JP2008124224A - 被膜の形成方法 - Google Patents

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JP2008124224A JP2006305984A JP2006305984A JP2008124224A JP 2008124224 A JP2008124224 A JP 2008124224A JP 2006305984 A JP2006305984 A JP 2006305984A JP 2006305984 A JP2006305984 A JP 2006305984A JP 2008124224 A JP2008124224 A JP 2008124224A
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Hiroyuki Iida
啓之 飯田
Hideya Kobari
英也 小針
Masao Okamura
正朗 岡村
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Abstract

【課題】誘電率を低くするとともに、機械強度および電気特性を向上することができるシリカ系被膜等の被膜の形成方法を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明に係る被膜の形成方法は、被膜形成用組成物を基材に塗布する塗布工程と、上記基材に塗布した被膜形成用組成物を300℃以下で乾燥する乾燥工程と、乾燥した被膜形成用組成物に対して、350℃以上で加熱しながら、紫外線を照射する照射工程とを包含している。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、半導体素子における層間絶縁膜として用いることができる例えばシリカ系被膜等の被膜の形成方法に関する。
従来、LSIなどの半導体素子において、平坦化膜および層間絶縁膜としてシリカ系被膜が多用されている。このようなシリカ系被膜は、通常、CVD法、スピンコート法等により形成されており、特に、スピンコート法を用いてシリカ系被膜を形成する方法が、その簡便さから多用されている。
上記LSIなどの半導体素子の高集積化に対する要求は、益々高まっているが、高集積化による配線の微細化に伴い、配線容量が増大し、信号遅延時間が増大するという問題が生じている。このような問題を解決するために、誘電率のより低いシリカ系被膜を形成することができる被膜の形成方法が求められている。
誘電率の低いシリカ系被膜を形成するために、特許文献1には、ポーラス形成用熱分解揮発有機ポリマー重合物を添加し、形成されるシリカ系被膜を多孔質にすることが記載されている。
しかし、シリカ系被膜内に空孔を導入し、多孔質化すると、膜全体の機械的強度が大幅に低下する。このため、成膜したシリカ系被膜が、該シリカ系被膜の平坦化を目的としたCMP(Chemical Mechanical Polishing)工程において破壊されてしまうという問題が生じる。
特許文献2には、骨格構造のしっかりした被膜形成用組成物から形成されたシリカ系被膜に対して紫外線を照射することにより空孔を形成、または空孔の大きさを拡大し、誘電率を低下させるとともに、機械的強度を向上させるシリカ系被膜の形成方法が開示されている。
特開2002−201415号公報(平成14年7月19日公開) 特開2004−356058号公報(平成16年12月16日公開)
経済産業省が提唱する半導体ロードマップでは、線幅が60nmである半導体素子において、誘電率が2.5以下の層間絶縁膜が要望されている。しかし、特許文献2に記載の方法を用いても、得られるシリカ系被膜の誘電率は2.4〜2.6程度であり、今後さらなる低誘電率化が求められる層間絶縁膜においては、誘電率がより一層低いシリカ系被膜が必要である。また、半導体素子の層間絶縁膜として用いられるシリカ系被膜は、電気特性が良いことも求められている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、誘電率を低くするとともに、機械的強度および電気特性を向上することができる例えばシリカ系被膜を形成し得る被膜の形成方法を提供することを目的としている。
従来、シリカ系被膜における空孔の大きさを小さくする、または空孔率を低くすることにより機械的強度を向上させると、所望の値にまで誘電率を低くすることができなかった。また、上述したように、誘電率を低くするために空孔の大きさを大きくする、または空孔率を高くすると、シリカ系被膜の機械的強度が著しく低下してしまう。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、被膜形成用組成物を加熱硬化させることなく乾燥させ、乾燥させた被膜形成用組成物に対して加熱しながら紫外線を照射することによって、誘電率をより一層低下させるとともに、機械的強度を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。また、上記の方法によって形成されたシリカ系被膜は、電気特性を向上させることもできる。
本発明は、被膜形成用組成物を基材に塗布する塗布工程と、上記基材に塗布した被膜形成用組成物を300℃以下で乾燥する乾燥工程と、乾燥した被膜形成用組成物に対して、350℃以上で加熱しながら、紫外線を照射する照射工程とを包含することを特徴とする被膜の形成方法である。
また、上記被膜形成用組成物は、一般式(1)で表されるアルコキシシラン化合物を含むシラン化合物を加水分解し、縮合反応して得られるシロキサンポリマーを含有する被膜形成用組成物であって、上記シラン化合物中における一般式(1)で表されるアルコキシシラン化合物のモル分率が、0.5以上であることが好ましい。
Si(OR4−n ・・・(1)
(式中、Rは炭素数1〜20の有機基を示し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは1または2を示す)
また、上記乾燥工程が、互いに異なる温度で行う少なくとも2段階の乾燥工程からなることが好ましい。
例えば、シロキサンポリマーを含有する被膜形成用組成物の乾燥温度を300℃以下とすることによって、被膜形成用組成物の加水分解を抑制しながら乾燥させることができる。また、乾燥した被膜形成用組成物を350℃以上で加熱しながら、紫外線を照射することによって、シロキサンポリマーのSi−O−Siの骨格構造をより強固にするとともに、シロキサンポリマー中のR−Si結合を切断し、多孔質のシリカ系被膜とすることができる。
上記の方法によって例えばシリカ系被膜を形成することにより、誘電率を低くするとともに、機械的強度および電気特性を向上することができるという効果を奏する。
〔実施形態1〕
本発明に係る被膜の形成方法において用いる被膜形成用組成物の一実施形態について以下に説明する。本実施の形態に係る被膜形成用組成物は、アルコキシシラン化合物を含むシラン化合物を加水分解し、縮合反応して得られるシロキサンポリマーを含有する被膜形成用組成物である。
