JP2008123697A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で効率の良い暖房を実現する燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システムは、エアコンプレッサ12からの供給空気を燃料電池10へ送るための給気配管18aを分岐して設けられた空調用配管56を備える。空調用配管56は、エアコンプレッサ12と暖房ユニット50とを接続する。エアコンプレッサ12からの供給空気は、空調用配管56を通じて暖房ユニット50へ送られ、暖房ユニット50から車室内へ送られる。
【選択図】図1
【解決手段】燃料電池システムは、エアコンプレッサ12からの供給空気を燃料電池10へ送るための給気配管18aを分岐して設けられた空調用配管56を備える。空調用配管56は、エアコンプレッサ12と暖房ユニット50とを接続する。エアコンプレッサ12からの供給空気は、空調用配管56を通じて暖房ユニット50へ送られ、暖房ユニット50から車室内へ送られる。
【選択図】図1
Description
本発明は、空気調節に用いられる燃料電池システムに関し、特に、暖房に用いられる燃料電池システムに関する。
駆動源として固体高分子型燃料電池などの燃料電池を搭載する車両において、車室の暖房には、燃料電池を冷却する冷却水の熱を用いることが多い。図6に、従来技術において車室の暖房に利用される燃料電池システムの一例を示す。図6に示す燃料電池システムは、燃料電池10、エアコンプレッサ12、水素供給系14、加湿モジュール16、冷却水系26、及び暖房ユニット36を備える。
図6において、エアコンプレッサ12は、給気配管18a,18bを介して燃料電池10と接続され、燃料電池10の空気極に空気を供給する。エアコンプレッサ12からの供給空気は、給気配管18a、加湿モジュール16、及び給気配管18bを通って燃料電池10の空気極に供給される。燃料電池10の空気極からの排出空気は、排気配管20a、加湿モジュール16、及び排気配管20bを通って車外へ排出される。加湿モジュール16は、燃料電池10からの湿った排出空気を用いて燃料電池10への供給空気を加湿する。水素供給系14は、給気配管22を介して燃料電池10と接続され、燃料電池10の水素極に水素を供給する。燃料電池10の水素極から排出される気体は、排気配管24を通って水素供給系14に戻される。
図6において、冷却水系26は、燃料電池10を冷却する冷却水の循環路を備える。冷却水系26は、ラジエータ28、冷却水配管30a,30b,30c,30d,30e、切替バルブ32、及びウォータポンプ34を備える。冷却水は、ウォータポンプ34によって冷却水配管30aを通って燃料電池10へ送られる。燃料電池10を通り、冷却水配管30bに送り出された冷却水は、冷却水配管30dを通って冷却水配管30aに戻るか、又は、冷却水配管30c、ラジエータ28、及び冷却水配管30eを通って冷却水配管30aに戻る。切替バルブ32は、冷却水の温度が所定値以下のときは冷却水配管30dを通る冷却水を冷却水配管30aに送り、冷却水の温度が所定値を超えると、ラジエータ28で冷却された冷却水を循環路に送るため、冷却水配管30eを通る冷却水を冷却水配管30aへ送るように、冷却水の経路を切り替える。
燃料電池10において温められた冷却水の一部は、冷却水配管30bから分岐した冷却水配管38aを通り、暖房ユニット36の熱交換器40へ送られる。暖房ユニット36の熱交換器40から送り出される冷却水は、冷却水配管38bを通じて、冷却水配管30aを通る冷却水と合流する。
図6において、暖房ユニット36は、ファン44によって外気又は車室内の空気を取り込み、取り込んだ空気を熱交換器40によって温め、温められた空気を車室内へ送る。熱交換器40は、燃料電池10において温められた冷却水が通る配管38a,38bを備え、この冷却水の熱を利用して車室内に送る空気を温める。ダンパ42の開度を調節することで、熱交換器40によって温められた空気と混合される、暖房ユニット36内に取り込まれた外気又は車室内の空気の量を調節し、車室内へ送られる空気の温度を調節することができる。
内燃機関を駆動源とし、燃料電池を搭載しない車両においても図6の冷却水系26及び暖房ユニット36と同様に、内燃機関を冷却する冷却水の熱を用いて車室の暖房が行われることが多い。
