JP2008124914A - エコーキャンセル装置、その方法、そのプログラム、およびその記録媒体 - Google Patents
エコーキャンセル装置、その方法、そのプログラム、およびその記録媒体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008124914A JP2008124914A JP2006308191A JP2006308191A JP2008124914A JP 2008124914 A JP2008124914 A JP 2008124914A JP 2006308191 A JP2006308191 A JP 2006308191A JP 2006308191 A JP2006308191 A JP 2006308191A JP 2008124914 A JP2008124914 A JP 2008124914A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- filter coefficient
- adaptive filter
- frequency domain
- signal
- unit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Abstract
【解決手段】BG部は周波数領域で処理を行うものであり、周波数領域の上記適応フィルタ係数を時間領域に変換した場合に、最初の係数或いは半分より1つ後方の係数が0になり、その他はそのままであるような帯域阻止フィルタのフィルタ係数で巡回畳み込みした結果と同一になるように、上記適応フィルタ係数を更新する過程の少なくとも一つにおけるデータに対して、周波数領域処理して更新された適応フィルタ係数として適応フィルタ係数レジスタに格納する部分拘束処理部を備える。
【選択図】図4
Description
図示しない遠端話者からの音声信号が、受話信号x(k)として、エコーキャンセラ10を通じて再生手段4に入力される。エコーキャンセラ10は推定信号生成部11と、フィルタ係数更新部12と、減算部13と、適応フィルタ係数レジスタ14と、により構成されており、受話信号x(k)はフィルタ係数更新部12と推定信号生成部11とに入力される。
y(k)=[x(k−L+1)、x(k−L+2),...,x(k)]h(k)
式(1)
e(k)=d(k)−y(k) 式(2)
h(k)=h(k−1)+μΔh(k) 式(3)
従来のダブルトーク対策手段としてフィルタ二重化による手段を一例として説明する。これは、Foreground/Background(以下FG/BGと称する)とも呼ばれるものである。
図2に従来のFG/BG方式を用いて構成されたFG/BGエコーキャンセラ20の機能構成例を示す。図1と同一の機能構成部分には同一参照番号を付けて重複説明を省略する。このことは以下の説明においても同様である。
FG/BGエコーキャンセラ20では、まず、BGフィルタ係数更新部22で、反響路(再生手段4から収音手段6へのエコー経路)24のインパルス応答を推定し、その推定値hb(k)を適応フィルタ係数レジスタ27に適応フィルタ係数hb(k)として転送する。
減算部28において、収音手段6から収音された収音信号d(k)からBG推定信号yb(k)を減算して、BG誤差信号eb(k)が生成される。反響路24のインパルス応答の推定が良好に行われていれば、再生手段4よりの収音手段6に収音された反響信号と推定信号yb(k)はほぼ等しいものとなる。
BG推定信号生成部26の特性が真の反響路24の特性に近ければ(詳細は以下で述べる)、適応フィルタ係数レジスタ27中の適応フィルタ係数hb(k)をFGフィルタ係数レジスタ29に転送し、FGフィルタ係数hf(k)をその適応フィルタ係数hb(k)に更新する。
ここでパワーとは信号の時間積分値であり、離散化された信号を扱う場合には、例えばPx(k)=Σx2 (k−i)(Σはi=0からn−1まで)のように計算される。ここでnは積分時間を表す。
このように、FG/BG構成とすることで、ダブルトーク時には適応フィルタ係数hb(k)が乱れ、FGフィルタ係数hf(k)への複製が起きずFGフィルタ係数hf(k)はダブルトーク前の値を保持しているので、FG誤差信号ef(k)にダブルトークによる影響が現れない。
さらに、同時通話による適応フィルタ係数hb(k)の乱れがFGフィルタ係数hf(k)に及ぼす影響を小さくし、良好な同時通話性能を保持する手法として、FG誤差信号ef(k)をBG部に入力させることで、適応フィルタ係数hb(k)として、FGフィルタ係数hf(k)の変化分を推定する差分型FG/BGエコーキャンセラがある。
差分型FG/BGエコーキャンセラ45の機能構成例を図3に示す。BG部40はBGフィルタ係数更新部22、BG推定信号生成部26、BG減算部28、適応フィルタ係数レジスタ27、とで構成されている。またFG部50は、FGフィルタ係数レジスタ29、FG推定信号生成部30、FG減算部31とで構成されている。