本実施の形態では、まず、シロキサンポリマーおよびシロキサンポリマーを得るために用いられるシラン化合物について説明し、次に、シロキサンポリマーを得るための加水分解および縮合反応について説明し、その後、被膜形成用組成物に含まれるシロキサンポリマー以外の成分について説明する。そして最後に、シリカ系被膜の形成方法について説明する。
(シロキサンポリマー)
本明細書中において、被膜形成用組成物に含有される「シロキサンポリマー」は、SiO単位を主骨格とするポリマーであり、本実施の形態では、上述したようにシラン化合物を加水分解し、縮合反応することによって得られる。
シロキサンポリマーの質量平均分子量(Mw)(ゲルパーエミュレーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算基準)は、特に限定されていないが、1,000〜10,000の範囲であることが好ましく、1,000〜5,000の範囲であることがより好ましい。
また、被膜形成用組成物中におけるシロキサンポリマーの濃度は、0.1〜20重量%の範囲であることが好ましく、0.5〜10重量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲内であれば、例えば、半導体素子における層間絶縁膜として好適に用いることができる膜厚のシリカ系被膜を容易に形成することができ、また、被膜形成用組成物を容易に製造することができる。
(テトラアルコキシシラン)
シロキサンポリマーを得るために用いられるシラン化合物の一種であるテトラアルコキシシランについて、以下に説明する。なお、本明細書におけるテトラアルコキシシランはアルコキシシラン化合物と別に分類されるものとする。
本実施の形態におけるテトラアルコキシシランは、より好ましくは一般式(2)で表される構造を有している。
Si(OR ・・・(2)
(式中、Rは独立して炭素数1〜4のアルキル基を示す)
上記一般式(2)においてRにて示されるアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基であれば直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基などが挙げられる。
このような上記一般式(2)で表されるテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−イソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、およびテトラ−tert−ブトキシシランなどが挙げられる。これらの中でも、加水分解、および縮合反応時の制御のし易さから、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−イソプロポキシシラン、およびテトラ−n−ブトキシシランであることがより好ましく、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランであることがさらに好ましい。
(アルコキシシラン化合物)
シロキサンポリマーを得るために用いられるシラン化合物の一種であるアルコキシシラン化合物について、以下に説明する。
本発明におけるアルコキシシラン化合物は、一般式(1)で表される構造を有するものとする。
Si(OR4−n ・・・(1)
(式中、Rは独立して炭素数1〜20の有機基を示し、Rは独立して炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは1または2を示す)
本実施の形態において、アルコキシシラン化合物は、トリアルコキシシラン化合物およびジアルコキシシラン化合物の混合物であってもよいし、また何方か一方のみであってもよいが、トリアルコキシシラン化合物からなることがより好ましい。トリアルコキシシラン化合物およびジアルコキシシラン化合物については、以下に詳述する。
(トリアルコキシシラン化合物)
トリアルコキシシラン化合物について、以下に説明する。
トリアルコキシシラン化合物は、上記一般式(1)のnが1であり、下記一般式(3)で表される構造を有している。
Si(OR ・・・(3)
(式中、Rは炭素数1〜20の有機基を示し、Rは独立して炭素数1〜4のアルキル基を示す)
上記一般式(3)においてRにて示される炭素数1〜20の有機基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基などのアルケニル基、フェニル基、トリル基などのアリール基、およびベンジル基、フェニルエチル基などのアラルキル基などを挙げることができる。また、上記有機基は、グリシジル基、グリシジルオキシ基などのエポキシ含有基、およびアミノ基、アルキルアミノ基などのアミノ含有基などの置換基を有していてもよい。これらの中でも上記Rは、炭素数1〜6の有機基であることがより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることがさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基およびフェニル基などであることがより好ましい。
また、Rにて示されるアルキル基は、上述したテトラアルキルアルコキシランのRと同様に、炭素数1〜4のアルキル基であれば直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基などが挙げられる。これらの中でも、加水分解、および縮合反応時の制御のし易さから、メチル基、エチル基、イソプロピル基、およびn−ブチル基であることが好ましい。
このような上記一般式(3)で表されるトリアルコキシシラン化合物としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−イソプロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、メチルトリ−tert−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−イソプロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリ−sec−ブトキシシラン、エチルトリ−tert−ブトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、ビニルトリ−イソプロポキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリ−sec−ブトキシシラン、ビニルトリ−tert−ブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−イソプロポキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−sec−ブトキシシラン、n−プロピルトリ−tert−ブトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリ−n−プロポキシシラン、イソプロピルトリ−イソプロポキシシラン、イソプロピルトリ−n−ブトキシシラン、イソプロピルトリ−sec−ブトキシシラン、イソプロピルトリ−tert−ブトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、n−ブチルトリ−イソプロポキシシラン、n−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、n−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、sec−ブチルトリメトキシシラン、sec−ブチル−イソトリエトキシシラン、sec−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、sec−ブチルトリ−イソプロポキシシラン、sec−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、sec−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、sec−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、tert−ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリエトキシシラン、tert−ブチルトリ−n−プロポキシシラン、tert−ブチルトリ−イソプロポキシシラン、tert−ブチルトリ−n−ブトキシシラン、tert−ブチルトリ−sec−ブトキシシラン、tert−ブチルトリ−tert−ブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−イソプロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−sec−ブトキシシラン、フェニルトリ−tert−ブトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、ジビニルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、およびγ−トリフルオロプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
これらの中でも、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−イソプロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−イソプロポキシシラン、エチルトリ−n−ブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−イソプロポキシシラン、n−プロピルトリ−n−ブトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリ−イソプロポキシシラン、イソプロピルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランであることが好ましい。
(ジアルコキシシラン化合物)
ジアルコキシシラン化合物について、以下に説明する。
ジアルコキシシラン化合物は、上記一般式(1)のnが2であり、一般式(4)で表される構造を有している。
Si(OR ・・・(4)
(式中、Rは独立して炭素数1〜20の有機基を示し、Rは独立して炭素数1〜4のアルキル基を示す)
上記一般式(4)においてRにて示される炭素数1〜20の有機基としては、トリアルコキシシラン化合物のRと同様である。
また、Rにて示されるアルキル基は、上述したテトラアルキルアルコキシランのR、およびトリアルコキシシラン化合物のRと同様に、炭素数1〜4のアルキル基であれば直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基などが挙げられる。これらの中でも、加水分解、および縮合反応時の制御のし易さから、メチル基、エチル基、イソプロピル基、およびn−ブチル基であることが好ましい。
このような上記一般式(4)で表されるジアルコキシシラン化合物としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジメチル−ジ−イソプロポキシシラン、ジメチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジメチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジメチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジエチル−ジ−イソプロポキシシラン、ジエチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジエチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジエチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−イソプロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−イソプロピルジメトキシシラン、ジ−イソプロピルジエトキシシラン、ジ−イソプロピル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−イソプロピル−ジ−イソプロポキシシラン、ジ−イソプロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−イソプロピル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−イソプロピル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−イソプロポキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−n−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチルジメトキシシラン、ジ−sec−ブチルジエトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−イソプロポキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−sec−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−n−プロポキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−イソプロポキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−sec−ブトキシシラン、ジ−tert−ブチル−ジ−tert−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−エトキシシラン、ジフェニル−ジ−n−プロポキシシラン、ジフェニル−ジ−イソプロポキシシラン、ジフェニル−ジ−n−ブトキシシラン、ジフェニル−ジ−sec−ブトキシシラン、およびジフェニル−ジ−tert−ブトキシシランなどが挙げられる。