一般に、燃料電池は内燃機関と比較して効率が良く廃熱が少ないため、図6に示すように燃料電池の冷却水を暖房の熱源として利用する場合、十分な暖房性能が得られないことがある。燃料電池の冷却水を暖房の熱源とするシステムにおいて暖房性能を補うために、特許文献1には、燃料電池の冷却水の熱量が不足する場合に、冷却水の熱に加えて、燃料電池の空気極への供給空気としてエアコンプレッサから吐出される高温の空気を燃料電池の空気極への供給空気の温度として適切な温度まで冷却するための熱交換器から放出される熱を用いて暖房用空気を暖める技術が開示されている。
また、特許文献2には、燃料電池の空気極からの排出空気を暖房用空気として車室内に送る技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、エアコンプレッサから吐出される空気を熱交換器に通す際に熱損失が生じるため、暖房における熱の利用が効率的でない。また、特許文献1に記載の技術では、エアコンプレッサから吐出されたときの空気温度と燃料電池の空気極への空気の供給温度との差分の熱量しか暖房に利用できない。
また、特許文献2に記載の技術では、燃料電池の空気極からの排出空気を暖房用空気として利用するが、燃料電池の空気極からの排気の温度は、通常約70度から約100度の範囲にあり、特に低温環境下では十分な暖房性能が得られないことがあると考えられる。
また、特許文献2に記載の技術において車室の暖房を行うためには、燃料電池が発電を行わない場合でも燃料電池に空気を供給する必要がある。燃料電池が発電を行わないときに燃料電池に空気を送ると、燃料電池が過度に乾燥し、燃料電池の再始動の妨げになったり、燃料電池の性能劣化を早めたりする可能性がある。
以下の手段は、上記課題の少なくとも1つを解決することに貢献する。
本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池と、前記燃料電池の空気極に空気を供給するエアコンプレッサと、を備える燃料電池システムであって、前記エアコンプレッサからの供給空気の少なくとも一部を被空調室内に導く空調用配管を備えることを特徴とする。
本発明に係る燃料電池システムにおいて、さらに、前記空調用配管へ送られる前記エアコンプレッサからの供給空気の量を調整する供給空気量調整手段であって、前記被空調室の暖房を行う場合に前記エアコンプレッサからの供給空気を前記空調用配管に送るように調整する供給空気量調整手段を備えることが好ましい。
本発明に係る燃料電池システムにおいて、さらに、前記燃料電池の空気極へ送られる前記エアコンプレッサからの供給空気の量を調整する供給空気量調整手段であって、前記燃料電池の発電停止中に前記エアコンプレッサからの供給空気を前記燃料電池の空気極に送らないように調整する供給空気量調整手段を備えることが好ましい。
本発明に係る燃料電池システムにおいて、さらに、前記燃料電池を冷却する冷却水の通る配管に設けられ、前記空調用配管を通る空気を温める熱交換器を備え、前記熱交換器は、前記空調用配管を通り、前記被空調室内に送られる空気について予め設定された温度を得るために必要である場合に作動することが好ましい。
また、本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池と、前記燃料電池の空気極に空気を供給するエアコンプレッサと、前記燃料電池を冷却する冷却水の通る配管に設けられ、被空調室内へ送られる暖房用空気を温める熱交換器と、を備える燃料電池システムであって、前記エアコンプレッサからの供給空気の少なくとも一部を前記被空調室内に導くことで、前記暖房用空気の温度調節において前記熱交換器を補完する空調用配管を備えることを特徴とする。
本発明に係る燃料電池システムにおいて、さらに、前記空調用配管へ送られる前記エアコンプレッサからの供給空気の量と、前記燃料電池の空気極へ送られる前記エアコンプレッサからの供給空気の量と、を調整する供給空気量調整手段を備え、前記供給空気量調整手段は、前記被空調室の暖房を行う場合に前記エアコンプレッサからの供給空気を前記空調用配管へ送り、前記燃料電池の発電停止中は前記エアコンプレッサからの供給空気を前記燃料電池の空気極に送らないように調整することが好ましい。
本発明によると、簡単な構成で効率の良い暖房を実現する燃料電池システムを提供できる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の燃料電池システムの構成を示す図である。図1に示す燃料電池システムは、例えば駆動源として燃料電池を利用する車両に搭載される。図1において、図6と同様の要素には同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図1に示す燃料電池システムは、燃料電池10、エアコンプレッサ12、水素供給系14、加湿モジュール16、冷却水系26、及び暖房ユニット50を備える。図1に示す燃料電池システムは、エアコンプレッサ12と加湿モジュール16とを接続する給気配管18aを分岐して設けられた空調用配管56を備える。空調用配管56は、エアコンプレッサ12と暖房ユニット50とを接続する。給気配管18aと空調用配管56との分岐点には、三方弁58が設けられる。空調用配管56には、温度調節バルブ60が設けられる。暖房ユニット50は、ファン52及びダンパ54を備える。
