JP2008123284A - 印刷物関連データ抽出システムおよび印刷物関連データ抽出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷物を読み取ることで得られる座標値が、複数の印刷物において同値となるときでも、座標値によりそれらの印刷物を区別すること。
【解決手段】携帯入力装置5は、複数の印刷物2〜4に共通に印刷される所定の座標パターン32を読み取って座標値を生成する。データベース66には、複数の印刷物2〜4の座標値82と関連データ81とが対応付けられている。絞込手段71は、各印刷物2〜4の所定のマーク36と重なる座標パターン32から携帯入力装置5が生成する座標値を用いて、データベース66の抽出範囲をそのマーク32の印刷物に絞り込む。抽出手段72は、印刷物2〜4の可読情報と重なる座標パターン32から携帯入力装置5が生成する座標値を用いて、その座標値に対応する関連データ81を抽出する。これにより、携帯入力装置5は、データベース66の絞り込まれた範囲内において座標値に対応する関連データ81を抽出する。
【選択図】図7
【解決手段】携帯入力装置5は、複数の印刷物2〜4に共通に印刷される所定の座標パターン32を読み取って座標値を生成する。データベース66には、複数の印刷物2〜4の座標値82と関連データ81とが対応付けられている。絞込手段71は、各印刷物2〜4の所定のマーク36と重なる座標パターン32から携帯入力装置5が生成する座標値を用いて、データベース66の抽出範囲をそのマーク32の印刷物に絞り込む。抽出手段72は、印刷物2〜4の可読情報と重なる座標パターン32から携帯入力装置5が生成する座標値を用いて、その座標値に対応する関連データ81を抽出する。これにより、携帯入力装置5は、データベース66の絞り込まれた範囲内において座標値に対応する関連データ81を抽出する。
【選択図】図7
Description
本発明は、印刷物関連データ抽出システムおよび印刷物関連データ抽出方法に関する。
特許文献1は、電子ペン用帳票、データ収集システムなどを開示する。電子ペンは、電子ペン用帳票に印刷されるドットパターンを読み取る。また、電子ペン用帳票には、電子ペンにより読み取り不能な状態で文字及び/又は図柄が重ねて印刷される。データ収集システムは、電子ペンが読み取ったドットパターンの位置座標及び座標情報に基づいて、利用者情報を特定する。
特許文献2は、コンテンツ提供システムなどを開示する。印刷物には、そのページ情報及び位置情報に対応付けられたドットパターンが形成されている。ユーザが電子ペンでコンテンツを指定すると、そのコンテンツに対応するコンテンツIDが特定される。コンテンツ提供サーバは、ユーザが指定したコンテンツのデータをデータベースから取得し、ユーザの端末へ送信する。
電子ペンは、特許文献1や特許文献2に開示されるように、電子ペン用帳票や印刷物などに印刷されるドットパターンを読み取り、読み取ったドットパターンに対応する座標値を生成する。この座標値に所定のデータを対応付けることで、電子ペンを利用して、そのデータを取得することが可能となる。また、ドットパターンには、ユーザが読む記事、写真などの可読情報を重ねて印刷することができる。電子ペンを利用して、可読情報に関連するデータをユーザへ提供することができる。
しかしながら、電子ペンが読み取ることができるドットパターンの数は、有限である。有限数のドットパターンから得られる座標値の個数も有限である。したがって、複数の印刷物(複数の電子ペン用帳票)の数が増えてドットパターンが不足し、その結果として、その一部の複数の印刷物(複数の電子ペン用帳票)に対して同じドットパターンを付与してしまった場合、電子ペンが生成する座標値により、1つのデータを特定することができなくなる。
また、ドットパターンが印刷される複数の印刷物(複数の電子ペン用帳票)が、特許文献1のように特定の目的のために所定の管理の下で配布される場合であれば、その複数の印刷物に対して互いに重ならないようにドットパターンを付与することが可能である。複数の印刷物に互いに重ならないようにドットパターンが付与されていれば、電子ペンが生成する座標値により、その複数の帳票の中から電子ペンにより読み取られた帳票を特定するとともに、読み取られた位置を特定することができる。そして、電子ペンが生成する座標値を用いて1つのデータを特定することが可能となる。しかしながら、ドットパターンが印刷される複数の印刷物が、たとえば広告記事やバーゲンのチラシなどのように発行元が異なるなどの理由により一元的に管理されていない場合、その一部の複数の印刷物に対して同じドットパターンを付与されてしまう可能性が高く、そのような場合には、電子ペンが生成する座標値により、1つのデータを特定することができなくなる。
すなわち、電子ペンは、ある1つの印刷物のドットパターンによる座標値の範囲と、他の1つの印刷物のドットパターンによる座標値の範囲とが重なっている場合において、電子ペンがその重なり範囲の座標値を生成したとき、当該座標値によりこれらの印刷物を区別する座標値を生成することができない。つまり、電子ペンが生成する座標値により、1つのデータを特定することができなくなる。
このように電子ペンの読取対象となる複数の印刷物に対する座標値(ドットパターン)の付与範囲が管理されていない場合、電子ペンの読取位置が一意に特定されるとは限らない。つまり、電子ペンは、その読取対象となる複数の印刷物の全体が管理されていない場合、その複数の印刷物の中の読取位置を一意に特定するために利用することができない。
本発明は、電子ペンなどの携帯入力装置により印刷物を読み取ることで得られる座標値が、複数の印刷物において同じ値となる場合であっても、携帯入力装置が生成する座標値によりそれらの印刷物を区別することができる印刷物関連データ抽出システムおよび印刷物関連データ抽出方法を得ることを目的とする。
本発明に係る印刷物関連データ抽出システムは、複数の印刷物に印刷される所定の座標パターンを読み取り、読み取った座標パターンに対応する座標値を生成する携帯入力装置と、携帯入力装置が読み取り可能な複数の座標パターンが、可読情報および所定のマークと重ねて印刷される複数の印刷物と、複数の印刷物の座標値と関連データとが、座標値により1つの関連データを特定できるように印刷物毎に分けて対応付けられているデータベース、あるいは、その一部の対応付けデータを有するデータベースと、携帯入力装置が所定のマークと重なる座標パターンを読み取ることで生成する座標値を用いて、データベースにおける抽出範囲を、その所定のマークが読み取られた印刷物に絞り込む絞込手段と、携帯入力装置が可読情報と重なる座標パターンを読み取ることで生成する座標値を用いて、その座標値に対応する関連データを抽出する抽出手段と、を有し、データベースの絞り込まれた範囲内において座標値に対応する関連データを抽出するものである。