これらの中でも、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−イソプロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジ−イソプロポキシシラン、ジエチルジ−n−ブトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−イソプロポキシシラン、ジ−n−プロピル−ジ−n−ブトキシシラン、ジ−イソプロピルジメトキシシラン、ジ−イソプロピルジエトキシシラン、ジ−イソプロピル−ジ−イソプロポキシシラン、およびジ−イソプロピル−ジ−n−ブトキシシランであることがより好ましい。
(シラン化合物におけるアルコキシシラン化合物のモル分率)
ここで、シロキサンポリマーを得るために用いられるシラン化合物におけるアルコキシシラン化合物の使用量について説明する。
上記シラン化合物におけるアルコキシシラン化合物のモル分率は、0.5以上であることが好ましく、0.5〜0.9の範囲であることがより好ましく、0.6〜0.9の範囲であることがさらに好ましい。特に上記モル分率が0.5〜0.9の範囲であれば、得られるシリカ系被膜の誘電率をより低くするとともに、機械的強度および電気特性をより向上させることができる。
また、アルコキシシラン化合物が、トリアルコキシシラン化合物およびジアルコキシシラン化合物の混合物の場合には、アルコキシシラン化合物のモル分率の和が0.5以上、より好ましくは0.5〜0.9の範囲であれば、トリアルコキシシラン化合物とジアルコキシシラン化合物との配分は特に限定されるものではない。
さらに、上記アルコキシシラン化合物は、トリアルコキシシランのみからなることが電気特性の上で特に好ましい。
また、アルコキシシラン化合物の使用量は、シロキサンポリマーを構成する全てのシリコンに対するSiと有機基との結合のモル分率が、0.5以上であることが好ましく、0.5〜0.9の範囲であることがより好ましい。これにより、本発明の被膜形成用組成物から形成されるシリカ系被膜に対して、特に紫外線を照射した場合において、誘電率を低くするとともに、機械的強度および電気特性を向上したシリカ系被膜を形成することができる。
(シロキサンポリマーを得るための加水分解および縮合反応)
次に、シロキサンポリマーを得るための加水分解および縮合反応について説明する。上記加水分解および縮合反応は、上述したようなシラン化合物を有機溶媒に溶解した溶液に、水および触媒を混合することによって行われる。水の添加量は、シラン化合物における加水分解基1モル当たり、1.5〜4.0モルの範囲であることが好ましい。上記加水分解および縮合反応に用いることができる有機溶媒については、後で詳述するため、触媒についてのみ以下に説明する。
(加水分解および縮合反応に用いられる触媒の種類および量)
加水分解および縮合反応に用いられる触媒としては、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基を挙げることができる。
有機酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、ミキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、および酒石酸などを挙げることができる。
無機酸としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、およびリン酸などを挙げることができる。
また、有機塩基としては、例えば、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、N−メチルメタノールアミン、N−エチルメタノールアミン、N−プロピルメタノールアミン、N−ブチルメタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−メチルプロパノールアミン、N−エチルプロパノールアミン、N−プロピルプロパノールアミン、N−ブチルプロパノールアミン、N−メチルブタノールアミン、N−エチルブタノールアミン、N−プロピルブタノールアミン、N−ブチルブタノールアミン、N,N−ジメチルメタノールアミン、N,N−ジエチルメタノールアミン、N,N−ジプロピルメタノールアミン、N,N−ジブチルメタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジプロピルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N,N−ジメチルプロパノールアミン、N,N−ジエチルプロパノールアミン、N,N−ジプロピルプロパノールアミン、N,N−ジブチルプロパノールアミン、N,N−ジメチルブタノールアミン、N,N−ジエチルブタノールアミン、N,N−ジプロピルブタノールアミン、N,N−ジブチルブタノールアミン、N−メチルジメタノールアミン、N−エチルジメタノールアミン、N−プロピルジメタノールアミン、N−ブチルジメタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−エチルジプロパノールアミン、N−プロピルジプロパノールアミン、N−ブチルジプロパノールアミン、N−メチルジブタノールアミン、N−エチルジブタノールアミン、N−プロピルジブタノールアミン、N−ブチルジブタノールアミン、N−(アミノメチル)メタノールアミン、N−(アミノメチル)エタノールアミン、N−(アミノメチル)プロパノールアミン、N−(アミノメチル)ブタノールアミン、N−(アミノエチル)メタノールアミン、N−(アミノエチル)エタノールアミン、N−(アミノエチル)プロパノールアミン、N−(アミノエチル)ブタノールアミン、N−(アミノプロピル)メタノールアミン、N−(アミノプロピル)エタノールアミン、N−(アミノプロピル)プロパノールアミン、N−(アミノプロピル)ブタノールアミン、N−(アミノブチル)メタノールアミン、N−(アミノブチル)エタノールアミン、N−(アミノブチル)プロパノールアミン、N−(アミノブチル)ブタノールアミン、メトキシメチルアミン、メトキシエチルアミン、メトキシプロピルアミン、メトキシブチルアミン、エトキシメチルアミン、エトキシエチルアミン、エトキシプロピルアミン、エトキシブチルアミン、プロポキシメチルアミン、プロポキシエチルアミン、プロポキシプロピルアミン、プロポキシブチルアミン、ブトキシメチルアミン、ブトキシエチルアミン、ブトキシプロピルアミン、ブトキシブチルアミン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラメチルエチレンジアミン、テトラエチルエチレンジアミン、テトラプロピルエチレンジアミン、テトラブチルエチレンジアミン、メチルアミノメチルアミン、メチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミン、メチルアミノブチルアミン、エチルアミノメチルアミン、エチルアミノエチルアミン、エチルアミノプロピルアミン、エチルアミノブチルアミン、プロピルアミノメチルアミン、プロピルアミノエチルアミン、プロピルアミノプロピルアミン、プロピルアミノブチルアミン、ブチルアミノメチルアミン、ブチルアミノエチルアミン、ブチルアミノプロピルアミン、ブチルアミノブチルアミン、ピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、モルホリン、メチルモルホリン、ジアザビシクロオクラン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセンなどを挙げることができる。