また、図1に示す燃料電池システムは、燃料電池システムの動作に関する各種の制御を行う制御部100を備える。制御部100は、例えば燃料電池10や暖房ユニット50、各種配管に設けられた図示しない温度センサや圧力センサなどのセンサの検出結果を取得し、その結果に基づいて燃料電池システムの各要素を制御する制御信号を生成し、各要素に対して送信する。例えば制御部100は、燃料電池10の停止、運転を指示したり、三方弁58及び温度調節バルブ60の開度や、ファン52の回転数、ダンパ54の開度などを制御したりする。制御部100は、マイクロコンピュータ又はECU(Electronic Control Unit)などの演算装置によって実現できる。図1では、一部の制御信号線を省略して図示している。
暖房ユニット50は、ファン52によって空調用配管56を通じてエアコンプレッサ12からの供給空気を取り込むことができる。また、暖房ユニット50は、ダンパ54を開くことで、外気又は車室内の空気を取り込むことができる。暖房ユニット50は、暖房ユニット50内に取り込んだ空気をファン52によって車室内へ放出することができる。ダンパ54の開度を制御することで、暖房ユニット50内部に取り込む外気又は車室内の空気の量を制御できる。
三方弁58は、燃料電池10及び暖房ユニット50へ送られるエアコンプレッサ12からの供給空気の量を調整する。空調用配管56に設けられる温度調節バルブ60の開度を制御することで、空調用配管56を通って暖房ユニット50へ送られる空気の温度を制御することができる。例えば、温度調節バルブ60の開度をより小さくすると、空調用配管56を通って暖房ユニット50へ送られる空気の温度はより高くなる。温度調節バルブ60を空調用配管56に設けると、空調用配管56を通って暖房ユニット50へ送られる空気の温度を燃料電池10へ送られる供給空気の温度よりも高くすることができる。燃料電池10へ送られる供給空気と暖房ユニット50へ送られる供給空気との間に温度差を設ける必要がない場合は、温度調節バルブ60を、給気配管18aにおいてエアコンプレッサ12の吐出口付近に設けても良い。
図2は、図1に示す実施形態の燃料電池システムにおいて、車室の暖房を行うときのエアコンプレッサ12からの供給空気の流れを示す図である。図2で、矢印Aは、エアコンプレッサ12から給気配管18a、加湿モジュール16、及び給気配管18bを通って燃料電池10へ送られる供給空気の流れを示し、矢印Bは、エアコンプレッサ12から給気配管18a及び空調用配管56を通って暖房ユニット50に送られる供給空気の流れを示す。
図2(a)は、燃料電池10が発電運転中である場合のエアコンプレッサ12からの供給空気の流れを示す。この場合、三方弁58の開度が制御され、燃料電池10の空気極及び暖房ユニット50の両方にエアコンプレッサ12からの供給空気が送られる。燃料電池10及び暖房ユニット50へ送られる供給空気の割合は、燃料電池10の要求出力及び暖房の設定温度などに基づいて決定される。
図2(b)は、燃料電池10が発電停止中である場合のエアコンプレッサ12からの供給空気の流れを示す。この場合、三方弁58の開度が制御され、エアコンプレッサ12からの供給空気は、燃料電池10へは送られず、暖房ユニット50にのみ送られる。このようにすることで、燃料電池10の運転停止中であっても、燃料電池10の空気極に供給空気を送ることなくエアコンプレッサ12からの供給空気を車室内の暖房に利用できる。
暖房ユニット50から車室内へ送られる空気の温度は、三方弁58及び温度調節バルブ60の制御による空調用配管56を通る供給空気の量及び温度の制御や、ファン52の回転数及びダンパ54の開度の制御による暖房ユニット50内に取り込む空気の量の制御などを行うことで制御できる。