本発明に係る印刷物関連データ抽出システムは、上述した発明の構成に加えて、以下の特徴を有するものである。すなわち、抽出手段は、携帯入力装置が可読情報と重なる座標パターンを読み取ることで生成する座標値を用いて、データベースの中のその座標値に対応する関連データを特定し、さらに、絞込手段により絞り込まれた範囲内において特定した関連データを抽出する。
本発明に係る印刷物関連データ抽出システムは、上述した発明の各構成に加えて、以下の特徴を有するものである。すなわち、抽出手段は、絞込手段により絞り込まれた範囲内から、特定した関連データを抽出できない場合には、関連データの代わりに、関連データを抽出できないことを通知する所定の出力データを生成する。
本発明に係る印刷物関連データ抽出システムは、上述した発明の各構成に加えて、以下の特徴を有するものである。すなわち、複数の印刷物は、施設で提供されるサービスの優待に関する可読情報が印刷されたものである。データベースは、関連データとして、サービスの優待内容を出力するためのデータを記憶する。また、その施設に設置されたコンピュータ装置において、抽出手段により抽出された関連データの優待内容を出力する。
本発明に係る印刷物関連データ抽出システムは、上述した発明の各構成に加えて、以下の特徴を有するものである。すなわち、可読情報および所定のマークは、座標パターンが印刷された印刷物上の異なる領域に印刷されているものである。
本発明に係る印刷物関連データ抽出システムは、上述した発明の各構成に加えて、以下の特徴を有するものである。すなわち、複数の印刷物は、少なくともその一部の印刷物において、それらの座標パターンから得られる座標値の範囲が重なっている。
本発明に係る印刷物関連データ抽出システムは、上述した発明の各構成に加えて、以下の特徴を有するものである。すなわち、データベースは、関連データを、複数の印刷物に掲載される可読情報毎のレコードにおいて記憶する。
本発明に係る印刷物関連データ抽出システムは、上述した発明の各構成に加えて、以下の特徴を有するものである。すなわち、少なくとも絞込手段および抽出手段は、携帯入力装置に実現される。携帯入力装置は、生成した座標値あるいは抽出手段により抽出された関連データを出力する出力手段を有する。
本発明に係る印刷物関連データ抽出システムは、上述した発明の各構成に加えて、以下の特徴を有するものである。すなわち、携帯入力装置は、表示手段に表示するデータを削除する削除手段を有する。
本発明に係る印刷物関連データ抽出方法は、携帯入力装置が読み取り可能な複数の座標パターンが印刷される複数の印刷物を、携帯入力装置により読み取るものである。そして、この印刷物関連データ抽出方法は、携帯入力装置が座標パターンと重ねて印刷される所定のマークを読み取ることで生成する座標値を用いて、複数の印刷物の座標値と関連データとが、座標値により1つの関連データを特定できるように印刷物毎に分けて対応付けられているデータベースにおける抽出範囲を、所定のマークが読み取られた印刷物に絞り込むステップと、携帯入力装置が座標パターンと重ねて印刷される可読情報を読み取ることで生成する座標値を用いて、その座標値に対応する関連データを抽出するステップと、を有し、データベースの絞り込まれた範囲内において座標値に対応する関連データを抽出する。
本発明では、座標パターンの座標値の範囲が複数の印刷物において重なっている場合であっても、携帯入力装置が生成する座標値によりそれらの印刷物を区別することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る印刷物関連データ抽出システムおよび印刷物関連データ抽出方法を、図面に基づいて説明する。印刷物関連データ抽出システムは、優待割引などのためのクーポンが印刷される観光ガイドチラシを電子ペンで読み取り、その電子ペンを持参するユーザが観光ガイドチラシに掲載される観光地や店舗などにおいて優待割引などを受けるための電子優待システムを例として説明する。この例の場合、観光ガイドチラシが印刷物であり、印刷物の関連データは、優待割引などのためのクーポンデータである。印刷物関連データ抽出方法は、電子優待システムの動作の一部として説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る印刷物関連データ抽出システムとしての、電子優待システム1の構成図である。電子優待システム1は、観光地や店舗などを紹介する記事であって、ユーザが読み取り可能な記事(可読情報)が印刷される複数の印刷物としての複数枚の観光ガイドチラシ2,3,4と、観光ガイドチラシ2,3,4の紙面に印刷される所定の座標パターン32を読み取る携帯入力装置としての電子ペン5と、観光ガイドチラシ2,3,4に掲載される観光地や店舗に設置され、USBケーブル6により電子ペン5が接続可能な店舗コンピュータ装置7と、を有する。
図2は、電子ペン5に内蔵される電子回路などを示すブロック図である。電子ペン5は、図1に示すように、ボールペンやシャープペンシルなどと同様なペン形状のハウジング11を有する。このペン形状のハウジング11内に、図2の電子回路が内蔵される。電子ペン5は、たとえば特表2005−510791号に開示される電子ペン5、あるいはそれと同等の、書込位置の座標値を得る機能を有するものである。
図3は、図2の電子ペン5により書き込みがなされる観光ガイドチラシ2,3,4の紙面の部分拡大図である。観光ガイドチラシ2,3,4の紙面は、赤外線を反射する。紙面上には、赤外線を吸収するインクにより多数のドット31が印刷される。電子ペン5は、6×6個のドット31を1つの座標パターン32として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ14で読み取る。
赤外線を吸収するインクにより紙面に印刷される各ドット31は、図3に示すように、所定の一定間隔毎の縦基準線と横基準線との交点の位置を基準として、上下左右のいずれか1つの方向(すなわち、4つの方向の中の1つの方向)へ少しずれた位置に印刷される。そして、各座標パターン32における36個のドット31のずれ方向の組合せは、複数の座標パターン32の中で唯一なものとされる。紙面に印刷される複数のドット31の中から任意の6×6個のドット31を選んだとき、その36個のドット31によるドット31のずれ方向の組合せは、他のすべての36個のドット31によるドット31のずれ方向の組合せと異なるものとなる。ドット31同士の間隔が0.3ミリメートルである場合、この36個のドット31のずれ方向の組合せにより、約6,000万平方キロメートルの紙面中の位置を0.3ミリメートルの精度で区別することができる。