BG推定信号生成部が上記受話信号を適応フィルタ係数でフィルタ処理してBG推定信号を生成し、誤差計算部が上記FG誤差信号から上記BG推定信号を減算してBG誤差信号を求め、BGフィルタ係数更新部が上記BG誤差信号と上記受話信号とを用いて上記BG誤差信号のパワーが減少するように上記適応フィルタ係数を更新するBG部と、
上記適応フィルタ係数を上記FGフィルタ係数に加算し、上記FGフィルタ係数を更新するFGフィルタ係数更新部と、を具備するエコーキャンセル装置において、
上記BG部は周波数領域で処理を行うものであり、
周波数領域の上記適応フィルタ係数を時間領域に変換した場合に、最初の係数或いは半分より1つ後方の係数が0になり、その他はそのままであるような帯域阻止フィルタのフィルタ係数で巡回畳み込みした結果と同一になるように、上記適応フィルタ係数を更新する過程の少なくとも一つにおけるデータに対して、周波数領域処理して更新された適応フィルタ係数として適応フィルタ係数レジスタに格納する部分拘束処理部を具備する。
この実施例1では、BGフィルタ係数更新部90は上記したLMS法あるいはNLMS(Normalized LMS)法を周波数領域で実行し、非特許文献1で挙げられているMDF法(MultiDelay block Frequency domain adaptive filter)もしくはUMDF法(Unconstrained MultiDelay block Frequency domain adaptive filter)などを対象とする。
なお、受話信号x(k)が複数チャネルある場合についても受話信号x(k)と適応フィルタ係数h(k)の要素がチャネル分増加するだけで以下の全ての事項が適用できるため説明を略する。この実施例1では、FG部70が周波数領域で処理を行う場合を説明する。
以下、図5を参照して各部の処理を説明する。FG部70では、まず時間領域の受話信号x(k)と収音信号d(k)が新たに得られると(図5、ステップS2)時間領域の受話信号x(k)は再生手段4と、周波数領域変換部62に入力される。周波数領域変換部62で、周知の技術である短時間離散的フーリエ変換などで、例えば、ω1〜ωNまでのN個の周波数に対応するN個の離散周波数領域信号、x(ω1),…,x(ωn),…,x(ωN)に変換される。ただし、受話信号x(k)は一定周期でサンプリングされ、各サンプルがディジタル値に変換されたディジタル信号である。このNは正整数で上記時間領域の適応フィルタ係数hbを分割する時のN/2のNと同一である。
Xj=F[x(k−j×(N/2)−N+1),x(k−j×(N/2)−N+2),…,x(k−j×(N/2))] T 式(4)
ここでFはフーリエ変換を施すことであり、Nは1フレームのサンプル数であり、(フレームシフトはN/2)、Tは転置行列を表す。
FG推定信号生成部76は、時間領域での受話信号x(k)と適応フィルタ係数h(k)によるフィルタ処理に相当する演算を周波数領域で行う。つまり受話信号XjとFGフィルタ係数レジスタ74に記録されている周波数領域適応フィルタ係数Hfjとの内積を周波数毎に取ることで周波数領域推定信号Yfを得る。周波数領域推定信号Yfは、式(5)で計算される。
Yf=Σdiag(Xj)(Hj) 式(5)
ただし、diag(A)はAの対角行列を表わす。
yf(k)=[y(k−N/2+1),y(k−N/2+2),…,y(k)] T=WF-1Yf
式(6)
ただし、Wは、Wの右からベクトルを乗じた場合に乗じたベクトルの下半分の要素を抜き出すN/2行N列の行列を表わし、F-1は逆フーリエ変換を施すことを表わす。つまり、このFG時間領域変換部78はyfを時間領域信号に変換した後、その変換された時間領域信号中から下半分の要素をN/2行N列だけ取り出す(ステップS6)。
ef(k−i)=d(k−i)−yf(k−i),i=0,1,…,N/2−1
式(7)
このFG誤差信号ef(k−i)がエコーキャンセル装置の出力になる。この時間領域のFG誤差信号ef(k−i)は図示しない通信網を通じて、遠端話者のスピーカ、及び、BG部60に入力される。
次に、BG部60の動作を説明する。BG部60は、図4に示すように、BGフィルタ係数更新部90、部分拘束処理部67、適応フィルタ係数レジスタ68、BG推定信号生成部64、周波数領域誤差計算部61、係数更新判定部96とで構成されている。
一方、BG部60でも適応フィルタ係数レジスタ68に記録されている適応フィルタ係数HBj(以下適応フィルタ係数Hbjと称する)と受話信号Xjとの内積を周波数毎に取ることで周波数領域推定信号Yb(以下BG推定信号Ybと称する)が求められる(ステップS10)。つまり、BG推定信号生成部64で式(8)によってBG推定信号Ybが計算される。
Yb=Σj(diag(Xi)Hbj) 式(8)
