JP2008127209A - メソポーラス無機材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ナノメートルサイズの孔径を有し、細孔配列が三次元高規則性を有するヘキサゴナル構造のメソポーラス無機材料と、そのメソポーラス無機材料を迅速に製造するとともに、かつ、高い再現性を有するメソポーラス無機材料の製造方法を提供する。
【解決手段】ナノメートルサイズの孔径を有し、細孔配列が三次元高規則性を有するヘキサゴナル構造のメソポーラス無機材料の製造方法において、溶媒中に原料を溶解して原料混合溶液を作製する工程1、前記原料混合溶液中の溶媒を揮発させて無機有機複合ナノ構造体の前駆体溶液を形成する工程2、前記前駆体溶液中の有機高分子成分を減圧発泡処理により揮発除去して無機有機複合ナノ構造体を得る工程3、無機有機複合ナノ構造体から有機物質を除去してメソポーラス無機多孔材料を得る工程4、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、メソポーラス無機材料及びその製造方法に関するものであり、より詳しくは、ナノメートルサイズの孔径を有し、細孔配列が三次元高規則性を有するヘキサゴナル構造のメソポーラス無機材料と、そのメソポーラス無機材料を迅速に製造すると伴に、かつ、メソポーラス無機材料を高い再現性で製造するメソポーラス無機材料の製造方法に関するものである。
近年、地球温暖化が世界的に重要な問題となっている。国内においても、製品及びシステムの省エネルギー化及び環境対応化に対する積極的な取り組みが急速に行われている。このような状況の中、分散型エネルギーシステムである冷熱機器及び空調機器は、極めて普及率が高く、年間を通じて使用される電力消費量が多いこと等を理由に収益改善の手段として極めて効果が大きいと考えられている。
そうした背景のもと、低温域での水蒸気吸脱着挙動を有する多孔質材料を用いた冷凍機器やデシカント空調、調湿システム、蓄熱システム等は、優れた省エネルギー性システムの早期実現に対応できる技術として大きく期待されている。この多孔質材料には、一般的にポーラス材料が用いられる。このポーラス材料は、細孔径の大きさと細孔径の分布及び配列の規則性で分類されている。
例えば、非晶質であるシリカゲルや活性炭等は、細孔の大きさがミクロ孔からマクロ孔まで幅広い孔径範囲を有し、細孔配列に規則性がないという特徴がある。そのため、特定の操作湿度範囲における吸脱着量が少ないという課題を有する。一方、ゼオライトに代表される結晶性多孔質体は、細孔径が均一で規則的な配列構造であるという特徴がある。しかしながら、細孔直径が1.5nm(ナノメートル)以下と小さく、その孔径によって用途が限定されてしまうという課題を有する。また、水分子との相互作用が極めて強く(一部の疎水性ゼオライトを除く)、水蒸気吸着等温線は相対湿度の10%以下で飽和吸着に到達してしまうという特徴がある。そのため、水蒸気を脱着するには、さらに120℃以上の脱着温度が必要であるという材料の本質的な課題を有している。
ポーラス材料がより広範囲で応用されるために、孔径がより大きく、かつ細孔配列の均一性が高いポーラス材料が望まれている。しかしながら、従来のポーラス材料には細孔直径が2nm以上の結晶性多孔質は、天然にも人工合成材料にも存在していなかった。このような流れの中で、近年、ゼオライトでは実現されていなかった数nmの均一な細孔径を有する新しいメソポーラスシリカ材料(MCM−41、FSM−16)が次々に発表され、現在、様々な分野において応用の可能性が検討されている。
このメソポーラスシリカは、均一で規則的に配列したメソ孔(直径2〜50nm)を持つシリカ(二酸化珪素)系多孔質材料の総称であり、厚みが約1nmの隔壁で仕切られたシリンダー状の細孔がヘキサゴナル配列した規則的な配列構造を有していることを特徴とする。また、このメソポーラスシリカは、メソポーラスシリカのメソ孔内において、その孔径に応じた相対湿度において毛管凝縮が起こり、特定の狭い相対湿度範囲で大きな吸脱着量を示すという特異的な特徴も有している。そして、メソ孔径を有していることから、この他吸湿用途以外にも、ゼオライトの細孔では対応できない大きな分子の関与する吸着、触媒作用等への応用も期待されている。
しかしながら、実用上の利用に関しては、吸着剤として既に工業的に製造され、多くのアプリケーションに適用されているシリカゲルやゼオライトとは異なり、その製造方法が確立されていないという問題がある。また、再現性も低く、製造コストが多くかかるという問題もある。このような問題が未だ解決されておらず、メソポーラスシリカを工業的に利用及び製造するにはまだ程遠い技術レベルにあるというのが現状である。
たとえば、メソポーラス無機材料としてのメソポーラスシリカを製造する方法として、「構造誘導剤と有機シリコン化合物を均一混合して、リオトロピック型液晶相を形成させしめ、特有の立体構造を形成させ、更に酸水溶液を迅速に加え、リオトロピック型液晶−シリカ複合構造体を形成させ、次いで、この複合体から構造誘導体を除去することによりメソポーラスシリカを製造する」ようにしたものが開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2004−35368号公報(第8頁〜第10頁)
上記のメソポーラスシリカの製造方法では、溶媒揮発の工程において、ロータリーエバポレータを用いて緩やかに減圧しながら有機物除去を行い、さらに溶媒溜去後の生成物を30〜60℃で6〜24時間、乾燥させる方法を施している。このように、メソポーラスシリカの製造は、製造時間を非常に長く費やすとともに、産業用としての生産性及び再現性は低いものであった。したがって、メソポーラスシリカの製造方法には、さらなる生産効率改善の余地がある。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、ナノメートルサイズの孔径を有し、細孔配列が三次元高規則性を有するヘキサゴナル構造のメソポーラス無機材料と、そのメソポーラス無機材料を迅速に製造するとともに、かつ、高い再現性を有するメソポーラス無機材料の製造方法を提供するものである。