図2に示すように、電子ペン5の赤外線LED13は、ボールペン軸12の先端およびその周囲へ赤外線を照射する。CMOSセンサ14は、紙面のペン先が接触する部位およびその周囲の部位により反射される赤外線を受光する。CMOSセンサ14は、受光した赤外線の強度分布データを、マイクロコンピュータ19へ出力する。
マイクロコンピュータ19には、図示外のプログラムを図示外のCPU(Central Processing Unit)が実行することで、読取データ生成部21と、読取データ送信部22と、が実現される。読取データ生成部21は、CMOSセンサ14から供給される赤外線画像(赤外線の強度分布パターンを有する画像)に含まれる6×6のドット31の像を特定し、その特定した6×6のドット31の組合せに1対1に対応する座標値、すなわち読み取った座標パターン32に1対1に対応する座標値を演算する。読取データ生成部21は、演算した座標値と、筆圧センサ15により検出される筆圧値(ボールペン軸12に作用するそのときの筆圧値)と、タイマ16により計測されるそのときの時刻とを、不揮発性メモリ17へ供給する。
図4は、不揮発性メモリ17に記憶される読取データ26のデータ構造を示す説明図である。図4において、各行は、読取データ26の1つのレコードに対応する。不揮発性メモリ17は、読取データ生成部21から上述した3つの値のデータが供給されると、それらを1つのレコードとして読取データ26に格納する。読取データ26の各レコードは、電子ペン5が読み取った座標パターン32に対応する座標値を有する読取座標データ41と、筆圧センサ15により検出されたそのときの筆圧値を有するペン圧レベルデータ42と、タイマ16によるそのときの計測時刻を有する読取時刻データ43と、を有する。なお、図4の読取データ26は2つのチェックマークの筆跡データからなり、且つ、各チェックマークの筆跡データは複数のレコードからなる。
読取データ送信部22は、USB(Universal Serial Bus)ケーブル6により、電子ペン5のUSBI/F(Interface)18と、他の機器(図1では、店舗コンピュータ装置7)の後述するUSBI/Fとが接続されると、不揮発性メモリ17に記憶される読取データ26を、他の機器へ送信する。なお、電子ペン5や店舗コンピュータ装置7は、USBI/F18の代わりに、たとえばブルートゥースなどの無線通信I/Fを備えるものであってもよい。この変形例の場合、読取データ送信部22は、無線通信I/F同士が互いを認識すると、不揮発性メモリ17に記憶される読取データ26を、他の機器へ送信すればよい。
図1には、3枚の観光ガイドチラシ2,3,4が図示されている。この3枚の観光ガイドチラシ2,3,4には、その紙面全面に、上述したドット31、すなわち座標パターン32が印刷される。また、図1左側の観光ガイドチラシ2(以下、チラシA(2)とよぶ。)の紙面の中央部には、座標パターン32と重ねて、観光地や店舗などを特典付きで紹介する記事1から記事5の5つの記事が印刷され、且つ、紙面左上の欄外に、所定のマークとしての所定の識別マーク36が印刷されている。図1真中の観光ガイドチラシ3(以下、チラシB(3)とよぶ。)の紙面の中央部には、座標パターン32と重ねて、観光地や店舗などを特典付きで紹介する記事6および記事7の2つの記事が印刷され、且つ、紙面右下の欄外に、所定の識別マーク36が印刷されている。図1右側の観光ガイドチラシ4(以下、チラシC(4)とよぶ。)の紙面の中央部には、座標パターン32と重ねて、観光地や店舗などを特典付きで紹介する記事8から記事10の3つの記事が印刷され、且つ、紙面右下の欄外に、所定の識別マーク36が印刷されている。
このように各観光ガイドチラシ2,3,4において、識別マーク36は、それぞれの複数の記事とは別の紙面領域に印刷される。なお、チラシA(2)での識別マーク36の印刷レイアウトと、チラシB(3)およびチラシC(4)での識別マーク36の印刷レイアウトとは異なる。この識別マーク36のレイアウトの違いは、たとえばチラシA(2)の発行元と、チラシB(3)およびチラシC(4)の発行元とが異なる場合などにおいて生じ得る。
図5は、図2の電子ペン5が座標値へ変換可能な座標パターン32の座標値の範囲を示す座標平面(以下、座標値平面とよぶ。)51を示す図である。図5において、横方向は、座標値平面51のX方向であり、縦方向は、座標値平面51のY方向である。そして、チラシA(2)には、座標値平面51の上部中央の座標値が得られる座標パターン32が印刷される。チラシB(3)には、座標値平面51の上部中央左寄りの座標値が得られる座標パターン32が印刷される。チラシC(4)には、座標値平面51の上部右寄りの座標値が得られる座標パターン32が印刷される。
チラシA(2)に対応する座標値の範囲と、チラシB(3)に対応する座標値の範囲とは、座標値平面51において、重なっている。チラシA(2)、チラシB(3)およびチラシC(4)は、たとえば別々のチラシ印刷会社により作成されるものである。そのため、チラシA(2)の座標値の範囲と、チラシB(3)の座標値の範囲と、チラシC(4)の座標値の範囲とは、互いの範囲が重ならないように管理されていない。独立した別々の範囲となるように整理されていない。
また、チラシA(2)の記事1から記事5に掲載される観光地や店舗と、チラシB(3)の記事6および記事7に掲載される観光地や店舗と、チラシC(4)の記事8から記事10に掲載される観光地や店舗とは、同じ観光地や店舗を紹介する場合もあるし、別々の観光地や店舗を紹介する場合もある。すなわち、チラシA(2)の掲載記事と、チラシB(3)の掲載記事と、チラシC(4)の掲載記事との間に、制限はない。以下の説明では、たとえば、図1中の店舗コンピュータ装置7が設置される観光地あるいは店舗の記事が、チラシA(2)の記事3と、チラシB(3)の記事6とに形成されている場合を例に説明する。
たとえば、ユーザは、チラシA(2)の記事3による特典を受けようとする場合、まず、チラシA(2)の左上の識別マーク36を電子ペン5によりチェックし、チラシA(2)の記事3の掲載紙面を電子ペン5によりチェックする。これにより、電子ペン5の不揮発性メモリ17には、図4に示す2つのチェックマークからなる読取データ26が記憶される。
