JP5565593B2 - 信号処理方法、信号処理装置、及び信号処理プログラム - Google Patents

信号処理方法、信号処理装置、及び信号処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、複数の信号が混合された混合信号から所望の信号を抽出するための信号処理技術に関する。
混合された複数の信号から所望の信号を抽出する信号処理技術が知られている。例えば、ノイズキャンセラ(雑音消去システム)は、所望の音声信号(以降、所望信号)に重畳されている雑音(ノイズ)を消去するシステムである。非特許文献1には、適応フィルタを用いてノイズを消去する方法が開示されている。この方法は、雑音源からマイクに至る音響系の特性を適応フィルタを用いて推定し、雑音に相関のある信号(以降、雑音相関信号)をこの適応フィルタで処理して擬似ノイズを生成し、擬似ノイズをノイズの重畳された混合信号から減算することによって、ノイズを消去する。
非特許文献1に記載の技術によれば、雑音相関信号にクロストークと呼ばれる所望信号成分が漏れこむことがあり、クロストークのある雑音相関信号を用いて擬似ノイズを生成すると、出力信号の一部が減算され、出力信号に歪を生じる。この歪を防ぐための構成として、クロストークに対応した適応フィルタを導入して擬似クロストークを生成し、ノイズとクロストークとを同時に消去する、たすきがけ(Cross-Coupled)ノイズキャンセラが非特許文献2に開示されている。
非特許文献2に開示された「たすきがけノイズキャンセラ」について図10を参照して説明する。所望信号源910からの所望信号s1(k)は、マイク901に伝達されるまでに、所望信号源910からマイク901に至る音響空間のインパルス応答h11(伝達関数H11)の畳み込みが行なわれたと仮定できる。一方、雑音源920からのノイズs2(k)も、マイク901に伝達されるまでに、雑音源920からマイク901に至る音響空間のインパルス応答h21(伝達関数H21)の畳み込みが行なわれたと仮定できる。したがって、時刻kにおいてマイク901から出力される音声信号x1(k)は混合信号となり、以下の数式(1)で表わされる。
同様に、所望信号源910からの所望信号s1(k)は、マイク902に伝達されるまでに、所望信号源910からマイク902に至る音響空間のインパルス応答h12(伝達関数H12)の畳み込みが行なわれたと仮定できる。一方、雑音源920からのノイズs2(k)も、マイク902に伝達されるまでに、雑音源920からマイク902に至る音響空間のインパルス応答h22(伝達関数H22)の畳み込みが行なわれたと仮定できる。したがって、時刻kにおいてマイク902から出力される音声信号x2(k)は混合信号となり、以下の数式(2)で表わされる。
Figure 0005565593
Figure 0005565593
ここで、h11(j)、h12(j)、h21(j)、h22(j)は、各伝達関数H11、H12、H21、H22に対応する、サンプル番号jでのインパルス応答を示す。M1、M2、N1、N2はそれぞれ、混合過程のインパルス応答の長さであり、各伝達関数H11、H12、H21、H22をフィルタに変換する場合のタップ数である。M1、M2、N1、N2は、所望信号源910からマイク901まで、雑音源920からマイク902まで、雑音源920からマイク901まで、所望信号源910からマイク902までの距離や空間の音響特性などに関係する。
特に、マイク901が所望信号源910に十分に近いときには、M1−1=0となり、h11(0)=1となるため、数式(1)は、以下の数式(3)に変形できる。
Figure 0005565593
同様に、マイク902が雑音源920に十分に近いときにはM2−1=0、h22(0)=1となり、数式(2)を以下の数式(4)に変形できる。
Figure 0005565593
このとき、減算器903の出力y1(k)は、マイク901の信号x1(k)から適応フィルタ907の出力u1(k)を減算した信号であり、以下の数式(5)で表わされる。一方、y2(k)は、マイク902の信号x2(k)から適応フィルタ908の出力u2(k)を減算した信号であり、以下の数式(6)で表わされる。なお、これらの式において、w21,j(k)、w12,j(k)は、適応フィルタ907、908の係数である。
Figure 0005565593
Figure 0005565593
すなわち、適応フィルタ907の出力u1(k)が擬似ノイズ、適応フィルタ908の出力u2(k)が擬似クロストークである。最終的に、ノイズキャンセラにおいてノイズが消去された信号として、y1(k)が出力される。
上記数式(3)と数式(5)とから、ノイズ消去信号出力y1(k)は次式で与えられる。
Figure 0005565593
すなわち、j=0, 1, 2,…, N1-1において、y2(k)=s2(k)、w21,j(k)=h21(j)、のときに、y1(k)=s1(k)となり、ノイズの完全な消去を達成できる。
一方、図10と類似の構成で2つの信号を分離することができるシステム(フィードバック型ブラインド信号分離システム)が非特許文献3に開示されている。非特許文献3に開示されているフィードバック型ブラインド信号分離システムについて図11を用いて説明する。図11では、減算器904の出力y2(k)を抽出された信号の一つとして出力する点で、図10と異なる。また、適応フィルタ917、918の係数更新は、係数更新部981において、y1(k)とy2(k)を用いて、実行される。
図11のブラインド信号分離システムにおいても、マイク901とマイク902がそれぞれ第1信号源910と第2信号源930に十分に近いときに、数式(7)が成立する。また、y2(k)に関しても同様に、以下の数式(8)が成立する。
Figure 0005565593
1(k)=s1(k)と、y2(k)=s2(k)とが成立して初めて信号の完全な分離が達成されるので、そのためには、以下の2つの式の成立がその条件となる。
21,j(k)=h21(j)、j=0, 1, 2, ..., N1-1