本発明に係るメソポーラス無機材料の製造方法は、ナノメートルサイズの孔径を有し、細孔配列が三次元高規則性を有するヘキサゴナル構造のメソポーラス無機材料の製造方法において、溶媒中に原料を溶解して原料混合溶液を作製する工程と、前記原料混合溶液中の溶媒を揮発させて無機有機複合ナノ構造体の前駆体溶液を作製する工程と、前記前駆体溶液中に残存している溶媒及び水分を減圧し発泡させて揮発除去する減圧発泡処理により無機有機複合ナノ構造体を得る工程と、前記無機有機複合ナノ構造体から有機物質を除去する工程とからなることを特徴とする。
本発明に係るメソポーラス無機材料の製造方法は、ナノメートルサイズの孔径を有し、細孔配列が三次元高規則性を有するヘキサゴナル構造のメソポーラス無機材料の製造方法において、溶媒中に原料を溶解して原料混合溶液を作製する工程と、前記原料混合溶液中の溶媒を揮発させて無機有機複合ナノ構造体の前駆体溶液を作製する工程と、前記前駆体溶液中に残存している溶媒及び水分を減圧し発泡させて揮発除去する減圧発泡処理により無機有機複合ナノ構造体を得る工程と、前記無機有機複合ナノ構造体から有機物質を除去する工程とからなるので、製造時間を短時間化することができ、減圧発泡処理により前駆体溶液中に含まれる有機高分子成分を低濃度まで迅速に除去することができ、三次元高規則性の吸脱着性能に優れたメソポーラス無機材料(たとえば、メソポーラスシリカ)を再現良く製造することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るメソポーラス無機材料の製造方法の流れの一例を示す製造フロー図である。このメソポーラス無機材料の製造方法は、原料混合溶液中を作製し(工程1)、その溶液中の溶媒を除去して無機有機複合構造を有するナノ構造体の前駆体溶液を作製し(工程2)、骨格形成原料である金属アルコキシドの構成成分として前駆体溶液中に溶存している溶媒及び水分を減圧発泡処理により迅速に揮発除去してゲル状の無機有機複合ナノ構造物を得て(工程3)、界面活性剤の除去処理を施す(工程4)ことにより行われる。
このようにして、メソポーラス無機材料を製造することで、3次元規則構造性が高く、水に対する吸着性能に優れたメソポーラス無機材料を再現良く製造することが可能となる。この実施の形態1では、メソポーラス無機材料の一例としてメソポーラスシリカを例に挙げ、その製造方法及び水吸着特性について説明する。なお、実施の形態1で示す前駆体溶液とは、たとえばアルコール溶媒中において、ミセル化した界面活性剤のシリンダー状集合体(一般的に、テンプレートと称されている)の周囲に、金属アルコキシドの水和・イオン化反応で生成した金属水酸化物、あるいはそれらが縮重合したオリゴマーが集積化した構造の状態の溶液をいうものとする。
図1に基づいて、メソポーラスシリカの製造方法を具体的に説明する。
まず、工程1について説明する。工程1は、原料をアルコール溶媒に溶解して原料混合溶液を作製するまでの工程であり、下記の手順により行われる。
手順(1)、界面活性剤をアルコール溶媒中に溶解して界面活性剤溶液を作製する。
手順(2)、骨格構造を形成する金属元素の原料である金属アルコキシドと、この金属アルコキシドの水和・イオン化反応を進行させるための酸触媒水溶液を混合して溶液を作製する。
手順(3)、手順(1)で作製した界面活性剤溶液と手順(2)で作製した溶液を混合する。
上記手順(1)において、メソ細孔形成の鋳型として使用する界面活性剤に、一般式CH3(CH2)nN(CH33X(n=9、11、13、15、17であり、Xはハロゲン化物イオン、HSO4 -、有機アニオン等)で表されるカチオン系界面活性剤を用いている場合を例に示している。このカチオン系界面活性剤をメソ細孔形成の鋳型として用いることが好ましい。このカチオン系界面活性剤の代表的なものとしては、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムがある。
カチオン系界面活性剤であるハロゲン化テトラアルキルアンモニウムの中でも特に、n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド:CH3(CH215N(CH33Cl(以下、C16TACと略記)を使用した場合を例に説明する。すなわち、本発明の主な用途として挙げた相対湿度40〜60%で毛管凝縮を生じることができ、さらに相対湿度30%以下において脱着することが可能なメソポーラスシリカを製造するための鋳型としてC16TACを使用するのである。
まず、界面活性剤C16TAC(東京化成製、製造番号SOO87、>98%)をアルコール溶媒中に入れて溶解させる。つまり、C16TACを溶解して、シリンダー状のミセル集合体(テンプレート)を作製するのである。この際に使用可能なアルコール溶媒としては、メタノールやエタノール、n−プロパノール等の1級アルコール、2−プロパノール、2−ブタノール等の2級アルコール、ターシャリーブチルアルコール等の3級アルコール等が挙げられる。また、アルコール以外の溶媒としては、アセトンやキシレン、トルエン、アセトニトリル等が挙げられる。実施の形態1においては、原料コスト及び取り扱いの容易さから最も好ましいエタノールを使用した場合を例に示している。
16TACとエタノールとの混合比は、C16TACを1モルとしたとき、エタノール(和光純薬製1級、054−00461、99.5%)を5〜55モルの範囲で調整可能としている。実施の形態1では、C16TACを1モルとしたとき、エタノールを50モルとしたときの場合を例に示している。なお、混合時にC16TACが溶解し難い場合には、エタノールを40℃程度まで加温することで容易に溶解させることができる。