図6は、図1中の店舗コンピュータ装置7の構成を示すブロック図である。店舗コンピュータ装置7は、USBI/F61、HDD(ハードディスクドライブ)62、入力手段としてのキーデバイス63、表示手段としての液晶デバイス64、マイクロコンピュータ65などを有する。店舗コンピュータ装置7のマイクロコンピュータ65は、図示外のCPU、入出力ポートなどを有する。入出力ポートには、HDD62、キーデバイス63、液晶デバイス64、USBI/F61などが接続される。CPUは、HDD62などから図示外の制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、店舗コンピュータ装置7のマイクロコンピュータ65には、読取データ受信部70と、絞込手段および抽出手段としての読取データ処理部71と、UI(User Interface)部72と、が実現される。
なお、この店舗コンピュータ装置7のマイクロコンピュータ65が実行する制御プログラムは、店舗コンピュータ装置7の出荷前にHDD62などに記憶されたものであっても、店舗コンピュータ装置7の出荷後にHDD62などに記憶されたものであってもよい。また、制御プログラムの一部が、店舗コンピュータ装置7の出荷後にHDD62などに記憶されたものであってもよい。店舗コンピュータ装置7の出荷後にHDD62などに記憶される制御プログラムは、たとえばCD−ROMなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されているものをインストールしたものであっても、インターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしたものをインストールしたものであってもよい。上述した電子ペン5のマイクロコンピュータ19が実行するプログラムについても、同様である。
HDD62は、データベースとしての座標クーポン対応データベース66、出力データ67、受信読取データ68などを記憶する。受信読取データ68は、店舗コンピュータ装置7のUSBI/F61に電子ペン5のUSBI/F18が接続されることで、読取データ受信部70が電子ペン5から受信した読取データ26である。受信読取データ68の内容は、図4の電子ペン5が生成する読取データ26の内容と同じである。
図7は、図6中の座標クーポン対応データベース66のデータ構造の説明図である。座標クーポン対応データベース66は、図1中の複数の観光ガイドチラシ2,3,4に掲載される複数の記事(記事1から記事10)それぞれと1対1に対応する複数のレコードを有する。図7では、各行が1つのレコードに対応する。各レコードは、関連データとしてのクーポン表示データ81を有する。クーポン表示データ81は、液晶デバイス64にたとえば「コーヒーサービス」、「10%割引優待」などの優待情報を表示するためのデータである。
上述したようにこの実施の形態では、チラシA(2)の記事3とチラシB(3)の記事6とには、同じ観光地あるいは店舗の記事が掲載されており、座標クーポン対応データベース66には、これらの対応するクーポン表示データが格納されている。一般に、同じ観光地あるいは店舗についてのクーポン表示データ81は、同じ優待情報を表示するものであっても、異なる優待情報を表示するものであってもよいが、図7では、異なる優待情報となっている。
この他にも、座標クーポン対応データベース66の各レコードは、クーポン表示データ81が利用される観光地あるいは店舗の記事と重ねて印刷される座標パターン32の座標値の範囲を示す記事エリア情報82を有する。記事エリア情報82は、たとえば対応する記事の左上の座標値と右下の座標値とで構成される。各観光ガイドチラシ2,3,4において、複数の記事は、別々の紙面領域に印刷されている。したがって、記事エリア情報82による座標値の範囲は、各観光ガイドチラシ2,3,4において互いに重ならない範囲となる。
さらに、座標クーポン対応データベース66の各レコードには、観光ガイドチラシ2,3,4毎に共通する所定のシート識別情報83が登録される。シート識別情報83は、具体的にはたとえば、各観光ガイドチラシ2,3,4に印刷される識別マーク36と重なる座標パターン32の座標値の範囲を示すデータ(たとえば識別マーク36の左上の座標値と右下の座標値とで構成されるデータ)を有する。なお、このシート識別情報83は、レコード毎に登録されるのではなく、観光ガイドチラシ2,3,4毎に共通するデータとして、座標クーポン対応データベース66に登録されていてもよい。
店舗コンピュータ装置7に実現される読取データ処理部71は、HDD62に記憶される受信読取データ68を処理する。具体的には、読取データ処理部71は、受信読取データ68に基づいて、座標クーポン対応データベース66から、電子ペン5により読み取られた記事に対応するクーポン表示データ81を抽出する。読取データ処理部71は、抽出したクーポン表示データ81などを、出力データ67としてHDD62に記憶させる。
UI部72は、HDD62に記憶される出力データ67を読み込み、この出力データ67による画面を、液晶デバイス64に表示させる。
次に、以上の構成を有する電子優待システム1の動作を説明する。以下の説明では、電子ペン5によりたとえばチラシA(2)の識別マーク36および記事3をチェックし、この記事3に対応する優待情報を、店舗コンピュータ装置7の液晶デバイス64に表示する場合を例として動作を説明する。
電子ペン5によりたとえばチラシA(2)の識別マーク36および記事3をチェックすると、電子ペン5の読取データ生成部21は、それらチェックによる筆跡データを有する読取データ26を、不揮発性メモリ17に記憶させる。これにより、不揮発性メモリ17には、図4に示すような読取データ26が記憶される。
その後、USBケーブル6により電子ペン5のUSBI/F18と店舗コンピュータ装置7のUSBI/F61とが接続されると、電子ペン5の読取データ送信部22は、不揮発性メモリ17に記憶されている読取データ26を、店舗コンピュータ装置7の読取データ受信部70へ送信する。読取データ受信部70は、受信した読取データ26を、受信読取データ68としてHDD62に記憶させる。
図8は、店舗コンピュータ装置7の読取データ処理部71の動作の流れを示すフローチャートである。読取データ処理部71は、まず、HDD62に未処理の新たな受信読取データ68が記憶されているか否かを判断する(ステップST1)。そして、HDD62に未処理の新たな受信読取データ68が記憶されていない場合、読取データ処理部71は、このステップST1の判断処理を繰り返し実行する。読取データ処理部71は、未処理の受信読取データ68待ち状態となる。
HDD62に未処理の新たな受信読取データ68が記憶されている場合、読取データ処理部71は、電子ペン5により指定された記事に対応するクーポン表示データ81の抽出処理を開始する。読取データ処理部71は、まず、未処理の受信読取データ68の最初の筆跡データを読み込む(ステップST2)。
