JP2008126716A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐摩耗性の低下を抑えつつ初期応答性を高めた空気入りラジアルタイヤを提供することを課題とする。
【解決手段】空気入りラジアルタイヤ10は、トレッド12に、周方向主溝14と、横主溝16と、陸部18がタイヤ周方向に連なって形成された陸部列とを備えており、トレッド12が車輌装着内側と車輌装着外側とで非対称のパターンに形成されている。更に、空気入りラジアルタイヤ10は、ベルト層のタイヤ径方向外側に、タイヤ周方向に巻回された有機繊維コードを有するベルト保護層を備えている。そして、車輌装着内側の半領域では、車輌装着外側の半領域に比べて有機繊維コードの巻回数が多いことにより、内側接地端12Bが踏面側に位置している内側ショルダー領域ブロック列20Bの周方向接地長さLBが、外側接地端12Aが踏面側に位置している外側ショルダー領域ブロック列20Aの周方向接地長さLAの75〜90%の範囲内になっている。
【選択図】図3
【解決手段】空気入りラジアルタイヤ10は、トレッド12に、周方向主溝14と、横主溝16と、陸部18がタイヤ周方向に連なって形成された陸部列とを備えており、トレッド12が車輌装着内側と車輌装着外側とで非対称のパターンに形成されている。更に、空気入りラジアルタイヤ10は、ベルト層のタイヤ径方向外側に、タイヤ周方向に巻回された有機繊維コードを有するベルト保護層を備えている。そして、車輌装着内側の半領域では、車輌装着外側の半領域に比べて有機繊維コードの巻回数が多いことにより、内側接地端12Bが踏面側に位置している内側ショルダー領域ブロック列20Bの周方向接地長さLBが、外側接地端12Aが踏面側に位置している外側ショルダー領域ブロック列20Aの周方向接地長さLAの75〜90%の範囲内になっている。
【選択図】図3
Description
本発明は、非対称のトレッドパターンを有する空気入りラジアルタイヤに係り、特に耐摩耗性及び初期応答性に優れた空気入りラジアルタイヤに関する。
空気入りラジアルタイヤの性能が向上するに伴い、タイヤの形状、構造、材料及びトレッドパターンには、様々な工夫や修正、変更が行われている。
中でも、車輌装着時のタイヤには、車輌内側となる部分と車輌外側となる部分とが生じ、各々の部分では走行時の入力が夫々異なることから、その対策としてタイヤを非対称にする技術が数多く提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。更に、ベルトを補強する補強層を設けることも提案されている(例えば、特許文献4、5参照)。
タイヤの機能を考えれば、タイヤへの入力の違いに見合った形状、構造及びトレッドパターンを採用することは理にかなっていることである。
特開平1−115705号公報
特開平4−19203号公報
特開平4−108006号公報
特開平5−246211号公報
特開平5−16614号公報
一方で、自動車メーカーからは、ステアリングを操舵したときのタイヤの初期応答性を改良する要求が増えて来ている。これは日常での使用において、最も重要な性能のうちの一つである。
タイヤの初期応答性が優れていれば、ステアリング操作時の舵角が少なくても車輌の向きを変えることができ、運転に余裕が生まれるばかりでなく、タイヤへの余計な入力が入らないので、偏摩耗が発生し難く、タイヤ寿命が延び、偏摩耗による不快な音の発生も抑制できるといったメリットがある。
タイヤの応答性を向上させる手段としては、例えばグリップの高いゴムを使用することが考えられる。
しかしながら、このようなゴムは、一般に耐摩耗性に劣るという欠点がある。
しかしながら、このようなゴムは、一般に耐摩耗性に劣るという欠点がある。
本発明は、上記事実を考慮して、耐摩耗性の低下を抑えつつ初期応答性を高めた空気入りラジアルタイヤを提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、ベルト層のタイヤ径方向外側に配置されるトレッドに、タイヤ周方向に形成された周方向主溝と、該周方向主溝と交差する方向かつタイヤ周方向に配列して形成された横主溝と、該横主溝及び前記周方向主溝により区画された陸部がタイヤ周方向に連なって形成された陸部列とを備え、前記トレッドが車輌装着内側と車輌装着外側とで非対称のパターンに形成された空気入りラジアルタイヤであって、前記ベルト層のタイヤ径方向外側に、タイヤ周方向に巻回された有機繊維コードを有するベルト保護層を備え、車輌装着内側の半領域では、車輌装着外側の半領域に比べて前記有機繊維コードの巻回数が多いことにより、車輌装着内側の接地端が踏面側に位置しているショルダーブロック列の周方向平均接地長さが、車輌装着外側の接地端が踏面側に位置しているショルダーブロック列の周方向平均接地長さの75〜90%の範囲内になっていることを特徴とする。