上記手順(2)において、金属アルコキシドとして、Siアルコキシドであるテトラエチルオルソシリケート:(C25O)4Si (東京化成製、T0100、以下TEOSと略記する)及びジルコニウム添加剤の原料である硝酸ジルコニル:ZrO(NO32・2H2 (三津和化学製、No.59987(特級);Assay99%)からなる有機金属化合物を、加水分解触媒である酸触媒水溶液としての塩酸水溶液(10−3M)中に所定量を入れて溶解混合する。この原料の混合溶解を行う手順は、特に制限していない。したがって、制限塩酸水溶液中に硝酸ジルコニル及びTEOSを同時に混合し、原料の混合溶解を行っても何ら問題を生じないが、更に好ましくは、まず塩酸水溶液中に硝酸ジルコニルを入れて10〜20分間撹拌混合した後にTEOSを加える方がよい。
その理由は、硝酸ジルコニルの水和・イオン化を先に進行させることによって、ミセル化した界面活性剤のシリンダー状集合体の周囲に優先的に堆積させることができるからである。この結果、細孔壁表面における濃度を局所的に高めることができるようになり、耐水性向上や水吸着が生じ始める相対湿度を調整するためのチューニング材としての添加効果がより得られ易くなる。
このC16TACとTEOS及び硝酸ジルコニルとの混合比、すなわち、界面活性剤と有機金属化合物の混合モル比率は、C16TACを1モルとしたとき、TEOSと硝酸ジルコニルとの総モル数を0.15〜0.30モルの範囲で調整可能としている。それは、TEOSと硝酸ジルコニルとの総モル数が0.15モルを下回ると、メソ孔を形成することは可能であるが、細孔容積が小さいものとなってしまうからである。また、モル数に応じて細孔径も変化してしまい、さらに、総モル数が極端に少ないと、テンプレートを形成することができなくなる。したがって、均一な骨格構造を有したメソポーラスシリカを形成することができない。
反対に、TEOSと硝酸ジルコニルとの総モル数が0.30モルを上回ると、細孔径分布に変動が生じてしまうことになる。硝酸ジルコニル(Zr)の投入量は、TEOS(Si)との混合モル数が上記濃度0.15〜0.30モルになる範囲において、0.1〜5.0モル%とした場合を例に示している。たとえば、シリカの骨格構造中に硝酸ジルコニウムを5.0モル%添加してメソポーラスシリカを製造するとよい。なお、界面活性剤であるC16TACを1モルとしたとき、有機金属化合物であるTEOSと硝酸ジルコニルとの総モル数を0.10〜0.30モルの範囲に設定することが最適な混合モル比率であることが分かっている。
上記手順(3)において、手順(1)で作製した界面活性剤を溶解させたアルコール溶液と、手順(2)で作製した金属アルコキシドと酸触媒水溶液とを混合した水溶液とを混合し、室温で1時間攪拌して、原料混合溶液を作製する。この1時間の撹拌後の溶液においては、pHメーターによる測定値が1.1〜1.5の範囲となるように調整を施している。以上のように、原料をアルコール溶媒に溶解して原料混合溶液を作製する工程1は、上記手順(1)〜(3)の手順により行われるので、3次元規則構造性が高く、吸着性能に優れたメソポーラスシリカを再現良く製造するために必要な均一性の高い原料混合溶液を作製することができる。
次に、工程2について説明する。工程2は、工程1で作製した原料混合溶液中の溶媒を揮発させて無機有機複合ナノ構造体の前駆体溶液を作製するまでの工程である。つまり、工程2は、工程1で作製した原料混合溶液中に含まれる溶媒の除去に関するものである。なお、原料混合溶液中に含まれる溶媒の除去する方法として、ロータリーエバポレータを使用する場合を例に説明する。つまり、この原料混合溶液をナス型フラスコに移し、これをロータリーエバポレータを使用して減圧処理を施すことにより揮発除去を行うようにする。
このロータリーエバポレータを使用しての減圧処理の際に激しい沸騰を避けるため、減圧処理としてナス型フラスコ内圧力を60〜100hPa(ヘクトパスカル)の範囲で0.5〜3時間を要して段階的に圧力を下げていくことが重要である。この溶媒揮発除去の工程において、減圧処理の際にウォーターバスを使用して、25〜60℃の湯浴にて加温を施しながら溶媒揮発を行うようにすると、より効果的であることがわかった。なお、加温の温度範囲は、25〜80℃であればよい。
溶媒揮発除去の工程の終点は、pHの値によって管理することができる。すなわち、実施の形態1において、上記原料を用いて作製した原料混合溶液では、溶媒除去後のpH値が0.1〜0.5の範囲となるように調整を施しているのである。この工程2において製造された無機有機複合ナノ構造体の前駆体溶液は、高温、高湿下を除く、低温での雰囲気下であれば長期保存することができるものである。
また、無機有機複合ナノ構造体の前駆体溶液は、密閉容器中で保存すれば、長期保存もすることができるものである。したがって、無機有機複合ナノ構造体の前駆体溶液を量産する時においては、この前駆体溶液の作り置きによる保存が可能であるため、製造工程での原料投入から粉末完成までの連続的なバッチ処理を行う必要が不可欠ではなくなるため、生産性が極めて高いものとなる。
すなわち、このバッチ処理とは、一括処理のことであり、上述したように無機有機複合ナノ構造体の前駆体溶液は作り置きすることができるので、メソポーラスシリカの作製の都度、無機有機複合ナノ構造体の前駆体溶液を作製しなくて済むのである。以上にように、工程2は処理されるので、3次元規則性が高く、水吸着性能に優れたメソポーラスシリカを再現良く製造するために必要な無機有機複合ナノ構造体の前駆体溶液を作製することができる。
次に、工程3について説明する。工程3は、工程2で作製した前駆体溶液中に残存している溶媒及び水分を減圧し、発泡させる処理により揮発除去して無機有機複合ナノ構造体を得るまでの工程である。つまり、工程2によって作製した無機有機複合ナノ構造体の前駆体溶液中に含まれるに溶媒及び水分の除去に関するものである。以下、前駆体溶液中に残存している溶媒及び水分を減圧し、発泡させる処理のことを減圧発泡処理という。