ところで、受信読取データ68を一筆で書かれた筆跡データ単位でくぎって読込む方法としては、データ同士の時間間隔を利用する方法がある。すなわち、電子ペン5によってたとえば識別マーク36がチェックされてから、記事がチェックされるまでには、たとえば0.5秒から1秒程度の間隔が生じる。したがって、読取時刻データ43を参照して、データ同士の間隔が0.5秒(または1秒)以下である場合には、一筆の筆跡データに含まれると判断し、それ以上である場合には他の一筆の筆跡データであると判断する。このような方法により、読取データ処理部71は、一筆単位で筆跡データを読み取ることができる。
1つの筆跡データを読み込むと、読取データ処理部71は、読み込んだすべての座標値の平均値を演算する(ステップST3)。読取データ処理部71は、1つの座標値を得る。この他にもたとえば、読取データ処理部71は、チェックマークにおける折り返し位置の座標値などを2つの線分の交点の座標値として得るようにしてもよい。
書込み位置を特定するための代表値としての1つの座標値(以下、代表座標値と呼ぶ。)を演算により得た後、読取データ処理部71は、その筆跡データにより指定されるものが識別マーク36であるのか、記事であるのかを判断する。読取データ処理部71は、筆跡データの種類を判断する(ステップST4)。
具体的にはたとえば、読取データ処理部71は、観光ガイドチラシ2,3,4の中の1つに印刷された識別マーク36の座標値の範囲と、代表座標値とが重なるものであるか否かを判断する。すなわち、読取データ処理部71は、図7の座標クーポン対応データベース66の左端列(シート識別情報83)の複数の座標値の範囲と、代表座標値とを比較する。
シート識別情報83中に、代表座標値を含む座標値の範囲が1つでもある場合、読取データ処理部71は、その筆跡データにより指定されるものが識別マーク36であると判断する。読取データ処理部71は、座標クーポン対応データベース66の中の抽出範囲を、その座標値の範囲のシート識別情報83を有するレコードの範囲に限定する(ステップST5)。これにより、座標クーポン対応データベース66の中の抽出範囲は、電子ペン5より読み取られた識別マーク36が付された観光ガイドチラシ(たとえばチラシA(2))に限定される。
シート識別情報83中に、代表座標値を含む座標値の範囲が1つも無い場合、読取データ処理部71は、その筆跡データにより指定されるものが記事であると判断する。読取データ処理部71は、座標クーポン対応データベース66の記事エリア情報82中に、その代表座標値を含む座標値の範囲を有するレコードが存在するか否かを判断する。そして、記事エリア情報82中に、その代表座標値を含む座標値の範囲を有するレコードが存在する場合、読取データ処理部71は、そのレコードを特定する(ステップST6)。
以上の、未処理の受信読取データ68から読み込んだ1つ分の筆跡データに基づく一連の処理が終了すると、読取データ処理部71は、未処理の受信読取データ68から、すべての筆跡データを読み込んだか否かを判断する(ステップST7)。
すべての筆跡データを読み込んでいない場合、読取データ処理部71は、未処理の受信読取データ68から、次の1つ分の筆跡データを読み込み、代表座標値に基づく抽出範囲絞込処理あるいはレコード特定処理を実行する。読取データ処理部71は、受信読取データ68に含まれる各筆跡データを1筆単位で読み込み、ステップST2からST7までの処理を繰り返し実行する。
上述した図4の読取データ26の場合、読取データ処理部71は、ステップST2からST7までの処理を2回繰り返す。これにより、読取データ処理部71は、図4の最初の筆跡データにより、図7の座標クーポン対応データベース66の抽出範囲をチラシA(2)に絞込み、図4の2つ目の筆跡データにより、チラシA(2)の上から三番目のレコードとチラシB(3)の上から一番目のレコードとを特定することになる。
未処理の受信読取データ68から、すべての筆跡データを読み込み終えると、読取データ処理部71は、ステップST7においてYesと判断する。読取データ処理部71は、次に、有効なクーポン表示データ81を抽出できたか否かを判断する(ステップST8)。読取データ処理部71は、絞り込んだ抽出範囲中のレコードを特定している場合、有効なクーポン表示データ81を抽出できたと判断する。読取データ処理部71は、その絞り込んだ抽出範囲中の特定レコードのクーポン表示データ81を読み込み、出力データ67としてHDD62に記憶させる(ステップST9)。
上述したように、抽出範囲をチラシA(2)に絞り込み、且つ、チラシA(2)の上から三番目のレコードを特定している場合、チラシA(2)の上から三番目のレコードが、有効なクーポン表示データ81となる。読取データ処理部71は、図7の座標クーポン対応データベース66中の、そのチラシA(2)の上から三番目のレコードのクーポン表示データ81を読み込み、出力データ67としてHDD62に記憶させる。
また、たとえば絞り込んだ抽出範囲中に特定レコードが含まれないなどのケースのように、有効なクーポン表示データ81を抽出できなかった場合、読取データ処理部71は、「クーポンデータ無し」を表示させるための表示データを、出力データ67としてHDD62に記憶させる(ステップST10)。
以上の一連の処理により、読取データ処理部71は、受信読取データ68に基づくクーポン表示データ81の抽出処理を終了する。この終了時には、HDD62に、出力データ67が記憶される。出力データ67には、電子ペン5により指定された記事に対応するクーポン表示データ81、あるいは、「クーポンデータ無し」を表示させるための表示データが格納されている。
なお、チラシ2,3,4を電子ペン5により読み取るにあたって、ユーザは、まず記事をチェックし、その後にそのシートの識別マーク36をチェックするようにしてもよい。この場合、電子ペン5に生成記憶される読取データ26では、まず、記事をチェックしたときの筆跡データが格納され、次に識別マーク36をチェックしたときの筆跡データが格納される。この場合であっても、読取データ処理部71は、図8の処理により、先に同じ識別マーク36をチェックし、その後に同じ記事をチェックした場合と同じクーポン表示データ81を抽出することができる。
HDD62に出力データ67が記憶されると、UI部72は、その出力データ67を読み込む。UI部72は、読み込んだ出力データ67に基づく画像を、液晶デバイス64に表示させる。これにより、液晶デバイス64には、電子ペン5により指定された記事に対応するクーポン表示データ81による優待情報、あるいは、「クーポンデータ無し」が表示される。