図3は、本発明の第2の実施形態の燃料電池システムの構成を示す図である。図3において、図1と同様の要素には図1と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図3に示す燃料電池システムは、暖房ユニット62を備える。図3に示す暖房ユニット62は、図6に示す従来の燃料電池システムと同様、燃料電池10で温められた冷却水の通る冷却水配管38a,38bを備える熱交換器40と、熱交換器40によって温められた空気と混合される、暖房ユニット62外から暖房ユニット62内に取り込まれた空気の量を制御するダンパ42と、を備える。また、図3に示す暖房ユニット62は、暖房ユニット62内に取り込む外気又は車室内の空気の量を調整するダンパ64と、暖房ユニット62内に空気を取り込み、取り込んだ空気を車室内に送るファン66と、を備える。
図3を参照すると、本発明の第2の実施形態の燃料電池システムにおいて、暖房を行う場合、ダンパ64を開いて外気又は車室内の空気を暖房ユニット62に取り込み、取り込んだ空気を熱交換器40によって温め、温められた空気を車室内へ送る。本発明の第2の実施形態の燃料電池システムにおいて、空調用配管56を通じて暖房ユニット62に送られるエアコンプレッサ12からの供給空気は、熱交換器40による暖房を補完するものである。例えば、外気又は車室内の空気を取り込んで熱交換器40によって温めるだけでは暖房ユニット62から車室内へ送られる暖房用空気が設定温度に達しない場合に、空調用配管56を通じてエアコンプレッサ12からの供給空気を暖房ユニット62へ取り込む。また、例えば、エアコンプレッサ12からの供給空気を暖房ユニット62へ取り込むことで、熱交換器40のみを用いて車室内へ送られる暖房用空気を温める場合と比較して、暖房用空気についてより早く設定温度を得ることができる場合がある。
図4は、本発明の第2の実施形態の燃料電池システムにおいて、車室の暖房を行うときのエアコンプレッサ12からの供給空気の流れを示す図である。図2と同様、図4において、矢印Aは、エアコンプレッサ12から給気配管18a、加湿モジュール16、及び給気配管18bを通って燃料電池10へ送られる供給空気の流れを示し、矢印Bは、エアコンプレッサ12から給気配管18a及び空調用配管56を通って暖房ユニット62に送られる供給空気の流れを示す。
図4(a)は、燃料電池10の発電運転中であって、エアコンプレッサ12からの供給空気を車室内の暖房に利用しない場合の供給空気の流れを示す。この場合、三方弁58の開度が制御され、エアコンプレッサ12からの供給空気は、燃料電池10にのみ送られ、暖房ユニット62には送られない。この場合、ダンパ64を開くことで暖房ユニット62内に取り込まれた外気又は車室内の空気を熱交換器40で温め、温められた空気が暖房用空気として車室内へ送られる。図4(a)に示すように、燃料電池10のみにエアコンプレッサ12からの供給空気が送られるのは、例えば、熱交換器40を利用するだけで暖房用空気について設定温度を得るのに十分である場合や、燃料電池10の要求出力を得るためにエアコンプレッサ12からの供給空気をすべて燃料電池10に送る必要がある場合である。
図4(b)は、燃料電池10の発電運転中であって、エアコンプレッサ12からの供給空気を車室内の暖房に利用する場合の供給空気の流れを示す。この場合、三方弁58の開度が制御され、燃料電池10の空気極及び暖房ユニット62の両方にエアコンプレッサ12からの供給空気が送られる。このとき、空調用配管56を通って暖房ユニット62内に取り込まれた供給空気と、必要に応じてダンパ64を開くことで暖房ユニット62内に取り込まれた空気と、を混合した空気が熱交換器40で温められ、車室内へ送られる。例えば、熱交換器40を利用するだけでは車室内に送られる暖房用空気について設定温度を得るのに十分でないと判断される場合に、図4(b)に示すように燃料電池10及び暖房ユニット62の両方にエアコンプレッサ12からの供給空気が送られる。熱交換器40を利用するだけでは車室内に送られる暖房用空気について設定温度を得るのに十分でないと判断されるのは、例えば、暖房運転を開始してから所定時間が過ぎても車室内へ送られる暖房用空気の温度が設定温度に達しない場合や、暖房運転中の暖房ユニット62における熱交換器40で温められた空気の温度が予め設定された温度よりも低い場合などである。
図4(c)は、燃料電池10の発電停止中のエアコンプレッサ12からの供給空気の流れを示す。燃料電池10の発電停止中は、三方弁58の開度が制御され、エアコンプレッサ12からの供給空気は、燃料電池10には送られず、暖房ユニット62にのみ送られる。燃料電池10の発電停止中は、図3に示す冷却水系26の動作も停止するため、冷却水配管38a,38bを通る冷却水の熱を利用する熱交換器40によって車室内へ送られる暖房用空気を温めることはできない。よって、この場合、暖房ユニット62は、空調用配管56を通じてエアコンプレッサ12からの供給空気を取り込み、取り込んだ供給空気を車室内へ送る。このようにすることで、燃料電池10の発電停止中であっても車室内の暖房を行うことができ、かつ、燃料電池10の空気極に供給空気を送ることなくエアコンプレッサ12からの供給空気を車室内の暖房に利用できる。