無機塩基としては、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウムなどを挙げることができる。
これらの中でも、触媒として酸触媒を用いることが好ましい。好ましい有機酸としては、ギ酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、氷酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、およびn−酪酸などのカルボン酸、ならびに硫黄含有酸残基をもつ有機酸が挙げられる。上記硫黄含有酸残基をもつ有機酸としては、有機スルホン酸が挙げられ、それらのエステル化物としては有機硫酸エステル、有機亜硫酸エステルなどが挙げられる。これらの中で、特に有機スルホン酸、例えば、下記一般式(5)で表わされる化合物が好ましい。
−SOH ・・・(5)
(式中、Rは、置換基を有していてもよい炭化水素基である)
上記一般式(5)において、Rとしての炭化水素基は、炭素数1〜20の炭化水素基が好ましく、この炭化水素基は飽和のものでも、不飽和のものでもよいし、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
の炭化水素基が環状の場合、例えばフェニル基、ナフチル基、およびアントリル基などの芳香族炭化水素基であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。この芳香族炭化水素基における芳香環には置換基として炭素数1〜20の炭化水素基が1個又は複数個結合していてもよい。該芳香環上の置換基としての炭化水素基は飽和のものでも、不飽和のものでもよいし、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
また、Rとしての炭化水素基は1個または複数個の置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えばフッ素原子などのハロゲン原子、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、およびシアノ基などが挙げられる。
上記一般式(5)で表わされる有機スルホン酸としては、シリカ系被膜上に形成されるレジストパターン下部の形状改善効果の点から、特にノナフルオロブタンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、もしくはドデシルベンゼンスルホン酸またはこれらの混合物などが好ましい。
上記触媒の量は、例えば、加水分解反応の反応系中の濃度が1〜1,000ppm、特に5〜800ppmの範囲になるように調整すればよい。
(被膜形成用組成物に含まれるシロキサンポリマー以外の成分)
次に、被膜形成用組成物に含まれるシロキサンポリマー以外の成分について、以下に説明する。本実施の形態に係る被膜形成用組成物は、シロキサンポリマー以外に、空孔形成剤およびアルカリ金属含有化合物を含んでいることが好ましい。
アルカリ金属含有化合物を含む場合には、上記被膜形成用組成物から形成されるシリカ系被膜の誘電率を低下させることができるとともに、電気特性を向上することができる。また、上記被膜形成用組成物の保存安定性を向上させること、および、脱ガスを抑制することができる。また、空孔形成剤を含む場合には、上記被膜形成用組成物を加熱することにより、該被膜形成用組成物から形成されたシリカ系被膜に空孔を形成することができる。
被膜形成用組成物に用いることができるアルカリ金属含有化合物および空孔形成剤について、さらに以下に説明する。
(アルカリ金属含有化合物の種類および量)
アルカリ金属含有化合物におけるアルカリ金属としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウムなどを挙げることができる。これらの中でも、特にルビジウム、セシウムが誘電率をより低くする上で好ましい。
これらのアルカリ金属含有化合物としては、例えば、上記アルカリ金属の有機酸塩、無機酸塩、アルコキシド、酸化物、窒化物、ハロゲン化物(例えば、塩化物、臭化物、フッ化物、ヨウ化物)、および水酸化物などが挙げられる。
上記有機酸としては、例えば、ギ酸、シュウ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチル酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、シクロヘキサン酸、シクロヘキサプロピオン酸、シクロヘキサン酢酸、ノナン酸、リンゴ酸、グルタミン酸、ロイシン酸、ヒドロキシピバリン酸、ピバリン酸、グルタル酸、アジピン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ピメリン酸、コルク酸、エチルブチル酸、安息香酸、フェニル酢酸、フェニルプロピオン酸、ヒドロキシ安息香酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラギン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、およびリシノール酸などが挙げられる。
上記無機酸としては、硝酸、硫酸、塩酸、炭酸、およびリン酸などが挙げられる。
また、アルコキシドとしては、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、およびブトキシドなどが挙げられる。
これらのアルカリ金属含有化合物としては、アルカリ金属の無機酸塩、ハロゲン化物が好ましく、硝酸塩であることがより好ましい。アルカリ金属含有化合物としては、特に、硝酸ルビジウムが好ましい。
これらのアルカリ金属含有化合物は、被膜形成用組成物における固形分(SiO換算質量)に対して、1〜1,000,000ppmの範囲で含まれることが好ましく、10〜100,000ppmの範囲で含まれることがより好ましく、100〜10,000ppmの範囲で含まれることがさらに好ましい。上記範囲とすることによって、本発明の効果がより一層向上する。
(空孔形成剤の種類および量)
空孔形成剤として用いることができる化合物としては、例えば、ポリアルキレングリコール、およびその少なくとも1つの末端がアルキル化された化合物、6単糖類誘導体1個ないし22個からなる単糖類、二糖類、多糖類またはその誘導体、ならびに自らが分解してガスを発生する過酸化ベンゾイルなどの有機過酸化物などが挙げられる。上記空孔形成剤は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