12,j(k)=h12(j)、j=0, 1, 2, ..., N2-1
非特許文献3は、マイク901とマイク902が第1信号源910と第2信号源930に十分に近いという条件が満たされない一般の場合に関し、信号が完全に分離されるための条件として以下の式の成立を挙げている。
21,j(k)=h21(j)/h22(j)、j=0, 1, 2, ..., N1-1
12,j(k)=h12(j)/h11(j)、j=0, 1, 2, ..., N2-1
B. Widrow, " Adaptive Noise Cancelling: Principles and Applications, " Proceedings of the IEEE, vol. 63, pp. 1692--1716, Dec. 1975
M.J. Al-Kindi and J. Dunlop, "A low distortion adaptive noise cancellation structure for real time applications," Proceedings of ICASSP 1987, vol. 12 pp.2153-2156, Apr. 1987
K. Nakayama, A. Horita and A. Hirano,"Effects of propagation delays and sampling rate on feed-back BSS and comparative studies with feed-forward BSS," Proceedings of EUSIPCO 2008, 16th European Signal Processing Conference, Lausanne, Switzerland, CD-ROM, Sept. 2008
しかしながら、上述の非特許文献2乃至3に開示された構成では、混合信号から所望の信号を抽出するために、理論上、その混合信号に含まれる他の信号(所望の信号以外の信号)として出力される「他の出力信号」の現在値(時刻kの値)が必要になる。一方でその「他の出力信号」の現在値を求めるためには、所望の信号として出力される「所望出力信号」の現在値が必要になり、相互依存の問題が生じる。このため、フィルタにおいて、他の出力信号の現在値に対応する係数(図11の例では、w12,0(k)及びw21,0(k)を0とし、他の出力信号の現在値を無視していた。したがって、所望の信号を正確に抽出できているとは言えず、抽出した出力信号の品質劣化に繋がっていた。
以上を踏まえ、本発明は、上述の課題を解決する信号処理技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る信号処理方法は、第1信号と第2信号とが混合された第1混合信号及び第2混合信号から、第1信号を抽出する際に、過去の前記第1信号の推定値を第1推定値として求め、過去の前記第2信号の推定値を第2推定値として求め、前記第1混合信号から前記第2推定値を除いて第1分離信号を生成し、前記第2混合信号から前記第1推定値を除いて第2分離信号を生成し、前記第1分離信号と前記第2分離信号とを用いて生成した信号を、前記第1信号として出力することを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る他の信号処理方法は、第1信号から第n信号までのn個の信号が混合された第1乃至第n混合信号を用いて、第1信号を抽出する際に、1からnまでの自然数mのそれぞれについて、過去の第m信号以外の過去の第1乃至第n信号の推定値を求め、その推定値を、第m混合信号から除いて、第m分離信号を生成し、前記第1乃至第n分離信号を用いて信号を生成し、前記第1信号として出力することを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る信号処理装置は、第1信号と第2信号とが混合されて生成された第1混合信号に対し、過去の前記第2信号の推定値を第2推定値として生成する第1フィルタと、前記第1混合信号から前記第2推定値を除いて第1分離信号を生成する第1減算部と、第1信号と第2信号とが混合されて生成された第2混合信号に対し、過去の前記第1信号の推定値を第1推定値として生成する第2フィルタと、前記第2混合信号から前記第1推定値を除いて第2分離信号を生成する第2減算部と、前記第1分離信号と前記第2分離信号とを用いて生成した信号を、前記第1信号として出力する出力部と、を備えたことを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る他の信号処理装置は、第1信号から第n信号までのn個の信号が混合されて生成された第1乃至第n混合信号に対し、1からnまでの自然数mのそれぞれについて、過去の第m信号以外の過去の第1乃至第n信号の推定値を生成するフィルタと、前記第1乃至第n混合信号から前記推定値を除いて第1乃至第n分離信号を生成する減算部と、前記第1乃至前記第n分離信号を用いて生成した信号を、前記第1信号として出力する出力部と、を備えたことを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る信号処理プログラムは、コンピュータに、第1信号と第2信号とが混合された第1混合信号及び第2混合信号から、第1信号を抽出するために、過去の前記第1信号の推定値を第1推定値として求める処理と、過去の前記第2信号の推定値を第2推定値として求める処理と、前記第1混合信号から前記第2推定値を除いて第1分離信号を生成する処理と、前記第2混合信号から前記第1推定値を除いて第2分離信号を生成する処理と、前記第1分離信号と前記第2分離信号とを用いて生成した信号を、前記第1信号として出力する処理と、を実行させる。
上記目的を達成するため、本発明に係る他の信号処理プログラムは、コンピュータに、第1信号から第n信号までのn個の信号が混合された第1乃至第n混合信号を用いて、第1信号を抽出するために、1からnまでの自然数mのそれぞれについて、過去の第m信号以外の過去の第1乃至第n信号の推定値を求め、その推定値の和を前記第m混合信号から除いて、第m分離信号を生成する処理と、前記第1乃至第n分離信号を用いて信号を生成し、前記第1信号として出力する処理と、を実行させる。
