JP2008125409A - 釣り用リールの操作つまみ - Google Patents

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【課題】合成樹脂を用いた操作つまみにおいて、つまみ操作部の傷付きを防止しつつ厚みを薄くできるようにする。
【解決手段】スピニングリールのドラグ調整つまみ61は、スピニングリールのスプール軸の先端に螺合してドラグ座金62aを押圧するつまみであって、円形のつまみ部材63と、つまみ金具65とを備えている。円形のつまみ部材63は、中央部に径方向に沿ってスリット66aが形成されスリット66a形成方向と交差する方向に突出するつまみ操作部66bを有し、スプール軸に螺合する部材である。つまみ金具は、スリットに配置されつまみ部材に固定された金属板製の金具である。
【選択図】図7

Description

本発明は、操作つまみ、特に、釣り用リールのリール部品に装着された釣り用リールの操作つまみに関する。
スピニングリール(釣り用リールの一例)、特にフロントドラグがスプールに内蔵されたスピニングリールには、円形のドラグ調整つまみ(操作つまみの一例)がスプールの前部に設けられている。従来のドラグ調整つまみは、成形のしやすさ等の理由で合成樹脂を素材として用いているものが多い。ドラグ調整つまみには、回動操作しやすくするために直径上に他の部分より突出するつまみ操作部が設けられている。このような合成樹脂製のドラグ調整つまみの場合、つまみ突起がリールの落下や接地や釣り糸の擦過により傷つくことがある。また、つまみ操作部は可及的に厚み(つまみ操作部の長手方向と交差する方向の長さ)が薄い方が操作性は向上する。しかし、合成樹脂製のものでは強度の面で厚みを薄くするのは困難である。そこで、ドラグ調整つまみを金属製にすることが考えられるが、金属製のものは高価であるとともに重量増を招くおそれがある。
つまみ操作部の傷付きを防止するために、ドラグ操作つまみにおいて、つまみ操作部の表面の一部を金属めっきで覆っているものが従来から知られている(たとえば、非特許文献1参照)。
株式会社シマノ 2005 Fishing Tackle Catalogue 第5ページ 2005年1月18日発行)
前記従来の構成では、つまみ操作部の表面が金属めっきで覆われているので、つまみ操作部の傷付きをある程度は防止することができる。しかし、金属めっきでつまみ操作部の表面を覆っているだけであるので、つまみ操作部の厚みを薄くすることが難しい。
本発明の課題は、合成樹脂を用いた操作つまみにおいて、つまみ操作部の傷付きを防止しつつ厚みを薄くできるようにすることにある。
発明1に係る釣り用リールの操作つまみは、釣り用リールのリール部品に装着されたつまみであって、円形のつまみ部材と、つまみ金具とを備えている。円形のつまみ部材は、中央部に径方向に沿ってスリットが形成されスリット形成方向と交差する方向に突出するつまみ操作部を有し、リール部品に連結された円形の部材である。つまみ金具は、スリットに配置されつまみ部材に固定された金属板製の金具である。
この操作つまみでは、つまみ部材のつまみ操作部にスリットが形成されそのスリットにつまみ金具が配置されつまみ部材に固定されている。ここでは、金属板製のつまみ金具をスリットに配置することにより、つまみの強度を高めることができる。このため、つまみ操作部の厚みを可及的に薄くすることができ操作性を向上させることができる。また、つまみ金具をつまみ操作部の表面より突出させれば、つまみ操作部の傷付きを防止することができる。
発明2に係る釣り用リールの操作つまみは、発明1に記載のつまみにおいて、つまみ金具は、塑性変形させることによりつまみ部材に固定されている。この場合にはねじなどの別部材を用いることなくつまみ部材につまみ金具を固定できるので、固定のための部材や空間を設ける必要がなくなり、つまみ金具の固定構造を簡素化できるとともに小型化できる。
発明3に係る釣り用リールの操作つまみは、発明1又は2に記載のつまみにおいて、つまみ金具は、つまみ部材のつまみ操作部の表面から突出してしている。この場合には、つまみ金具がつまみ操作部の表面から突出しているので、つまみ操作部の傷付きを防止することができる。
発明4に係る釣り用リールの操作つまみは、発明2又は3に記載のつまみにおいて、
スリットに配置される金具本体と、金具本体の突出側と逆側からつまみ部材の内部に延びる1対の脚部とを有し、脚部を塑性変形させることによりつまみ部材に固定されている。この場合には、固定用の1対の脚部を塑性変形することによりつまみ金具を固定しているので、つまみ金具が外れにくくなり強固に固定できる。
発明5に係るス釣り用リールの操作つまみは、発明1から4のいずれかに記載のつまみにおいて、つまみ部材は、スリット及びつまみ操作部を有するつまみカバーと、つまみカバーが固定されスプール軸に螺合するつまみ本体と、を有している。この場合には、つまみカバーにつまみ金具を装着すればよいので、つまみ金具を装着しやすくなる。また、2つの部材により合成樹脂でも特性を異ならせることができる。たとえば、地面等に接触しやすいカバー部材をABS樹脂などの比較的衝撃に強いものにし、機能を構成するつまみ本体をポリアミド樹脂などの比較的精度や強度を維持しやすいものにすることにより、落下等による損傷を防ぎながら精度・強度が十分なつまみ部材を提供することができる。
発明6に係る釣り用リールの操作つまみは、発明5に記載のつまみにおいて、つまみカバーは、つまみ操作部の周囲でつまみ本体を露出させるように開口している。この場合には、つまみ本体のつまみ操作部の周囲を他の部分より凹ますことにより、つまみ操作部をより操作しやすくなる。
発明7に係る釣り用リールの操作つまみは、発明1から6のいずれかに記載のつまみにおいて、釣り用リールはスピニングリールであり、リール部品は、スピニングリールのスプール軸であり、つまみ部材は、スプール軸の先端に螺合する。この場合には、スプール軸に螺合するドラグ調整つまみのつまみ操作部の厚みを可及的に薄くすることができ操作性を向上させることができる。
