できるように構成されているが、回転方向において相互に係合できるように、クラッチ23により相互に連結されている。
【0032】
図示の実施例におけるクラッチ23は、内側ダルマから延伸したレバーに植設された第4連結ピン24と、外側ダルマの外周部に開口した円弧状のガイド孔25とからなり、両者は相互に摺動可能に係合している。
【0033】
更に、外側ダルマ19の外周部上端には、磁性材質の鈎付レバー状のキャッチャー26が水平軸により回動自在に支承されている。
【0034】
このキャッチャー26は、捩りばねとしてのキャッチャーばね27の弾力により、反時計方向に付勢されているが、図1に示すように外側ダルマ19が解錠角度位置にあるとき、すなわちキャッチャー26が最上端位置にあるときには、その上端折り曲げ部が錠箱1の天井に装着された永久磁石28に吸着されて図示の角度位置を占める。
【0035】
また、キャッチャー26の自由端部となる鈎部の紙面方向におけるエレベーション位置は、外側ダルマ19と、これより浮くように配設され上記第4連結ピン24を植設したレバーとの間に入り込めるように設定されている。
【0036】
上記のように構成されたこの発明の第一実施例による外出確認信号錠は、シリンダ錠が解錠されているときには、図1に示すように、外側ダルマ19は時計方向に一杯に振れている。
【0037】
また、サムターンが施錠方向に駆動されているときには、図1に示すように、内側ダルマ14が反時計方向に一杯に振れている。
【0038】
その結果、制御レバー7は時計方向に回動し、ロッキングレバー6をその付勢力に抗して反時計方向に駆動するので、この錠前は施錠状態となる。
【0039】
このように錠前が室内側からサムターンにより施錠されているときには、外側ダルマ19は解錠角度位置にあり、そのスイッチ駆動部21はスイッチのアクチュエータに接触していない。この状態におけるスイッチ21の出力信号を在室信号として建物管理システムに供給する。
【0040】
外出の為サムターンを操作して内側ダルマ14を解錠方向(図1で時計方向)に回動させると、図2に示すように、制御レバー7が反時計方向に回動されて錠前が解錠される。
【0041】
上記内側ダルマ14の回動時、これと一体の第4連結ピン24は外側ダルマの前記ガイド孔25中を遊動するので、外側ダルマ19とは独立に回動できる。
【0042】
室内側のハンドルやノブを操作して扉を開け室外に出た後、合鍵を使用してシリンダ錠を施錠すると、その施錠操作におけるシリンダ錠内筒の回動に従動して外側ダルマ19は施錠方向、すなわち図1及び図2において反時計方向に回動する。
【0043】
このときには、図2から明らかなように、外側ダルマ19はクラッチ23を介して内側ダルマ14に係合し、換言すれば両者は一体に回動できるようになる。
【0044】
合鍵の操作により外側ダルマ19を反時計方向に回動させると、外側ダルマ19と一体に回動する内側ダルマ14の錠止部材操作部15の回動により、図3に示すように、制御レバー7が時計方向に駆動されて錠前は施錠される。
【0045】
同時に、外側ダルマのスイッチ駆動部21がスイッチ22を切換えるので、このスイッチから外出信号が取り出される。
【0046】
また、このときキャッチャー26が永久磁石28から離間するので、自由になったキャッチャー26はキャッチャーばね27の弾力により図3で反時計方向に回動し、第4連結ピン24にこれを包持するように係合する。
【0047】
外出から帰って合鍵によりシリンダ錠を解錠操作すると、その合鍵の回動により外側ダルマ19は図3で時計方向に回動するが、このときにはキャッチャー26を介して内側ダルマ14も一体に回動するので、図2に示すように錠前は解錠される。
【0048】
同時にスイッチ駆動部21がスイッチ22から離間するので、このスイッチからの出力信号は在室信号に切り替わる。
【0049】
また、解錠操作が完了すると、キャッチャー26は再び永久磁石28に近接するので、その永久磁石28とキャッチャー26との磁気的係合により、キャッチャー26は第4連結ピンから離間する方向に回動し(図2参照)、内側及び外側ダルマ14、19の係合が解ける。
【0050】
以降、室内に入った後サムターンを操作して施錠しても、またその儘解錠の状態にしておいても、外側ダルマ19が回動しないのでスイッチ22の出力は在室信号の儘に保たれる。
【0051】
次に、図4乃至図7を参照してこの発明の第二実施例について説明する。この第二実施例は、この発明をモータ駆動の引戸の電気錠に適用したものである。
【0052】
図4において符号29はカマを示し、このカマ29は錠箱1のフロント板3の近傍に配設された水平なカマ軸31により錠箱1の側板に平行な平面内で回動で着るように軸支されている。
【0053】
図4は引戸の施錠状態を示し、この施錠状態ではカマ29はフロント板3から外方に振出され、図示しない引戸枠のストライク板の開口に投入される。かかる引戸の錠止機構については従来周知であるから更に詳細な説明を省略する。
【0054】
上記カマ軸31の後方にはセクターギア32が錠箱の側板に平行な平面内で回動できるように軸支されており、このセクターギア32に一体に結合された作動アーム33の先端には駆動ピン34が植設されている。
【0055】
この駆動ピン34はカマ29の基端部に開口した長孔35に摺動可能に係合している。
【0056】
その為、セクターギア32が図4に示す角度位置から時計方向に回動すると、図5に示すように、カマ29がカマ軸31の回りを反時計方向に回動し、カマ29を錠箱1内に引込めてこの引戸錠を解錠する。
【0057】
図4に戻って、上記セクターギア32を駆動する為、マイクロモータ等の電動機35を駆動源とし、減速機36、減速機36の最終段歯車37、電磁クラッチ38を介してこの最終段歯車37に同軸に連結された第1傘歯車39、この第1傘歯車と噛み合うこれより大径の第2傘歯車42、及びこの第2傘歯車42と同軸かつ一体に結合されると共に、セクターギアと噛み合う第1平歯車41よりなる歯車列がセクターギア32に接続されている。
【0058】
上記した構成の引戸の電気錠は、電気的な解錠信号或いは施錠信号に応じて電動機35を正逆両方向に回転させ、解錠信号発生時セクターギア32を時計方向に回動させ、施錠信号発生時反対に反時計方向に回動させることにより、カマ29を錠箱内に引込め、或いはフロント板3から振出して施解錠をする。
【0059】
このとき、すなわちこの引戸の電気錠を電気錠として使用するとき、電磁クラッチ38を作動させて最終段歯車37と第1傘歯車39とを一体に連結する。
【0060】
この発明の第二実施例による外出確認信号錠を装備した電気錠は、前記第一実施例による電気錠と同様に、主に内側からはサムターンにより、外側からは合鍵を使用しての機械的なシリンダ錠により夫々施解錠操作するものとし、電気錠は例えば緊急時における各戸の一斉解錠等の特殊な用途に用いるものとする。
【0061】
前記セクターギア32をサムターン或いはシリンダ錠によって制御するため、錠箱1内の上端部中央には、内側及び外側ダルマ14、19が同軸に、かつ相互に独立に回動可能に支承されている。
【0062】
上記内側ダルマ14は図示しないサムターンに、外側ダルマ19は図示しないシリンダ錠の内筒に夫々別個に連結されていることは前記した第一実施例における電気錠と同様である。
【0063】
また、上記内側ダルマ14の外周部には一定の角度範囲にわたって歯車が切ってあり、この内側ダルマ14の歯車部は、外周部を一定の角度範囲にわたって扇形に切り欠いた第2平歯車43を介して、前記セクターギア32に第1平歯車41と共に噛み合っている。
【0064】
上記第2平歯車43の外周部の切欠は、ストッパーピン40(図4参照)との係合により第2平歯車42の回動角度範囲を規制するものであるが、この発明の必須の構成要件ではない。
【0065】
なお、上記内側ダルマ14の歯車部は、前記第一実施例における錠止部材制御部15(図1参照)に相当する。
【0066】
一方、外側ダルマ19の外周部は一定の角度範囲にわたって大径に成形され、この大径部がスイッチ駆動部21を構成している。
【0067】
このスイッチ駆動部21と外側ダルマ19の小径部とは傾斜カム44によって接続されている。
【0068】
上記スイッチ駆動部21に対応して、外側ダルマ19の近傍にはマイクロスイッチとしてのスイッチ22が配設されている。
【0069】
他方、上記内側及び外側ダルマ14、19は基本的には相互に独立に回動できるように構成されているが、回転方向において相互に係合できるようになっている。
【0070】
その為、内側ダルマ14の所定の角度位置に形成されたアーム45の端部に係合ピン46が植設されており、これに対応して、外側ダルマ19の一端の係合ピン46と同じ半径方向位置に、U字形の切欠47がその開口を係合ピン46に向けて形成されている。
【0071】
なお、上記係合ピン46は前記第一実施例の第4連結ピン24(図1参照)に、切欠47はガイド孔25の上方の端部に夫々対応する。
【0072】
また、外側ダルマ19の一端部には、磁性材質の鈎付レバー状のキャッチャー26が水平軸により回動自在に支承されている。
【0073】
このキャッチャー26は、図7に示すように、係合ピン46と係合可能なU字形のキャッチ溝48を有し、図1に示すように、捩りばねとしてのキャッチャーばね27の弾力により反時計方向に付勢されている。
【0074】
また、キャッチャー26は、図4に示すように外側ダルマ19が解錠角度位置にあるとき、すなわちキャッチャー26が最上端位置にあるときには、その上端折曲げ部48a(図7参照)が錠箱1の天井に装着された永久磁石28に吸着されて図4に示す角度位置、すなわちキャッチ溝48が外側ダルマ19の切欠47から離間する角度位置を占める。
【0075】
更にまた、キャッチャー26の自由端部となる鈎部の紙面方向におけるエレベーション位置は、外側ダルマ19と、係合ピン46を植設したアーム45との間に入り込めるように設定されている。
【0076】
なお、図5において符号49は錠箱1の側板内面に切り起こされたストッパーを、符号51はこのストッパー49、49との干渉を避ける為外側ダルマ19に形成された円弧状の開口を夫々示す。
【0077】
上記のように構成されたこの発明の第二実施例による外出確認信号錠は、シリンダ錠が解錠されているときには、図4に示すように、外側ダルマ19は時計方向に一杯に振れている。
【0078】
また、サムターンが施錠方向に駆動されているときには、図4に示すように、内側ダルマ14が反時計方向に一杯に振れている。
【0079】
その結果、セクターギア32は反時計方向に回動し、カマ29を時計方向に駆動するので、カマ29はフロント板3から振出されてこの錠前は施錠状態となる。
【0080】
このように錠前が室内側からサムターンにより施錠されているときには、外側ダルマ19は解錠角度位置にあり、そのスイッチ駆動部21はスイッチ22のアクチュエータ押動駆動している。この状態におけるスイッチ21の出力信号を在室信号として建物管理システムに供給する。
【0081】
外出の為サムターンを操作して内側ダルマ14を解錠方向(図4で時計方向)に回動させると、図5に示すように、第2平歯車43が反時計方向に、これと噛み合うセクターギア32が時計方向に回動してカマ29が錠箱1内に引込められ、解錠される。
【0082】
なお、サムターン或いは合鍵による施解錠操作時、電磁クラッチ38は例えば通電を遮断する等して不作動状態に置かれているので、内側ダルマ14の回動は減速機36や電動機35には伝達されず、したがってこれらによるブレーキ力が作用しないので施解錠操作は余計な操作力を伴うことなく円滑に行われる。
【0083】
上記内側ダルマ14の回動の終端において、これと一体の係合ピン46は外側ダルマの一端に形成された切欠47(図4参照)と係合する。
【0084】
室内側のハンドルやノブを操作して扉を開け室外に出た後、合鍵を使用してシリンダ錠を施錠すると、その施錠操作におけるシリンダ錠内筒の回動に従動して外側ダルマ19は施錠方向、すなわち図4及び図5において反時計方向に回動する。
【0085】
このときには、図5から明らかなように、外側ダルマ19の切欠47が内側ダルマ14の係合ピン46に係合してこれを押動するので、両者は一体に回動できるようになる。
【0086】
合鍵の操作により外側ダルマ19を反時計方向に回動させると、外側ダルマ19と一体に回動する内側ダルマ14の錠止部材操作部15(図4参照)の回動により、図6に示すように、制御レバー7が時計方向に駆動されて錠前は再び施錠される。
【0087】
同時に、外側ダルマのスイッチ駆動部21がスイッチ22から離間してこれを切換えるので、このスイッチから外出信号が取り出される。
【0088】
また、このときキャッチャー26が永久磁石28から離間するので、自由になったキャッチャー26はキャッチャーばね27の弾力により図6で反時計方向に回動し、係合ピン46にこれを包持するように係合する。
【0089】
外出から帰って合鍵によりシリンダ錠を解錠操作すると、その合鍵の回動により外側ダルマ19は図6で時計方向に回動するが、このときにはキャッチャー26を介して内側ダルマ14も一体に回動するので、図5に示すように錠前は解錠される。
【0090】
同時にスイッチ駆動部21がスイッチ22を押動するので、このスイッチ22からの出力信号は在室信号に切り替わる。
【0091】