車輌装着内側の周方向平均接地長を、車輌装着外側の周方向平均接地長の75〜90%としたのは、75%を下回ると直進時にコンプライアンス力が発生し、摩耗性能も悪化するからであり、また90%を上回ると、微少舵角入力時の応答性は良くても、舵角を大きくして行った場合に、外側ショルダー領域陸部列の接地圧が高くなり、応答ゲインの線形性が損なわれるからである。
請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤを車輌に装着して、例えば左方向へコーナリングした場合、右側車輪における車輌装着内側の周方向平均接地長が、車輌装着外側の周方向平均接地長と同等となり、トレッド踏面の接地圧分布が均一化されて接地性が改善され、わずかにステアリングを操舵したとき(微少舵角)でも横力がリニアに発生する(初期応答性が向上する)。また、このような効果を奏する空気入りラジアルタイヤを、車輌装着内側における有機繊維コードの巻回数を車輌装着外側に比べて多くすることにより容易に実現させている。なお、ベルト保護層を形成する際、有機繊維コードの占める割合を高めても、すなわち有機繊維コードの密度を高めてもよい。
請求項1に記載の発明により、簡易な構成で耐摩耗性の低下を抑えつつ初期応答性を高めた空気入りラジアルタイヤとすることができる。
また、その後更に舵角が大きくなっても良好な接地性が確保され、応答ゲインの線形性が確保される。つまり、舵角に対する横力の増加量が一定となるので、該横力の大きさが予測でき、操縦が安定する。
また、その後更に舵角が大きくなっても良好な接地性が確保され、応答ゲインの線形性が確保される。つまり、舵角に対する横力の増加量が一定となるので、該横力の大きさが予測でき、操縦が安定する。
請求項2に記載の発明は、車輌装着内側における前記有機繊維コードの巻回数が、車輌装着外側における前記有機繊維コードの巻回数の120〜200%の範囲内であることを特徴とする。
これにより、車輌装着内側のベルト保護層の引張り剛性及び曲げ剛性を車輌装着外側のベルト保護層より高くすることができ、車輌装着内側の周方向平均接地長を車輌装着外側の周方向平均接地長の75〜95%にすることができる。
請求項3に記載の発明は、前記ベルト保護層は、前記有機繊維コードが配列されてなる有機繊維コード補強層で構成され、前記有機繊維コード補強層の配置枚数が、車輌装着内側では車輌装着外側よりも多いことを特徴とする。
これにより、請求項2と同様の作用、効果を奏することができる。
これにより、請求項2と同様の作用、効果を奏することができる。
なお、ベルト保護層が上記の有機繊維コード補強層で構成され、ショルダ領域における有機繊維コードのスパイラルピッチが、車輌装着内側では有機繊維コード補強層の幅の50〜90%であって、車輌装着外側では有機繊維コード補強層の幅とほぼ同じであってもよい。
これにより、請求項2と同様の作用、効果を奏することができる。
これにより、請求項2と同様の作用、効果を奏することができる。
請求項4に記載の発明は、車輌装着内側及び車輌装着外側で、前記ショルダブロック列はタイヤ周方向に延びる周方向副溝によって分割されており、前記ショルダブロック列のうち前記周方向副溝よりもタイヤ赤道側に位置するサブブロック列のタイヤ軸方向に沿った幅が、車輌装着外側では車輌装着内側の105〜135%の範囲内であることを特徴とする。
105%を下回ると。陸部剛性が弱くなり、路面からのせん断方向の入力に対しチッピングや異常摩耗が発生する。また、135%を上回ると、陸部剛性が高すぎて、路面に対する追従性が悪化し、路面との間にすべりが発生して摩耗性能が悪化する。
請求項4に記載の発明により、車輌装着外側で、ショルダブロック列の偏摩耗が起き難く、かつ、路面への追従性が高くなり、摩耗性能と初期応答性を両立させ易い。