Efj=F[0,0,…,0,ef(k−N/2+1),ef(k−N/2+2),…,ef(k)]T 式(9)
Eb=Ef−GYb 式(10)
ただし、GはWNをWNの右からベクトルを乗じた場合に乗じたベクトルの下半分の要素を抜き出し、上半分を0にするN行N列の行列としてFWNF−1そのものかそれを近似する行列である。
ここで、上記した課題である時間的に連続する適応フィルタ係数が互いに拘束条件を満たさない部分を打ち消し合うとFG推定誤差が増加する理由について説明する。
Ybj=diag(Xj)Hbj 式(11)
これを式(6)のように時間領域に変換したものを式(12)に表わす。
ybj=WF−1Ybj 式(12)
ybjは、N個の受話信号x(k−j×(N/2)−N+1)、x(k−j×(N/2)−N+2)、‥‥、x(k−j×(N/2))と周波数領域の適応フィルタの第j分割Hbjを時間領域に変換したF−1Hbjを巡回畳み込みし、その結果の例えば上半分N/2個を抜き出したものになる。この巡回畳み込みの結果ybjを分割番号jに関して総和をとると推定信号yb(k)になる。
ところでBG側の適応フィルタ係数HbjをFG側のフィルタHfjに転送する際には、Hbjを時間領域に変換し、前半部を0として再度周波数領域に変換する拘束条件処理が行なわれる。この拘束条件処理の際に、Xj+1の分割Hbjへの影響が現れるhbjの先頭は取り除かれるが、それを打ち消していたhj+1 N/2はそのままHfjに転送される。こうなると、BG側では式(8)の総和を取る際に打ち消し合っていた値がFG側では打ち消し合わずに誤差として表れ推定誤差が増加することになる。
データの並び方によっては、hjのN/2番目の係数を0にする必要がある。このhjの最初の係数を0、若しくはhjのN/2番目の係数を0にする処理を部分拘束処理と呼ぶ。この実施例1では、BGフィルタ係数更新部90で更新された適応フィルタ係数HBjに対して部分拘束処理を行なう(ステップS16)。
0番目の係数hj0を0にし、他の係数はそのままに保つ部分拘束処理部67を実現する帯域阻止フィルタBの係数は、B=[1−1/N,−1/N,…,−1/N]である。ここで−1/Nの係数は(N−1)個である。この帯域阻止フィルタBとBG部60の適応フィルタ係数Hbjを巡回畳み込みする演算は例えば次のようにして行なえばよい。図6aに示すようにBG部の適応フィルタ係数Hbjの各要素の平均値をHj平均値算出部671aで求め、その平均値AHjをBG部60の適応フィルタ係数Hbjの各要素Hbjiから減じる。つまり係数算出部672aで式(13)に示す演算を行う。
Hj,i=Hj,i−Σi(Hj,i)/N,i=0,1,2,…,N−1
式(13)
この部分拘束処理は、このように大きな演算量を必要としない。
Htmp=Σi((Hj,2×i)−(Hj,2×i+1))/N,i=0,1,2,…,N/2-1
式(14)
Hj,i=Hj,i−Htmp,i=0,2,4,…,N-2 式(15)
Hj,i=Hj,i−Htmp,i=1,3,5,…,N-1 式(16)
その反対にBG周波数領域変換部61aが新しいデータ側を0とした場合、上記周波数領域適応フィルタ係数を時間領域に変換した最初の係数を0とする。部分拘束処理された適応フィルタ係数Hbj’は、適応フィルタ係数レジスタ68に上書きされる。
次に、FGフィルタ係数更新部72の具体的構成例を図7に示して説明する。FGフィルタ係数更新部72は適応フィルタ係数HbjをFGフィルタ係数Hfjに加算し、FGフィルタ係数Hfjを更新する(ステップS18)。また、周波数領域で、適応フィルタ係数HbjをFGフィルタ係数Hfjに加算する際に、後述する拘束条件を満たしていなければならない。図7に示すように、この実施例では、FGフィルタ係数更新部72は時間領域変換手段802、半分0化手段804、周波数領域変換手段806、加算手段808により構成されている。なお、係数更新判定部96により、FGフィルタ係数の更新を行う旨の判定がされなかった周波数ωnの要素には0を詰めて、FGフィルタ係数更新部72のFGフィルタ係数更新処理は作動する。
適応フィルタ係数hb(k)は半分0化手段804に入力され、半分0化手段804で、適応フィルタ係数hb(k)の要素の半分以上を0にする。時間領域に変換した適応フィルタ係数のどの要素を0に置き換えるかは、上記非特許文献1もしくは上記参考文献に記載されている。適応フィルタ係数hb(k)の要素の半分以上を0にされた適応フィルタ係数hb(k)’は、周波数領域変換手段806に入力され、再び、周波数領域に変換され、適応フィルタ係数Hbj”が求められる。周波数領域の適応フィルタ係数Hbj”とFGフィルタ係数レジスタ701に格納されているFGフィルタ係数Hfjとが加算手段808に入力される。
次に、適応フィルタ係数hbよりも長い時間かけて全ての分割Jについて拘束を行うPFDLMS法(Partitioned Frequency Domain Least Mean Square)に基づいて説明する。