発明8に係る釣り用リールの操作つまみは、発明7に記載のつまみにおいて、つまみ部材に回転自在かつ軸方向に抜け止めされ、スプール軸に軸方向移動自在かつ回転不能に連結された押圧部材をさらに備える。この場合には、押圧部材とドラグ座金との相対回転を防止することができるので、押圧力をドラグ座金に円滑に伝達できる。
発明9に係る釣り用リールの操作つまみは、発明1から6のいずれかに記載のつまみにおいて、釣り用リールは両軸受リールであり、リール部品は、両軸受リールのリール本体であり、つまみ部材は、リール本体に回動自在に装着されている。この場合には、両軸受リールのリール本体に回動自在に装着された各種の操作つまみ、たとえば、スプールの制動力調整用の操作つまみやリール本体のカバーを開閉するための操作つまみなどのつまみ操作部の厚みを可及的に薄くすることができ操作性を向上させることができる。
本発明によれば、金属板製のつまみ金具をスリットに配置することにより、つまみの強度を高めることができる。このため、つまみ操作部の厚みを可及的に薄くすることができ操作性を向上させることができる。また、つまみ金具をつまみ操作部の表面より突出させれば、つまみ操作部の傷付きを防止することができる。
本発明の一実施形態を採用したスピニングリール(釣り用リールの一例)は、図1に示すように、ハンドル1と、ハンドル1を回転自在に支持するリール本体2と、ロータ3と、スプール4とを備えている。ロータ3は、リール本体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ3の前部に前後移動自在に配置されている。なお、ハンドル1はリール本体2の左右いずれにも装着可能である。
リール本体2は、図2及び図3に示すように、内部に空間を有するリールボディ2aと、リールボディ2aの空間を塞ぐためにリールボディ2aに着脱自在に装着される蓋部材2b(図3)とを有している。また、リール本体2は、リールボディ2a及び蓋部材2bの後部を覆う本体ガード26を有している。
リールボディ2aは、たとえば、マグネシウム合金やアルミニウム合金等の軽合金製のものであり、上部に前後に延びるT字形の竿取付脚2cが一体形成されている。リールボディ2aの空間内には、図2に示すように、ロータ駆動機構5と、オシレーティング機構6とが設けられている。リールボディ2aの前端には、図3に示すように、円形のフランジ部2dを構成する概ね半円形の第1フランジ2d1と、フランジ部2dより小径で先端が開口する円筒部2eとが形成されている。第1フランジ2d1の上部には、本体ガード26を固定する固定ボルト28を回すためのドライバーなどの工具の先端部が通過可能な通過孔2jが開口している。この通過孔2jは、固定ボルト28により本体ガード26を取り付けた後にキャップ29により塞がれている。円筒部2eのフランジ部2d側の基端部には、断面が円形状に切り欠かれた装着溝2fが形成されている。また、装着溝2fには、図3に示すように、ロータ制動機構57の制動部材58が装着されている。
蓋部材2bは、たとえば、マグネシウム合金やアルミニウム合金等の軽合金製のものである。蓋部材2bは、たとえば、ロータ3で隠れる前側の2箇所で固定ボルト80によりリールボディ2aに固定されているとともに、ロータ3から離反する後側の1箇所で固定ボルト82によりリールボディ2aに固定されている。なお、固定ボルト82は、本体ガード26によりカバーされる位置で蓋部材2bをリールボディ2aに固定する。
蓋部材2bの前端には、第1フランジ2d1とで円形のフランジ部2dを構成する概ね半円形の第2フランジ2d2が形成されている。第2フランジ2d2の前面には、固定ボルト80が貫通する板状部2iが一体形成されている。板状部2iは、蓋部材2bの前部をリールボディ2aに固定ボルト80によりねじ止め固定するために設けられている。板状部2iは、シール部材25を装着するための、概ねC字状のシール装着部2hの外側に前方に突出して形成されている。板状部2iは、上下に長い板状の部分であり、その両端に固定ボルト80が貫通する1対の貫通孔2kが形成されている。貫通孔2k形成部分の間は、貫通孔2k形成部分より突出量が小さくなっている。すなわち、板状部2iは、両端が略半円形に同じ厚みで突出し、その間が貫通孔2kの中心位置より僅かに後方に凹むように第2フランジ2d2から突出して形成されている。
シール部材25は、合成樹脂製のC字状に形成された部材であり、蓋部材2bとリールボディ2aのフランジ分割部分をシールするために設けられている。リールボディ2aと蓋部材2bとの分割部分には、後述する切換部材56が着脱自在に装着されている。
円筒部2eの装着溝2f形成部分には、板状部2iが配置される凹部2gが形成されている。この凹部2gには、制動部材58の凹みを防止するための突出部材81が装着される。凹部2gは、板状部2iの輪郭に沿うように凹んで形成されており、上下方向の両端部が中間部分より前方に突出するように略半円形に凹んでいる。板状部2iは、2本の固定ボルト80により、リールボディ2aの凹部2gに固定されている。したがって、凹部2gには、固定ボルト80が螺合するねじ孔2mが上下に間隔を隔てて配置されている。
本体ガード26は、図3に示すように、姿合わせのためのパッキン26bを介して竿取付脚2cを含むリールボディ2a及び蓋部材2bの後部に形成された凹み部2nに装着される。本体ガード26は、固定ボルト28によりリールボディ2aに固定される。本体ガード26は、固定ボルト28がねじ込まれる棒状のボス部26aを有している。ボス部26aの先端は、リールボディ2aの後部を貫通して後述するカラー部材27に僅かに間隔を隔てて対向する位置まで突出している。