本発明に係る空気入りラジアルタイヤは、ネガティブキャンバーに設定された車輌に装着して用いるものであることが好ましい。
実際の車輌は、ネガティブキャンバーに設定されているケースがほとんどであり、特にコーナリング中にアウト側(例えば、左へのコーナリングの場合、右側)となるタイヤでは、キャンバー角がよりネガティブ方向に変化する。
このため、本発明に係る空気入りラジアルタイヤを、ネガティブキャンバーに設定された車輌に用いると、コーナリング中の接地性が改善されるので、偏摩耗も生じ難く、かつ操舵時の初期応答性が高くなって、運転に余裕が生まれ、タイヤ寿命も伸ばすことができる。
以上説明したように、本発明によれば、耐摩耗性の低下を抑えつつ初期応答性を高めた空気入りラジアルタイヤを実現させることができる。
以下、実施形態を挙げ、本発明の実施の形態について説明する。なお、第2実施形態以下では、既に説明した構成要素と同様のものには同じ符号を付してその説明を省略する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。本実施形態に係る空気入りラジアルタイヤ10では、図1に示すように、トロイド状に延びるカーカスのクラウン部の外側に、ベルト層11と、ベルト層11を保護するベルト保護層(ベルト補強層)13と、溝を配設したトレッド12と、が順次配置されている。本実施形態では、一層目のベルト保護層13Pがベルト層11全体を覆うように設けられ、更に、車輌装着内側と車輌装着外側とで、ショルダ領域にそれぞれ1枚づつ二層目のベルト保護層13Qが配置されている。
まず、第1実施形態について説明する。本実施形態に係る空気入りラジアルタイヤ10では、図1に示すように、トロイド状に延びるカーカスのクラウン部の外側に、ベルト層11と、ベルト層11を保護するベルト保護層(ベルト補強層)13と、溝を配設したトレッド12と、が順次配置されている。本実施形態では、一層目のベルト保護層13Pがベルト層11全体を覆うように設けられ、更に、車輌装着内側と車輌装着外側とで、ショルダ領域にそれぞれ1枚づつ二層目のベルト保護層13Qが配置されている。
図2、図3に示すように、トレッド12には、周方向主溝14と、横主溝16と、該横主溝16及び周方向主溝14により区画された陸部18がタイヤ周方向に連なって形成された陸部列20と、が形成されており、トレッド12が車輌装着内側と車輌装着外側とで非対称のパターンに形成されている。
周方向主溝14は、トレッド12上にタイヤ周方向に形成された溝であって、例えば3本形成されている。
横主溝16は、周方向主溝14と交差する方向かつタイヤ周方向に配列して形成された溝である。
横主溝16は、周方向主溝14と交差する方向かつタイヤ周方向に配列して形成された溝である。
ベルト保護層13は、有機繊維コードが配列されたリボン状ストリップ(有機繊維コード補強層)をタイヤ周方向に巻回したもので構成される。そして、車輌装着内側の半領域では、車輌装着外側の半領域に比べ、リボン状ストリップの巻回数を多くして有機繊維コードの巻回数を多くすることにより、後述の周方向接地長LBが周方向接地長LAの75乃至90%にされている。車輌装着内側における有機繊維コードの巻回数は、車輌装着外側における有機繊維コードの巻回数の120〜200%の範囲内にされている。
陸部列20には、車輌装着時における外側接地端12Aが位置する外側ショルダー領域陸部列20Aと、車輌装着時における内側接地端12Bが位置する内側ショルダー領域陸部列20Bと、中央領域陸部列20C,20Dとがある。
正規リムに組み付け正規内圧を充填し正規荷重を作用させた状態において、車輌装着時における外側接地端12Aからタイヤ赤道面CLまでの距離をAとし、車輌装着時における内側接地端12Bからタイヤ赤道面CLまでの距離をBとすると、該タイヤ赤道面CLから車輌装着内側に0.8Bの位置における周方向接地長LBが、タイヤ赤道面CLから車輌装着外側に0.8Aの位置における周方向接地長LAの75乃至90%である。また、外側ショルダー領域陸部列20Aの踏面には外側接地端12Aが位置しており、内側ショルダー領域陸部列20Bの踏面には内側接地端12Bが位置している。