上述したように、HDD62に、出力データ67として、図7の座標クーポン対応データベース66中の、そのチラシA(2)の上から三番目のレコードのクーポン表示データ81が記憶されている場合、UI部72は、その三番目のレコードのクーポン表示データ81による画像を、液晶デバイス64に表示させる。これにより、店舗コンピュータ装置7の液晶デバイス64には、電子ペン5によりチェックされたチラシA(2)の記事3に対応する優待情報が表示される。すなわち、液晶デバイス64には、「10%割引優待」の文字が表示され、チラシBの記事6に対応する「20%割引優待」の文字は表示されない。
以上のように、この実施の形態では、電子ペン5は、観光ガイドチラシ2,3,4に印刷される所定の識別マーク36を読み取り、さらにユーザが望む所定の記事を読み取る。店舗コンピュータ装置7の読取データ処理部71は、所定の識別マーク36を読み取ることで電子ペン5が生成する座標値を用いて、座標クーポン対応付けデータベース66における抽出範囲をその所定の識別マーク36が印刷された観光ガイドチラシ(上記例ではチラシA(2))に絞り込む。また、読取データ処理部71は、記事を読み取ることで電子ペン5が生成する座標値を用いて、座標クーポン対応付けデータベース66中において、その座標値に対応するレコードを特定する。読取データ処理部71は、抽出範囲内で特定したレコードのクーポン表示データ81を抽出する。液晶デバイス64は、クーポン表示データ81に基づく優待内容を示す画像を表示する。
したがって、この実施の形態1の電子優待システム1は、座標パターン32が印刷される複数の観光ガイドチラシ2,3,4の中から、電子ペン5により読み取られたチラシ(上記例ではチラシA(2))を特定するとともに、その特定したチラシの中の、電子ペン5により読み取られた記事(上記例では記事3)を特定することができる。電子優待システム1は、電子ペン5が生成する座標値により、1つの記事に関連するクーポン表示データ81を抽出することができる。
図5に示すように、複数の観光ガイドチラシ2,3,4の間で、座標値の付与範囲が管理整理されておらず、その結果として、座標パターン32の座標値の範囲が互いに重なっている場合であっても、座標クーポン対応付けデータベース66から、電子ペン5により読み取られたチラシの、読み取られた記事に対応するクーポン表示データ81を抽出することができる。座標値(座標パターン32)の付与範囲が管理されておらず、その結果として、複数の観光ガイドチラシ2,3,4において(上記例では、観光ガイドチラシA(2)と観光ガイドチラシB(3)とにおいて)、電子ペン5によりチラシを読み取ることで得られる座標値が同じ値となることがあったとしても、電子ペン5が生成する座標値によりそれらのチラシを区別することができる。電子ペン5は、複数のチラシの記事を一意に特定するために利用することができる。
また、この実施の形態では、読取データ処理部71は、座標クーポン対応付けデータベース66から抽出範囲内でレコードを特定することができない場合、クーポン表示データを抽出することができないことを通知するためのメッセージの表示データを出力データ67としてHDD62に記憶させる。したがって、たとえば観光ガイドチラシ2,3,4以外の観光ガイドチラシがあり、ユーザが誤ってその観光ガイドチラシを読み取った電子ペン5を持ち込んだとしても、そのチラシのクーポン表示データを表示しないようにすることができる。特に、たとえば各観光地や店舗に設置される店舗コンピュータ装置7に、その店舗に関する記事のクーポン表示データ81のみを記憶させるようにすることで、店舗コンピュータ装置7は、その観光地や店舗に関係ない優待情報を表示してしまわないようにすることができる。また、この変形例の場合、各店舗コンピュータ装置7における座標クーポン対応付けデータベース66のデータ量を削減し、検索負荷を軽減することができる。
また、この実施の形態では、座標クーポン対応付けデータベース66は、記事毎のレコードを有する。この記事毎のレコードには、クーポン表示データ81が格納される。クーポン表示データ81の内容が記事毎に異なる場合、店舗コンピュータ装置7には、ユーザが電子ペン5に読み取らせた記事毎に異なる優待内容が表示される。したがって、店舗コンピュータ装置7が設置される店舗の経営者は、記事を掲載するチラシ毎に異なる優待サービスを提供することができる。経営者は、複数のチラシの発行元に対して別々に、異なる優待内容の記事の掲載を依頼することができる。
その結果、観光ガイドチラシ2,3,4を電子ペン5により読み取って持参したユーザは、読み取った記事に掲載される観光地や店舗において優待サービスを受けることができる。ユーザは、観光ガイドチラシ2,3,4そのものを持参したり、観光ガイドチラシ2,3,4の記事に印刷されるクーポン券を切り取ったり、そのクーポン券を紛失してしまうことなく、観光ガイドチラシ2,3,4に掲載される観光地や店舗において優待サービスを受けることができる。
また、観光ガイドチラシ2,3,4には、識別マーク36が印刷されるだけである。識別マーク36は、複数の観光ガイドチラシ2,3,4を区別するためのものである。そのため、識別マーク36は、複数の観光ガイドチラシ2,3,4のどこに印刷するようにしてもよい。この実施の形態では、識別マーク36は、記事が掲載される範囲外に印刷されている。これに対して、この実施の形態とは異なり、仮にたとえば携帯電話端末で読み取り可能なQRコードなどによりクーポン表示データを提供する場合には、記事との対応関係を明示するために、各記事に対応付けてそれぞれのQRコードを印刷しなければならない。そのため、QRコードによりクーポン表示データを提供する場合、クーポン表示データを提供することが紙面のレイアウトを制限したり、紙面の見栄えを損なうことになってしまったりすることになる。そして、この実施の形態では、そのような問題を生じてしまうことはない。
なお、この実施の形態の動作説明では、電子ペン5により、チラシA(2)の識別マーク36をチェックし、チラシA(2)の記事3をチェックした場合の動作を説明している。この他にもたとえば、電子ペン5により、チラシA(2)の識別マーク36をチェックし、チラシA(2)の記事3と記事1とをチェックするようにしてもよい。この場合、その電子ペン5を、記事1に掲載される店舗に持参し、その店舗の店舗コンピュータ装置7に接続することで、ユーザは、その店舗の優待サービスも併せて受けることができる。つまり、ユーザは、1回のチェック操作で、複数の店舗において優待サービスを受けることができる。店舗毎にばらばらに切り取った小さいクーポン券を、無くさないように気をつけて持ち歩く必要は無い。
また、電子ペン5により、複数枚の観光ガイドチラシ(たとえばチラシA(2)とチラシB(3)と)をチェックするようにしてもよい。複数枚の観光ガイドチラシをチェックする場合、ユーザは、電子ペン5により、チラシ毎に、識別マーク36と所定の記事とをチェックするようにすればよい。