なお、図3に示すように、固定ボルト28はカラー部材27の内部を貫通して本体ガード26のボス部26aにねじ込まれ、本体ガード26をリールボディ2aに固定している。カラー部材27は、筒状の部材であり、リールボディ2aに前後左右に位置決めされた状態で係止されている。固定ボルト28は、組立前に予めカラー部材27にねじ部分が配置された状態でリールボディ2aに装着され、蓋部材2bを固定した後に通過孔2jを通過して挿入されたドライバーなどの工具により締め付け方向に回されてカラー部材27を介して本体ガード26をリールボディ2aに固定する。
このリール本体2では、リールボディ2aに蓋部材2bを固定する固定ボルト82が本体ガード26によりカバーされ、固定ボルト80がロータ3によりカバーされるので、ボルト類が外部から見えない。また、本体ガード26を取り付けるための固定ボルト28もキャップ29により覆われている。このため、ボルト類が外部に露出しないすっきりとした外観を得ることができる。
ロータ駆動機構5は、図2に示すように、ハンドル1が固定されたマスターギア軸10とともに回転するフェースギア11と、このフェースギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。ピニオンギア12は筒状に形成されており、ピニオンギア12の前部はロータ3の中心部を貫通し、ナット13によりロータ3に固定されている。また、ピニオンギア12は、その軸方向の中間部と後端部とが、それぞれ軸受14a、14bを介してリール本体2に回転自在に支持されている。
オシレーティング機構6は、スプール4の中心部にドラグ機構60を介して連結されたスプール軸(リール部品の一例)15を前後方向に移動させてスプール4を同方向に移動させるための機構である。オシレーティング機構6は、スプール軸15の下方に平行に配置された螺軸21と、螺軸21に沿って前後方向に移動するスライダ22と、螺軸21の先端に固定された中間ギア23とを有している。スライダ22にはスプール軸15の後端が回転不能に固定されている。中間ギア23はピニオンギア12に噛み合っている。
ロータ3は、図2、図4及び図5に示すように、リール本体2に対して前後方向の第1軸X回りに回転自在なロータ本体7と、ロータ本体7の後部を覆う後カバー部材33と、第1及び第2ロータアーム31,32の外側面を各別に覆う1対の外側カバー部材34a,34bと、を有している。
ロータ本体7は、たとえばマグネシウム合金やアルミニウム合金製等の軽合金製であり、ピニオンギア12に回転不能に連結され、リール本体2に対して回転自在である。ロータ本体7は、リール本体2の前部である円筒部2eを内部に配置可能に後部に形成された凹陥部30aを有する筒部30と、筒部30の後部の対向する位置に接続され筒部30と間隔を隔てて前方に延びる第1及び第2ロータアーム31,32と、を有している。
筒部30は、前部内周側に円板状の壁部30dを有し、壁部30dの中心部には、ピニオンギア12と一体回転可能に連結される環状ボス部30eが形成されている。このボス部30eの中心にピニオンギア12の前部が回転不能に係止され、ピニオンギア12の先端にねじ込まれたナット13により、ロータ本体7がピニオンギア12に固定されている。
また、ロータ3は、図5に示すように、ロータ本体7に設けられ、凹陥部30aより径方向外方で周方向に間隔を隔てて第1軸Xと平行に配置された筒状のボス部30b,30cと、1対のボス部30b,30cに、ボス部30b,30cの突出方向(前後方向)に移動自在かつ突出方向と交差する方向(ロータ3の径方向)に移動不能に係止されるブラケット34c,34dと、後カバー部材33をロータ本体7に固定する固定ボルト(35a,35bと、をさらに有している。ボス部30b,30cは、ロータ本体7の背面から後方に突出して形成されている。ブラケット34c,34dは、1対の外側カバー部材34a,34bに設けられ、内側に向かって延びている。固定ボルト35a,35bは、ボス部30b,30cにねじ込まれ、ブラケット34c,34dが1対のボス部30b,30cに係止された状態で、後カバー部材33をロータ本体7に連結する。
後カバー部材33は、凹陥部30aの周囲でロータ本体7の後部を覆うように構成されている。後カバー部材33には、固定ボルト35a,35bが貫通する貫通孔33a,33bがボス部30b,30cと対向して配置されている。固定ボルト35a,35bは、第1軸Xと平行な軸方向に沿って配置されている。したがって貫通孔33a,33bも同じ方向に沿って配置される。貫通孔33a,33bは、固定ボルト35a,35bの頭部が収納される段差部33c,33dを有している。これにより固定ボルト35a,35bの頭部が後方に突出しない。また、後カバー部材33には、リール本体2のフランジ部2dと0.5〜1.5mm程度の僅かな隙間をあけて配置される円形の開口33eが形成されている。
外側カバー部材34aは、第1ロータアーム31の外方を覆うものであり、第1ロータアーム31にねじ込まれる固定ボルト36により第1ロータアーム31に連結されている。外側カバー部材34aは後カバー部材33及び第1ロータアーム31と三次元的な曲線で接合している。このため、わずかでも前後方向にずれると第1ロータアーム31及び後カバー部材33との間で段差が生じるおそれがある。外側カバー部材34aに設けられたブラケット34cは、概ね矩形の板状部であり、基端側は複数のリブ34eにより補強されている。ブラケット34cの先端側には、ボス部30bが貫通して係合する貫通孔34gが形成されている。これにより、ブラケット34cがボス部30bの突出方向(前後方向)に移動自在かつ突出方向と交差する方向(ロータ3の径方向)に移動不能にボス部30bに係止される。外側カバー部材34aの先端部は、後述する第1ベール支持部材40を配置可能に概ね半円形に切り欠かれる。