第2の実施形態の燃料電池システムにおいて、暖房ユニット62から車室内へ送られる空気の温度は、三方弁58及び温度調節バルブ60の開度、ダンパ64の開度、ファン66の回転数、ダンパ42の開度などを制御することで制御できる。
以下、図3を参照し、本発明の第3の実施形態の燃料電池システムについて説明する。本発明の第3の実施形態の燃料電池システムの構成は、図3に示す第2の実施形態の燃料電池システムと同様である。
第2の実施形態の燃料電池システムでは、空調用配管56を通じて暖房ユニット62内に取り込まれるエアコンプレッサ12からの供給空気は、熱交換器40による暖房を補完するものである。これに対して、第3の実施形態の燃料電池システムでは、車室内の暖房を行う場合、暖房ユニット62は、原則として熱交換器40を作動させずに、空調用配管56を通じて取り込んだエアコンプレッサ12からの供給空気を、必要に応じてダンパ64を開いて取り込んだ外気又は車室内の空気と混合し、温度調節した上で車室内へ送る。
熱交換器40は、エアコンプレッサ12からの供給空気を利用するだけでは車室内へ送られる暖房用空気が設定温度に達しない場合など、エアコンプレッサ12からの供給空気を利用した暖房を補完する必要がある場合に作動させられる。例えば、低温環境下などにおいて、温度調節バルブ60の開度を小さくしても供給空気について必要な温度が得られないときに熱交換器40を作動させ、暖房ユニット62内に取り込まれた空気を温める。また例えば、暖房運転を開始してから所定時間が過ぎても暖房ユニット62から車室内へ送られる暖房用空気の温度が設定温度に達しない場合に、熱交換器40を作動させる。
熱交換器40を作動させた後、暖房用空気が設定温度に達して所定時間が経過した場合や、設定温度がユーザによって低く変更された場合など、熱交換器40を用いて暖房ユニット62内の空気を温める必要がなくなった場合は、熱交換器40を停止させることができる。
熱交換器40の作動及び停止の切り替えは、例えば、熱交換器40を通る冷却水配管38aに図示しないバルブを設け、このバルブの開閉を切り替えることで実現できる。熱交換器40を作動させる場合は、前述のバルブを開いて冷却水配管38a,38bを通じて燃料電池10で温められた冷却水を熱交換器40に送り、熱交換器40を停止させる場合は、前述のバルブを閉じて冷却水配管38a,38b内の冷却水の流れを止め、燃料電池10で温められた冷却水を熱交換器40に送らないようにする。
第3の実施形態の燃料電池システムにおける暖房運転中のエアコンプレッサ12からの供給空気の流れは、図2を参照して説明したのと同様に、燃料電池10の発電運転中は燃料電池10及び暖房ユニット62の両方に供給空気が送られ(図2(a))、燃料電池10の運転停止中は暖房ユニット62のみに供給空気が送られる(図2(b))。燃料電池10の運転停止中は、熱交換器40は作動されないが、エアコンプレッサ12からの供給空気を利用した暖房は行うことができる。また、第3の実施形態においても、燃料電池10の運転停止中に、燃料電池10に供給空気を送ることなく、エアコンプレッサ12からの供給空気を利用した暖房を行うことができる。
第3の実施形態の燃料電池システムにおいて、暖房ユニット62から車室内へ送られる空気の温度は、三方弁58及び温度調節バルブ60の開度、ダンパ64の開度、ファン66の回転数、熱交換器40の作動又は停止、ダンパ42の開度などを制御することで制御できる。
上述の第1から第3の実施形態において、空調用配管56は、エアコンプレッサ12と加湿モジュール16との間を接続する給気配管18aを分岐させて設けられる。他の実施形態では、図1及び図3に示す燃料電池システムにおいて、給気配管18aを分岐させる代わりに、加湿モジュール16と燃料電池10との間を接続する給気配管18bを分岐させて空調用配管56を設けても良い。こうすると、加湿モジュール16によって加湿された供給空気を暖房ユニットに送ることができる。したがって、このような実施形態によると、空調用配管56を通じて暖房ユニット内に取り込まれる供給空気の量と、ダンパ54(図1)又はダンパ64(図3)を開くことで暖房ユニット内へ取り込まれる外気又は車室内の空気の量と、を調整することで、車室内へ送る空気の温度だけでなく湿度の調節を行うこともできる。
以上で説明した実施形態では、エアコンプレッサからの供給空気を燃料電池の空気極へ送るための配管を分岐させて空調用配管56を設ける。他の実施形態では、図1及び図3に示す燃料電池システムにおいて、図5に示すように、エアコンプレッサ12からの供給空気を燃料電池10へ送るための給気配管18aと、暖房ユニットとエアコンプレッサ12とを接続する空調用配管56と、を別個に設けても良い。図5では、エアコンプレッサ12、空調用配管18a、及び空調用配管56に関する要素以外の燃料電池システムの要素は省略して図示する。このような実施形態では、空調用配管56及び給気配管18にはそれぞれの配管を通る供給空気の量を調節するバルブ68,70が取り付けられ、それぞれの配管を通る供給空気の量が独立に調節される。バルブ68,70の開度を制御して、図2及び図4を参照して説明した供給空気の流れと同様、必要に応じて燃料電池10及び暖房ユニットの両方、又はいずれか一方のみにエアコンプレッサ12からの供給空気を送ることができる。空調用配管56を通る空気の量を調節するバルブ68は、供給空気量を調節すると共に、供給空気の温度を調節する温度調節バルブとしても機能する。
10 燃料電池、12 エアコンプレッサ、14 水素供給系、16 加湿モジュール、18a,18b,22 給気配管、20a,20b,24 排気配管、26 冷却水系、28 ラジエータ、30a,30b,30c,30d,30e 冷却水配管、32 切替バルブ、34 ウォータポンプ、36,50,62 暖房ユニット、38a,38b 冷却水配管、40 熱交換器、42,54,64 ダンパ、44,52,66 ファン、56 空調用配管、58 三方弁、60 温度調節バルブ、68,70 バルブ、100 制御部。
Claims (6)
- 燃料電池と、前記燃料電池の空気極に空気を供給するエアコンプレッサと、を備える燃料電池システムであって、
前記エアコンプレッサからの供給空気の少なくとも一部を被空調室内に導く空調用配管を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、さらに、
前記空調用配管へ送られる前記エアコンプレッサからの供給空気の量を調整する供給空気量調整手段であって、前記被空調室の暖房を行う場合に前記エアコンプレッサからの供給空気を前記空調用配管に送るように調整する供給空気量調整手段を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1又は2に記載の燃料電池システムにおいて、さらに、
前記燃料電池の空気極へ送られる前記エアコンプレッサからの供給空気の量を調整する供給空気量調整手段であって、前記燃料電池の発電停止中に前記エアコンプレッサからの供給空気を前記燃料電池の空気極に送らないように調整する供給空気量調整手段を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、さらに、
前記燃料電池を冷却する冷却水の通る配管に設けられ、前記空調用配管を通る空気を温める熱交換器を備え、
前記熱交換器は、前記空調用配管を通り、前記被空調室内に送られる空気について予め設定された温度を得るために必要である場合に作動することを特徴とする燃料電池システム。 - 燃料電池と、前記燃料電池の空気極に空気を供給するエアコンプレッサと、前記燃料電池を冷却する冷却水の通る配管に設けられ、被空調室内へ送られる暖房用空気を温める熱交換器と、を備える燃料電池システムであって、
前記エアコンプレッサからの供給空気の少なくとも一部を前記被空調室内に導くことで、前記暖房用空気の温度調節において前記熱交換器を補完する空調用配管を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項5に記載の燃料電池システムにおいて、さらに、
前記空調用配管へ送られる前記エアコンプレッサからの供給空気の量と、前記燃料電池の空気極へ送られる前記エアコンプレッサからの供給空気の量と、を調整する供給空気量調整手段を備え、
前記供給空気量調整手段は、
前記被空調室の暖房を行う場合に前記エアコンプレッサからの供給空気を前記空調用配管へ送り、
前記燃料電池の発電停止中は前記エアコンプレッサからの供給空気を前記燃料電池の空気極に送らないように調整することを特徴とする燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006302670A JP2008123697A (ja) | 2006-11-08 | 2006-11-08 | 燃料電池システム |
Applications Claiming Priority (1)
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