以上の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形や変更が可能である。
上記実施の形態では、電子ペン5は、座標パターン32が印刷された複数枚の観光ガイドチラシ2,3,4を読み取っている。この他にもたとえば、電子ペン5は、スーパーやデパートなどの店舗の複数枚のチラシや、観光情報誌、ガイド雑誌、電子機器などのマニュアルなどの複数ページからなる印刷物を読み取るようにしてもよい。このように複数ページからなる印刷物において、識別マーク36は、各ページ毎あるいは所定のページ数毎に設けられていても良いが、印刷物毎に1つ設けられていてもよい。識別マーク36は、たとえば印刷物の表紙や目次に印刷すればよい。
複数ページからなる印刷物に1つの識別マーク36を設ける場合、その印刷物の複数のページは、たとえばその複数ページを1枚に繋ぎ合わせた巨大なシートを想定し、その巨大なシートを図5の座標値平面に対応付け、その対応付けに基づく座標パターン32を各ページに印刷するようにすればよい。これにより、座標パターン32により、読み取られたページと、そのページ内の読取位置とを特定することができる。
また、各印刷物において識別マーク36は、1つに限られない。各印刷物に複数の識別マーク36を印刷するようにしてもよい。
上記実施の形態では、図5に示すように各観光ガイドチラシ2,3,4には、その全面に、連続的な座標値へ変換可能な複数の座標パターン32が印刷されている。各観光ガイドチラシ2,3,4において、識別マーク36と重ねて印刷される座標パターン32と、記事と重ねて印刷される座標パターン32とは近い値の座標値へ変換される。この他にもたとえば、識別マーク36と重ねて印刷される座標パターン32と、記事と重ねて印刷される座標パターン32とは、図5の座標値平面において不連続となる別々の座標値の範囲に対応するものであってもよい。さらに他にもたとえば、識別マーク36と重ねて印刷されるパターンとしては、記事と重ねて印刷される座標パターン32とは異なる種類のパターンであってもよい。この座標パターン32とは異なる種類のパターンとしては、たとえばシート毎に発行されるシート識別番号などへ変換される識別パターンであればよい。
上記実施の形態では、座標クーポン対応付けデータベース66は、店舗コンピュータ装置7のHDD62に記憶されている。この他にもたとえば、座標クーポン対応付けデータベース66は、店舗コンピュータ装置7が通信可能な他のコンピュータ装置、たとえばインターネット上のサーバ装置などに記憶されていてもよい。また、座標クーポン対応付けデータベース66の一部の対応付けのデータが、店舗コンピュータ装置7や、店舗コンピュータ装置7が通信可能な他のコンピュータ装置に分散して記憶されていてもよい。他のコンピュータ装置に必要なデータが格納されている場合、店舗コンピュータ装置7の読取データ処理部71は、他のコンピュータ装置から座標クーポン対応付けデータベース66を取得した上で抽出処理を実行するようにしても、他のコンピュータ装置に対して抽出処理を要求するようにしてもよい。
上記実施の形態では、座標クーポン対応付けデータベース66に、クーポン表示データ81が記憶される。この他にもたとえば、座標クーポン対応付けデータベース66に、クーポン印刷データなどを記憶するようにしてもよい。読取データ処理部71は、出力データ67として、クーポン印刷データを抽出する。このとき、UI部72は、図示外のプリンタ装置を用いて、このクーポン印刷データを印刷すればよい。
上記実施の形態では、読取データ処理部71は、店舗コンピュータ装置7に実現されている。この他にもたとえば、読取データ処理部71は、パーソナルコンピュータ、携帯電話端末、ナビゲーション装置、AV(オーディオビジュアル)機器などにおいて実現されていてもよい。これらの装置では、座標値と記事対応データとを対応付けるデータベースには、記事対応データとして、クーポン表示データの代わりに、装置の各種の設定データや、インターネット上のURL(Uniform Resource Locator)データなどを格納すればよい。
特に、データベースに、たとえばサーバ装置において記事に掲載される楽曲や映画などのコンテンツデータに対応付けられたURLデータを格納することで、楽曲や映画のプロモーション映像を手軽に視聴させることができる。また、データベースに、たとえば記事掲載地点の緯度経度データの値を、設定データとして格納することで、ナビゲーション装置に目的地などの地点を設定することができる。
さらに他にもたとえば、読取データ処理部71は、電子ペン5に実現されていてもよい。また、座標クーポン対応付けデータベース66、液晶デバイス64、キーデバイス63、UI部72なども、電子ペン5に設けられるようにしてもよい。これにより、観光ガイドチラシ2,3,4に記事を掲載する店舗などに、店舗コンピュータ装置7を設置しなくてもよい。ユーザは、店舗において電子ペン5に優待内容を表示させ、その優待を受けることができる。
図9および図10は、液晶デバイス91、キーデバイス92などを有する変形例の携帯入力装置としての電子ペン8の外観図である。この変形例の電子ペン8の、ペン形状のハウジング11の側面には、表示手段としての液晶デバイス91と、入力手段としてのキーデバイス92とが配設される。図9の液晶デバイス91には、UI部により、読取データ処理部71により生成されて不揮発性メモリ17に記憶されている出力データ67の内容が表示される。図10の液晶デバイス91には、UI部により、読取データ生成部21により生成されて不揮発性メモリ17に記憶されている読取データ26のファイル名が生成時刻とともに表示される。これにより、ユーザは、電子優待データが正しく読み取られたか否かを、店舗に行く前に確認することができる。
また、液晶デバイス91に読取データ26に関する情報や出力データ67の情報が表示されている状態で、キーデバイス92が操作されると、この変形例の電子ペン8のUI部は、表示している読取データ26や出力データ67を、不揮発性メモリ17から削除する。これにより、ユーザは、不要なデータや、誤りのデータを整理することができる。
本発明は、電子ペンなどの携帯入力装置を利用するユーザに対して、チラシなどに掲載する優待サービスを提供する電子優待システムなどにおいて好適に利用することができる。
1 電子優待システム(印刷物関連データ抽出システム)
2 観光ガイドチラシA(印刷物)
3 観光ガイドチラシB(印刷物)
4 観光ガイドチラシC(印刷物)
5,8 電子ペン(携帯入力装置)
32 座標パターン
36 識別マーク(所定のマーク)
64,91 液晶デバイス(表示手段)
63,92 キーデバイス(入力手段)