このような空孔形成剤は、ポリアルキレングリコール、およびその少なくとも1つの末端がアルキル化された化合物であることが好ましい。
ポリアルキレングリコールにおけるアルキレン基の炭素数は、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。具体的には、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコールなどの低級アルキレングリコールが挙げられる。
ポリアルキレングリコールの少なくとも1つの末端がアルキル化された化合物とは、すくなくとも1つの上記末端の水酸基がアルキル基によってアルコキシ化されたものである。上記末端のアルコキシ化に用いられるアルキル基は直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であってよく、その炭素数は、1〜5であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、およびプロピル基などの直鎖状のアルキル基が好ましい。
ポリアルキレングリコールおよびその少なくとも1つの末端がアルキル化された化合物の質量平均分子量(Mw)は、100〜10,000の範囲であることが好ましく、200〜5,000の範囲であることがより好ましく、400〜4,000の範囲であることがさらに好ましい。上記範囲の上限値以下とすることにより、組成物における相溶性を損なうことなく良好な塗布性が得られ、シリカ系被膜の膜厚均一性が良くなる。上記範囲の下限値以上とすることにより、シリカ系被膜をより多孔質にすることができ、低誘電率化が可能となる。
空孔形成剤の使用量は、被膜形成用組成物における固形分(SiO換算質量)に対して、25〜200重量%の範囲であることが好ましく、30〜100重量%の範囲であることがより好ましい。上記範囲とすることによって、シリカ系被膜の誘電率を低下させることができる。
(有機溶媒の種類および量)
また、本実施の形態に係る被膜形成用組成物は、さらに、水または有機溶媒を含有していてもよい。上記有機溶媒は、上述したシラン化合物を溶解するために用いる有機溶媒と共通のものを用いることができる。具体的には、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、およびメチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、イソプロピルベンセン、ジエチルベンゼン、イソブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−イソプロピルベンセン、n−アミルナフタレン、およびトリメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、およびクレゾールなどのモノアルコール系溶媒;エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタン−2,4−ジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、ヘキサン−2,5−ジオール、ヘプタン−2,4−ジオール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、およびグリセリンなどの多価アルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−イソブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−イソブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、およびフェンチョンなどのケトン系溶媒;エチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、および2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、およびフタル酸ジエチルなどのエステル系溶媒;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、およびN−メチルピロリドンなどの含窒素系溶媒;硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、および1,3−プロパンスルトンなどの含硫黄系溶媒等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、また2種以上を混合して用いてもよい。
有機溶媒の使用量は、特に限定されるものではないが、被膜形成用組成物におけるシロキサンポリマーの濃度が、0.1〜20重量%程度となるように調整することが好ましく、0.5〜10重量%程度に調整することがより好ましい。上記の濃度範囲にすることにより、塗膜の膜厚を適当な範囲にすることができ、保存安定性もより一層向上させることができる。
また、有機溶媒としては、アルカリ金属化合物を溶解する有機溶媒が含まれることが好ましく、特に親水性の有機溶媒または水が好ましい。親水性の有機溶媒としては、例えばアセトン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどの低級アルコールが挙げられる。これら、親水性の有機溶媒は、用いられる全有機溶媒中1〜100重量%程度であることが好ましく、5〜30重量%程度であることがより好ましい。
(付記事項)
さらに、上記の被膜形成用組成物は、塗布性の向上やストリエーション防止のための界面活性剤を添加してもよい。この界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、さらには、シリコン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤などを挙げることができる。
(シリカ系被膜を形成するための工程)
最後に、シリカ系被膜等の被膜を形成する方法について、以下に説明する。
被膜形成用組成物からシリカ系被膜等の被膜を形成する方法は、以下の3つの工程を包含していることが好ましい;(1)塗布工程;(2)乾燥工程;(3)照射工程。各工程について、以下に詳述する。
なお、塗布工程に先立って、被膜形成用組成物を調製し、作製する調製工程および作製工程が含まれる。調製工程とは、アルコキシシラン化合物を含むシラン化合物中におけるアルコキシシラン化合物のモル分率を、0.5以上、より好ましくは0.5〜0.9の範囲に調整する工程であり、作製工程とは、上記シラン化合物を溶液中で加水分解し、縮合反応してシロキサンポリマーを得るとともに、上記シロキサンポリマーを含有する被膜形成用組成物を作製する工程である。
調製工程および作製工程は、従来公知の方法を用いることができ、また化合物等の説明は上述した通りである。
(塗布工程)
塗布工程について説明する。塗布工程とは、作製工程において作製された被膜形成用組成物を基材に塗布する工程である。
上記被膜形成用組成物を塗布することができる基材としては、半導体、ガラス、セラミック、および金属などを挙げることができる。