外側カバー部材34bは、第2ロータアーム32の外方を覆うものであり、固定ボルト37及びそれに螺合するナット部材38により第2ロータアーム32に固定される。外側カバー部材34bも後カバー部材33及び第2ロータアーム32と三次元的な曲線で接合している。このため、わずかでも前後方向にずれると第2ロータアーム32及び後カバー部材33との間で段差が生じる。外側カバー部材34bに設けられたブラケット34dは、概ねブラケット34cと同様な矩形の板状部であり、基端側は複数のリブ34fにより補強されている。ブラケット34dの先端側には、ボス部30cが貫通して係合する貫通孔34hが形成されている。これにより、ブラケット34dもボス部30cの突出方向(前後方向)に移動自在かつ突出方向と交差する方向(ロータ3の径方向)に移動不能にボス部30cに係止される。外側カバー部材34bの先端には、固定ボルト37に螺合するナット部材38を回転不能に係止する係止孔34iが形成されている。固定ボルト37は、外側カバー部材34bをロータ本体7に固定するするとともに、後述する第2ベール支持部材42を揺動自在に支持する機能も有している。
ここでは、ブラケット34c,34dにボス部30b,30cを貫通させ、外側カバー部材34a,34bの径方向の移動のみを規制し、前後方向の移動を可能とすることにより、後カバー部材33を含めてロータ本体7に固定する際に、各カバー部材33,34a,34bとの間や各カバー部材33,34a,34bとロータ本体7との段差を、加工精度を上げることなく可及的に少なくすることができる。
すなわち、ベール反転機構53等を収納した状態でロータ3を組み立てる際に、ボス部30b,30cをブラケット34c,34dの貫通孔34g,34hに挿通してブラケット34c,34dをボス部30b,30cに係止させける。この状態で外側カバー部材34a,34bをロータ本体7に装着し、次に後カバー部材33をロータ本体の後方から装着する。そして、外側カバー部材34a,34bをロータ本体7に固定ボルト36,37によりロータ本体7との段差が可及的に小さくなるように前後に移動させて最適な位置に固定する。続いて、固定ボルト35a,35bを貫通孔33a,33bを挿通させてボス部30b,30cにねじ込むことにより後カバー部材33をロータ本体7に固定する。このとき、外側カバー部材34a,34bやロータ本体7との間に段差が生じた場合、固定ボルト36,37を僅かに緩めて外側カバー部材34a,34bの前後位置を調整できる。
また、内側に延びるブラケット34c,34dにボス部30b,30cを係止して固定ボルト35a,35bにより後カバー部材33及び外側カバー部材34a,34bをロータ本体7に固定しているので、外側カバー部材34a,34bの角部の近傍に貫通孔を設けなくて済む。このため、ロータ本体7に外側カバー部材34a,34bを固定しても破断しにくくかつ異物が付着しにくくなる。
第1ロータアーム31の先端の外周側には、第1ベール支持部材40が揺動自在に装着されている。第1ベール支持部材40の先端には、釣り糸をスプール4に案内するためのラインローラ41が装着されている。また、第2ロータアーム32の先端内周側には、第2ベール支持部材42が揺動自在に装着されている。
ラインローラ41と第2ベール支持部材42との間には線材を略U状に湾曲させた形状のベール43が固定されている。これらの第1ベール支持部材40、第2ベール支持部材42、ラインローラ41及びベール43により釣り糸をスプール4に案内するベールアーム44が構成される。ベールアーム44は、図2に示す糸案内姿勢とそれから反転した糸開放姿勢との間で揺動自在である。
ロータ3の筒部30の内部には、図2に示すように、ロータ3の逆転を禁止・解除するための逆転防止機構50が配置されている。逆転防止機構50は、内輪が遊転するローラ型のワンウェイクラッチ51と、ワンウェイクラッチ51を作動状態(逆転禁止状態)と非作動状態(逆転許可状態)とに切り換える切換機構52とを有している。切換機構52は、リールボディ2aに揺動自在に装着された切換レバー52aを有している。切換レバー52aは、図1に示すように、切換レバー52aの基端部を貫通する揺動軸52bに固定ボルト52cにより固定されている。揺動軸52bの先端には図示しない回転カムが固定されており、切換レバー52aを揺動させると、カムによりワンウェイクラッチ51が作動状態と非作動状態とに切り換わる。この固定ボルト52cは、蓋部材2bで隠れる位置に配置されている。これにより固定ボルト52cが外部に露出しなくなり目立たなくなる。
外側カバー部材34bの内部には、ハンドル1の糸巻取方向の回転に連動してベールアーム44を糸開放姿勢から糸巻取姿勢に戻すベール反転機構53が収納されている。ベール反転機構53は、ベールアーム44を糸開放姿勢と糸巻取姿勢とに死点を挟んで付勢するトグルばね機構54と、ベールアーム44の揺動に連動して前後方向に移動する移動部材55と、前述した切換部材56とを備えている。トグルばね機構54及び移動部材55は、先端が第1ベール支持部材40の下面に係止されている。移動部材55の後端はロータ3が糸巻取方向に回転すると切換部材56に接触して乗り上げて前方に移動し、ベールアーム44を糸巻取姿勢に戻す。また、移動部材55は、ロータ制動機構57も構成しており、糸開放姿勢の時に前述した制動部材58に係合してロータ3が回らないように制動する。制動部材58は、図3に示すように、移動部材55の先端が係合する多数の凹部58aが周方向に間隔を隔てて形成された環状の弾性部材であり、装着溝2fに摩擦係合している。
スプール4は、図2に示すように、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されており、スプール軸15の先端にドラグ機構60を介して装着されている。スプール4は、図6に示すように、外周に釣り糸が巻かれる糸巻き胴部4aと、糸巻き胴部4aの後方に糸巻き胴部4aと一体形成された筒状のスカート部4bと、糸巻き胴部4aの前端に設けられた大径のフランジ部4cとを有している。フランジ部4cは、糸巻き胴部4aと一体形成された内フランジ部4dと、内フランジ部4dの外周側に着脱自在に装着された、たとえば硬質セラミック製のリング状の外フランジ部4eとを有している。外フランジ部4eは、フランジ固定部材9により内フランジ部4dに固定されている。