実施の形態1の一例として、エバポレータに取り付けられたナスフラスコ内の溶液をさらに10〜60hPaに減圧し、発泡させて、更に圧力を序々に下げながら、溶媒及び水分の揮発除去を1〜3時間を要して減圧発泡処理を行っている場合を示している。なお、圧力範囲は、5〜60hPaであればよい。また、ここでは、減圧発泡処理の際にウォーターバスを用いて25〜60℃の湯浴にて加温を施しながら揮発除去を行うようにしている。
工程3において、有機高分子成分を極めて低濃度まで除去することは、メソ細孔の孔径を均一で、かつ、高い再現性でメソポーラスシリカを製造するために極めて重要である。すなわち、実施の形態1に係る製造方法における減圧発泡処理を行う際の留意点として、溶液を高粘性にしてより大きな泡を発生させることが重要なのである。こうすることで、溶液の表面積が増大して揮発速度が高まり、迅速、かつ、有機高分子成分の残存濃度が極めて低いゲル状の無機有機複合ナノ構造物を得ることができる。
なお、有機高分子成分の十分な除去を施すことができない場合には、細孔径分布に広がりが発生し、3次元構造の高規則性が得られなくなってしまう。なお、実施の形態1における前駆体溶液中に残存している溶媒及び水分を減圧発泡処理により揮発除去して、無機有機複合ナノ構造体を得る際の圧力条件は、実施の形態1に係る製造方法において最良の範囲である。しかしながら、この範囲に限定されず、良好な発泡が得られる圧力条件に設定・調節可能にしておくことが重要である。
次に、工程4について説明する。工程4は、工程3によって作製したゲル状の無機有機複合ナノ構造物に含まれるC16TACを除去する工程である。C16TACを除去する方法としては、焼成法と抽出法との2通りが有効なものとして知られている。焼成法の場合、界面活性剤が分解可能な温度で焼成するのであれば、特に制限は無い。通常は、350〜800℃の温度範囲で1時間以上の焼成処理が行われる。焼成処理は、550〜650℃で5〜6時間行うことが、より好ましい条件とされている。なお、焼成処理に用いる炉は熱風循環式の脱脂炉が最適である。この実施の形態1においては、炉の排気口よりダクトを介して接続された脱臭装置あるいはスクラバーにより、炉内で発生する排ガスを回収する装置を備えた設備を用いた場合を示しているものとする。
界面活性剤の焼成処理の際に発生する排ガスの処理コストの課題を解決する焼成処理以外の除去方法として、溶媒を用いて除去する抽出法がある。この抽出法で用いられる溶媒には、たとえば、アルコール系であるメタノールやエタノール、n−プロパノール等の1級アルコール、2−プロパノール、2−ブタノール等の2級アルコール、ターシャリーブチルアルコール等の3級アルコール等が挙げられる。
また、この抽出法で用いられるアルコール以外の溶媒には、たとえば、蒸留水や酸水溶液の他、アセトン、キシレン、トルエン、アセトニトリル等が挙げられる。すなわち、無機有機複合ナノ構造体を上述した溶媒中に浸漬させて、無機有機複合ナノ構造体から有機物質を除去するのである。なお、界面活性剤の除去処理は、上述した焼成法及び抽出法の組み合わせによる方法も有効である。たとえば、溶媒による抽出除去後に焼成処理を行うことで、より低濃度まで界面活性剤を除去することができるということが分かっている。
以上、説明した工程(工程1〜工程4)を施すことにより、メソポーラスシリカの製造時間が従来のメソポーラスシリカの製造方法の比べて、短時間化されることになる。また、実施の形態1に係る製造方法で得られるメソポーラスシリカは、3次元規則構造性が高いものである。この3次元規則構造性の高いメソポーラスシリカは、所定の相対湿度範囲において急峻で、かつ、高い水吸着性能を顕著に有しているものである。さらに、実施の形態1に係る製造方法は、再現性が高く、メソポーラスシリカを安定に製造することが可能となる。
また、実施の形態1に係る製造方法によって得られるメソポーラスシリカは、極めて均一な孔径を有する細孔がヘキサゴナル状に並んだ構造を有している。メソポーラスシリカは、一般的に3次元規則構造性が高いほど吸脱着特性に優れていることが分かっている。すなわち、実施の形態1に係る製造方法によって、3次元規則構造性が高いメソポーラスシリカを短時間で再現良く製造することができるようになったのである。ここで、実施の形態1に係る製造方法によって得られるメソポーラスシリカの特徴について説明する。
図2は、実施の形態1に係る製造方法によって得られるメソポーラスシリカのX線回折パターンを示す説明図である。図2において、縦軸は回折強度(Intensity Counts)を、横軸は回折角度(2θ/θ)を表してる。このX線回折パターンによれば、(100)面に対応する面間隔距離d=3.2nm付近に回折ピークがあることがわかる(図3参照)。
図3は、硝酸ジルコニウムの投入量を変化させたC16TACを用いて製造されたメソポーラスシリカのX線回折及び窒素吸着測定によって得られた面間隔距離d(nm)、孔径dP(nm)、隔壁厚みdW(nm)、細孔容積Vp(cc/g)、表面積SBET(m2/g)の細孔パラメータの関係を示す説明図である。図に示すように、実施の形態1に係る製造方法により作製されるメソポーラスシリカの細孔径は、2.7〜2.9nmの範囲にピークを有する細孔分布を特徴としていることがわかる。ここでは、細孔パラメータの算出に、DH法(Dollmore−Hell)に基づいて方法を用いた。
図3において、1.0%の硝酸ジルコニウムを投入したC16TACは、面間隔距離3.19、孔径2.70、隔壁厚み0.98、細孔容積0.72、表面積1227という細孔パラメータを有している。3.0%の硝酸ジルコニウムを投入したC16TACは、面間隔距離3.21、孔径2.77、隔壁厚み0.93、細孔容積0.76、表面積1228という細孔パラメータを有している。1.0%の硝酸ジルコニウムを投入したC16TACは、面間隔距離3.27、孔径2.96、隔壁厚み0.82、細孔容積0.79、表面積1223という細孔パラメータを有している。