本発明では、複数の信号が混合された混合信号から、より高精度に所望の信号を抽出することができる。
本発明の第1実施形態を示すブロック図。 図1に含まれるフィルタの構成を示すブロック図。 図1に含まれる現在成分分離部の構成を示すブロック図。 本発明の第2実施形態を示すブロック図。 図4に含まれる適応フィルタの構成を示すブロック図。 図4に含まれる現在成分分離部の構成を示すブロック図。 本発明の第3実施形態を示すブロック図。 本発明の第4実施形態を示すブロック図。 本発明のその他の実施形態を示すブロック図。 従来のノイズキャンセラの構成を示すブロック図。 2入力に対する従来のフィードバック型ブラインド信号分離システムの構成を示すブロック図。 3入力に対するフィードバック型ブラインド信号分離システムの構成を示すブロック図。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る信号処理装置100の構成を示すブロック図である。ここでは、2つの発生源からの信号s1(k)、s2(k)を分離する場合を例として説明する。マイク1から出力された第1混合信号x1(k)とマイク2から出力された第2混合信号x2(k)とは、それぞれ、過去成分分離部20に供給され、第1、第2減算部としての減算器3、4に送られる。また、フィルタ10は、過去の第2出力信号に基づく成分の第1推定値(数式(9))を減算器3に供給し、フィルタ12は、過去の第1出力信号に基づく成分の第2推定値(数式(10))を減算器4に供給する。ここで、「現在」とは、時刻kのタイミングを示し、「過去」とは、時刻kよりも前のタイミングを示す。
Figure 0005565593
Figure 0005565593
数式(9)と数式(10)において、右辺の総和はj=0ではなくj=1から始まる。すなわち、フィルタ10とフィルタ12の入力は、y2(k-1)、y2(k-2)、…、y2(k-N1+1)、及びy1(k-1)、y1(k-2)、…、y1(k-N1+1)である。
減算器3は、第1混合信号x1(k)からフィルタ10の出力を減算し、その結果として、第1分離信号y’1(k)を生成し、現在成分分離部5に渡す。減算器4は、第2混合信号x2(k)からフィルタ12の出力を減算し、その結果として、第2分離信号y’2(k)を生成し、現在成分分離部5に渡す。第1分離信号y’1(k)と第2分離信号y’2(k)とを用いて、第1出力信号と第2出力信号を求め、それぞれy1(k)、y2(k)として、出力端子6と7に伝達する。すなわち、現在成分分離部5は、第1分離信号と第2分離信号とを用いて生成した信号を、信号源からの第1信号として出力する出力部として機能する。
第2出力信号y2(k)は、遅延素子9に供給される。同様に、第1出力信号y1(k)は遅延素子11に供給される。遅延素子9及び遅延素子11は、入力した第1、第2出力信号を1サンプル遅延させて、フィルタ10及びフィルタ12にそれぞれ供給する。すなわち、フィルタ10とフィルタ12に供給される信号は、過去の第2出力信号と過去の第1出力信号である。
図2(a)はフィルタ10の構成例である。フィルタ10には、過去の第2出力信号y2(k-1)が供給される。過去の第2出力信号y2(k-1)は、フィルタ10内において、乗算器1021と遅延素子1032に伝達される。乗算器1021は、y2(k-1)をw21(1)倍してw21(1)・y2(k-1)として、加算器1012に伝達する。遅延素子1032は、y2(k-1)を1サンプル遅延させてy2(k-2)として、乗算器1022と遅延素子1033に伝達する。乗算器1022は、y2(k-2)をw21(2)倍してw21(2)・y2(k-2)として、加算器1012に伝達する。加算器1012は、w21(1)・y2(k-1)とw21(2)・y2(k-2)とを加算して、加算器1013に伝達する。以下、この動作を一連の遅延素子と乗算器とが繰り返して、最後に加算器101N1-1が上述の数式(9)で表わされる推定値として、合計値を出力する。この一連の演算方法は、畳み込み演算として知られている。
一方、図2(b)はフィルタ12の構成例である。フィルタ12の構成及び動作は、入力信号y2(k-1)がy1(k-1)に、乗算器1221〜122N2-1の係数w21(j) (j=1, 2, …, N1-1)がw12(j) (j=1, 2, …, N2-1)に置き換わるだけである。その他のフィルタ12の構成及び動作は、フィルタ10の構成及び動作と同様である。すなわち、フィルタ12は、遅延素子1032〜103N1-1に対応する遅延素子1232〜103N2-1を備えている。フィルタ12は、乗算器1021〜102N1-1に対応する乗算器1221〜122N2-1を備えている。また、加算器1012〜101N1-1に対応する加算器1212〜101N2-1を備えている。したがって、それら一つ一つの構成の詳細な説明は省略する。なお、上記フィルタ10、12において、係数w21(j) (j=1, 2, …, N1-1)、w12(j) (j=1, 2, …, N2-1)は時刻kの関数ではなく定数である。これにより、混合信号生成過程の伝達関数H11、H12、H21、H22が時間と共に変化しないとき、本実施形態を実現する回路及び/またはソフトウェアの大幅な単純化が可能となる。
フィルタ10及びフィルタ12には、それぞれ、遅延素子9と遅延素子11によって、第2出力信号y2(k)及び第1出力信号y1(k)から1サンプル遅延された、過去の第2出力信号y2(k-1)及び過去の第1出力信号y1(k-1)が供給される。したがって、フィルタ10は、第1混合信号x1(k)に混合したと推定される、過去の第2信号s2(k)の成分を、第1推定値(数式(9))として計算することとなる。一方、フィルタ12は、第2混合信号x2(k)に混合したと推定される、過去の第1信号s1(k)の成分を、第2推定値(数式(10))として計算することとなる。