PFDLMS法では、演算量を減らす目的で適応フィルタ係数HBjの学習が進んだ分割jに対応する適応フィルタ係数HBjのみに拘束条件処理を課す拘束条件処理指令を出力する。その選択は、FG誤差信号EfjとBG誤差信号Ebjが入力される選択的拘束条件適用部66が行う。その選択の判断は、FG誤差信号Efjの周波数ωnのパワーPEfωnからBG誤差信号Ebjの周波数ωnのパワーPEfωnを減算した値が、ある閾値αより大きければ、つまり、式(17)を満たしているか否かで行う。
パワーの差がある程度大きければ、選択的拘束条件適用部66は適応フィルタ係数HBjの学習が進んだと判断し、その分割jに対応する適応フィルタ係数HBjに拘束を課すように拘束条件処理指令を出力する。
拘束条件処理指令が入力される選択部80は、その選択された分割jに対応する適応フィルタ係数HBjを拘束条件適用部69に出力する。
また選択の判断は、BG推定信号生成部64よりのBG推定信号Ybの周波数ωnのパワーPYbωnと、BG誤差信号Ebjの周波数ωnのパワーPEbωnと、を用いて行ってもよい。この場合は、PYbωnからPEbωnを減算した値が、閾値βより大きければ学習が進んだと判断できる。つまり式(18)を満たしていれば、上記と同様に、その分割jに対応する適応フィルタ係数HBjに拘束を課すように拘束条件処理指令を出力する。
PYbωn−PEbωn≧β 式(18)
拘束条件とは、周波数領域で行うフィルタ処理の結果を、時間領域でフィルタ処理した場合の結果と一致させるものである。この拘束条件を満たすための具体的な処理手順としては、図9に示すように周波数領域にある適応フィルタ係数Hbjを時間領域変換手段691で時間領域に変換し、その結果の半分を半分0化手段692で0に置き換えた後に、周波数領域変換手段693で再度周波数領域に変換するというものであり、式(19)で計算される。
Hbj’=FW’F−1Hbj 式(19)
ただし、W’はW’の右からベクトルを乗じた場合に乗じたベクトルの上半分の要素を抜き出すN行N列の行列を表わす。
この拘束条件処理がなされた適用フィルタ係数Hbj、つまり収束した適用フィルタ係数Hbjは、適用フィルタ係数レジスタ68に入力され、適用フィルタ係数が更新される。
ここで周波数領域の適用フィルタ係数の更新量であるΔHbjの求め方を述べる。ΔHbjの計算方法はNLMS法を周波数領域で行なう場合を例とした。受話信号Xjは、BGフィルタ係数更新部90内の乗算部904とパワー計算部902に入力される。パワー計算部902では、受話信号Xjのパワー、つまり以下の式(20)が計算される。
Σdiag(Xj)diag(conj(Xj)) 式(20)
ただしconj(A)はA内のスカラーあるいはベクトル、行列の個々の要素に対して複素共役をとることを示す。
また、BG減算部94で求められた周波数領域のBG誤差信号Ebjは乗算部904に入力される。
diag( conj(Xj))Ebj 式(21)
乗算部904の結果であるdiag( conj(Xj))Ebjと、パワー計算部902の結果であるΣdiag(Xj)diag(conj(Xj))とが、除算部906に入力され、以下の式(22)が計算され、周波数領域の適応フィルタ係数の更新量であるΔHbjが求められる。
ΔHbj=(Σ(diag(Xj)diag(conj(Xj)))−1diag(conj(Xj))Ebj 式(22)
ΔHbj,i=ΔHbj,i−Σi(ΔHbj,i)/N 式(23)
ΔHbtmp=Σi(ΔHbj,2×i−ΔHbj,2×i+1)/N,i
=0,1,2,..…,N/2−1 式(24)
ΔHbj,i=ΔHbj,i−ΔHbtmp,i=0,2,4,…,N−2
式(25)
ΔHbj,i=ΔHbj,i−ΔHbtmp,i=1,3,5,…,N−1
式(26)
ΔHbjは乗算部908に入力される。
SΔHbj 式(27)
この結果が加算部910に入力される。加算部910では、適応フィルタ係数レジスタ912に格納されているHbj-1がSΔHbjに加算される。つまり、以下の式(28)が計算され、その結果により、前回の適応フィルタ係数Hbj-1が更新される。
Hbj=Hbj-1+SΔHbj 式(28)
つまり式(20)〜(22)と式(24)と(25)又は(26)と、以下の式(29)で、周波数領域の適応フィルタ係数は更新される(ステップS6)。
Hbj=Hbj-1+S(Σ(diag(Xj))diag(conj(Xj))))−1diag(conj(Xj))Ebj 式(29)
そして、上記拘束条件処理指令を受けていない非選択周波数領域適応フィルタ係数H〜bjが選択部80によってが部分拘束処理部671に供給されて、部分拘束処理が行なわれる。この場合の非選択周波数領域適応フィルタ係数H〜bjに対する処理を式(30)乃至式(33)に示す。
H〜bj,i=H〜bj,i−Σi(H〜bj,i)/N 式(30)