また、解錠操作が完了すると、キャッチャー26は再び永久磁石28に近接するので、その永久磁石28とキャッチャー26との磁気的係合により、キャッチャー26は係合ピン46から離間する方向に回動し(図5参照)、内側及び外側ダルマ14、19の係合が解ける。
【0092】
以降、室内に入った後サムターンを操作して施錠しても、またその儘解錠の状態にしておいても、外側ダルマ19が回動しないのでスイッチ22の出力は在室信号の儘に保たれる。
【0093】
なお、図示の第一及び第二実施例はこの発明を電気錠に適用した場合を示すが、この発明は通常の機械的な錠前にも適用できる。
【0094】
例えば、図1に示す錠止部材制御部15は、反時計方向に回動したときに施錠し、時計方向に回動したときには解錠することは前記したとおりである。
【0095】
一方、通常の錠前において、デッドボルトを施解錠操作する所謂デッドカムはダルマに一体に形成された錠止部材制御部用の部材である。
【0096】
但し、そのデッドカムはデッドボルトに形成された切欠と係合して、時計方向に回動したときデッドボルトを扉枠のストライクに投入して施錠する。
【0097】
そこで、この発明の要部である内側及び外側ダルマ14及び19、キャッチャー26及びスイッチ22などをダルマの中心軸に関し左右対称的に形成或いは配設すれば(図示せず)、一連の施解錠操作は矛盾無く成立する。
【0098】
また、図示の実施例では、キャッチャー26の第4連結ピン24に対する係脱制御を永久磁石28とキャッチャー26との磁気的係合により行っているが、これはキャッチャー26の回動軸に関して鈎部とは反対側に制御突部を形成し、これと錠箱内の固定部との係合によりキャッチャー26を回動させるようにすることができる(図示せず)。
【0099】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明は、ダルマを内外2枚の部材に分割して機械的な外出及び在室判別機構を構成し、その機構の変化を単一のスイッチにより検知するようにしたから、外出確認信号錠の全体の構造が簡単になる。
【0100】
また、同じ理由により、外出及び在室確認信号の形成及び保持に電源を必要としないから、保守点検にも手間が掛からず、使い勝手が良い、等種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施例による外出確認信号錠の側面図で、サムターンにより施錠され、シリンダ錠は解錠されている状態を示す。
【図2】図1と同様の側面図で、サムターンにより解錠され、シリンダ錠も解錠されている状態を示す。
【図3】図1と同様の施錠状態を示す側面図で、シリンダ錠も施錠されている状態を示す。
【図4】この発明の第二実施例による外出確認信号錠の側面図で、サムターンにより施錠され、シリンダ錠は解錠されている状態を示す。
【図5】図4と同様の側面図で、サムターンにより解錠され、シリンダ錠も解錠されている状態を示す。
【図6】図4と同様の施錠状態を示す側面図で、シリンダ錠も施錠されている状態を示す。
【図7】キャッチャーの拡大平面図。
【符号の説明】
14 内側ダルマ
15 錠止部材制御部
19 外側ダルマ
21 スイッチ駆動部
22 スイッチ
24 第4連結ピン
26 キャッチャー
28 永久磁石
29 カマ
46 係合ピン
47 切欠
48 キャッチ溝
Claims (1)
- 錠箱内の錠止部材を制御するダルマを、テールピースを介してシリンダ錠に連結される外側ダルマと、扉内面に装着されたサムターンに連結される内側ダルマとに分割し、内側ダルマに錠止部材制御部を、外側ダルマにスイッチ駆動部をそれぞれ形成すると共に、これら外側及び内側ダルマを、回転方向において相互に係合可能にして重合し、一方、外側ダルマの一端部にキャッチャーを設け、その一端を内側ダルマと係合する方向に付勢すると共に、外側ダルマの回動の終期に他端が錠箱内の固定部と係合して一端を内側ダルマから離間する方向に駆動するようにし、外側ダルマのスイッチ駆動部により切換え駆動されるスイッチの出力信号を外出信号及び在室信号として取り出すようにしたことを特徴とする外出確認信号錠。
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JPH10292685A (ja) | 1998-11-04 |
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