図3は、現在成分分離部5の内部構成を示す図である。減算器3の出力は乗算器51と乗算器53に供給される。減算器4の出力は、乗算器52と乗算器54に供給される。乗算器51は、入力をv11倍して、加算器55に供給する。乗算器54は、入力をv21倍して、加算器55に供給する。加算器55は、これらを加算した結果である以下のy1(k)を出力する。
Figure 0005565593
一方、乗算器52は、入力をv22倍して、加算器56に供給する。乗算器53は、入力をv12倍して、加算器56に供給する。加算器56は、これらを加算した結果である以下のy2(k)を出力する。
Figure 0005565593
1(k)とy2(k)が、現在成分分離部5の出力である。数式(11)と数式(12)をまとめて行列で記述すると、数式(13)を得る。
Figure 0005565593
結果的に、図1において、減算器3、4、フィルタ10、12、遅延素子9、11を含む過去成分分離部20が、過去の出力信号y1(k-j)、y2(k-j)、j>0を用いて、混合信号中に存在する過去成分を分離する。その結果を現在成分分離部5に供給し、現在成分分離部5が、さらに現在成分を分離する。
言い換えれば過去成分分離部20は、第1混合信号x1(k)と過去の第2出力信号y2(k-1)、y2(k-2)、…、y2(k-N1+1)とを用いて、第1分離信号y’1(k)を生成する。また、第2混合信号x2(k)と過去の第1信号y1(k-1)、y1(k-2)、…、y1(k-N1+1)とを用いて、第2分離信号y’2(k)を生成する。
現在成分分離部5は、第1分離信号y’1(k)及び第2分離信号y’2(k)を供給されて、第1出力信号y1(k)及び第2出力信号y2(k)を生成する。つまり、第1分離信号と第2分離信号とを用いて、第1出力信号を生成する。詳しくは、現在(時刻k)の第2信号の推定値を、第2分離信号を用いて第3推定値として求め、第1分離信号から第3推定値を除いて第1出力信号を生成する。第3推定値は、第1混合信号に混合したと推定される現在(時刻k)の第2信号の成分である。
次に、図1に示す構成で第1混合信号x1(k)と、第2混合信号x2(k)とから分離して得られる第1出力信号y1(k)、第2出力信号y2(k)が、混合前の第1信号s1(k)及び第2信号s2(k)に対応することを確認する。
数式(5)及び数式(6)の右辺を、現在の第1出力信号y1(k)及び第2出力信号y2(k)に基づく項とそれ以外を分離して表記すると、次式を得る。
Figure 0005565593
Figure 0005565593
数式(14)と数式(15)とをまとめて、行列形式で表示すると、以下の数式(16)が得られる。
Figure 0005565593
これを変形して、以下の数式(17)となる。
Figure 0005565593
これをy1(k)、y2(k)について整理して、次式を得る。
Figure 0005565593
これをy1(k)、y2(k)について解くと、次式を得る。
Figure 0005565593
Figure 0005565593
ここで、新たな正方行列vを数式(21)のように定義すると、数式(19)は次の数式(22)のように書き直すことができる。
Figure 0005565593
Figure 0005565593
数式(22)は数式(13)と等しいので、本実施形態でも数式(7)及び数式(8)のように、第1、第2出力信号が得られる。つまり、以下の2つの式が成立する条件下において、第1出力信号y1(k)が、第1信号源から発生し第1混合信号に混合された現在の第1信号s1(k)に対応する。
21(j)=h21(j)/h22(j)、j=0, 1, 2, ..., N1-1
12(j)=h12(j)/h11(j)、j=0, 1, 2, ..., N2-1
以上説明したように、本実施形態では、w21(0)=0とw12(0)=0という条件を課していないので、任意の係数w21(0)と係数w12(0)に対して、高い精度で信号分離を行なうことができる。つまり、複数の信号が混合された混合信号から、より高精度に所望の信号を抽出することができる。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る信号処理装置200の構成を示すブロック図である。本実施形態は第1実施形態と比べ、過去成分分離部20が過去成分分離部21に置換えられ、現在成分分離部5が現在成分分離部50に置換えられ、フィルタ10、12が適応フィルタ40、42に置換えられ、係数適応部8が追加されている他は同様の構成である。したがって、同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
係数適応部8は、出力信号y1(k)、y2(k)を受けて、過去成分分離部21及び現在成分分離部50内で用いられる係数を更新するための係数更新情報を生成する。生成した係数更新情報は、適応フィルタ40、42、及び現在成分分離部50に供給される。係数適応部8は、様々な係数適応アルゴリズムによって、係数更新情報を生成することができる。正規化LMSアルゴリズムを用いる場合には、係数w21,j(k)、w12,j(k)に対する更新は、次式で行われる。なお、ここで、係数w21,j、w12,jは、それぞれ、第1実施形態におけるw21(j)、w21(j)と同じ意味であるが、本実施形態においては、これらの係数は時刻kに依存するため、w21,j(k)、w12,j(k)という表記を用いる。
Figure 0005565593
Figure 0005565593
ここに、定数μはステップサイズであり、0<μ<1である。また、δはゼロによる除算を防ぐための微小な定数である。数式(23)の右辺第2項が係数更新量であり、j=0のときは現在成分分離部50へ、j>0のときは適応フィルタ40へ供給される。同様に、数式(24)の右辺第2項は、j=0のときは現在成分分離部50へ、j>0のときは適応フィルタ42へ供給される。つまり、適応フィルタ40、42の係数は、y1(k)とy2(k)との相関関係(相関値)を用いて更新される。このように、正規化LMSアルゴリズムに代表される勾配型係数更新アルゴリズムを用いて、出力信号y1(k)に基づいてフィルタ40の係数w21,j(k)を更新し、出力信号y2(k)に基づいてフィルタ42の係数w12,j(k)を変化させることにより、外部環境の変動に応じて混合信号生成過程の伝達関数H11、H12、H21、H22が時間と共に変化するときでも、高精度な出力信号が得られる。