ここで、「正規リム」とは、例えばJATMAが発行する2004年版のYEAR BOOKに定められた適用サイズにおける標準リムを指し、「正規荷重」及び「正規内圧」とは、同様に、JATMAが発行する2004年版のYEAR BOOKに定められた適用サイズ・プライレーティングにおける最大荷重及び該最大荷重に対する空気圧を指す。使用地又は製造地において、TRA規格、ETRTO規格が適用される場合は、各々の規格に従う。
周方向接地長LBを、周方向接地長LAの75乃至90%としたのは、75%を下回ると直進時にコンプライアンス力が発生し、摩耗性能も悪化するからであり、また90%を上回ると、微少舵角入力時の応答性は良くても、舵角を大きくして行った場合に、車輌装着外側に位置する外側ショルダー領域陸部列20Aの接地圧が高くなり、応答ゲインの線形性が損なわれるからである。
なお、タイヤ赤道面CLから車輌装着外側に0.8Aの位置における周方向接地長をLAとし、タイヤ赤道面CLから車輌装着内側に0.8Bの位置における周方向接地長をLBとしたのは、ショルダー領域陸部列20A及び内側ショルダー領域陸部列20Bにおける各々の周方向平均接地長を簡単に表すためであり、周方向平均接地長の定義はこれに限られない。
内側ショルダー領域陸部列20B及び外側ショルダー領域陸部列20Aには、タイヤ周方向の内側副主溝24及び外側副主溝22が夫々形成されている。
外側ショルダー領域陸部列20Aにおける外側副主溝22のタイヤ赤道面CL側領域である外側副陸部列26のタイヤ軸方向幅WAは、内側ショルダー領域陸部列20Bにおける内側副主溝24のタイヤ赤道面CL側領域である内側副陸部列28のタイヤ軸方向幅WBに対し105乃至135%である。
ここで、外側副陸部列26のタイヤ軸方向幅WAを、内側副陸部列28のタイヤ軸方向幅WBに対し105乃至135%としたのは、105%を下回ると、陸部剛性が弱くなり、路面からのせん断方向の入力に対しチッピングや異常摩耗が発生するからであり、また135%を上回ると、陸部剛性が高すぎて、路面に対する追従性が悪化し、路面との間にすべりが発生して摩耗性能が悪化するからである。
外側副主溝22及び内側副主溝24の溝幅は、周方向主溝14の溝幅の15%以上35%以下であり、外側副主溝22及び内側副主溝24の溝深さは、周方向主溝14の溝深さの15%以上60%以下である。ここで、外側副主溝22及び内側副主溝24の溝幅を、周方向主溝14の溝幅の15%以上35%以下としたのは、15%を下回るとショルダー領域陸部列の剛性が高くなり過ぎるからであり、35%を上回ると、ショルダー領域陸部列の剛性が低くなり過ぎるからである。
外側ショルダー領域陸部列20Aのうち、外側副主溝22よりもタイヤ軸方向外側には、該外側副主溝22に開口しないラグ溝30が形成され、外側副陸部列26には外側副主溝22には開口するが周方向主溝14には開口しないラグ溝32が形成されている。
内側ショルダー領域陸部列20Bのうち、内側副主溝24よりもタイヤ軸方向外側には、該内側副主溝24に連通したサイプ34が形成され、内側副陸部列28には、周方向主溝14には連通するが内側副主溝24には連通しないサイプ36が形成されている。
中央領域陸部列20Cは、副主溝38により副陸部列40とタイヤ周方向に連続したリブ42とに区画されている。副陸部列40には、夫々周方向主溝14に連通したサイプ44が夫々形成されている。
中央領域陸部列20Dは、副主溝46により副陸部列48,50に区画されている。該副陸部列48,50には、夫々横主溝16が貫通している。
上記のように、空気入りラジアルタイヤ10は、タイヤ赤道面CLの両側でトレッド12のパターンが非対称となっている。
空気入りラジアルタイヤ10を車輌(図示せず)に装着し、例えば左方向へコーナリングした場合には、右側車輪における内側ショルダー領域陸部列20Bの周方向接地長LBが、外側ショルダー領域陸部列20Aの周方向接地長LAと同等となり、トレッド踏面の接地圧分布が均一となる。このため空気入りラジアルタイヤ10は、接地性に優れており、わずかにステアリングを操舵したとき(微少舵角)でも横力がリニアに発生する(初期応答性が向上する)。
また、このような効果を奏する空気入りラジアルタイヤ10を、車輌装着内側における有機繊維コードの巻回数を車輌装着外側に比べて多くすることにより容易に実現させている。従って、簡易な構成で耐摩耗性の低下を抑えつつ初期応答性を高めた空気入りラジアルタイヤ10とすることができる。