また、上記被膜形成用組成物の塗布方法としては、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、スピンコート、ディッピング、およびローラーブレードなどが挙げられる。例えば、上記被膜形成用組成物を半導体素子における層間絶縁膜として用いる場合には、成膜性および膜均一性の観点から、塗布方法にスピンコートを用いることが好ましい。具体的には、上記被膜形成用組成物を基板上に500〜5,000回転/分、好ましくは1,000〜3,000回転/分でスピン塗布する。
塗膜の厚さは、特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜設定すればよい。
(乾燥工程)
次に、乾燥工程について説明する。乾燥工程とは、基材に塗布した上記被膜形成用組成物を300℃以下で乾燥する工程である。
乾燥温度の上限値を300℃、好ましくは250℃とすることにより、上記被膜形成用組成物の加水分解を抑制しながら乾燥させることができる。また、乾燥温度の下限値は、特に限定されるものではないが、50℃が好ましく、80℃であることがより好ましい。これにより、沸点の低い有機溶媒を除去し、乾燥を促進することができる。
また、乾燥工程は、互いに異なる温度で行う少なくとも2段階の工程であることが好ましい。乾燥工程の段階の数は、特に限定されるものではないが、乾燥工程にかかる手間を考えると2段階、ないしは3段階程度であることが好ましい。
例えば、乾燥工程が2段階である場合、第1段階の温度は、50〜200℃程度であり、第2段階の温度は、100〜300℃程度であることが好ましい。
例えば、乾燥工程が3段階である場合、第1段階の温度は、50〜150℃程度であり、第2段階の温度は、100〜250℃程度であり、第3段階の温度は、150〜300℃程度であることが好ましい。
上記のように、乾燥工程を多段階で行うことにより、基板に塗布した被膜形成用組成物に対するストレスを低減し、クラック等の発生を抑制しつつ乾燥させることができる。
また、乾燥工程における乾燥時間は、特に限定されるものではないが、各温度において1〜5分程度であることが好ましい。
(照射工程)
次に照射工程について説明する。照射工程は、乾燥した被膜形成用組成物に対して、350℃以上の温度で加熱しながら、紫外線を照射する工程である。
ここで、本明細書において、加熱しつつ、紫外線を照射する処理のことをUVアニールと称する。すなわち、本発明における照射工程は、UVアニールである。
上記UVアニールにおける加熱温度は、350〜450℃の範囲が好ましく、350〜400℃の範囲がより好ましい。
また、UVアニールにおける紫外線源としては、例えばエキシマランプを用いればよい。紫外線波長は、120nm〜400nmの範囲であることが好ましく、120〜200nmの範囲であることがより好ましく、172nmであることが最も好ましい。
上記の温度、紫外線波長の範囲内にすることにより、シロキサンポリマー中のSiに結合している有機基が切り離され、シリカ系被膜中から排出され、シリカ系被膜を多孔質化することができ、誘電率を向上させると推察される。また、紫外線照射時の加熱により、切り離された有機基の排出を促進されると推察される。さらに、有機基が切り離された一部のSiは、Si−O−Si結合を形成することにより、骨格が強固となり機械強度が向上するものと推察される。また同時に、シリカ系被膜が緻密化され、吸湿性が改善され電気特性が向上すると推察される。
また、UVアニール時の乾燥した被膜形成用組成物がおかれる雰囲気の圧力は、0.2〜0.6Paの範囲であることが好ましい。UVアニールを行う時間は、30秒間〜7分間であることが好ましく、3〜5分間であることがより好ましく、3分間であることが最も好ましい。また、紫外線の照度は5〜50mW/cmの範囲であることが好ましい。UVアニール条件を上記の範囲内とすることによって、誘電率を低くするとともに、機械的強度および電気特性が向上されたシリカ系被膜を形成することができる。
〔実施形態2〕
実施形態1に係る被膜の形成方法を用いて形成されるシリカ系被膜について、実施形態2として以下に説明する。
なお、本実施の形態において、実施形態1と同一の用語は、同一の意味として用いられている。
本実施の形態に係るシリカ系被膜の具体的な用途は、特に限定されるものではないが、LSI、システムLCD、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAMなどの半導体素子用層間絶縁膜、半導体素子の表面コート膜などの保護膜、多層配線基板の層間絶縁膜、液晶表示素子用の保護膜や絶縁防止膜などを形成するのに好適に用いられる。
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲において種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例を示し、本発明の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な様態が可能である。
〔実施例1〕
(被膜形成用組成物の作製)
テトラメトキシシラン74.10g(0.5モル)と、メチルトリメトキシシラン66.30g(0.5モル)とをアセトン186.75gに溶解し、撹拌した。本実施例において、全てのシラン化合物に対するメチルトリメトキシシランのモル分率は、0.5である。次いで、水122.85gと、濃度60重量%の硝酸10.4μLとを混合した溶液をゆっくり撹拌しながら滴下した後、5時間撹拌することによって、シロキサンポリマー溶液を得た。
上記シロキサンポリマー溶液100gに重量平均分子量1,000のポリアルキレンオキサイド6.3gを添加した後、0.1重量%の硝酸ルビジウム水溶液3.90gをさらに添加した。さらに、アセトン79.7gおよびイソプロピルアルコール243.86gを加えて撹拌することによって、シロキサンポリマーの濃度を3重量%に調製した被膜形成用組成物を得た。
(シリカ系被膜の形成)
上記被膜形成用組成物を8インチシリコンウエハ上に、スピンコートにより塗布し、ホットプレートを用いてベーク処理を行った。ベーク処理における加熱処理は、80℃で1分間、次いで150℃で1分間、次いで250℃で1分間とした。この後、UVアニール装置(半導体プロセス研究所製)を用いて下記の条件でUVアニールを行い、膜厚が約230nmのシリカ系被膜を得た。
(UVアニール条件)
(i)紫外線源:重水素ランプ
紫外線波長:172nm
紫外線照度:22mW/cm
紫外線照射距離:100mm
(ii)基板加熱温度:350℃
(iii)処置圧力:0.2Pa
(iv)処理時間:3分または5分
〔実施例2〕
テトラメトキシシラン59.28g(0.4モル)と、メチルトリメトキシシラン79.56g(0.6モル)とをアセトン191.82gに溶解し、撹拌した。本実施例において、全てのシラン化合物に対するメチルトリメトキシシランのモル分率は、0.6である。次いで、水119.34gと、濃度60重量%の硝酸10.1μLとを混合した溶液をゆっくり撹拌しながら滴下し、5時間撹拌することによって、シロキサンポリマー溶液を得た。以下は、実施例1と同様の方法を用いてシリカ系被膜を得た。