糸巻き胴部4a、スカート部4b及び内フランジ部4dは、図6に示すように、たとえばアルミニウム合金を鍛造して得られた大小2段の円筒状の部材であり、第1軸受45及び第2軸受46によりスプール軸15に回転自在に装着されている。
糸巻き胴部4aは、釣り糸が巻かれる筒状部16と、筒状部16内周側に形成された段付き円板部17と、内周側の前後に形成された有底筒状の支持部18a、18bとを有している。筒状部16の前部には、フランジ固定部材9がねじ込まれるねじ部16aが形成されている。支持部18a、18bの内側には第1軸受45及び第2軸受46が装着されており、第1軸受45及び第2軸受46は筒状の保持部材47を介してスプール軸15に装着されている。糸巻き胴部4aの後方には、スプール4とスプール軸15との相対回転によって発音する発音機構90が設けられている。
スプール4は、支持部18bの外周面に装着され発音機構90が装着される環状の取付部材20をさらに有している。取付部材20は、スプール軸15と同芯に配置される合成樹脂製の環状部材であり、先端に円板部17の後面に接触する内フランジ部20aを有している。内フランジ部20aの内周部は支持部18bの外周面に嵌合している。支持部18bの外周面には、取付部材20を抜け止めするためのOリング19が装着されている。Oリング19は、支持部18bに形成された環状の取付溝18dに装着されている。取付溝18dの奥側の壁部は、取付部材20の内フランジ部20aの手前側の壁面より奥側に配置されている。取付部材20の内フランジ部20aの後面に弾性変形した状態で接触している。また、支持部18bの外周面には、図8に示すように、円弧状の係止窪み18cが周方向に異なる間隔を隔てて複数(たとえば3つ)形成されている。取付部材20の内フランジ部20aの内周面には、係止窪み18cに係合する円弧状の係止突起20bが周方向に異なる間隔を隔てて複数(たとえば3つ)形成されている。この係止窪み18cに係止突起20bを係合させることにより、取付部材20を支持部18aに対して周方向に回り止め及び位置決めできる。
保持部材47は、後端部がワッシャ24を介して発音機構90に当接し円板部17により後方に押圧される筒状の部材である。保持部材47は、スプール軸15を径方向に貫通して形成された雌ねじ部15aに螺合する六角穴付き止めねじ等のピン部材48によりスプール軸15に回転不能に連結されている。
ドラグ機構60は、スプール4の回転を制動するものであり、スプール軸15の先端に螺合するドラグ調整つまみ(操作つまみの一例)61と、ドラグ調整つまみ61により押圧されてスプール4を制動する制動部62とを有している。
ドラグ調整つまみ61は、図6及び図7に示すように、スプール軸15に螺合する円形のつまみ部材63と、つまみ部材63に固定されたつまみ金具65と、つまみ部材63と相対回転自在でありつまみ部材63により押圧される押圧部材64と、を有している。
つまみ部材63は、中央部に径方向に沿ってスリット66aが形成され、スリット66a形成方向と交差する方向(図6左方向)に突出するつまみ操作部66bを有するつまみカバー66と、つまみカバー66が固定されスプール軸15に螺合するつまみ本体67とを有している。
つまみカバー66は、つまみ本体67に2本の固定ねじ68により固定される。つまみカバー66は、たとえば、合成樹脂製の部材であり、つまみ本体67の前面の一部を覆ってドラグ調整つまみ61に意匠上の変化を求めるために設けられている。つまみカバー66は、つまみ操作部66bの周囲でつまみ本体67を露出させるように略三角形状の開口している。つまみカバー66は、つまみ本体67の外周面及び前面の外周側を覆うカバー部66cと、つまみ操作部66bから後方に延びる丸棒状の1対のボス66dとをさらに有している。この1対のボス66dに固定ねじ68がねじ込まれてつまみ本体67につまみカバー66が固定される。つまみカバー66のつまみ操作部66bは、先端面が円弧状に突出しており、その中心位置にスプール軸15の径方向に沿って形成されたつまみ金具65装着用のスリット66aが形成されている。スリット66aの底部には、つまみ金具65の後述する脚部65bが貫通する矩形の貫通孔66eが形成されている。また、つまみカバー66の開口による薄肉部分には、薄肉部分のそりや浮き上がりを防止するために1対の係止突起66fが設けられている。この係止突起66fは、つまみ本体67の背面に係止される。
つまみ本体67は、ドラグ調整つまみ61の主要部を構成する、たとえば合成樹脂製の部材である。つまみ本体67は、つまみカバー66により覆われる円板部67aと、円板部67aの後部に一体形成された筒状部67bと、筒状部67bの内部に装着されたナット部材70と、とを有している。円板部67aは、前面につまみ操作部66bの後方に配置される突起部67cと、つまみカバー66のカバー部66cの開口から露出する露出部67dとを有している。突起部67cには、ボス66dが貫通する貫通孔67eが形成されている。貫通孔7eは、長円形に形成されており、かつ長径の両端が前方にいくにつれて広がるように斜めに形成されている。これにより、つまみカバー66の浮き上がり防止のための係止突起66fを係止するために、つまみカバー66を斜めに傾けてもボス部66dを貫通させやすくなる。このため、つまみカバー66に浮き上がり防止用の係止突起を設けても、つまみカバー66の取り付け・取り外しを容易に行えるようになる。また、露出部67dは、つまみ操作部66bの周囲が露出部67dの周縁部より円弧状に凹んである。これにより、つまみ操作部66bをより操作しやすくなる。