66 座標クーポン対応付けデータベース(データベース)
67 出力データ
71 読取データ処理部(絞込手段、抽出手段)
81 クーポン表示データ(関連データ)
82 記事エリア情報(座標値の範囲)
2 観光ガイドチラシA(印刷物)
3 観光ガイドチラシB(印刷物)
4 観光ガイドチラシC(印刷物)
5,8 電子ペン(携帯入力装置)
32 座標パターン
36 識別マーク(所定のマーク)
64,91 液晶デバイス(表示手段)
63,92 キーデバイス(入力手段)
66 座標クーポン対応付けデータベース(データベース)
67 出力データ
71 読取データ処理部(絞込手段、抽出手段)
81 クーポン表示データ(関連データ)
82 記事エリア情報(座標値の範囲)
Claims (10)
- 複数の印刷物に印刷される所定の座標パターンを読み取り、読み取った座標パターンに対応する座標値を生成する携帯入力装置と、
上記携帯入力装置が読み取り可能な複数の上記座標パターンが、可読情報および所定のマークと重ねて印刷される複数の印刷物と、
上記複数の印刷物の座標値と関連データとが、座標値により1つの関連データを特定できるように印刷物毎に分けて対応付けられているデータベース、あるいは、その一部の対応付けデータを有するデータベースと、
上記携帯入力装置が上記所定のマークと重なる上記座標パターンを読み取ることで生成する座標値を用いて、上記データベースにおける抽出範囲を、その所定のマークが読み取られた印刷物に絞り込む絞込手段と、
上記携帯入力装置が上記可読情報と重なる上記座標パターンを読み取ることで生成する座標値を用いて、その座標値に対応する上記関連データを抽出する抽出手段と、を有し、
上記データベースの上記絞り込まれた範囲内において上記座標値に対応する上記関連データを抽出することを特徴とする印刷物関連データ抽出システム。 - 前記抽出手段は、
前記携帯入力装置が前記可読情報と重なる前記座標パターンを読み取ることで生成する座標値を用いて、前記データベースの中のその座標値に対応する前記関連データを特定し、さらに、
前記絞込手段により絞り込まれた範囲内において特定した前記関連データを抽出すること、
を特徴とする請求項1記載の印刷物関連データ抽出システム。 - 前記抽出手段は、前記絞込手段により絞り込まれた範囲内から、前記特定した関連データを抽出できない場合には、前記関連データの代わりに、関連データを抽出できないことを通知する所定の出力データを生成することを特徴とする請求項1または2記載の印刷物関連データ抽出システム。
- 前記複数の印刷物は、施設で提供されるサービスの優待に関する可読情報が印刷されたものであり、
前記データベースは、前記関連データとして、上記サービスの優待内容を出力するためのデータを記憶し、
上記施設に設置されたコンピュータ装置において、前記抽出手段により抽出された前記関連データの上記優待内容を出力すること、
を特徴とする請求項1から3の中のいずれか1項記載の印刷物関連データ抽出システム。 - 前記可読情報および前記所定のマークは、前記座標パターンが印刷された前記印刷物上の異なる領域に印刷されていることを特徴とする請求項1から4の中のいずれか1項記載の印刷物関連データ抽出システム。
- 前記複数の印刷物は、少なくともその一部の印刷物において、それらの前記座標パターンから得られる座標値の範囲が重なっているものであることを特徴とする請求項1から5の中のいずれか1項記載の印刷物関連データ抽出システム。
- 前記データベースは、前記関連データを、前記複数の印刷物に掲載される可読情報毎のレコードにおいて記憶することを特徴とする請求項1から6の中のいずれか1項記載の印刷物関連データ抽出システム。
- 少なくとも前記絞込手段および前記抽出手段は、前記携帯入力装置に実現され、
前記携帯入力装置は、前記生成した座標値あるいは前記抽出手段により抽出された関連データを出力する出力手段を有すること、
を特徴とする請求項1から3の中のいずれか1項記載の印刷物関連データ抽出システム。 - 前記携帯入力装置は、前記表示手段に表示するデータを削除する削除手段を有することを特徴とする請求項8記載の印刷物関連データ抽出システム。
- 携帯入力装置が読み取り可能な複数の座標パターンが印刷される複数の印刷物を、上記携帯入力装置により読み取る印刷物関連データ抽出方法であって、
上記携帯入力装置が上記座標パターンと重ねて印刷される所定のマークを読み取ることで生成する座標値を用いて、上記複数の印刷物の座標値と関連データとが、座標値により1つの関連データを特定できるように印刷物毎に分けて対応付けられているデータベースにおける抽出範囲を、上記所定のマークが読み取られた印刷物に絞り込むステップと、
上記携帯入力装置が上記座標パターンと重ねて印刷される可読情報を読み取ることで生成する座標値を用いて、その座標値に対応する上記関連データを抽出するステップと、を有し、
上記データベースの上記絞り込まれた範囲内において上記座標値に対応する上記関連データを抽出することを特徴とする印刷物関連データ抽出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006307011A JP2008123284A (ja) | 2006-11-13 | 2006-11-13 | 印刷物関連データ抽出システムおよび印刷物関連データ抽出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006307011A JP2008123284A (ja) | 2006-11-13 | 2006-11-13 | 印刷物関連データ抽出システムおよび印刷物関連データ抽出方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008123284A true JP2008123284A (ja) | 2008-05-29 |
Family
ID=39507972
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006307011A Withdrawn JP2008123284A (ja) | 2006-11-13 | 2006-11-13 | 印刷物関連データ抽出システムおよび印刷物関連データ抽出方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2008123284A (ja) |
-
2006
- 2006-11-13 JP JP2006307011A patent/JP2008123284A/ja not_active Withdrawn
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