〔比較例1〕
テトラメトキシシラン88.92g(0.6モル)と、メチルトリメトキシシラン53.04g(0.4モル)とをアセトン181.68gに溶解し、撹拌した。本実施例において、全てのシラン化合物に対するメチルトリメトキシシランのモル分率は0.4である。次いで、水126.36gと、濃度60重量%の硝酸10.7μLとを混合した溶液をゆっくり撹拌しながら滴下し、5時間撹拌することによって、シロキサンポリマー溶液を得た。以下は、実施例1と同様の方法を用いてシリカ系被膜を得た。
〔シリカ系被膜の評価方法〕
実施例1〜2および比較例1の各シリカ系被膜の評価は、それぞれの誘電率、リーク電流、および機械的強度を測定することによって行った。
リーク電流は、各シリカ系被膜の電気特性を評価するために測定した。また、機械的強度は、弾性率を測定することによって評価した。ここで、本明細書において、「弾性率」とは、ヤング率のことを指す。ヤング率とは、固体中の引っ張りまたは圧縮応力とその方向における歪みとの比である。誘電率、リーク電流、および弾性率の測定方法について、以下に説明する。
(誘電率およびリーク電流の測定方法)
誘電率およびリーク電流は、水銀プローブ式CV、IV測定装置(日本SSM製 SSM495)を用いて測定した。また、リーク電流は、1および2MV/cmにおける値を測定した。
(弾性率の測定方法)
弾性率(GPa)は、MST社製 Nano Indentor XP−SA2を用いて測定した。
〔比較例2〕
UVアニールする代わりに350℃にて30分間、焼成した以外は実施例1と同様にシリカ系被膜を形成し、シリカ系被膜の誘電率および弾性率を測定した。誘電率および弾性率の測定は、実施例1〜2および比較例1と同一の装置を用いて同一の方法で行った。
〔比較例3〕
UVアニールする代わりに350℃にて30分間、焼成した以外は実施例2と同様にシリカ系被膜を形成し、シリカ系被膜の誘電率および弾性率を測定した。誘電率および弾性率の測定は、実施例1〜2および比較例1と同一の装置を用いて同一の方法で行った。
〔評価結果〕
表1には、UVアニール時間が3、5分の場合の実施例1〜2および比較例1〜3の誘電率、リーク電流、および弾性率を示した。なお、比較例3、4についはUVアニールしたものではないが、その測定結果を便宜上UVアニール時間3分の欄に記載した。
Figure 2008124224
実施例1、2および比較例2、3より、UVアニールにより、誘電率を低下させ、弾性率を向上させられることが示された。さらに、アルコキシシラン化合物であるメチルトリメトキシシランのモル分率を0.6以上にすることにより、UVアニールによるリーク電流の低下の効果が顕著であることが示された。
また、実施例1、2および比較例1より、アルコキシシラン化合物であるメチルトリメトキシシランのモル分率を上げることにより、シリカ系被膜の誘電率を低下させ、かつリーク電流を小さくさせることができ、特に上記モル分率を0.5以上にすることにより、その効果がより向上することが示された。
また、上記結果から、UVアニール時間が3分間であるときの方が5分間であるときよりもシリカ系被膜の誘電率をより低くし、リーク電流をより小さくすることができることが示された。
〔UVアニールによる誘電率および弾性率の向上〕
実施例1、2および比較例2、3より、UVアニールにより、誘電率を低下させ、弾性率を向上させられることが示された。さらに、アルコキシシラン化合物であるメチルトリメトキシシランのモル分率を0.6以上にすることにより、UVアニールによるリーク電流の低下の効果が顕著であることが示された。
また、実施例1、2および比較例1より、アルコキシシラン化合物であるメチルトリメトキシシランのモル分率を上げることにより、シリカ系被膜の誘電率を低下させ、かつリーク電流を小さくさせることができ、特に上記モル分率を0.5以上にすることにより、その効果がより向上することが示された。
また、結果を図1に示した。図1は、比較例2に対する実施例1,および比較例3に対する実施例2の相対的な誘電率および弾性率を示したグラフであり、横軸は相対誘電率(%)を示し、縦軸は相対弾性率(%)を示している。すなわち、図1は、実施例1が比較例2よりも、また実施例2が比較例3よりも、誘電率および弾性率がどの程度向上しているかを百分率で示したものである。
図1に示したように、実施例1は比較例2に対して、誘電率を95〜97%程度に低下させつつ、弾性率を140〜160%程度に向上させていた。また、実施例2は比較例3に対して、誘電率を94〜96%程度に低下させつつ、弾性率を160〜180%程度に向上させていた。これにより、UVアニールによって、誘電率を低下させるとともに、弾性率を向上させることができることが示された。
本発明の被膜形成用組成物から形成されるシリカ系被膜は、絶縁膜および保護膜として好適に用いることができる。具体的には、LSI、システムLCD、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAMなどの半導体素子用層間絶縁膜、半導体素子の表面コート膜などの保護膜、多層配線基板の層間絶縁膜、液晶表示素子用の保護膜や絶縁防止膜などが挙げられる。
比較例3に対する実施例1、および比較例4に対する実施例2の、誘電率および弾性率の値の割合を示したグラフである。

Claims (5)

  1. 被膜形成用組成物を基材に塗布する塗布工程と、
    上記基材に塗布した被膜形成用組成物を300℃以下で乾燥する乾燥工程と、
    乾燥した被膜形成用組成物に対して、350℃以上で加熱しながら、紫外線を照射する照射工程と、
    を包含することを特徴とする被膜の形成方法。
  2. 前記被膜形成用組成物は、
    一般式(1)
    Si(OR4−n ・・・(1)
    (式中、Rは炭素数1〜20の有機基を示し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは1または2を示す)
    で表されるアルコキシシラン化合物を含むシラン化合物を加水分解し、縮合反応して得られるシロキサンポリマーを含有する被膜形成用組成物であって、
    上記シラン化合物中における一般式(1)で表されるアルコキシシラン化合物のモル分率が、0.5以上であることを特徴とする請求項1に記載の被膜の形成方法。
  3. 上記乾燥工程が、互いに異なる温度で行う少なくとも2段階の乾燥工程からなることを特徴とする請求項1または2に記載の被膜の形成方法。
  4. 上記照射工程における紫外線の照射時間が、30秒間〜7分間であることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の被膜の形成方法。
  5. 上記照射工程における紫外線の波長が、120〜400nmであることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の被膜の形成方法。
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