筒状部67bには、押圧部材64を収納する円形の収納空間67fが形成されている。つまみ部材63と押圧部材64との間には、ドラグ調整つまみ61の回動操作により発音するつまみ発音機構(図示せず)が設けられている。また、ナット部材70は、スプール軸15の先端に形成された雄ねじ部15bに螺合するものであり、筒状部67bの内部に一体回転可能かつ軸方向移動自在に装着されている。ナット部材70と押圧部材64との間には、ドラグ力調整用のコイルばね71が圧縮可能に配置されている。
つまみ金具65は、ドラグ調整つまみ61の先端部の傷付きを防止するとともに、つまみ操作部66bの補強のために設けられたものであり、たとえば、表面が陽極酸化処理されたアルミニウム合金等の金属板材製の部材である。つまみ金具65の厚みは、1.2〜1.8mm程度の均一の厚みである。つまみ金具65は、前面(図6左側面)がつまみカバー66のつまみ操作部66bに沿って円弧状に湾曲している。つまみ金具65は、スリット66aに配置される金具本体65aと、金具本体65aの後面からつまみ部材63の内部に延びる1対の脚部65bとを有している。金具本体65aの前面は、つまみカバー66のつまみ操作部66bから僅かに突出している。しかし、金具本体65aの前面の曲率が途中で変化し、金具本体65aの前面のスリット66aの配置方向の両端部は、つまみ操作部66bより僅かに凹んで配置されている。これにより、つまみ金具65がスリット66aの両端で突出しなくなり、釣り糸がつまみ金具65に絡みにくくなる。つまみ金具65は、貫通孔66eに脚部65bを貫通させその貫通した先端を塑性変形させることにより、つまみカバー66にかしめ固定される。
このような金属製のつまみ金具65をスリット66aに配置することにより、つまみ操作部66bの強度を高めることができる。このため、つまみ操作部66bの厚みを可及的に薄くして操作性を向上させることができる。また、つまみ金具をつまみ操作部66bの表面より突出させているので、つまみ操作部66bの傷付きを防止することができる。たとえば、つまみ操作部66bの厚みが、従来は7mm〜9mm程度必要であったものが、本実施形態では、6mm程度の厚みになる。
このような金属製のつまみ金具65をスリット66aに配置することにより、つまみ操作部66bの強度を高めることができる。このため、つまみ操作部66bの厚みを可及的に薄くして操作性を向上させることができる。また、つまみ金具をつまみ操作部66bの表面より突出させているので、つまみ操作部66bの傷付きを防止することができる。たとえば、つまみ操作部66bの厚みが、従来は7mm〜9mm程度必要であったものが、本実施形態では、6mm程度の厚みになる。
また、つまみ部材63をつまみカバー66とつまみ本体67とに分けることにより、つまみカバー66につまみ金具65を装着すればよいので、つまみ金具65を装着しやすくなる。また、2つの部材66,67により合成樹脂でも特性を異ならせることができる。たとえば、地面等に接触しやすいカバー部材をABS樹脂などの比較的衝撃に強いものにし、機能を構成するつまみ本体をポリアミド樹脂などの比較的精度や強度を維持しやすいものにすることにより、落下等による損傷を防ぎながら精度・強度が十分なつまみ部材63を提供することができる。
押圧部材64は、鍔部64aは、円筒部64bとを有する鍔付き円筒状の、たとえば、合成樹脂製状の部材である。押圧部材64の鍔部64aは、収納空間67fに配置されている。鍔部64aは、収納空間67fの環状溝67gに装着された抜け止めばね72により、相対回転自在かつ抜け止めされた状態でつまみ本体67に連結されている。円筒部64bには、コイルばね71が当接する円形のばね収納部64cが形成されている。円筒部64bの外周面には、制動部62への液体の浸入を防止するシール部材73が装着されている。シール部材73は、E型止め輪74により抜け止めされ、フランジ固定部材9の内周面に外周面が接触している。
制動部62は、糸巻き胴部4aの内部に収納された複数(たとえば2枚)のドラグ座金62a,62bを有している。ドラグ座金62aは、押圧部材64に接触して押圧される。ドラグ座金62aは、たとえば金属製の円板状の部材であり、スプール軸15の先端部に形成された互いに平行な面取り部15cに係合してスプール軸15に介して回転不能である。ドラグ座金62bは、たとえば、グラファイトやフェルト製のディスク部材であり、スプール4及びスプール軸15に対して回転自在である。これらのドラグ座金62a,62bは、糸巻き胴部4aの内部に装着された抜け決めばね75により抜け止めされている。
発音機構90は、図6,図8及び図9に示すように、スプール軸15に回転不能に装着され音出し用の凹凸部91aを外周面に有する発音部材91と、スプール4と一体回転可能に装着され、スプール4が釣り糸繰り出し方向に回転したとき凹凸部91aに当接を繰り返して発音する打撃部材92と、打撃部材92を発音部材91に向けて付勢する付勢部材93と、を備えている。
発音部材91は、スプール軸15に回転不能に装着され円板部材95と、円板部材95の外周側に回転可能に装着される環状部材96と、円板部材95と環状部材96との間に配置され、環状部材96の回転を規制する回転規制部材97とを備えている。
円板部材95は、回転不能かつ面取り部15cと円形部分との段差により後方への移動が規制された状態でスプール軸15に装着された金属製のリング部材である。円板部材95は、外周の一部が切り欠かれた切り欠き部95aと、内周側に非円形に形成された非円形孔95bとを有している。切り欠き部95aには、回転規制部材97の係止部97aが係止されている。非円形孔95bは、スプール軸15の面取り部15cに挿通可能に形成されており、面取り部15cの後端部に当接している。これにより、円板部材95がスプール軸15に対して後方への移動が規制されている。また、円板部材95と保持部材47の後端との間には、環状の間座部材94(図6)が介装されており、円板部材95のスプール軸方向後方への移動が規制されているため、ドラグ機構60により円板部17が後方に押圧されても、スプール4全体を円板部材95で受けることができる。