H〜btmp=Σi(H〜bj,2×i−H〜bj,2×i+1)/N,i
=0,1,2,…,N/2−1 式(31)
H〜bj,i=H〜bj,i−H〜btmp,i=0,2,4,…,N−2
式(32)
H〜bj,i=H〜bj,i−H〜btmp,i=1,3,5,…,N−1
式(33)
図8に示すようにそれぞれのフィルタ係数に対して部分拘束処理部を設け、部分拘束を課さないときは、各部分拘束処理部を構成する帯域阻止フィルタのフィルタ係数をB=[1,0,0,…,0]にすればよい。
この場合、受話信号x(k)は周波数領域変換部62に入力されずに、図4に破線で示すように、FG推定信号生成部76’に直接入力される。また、FGフィルタ係数レジスタ74’には、時間領域のFGフィルタ係数hf(k)が、格納されている。FG推定信号生成部76’では、上記式(1)において、h(k)をhf(k)に置き換えた式の左辺により、FG推定信号yf(k)が求められる。
BG部60中の適応フィルタ係数レジスタ68に周波数領域で格納されているHbj’は、時間領域変換手段802に入力され、時間領域の適応フィルタ係数hb(k)’に変換され、0に置き換える処理が行われることなく、加算手段808’に入力される。加算手段808’において、hf(k)とhb(k)とが加算される。加算された値hf(k)がFGフィルタ係数レジスタ74’に格納され、FGフィルタ係数は更新される。
図11にこの発明の部分拘束処理を行った差分型FG/BGエコーキャンセル装置と従来法とを比較した結果を示す。図11の横軸は、動作開始後の時間(秒)であり、縦軸は係数誤差をdBで表す。
係数誤差とは、伝達系とBG部フィルタ係数hの差を表す量であり、伝達系をh0と表すと係数誤差CはC=‖h−h0‖2/‖h0‖2により定義される。
「FG部70のFFT点数:256、BG部60のFFT点数:512、FG部70の時間領域の適応フィルタ係数を周波数領域に変換した一つの周波数帯域当たりのフィルタ長:12、受話信号:男性音声、収音信号:受話信号+女性音声+背景雑音、伝達系の変化:動作開始後約3秒で伝達系の正負を反転することで系の変化を模擬」
例えば動作開始後約3秒後にマイクロホン(収音手段6)の位置をずらす等の伝達系を変化させたのち、約7秒で係数誤差が収束を開始する。動作開始後20秒の係数誤差は、この発明の方が従来法よりも2〜3dB程度よいことが分かる。
また、この発明のエコーキャンセル装置における処理をコンピュータによって実現する場合、エコーキャンセル装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、エコーキャンセル装置における処理機能がコンピュータ上で実現される。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
Claims (10)
- 受話信号をFGフィルタ係数でフィルタ処理して、FG推定信号を求めるFG推定信号生成部と、
収音信号から上記FG推定信号を減算して、FG誤差信号を求めるFG減算部と、を備えるFG部と、
上記受話信号を適応フィルタ係数でフィルタ処理して、BG推定信号を生成するBG推定信号生成部と、
上記FG誤差信号から上記BG推定信号を減算して、BG誤差信号を求める誤差計算部と、
上記BG誤差信号と上記受話信号とを用いて、上記BG誤差信号のパワーが減少するように上記適応フィルタ係数を更新するBGフィルタ係数更新部と、を備えるBG部と、
上記適応フィルタ係数を上記FGフィルタ係数に加算し、上記FGフィルタ係数を更新するFGフィルタ係数更新部と、を具備するエコーキャンセル装置において、
上記BG部は周波数領域で処理を行うものであり、
周波数領域の上記適応フィルタ係数を時間領域に変換した場合に、最初の係数或いは半分より1つ後方の係数が0になり、その他はそのままであるような帯域阻止フィルタのフィルタ係数で巡回畳み込みした結果と同一になるように、上記適応フィルタ係数を更新する過程の少なくとも一つにおけるデータに対して、周波数領域処理して更新された適応フィルタ係数として適応フィルタ係数レジスタに格納する部分拘束処理部を具備することを特徴とするエコーキャンセル装置。 - 請求項1に記載のエコーキャンセル装置において、
上記BG部は、上記FG誤差信号と、
上記BG誤差信号又は上記BG推定信号とから収束した周波数領域適応フィルタ係数を選択して拘束条件指令を出力する選択的拘束条件適用部と、
上記拘束条件処理指令を受けた選択された周波数領域適応フィルタ係数に対して拘束条件処理を行なう拘束条件適用部と、
を備え、
上記部分拘束処理部における少なくとも一つにおけるデータは、上記拘束条件処理指令を受けていない非選択周波数領域適応フィルタ係数であることを特徴とするエコーキャンセル装置。 - 請求項1に記載のエコーキャンセル装置において、
上記BGフィルタ係数更新部は、上記BG誤差信号と上記受話信号とを用いて更新量を求める更新量計算部と、