また、その後更に舵角が大きくなっても良好な接地性が確保され、応答ゲインの線形性が確保される。つまり、舵角に対する横力の増加量が一定となるので、該横力の大きさが予測でき、操縦が安定する。
更に、外側ショルダー領域陸部列20Aと内側ショルダー領域陸部列20Bとで、外側副主溝22及び内側副主溝24の設定位置を変え、外側副陸部列26のタイヤ軸方向幅WAを、内側副陸部列28のタイヤ軸方向幅WBよりも大きく設定しているので、外側ショルダー領域陸部列20Aにおいて偏摩耗が起き難く、かつ該外側ショルダー領域陸部列20Aの路面への追従性が高い。即ち、空気入りラジアルタイヤ10は、摩耗性能と初期応答性とが両立し易いタイヤとなっている。
空気入りラジアルタイヤ10をネガティブキャンバーに設定された車輌に用いると、コーナリング時の接地性が改善されるので、操舵時の初期応答性が高く、しかも偏摩耗が生じない。このため運転に余裕が生まれ、かつタイヤが長寿命となるので、車輌の維持費を低減し、環境負荷をも低減することができる。
空気入りラジアルタイヤ10では、トレッド12のパターン設定によって初期応答性を向上させているので、高グリップのトレッドゴムを使用した場合の弊害(摩耗量大となる)がなく、摩耗性能やノイズ性能にも優れている。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。図4、図5に示すように、本実施形態では、第1実施形態に比べ、車輌装着内側では、二層目のベルト保護層13Qのタイヤ径方向外側に三層目のベルト保護層13Rが配置されている。また、車輌装着外側では、二層目のベルト保護層が設けられていない。
次に、第2実施形態について説明する。図4、図5に示すように、本実施形態では、第1実施形態に比べ、車輌装着内側では、二層目のベルト保護層13Qのタイヤ径方向外側に三層目のベルト保護層13Rが配置されている。また、車輌装着外側では、二層目のベルト保護層が設けられていない。
本実施形態により、車輌装着内側のベルト保護層の引張り剛性及び曲げ剛性を車輌装着外側のベルト保護層より高くすることができ、車輌装着内側の周方向平均接地長を車輌装着外側の周方向平均接地長の75〜95%にすることができる。
なお、車輌装着内側で、二層目のベルト保護層13Q、及び、三層目のベルト保護層13Rを配置する代わりに、図6に示すように、車輌装着内側では、車輌装着内側のショルダ領域で、ベルト保護層を構成する有機繊維コード補強層55のスパイラルピッチを小さくすることにより有機繊維コードの巻回数を増大させてもよい。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。図7に示すように、本実施形態では、第2実施形態に比べ、二層目のベルト保護層13Q及び三層目のベルト保護層13Rに代えて、車輌装着内側全域にわたってベルト保護層13Pを覆う二層目のベルト保護層13Sを配置している。
次に、第3実施形態について説明する。図7に示すように、本実施形態では、第2実施形態に比べ、二層目のベルト保護層13Q及び三層目のベルト保護層13Rに代えて、車輌装着内側全域にわたってベルト保護層13Pを覆う二層目のベルト保護層13Sを配置している。
本実施形態により、第2実施形態と同様、車輌装着内側のベルト保護層の引張り剛性及び曲げ剛性を車輌装着外側のベルト保護層より高くすることができ、車輌装着内側の周方向平均接地長を車輌装着外側の周方向平均接地長の75〜95%にすることができる。
なお、二層目のベルト保護層13Sを配置する代わりに、図8に示すように、車輌装着内側では、車輌装着外側に比べ、ベルト保護層13Pを構成する有機繊維コード補強層55の巻回数をショルダからセンタにかけて均一に多くして、車輌装着内側と車輌装着外側とで有機繊維コードのスパイラルピッチで非対称にしてもよい。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。図9に示すように、本実施形態では、第3実施形態に比べ、車輌装着外側のショルダ領域で、ベルト保護層13Pのタイヤ径方向外側に二層目のベルト保護層13Tが配置されている。
次に、第4実施形態について説明する。図9に示すように、本実施形態では、第3実施形態に比べ、車輌装着外側のショルダ領域で、ベルト保護層13Pのタイヤ径方向外側に二層目のベルト保護層13Tが配置されている。