図5は、適応フィルタ40と適応フィルタ42の構成例である。図5の適応フィルタ40と適応フィルタ42は、係数更新量を乗算器4021、4022、 …、 N1-1及び乗算器4221、4222、 …、422N2-1に供給する点以外は、図2のフィルタ10及びフィルタ12と同様である。係数適応部8から供給された係数更新量μy1(k)y2(k-j)/σ2y2、j=1, 2, ..., N1-1は、乗算器4021、4022、…、402N1-1に供給されて、数式(23)に従った係数更新に用いられる。同様に、係数適応部8から供給された係数更新量μy2(k)y1(k-j)/σ2y1、j=1, 2, ..., N2-1は、乗算器4221、4222、…、422N2-1に供給されて、数式(24)に従った係数更新に用いられる。また、j=0に対応した係数更新量μy1(k)y2(k)/σ2y2とμy2(k)y1(k)/σ2y1は現在成分分離部50に供給される。
図6は、現在成分分離部50の構成例を示す図である。図3に示した現在成分分離部5とは、乗算器501、502、503、504に対して係数更新情報が供給されている点が異なる。乗算器501、503には、μy1(k)y2(k)/σ2y2が供給されており、これを用いて数式(23)に従った係数更新が行われる。また、乗算器52、53にはμy2(k)y1(k)/σ2y1が供給されており、これを用いて数式(24)に従った係数更新が行われる。
ここで、係数更新アルゴリズムとして、以下の数式(25)と数式(26)で表わされるものを適用しても良い。
Figure 0005565593
Figure 0005565593
ここに、f{・}とg{・}は奇関数、α、βは定数である。f{・}とg{・}として、シグモイド関数、双曲線正接(tanh)などを用いることができる。係数の更新を含むその他の動作は、数式(23)及び数式(24)を用いた場合と同じなので、詳細は省略する。このように、複数の出力信号y1(k)、y2(k)の相関関係を用いて、フィルタ40、42の係数w21,j(k)、w12,j(k)を変化させることにより、外部環境の変動によって混合信号生成過程の伝達関数H11、H12、H21、H22が時間と共に変化するときでも、高精度な出力信号が得られる。
以上、本実施形態によれば、適応フィルタ40、42及び現在成分分離部50で用いられる係数を、出力信号に応じて更新することができ、外部環境の変動に対応して、より高精度に信号分離を行なうことが可能となる。
(第3実施形態)
<前提技術としての構成>
本発明の第3実施形態について説明する前に、その前提技術について図12を用いて説明する。図12は、非特許文献2に開示された技術を、マイク数が3つの場合に拡張したものである。本システムでは、マイク801〜803と、出力端子807〜809を有している。そして、第1信号源810からマイク801〜803に至る音響空間について、インパルス応答h11(伝達関数H11)、インパルス応答h12(伝達関数H12)、インパルス応答h13(伝達関数H13)を定義している。同様に、第2信号源820からマイク801〜803に至る音響空間について、インパルス応答h21(伝達関数H21)、インパルス応答h22(伝達関数H22)、インパルス応答h23(伝達関数H23)を定義している。さらに、第3信号源830からマイク801〜803に至る音響空間について、インパルス応答h31(伝達関数H31)、インパルス応答h32(伝達関数H32)、インパルス応答h33(伝達関数H33)を定義している。
これに対し、信号処理装置側では、これらのインパルス応答に対応した適応フィルタ811〜816を備えている。適応フィルタ811は、第2出力y2(k)を受けて出力を減算器804に供給する。適応フィルタ812は、第3出力y3(k)を受けて出力を減算器804に供給する。適応フィルタ813は、第1出力y1(k)を受けて出力を減算器805に供給する。適応フィルタ814は、第3出力y3(k)を受けて出力を減算器805に供給する。適応フィルタ815は、第2出力y2(k)を受けて出力を減算器806に供給する。適応フィルタ816は、第1出力y1(k)を受けて出力を減算器806に供給する。これらの適応フィルタの係数も、第1〜第3出力を用いて適宜更新される。
マイク信号x1(k)、x2(k)、x3(k)は、これらのマイク801〜803が第1、第2、第3信号源810、820、830に十分近いとき、次式で表される。
Figure 0005565593
Figure 0005565593
Figure 0005565593
図10と同様に、出力信号y1(k)、y2(k)、y3(k)は、以下の式で表わされる。
Figure 0005565593
Figure 0005565593
Figure 0005565593
したがって、信号の分離のためには、以下の条件を満たす必要がある。
21,j(k)=h21(j)、j=0, 1, 2, ..., N1-1
12,j(k)=h12(j)、j=0, 1, 2, ..., N2-1
31,j(k)=h31(j)、j=0, 1, 2, ..., N3-1
32,j(k)=h32(j)、j=0, 1, 2, ..., N4-1
13,j(k)=h13(j)、j=0, 1, 2, ..., N5-1
23,j(k)=h23(j)、j=0, 1, 2, ..., N6-1
また、マイク801〜803が第1、第2、第3信号源810、820、830に十分に近い、という条件が満たされない一般の場合は、以下の式の成立を条件として信号の分離が実現する。
21,j(k)=h21(j)/h22(j)、j=0, 1, 2, ..., N1-1