0.5%の硝酸ジルコニウムを投入したC16TACは、面間隔距離3.33、孔径3.02、隔壁厚み0.83、細孔容積0.80、表面積1218という細孔パラメータを有している。0.1%の硝酸ジルコニウムを投入したC16TACは、面間隔距離3.36、孔径2.99、隔壁厚み0.88、細孔容積0.81、表面積1227という細孔パラメータを有している。したがって、冷熱機器や空調機器等の用途に応じて使い分けるようにすることが可能となっている。
図4は、実施の形態1に係る製造方法によって得られたメソポーラスシリカの水蒸気吸着等温線図である。図4において、縦軸は吸着量(g/g)を、横軸は相対湿度(p/p0)を表してる。また、白い丸印で表した等温線がC16TACを適用して製造したメソポーラスシリカの脱着等温線32を、黒い丸印で表した等温線がC16TACを適用して製造したメソポーラスシリカの吸着等温線31を表している。
ゼオライト等の吸着剤の吸着等温線は、IUPAC(国際純正・応用化学連合(International Union of Pure and Applied Chemistry))で分類されるI型(Langmuir型)となり、低い相対湿度領域において急激に吸着量が増加するが、それ以降の吸着量は飽和するという傾向を有している。また、シリカゲル等の吸着剤の吸着等温線は、IUPACで分類されるIII 型となり、低い相対湿度領域においての吸着量は飽和しないという傾向を有している。
一方、メソポーラスシリカの吸着等温線は、IUPACで分類されるV型となり、メソ細孔内への毛管凝縮に起因する狭い相対湿度範囲であるp/p0=0.3〜0.5において、吸着量の急激な増加とわずかに低湿度側にシフトした脱着特性を示し、非可逆的なヒステリシス特性を有している。また、メソポーラスシリカの水に対する飽和吸着量においてもゼオライトやシリカゲル等の吸着剤の2倍以上であり(但し、B型等のシリカゲルのように、メソポーラス無機材料よりも飽和吸着量が大きいものも存在する)、吸着材として極めて優れているという特性を有している。つまり、吸着条件が相対湿度30%以上、脱着条件が相対湿度30%以下において毛管凝縮が生じるので、湿度40%以上で最大限に水蒸気を吸着することができ、その吸着した水蒸気を低温で脱着することができるのである。
図4に図示していないが、2回目の吸着では、飽和吸着量は0.05〜0.1(g/吸着剤1g当たり)程度減少し、更に細孔内壁のシリカ表面の親水化のため低湿度側の吸着量が増加して毛管凝縮の生じる相対湿度が低湿度側に0.05程度シフトするという傾向を有している。しかしながら、このシフトは、2回目以降(3回目以上)の吸着では変化は全く見られず、図示省略の2回目における吸着等温線の特性を維持するものであった。
以上のような吸着性能を有するメソポーラスシリカは、水蒸気に対する吸着条件が相対湿度30%以上、脱着条件が相対湿度30%以下の範囲において毛管凝縮を生じさせることが可能であり、たとえば、ヒートポンプ式空調システムやデシカント式空調システムにおいて、一旦吸着した水蒸気を低温で再生(脱着)することができるため、再生(脱着)に要するエネルギー量を著しく低減できる省エネシステム実現に極めて有効な吸着剤である。
なお、実施の形態1においては、界面活性剤にカチオン性界面活性剤であるn−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド:CH3(CH215N(CH33Clを用いた場合を例に説明しているが、これに限定するものではなく、n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドと同様の2.7〜2.8nmの細孔径が形成できる界面活性剤であれば他の界面活性剤でもよい。たとえば、ノニオン性界面活性を用いても同様の効果が得られることは言うまでもない。
実施の形態2.
実施の形態2は、メソ細孔形成の鋳型として使用する界面活性剤に、トリメチルステアリルアンモニウムクロリド:CH3(CH217N(CH33Cl(以下、C18TACと略記)を使用し、シリカの骨格構造中にジルコニウムを5.0%添加してメソポーラスシリカを製造する場合を例に説明する。基本的な製造方法については、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1と同様の製造工程フローについては説明を省略し、原料の混合溶液の作製方法を中心に説明する。
まず、カチオン性界面活性剤をエタノール溶媒中で溶解して界面活性剤溶液を作製する(実施の形態1で示した手順1)。つまり、C18TACを溶解して、シリンダー状のミセル集合体(テンプレート)を作製するのである。このC18TACとエタノールとの混合比は、C18TACを1モルとしたとき、エタノールを45〜55モルの範囲で調整可能としている。実施の形態2では、C18TACを1モルとしたとき、エタノールを50モルとしたときの場合を示している。なお、混合時にC18TACが溶解し難い場合には、エタノールを40℃程度まで加温して溶解させることができる。
より具体的には、金属アルコキシドとして、SiアルコキシドであるTEOS及び硝酸ジルコニルからなる有機金属化合物を、加水分解触媒である酸触媒水溶液としての塩酸水溶液(10−3M)中に所定量を入れて溶解混合する(実施の形態1で示した手順2)。この混合溶解は、まず塩酸水溶液中に硝酸ジルコニルを入れて10〜20分間撹拌混合した後、TEOSを添加する手順で作製するようにしている。次に、C18TACを溶解した界面活性剤溶液と、金属アルコキシドと酸触媒水溶液とを混合した水溶液とを混合し、室温で1時間攪拌して原料混合溶液を作製する(実施の形態1で示した手順3)。この1時間の撹拌後の溶液においては、pHメーターによる測定値が1.6〜2.0の範囲となるように調整を施している。
なお、C18TACとTEOS及び硝酸ジルコニルとの混合比は、C18TACを1モルとしたとき、TEOSと硝酸ジルコニルとの総モル数を0.15〜0.30モルの範囲で調整可能としている。なお、界面活性剤であるC18TACを1モルとしたとき、有機金属化合物であるTEOSと硝酸ジルコニルとの総モル数を0.10〜0.30モルの範囲に設定することが最適な混合モル比率であることが分かっている。
作製された原料混合溶液は、実施の形態1と同様の過程を経てメソポーラスシリカが作製されるようになっている。つまり、原料混合溶液は、原料混合溶液中の溶媒を揮発除去して無機有機複合ナノ構造体の前駆体溶液を作製する工程、その前駆体溶液中に残存している溶媒及び水分を減圧発泡処理により揮発除去してゲル状の無機有機複合ナノ構造体を得る工程、ゲル状の無機有機複合ナノ構造物に含まれる界面活性剤を除去する工程が施されてメソポーラスシリカが製造されるのである。
実施の形態1で示した工程2に相当する溶媒揮発除去の終点は、pHの値によって管理することができる。すなわち、実施の形態2において、上記原料を用いて作製した原料混合溶液では、溶媒除去後のpH値が0.7〜1.0の範囲となるように調整を施しているのである。したがって、界面活性剤にC18TACを適用した場合においても、C16TACを適用した場合と同様に、製造時間を短時間化することができる。また、実施の形態2に係わる製造方法で得られるメソポーラスシリカは、3次元規則構造性が高いものである。さらに、実施の形態2に係る製造方法は、優れた吸着性能を有するメソポーラスシリカを再現良く製造できる。
また、実施の形態2に係る製造方法によって得られるメソポーラスシリカも、極めて均一な孔径を有する細孔がヘキサゴナル状に並んだ構造を有している。メソポーラスシリカは、一般的に3次元規則構造性が高いほど吸脱着特性に優れていることが分かっている。すなわち、実施の形態2に係る製造方法によって、3次元規則構造性が高いメソポーラスシリカを短時間で再現良く製造することができるようになったのである。ここで、実施の形態2に係る製造方法によって得られるメソポーラスシリカの特徴について説明する。
図5は、実施の形態2に係る製造方法によって得られるメソポーラスシリカのX線回折パターンを示す説明図である。図5において、縦軸は回折強度(Intensity Counts)を、横軸は回折角度(2θ/θ)を表してる。この回折パターンによれば、(100)面に対応する面間隔距離d=3.4nm付近に回折ピークがあることがわかる(図6参照)。
図6は、C18TACを用いて製造されたメソポーラスシリカのX線回折及び窒素吸着測定によって得られた面間隔距離d(nm)、孔径dP(nm)、隔壁厚みdW(nm)、細孔容積Vp(cc/g)、表面積SBET(m2/g)の細孔パラメータの関係を示す説明図である。図に示すように、実施の形態2に係る製造方法により作製されるメソポーラスシリカの細孔径は、3.0〜3.3nmの範囲にピークを有する細孔分布を特徴としていることがわかる。
図6において、5.0%の硝酸ジルコニウムを投入したC18TACは、面間隔距離3.46、孔径3.06、隔壁厚み0.93、細孔容積0.78、表面積1131という細孔パラメータを有している。なお、ここでは、5.0%の硝酸ジルコニウムを投入したC18TACを例に示しているが、これに限定するものではない。たとえば、実施の形態1と同様に、硝酸ジルコニウムの投入量を変化させてもよい。そうすれば、冷熱機器や空調機器等の用途に応じて使い分けることが可能になる。
図7は、実施の形態2に係る製造方法によって得られたメソポーラスシリカの水蒸気吸着等温線図である。図7において、縦軸は吸着量(g/g)を、横軸は相対湿度(p/p0)を表してる。また、白い丸印で表した等温線がC18TACを適用して製造したメソポーラスシリカの脱着等温線52を、黒い丸印で表した等温線がC18TACを適用して製造したメソポーラスシリカの吸着等温線51を表している。
実施の形態1で説明したメソポーラスシリカと同様に、実施の形態2に係る製造方法により作製されたメソポーラスシリカの吸着等温線は、IUPACで分類されるV型となり、メソ細孔内への毛管凝縮に起因する狭い相対湿度範囲p/p0=0.3〜0.5において、吸着量の急激な増加とわずかに低湿度側にシフトした脱着特性を示し、非可逆的なヒステリシス特性を有している。また、メソポーラスシリカの水に対する飽和吸着量においてもゼオライトやシリカゲル等の吸着剤より大きく、吸着材として優れているという特性を有している。つまり、吸着条件が相対湿度30%以上、脱着条件が相対湿度30%以下において毛管凝縮が生じるので、湿度40%以上で最大限に水蒸気を吸着することができ、その吸着した水蒸気を低温で脱着することができるのである。
図7に図示していないが、C16TACを適用して作製したメソポーラスシリカの場合と同様に、2回目の吸着では、飽和吸着量は0.05〜0.1(g/吸着剤1g当たり)程度減少し、更に細孔内壁のシリカ表面の親水化のため低湿度側の吸着量が増加して毛管凝縮の生じる相対湿度が低湿度側に0.05程度シフトするという傾向を有している。しかしながら、このシフトは、2回目以降(3回目以上)の吸着では変化は全く見られず、図示省略の2回目における吸着等温線の特性を維持するものであった。
以上、説明した工程により、メソポーラスシリカの製造時間が従来のメソポーラスシリカの製造方法の比べて、短時間化されることになる。また、実施の形態2に係る製造方法で得られるメソポーラスシリカは、3次元規則構造性が高いものである。この3次元規則構造性の高いメソポーラスシリカは、所定の相対湿度範囲において急峻で、かつ、高い水吸着性能を顕著に有しているものである。さらに、実施の形態2に係る製造方法は、再現性が高く、メソポーラスシリカを安定に製造することが可能となる。
また、以上のような吸着性能を有するメソポーラスシリカは、水蒸気に対する吸着条件が相対湿度30%以上、脱着条件が相対湿度30%以下の範囲において毛管凝縮を生じさせることが可能であり、たとえば、ヒートポンプ式空調システムやデシカント式空調システムにおいて、一旦吸着した水蒸気を低温で再生(脱着)することができるため、再生(脱着)に要するエネルギー量を著しく低減できる省エネシステム実現に極めて有効な吸着剤である。
実施の形態3.
本実施の形態は、メソ細孔形成の鋳型として使用する界面活性剤に、トリメチルステアリルアンモニウムクロリド:CH3(CH2)nN(CH33Cl(n=11の場合C12TACと略記、n=13の場合C14TACと略記)を使用し、シリカの骨格構造中にジルコニウムを5.0%添加してメソポーラスシリカを製造する場合を例に説明する。基本的な製造方法については、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1と同様の製造工程フローについては説明を省略し、原料の混合溶液の作製方法を中心に説明する。
まず、カチオン性界面活性剤をエタノール溶媒中で溶解して界面活性剤溶液を作製する(実施の形態1で示した手順1)。つまり、C12TACまたはC14TACを溶解して、シリンダー状のミセル集合体(テンプレート)を作製するのである。このC12TACまたはC14TACとエタノールとの混合比は、C12TACまたはC14TACを1モルとしたとき、エタノールを45〜55モルの範囲で調整可能としている。実施の形態3では、C12TACまたはC14TACを1モルとしたとき、エタノールを50モルとしたときの場合を示すものとする。なお、混合時にC12TAC及びC14TACが溶解し難い場合には、エタノールを40℃程度まで加温して溶解させることができる。
より具体的には、金属アルコキシドとして、SiアルコキシドであるTEOS及び硝酸ジルコニルからなる有機金属化合物を、加水分解触媒である酸触媒水溶液としての塩酸水溶液(10−3M)中に所定量を入れて溶解混合する(実施の形態1で示した手順2)。この混合溶解は、まず塩酸水溶液中に硝酸ジルコニルを入れて10〜20分間撹拌混合した後、TEOSを添加する手順で作製するようにしている。次に、C12TACまたはC14TACを溶解した界面活性剤溶液と、金属アルコキシドと酸触媒水溶液とを混合した水溶液とを混合し、室温で1時間攪拌して原料混合溶液を作製する(実施の形態1で示した手順3)。この1時間の撹拌後の溶液においては、pHメーターによる測定値が1.6〜2.0の範囲となるように調整を施している。
なお、C12TACまたはC14TACとTEOS及び硝酸ジルコニルとの混合比は、C12TACまたはC14TACを1モルとしたとき、TEOSと硝酸ジルコニルとの総モル数を0.15〜0.30モルの範囲で調整可能としている。なお、界面活性剤であるC12TACまたはC14TACを1モルとしたとき、有機金属化合物であるTEOSと硝酸ジルコニルとの総モル数を0.10〜0.30モルの範囲に設定することが最適な混合モル比率であることが分かっている。
作製された原料混合溶液は、実施の形態1と同様の過程を経てメソポーラスシリカが作製されるようになっている。つまり、原料混合溶液は、原料混合溶液中の溶媒を揮発除去して無機有機複合ナノ構造体の前駆体溶液を作製する工程、その前駆体溶液中に残存している溶媒及び水分を減圧発泡処理により揮発除去してゲル状の無機有機複合ナノ構造体を得る工程、ゲル状の無機有機複合ナノ構造物に含まれる界面活性剤を除去する工程が施されてメソポーラスシリカが製造されるのである。
実施の形態1で示した工程2に相当する溶媒揮発除去の終点は、pHの値によって管理することができる。すなわち、実施の形態3において、上記原料を用いて作製した原料混合溶液では、溶媒除去後のpH値が0.7〜1.0の範囲となるように調整を施しているのである。したがって、界面活性剤にC12TACまたはC14TACを適用した場合においても、C16TACを適用した場合と同様に、製造時間を短時間化することができる。また、実施の形態3に係わる製造方法で得られるメソポーラスシリカは、3次元規則構造性が高いものである。さらに、実施の形態3に係る製造方法は、優れた吸着性能を有するメソポーラスシリカを再現良く製造できる。
また、実施の形態3に係る製造方法によって得られるメソポーラスシリカも、極めて均一な孔径を有する細孔がヘキサゴナル状に並んだ構造を有している。メソポーラスシリカは、一般的に3次元規則構造性が高いほど吸脱着特性に優れていることが分かっている。すなわち、実施の形態3に係る製造方法によって、3次元規則構造性が高いメソポーラスシリカを短時間で再現良く製造することができるようになったのである。ここで、実施の形態3に係る製造方法によって得られるメソポーラスシリカの特徴について説明する。
図8は、実施の形態3に係る製造方法によって得られるメソポーラスシリカのX線回折パターンを示す説明図である。図8において、縦軸は回折強度(Intensity Counts)を、横軸は回折角度(2θ/θ)を表してる。この回折パターンによれば、C12TACを適用したメソポーラスシリカでは(100)面に対応する面間隔距離d=2.5nm付近に、C14TACを適用したメソポーラスシリカでは(100)面に対応する面間隔距離d=2.8nm付近に、回折ピークがあることがわかる(図9参照)。
図9は、C12TACまたはC14TACを用いて製造されたメソポーラスシリカのX線回折及び窒素吸着測定によって得られた面間隔距離d(nm)、孔径dP(nm)、隔壁厚みdW(nm)、細孔容積Vp(cc/g)、表面積SBET(m2/g)の細孔パラメータの関係を示す説明図である。図に示すように、実施の形態3に係る製造方法により作製されるメソポーラスシリカの細孔径は、C12TACの場合で2.1〜2.3nmの範囲に、C14TACの場合で2.4〜2.6nmの範囲にそれぞれピークを有する細孔分布を特徴としていることがわかる。
図9において、5.0%の硝酸ジルコニウムを投入したC12TACは、面間隔距離2.58、孔径2.16、隔壁厚み0.82、細孔容積0.57、表面積1391という細孔パラメータを有している。また、5.0%の硝酸ジルコニウムを投入したC14TACは、面間隔距離2.84、孔径2.46、隔壁厚み0.82、細孔容積0.67、表面積1478という細孔パラメータを有している。なお、ここでは、5.0%の硝酸ジルコニウムを投入したC12TAC及びC14TACを例に示しているが、これに限定するものではない。たとえば、実施の形態1と同様に、硝酸ジルコニウムの投入量を変化させてもよい。そうすれば、冷熱機器や空調機器等の用途に応じて使い分けることが可能になる。
図10は、実施の形態3に係る製造方法によって得られたメソポーラスシリカの水蒸気吸着等温線図である。図10において、縦軸は吸着量(g/g)を、横軸は相対湿度(p/p0)を表してる。また、白い丸印で表した等温線がC12TACを適用して製造したメソポーラスシリカの脱着等温線72を、黒い丸印で表した等温線がC12TACを適用して製造したメソポーラスシリカの吸着等温線71を表しており、白い三角印で表した等温線がC14TACを適用して製造したメソポーラスシリカの脱着等温線74を、黒い三角印で表した等温線がC14TACを適用して製造したメソポーラスシリカの吸着等温線73を表している。
実施の形態1で説明したメソポーラスシリカと同様に、実施の形態3に係る製造方法により作製されたメソポーラスシリカの吸着等温線は、IUPACで分類されるV型となり、メソ細孔内への毛管凝縮に起因する狭い相対湿度範囲p/p0=0.3〜0.5において、吸着量の急激な増加とわずかに低湿度側にシフトした脱着特性を示し、非可逆的なヒステリシス特性を有している。また、メソポーラスシリカの水に対する飽和吸着量においてもゼオライトやシリカゲル等の吸着剤より大きく、吸着材として優れているという特性を有している。つまり、吸着条件が相対湿度30%以上、脱着条件が相対湿度30%以下において毛管凝縮が生じるので、湿度40%以上で最大限に水蒸気を吸着することができ、その吸着した水蒸気を低温で脱着することができるのである。
図10に図示していないが、C16TACやC18TACを適用して作製したメソポーラスシリカの場合と同様に、2回目の吸着では、飽和吸着量は0.05〜0.1(g/吸着剤1g当たり)程度減少し、更に細孔内壁のシリカ表面の親水化のため低湿度側の吸着量が増加して毛管凝縮の生じる相対湿度が低湿度側に0.05程度シフトするという傾向を有している。しかしながら、このシフトは、2回目以降(3回目以上)の吸着では変化は全く見られず、図示省略の2回目における吸着等温線の特性を維持するものであった。
以上、説明した工程により、メソポーラスシリカの製造時間が従来のメソポーラスシリカの製造方法の比べて、短時間化されることになる。また、実施の形態3に係る製造方法で得られるメソポーラスシリカは、3次元規則構造性が高いものである。この3次元規則構造性の高いメソポーラスシリカは、所定の相対湿度範囲において急峻で、かつ、高い水吸着性能を顕著に有しているものである。さらに、実施の形態3に係る製造方法は、再現性が高く、メソポーラスシリカを安定に製造することが可能となる。
また、以上のような吸着性能を有するメソポーラスシリカは、水蒸気に対する吸着条件が相対湿度30%以上、脱着条件が相対湿度30%以下の範囲において毛管凝縮を生じさせることが可能であり、たとえば、ヒートポンプ式空調システムやデシカント式空調システムにおいて、一旦吸着した水蒸気を低温で再生(脱着)することができるため、再生(脱着)に要するエネルギー量を著しく低減できる省エネシステム実現に極めて有効な吸着剤である。
メソポーラスシリカの製造方法の流れの一例を示す製造フロー図である。 メソポーラスシリカのX線回折パターンを示す説明図である。 メソポーラスシリカの細孔パラメータの関係を示す説明図である。 メソポーラスシリカの水蒸気吸着等温線図である。 メソポーラスシリカのX線回折パターンを示す説明図である。 メソポーラスシリカの細孔パラメータの関係を示す説明図である。 メソポーラスシリカの水蒸気吸着等温線図である。 メソポーラスシリカのX線回折パターンを示す説明図である。 メソポーラスシリカの細孔パラメータの関係を示す説明図である。 メソポーラスシリカの水蒸気吸着等温線図である。
符号の説明
31 C16TACを適用して製造したメソポーラスシリカの吸着等温線、32 C16TACを適用して製造したメソポーラスシリカの脱着等温線、51 C18TACを適用して製造したメソポーラスシリカの吸着等温線、52 C18TACを適用して製造したメソポーラスシリカの脱着等温線、71 C14TACを適用して製造したメソポーラスシリカの吸着等温線、72 C14TACを適用して製造したメソポーラスシリカの脱着等温線、73 C12TACを適用して製造したメソポーラスシリカの吸着等温線、74 C12TACを適用して製造したメソポーラスシリカの脱着等温線。

Claims (10)

  1. ナノメートルサイズの孔径を有し、細孔配列が三次元高規則性を有するヘキサゴナル構造のメソポーラス無機材料の製造方法において、
    溶媒中に原料を溶解して原料混合溶液を作製する工程と、
    前記原料混合溶液中の溶媒を揮発させて無機有機複合ナノ構造体の前駆体溶液を作製する工程と、
    前記前駆体溶液中に残存している溶媒及び水分を減圧し発泡させて揮発除去する減圧発泡処理により無機有機複合ナノ構造体を得る工程と、
    前記無機有機複合ナノ構造体から有機物質を除去する工程とからなる
    ことを特徴とするメソポーラス無機材料の製造方法。
  2. 前記原料混合溶液は、
    メソポーラス無機材料におけるメソ細孔の鋳型として用いるための界面活性剤と、
    前記界面活性剤を溶解させるためのアルコール溶媒と、
    メソポーラス無機材料における骨格構造を作製するための金属化合物と、
    前記金属化合物を加水分解反応させるための酸性水溶液とを混合し、
    前記界面活性剤と前記金属化合物との混合モル比率を1:0.10〜0.30とした
    ことを特徴とする請求項1に記載のメソポーラス無機材料の製造方法。
  3. 前記原料混合溶液中の溶媒を揮発させて無機有機複合ナノ構造体の前駆体溶液を作製する工程は、
    前記原料混合溶液を圧力範囲60〜120hPaで減圧して溶媒を揮発させる処理、あるいは、前記原料混合溶液を温度範囲25〜80℃で加熱して溶媒を揮発させる処理のいずれか一方または双方を併用して行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のメソポーラス無機材料の製造方法。
  4. 前記減圧発泡処理により無機有機複合ナノ構造体を得る工程は、
    前記前駆体溶液を圧力範囲5〜60hPaで行う
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のメソポーラス無機材料の製造方法。
  5. 前記無機有機複合ナノ構造体から有機物質を除去する工程は、
    前記無機有機複合ナノ構造体を溶媒中へ浸漬させて有機物質を抽出除去する抽出処理、あるいは、前記無機有機複合ナノ構造体を加熱して有機物質を除去する加熱処理のいずれか一方または双方を併用して行う
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のメソポーラス無機材料の製造方法。
  6. 前記無機有機複合ナノ構造体から有機物質を除去する工程を、前記抽出処理と前記加熱処理とを併用して行う場合、
    まず抽出除去処理を行い、その後に加熱処理を行う
    ことを特徴とする請求項5に記載のメソポーラス無機材料の製造方法。
  7. 前記有機金属化合物を構成する金属元素Si及び金属元素Zrのモル比率を、1:0.1〜5.0とした
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のメソポーラス無機材料の製造方法。
  8. 前記請求項1〜7のいずれかに記載のメソポーラス無機材料の製造方法により製造される
    ことを特徴とするメソポーラス無機材料。
  9. 前記メソポーラス無機材料は、
    孔径が2〜4nmのメソ孔を有し、比表面積が800m2/g 以上であり、細孔容積が0.5cc/g以上である
    ことを特徴とする請求項8に記載のメソポーラス無機材料。
  10. 前記メソポーラス無機材料は、
    水蒸気に対する吸着条件が相対湿度40%以上、脱着条件が相対湿度30%以下の範囲において毛管凝縮が生じる
    ことを特徴とする請求項8または9に記載のメソポーラス無機材料。
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