本実施形態により、第2実施形態と同様、車輌装着内側のベルト保護層の引張り剛性及び曲げ剛性を車輌装着外側のベルト保護層より高くすることができ、車輌装着内側の周方向平均接地長を車輌装着外側の周方向平均接地長の75〜95%にすることができる。
なお、二層目のベルト保護層13S、13Tを配置する代わりに、図10に示すように、車輌装着内側全域と、車輌装着外側のショルダ領域とで、ベルト保護層13Pを構成する有機繊維コード補強層55のスパイラルピッチを小さくすることにより有機繊維コードの巻回数を増大させてもよい。
<試験例>
表1に示す条件で、従来例(図12)、実施例1(図4)、実施例2(図11)に係る空気入りラジアルタイヤをそれぞれ試作し、コーナリングフォース及び摩耗量の測定、実車でのフィーリング評価を行った。
表1に示す条件で、従来例(図12)、実施例1(図4)、実施例2(図11)に係る空気入りラジアルタイヤをそれぞれ試作し、コーナリングフォース及び摩耗量の測定、実車でのフィーリング評価を行った。
ここで、実施例1及び実施例2に係る空気入りラジアルタイヤは、従来例の空気入りラジアルタイヤに比べ、車輌装着内側の半領域では、車輌装着外側の半領域に比べて有機繊維コードの巻回数が多いことにより、内側ショルダー領域陸部列20Bの周方向接地長LBが、外側ショルダー領域陸部列20Aの周方向平均接地長LAの75〜90%の範囲内としたタイヤである。
また、表1で、SC/CSタイプとは、車輌装着内側及び車輌装着外側で、ショルダ(S)にのみ一層のベルト保護層が設けられていると共に、センタ(C)を含めたベルト層全体にわたって一層のベルト保護層が設けられているタイプを示す。また、SSC/Cタイプとは、車輌装着内側では、ショルダ(S)にのみ二層のベルト保護層が設けられていると共に、センタ(C)を含めた車輌装着内側全体にわたり一層のベルト保護層が設けられていて、車輌装着外側では、センタ(C)を含めた車輌装着外側全体にわたり一層のベルト保護層が設けられているタイプを示す。
図11中、60は実施例1の空気入りラジアルタイヤ、62は周方向主溝、64は横主溝、66はショルダー領域陸部列、68は中間領域陸部列、70は中央陸部列、72はラグ溝である。また、図12中、100は従来例の空気入りラジアルタイヤ、102は周方向主溝、104は横主溝、106はショルダー領域陸部列、108は中間領域陸部列、110は中央陸部列、112はラグ溝である。
タイヤサイズは205/55R16、リムは6.5JJ×16、内圧は210kPaである。
コーナリングフォース及び摩耗量の測定においては、荷重を3.67kNとした。
コーナリングフォース及び摩耗量の測定においては、荷重を3.67kNとした。
実車フィーリング評価では、株式会社本田技術研究所製造のシビックを使用し、荷重は車重+1名乗車分である。
コーナリングフォースの評価は、ドラム試験機を用い、速度30km/hでスリップアングルを0.2°としたときのコーナリングフォースを測定した。表2に示す数値は、従来例を100とした指数であり、数値が大きいほどコーナリングフォースが大きいことを示している。
摩耗量は、コーナリングフォースの測定と同じ条件で、新品時と2000km走行後の中間領域陸部列とショルダー領域陸部列との踏面の高さの差を測定した。表2に示す数値は、従来例を100とした指数であり、数値が大きいほど摩耗量が少ないことを示している。
実車フィーリング評価では、ドライバーのフィーリングによる良否の判定を行った。
実車フィーリング評価では、ドライバーのフィーリングによる良否の判定を行った。
この試験例によれば、実施例1では、コーナリングフォースが向上し、実車フィーリングも良となったが、従来例よりも摩耗量が少し大きくなっていた。実施例1は副主溝を有していないので、陸部剛性があまり高くなく、接地性がさほど良好でないために偏摩耗が生じたものと考えられる。
実施例2では、コーナリングフォースが向上し、実車フィーリングも良であり、しかも摩耗量は従来例に比べて殆ど低下していない。これは副主溝の効果によって陸部剛性が適正化され、接地性が改善されて偏摩耗が生じ難くなったためと考えられる。
10 空気入りラジアルタイヤ
11 ベルト層
12 トレッド
12A 外側接地端(接地端)
12B 内側接地端(接地端)
13 ベルト保護層
13P ベルト保護層
13Q ベルト保護層
13R ベルト保護層
13S ベルト保護層
13T ベルト保護層
14 周方向主溝
16 横主溝
18 陸部
20 陸部列
20A 外側ショルダー領域陸部列(ショルダブロック列)
20B 内側ショルダー領域陸部列(ショルダブロック列)
20C 中央領域陸部列
20D 中央領域陸部列
22 外側副主溝(周方向副溝)
24 内側副主溝(周方向副溝)
26 外側副陸部列(サブブロック列)
28 内側副陸部列(サブブロック列)
55 有機繊維コード補強層
60 空気入りラジアルタイヤ
100 空気入りラジアルタイヤ
102 周方向主溝
104 横主溝
106 ショルダー領域陸部列(陸部列)
110 中央陸部列(陸部列)
CL タイヤ赤道面
LA 周方向接地長(周方向平均接地長さ)
LB 周方向接地長(周方向平均接地長さ)
11 ベルト層
12 トレッド
12A 外側接地端(接地端)
12B 内側接地端(接地端)
13 ベルト保護層
13P ベルト保護層
13Q ベルト保護層
13R ベルト保護層
13S ベルト保護層
13T ベルト保護層
14 周方向主溝
16 横主溝
18 陸部
20 陸部列
20A 外側ショルダー領域陸部列(ショルダブロック列)
20B 内側ショルダー領域陸部列(ショルダブロック列)
20C 中央領域陸部列
20D 中央領域陸部列
22 外側副主溝(周方向副溝)
24 内側副主溝(周方向副溝)
26 外側副陸部列(サブブロック列)
28 内側副陸部列(サブブロック列)
55 有機繊維コード補強層
60 空気入りラジアルタイヤ
100 空気入りラジアルタイヤ
102 周方向主溝
104 横主溝
106 ショルダー領域陸部列(陸部列)
110 中央陸部列(陸部列)
CL タイヤ赤道面
LA 周方向接地長(周方向平均接地長さ)
LB 周方向接地長(周方向平均接地長さ)
Claims (4)
- ベルト層のタイヤ径方向外側に配置されるトレッドに、タイヤ周方向に形成された周方向主溝と、該周方向主溝と交差する方向かつタイヤ周方向に配列して形成された横主溝と、該横主溝及び前記周方向主溝により区画された陸部がタイヤ周方向に連なって形成された陸部列とを備え、前記トレッドが車輌装着内側と車輌装着外側とで非対称のパターンに形成された空気入りラジアルタイヤであって、
前記ベルト層のタイヤ径方向外側に、タイヤ周方向に巻回された有機繊維コードを有するベルト保護層を備え、
車輌装着内側の半領域では、車輌装着外側の半領域に比べて前記有機繊維コードの巻回数が多いことにより、車輌装着内側の接地端が踏面側に位置している前記ショルダーブロック列の周方向平均接地長さが、車輌装着外側の接地端が踏面側に位置しているショルダーブロック列の周方向平均接地長さの75〜90%の範囲内になっていることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。 - 車輌装着内側における前記有機繊維コードの巻回数が、車輌装着外側における前記有機繊維コードの巻回数の120〜200%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記ベルト保護層は、前記有機繊維コードが配列されてなる有機繊維コード補強層で構成され、
前記有機繊維コード補強層の配置枚数が、車輌装着内側では車輌装着外側よりも多いことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 車輌装着内側及び車輌装着外側で、前記ショルダブロック列はタイヤ周方向に延びる周方向副溝によって分割されており、
前記ショルダブロック列のうち前記周方向副溝よりもタイヤ赤道側に位置するサブブロック列のタイヤ軸方向に沿った幅が、車輌装着外側では車輌装着内側の105〜135%の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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- 2007-09-26 WO PCT/JP2007/068725 patent/WO2008059667A1/ja active Application Filing
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