12,j(k)=h12(j)/h11(j)、j=0, 1, 2, ..., N2-1
31,j(k)=h31(j)/h33(j)、j=0, 1, 2, ..., N3-1
32,j(k)=h32(j)/h33(j)、j=0, 1, 2, ..., N4-1
13,j(k)=h13(j)/h11(j)、j=0, 1, 2, ..., N5-1
23,j(k)=h23(j)/h22(j)、j=0, 1, 2, ..., N6-1
<本実施形態に係る構成>
上記の前提技術では、やはり、混合信号から所望信号を抽出するために、理論上、その混合信号に含まれる他の信号(所望信号以外の信号)の現在値が必要になる。一方でその「他の信号」の現在値を求めるためには、所望信号の現在値が必要になり、相互依存の問題が生じる。このため、フィルタにおいて、他の出力信号の現在値に対応する係数(上の例では、w12,0(k)、w21,0(k)、w31,0(k)、w32,0(k)、w13,0(k)、w23,0(k))を0とし、他の出力信号の現在値を無視していた。したがって、所望の信号を正確に抽出できているとは言えず、抽出した出力信号の品質劣化に繋がっていた。
これに対し、本発明の第3実施形態について、図7のブロック図を用いて説明する。図7は、図1に対応しているが、マイクが付加されてマイク総数が3となっている。すなわち、3チャネルの信号分離を行う構成となっている。図1との違いは、フィルタ、遅延素子、減算器、出力端子が増えて、現在成分分離部5が現在成分分離部650に置換されていることである。
減算器611には、フィルタ631、632から過去の出力信号に基づく成分の推定値が供給される。減算器612には、フィルタ633、634から過去の出力信号に基づく成分の推定値が供給される。減算器613には、フィルタ635、636から過去の出力信号に基づく成分の推定値が供給される。これらの推定値は、次の数式(33)で与えられる。
Figure 0005565593
減算器611、612、613は、それぞれマイク601、602、603から供給された第1、第2、第3混合信号x1(k), x2(k), x3(k)から、数式(33)で示された各推定値を減算し、その結果を現在成分分離部650へ伝達する。ここで、現在成分分離部650の動作を明らかにするために、図1で示した2信号分離の場合と同じく、動作の解析を行う。
図1の場合に習って、以下の式が得られる。
Figure 0005565593
これを変形して、以下のようになる。
Figure 0005565593
これをy1(k)、y2(k)、y3(k)について整理して、次式を得る。
Figure 0005565593
これをy1(k)、y2(k)、y3(k)について解くと、次式を得る。
Figure 0005565593
Figure 0005565593
ここで、新たな正方行列v3(k)を数式(39)のように定義すると、数式(40)を得る。
Figure 0005565593
Figure 0005565593
すなわち、現在成分分離部650は、減算器611、612、613の出力を受けて数式40に示された線形結合演算を実行し、その結果を出力信号y1(k)、y2(k)、y3(k)として出力端子604、605、606に伝達する。また、出力信号y1(k)、y2(k)、y3(k)は、遅延素子681、682、683、684、685、686に伝達される。
このように求めた第1出力信号y1(k)、第2出力信号y2(k)、第3出力信号y3(k)は、数式(30)乃至数式(32)で表わされる。つまり、以下の6つの式が成立する条件下において、第1出力信号y1(k)が、第1信号源から発生し第1混合信号に混合された現在の第1信号s1(k)に対応する。
21,j(k)=h21(j)/h22(j)、j=0, 1, 2, ..., N1-1
12,j(k)=h12(j)/h11(j)、j=0, 1, 2, ..., N2-1
31,j(k)=h31(j)/h33(j)、j=0, 1, 2, ..., N3-1
32,j(k)=h32(j)/h33(j)、j=0, 1, 2, ..., N4-1
13,j(k)=h13(j)/h11(j)、j=0, 1, 2, ..., N5-1
23,j(k)=h23(j)/h22(j)、j=0, 1, 2, ..., N6-1
本実施形態では、フィルタにおいて、他の出力信号の現在値に対応する係数(上の例では、w12,0(k)、w21,0(k)、w31,0(k)、w32,0(k)、w13,0(k)、w23,0(k))を0としなくてもよい。したがって任意の係数に対して、高い精度で信号分離を行なうことができる。つまり、複数の信号が混合された混合信号から、より高精度に所望の信号を抽出することができる。
(第4実施形態)
図8は、本発明の第4実施形態を示すブロック図である。図7と図8の関係は、図1と図4の関係において分離する信号の数を2から3に変更したものである。係数更新アルゴリズムとして、正規化LMSアルゴリズムや数式(25)と数式(26)で与えられるアルゴリズムを利用できる。したがって、これ以上の詳細な説明は省略する。
(第5実施形態)
これまで、図1と図4で2つの信号からなる混合信号を分離する場合について、図7と図8で3つの信号からなる混合信号を分離する場合について説明してきたが、より一般的なn個の信号からなる混合信号を分離する場合も同様に考えることができる。マイクと信号源の数がいずれもnの場合に、第1乃至第n出力信号y1(k)、y2(k)、y3(k)、・・・、yn(k)は次式で与えられる。
Figure 0005565593
n次正方行列Aの逆行列A-1は、次式で与えられる。
Figure 0005565593
ここに、BTはBの転置行列であり、Aの余因子となっている。また、ΔnはAの行列式|A|であり、正方行列Bは、次式で与えられる。
Figure 0005565593
Figure 0005565593
すなわち、任意の信号数nに対して、数式(41)の右辺にある列ベクトルを、過去の出力信号によって発生する成分を分離した第1分離信号として求める。これに数式(41)の右辺にある逆行列を左から作用させて現在の出力信号を求めることによって、明示的に現在の出力信号を用いることなく、信号の分離を行うことができる。ただし、n個の信号を含む混合信号を分離する場合、過去成分を分離するためのフィルタは、n(n−1)個必要になる。
つまり、1からnまでの自然数mについて、過去の第m信号以外の過去の第1乃至第n信号の推定値を求め、その推定値を、第m混合信号から除いて第m分離信号を生成し、第1乃至第n分離信号を用いて生成した信号を、第1信号として出力する。これにより、第1信号から第n信号までのn個の信号が混合された第1乃至第n混合信号を用いて、第1信号を抽出することができる。すなわち、本実施形態のように構成することにより、任意の数の信号が混合された混合信号からでも、所望の信号を高精度に分離することが可能となる。
(他の実施形態)
以上説明してきた第1乃至第5実施形態では、複数の混合信号をそのまま処理して信号を分離している。しかしながら、混合信号を複数のサブバンド混合信号に分割し、複数のサブバンド混合信号を処理して複数のサブバンド出力信号を求め、複数のサブバンド出力信号を合成して出力信号を求めてもよい。すなわち、混合信号をサブバンドに分割してサブバンド混合信号を生成した後、これまで説明してきた実施の形態を適用し、得られた複数のサブバンド出力信号を合成することで出力信号を求めてもよい。サブバンド処理を適用することで信号を間引くことができ、演算量を削減することができる。また、時間領域の畳み込み演算(フィルタリング)が単純な乗算で表現されるために、演算量の低減が可能となる。さらに、サブバンド内の信号スペクトルがフルバンド信号スペクトルよりも平坦になって白色信号に近づくために、分離の性能が向上する。
このようなサブバンド分割処理には帯域分割フィルタバンクやフーリエ変換、コサイン変換などの時間周波数変換を適用することができる。また、サブバンド合成には、帯域合成フィルタバンクや逆フーリエ変換、逆コサイン変換などの周波数時間変換を適用できる。さらに、時間周波数変換と周波数時間変換に際して、窓関数を作用させることでブロック境界の不連続性を低減してもよい。その結果、異音の防止や正確なサブバンド信号の計算が可能となる。
また、上記実施形態のそれぞれのみならず、これらの実施形態を自由に組み合わせたものも本発明の範疇に含まれる。また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、単体の装置に適用しても良い。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現するソフトウェアの信号処理プログラムが、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、或いはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWWサーバも、本発明の範疇に含まれる。
図9は、本発明の機能を実現するソフトウェアを示すフローチャートであり、コンピュータによってそのプロ−チャートが実行されることを示している。図9は、混合信号x1(k)、x2(k)を受けたコンピュータ1000が、これまで第1から第4の実施の形態などで説明した信号処理を適用し、出力信号y1(k)、y2(k)を求める構成となっている。すなわち、まず、第1信号と第2信号とが混合された第1混合信号及び第2混合信号を入力する(S1001)。次に、過去の第1信号の推定値を第1推定値として、過去の第2信号の推定値を第2推定値として求める(S1002)。次に、第1混合信号から、第2推定値を除いて、第1分離信号を生成する(S1003)。次に、第2混合信号から、第1推定値を除いて、第2分離信号を生成する(S1004)。さらに、第1分離信号と第2分離信号とを用いて、第1出力信号を生成する(S1005)。この第1出力信号が、所定の条件下において、元の第1信号に等しくなる。なお、図9において、入力の混合信号数は2となっているが、これはあくまで一例であり、任意の整数nとすることができる。
以上、実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することが出来る。
この出願は、2009年10月1日に出願された日本出願特願2009−229509を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1、2、601、602、603、 入力端子(マイク)
3、4、611、612、613 減算器
20、21、620 過去成分分離部
5、500 現在成分分離部
6、7、604、605、606 出力端子
8、708 係数適応部
9、11、1032〜103N1-1、1232〜123N2-1、403、423、681〜68
6 遅延素子
10、12、631〜636 フィルタ
51〜54、1021〜102N1-1、1221〜122N2-1、501〜504 乗算器
55、56、1012〜101N1-1、1212〜121N2-1 加算器
40、42、731〜736 適応フィルタ
1000 コンピュータ

Claims (18)

  1. 第1信号と第2信号とが混合された第1混合信号及び第2混合信号から、第1信号を抽出する際に、
    過去の前記第1信号の推定値を第1推定値として求め、
    過去の前記第2信号の推定値を第2推定値として求め、
    前記第1混合信号から前記第2推定値を除いて第1分離信号を生成し、
    前記第2混合信号から前記第1推定値を除いて第2分離信号を生成し、
    前記第1分離信号と前記第2分離信号とを用いて生成した信号を、前記第1信号として出力すること
    を特徴とする信号処理方法。
  2. 前記第1推定値は、前記第2混合信号に混合したと推定される、過去の第1信号の成分であり、
    前記第2推定値は、前記第1混合信号に混合したと推定される、過去の第2信号の成分である
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理方法。