上記更新量と前回の適応フィルタ係数とを加算して適応フィルタ係数を更新する加算部と、を備え、
上記部分拘束処理部における上記少なくとも一つにおけるデータは、上記更新量であることを特徴とするエコーキャンセル装置。 - 請求項1乃至3の何れかに記載のエコーキャンセル装置において、
上記部分拘束処理部は、周波数領域の適応フィルタ係数の平均値を求める平均値計算部と、
上記平均値を上記適応フィルタ係数のそれぞれから減算して上記更新適応フィルタ係数を求める係数計算部と、を具備し、
若しくは、上記適応フィルタ係数の偶数番目と奇数番目のそれぞれを、上記誤差の平均値に対し減算又は加算を行なって上記更新適応フィルタ係数を求める係数計算部と、を備えることを特徴とするエコーキャンセル装置。 - 請求項1乃至4の何れかに記載のエコーキャンセル装置において、
上記BG部の誤差計算部は、データ数の半分の0を付加して上記時間領域のFG誤差信号を周波数領域の信号に変換するFG誤差周波数領域変換部を備え、
上記部分拘束処理部は、上記FG誤差周波数領域変換部が古いデータ側に0を付加して変換処理を行なうものであれば、
上記周波数領域適応フィルタ係数を時間領域に変換した場合に半分より1つ後方の係数が0になる周波数領域処理を行なうものであり、
上記FG誤差周波数領域誤差計算部が新しいデータ側を0とした場合、上記周波数領域適応フィルタ係数を時間領域に変換した最初の係数を0とするものであることを特徴とするエコーキャンセル装置。 - FG推定信号生成部が、受話信号をFGフィルタ係数でフィルタ処理して、FG推定信号を求める過程と、
FG部が、収音信号から上記FG推定信号を減算して、FG誤差信号を求める過程と、
BG推定信号生成部が、上記受話信号を適応フィルタ係数でフィルタ処理して、BG推定信号を生成する過程と、
誤差計算部が、上記FG誤差信号から上記BG推定信号を減算して、BG誤差信号を求める過程と、
BGフィルタ係数更新部が、上記BG誤差信号と上記受話信号とを用いて、上記BG誤差信号のパワーが減少するように上記適応フィルタ係数を更新する過程と、
FGフィルタ係数更新部が、上記適応フィルタ係数を上記FGフィルタ係数に加算し、上記FGフィルタ係数を更新する過程と、から成るエコーキャンセル方法において、
上記BG部は周波数領域で処理を行うものであり、周波数領域の上記適応フィルタ係数を時間領域に変換した場合に、最初の係数或いは半分より1つ後方の係数が0になり、その他はそのままであるような帯域阻止フィルタのフィルタ係数で巡回畳み込みした結果と同一になるように、上記適応フィルタ係数を更新する過程の少なくとも一つにおけるデータに対して、周波数領域処理して更新された適応フィルタ係数として適応フィルタ係数レジスタに格納する過程を、含むことを特徴とするエコーキャンセル方法。 - 請求項6に記載のエコーキャンセル方法において、
上記FG誤差信号と、上記BG誤差信号又は上記BG推定信号とから収束した周波数領域適応フィルタ係数を選択して拘束条件指令を出力する過程と、
上記周波数領域適応フィルタ係数を更新する過程の少なくとも一つにおけるデータは、上記拘束条件処理指令を受けていない非選択周波数領域適応フィルタ係数である周波数領域適応フィルタ係数であることを特徴とするエコーキャンセル方法。 - 請求項6に記載のエコーキャンセル方法において、
上記BG誤差信号を求める過程が、データ数の半分の0を付加して上記時間領域のFG誤差信号を周波数領域の信号に変換する過程を備え、
上記FG誤差信号を周波数領域の信号に変換する過程が古いデータ側に0を付加して変換処理を行なうものであれば、
上記周波数領域適応フィルタ係数を時間領域に変換した場合に半分より1つ後方の係数が0になる周波数領域処理過程を行なうものであり、
上記FG誤差信号を周波数領域の信号に変換する過程が新しいデータ側を0とした場合、上記周波数領域適応フィルタ係数を時間領域に変換した最初の係数を0とする周波数領域処理過程を含むことを特徴とするエコーキャンセル方法。 - 請求項1乃至5の何れかに記載した各装置としてコンピュータを機能させるための装置プログラム。
- 請求項9に記載した何れかのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006308191A JP4705554B2 (ja) | 2006-11-14 | 2006-11-14 | エコーキャンセル装置、その方法、そのプログラム、およびその記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006308191A JP4705554B2 (ja) | 2006-11-14 | 2006-11-14 | エコーキャンセル装置、その方法、そのプログラム、およびその記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008124914A true JP2008124914A (ja) | 2008-05-29 |