環状部材96は、内周部に後方から円板部材95が装着される筒状のラチェットホイールである。環状部材96は、筒部外周面の周方向に間隔を隔てて設けられスプール4の釣り糸繰り出し方向の回転のみを許容し得るように鋸歯状に形成された凹凸部91aとしての複数の鋸歯部96aと、内周面後端部の周方向に沿って形成され回転規制部材97が装着される溝部96bと、溝部96bの前側において内周面中央部の周方向に沿って内側に環状に突出するように形成され円板部材95の前方への移動を規制する突出部96cとを有している。環状部材96の筒部内周側には、第2軸受46と隙間をあけて配置されており、すなわち環状部材96の外径は第2軸受46の外径より大きくなっている。
打撃部材92は、先端に設けられた爪部92aと、基端に設けられ爪部92aが凹凸部91aに接離可能に取付部材20にスプール軸15と平行な軸回りに揺動自在に装着される装着部92bと、を有する鉤状の爪部材である。打撃部材92は、装着部92bにおいて、取付部材20の後端面に形成された雌ねじ部20cにねじ込まれるボルトの形態の揺動軸98により揺動自在に支持されている。取付部材20の後端面には、打撃部材92に接触して打撃部材92の径方向内方への過度の揺動を規制するストッパ20dと、付勢部材93の一端が係止される係止突起20eが雌ねじ部20cを挟んで後方に突出して形成されている。
付勢部材93は、爪部92aが凹凸部91a(鋸歯部96a)に接触する方向に打撃部材92を付勢する部材である。付勢部材93は、揺動軸98の外周側に巻回可能なコイル部93aと、コイル部93aの一端から接線方向に延びて打撃部材92に係止される第1係止部93bと、第1係止部93bと揺動軸98を挟んで逆側に設けられコイル部93aの他端から接線方向に延びる第2係止部93cとを有する捩じりコイルばねである。第1係止部93bは、爪部92aの径方向外方で打撃部材92に係止される。第2係止部93cは、取付部材20に設けられた係止突起20eに係止される。
回転規制部材97は、環状部材96に向けて付勢した状態で後方から円板部材95を抜け止めするために環状部材96の溝部96bに装着され略6角形状に折れ曲がった金属製のばね部材である。回転規制部材97は、外周部の各頂点が溝部96bの内周部に付勢力をもって接触するように配置されている。回転規制部材97の端部の一方は、さらに軸方向前側に折れ曲がり、円板部材95の切り欠き部95aに係止される係止部97aが形成されている。ここでは、回転規制部材97は、係止部97aがスプール軸15に回転不能に装着された円板部材95に係止され、外周部が環状部材96に向けて付勢された状態で環状部材96の溝部96bに装着されているので、スプール軸15に対する環状部材96の回転を規制して回転しにくくできる。
このような構成の発音機構90では、スプール4が釣り糸繰り出し方向に回転したとき、爪部92aが、鋸歯部96a角度が緩やかな面への当接を繰り返して発音機構90が発音するようになっている。また、スプール4が釣り糸巻取方向に回転すると、爪部92aが、角度がきつい面に当接して、回転規制部材97の付勢力に抗して環状部材96を押圧して円板部材95に対して相対回転させる。このため、スプール4が釣り糸巻取方向に回転すると発音しない。
また、揺動軸98を挟んで付勢部材93の2つの係止部93b,93cが配置されているので、スプールの径方向に2つの係止部93b,93cが並ばなくなり、発音機構90の径方向寸法を小さくすることができる。このため、比較的に直径が小さいスプールであっても発音機構90をコンパクトに配置できる。
次にリールの操作及び動作について説明する。
キャスティング時にはベールアーム44を糸開放姿勢に反転させる。これにより第1ベール支持部材40及び第2ベール支持部材42は揺動する。この状態で釣り竿を握る手の人差し指で釣り糸を引っかけながら釣竿をキャスティングする。すると釣り糸は仕掛けの重さにより勢いよく放出される。仕掛けが着水した後ハンドル1を釣り糸巻き取り方向に回転させると、ロータ駆動機構5によりロータ3が釣り糸巻き取り方向に回転し、ベールアーム44がベール反転機構53により糸巻取姿勢に復帰しロータ3の逆転が禁止されているので釣り糸の放出が止まる。
釣り糸を巻き取る際には、ハンドル1を釣り糸巻き取り方向に回転させる。すると、その回転がフェースギア11、ピニオンギア12を介してロータ3に伝達されロータ3が回転する。ロータ3が回転すると、ラインローラ41に案内された釣り糸がスプール4に巻き付けられる。
また、ドラグが作動してスプールが釣り糸繰り出し方向に回転すると、前述したように爪部92aが、鋸歯部96a角度が緩やかな面への当接を繰り返して発音機構90が発音する。
さらに、ロータ3において、1対の外側カバー部材34a,34bにブラケット34c,34dを設け、このブラケット34c,34dを後カバー部材33に設けられたボス部30b,30cに突出方向に移動自在かつ突出方向と交差する方向に移動不能に係止されるように構成したので、後カバー部材33やロータ本体7と外側カバー部材34a,34bとにずれが生じても外側カバー部材34a,34bの突出方向(第1軸X方向)の位置を調整してずれを可及的に小さくすることができる。このため、カバー部材33,34a,34bのコストの増大を招くことなく、カバー部材33,34a,34bの意匠性の向上を図ることができる。
<他の実施形態>
(a)前記実施形態では、釣り用リールとしてスピニングリールを例示し、操作つまみとしてドラグ調整つまみ61を例示したが、本発明はスピニングリールのドラグ調整つまみ61に限定されない。
図10において、両軸受リール(釣り用リールの一例)は、ベイトキャスト用のロープロファイルの両軸受リールである。このリールは、リール本体101(リール部品の一例)と、リール本体101の側方に配置されたスプール回転用ハンドル102と、ハンドル102のリール本体101側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ103とを備えている。リール本体101は、例えばアルミニウム合金やマグネシウム合金などの金属製の部材であり、フレーム105と、フレーム105の両側方に装着された第1側カバー106及び第2側カバー107とを有している。また、リール本体は、フレーム105に装着されたスプール支持部(図示せず)を有している。リール本体101の内部には糸巻用のスプール12がスプール軸20(図示せず)を介して回転自在に装着されている。フレーム105と第1側カバー106との間には、キャスティング時のバックラッシュを抑えるための電気制御式のスプール制動機構(図示せず)が配置されている。
スプール制動機構の制動力は、第1側カバー106から露出するブレーキ調整つまみ(操作つまみの一例)161により、たとえば8段階に調整される。ブレーキ調整つまみ161は、リール本体101を構成するスプール支持部に回転自在に装着された円形のつまみ部材163と、つまみ部材163に固定されたつまみ金具165と、を有している。
つまみ部材163は、前記実施形態と異なりつまみカバーを有していない。つまみ部材163は、中央部に径方向に沿ってスリット163aが形成され、スリット163a形成方向と交差する方向に突出するつまみ操作部163bを有している。つまみ金具165は、つまみ部材163に前記実施形態と同様にカシメ固定されており、つまみ部材163のつまみ操作部163bから突出して配置されている。このような構成のブレーキ調整つまみ161にも本発明を適用できる。
また、第1側カバーの開閉用の操作カバーやマグネット式や遠心力制動式のスプール装置の操作つまみにも本発明を適用できる。
(b)前記実施形態では、つまみ金具65をつまみ本体67にカシメ固定したが、ボルトなどにより固定してもよいし、接着してもよい。接着する場合は、つまみ金具65をつまみ本体に引っ掛けるようにしてもよい。
(c)前記実施形態では、つまみ部材63をカバー部材66とつまみ本体67とに分割したが一体で形成してもよい。また、別体にする場合、つまみ金具を装着しやすくするために、たとえば繊維で強化されたポリアミド樹脂等の同じ材質を用いてもよい。
(d)前記実施形態では、つまみ金具の材質をアルミニウム合金製としたが、ステンレス合金やチタン合金等の金属製であればどのような材質を用いてもよい。
本発明の一実施形態を採用したスピニングリールの側面図。 その側面断面図。 そのリール本体の分解斜視図。 そのロータの分解斜視図。 そのロータの分解側面一部断面図。 そのスプールの拡大断面図。 そのスプールの分解斜視図。 その発音機構周辺の分解斜視図。 発音機構の正面図。 他の実施形態を採用した両軸受リールの斜視図。
符号の説明
15 スプール軸(リール部品の一例)
61 ドラグ調整つまみ(操作つまみの一例)
62a ドラグ座金
63,163 つまみ部材
64 押圧部材
65,165 つまみ金具
65a 金具本体
65b 脚部
66 つまみカバー
66a,163a スリット
66b,163b つまみ操作部
67 つまみ本体
101 リール本体(リール部品の一例)
161 ブレーキ調整つまみ(操作つまみの一例)

Claims (9)

  1. 釣り用リールのリール部品に装着された操作つまみであって、
    中央部に径方向に沿ってスリットが形成され前記スリット形成方向と交差する方向に突出するつまみ操作部を有し、前記リール部品に連結された円形のつまみ部材と、
    前記スリットに配置され前記つまみ部材に固定された金属板製のつまみ金具と、
    を備えた釣り用リールの操作つまみ。
  2. 前記つまみ金具は、塑性変形させることにより前記つまみ部材に固定されている、請求項1に記載の釣り用リールの操作つまみ。
  3. 前記つまみ金具は、前記つまみ部材のつまみ操作部の表面から突出している、請求項1又は2に記載の釣り用リールの操作つまみ。
  4. 前記つまみ金具は、
    前記スリットに配置される金具本体と、
    前記金具本体の突出側と逆側から前記つまみ部材の内部に延びる1対の脚部とを有し、
    前記脚部を塑性変形させることにより前記つまみ部材に固定されている、請求項2又は3に記載の釣り用リールの操作つまみ。
  5. 前記つまみ部材は、
    前記スリット及び前記つまみ操作部を有するつまみカバーと、
    前記つまみカバーが固定され前記リール部品に連結されたつまみ本体と、
    を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の釣り用リールの操作つまみ。
  6. 前記つまみカバーは、前記つまみ操作部の周囲で前記つまみ本体を露出させるように開口している、請求項5に記載の釣り用リールの操作つまみ。
  7. 前記釣り用リールはスピニングリールであり、
    前記リール部品は、前記スピニングリールのスプール軸であり、
    前記つまみ部材は、前記スプール軸の先端に螺合する、請求項1から6のいずれか1項に記載の釣り用リール
  8. 前記つまみ部材に回転自在かつ軸方向に抜け止めされ、前記スプール軸に軸方向移動自在かつ回転不能に連結された押圧部材をさらに備える、請求項7に記載の釣り用リールの操作つまみ。
    の操作つまみ。
  9. 前記釣り用リールは両軸受リールであり、
    前記リール部品は、前記両軸受リールのリール本体であり、
    前記つまみ部材は、前記リール本体に回動自在に装着されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の釣り用リールの操作つまみ。
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