  3. 現在の前記第2信号の推定値を、前記第2分離信号を用いて第3推定値として求め、前記第1分離信号から前記第3推定値を除いて前記信号を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の信号処理方法。
  4. 前記第3推定値は、前記第1混合信号に混合したと推定される現在の前記第2信号の成分であることを特徴とする請求項3に記載の信号処理方法。
  5. 前記第1及び第2混合信号は、サブバンド分割によって得られたサブバンド混合信号であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の信号処理方法。
  6. 前記第1推定値を求める際には、第1の係数群を過去の前記第1信号に畳み込み演算し、
    前記第2推定値を求める際には、第2の係数群を過去の前記第2信号に畳み込み演算し、
    前記第1の係数群を、過去の前記第2信号を用いて更新し、
    前記第2の係数群を、過去の前記第1信号を用いて更新する
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の信号処理方法。
  7. 前記第1推定値を求める際には、第1の係数群を過去の前記第1信号に畳み込み演算し、
    前記第2推定値を求める際には、第2の係数群を過去の前記第2信号に畳み込み演算し、
    前記第1及び第2の係数群を、過去の前記第1信号及び過去の前記第2信号の相関値を用いて更新する
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の信号処理方法。
  8. 第1信号から第n信号までのn個の信号が混合された第1乃至第n混合信号を用いて、第1信号を抽出する際に、
    1からnまでの自然数mのそれぞれについて、過去の第m信号以外の過去の第1乃至第n信号の推定値を求め、その推定値を、第m混合信号から除いて、第m分離信号を生成し、
    前記第1乃至第n分離信号を用いて信号を生成し、前記第1信号として出力する
    ことを特徴とする信号処理方法。
  9. 前記推定値は、前記第m混合信号に混合したと推定される、過去の第m信号以外の第1乃至第n信号の成分であることを特徴とする請求項8に記載の信号処理方法。
  10. 前記第1乃至第n分離信号を用いて、現在の前記第2乃至第n信号の推定値を求め、前記第1分離信号から現在の前記第2乃至第n信号の推定値を除いて前記第1信号を生成することを特徴とする請求項8または9に記載の信号処理方法。
  11. 現在の前記第2乃至第n信号の推定値は、前記第1混合信号に混合したと推定される現在の前記第2信号乃至第n信号の成分であることを特徴とする請求項8乃至10の何れか1項に記載の信号処理方法。
  12. 前記第1乃至第n混合信号は、サブバンド分割によって得られたサブバンド混合信号であることを特徴とする請求項8乃至11の何れか1項に記載の信号処理方法。
  13. 前記推定値を求める際には、過去の第m信号以外の前記第1乃至第n信号に複数の係数を畳み込み演算し、
    前記複数の係数を、過去の前記第1信号を用いて更新することを特徴とする請求項8乃至12の何れか1項に記載の信号処理方法。
  14. 前記推定値を求める際には、過去の第m信号以外の前記第1乃至第n信号に複数の係数を畳み込み演算し、
    前記複数の係数を、過去の前記第1乃至第n信号の相関値を用いて更新する
    ことを特徴とする請求項8乃至12の何れか1項に記載の信号処理方法。
  15. 第1信号と第2信号とが混合されて生成された第1混合信号に対し、過去の前記第2信号の推定値を第2推定値として生成する第1フィルタと、
    前記第1混合信号から前記第2推定値を除いて第1分離信号を生成する第1減算部と、
    第1信号と第2信号とが混合されて生成された第2混合信号に対し、過去の前記第1信号の推定値を第1推定値として生成する第2フィルタと、
    前記第2混合信号から前記第1推定値を除いて第2分離信号を生成する第2減算部と、
    前記第1分離信号と前記第2分離信号とを用いて生成した信号を、前記第1信号として出力する出力部と、
    を備えたことを特徴とする信号処理装置。
  16. 第1信号から第n信号までのn個の信号が混合されて生成された第1乃至第n混合信号に対し、1からnまでの自然数mのそれぞれについて、過去の第m信号以外の過去の第1乃至第n信号の推定値を生成するフィルタと、
    前記第1乃至第n混合信号から前記推定値を除いて第1乃至第n分離信号を生成する減算部と、
    前記第1乃至前記第n分離信号を用いて生成した信号を、前記第1信号として出力する出力部と、
    を備えたことを特徴とする信号処理装置。
  17. コンピュータに、
    第1信号と第2信号とが混合された第1混合信号及び第2混合信号から、第1信号を抽出するために、
    過去の前記第1信号の推定値を第1推定値として求める処理と、
    過去の前記第2信号の推定値を第2推定値として求める処理と、
    前記第1混合信号から前記第2推定値を除いて第1分離信号を生成する処理と、
    前記第2混合信号から前記第1推定値を除いて第2分離信号を生成する処理と、
    前記第1分離信号と前記第2分離信号とを用いて生成した信号を、前記第1信号として出力する処理と、
    を実行させることを特徴とする信号処理プログラム。
  18. コンピュータに、
    第1信号から第n信号までのn個の信号が混合された第1乃至第n混合信号を用いて、第1信号を抽出するために、
    1からnまでの自然数mのそれぞれについて、過去の第m信号以外の過去の第1乃至第n信号の推定値を求め、その推定値の和を前記第m混合信号から除いて、第m分離信号を生成する処理と、
    前記第1乃至第n分離信号を用いて信号を生成し、前記第1信号として出力する処理と、
    を実行させることを特徴とする信号処理プログラム。
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