JP4705554B2 JP4705554B2 (ja) | 2011-06-22 |
Family
ID=39509191
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006308191A Expired - Fee Related JP4705554B2 (ja) | 2006-11-14 | 2006-11-14 | エコーキャンセル装置、その方法、そのプログラム、およびその記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4705554B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015019183A (ja) * | 2013-07-10 | 2015-01-29 | 日本電信電話株式会社 | エコー消去装置、エコー消去方法、及びそのプログラム |
WO2017085760A1 (ja) * | 2015-11-16 | 2017-05-26 | 三菱電機株式会社 | エコーキャンセラ装置及び通話装置 |
JPWO2017085761A1 (ja) * | 2015-11-16 | 2018-02-22 | 三菱電機株式会社 | エコーキャンセラ装置及び通話装置 |
CN111868826A (zh) * | 2018-12-17 | 2020-10-30 | 深圳市汇顶科技股份有限公司 | 一种回声消除中的自适应滤波方法、装置、设备及存储介质 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003234679A (ja) * | 2001-12-28 | 2003-08-22 | Avaya Technology Corp | 音響エコーの相殺および抑制を実行する利得制御方法 |
JP2004507923A (ja) * | 2000-08-21 | 2004-03-11 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 分割ブロック周波数領域適応フィルタ |
JP2004274412A (ja) * | 2003-03-10 | 2004-09-30 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 反響消去装置、方法、及び反響消去プログラム |
-
2006
- 2006-11-14 JP JP2006308191A patent/JP4705554B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004507923A (ja) * | 2000-08-21 | 2004-03-11 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 分割ブロック周波数領域適応フィルタ |
JP2003234679A (ja) * | 2001-12-28 | 2003-08-22 | Avaya Technology Corp | 音響エコーの相殺および抑制を実行する利得制御方法 |
JP2004274412A (ja) * | 2003-03-10 | 2004-09-30 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 反響消去装置、方法、及び反響消去プログラム |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015019183A (ja) * | 2013-07-10 | 2015-01-29 | 日本電信電話株式会社 | エコー消去装置、エコー消去方法、及びそのプログラム |
WO2017085760A1 (ja) * | 2015-11-16 | 2017-05-26 | 三菱電機株式会社 | エコーキャンセラ装置及び通話装置 |
JP6279172B2 (ja) * | 2015-11-16 | 2018-02-14 | 三菱電機株式会社 | エコーキャンセラ装置及び通話装置 |
JPWO2017085761A1 (ja) * | 2015-11-16 | 2018-02-22 | 三菱電機株式会社 | エコーキャンセラ装置及び通話装置 |
JPWO2017085760A1 (ja) * | 2015-11-16 | 2018-04-26 | 三菱電機株式会社 | エコーキャンセラ装置及び通話装置 |
US10367949B2 (en) | 2015-11-16 | 2019-07-30 | Mitsubishi Electric Corporation | Echo canceller device and voice telecommunications device |
CN111868826A (zh) * | 2018-12-17 | 2020-10-30 | 深圳市汇顶科技股份有限公司 | 一种回声消除中的自适应滤波方法、装置、设备及存储介质 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4705554B2 (ja) | 2011-06-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11315587B2 (en) | Signal processor for signal enhancement and associated methods | |
US7813499B2 (en) | System and process for regression-based residual acoustic echo suppression | |
JP3177562B2 (ja) | 少遅延サブバンド適応フィルタ装置 | |
JP5075042B2 (ja) | エコー消去装置、エコー消去方法、そのプログラム、記録媒体 | |
US8073147B2 (en) | Dereverberation method, apparatus, and program for dereverberation | |
US5774562A (en) | Method and apparatus for dereverberation | |
US9536539B2 (en) | Nonlinear acoustic echo signal suppression system and method using volterra filter | |
CN111031448A (zh) | 回声消除方法、装置、电子设备和存储介质 | |
JP4705554B2 (ja) | エコーキャンセル装置、その方法、そのプログラム、およびその記録媒体 | |
JP5161157B2 (ja) | 周波数領域エコー除去装置、周波数領域エコー除去方法、プログラム | |
JP5469564B2 (ja) | 多チャネルエコー消去方法、多チャネルエコー消去装置及びそのプログラム | |
JP2000035788A (ja) | 多重チャネル適応フィルタリング | |
Hofmann et al. | Significance-aware filtering for nonlinear acoustic echo cancellation | |
Jin et al. | A simultaneous equation method-based online secondary path modeling algorithm for active noise control | |
JP2003250193A (ja) | 反響消去方法、この方法を実施する装置、プログラムおよびその記録媒体 | |
JP3673727B2 (ja) | 反響消去方法、その装置、そのプログラム及びその記録媒体 | |
JP5524316B2 (ja) | パラメータ推定装置、エコー消去装置、パラメータ推定方法、及びプログラム | |
JP4769161B2 (ja) | エコーキャンセラ装置、その方法、そのプログラム、およびその記録媒体 | |
EP3829151B1 (en) | Echo suppression device, echo suppression method, and echo suppression program | |
JP5438629B2 (ja) | ステレオ反響消去方法、ステレオ反響消去装置、ステレオ反響消去プログラム | |
JP7373947B2 (ja) | 音響エコーキャンセル装置、音響エコーキャンセル方法及び音響エコーキャンセルプログラム | |
JP5583181B2 (ja) | 縦続接続型伝達系パラメータ推定方法、縦続接続型伝達系パラメータ推定装置、プログラム | |
JPH09261135A (ja) | 音響エコー消去装置 | |
JP5565593B2 (ja) | 信号処理方法、信号処理装置、及び信号処理プログラム | |
JP6343585B2 (ja) | 未知伝達系推定装置、未知伝達系推定方法、およびプログラム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090105 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110218 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110301 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110311 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |