JP2008122298A - 情報端末装置、監視方法、および誘導方法 - Google Patents

情報端末装置、監視方法、および誘導方法 Download PDF

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薫樹 清水
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Abstract

【課題】ナビゲーション機能や現在位置の監視機能を簡便且つ手軽に利用可能とする。
【解決手段】携帯情報端末装置に搭載された位置特定機能を用いて現在位置の緯度および経度を時系列的に検出し、それらを折れ線で近似して移動経路として記憶しておく。この移動経路を通る場合には、現在位置を計測して、移動経路から閾値距離以上離れていれば、その旨を所定の連絡先に連絡する。また、移動経路上を始点方向または終点方向の何れに誘導するかを設定しておき、現在位置が移動経路の近傍にあれば、移動経路上を設定方向に進むための方向を、現在位置が移動経路から閾値距離以上離れていれば、移動経路に戻る方向を出力する。この結果、地図データを用いずに、携帯情報端末装置の現在位置を監視したり、目的地に誘導することができる。折れ線で記憶しておけば移動経路も僅かなデータ量で記憶できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する機能を搭載した情報端末装置に関し、詳しくは、かかる機能を利用することで、情報端末装置を保持する者の所在位置を監視したり、あるいは目的地への誘導を行う技術に関する。
通信技術やコンピュータ関連技術の進歩を受けて、携帯電話や、PDA(Personal Digital Assistance)、ノート型コンピュータなどの携帯情報端末装置には多彩な機能が搭載されるようになっている。こうした機能の中には、地球の衛星軌道上を周回するGPS(Global Positioning System )衛星や、存在位置の分かった発信局などが発信する電波を同時に3ヶ所以上から受信することで、地球上での緯度や経度などを検出して現在位置を特定する機能(位置特定機能)も搭載されている。特に、GPS衛星からの電波を受けて現在位置を特定する機能(いわゆるGPS機能)は比較的手軽に利用可能であることから、今日では、GPS機能を利用した種々のサービスが提案されている。
例えば、携帯電話に搭載されたGPS機能を用いて現在位置を検出することにより、携帯電話をいわゆるナビゲーション装置として利用可能とする技術が提案されている。かかる技術によれば、GPS機能を用いて現在位置を検出するとともに、複数の地図データが記憶されているサーバ(地図データサーバ)に接続して、現在位置を含む地図データを読み込んでおく。そして、読み込んだ地図データを携帯電話の画面上に表示するとともに、GPS機能を用いて検出した現在位置を、画面上に表示された地図に重ねて表示することで、道に迷うことなく目的地に辿り着くことが可能となっている(特許文献1)。
あるいは、携帯電話に搭載されたGPS機能を用いて検出した現在位置の情報を、地図データサーバやコンピュータ端末に送信することで、携帯電話の保持者が監視領域内に居るか否かを確認可能とした技術も提案されている。かかる技術によれば、地図データサーバに記憶されている地図データ上に監視領域を予め設定しておく。あるいは、地図データサーバからコンピュータ端末に地図データを読み込んで、コンピュータ端末上の地図データに対して監視領域を予め設定しておく。そして、携帯電話で検出した現在位置の情報を、これら地図データサーバあるいはコンピュータ端末に向かって送信し、携帯電話の現在位置と地図データとを照合することにより、携帯電話の保持者が監視領域内に居るか否かを確認することが可能となっている(特許文献2)。
特開2002−333339号公報 特開2005−38299号公報
しかし、提案されている技術は何れも地図データを使用するため、複数の地図データを記憶した地図データサーバが必要となる。そのため、装置が全体として大掛かりになってしまったり、あるいは、地図データサーバへの接続時に認証が必要なために手軽に利用することが難しいという問題がある。また、こうした問題は、携帯電話などの携帯型の情報端末装置に限られるものではなく、カーナビゲーションシステム等のように携帯型ではない情報端末装置の場合にも同様に生じ得る。
この発明は、従来の技術における上述した課題に対応してなされたものであり、情報装置に搭載された位置特定機能を利用することで、目的地へ誘導する機能や、現在位置を監視する機能を、簡便に且つ手軽に利用可能とする技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の携帯情報端末装置は次の構成を採用した。すなわち、本発明の携帯情報端末装置は、
地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した携帯情報端末装置であって、
前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する現在位置検出手段と、
前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記携帯情報端末装置の移動経路として記憶する移動経路記憶手段と、
前記位置特定機能を用いて特定した前記携帯情報端末装置の現在位置と、予め記憶されている前記移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する偏差距離算出手段と、
前記算出された偏差距離が、所定の閾値距離よりも大きい場合には、前記携帯情報端末装置が該閾値距離の範囲外にある旨を、予め登録されている連絡先に連絡する連絡手段と
を備え、
前記移動経路記憶手段は、
前記現在位置検出手段によって所定の複数個の座標点が検出されると、該座標点から直線を抽出する直線抽出手段と、
前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が、該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する折れ点抽出手段と
を備えるとともに、
前記直線抽出手段は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する手段であることを要旨とする。
また、上記の携帯情報端末装置に対応する本発明の現在位置監視方法は、
地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した携帯情報端末装置の現在位置を監視する現在位置監視方法であって、
前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する第1の工程と、
前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記携帯情報端末装置の移動経路として記憶する第2の工程と、
前記位置特定機能を用いて特定した前記携帯情報端末装置の現在位置と、予め記憶されている前記移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する第3の工程と、
前記算出された偏差距離が、所定の閾値距離より大きい場合には、前記携帯情報端末装置が該閾値距離の範囲外にある旨を、予め登録されている連絡先に連絡する第4の工程と
を備え、
前記第2の工程は、
前記第1の工程によって所定の複数個の座標点が検出されたことを受けて、該座標点から直線を抽出する副工程(2−1)と、
前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が、該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する副工程(2−2)と
を備えるとともに、
前記副工程(2−1)は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する副工程であることを要旨とする。
かかる本発明の携帯情報端末装置、およびに現在位置監視方法においては、携帯情報端末装置に搭載された位置特定機能を用いて現在位置の座標点を時系列的に検出し、それら座標点を折れ線近似した状態で、携帯情報端末装置の移動経路として予め記憶しておく。尚、折れ線近似した後は、近似の対象(すなわち、時系列的に検出した複数の座標点)は削除可能なことは言うまでもない。もちろん、全ての座標点あるいは一部の座標点を、後の処理で利用するために記憶しておいても構わない。そして、既に記憶されている移動経路を通る場合には、携帯情報端末装置の位置特定機能を用いて現在位置を特定し、既に記憶されている移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出して、所定の閾値距離との大小関係を判断しながら移動する。その結果、算出した偏差距離の方が閾値距離よりも大きいと判断された場合には、携帯情報端末装置が該閾値距離の範囲外にある旨を、予め登録されている連絡先に連絡する。尚、連絡する形態としては、例えば、予め登録されているメールアドレスに向かって、所定のメールデータを送信することとしても良いし、あるいは予め登録されている電話番号に、自動で電話をかけて、所定の音声データを再生するなど、種々の形態で連絡することができる。
こうすれば、携帯情報端末装置に予め移動経路を記憶しておくだけで、携帯情報端末装置の現在位置が、移動経路から所定の閾値距離の範囲内にあるか否かを判断することができ、閾値距離の範囲外にあれば、予め登録されている連絡先にその旨を連絡することができる。その結果、地図データを用いることなく、簡便に、携帯情報端末装置の現在位置を監視することが可能となる。また、地図データを用いないことから地図データサーバが不要となるので、携帯情報端末装置の現在位置を監視するための装置構成が大掛かりになってしまうこともない。加えて、移動経路は、複数の座標点の軌跡を折れ線近似した状態で記憶されているので、携帯情報端末装置に搭載されている記憶容量を、移動経路を記憶しておくために大量に消費してしまうこともない。
また、複数個の座標点から直線を抽出する際には、これら座標点に最小二乗法を適用することによって、直線を抽出することとしても良い。そして、抽出した直線と、先に抽出した直線との交点を検出し、その交点を、最終的に抽出された折れ点として確定することとしても良い。
現在位置の座標点が検出される位置は、必ずしも折れ点として適切な位置であるとは限らない。従って、直線を抽出した後に、直線同士の交点を求め、その交点に折れ点の位置を修正してやれば、移動経路をより適切に折れ線によって近似することが可能となる。
あるいは、折れ点から所定の複数個の座標点から検出された直線が、それ以降に検出された座標点も含めて、必ずしも適切に移動経路を近似する直線であるとは限らない。そこで、移動経路を折れ線近似することによって折れ点を検出した後、折れ点間で検出された複数の座標点に対して最小二乗法を適用することにより、直線を抽出し直して更新してもよい。そして、更新した直線と、一つ前に更新した直線との交点を検出し、検出した交点によって折れ点を更新することにより、移動経路を折れ線近似することとしても良い。尚、直線を抽出し直す際には、折れ点を含んだ複数の座標点に対して最小二乗法を適用して直線を抽出しても良い。また、必ずしも折れ点間の全ての座標点を用いて直線を抽出することには限らず、一部の座標点は考慮せずに直線を抽出しても構わない。
こうして折れ点間の座標点に対して最小二乗法を適用して抽出した直線は、折れ点から所定の複数個の座標点から抽出した直線よりも、移動経路をより適切に近似していると考えることができる。そこで、折れ点から所定の複数個の座標点から検出した直線を、折れ点間の座標点から抽出し直した直線によって更新し、更新した直線を用いて折れ線近似してやれば、移動経路をより適切に近似することが可能となる。
また、上述した本発明の携帯情報端末装置においては、算出した偏差距離が閾値距離よりも小さい場合には、予め登録されている連絡先に所定の頻度で、その旨を連絡するようにしても良い。尚、所定の頻度としては、所定時間毎に連絡する場合に限らず、種々の条件を設定することができる。例えば、所定の距離だけ移動した場合に連絡することとしても良いし、その他、何らかの条件が成立した場合に連絡するようにしても良い。
こうすれば、携帯情報端末装置が、移動経路の近傍にいる場合でも、所定の頻度でその旨を確認することが可能となる。
あるいは、上述した本発明の携帯情報端末装置においては、現在位置と移動経路との間の偏差距離が閾値距離よりも小さい場合には、次のような条件が成立すると、携帯情報端末装置が移動経路の近くにいる旨を、予め登録されている連絡先に連絡するようにしても良い。すなわち、移動経路を、複数の領域に区分した状態で記憶しておく。そして、算出した偏差距離が閾値距離よりも小さい場合には、現在位置から最も近い領域を検出し、検出した領域が切り換わる度に、予め登録しておいた連絡先に、検出した領域を連絡することとしてもよい。
こうすれば、携帯情報端末装置が、移動経路上に設けられた領域を跨ぐ度に、その旨が連絡されるので、携帯情報端末装置の移動に合わせて、適切な頻度で、途中経過の連絡を受け取ることができる。このため、携帯情報端末装置から、毎回同じ内容の連絡が送られてきて、連絡を受け取る側が煩雑に感じるおそれを回避することが可能となる。
また、従来の技術が有する前述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の第1の情報端末装置は、次の構成を採用した。すなわち、本発明の第1の情報端末装置は、
地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した情報端末装置であって、
前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する現在位置検出手段と、
前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記情報端末装置の移動経路として記憶する移動経路記憶手段と、
前記移動経路上で始点に向かう方向または終点に向かう方向の何れか一方を、誘導方向として選択する誘導方向選択手段と、
前記位置特定機能を用いて特定した前記情報端末装置の現在位置と、予め記憶されている前記移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する偏差距離算出手段と、
前記算出された偏差距離が、所定の閾値距離より小さい場合には、該移動経路に沿って前記誘導方向に進むための方向に関する情報を出力し、該算出された偏差距離が該閾値距離よりも大きい場合には、該現在位置から該移動経路に戻るための方向に関する情報を出力することにより、前記情報端末装置の保持者を誘導する誘導手段と
を備え、
前記移動経路記憶手段は、
前記現在位置検出手段によって所定の複数個の座標点が検出されると、該座標点から直線を抽出する直線抽出手段と、
前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が、該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する折れ点抽出手段と
を備えるとともに、
前記直線抽出手段は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する手段であることを要旨とする。
また、上記の第1の情報端末装置に対応する本発明の第1の誘導方法は、
地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した情報端末装置を用いて、該情報端末装置の保持者を誘導する誘導方法であって、
前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する工程(A)と、
前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記情報端末装置の移動経路として記憶する工程(B)と、
前記移動経路上で始点に向かう方向または終点に向かう方向の何れか一方を、誘導方向として選択する工程(C)と、
前記位置特定機能を用いて特定した前記情報端末装置の現在位置と、予め記憶されている前記移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する工程(D)と、
前記算出された偏差距離が、所定の閾値距離より小さい場合には、該移動経路に沿って前記誘導方向に進むための方向に関する情報を出力し、該算出された偏差距離が該閾値距離よりも大きい場合には、該現在位置から該移動経路に戻るための方向に関する情報を出力することにより、前記情報端末装置の保持者を誘導する工程(E)と
を備え、
前記工程(B)は、
前記工程(A)によって所定の複数個の座標点が検出されたことを受けて、該座標点から直線を抽出する副工程(B−1)と、
前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が、該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する副工程(B−2)と
を備えるとともに、
前記副工程(B−1)は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する副工程であることを要旨とする。
かかる本発明の第1の情報端末装置、および、これに対応する第1の誘導方法においても、情報端末装置に搭載された位置特定機能を用いて現在位置の座標点を時系列的に検出し、それら座標点を折れ線近似した状態で、情報端末装置の移動経路として予め記憶しておく。また、移動経路に基づいて誘導を行うに際しては、移動経路上で始点に向かう方向または終点に向かう方向の何れか一方を、誘導方向として選択しておく。そして、情報端末装置の位置特定機能を用いて現在位置を特定して、誘導に用いる移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出し、所定の閾値距離と比較する。その結果、算出した偏差距離の方が閾値距離よりも小さい場合には、移動経路に沿って誘導方向に進むための方向に関する情報を出力し、逆に、算出した偏差距離の方が閾値距離よりも大きい場合には、現在位置から移動経路に戻るための方向に関する情報を出力する。尚、これらの情報を出力する形態としては、例えば、情報端末装置に表示画面が設けられている場合には、画面上に文字や図形などを表示するようにしても良いし、あるいは情報端末装置に音声の出力機能が搭載されている場合には、出力する内容に応じた音声データを再生することとしてもよい。
こうすれば、情報端末装置に予め移動経路を記憶しておくだけで、移動経路に従って誘導することができるので、地図データを用いることなく、簡便に、情報端末装置の保持者を誘導することが可能となる。また、地図データを用いないことから地図データサーバが不要となるので、装置構成が大掛かりになることも回避することができる。加えて、移動経路は、折れ線近似されて、折れ点の座標点として記憶されるので、移動経路を記憶しておくために、情報端末装置の記憶容量が大量に使用されることもない。
あるいは、従来技術の有する前述した課題の少なくとも一部を解決するためには、次のような構成を採用することも可能である。すなわち、本発明の第2の情報端末装置は、
地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した情報端末装置であって、
前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する現在位置検出手段と、
前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記情報端末装置の移動経路として記憶する移動経路記憶手段と、
前記移動経路上で始点に向かう方向または終点に向かう方向の何れか一方を、誘導方向として選択する誘導方向選択手段と、
前記位置特定機能を用いて特定した前記情報端末装置の現在位置と、予め記憶されている前記移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する偏差距離算出手段と、
前記算出された偏差距離が、所定の閾値距離より小さい場合には、該移動経路に沿って前記誘導方向に進むための方向に関する情報を出力し、該算出された偏差距離が該閾値距離よりも大きい場合には、該現在位置から前記終点に向かう方向に関する情報を出力することにより、前記情報端末装置の保持者を誘導する誘導手段と
を備え、
前記移動経路記憶手段は、
前記現在位置検出手段によって所定の複数個の座標点が検出されると、該座標点から直線を抽出する直線抽出手段と、
前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が、該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する折れ点抽出手段と
を備えるとともに、
前記直線抽出手段は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する手段であることを要旨とする。
また、上述した第2の情報端末装置に対応する本発明の第2の誘導方法は、
地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した情報端末装置を用いて、該情報端末装置の保持者を誘導する誘導方法であって、
前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する工程(ア)と、
前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記情報端末装置の移動経路として記憶する工程(イ)と、
前記移動経路上で始点に向かう方向または終点に向かう方向の何れか一方を、誘導方向として選択する工程(ウ)と、
前記位置特定機能を用いて特定した前記情報端末装置の現在位置と、予め記憶されている前記移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する工程(エ)と、
前記算出された偏差距離が、所定の閾値距離より小さい場合には、該移動経路に沿って前記誘導方向に進むための方向に関する情報を出力し、該算出された偏差距離が該閾値距離よりも大きい場合には、該現在位置から前記終点に向かう方向に関する情報を出力することにより、前記情報端末装置の保持者を誘導する工程(オ)と
を備え、
前記工程(イ)は、
前記工程(ア)によって所定の複数個の座標点が検出されたことを受けて、該座標点から直線を抽出する副工程(イ−1)と、
前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が、該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する副工程(イ−2)と
を備えるとともに、
前記副工程(イ−1)は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する副工程であることを要旨とする。
かかる本発明の第2の情報端末装置、および第2の誘導方法においても、上述した第2の情報端末装置および第1の誘導方法と同様に、移動経路を予め記憶しておき、情報端末装置の現在位置から移動経路までの偏差距離を算出する。そして、算出した偏差距離の方が閾値距離よりも小さい場合には、移動経路に沿って誘導方向に進むための方向に関する情報を出力することによって誘導を行う。これに対して、算出した偏差距離の方が閾値距離よりも大きい場合には、現在位置から終点に向かう方向に関する情報を出力することによって、情報端末装置の保持者を誘導することとしてもよい。
このようにしても、情報端末装置に予め移動経路を記憶しておくだけで、地図データを用いることなく、簡便に、情報端末装置の保持者を誘導することが可能となる。また、移動経路を折れ線によって近似した後、その折れ線の折れ点を記憶しているので、比較的僅かな記憶容量で、移動経路を記憶しておくことが可能となる。
また、上述した本発明の携帯情報端末装置、第1の情報端末装置、または第2の情報端末装置においては、移動経路を記憶するに際して、次のようにしても良い。すなわち、移動経路の記憶中に所定の操作を行うと、その操作を行った位置での緯度および経度を検出し、得られた緯度および経度が表す座標点を、移動経路を近似する折れ点として設定できるようにしても良い。
こうすれば、曲がり角などが連続するような場合でも、必要に応じて折れ点を設定することができるので、十分な精度の移動経路を記憶しておくことが可能となる。
あるいは、上述した本発明の携帯情報端末装置、第1の情報端末装置、または第2の情報端末装置においては、移動経路の折れ点を検出した後、新たな直線を抽出するために検出する座標点については、他の座標点よりも高い頻度で検出するようにしても良い。
新たな直線を抽出する際には、抽出精度を確保する観点からは、ある程度、多数の座標点に基づいて抽出した方が望ましいが、その一方で、直線の抽出に時間がかかってしまう。そこで、新たな直線を抽出する際には座標点の検出頻度を高くしてやれば、抽出精度を確保しながら速やかに直線を抽出することができる。加えて、座標点の検出頻度を高くすれば、短い移動距離で直線を抽出することができるので、比較的短い距離で曲がり角が続いたような場合でも、適切に直線を抽出して、移動経路を記憶することが可能となる。
また、上述した本発明の携帯情報端末装置、第1の情報端末装置、または第2の情報端末装置においては、直線が抽出された後、新たな折れ点を抽出するための座標点については、検出する頻度を変更可能としても良い。
移動経路の精度を確保するためには、できるだけ密に座標点を検出した方が望ましいが、その一方で、座標点の検出頻度が高くなると、単に検出頻度が増えるだけでなく、検出の度に、座標点が直線で近似できるか否かの判断も必要になるので、処理の負担が大きくなる。このことから、移動経路を記憶する際には、座標点の間隔が適切な間隔となるように、現在位置の座標点を検出することが望ましい。従って、座標点を検出する頻度を変更可能としておけば、情報端末装置の移動速度に応じた頻度で座標点を計測することができるので、適切な間隔で座標点を検出しながら移動経路を記憶することが可能となる。
更には、上述した本発明の携帯情報端末装置、第1の情報端末装置、または第2の情報端末装置においては、移動経路の記憶を開始するための経路記憶開始ボタンと、移動経路の記憶を終了するための経路記憶終了ボタンとを設けておき、経路記憶開始ボタンが操作されたことを検出すると移動経路の記憶を開始して、経路記憶終了ボタンが操作されたことを検出したら、移動経路の記憶を終了するようにしても良い。
こうすれば、移動経路の記憶開始と終了とを、分かり易く、且つ、簡単な操作で行うことが可能となる。
あるいは、上述した本発明の携帯情報端末装置は、次のような態様として把握することも可能である。すなわち、
地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した携帯情報端末装置であって、
前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する現在位置検出手段と、
前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記携帯情報端末装置の移動経路として記憶する移動経路記憶手段と、
前記位置特定機能を用いて特定した現在位置から、予め記憶されている前記移動経路までの距離が、所定の閾値距離よりも大きい場合には該閾値距離の範囲外にある旨を、予め登録されている連絡先に連絡することにより、前記携帯情報端末装置の現在位置を監視する監視手段と、
前記移動経路記憶手段に関連付けられた第1の選択肢、および前記監視手段に関連付けられた第2の選択肢を、前記携帯情報端末装置の画面上に表示する選択肢表示手段と、
前記第1の選択肢または前記第2の選択肢が選択されたことを検出して、該選択肢に関連付けられた前記移動経路記憶手段または前記監視手段を起動する起動手段と
を備え、
前記移動経路記憶手段は、
前記現在位置検出手段によって所定の複数個の座標点が検出されると、該座標点から直線を抽出する直線抽出手段と、
前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する折れ点抽出手段と
を備えるとともに、
前記直線抽出手段は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する手段である携帯情報端末装置として把握することもできる。
このように、移動経路記憶手段と監視手段とを、それぞれ第1の選択肢および第2の選択肢に関連付けておき、これらの選択肢が選択された場合には、関連付けられている手段を起動するようにすれば、移動経路を記憶したり、記憶した移動経路に基づいて監視する機能を、簡単な操作によって利用することが可能となる。
同様に、上述した本発明の第1の情報端末装置あるいは第2の情報端末装置についても、次のような態様で把握することができる。すなわち、
地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した情報端末装置であって、
前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する現在位置検出手段と、
前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記情報端末装置の移動経路として記憶する移動経路記憶手段と、
前記移動経路上の始点または終点の何れか選択しておいた側に向かって、該移動経路に沿って進むための方向に関する情報を出力することにより、前記情報端末装置の保持者を誘導する誘導手段と
前記移動経路記憶手段に関連付けられた第1の選択肢、および前記誘導手段に関連付けられた第3の選択肢を、前記情報端末装置の画面上に表示する選択肢表示手段と、
前記第1の選択肢または前記第3の選択肢が選択されたことを検出して、該選択肢に関連付けられた前記移動経路記憶手段または前記誘導手段を起動する起動手段と
を備え、
前記移動経路記憶手段は、
前記現在位置検出手段によって所定の複数個の座標点が検出されると、該座標点から直線を抽出する直線抽出手段と、
前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する折れ点抽出手段と
を備えるとともに、
前記直線抽出手段は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する手段である情報端末装置として把握することもできる。
このように、移動経路記憶手段と誘導手段とを、それぞれ第1の選択肢および第3の選択肢に関連付けておき、これらの選択肢が選択された場合には、関連付けられている手段を起動するようにすれば、移動経路を記憶したり、記憶した移動経路に基づいて誘導する機能を、簡単な操作によって利用することが可能となる。
更には、本発明の情報端末装置は、次のような形態として把握することも可能である。すなわち、
地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した情報端末装置であって、
前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する現在位置検出手段と、
前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記情報端末装置の移動経路として記憶する移動経路記憶手段と、
前記移動経路上で始点に向かう方向または終点に向かう方向の何れか一方を、誘導方向として選択する誘導方向選択手段と、
前記位置特定機能を用いて特定した前記情報端末装置の現在位置と、予め記憶されている前記移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する偏差距離算出手段と、
前記算出された偏差距離が、所定の閾値距離より小さい場合には、該移動経路に沿って前記誘導方向に進むための方向に関する情報を出力し、該算出された偏差距離が該閾値距離よりも大きい場合には、該現在位置から該移動経路に戻るための方向に関する情報を出力することにより、前記情報端末装置の保持者を誘導する誘導手段と、
前記移動経路記憶手段が移動経路として記憶した前記折れ線を、前記携帯情報端末装置の画面上に表示する移動経路表示手段と
を備え、
前記移動経路記憶手段は、
前記現在位置検出手段によって所定の複数個の座標点が検出されると、該座標点から直線を抽出する直線抽出手段と、
前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する折れ点抽出手段と
を備えるとともに、
前記直線抽出手段は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する手段である情報端末装置として把握することも可能である。
こうして、記憶されている移動経路を情報端末装置の画面上に表示させれば、情報端末装置の保持者をより容易に誘導することが可能となる。
また、上述した本発明の現在位置監視方法あるいは誘導方法は、コンピュータに所定のプログラムを読み込ませて、必要な機能を発揮させることによっても実現可能である。従って、この点に着目すれば、本発明は、コンピュータを用いて各種の機能を発揮させるためのプログラムとして把握することも可能である。すなわち、上述した現在位置監視方法に対応する本発明のプログラムは、
地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した携帯情報端末装置の現在位置を監視する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する第1の機能と、
前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記携帯情報端末装置の移動経路として記憶する第2の機能と、
前記位置特定機能を用いて特定した前記携帯情報端末装置の現在位置と、予め記憶されている前記移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する第3の機能と、
前記算出された偏差距離が、所定の閾値距離より大きい場合には、前記携帯情報端末装置が該閾値距離の範囲外にある旨を、予め登録されている連絡先に連絡する第4の機能と
をコンピュータにより実現させるとともに、
前記第2の機能は、
前記第1の機能によって所定の複数個の座標点が検出されたことを受けて、該座標点から直線を抽出する副機能(2−1)と、
前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する副機能(2−2)と
を備え、
前記副機能(2−1)は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する副機能であることを要旨とする。
また、上述した第1の誘導方法に対応する本発明のプログラムは、
地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した情報端末装置を用いて、該情報端末装置の保持者を誘導する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する機能(A)と、
前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記情報端末装置の移動経路として記憶する機能(B)と、
前記移動経路上で始点に向かう方向または終点に向かう方向の何れか一方を、誘導方向として選択する機能(C)と、
前記位置特定機能を用いて特定した前記情報端末装置の現在位置と、予め記憶されている前記移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する機能(D)と、
前記算出された偏差距離が、所定の閾値距離より小さい場合には、該移動経路に沿って前記誘導方向に進むための方向に関する情報を出力し、該算出された偏差距離が該閾値距離よりも大きい場合には、該現在位置から該移動経路に戻るための方向に関する情報を出力することにより、前記情報端末装置の保持者を誘導する機能(E)と
をコンピュータにより実現させるとともに、
前記機能(B)は、
前記機能(A)によって所定の複数個の座標点が検出されたことを受けて、該座標点から直線を抽出する副機能(B−1)と、
前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する副機能(B−2)と
を備え、
前記副機能(B−1)は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する副機能であることを要旨とする。
また、上述した第2の誘導方法に対応する本発明のプログラムは、
地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した情報端末装置を用いて、該情報端末装置の保持者を誘導する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する機能(ア)と、
前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記情報端末装置の移動経路として記憶する機能(イ)と、
前記移動経路上で始点に向かう方向または終点に向かう方向の何れか一方を、誘導方向として選択する機能(ウ)と、
前記位置特定機能を用いて特定した前記情報端末装置の現在位置と、予め記憶されている前記移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する機能(エ)と、
前記算出された偏差距離が、所定の閾値距離より小さい場合には、該移動経路に沿って前記誘導方向に進むための方向に関する情報を出力し、該算出された偏差距離が該閾値距離よりも大きい場合には、該現在位置から前記終点に向かう方向に関する情報を出力することにより、前記情報端末装置の保持者を誘導する機能(オ)と
をコンピュータにより実現させるとともに、
前記機能(イ)は、
前記機能(ア)によって所定の複数個の座標点が検出されたことを受けて、該座標点から直線を抽出する副機能(イ−1)と、
前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する副機能(イ−2)と
を備え、
前記副機能(イ−1)は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する副機能であることを要旨とする。
このようなプログラムをコンピュータに読み込ませて、上述した各種の機能を実現させれば、携帯情報端末装置の現在位置を監視する機能や、情報端末装置を目的地点に誘導する機能を、大掛かりな装置を用いることなく、簡便且つ手軽に利用することが可能となる。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.実施例の概要:
B.情報端末装置の構成:
C.移動経路記憶処理:
D.移動経路監視処理:
E.移動経路誘導処理:
F:変形例:
A.実施例の概要 :
実施例の詳細な説明に先立って、理解の便宜を図るために、実施例の概要について簡単に説明しておく。図1は、本実施例の携帯情報端末装置100の大まかな構成を示した説明図である。図示されているように、本実施例の携帯情報端末装置100には、「現在位置検出モジュール」や、「移動経路記憶モジュール」、「偏差距離算出モジュール」など複数のモジュールが搭載されている。尚、ここで言う「モジュール」とは、携帯情報端末装置100が内部で行う処理を、機能に着目して便宜的に分類したものであり、従って「モジュール」は、プログラムの一部として実現することもできるし、あるいは、特定の機能を有する論理回路を用いて実現したり、更には、これらを組合せることによっても実現することが可能である。
「現在位置検出モジュール」は、地球の衛星軌道上を周回する3つ以上の人工衛星50からの電波を同時に受け取って、それぞれの人工衛星50までの距離を算出することにより、地球上での緯度および経度を検出して、現在位置を検出する機能を有している。尚、本実施例では、もっぱら人工衛星50からの電波を受け取って現在位置を検出するものとして説明するが、人工衛星50からの電波に限らず、所在地が分かっている発信源からの電波であれば、例えば地上に設けられた電波局からの電波を受け取って現在位置を検出することも可能である。また、「移動経路記憶モジュール」は、「位置特定モジュール」によって時系列的に検出された座標点(すなわち緯度および経度)の集まりを、折れ線によって近似して、その折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された状態で、移動経路として記憶する機能を有している。更に「偏差距離算出モジュール」は、既に記憶されている移動経路が存在する場合に、「現在位置検出モジュール」によって検出された現在位置と、既に記憶されている移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する機能を有している。
「連絡モジュール」は、現在位置から移動経路までの偏差距離が、所定の閾値距離よりも大きいか否かを判断し、偏差距離の方が閾値距離よりも大きいと判断した場合には、その旨、すなわち、携帯情報端末装置100が移動経路から閾値距離の範囲外にある旨を、予め登録されている連絡先に連絡する。ここで、連絡方法としては、予め登録されている電話番号に電話をかけた後、所定の音声データを再生することとしてもよいし、あるいは、予め登録されているメールアドレスに向かって、所定のメールデータを送信することとしても良い。図1では、予め連絡先として登録されていた携帯電話12に向かって、無線基地局14を経由して電話がかけられ、あるいはメールデータが送信される様子が概念的に表現されている。このように、「現在位置検出モジュール」、「移動経路記憶モジュール」、「偏差距離算出モジュール」の3つのモジュールに加えて、「連絡モジュール」を搭載することにより、携帯情報端末装置100の現在位置を監視することが可能となる。
あるいは「現在位置検出モジュール」、「移動経路記憶モジュール」、「偏差距離算出モジュール」の3つのモジュールに加えて、「誘導方向選択モジュール」および「誘導モジュール」を携帯情報端末装置100に搭載すれば、携帯情報端末装置100の保持者を目的地へ誘導するための、簡易なナビゲーション装置として使用することが可能となる。すなわち、「誘導方向選択モジュール」には、予め記憶されている移動経路の始点側に向かって誘導するのか、終点側に向かって誘導するのかを選択する機能が搭載されている。また、「誘導モジュール」には、次のような機能が搭載されている。まず、現在位置と移動経路との距離を示す偏差距離を「偏差距離算出モジュール」から受け取って、その偏差距離が所定の閾値距離よりも大きいか否かを判断する。そして、偏差距離が閾値距離よりも小さいと判断された場合には、携帯情報端末装置100が概ね移動経路に沿った位置にいるものとして、移動経路上を予め選択しておいた誘導方向に進むための方向を出力する。一方、「偏差距離算出モジュール」から受け取った偏差距離が所定の閾値距離よりも大きいと判断された場合には、「誘導モジュール」は、現在位置から移動経路に戻るための方向を出力する。
ここで、方向を出力する形態としては、携帯情報端末装置100の画面上に方向を表示するようにしても良いし、あるいは音声によって出力しても良い。また、出力する内容としては、現在の進行方向(または画面の向き)を基準として、進むべき方向を表示しても良いし、あるいは、単に東西南北のような方位を出力することとしても良い。方位磁石などによって東西南北の方向を知ることができれば、単に方位を出力するだけでも進むべき方向を知ることができる。このように、「現在位置検出モジュール」、「移動経路記憶モジュール」、「偏差距離算出モジュール」に加えて、「誘導方向選択モジュール」および「誘導モジュール」を携帯情報端末装置100に搭載すれば、携帯情報端末装置100を簡易なナビゲーション装置として使用することも可能となる。
加えて、本実施例の携帯情報端末装置100は、現在位置を監視するために用いる場合でも、目的地への誘導のために用いる場合でも、地図データを用いることなく、それぞれの機能を実現することが可能である。加えて、移動経路は、折れ線近似されて、折れ点の緯度および経度によって表された状態で記憶されているので、多数の移動経路を記憶した場合でも、多くの記憶容量を消費することがない。このため、現在位置を監視する機能や、目的地へ誘導する機能を、簡便に且つ手軽に利用することが可能となる。以下では、このような本実施例の携帯情報端末装置100について、詳細に説明する。
B.情報端末装置の構成 :
図2は、携帯電話を例にとって本実施例の携帯情報端末装置100の大まかな構成を示したブロック図である。携帯情報端末装置100には、液晶画面によって構成される表示画面102と、電話をかける等の種々の操作を行うための操作ボタン104と、通話時に用いられる集音マイク106と、通話時あるいは音声データの再生時に用いられるスピーカ108と、無線基地局14(あるいは無線ルータなど)と通信するためのアンテナ110と、着脱可能なメモリカード112など、携帯情報端末装置100を使用するための種々のディバイスが設けられている。
また、携帯情報端末装置100の内部には、これらディバイスを駆動するための駆動回路が設けられている。例えば、表示画面102はビデオドライバ120によって駆動されており、操作ボタン104はボタンキードライバ124によって駆動され、集音マイク106およびスピーカ108はサウンドプロセッサ126によって駆動されている。また、アンテナ110やメモリカード112は、それぞれアンテナドライバ128、カードドライバ130によって駆動されている。本実施例の携帯情報端末装置100では、これらの各種ドライバは、専用のLSIチップによって構成されている。更に、本実施例の携帯情報端末装置100には、いわゆるGPS機能を実現するためのGPSモジュール132や、東西南北の方位を検出するための方位磁石134も搭載されている。GPSモジュール132は、3つ以上のGPS衛星からの電波を受信して各GPS衛星との距離を算出することにより、地球上で携帯情報端末装置100が存在している現在位置の座標点(緯度および経度)を検出することが可能となっている。
これら各種ドライバや、GPSモジュール132、方位磁石134などは、論理演算および算術演算を行うCPU150とデータをやり取り可能に接続されている。また、CPU150には、データを読み出すことはできるが書き込むことはできない不揮発メモリであるROM152と、データの読み出しも書き込みも可能な不揮発メモリであるRAM154とが接続されており、これらの不揮発メモリには、各種の制御プログラムが記憶されている。CPU150は、ROM152あるいはRAM154から制御プログラムを読み出すと、プログラムの実行時に生成されるデータをRAM154に記憶しながら、上述した各種ディバイスの動作を制御することにより、携帯情報端末装置100全体の動作を制御している。
表示画面102には、CPU150で実行されるプログラムに従って、種々の文字や図形などを表示可能となっている。また、後述するように本実施例の携帯情報端末装置100には、地図データを用いることなく、携帯情報端末装置100の現在位置を監視したり、道順を案内する機能が搭載されており、これらの機能は、ROM152に記憶されているアプリケーションプログラムをCPU150が読み出して、読み出したアプリケーションプログラムを実行しながら表示画面102に種々の表示を行うことによって実現されている。
図3は、本実施例の携帯情報端末装置100を用いて現在位置の監視や道順の案内を行う際に、表示画面102に最初に表示される画面を例示した説明図である。図示されているように、表示画面102の中央には、それぞれ「経路記憶」、「監視実行」、「ナビ実行」と表記された3つのボタンが表示されており、以下に説明する操作ボタン104を用いて何れかのボタンを選択することが可能となっている。
図4は、本実施例の携帯情報端末装置100に搭載された各種の操作ボタン104を示した説明図である。図示されているように、携帯情報端末装置100の本体部101には、中央のやや上方寄りの位置にカーソルボタン104dが設けられており、また、カーソルボタン104dの中央には選択ボタン104eが設けられている。カーソルボタン104dを操作することで、表示画面102上のカーソルを上下左右に移動させることができ、選択ボタン104eを押せば、カーソルがある位置の機能を選択することが可能となっている。例えば、図3に示した例では、カーソルが「経路記憶」と表示されたボタン上に存在しているが、カーソルボタン104dを用いてカーソルを移動させることができる。更に、カーソルを合わせた状態で選択ボタン104eを押してやれば、カーソルを合わせた位置に表示されている機能を選択することが可能となっている。
また、カーソルボタン104dの上側には、3つの機能選択ボタン104a、104b、104cが設けられている。これらのボタンは、表示画面102の下部に機能が表示されている場合に有効となり、対応する位置のボタンを押すことによって、表示されている機能を使用することが可能となる。尚、図3に示した例では、表示画面102の下部には機能が表示されていないので、3つの機能選択ボタン104a、104b、104cは何れも無効な状態となっている。
カーソルボタン104dの左下方および右下方には、それぞれ受話器の図形が表示された通話開始ボタン104fおよび通話終了ボタン104gが設けられている。電話の着信中に左側の通話開始ボタン104fを押せば携帯電話として通話することが可能となり、右側の通話終了ボタン104gを押せば通話を終了することができる。また、こちらから電話をかける場合には、「1」〜「0」までの入力ボタン104hを用いて相手の電話番号を入力した後、入力ボタン104hの上方に設けられた通話開始ボタン104fを押すことで、相手を呼び出して通話することが可能となる。尚、電話の通話中は、入力ボタン104hの下方に設けられた集音マイク106が有効となり、こちらの話し声を拾って電気信号に変換した後、電波に載せて送信することができる。また、相手の話し声は表示画面102の上方に設けられた図示しないスピーカ108から音声として再生されるようになっている。
C.移動経路記憶処理 :
上述したように本実施例の携帯情報端末装置100では、地図データを用いることなく、携帯情報端末装置100の現在位置を監視したり、道順を案内することが可能となっている。こうしたことを、地図データを用いることなく可能とするためには、携帯情報端末装置100の移動経路を予め記憶しておく必要がある。ここで移動経路とは、携帯情報端末装置100に搭載されているGPSモジュール132を用いて現在位置を時系列的に検出し、得られた座標点の集まりを折れ線近似して記憶したデータであり、本実施例では、移動経路は、折れ線を構成する複数の折れ点の緯度および経度を示した一連のデータとして記憶されている。このような移動経路を記憶する処理は、図3に例示した画面上で「経路記憶」と表示されたボタンを選択することによって開始される。
図5は、本実施例の携帯情報端末装置100で移動経路を記憶するために実行される処理の流れを示すフローチャートである。前述したように、かかる処理は、CPU150がROM152に記憶されているプログラムを読み出して実行することによって実現される処理である。以下、フローチャートに従って説明する。
移動経路記憶処理では、先ず初めに、現在位置の座標点を計測するための計測モードを設定する処理を行う(ステップS100)。すなわち、図3に示した初期画面上で「経路記憶」と表示されたボタンを選択すると、表示画面102の表示は、座標点の計測モードを設定するための画面に切り換わり、その画面上でカーソルを移動させて選択することにより、計測モードを設定することが可能となっている。
図6は、本実施例の携帯情報端末装置100において計測モードとして設定すべき項目を例示した説明図である。図示されているように、本実施例の携帯情報端末装置100では、「計測精度」および「計測時間間隔」の2つの項目を設定するようになっている。このうち、「計測精度」という項目は、GPSモジュール132を用いて計測する緯度および経度の精度を設定する項目であり、本実施例では、いわゆる一般的なナビゲーションシステムよりも粗い精度で計測する設定と、一般的なナビゲーションシステムと同程度の細かい精度で計測する設定の、2つの設定が可能となっている。詳細には後述するが、本実施例の携帯情報端末装置100では、地図を用いることなく簡易な方法で、現在位置の監視や道順の案内を可能としており、このような簡易な方法では、緯度および経度の計測精度を多少落としても十分に実用可能である。そこで、一般的なナビゲーションシステムよりも粗い精度で計測するか、あるいは一般的なナビゲーションシステムと同程度の精度で計測するかを、予め選択しておくのである。
また、「計測時間間隔」という項目は、GPSモジュール132を用いて現在位置を計測する時間間隔を設定するための項目である。すなわち、GPSモジュール132を用いて計測できるのはあくまでも点の情報(現在位置の緯度および経度)であるため、座標点と座標点との間隔が離れすぎると、それらを折れ線近似して生成した移動経路の精度が低下してしまう。とは言え、移動経路を記憶するためには、単に座標点を検出するだけでなく、座標点を検出する度に新たな折れ点が発生しているか否かを判断しなければならないので、処理の負担が大きくなり過ぎてしまう。従って、移動経路を生成するための処理の負担と、生成した移動経路の精度との兼ね合いから、座標点を検出する間隔は適度に隔たっていることが好ましい。そこで、徒歩で移動している場合には、比較的長い時間間隔で現在位置の座標点を検出し、自転車で移動している場合にはより短い時間間隔で座標点を検出し、自動車で移動している場合には更に短い時間間隔で座標点を検出するように、座標点を計測する時間間隔を設定しておくのである。
尚、本実施例の携帯情報端末装置100では、「計測精度」および「計測時間間隔」の何れの項目については、予め設定されている中から選択することによって、段階的に切り換えるものとしているが、これらの項目を連続的に変更可能としても良い。図5に示した計測モードを設定する処理(ステップS100)では、以上のようにして、現在位置の座標点を計測する際の計測モードを設定する。
計測モードを設定したら、今度は、開始ボタンが押されたか否かを判断する(ステップS102)。本実施例の携帯情報端末装置100では、本体部101の上部右側に設けられた機能選択ボタン104cが、開始ボタンに設定されている。未だ開始ボタンが押されていないと判断された場合は(ステップS102:no)、同じ判断を繰り返しながら、開始ボタンが押されるまで待機状態となる。そして、開始ボタンが押されたことが確認されたら(ステップS102:yes)、GPSモジュール132を用いて、現在位置の座標点(緯度および経度)の検出を開始する(ステップS104)。すなわち、記憶モードを設定した後(ステップS102)、移動経路の始点とする地点まで移動してから開始ボタンを押すことにより、所望の地点から移動経路の記憶を開始することが可能となっている。尚、開始ボタンが押されて移動経路の記憶が開始された後は、機能選択ボタン104cの機能は開始ボタンから終了ボタンに切り換わり、再び機能選択ボタン104cを押すことで、移動経路の記憶を終了させることが可能となる。この点については後述する。
移動経路の記憶を開始すると、以下に説明する直線抽出処理(ステップS104)と折れ点抽出処理(ステップS106)とを繰り返し行うことによって、移動経路を近似する折れ線を生成しながら、折れ線を構成する複数の折れ点を記憶する処理を行う。
図7は、移動経路を記憶するために、複数個の座標点から直線を抽出する処理(直線抽出処理)の流れを示したフローチャートである。図示されているように、直線抽出処理を開始すると、先ず初めに、線分の始点が取得されているか否かを判断する(ステップS130)。このような判断を行っているのは、次のような理由による。先ず、本実施例では、移動経路を折れ線によって近似した状態で記憶する。ここで、折れ線は複数の線分が連なったものであるから、ある線分の終点は同時に次の線分の始点となっており、従って、ほとんどの線分については、既に始点が決定されていて、傾きだけを決定すればよい状態となっている。しかし、折れ線の先頭にある線分についてだけは、前の線分が存在しないため、未だ始点が決定されていない。そこで、直線を抽出するに先立って、先ず、線分の始点が既に取得されているか否かを判断するのである。
その結果、始点が取得されていないと判断された場合は(ステップS130:no)、現在位置の座標点(すなわち、緯度および経度)を計測して、得られた座標点を、線分の始点として記憶する(ステップS132)。尚、このようにして記憶された線分の始点は、同時に、移動経路の始点にもなっている。
こうして始点が取得されているか否かを確認し(ステップS130)、そして、未だ取得されていない場合には始点を取得したら(ステップS132)、移動経路の記憶のために先に設定されている計測モード(図5のステップS100参照)を、直線抽出用の設定に切り換える処理を行う(ステップS134)。図6を用いて前述したように、現在位置の座標点を計測する計測モードとしては、計測精度および計測時間間隔について設定可能となっているが、直線抽出用には、計測時間間隔が「1秒毎」および計測精度が「細かい」の組合せが設定されている。これは、できるだけ短時間にしかも精度良く直線を抽出することを意図したものである。この点については、直線を抽出する方法について説明した後で、補足して説明する。
次いで、直線抽出用の計測時間間隔で、所定個数の座標点を計測した後(ステップS136)、それら座標点から直線の傾きを抽出する(ステップS138)。図8は、所定個数の座標点から直線の傾きを抽出している様子を示した説明図である。図8(a)は、直線の傾きを抽出するために、所定個数の座標点を計測した状態を表している。ここでは、直線の傾きを抽出するために、始点に加えて4個の座標点を用いるものとしており、これに対応して、図8(a)では、始点P0 と、続く4つの座標点P1 〜P4 が計測された状態を表している。もちろん、用いる座標点の個数は、始点を含めて5つである必要はない。座標点の個数が少なくなれば、迅速に直線を抽出することが可能となり、逆に座標点の個数が多くなれば、より適切な直線を抽出することが可能となる。
直線の傾きを抽出するに際しては、始点P0 と、それ以降に計測された各座標点P1 〜P4 とを結んだ4本の線分の傾きを算出する。図8(b)に示したθ1 は、始点P0 と座標点P1 とを結んだ線分の傾きを表している。また、θ2 は、始点P0 と座標点P2 とを結ぶ線分の傾きを表しており、θ3は 、始点P0 と座標点P3 とを結ぶ線分の傾きを、そしてθ4 は、始点P0 と座標点P4 とを結ぶ線分の傾きを表している。このように、始点P0 と各座標点P1 〜P4 とを結ぶ線分の傾きにはバラツキが存在しているが、全体としてはほぼ同じ方向を向いており、携帯情報端末装置100の保持者はその方向に移動していると考えて良い。そこで、これら4本の線分の傾きの平均値を算出し、得られた値θave を直線の傾きとして抽出する。図8(c)には、それぞれの線分の傾きを平均することで、移動方向と考えられる直線の傾きが抽出された様子が示されている。ステップS138では、このようにして、始点に加えて所定個数(ここでは4個)の座標点から、直線の傾きを抽出する処理を行う。既に始点は決定されているから、このようにして直線の傾きを抽出してやれば、直線が抽出されたことになる。そこで、直線抽出用に切り換えた計測モードを、先に移動経路を記憶するためにステップS100で設定しておいた計測モードに戻した後(ステップS140)、図7に示す直線抽出処理を終了して、図5の移動経路記憶処理に復帰する。
尚、図8に示した方法では、始点(図示した例ではP0 点)から各始点(図示した例では、P1 点〜P4 点)への傾きの平均を取ることによって、直線を抽出することとした。しかし、始点からの傾きではなく、続いて検出された座標点間の傾きを求め、これら傾きの平均を算出して直線を抽出しても良い。すなわち、始点P0 から座標点P1 への傾きと、座標点P1 から座標点P2 への傾き、座標点P2 から座標点P3 への傾き、座標点P3 から座標点P4 への傾きをそれぞれ求め、それら傾きの平均を算出する。そして、算出した平均の傾きで、始点P0 から伸びる直線を抽出することも可能である。もっとも、図8に示した方法は、常に始点からの傾きを求めればよいので、上述した方法よりも、傾きを求める処理を簡単にすることができる。また、検出する座標点にも誤差が含まれていることを考えると、隣接する座標点から傾きを求めるよりも、離れた座標点から傾きを求めた方が、座標点の誤差の影響を緩和することが可能であり、従って、より適切な直線を抽出することが可能となる。
尚、上述したように本実施例の直線抽出処理では、始点と所定個数の座標点とに基づいて直線を抽出しているから、所定個数の座標点を計測するまでは、直線を抽出することができない。換言すれば、速やかに直線を抽出するためには、所定個数の座標点をある程度以内の短い時間で計測することが必要となる。前述した直線抽出用の計測モードでは、計測時間間隔が「1秒毎」と短い時間に設定されていたのは、このような点を考慮したためである。また、直線抽出用の計測モードで計測精度が「細かい」に設定されているのは、直線の傾きをできるだけ精度良く算出可能とするためである。もっとも、上述したように、直線の傾きは、複数の線分について得られた傾きを平均して算出しているため、計測精度が「粗い」設定のままでも、それほど大きな弊害が生じることはない。従って、簡便には、計測精度については、予め設定されている内容をそのまま用いることも可能である。
また、上述した直線抽出処理では、必ず始点および所定個数(上述した例では4個)の座標点を用いて直線を抽出するものとしたが、次のようにしても良い。所定個数の座標点については、座標点を計測するたびに、始点とその座標点とを結ぶ線分の傾きを検出しておく。通常は、所定個数の座標点は、何れの座標点についてもほぼ同じような傾きが検出されるが、所定個数の座標点を全て計測する前に、大きく傾きが異なる座標点が検出された場合、あるいは傾きが大きく異なるだけでなく、同じ方向に異なる座標点が続いて検出された場合などには、それら傾きが大きく異なる座標点が計測される前までの座標点だけを用いて、直線を抽出することとしても良い。このようにしておけば、曲がり角の直ぐ後に曲がり角が来るような道を通った場合でも、適切に直線を抽出して移動経路として記憶することが可能となる。
以上のようにして、複数個の座標点から直線を抽出したら(図5のステップS104)、今度は、その直線の終わりを示す座標点(折れ点)を抽出するための折れ点抽出処理を開始する(ステップS106)。
図9は、移動経路を記憶するために、直線の折れ点を抽出する処理(折れ点抽出処理)の流れを示したフローチャートである。折れ点抽出処理を開始すると、先ず初めに、終了ボタンが押されたか否かを判断する(ステップS160)。すなわち、図5を用いて前述したように、移動経路記憶処理の開始前は、機能選択ボタン104cに開始ボタンの機能が割り付けられており、機能選択ボタン104cを押すと、直線抽出処理(ステップS104)が行われ、続いて、折れ点抽出処理(ステップS106)が開始される。また、機能選択ボタン104cを押して直線抽出処理が開始されると、機能選択ボタン104cの機能は、開始ボタンとしての機能から終了ボタンの機能に切り換わり、再び機能選択ボタン104cを押すことによって、移動経路の記憶を終了させることができる。このことと対応して、折れ点抽出処理を開始すると、先ず初めに、機能選択ボタン104c(ここでは、終了ボタンとして機能している)が押されたか否かを判断し(ステップS160)、押されていた場合は(ステップS160:yes)、直ちに折れ点抽出処理を終了する。
終了ボタンが押されていないと判断された場合は(ステップS160:no)、今度は、手動で折れ点を設定するか否かを判断する(ステップS162)。以下に詳しく説明するように、折れ点は所定の時間間隔で計測される座標点の中から自動的に抽出されるものであるが、本体部101の上部左側に設けられた機能選択ボタン104a(図4参照)を押すと、手動で折れ点を設定することも可能となっている。そこで、終了ボタンが押されていないと判断された場合(ステップS160:no)、換言すれば、折れ点抽出処理を継続すると判断された場合は、続いて、折れ点を自動で抽出するのか、あるいは手動で設定するのかを判断するために、機能選択ボタン104aが押されたか否かを確認するのである(ステップS162)。
手動で折れ点を設定しないと判断された場合は(ステップS162:yes)、計測時間間隔が経過したか否かを判断する(ステップS164)。ここで計測時間間隔とは、現在位置の座標点(緯度および経度)を計測する時間の間隔であり、図5を用いて前述した移動経路記憶処理の中で計測モードとして予め設定されている。計測時間間隔が経過していないと判断された場合は(ステップS164:no)、計測時間間隔が経過したことが確認されるまで、そのまま待機状態となる。
そして、計測時間間隔が経過したと判断されたら(ステップS164:yes)、現在位置の座標点を1つ計測した後(ステップS166)、その座標点から、先に直線抽出処理(ステップS104)の中で抽出された直線までの距離を算出する(ステップS168)。そして、算出した距離(偏差距離)と、所定の閾値距離とを比較して、偏差距離が閾値距離よりも小さいか否かを判断する(ステップS170)。その結果、偏差距離(座標点から直線までの距離)が閾値距離より小さいと判断された場合は(ステップS170:yes)、先頭に戻って、終了ボタンが押されたか否かの判断を行い(ステップS160)、その結果に応じて続く一連の処理を行う。一方、算出した偏差距離が閾値距離よりも大きいと判断された場合は(ステップS170:no)、1つ前に計測した座標点を折れ点として記憶する(ステップS172)。
図10は、座標点から直線までの距離を算出して閾値距離と比較することにより、折れ点を抽出している様子を概念的に示した説明図である。図中に示した太い実線は、抽出された直線を表しており、図中の白丸は線分の始点を、そして×印は、直線を抽出するために用いた座標点を表している。折れ点抽出処理では、このように直線が抽出された状態で、座標点を1つ計測する(図9のステップS166に相当)。図10では、直線の抽出後、最初に計測された座標点を、Q1と表記している。次いで、Q1点から直線までの距離が、所定の閾値距離よりも小さいか否かを判断する(図9のステップS170に相当)。図10では、直線から閾値距離Rだけ離れた位置が破線によって示されている。図示されているように、Q1点は破線で示された位置より内側にあるから(図9のステップS170:yesに相当)、次の座標点を計測する(図9のステップS166に相当)。続いて計測された座標点Q2も破線で示された閾値距離Rの範囲内にあるから、更に、次の座標点Q3を計測する。このようにして、次々と座標点を計測していくと、やがて図10に示したQ6点のように、閾値距離Rよりも離れた位置に座標点が計測される(図9のステップS170:noに相当)。直線に沿って移動している限りは、座標点が直線から閾値距離R以上離れることはないと考えられるから、このように直線から閾値距離R以上に離れた座標点が計測されたということは、移動の方向が既に変わっているものと考えられる。そこで、1つ前に計測された座標点(図10ではQ5点)を折れ点として抽出し、その座標点Q5の緯度および経度を記憶する。
図9に示した折れ点抽出処理では、このような操作を繰り返すことによって、折れ点を抽出し、抽出した折れ点の座標を記憶する(図9のステップS172)。そして、抽出した折れ点を新たな直線の始点として設定した後(ステップS174)、折れ点抽出処理を終了して、図5の移動経路記憶処理に復帰する。
また、以上のようにして、計測時間間隔が経過するたびに座標点を計測して折れ点を抽出している間に、携帯情報端末装置100の操作者によって機能選択ボタン104aが押された場合には(ステップS162:yes)、以下のようにして折れ点を手動で設定する処理(手動折れ点設定処理)を開始する(ステップS176)。
図12は、手動折れ点設定処理の流れを示したフローチャートである。手動折れ点設定処理を開始すると、先ず初めに現在位置の座標点を計測する(ステップS180)。すなわち、手動折れ点設定処理は、図9の折れ点抽出処理を行って自動で折れ点を抽出している最中に、携帯情報端末装置100の操作者が現在位置を折れ点として設定しておきたいと判断した場合に、機能選択ボタン104aを押すことによって開始される処理である。そこで、手動折れ点設定処理を開始すると、直ちに現在位置の座標点を計測するのである。
次いで、計測した座標点に「マーク」を設定するか否かを判断する(ステップS182)。ここで「マーク」とは、次のようなものである。本実施例の携帯情報端末装置100では、図5に示す移動経路記憶処理を行うことによって移動経路を記憶するが、このとき、1つの移動経路を複数の領域に分割することが可能となっている。「マーク」とは、移動経路の分割位置を示す目印のようなものである。「マーク」を設定する機能も、折れ点を手動で設定する機能と同様に、本体部101の上部左側に設けられた機能選択ボタン104aに割り当てられている。すなわち、折れ点を手動で設定するために機能選択ボタン104aを押し、続いてもう一度、機能選択ボタン104aを押すと、設定する折れ点に「マーク」が設定されることになる。また、機能選択ボタン104aを2回押した場合だけでなく、機能選択ボタン104aを長押し(一定時間以上、押し続けること)した場合にも、「マーク」を設定することとしても良い。図12のステップS182では、折れ点を手動で設定するために機能選択ボタン104aが押された後、所定の時間内に再び機能選択ボタン104aが押されるか否か、あるいは機能選択ボタン104aが長押しされているか否かを判断する。
そして、所定時間以内に再び機能選択ボタン104aが押されておらず、しかも長押しもされていない場合は、「マーク」を設定しないものと判断して(ステップS182:no)、ステップS180で計測した座標点を通常の折れ点として記憶する(ステップS186)。これに対して、所定時間以内に再び機能選択ボタン104aが押されるか、あるいは長押しされた場合は、「マーク」を設定するものと判断して(ステップS182:yes)、計測した座標点をマーク付きの折れ点として記憶する(ステップS184)。このようにして、手動折れ点設定処理では、マーク付きの折れ点、あるいはマークなしの通常の折れ点の何れかの態様で折れ点が記憶されると、処理を終了して、図9の折れ点抽出処理に復帰する。そして、折れ点抽出処理では、記憶された折れ点を新たな直線の始点として設定した後(ステップS174)、折れ点抽出処理を抜けて、図5に示した移動経路記憶処理に復帰する。尚、前述したように、折れ点抽出処理中に終了ボタン(ここでは、機能選択ボタン104c)が押されたと判断された場合には(図9のステップS160:yes)、直ちに処理を終了して、図5に示した移動経路記憶処理に復帰する。
図5に示されているように、移動経路記憶処理では、折れ点抽出処理(ステップS106)から復帰すると、移動経路の記憶を終了するか否かを判断する(ステップS108)。移動経路の記憶は、上述した折れ点抽出処理の中で、終了ボタン(折れ点抽出処理の実行中は機能選択ボタン104c)を押すことによって終了するようになっている。そこで、図5のステップS108では、折れ点抽出処理の中で終了ボタンが押されていたか否かを判断する。そして、終了ボタンが押されていなかった場合は、その直前に行われた折れ点抽出処理は、終了ボタンが押されたから終了したのではなく、折れ点が抽出されて、その折れ点が新たな線分の始点として設定された(図9のステップS174)ことによって終了したものと考えられるので、移動経路の記憶は未だ終了していないと判断して(ステップS108:no)、新たな直線を抽出するべく、ステップS104に戻って直線抽出処理を開始する。
図7を用いて前述したように、直線抽出処理では、先ず初めに線分の始点が取得されているか否かを判断する(ステップS130)。先に折れ点が抽出されている場合は、その抽出した折れ点が新たな線分の始点に設定されているから(図9のステップS174参照)、始点は取得されていると判断して(図7のステップS130:yes)、計測モードを直線抽出用に設定した後(ステップSS132)、直線抽出用の所定個数の座標点を計測する(ステップS134)。
ここで、折れ点を抽出する際には、直線から閾値距離R以上離れた座標点(図10のQ6点に相当)を検出し、その1つ前に計測された座標点(図10のQ5点に相当)を折れ点としている。従って、新たな直線を抽出する際に、折れ点(新たな直線の始点)を抽出する際に最後に計測された座標点(図10のQ6点に相当)が存在していれば、その座標点を、新たな直線を抽出するために利用することができる。このような場合としては、直前に行われた折れ点抽出処理の中で、折れ点が自動で抽出された場合が該当する。そこで、折れ点抽出処理に続いて直線抽出処理を行う場合には、図7のステップS136では、既に計測されている座標点を含めて、所定個数の座標点を計測すればよい。一方、先に行われた折れ点抽出処理の中で手動によって折れ点が設定された場合には、折れ点の次に検出された座標点は存在していない。あるいは、移動経路の記憶を開始した直後に初めて直線を抽出する場合にも、始点の次に既に検出されている座標点は存在していない。従って、これらの場合には、図7のステップS136では、所定個数の座標点を計測すればよい。
そして、計測した所定個数の座標点から、図10を用いて説明した方法に従って、新たな直線の傾きを抽出した後(図7のステップS138)、計測モードを元のモードに復帰させて(ステップS140)、直線抽出処理を終了する。図11には、折れ点を自動で抽出した後に、その折れ点を始点とする新たな直線を抽出している様子が、概念的に示されている。こうして新たな直線が抽出されると、その直線に対して、新たな折れ点を抽出し、折れ点が抽出されたら、再び図5の移動経路記憶処理に戻って、移動経路の記憶を終了するか、すなわち、折れ点抽出処理の中で終了ボタンが押されたか否かを判断する。
このように、移動経路を記憶する処理は、折れ点抽出処理の中で終了ボタンが押されたと判断されるまで、直線を抽出する処理(ステップS104)と、折れ点を抽出処理(ステップS106)とを繰り返すことによって何時までも継続する。そして、やがて、終了ボタンが押されたと判断されたら、移動経路の記憶を終了するものと判断して(ステップS108:yes)、記憶した移動経路のタイトルを設定する(ステップS110)。
図13は、本実施例の携帯情報端末装置100の表示画面102に、移動経路のタイトルを設定する画面が表示された様子を表している。図示されているように、タイトルを設定する画面には、移動経路の始点と、終点とを設定する欄が設けられており、これらの欄に始点および終点の名称を書き込むことで、移動経路のタイトルが自動的に設定されるようになっている。尚、図13に示されているように、タイトルの設定画面が表示されている状態で、本体部101の上部左側の機能選択ボタン104aを押せば、入力形態を漢字や平仮名あるいはカタカナによる入力に切り換えることができ、機能選択ボタン104bを押せば、アルファベットまたは数字による入力に切り換えることができる。そして、2つの欄に始点および終点を入力したら、本体部101の上部右側の機能選択ボタン104cを押すことにより、移動経路のタイトルを確定する。図5に示した移動経路記憶処理では、このようにして、移動経路のタイトルを設定した後(ステップS110)、全ての処理を終了する。その結果、携帯情報端末装置100のRAM154には、移動経路のデータが記憶されることになる。
図14は、上述した本実施例の移動経路記憶処理を行うことによって、自宅から学校までの道順が、移動経路として記憶された様子を概念的に表した説明図である。図中に示した白丸は、移動経路の始点および終点を表しており、黒丸は折れ点を表している。また、黒丸の二重丸は「マーク」付きの折れ点を表している。図示されているように、自宅から学校までの移動経路が、始点、終点、および10個の折れ点によって表されている。また、移動経路の途中にあるB2点およびB6点には「マーク」が付されていることから、移動経路は、始点からB2点(図示した例では、自宅から住宅街を出た辺り)までと、B2点からB6点(住宅街から公園)までと、B6点から終点(公園から学校)までの、3つの領域に区分されて記憶されていることになる。
図15は、移動経路が記憶されているデータ構造を示した説明図である。図示されているように移動経路は、複数の座標点の緯度および経度が連続したデータとして記憶されている。また、本実施例では、座標点の緯度および経度に合わせて、移動経路の記憶を開始してから各座標点を計測するまでの経過時間も記憶されている。更に、「マーク」が付された座標点には、その旨を表すフラグが設定されている。このように移動経路を、始点、折れ点、および終点によって表すことで、極めて少ないデータ量で移動経路を記憶しておくことが可能となる。
D.移動経路監視処理 :
以上のようにして記憶しておいた移動経路を用いれば、携帯情報端末装置100の現在位置を、地図データを用いることなく監視することが可能となる。以下では、移動経路を用いて、携帯情報端末装置100の現在位置を監視するために行われる処理について説明する。
図16は、本実施例の携帯情報端末装置100で移動経路を用いて現在位置を監視するために実行される処理の流れを示すフローチャートである。この移動経路監視処理は、図3に例示した画面上で「監視実行」と表示されたボタンを選択すると、CPU150がROM152に記憶されているプログラムを読み出すことによって実行される処理である。以下、フローチャートに従って説明する。
移動経路監視処理では、先ず初めに、監視に用いる移動経路や監視モードを設定する処理を行う(ステップS200)。これらの設定は、表示画面102の表示を確認しながら、画面上で行うことができる。
図17は、本実施例の携帯情報端末装置100において、監視を行うための移動経路を選択している画面を例示した説明図である。移動経路の選択画面では、既に記憶されている複数の移動経路のタイトルが、選択可能な状態で表示されている。本体部101のカーソルボタン104dを操作して、選択しようとする移動経路にカーソルを合わせた後、選択ボタン104eを押すことにより、監視に用いる移動経路を選択することができる。移動経路を選択すると、携帯情報端末装置100の表示画面102には、監視モードを設定するための画面が表示される。
図18は、本実施例の携帯情報端末装置100において、監視モードを設定する際に表示される画面を例示した説明図である。図示されているように、監視モードとしては、携帯情報端末装置100が監視領域外に出た場合に、予め設定されている連絡先に通報するか否か、および、監視領域内に居る場合にも通報を行うか否かを設定する。また、監視領域内に居る場合にも通報する場合には、所定時間毎に通報するのか、あるいは移動経路の設定された領域を跨ぐ際に通報するのかについても設定するようになっている。監視モードは、標準の状態では、携帯情報端末装置100が監視領域に出る際に通報し、また監視領域内に居る場合でも、領域を跨ぐ際には通報するように設定されている。更には、記憶済みの移動経路を修正するために、移動経路の監視中に実際に通った経路を記憶しておくか否かを設定することも可能である。すなわち、経路蓄積ありを選択しておけば、監視中に実際に通った経路が蓄積され、経路蓄積なしを選択した場合には、経路の蓄積は行われないようになっている。
図16のステップS200では、これら移動経路および監視モードを設定する処理を行う。次いで、開始ボタンが押されたか否かを判断する(ステップS202)。移動経路監視処理においても、図5を用いて前述した移動経路記憶処理の場合と同様に、携帯情報端末装置100の本体部101の上部右側に設けられた機能選択ボタン104cが、開始ボタンに設定されている。未だ開始ボタンが押されていないと判断された場合は(ステップS202:no)、同じ判断を繰り返しながら、開始ボタンが押されるまで待機状態となり、開始ボタンが押されたことが確認されたら(ステップS202:yes)、GPSモジュール132を用いて、現在位置の緯度および経度の計測を開始する(ステップS204)。また、前述した移動経路記憶処理と同様に、移動経路監視処理においても、開始ボタンが押された後は、機能選択ボタン104cの機能は開始ボタンから終了ボタンに切り換わるようになっている。
尚、移動経路および監視モードを設定する処理では、前回の監視に用いた設定内容を記憶しておき、図16に示した移動経路監視処理の起動後、所定時間が経過しても移動経路および監視モードが設定されない場合には、前回の監視に用いた設定内容を読み出して、以降の処理を行うこととしても良い。同様に、所定時間が経過しても開始ボタンが押されない場合には、開始ボタンが押されたものとして(ステップS202:yes)、以降の処理を行うこととしても良い。こうすれば、図3に示した画面上で「監視実行」と表示されたボタンが押されたにも拘わらず、移動経路および監視モードが設定されなかったり、あるいは開始ボタンが押されないために、実際には監視が行われないといった事態を回避することが可能となる。
移動経路監視処理では、現在位置の緯度および経度を計測すると、今度は、現在位置から移動経路までの距離を算出する(ステップS206)。前述したように、移動経路は折れ線の形態で記憶されているから、折れ線を構成する複数の線分の中で、現在位置に最も近い線分を抽出し、現在位置からその線分に向かって垂線を下ろして、垂線と線分との交点の座標値を算出する。そして、こうして求めた座標値と、現在位置の座標値とに基づいて、2つの座標点の距離を算出する。
尚、本実施例の移動経路監視処理では、現在位置から移動経路までの距離を算出することによって監視を行っている。従って、開始ボタンを押す位置は、必ずしも移動経路の始点あるいは終点である必要はない。例えば、監視する移動経路として「自宅」と「学校」とをつなぐ経路が選択された場合を例に取ると、「自宅」または「学校」に居るときに開始ボタンを押す必要はなく、選択された監視経路の近傍でありさえすれば、何処で開始ボタンが押された場合でも、移動経路までの距離を算出して、その位置から監視を開始することが可能である。
次いで、算出した距離が、閾値として定められている所定値(閾値距離)以下か否かを判断する(ステップS208)。閾値距離の値は、必要に応じて種々の値に設定することができるが、通常であれば、1メートルから50メートルまでの範囲内から選択された適切な値に設定される。そして、現在位置から移動経路までの距離が、所定の閾値距離よりも小さいと判断された場合は(ステップS208:yes)、現在位置の属する領域を検出する(ステップS212)。図5を用いて前述したように、本実施例の携帯情報端末装置100では、移動経路を記憶する際に、手動で設定した折れ点に「マーク」を付加することで、1本の移動経路を複数の領域に区分することが可能となっている。そこで、携帯情報端末装置100の現在位置が移動経路の近傍にあると判断された場合は(ステップS208:yes)、現在位置が、移動経路の何れの領域にあるかを検出するのである(ステップS212)。
図19は、現在位置が属する領域を検出している様子を概念的に示した説明図である。図示されているように、現在位置が属する領域は、移動経路を構成する複数の線分の中から、現在位置までの距離が最も短い線分を抽出し、その線分が何れの領域に含まれているかを調べることによって検出することができる。移動経路上で、現在位置までの距離が最も短い線分は、現在位置から移動経路までの距離を求める際に既に決定されているので、その線分が含まれる領域を調べるだけで、現在位置が属する領域を決定することができる。図19に示した例では、現在位置は、領域3(公園から学校までの領域)に属している場合が示されている。
こうして現在位置が属する領域を検出したら(図16のステップS212)、予め登録しておいた連絡先に向かって、検出した領域を連絡する(ステップS214)。連絡する形態としては、種々の形態で行うことができる。例えば、予め登録しておいた電話番号に自動で電話をかけて、検出した領域を、予め登録しておいた音声によって連絡しても良い。あるいは、予め登録しておいたメールアドレスに向かって、検出した領域を示すメールデータを送信することによって連絡することも可能である。一方、現在位置から移動経路までの距離が所定の閾値距離よりも小さいと判断された場合は(ステップS208:no)、監視している移動経路から外れた旨を、登録しておいた連絡先に連絡する(ステップS210)。
次いで、計測時間間隔が経過したか否かを判断する(ステップS216)。ここで計測時間間隔とは、ステップS204で現在位置の緯度および経度を計測するために設定されている所定の時間である。ステップS216で、計測時間間隔が経過したと判断される度に(ステップS216:yes)、ステップS204に戻って現在位置の座標点(緯度および経度)が計測され、現在位置から移動経路までの距離が閾値距離と比較されることから(ステップS208)、結局、計測時間間隔毎に携帯情報端末装置100の現在位置が監視されることになる。
一方、計測時間間隔が経過していないと判断された場合は(ステップS216:no)、終了ボタンが押されたか否かを判断する(ステップS218)。前述したように、開始ボタンが押されるまでは、機能選択ボタン104cが開始ボタンに設定されているが、開始ボタンが押されて現在位置の監視が開始された後は、機能選択ボタン104cの設定は、開始ボタンから終了ボタンに切り換わる。そこで、ステップS218では、機能選択ボタン104cが押されたか否かを判断する。そして、終了ボタンが押されていないと判断された場合は(ステップS218:no)、ステップS216に戻って、計測時間間隔が経過したか否かを判断し、計測時間間隔が経過していれば(ステップS216:yes)、ステップS204に戻って現在位置の緯度および経度を計測し、続く一連の処理を行う。
図16に示した移動経路監視処理では、こうした処理を繰り返し実行することにより、計測時間間隔が経過する度に、携帯情報端末装置100が移動経路から外れていないか、移動経路に沿って進んでいる場合は、移動経路上の何れの領域に居るかについての情報が、予め登録しておいた連絡先に連絡されることになる。そして、終了ボタンが押されたと判断されたら(ステップS218:yes)、図16に示した移動経路監視処理を終了する。尚、図18を用いて説明した監視モードの設定において、領域内の監視は行わない旨が設定されていた場合には、現在位置から移動経路までの距離が閾値距離より大きくなった場合にだけ、その旨を連絡するようにすればよい。逆に、領域外の監視は行わない旨が設定されていた場合には、現在位置から移動経路までの距離が閾値距離より小さい場合にだけ、現在位置の属する領域を連絡すればよい。
以上に説明した本実施例の移動経路監視処理では、携帯情報端末装置100のメモリに移動経路を記憶しておくだけで、計測した現在位置と、記憶されている移動経路とを比較することにより、地図データを用いることなく携帯情報端末装置100の現在位置を監視することが可能である。地図データが不要となれば、取り扱うデータ量を抑制することができるので、携帯情報端末装置100のようなメモリ容量の制約の大きな機器によっても、容易に移動経路の監視を行うことが可能となる。また、移動経路も折れ線で近似しているために、少ないデータ量で記憶しておくことが可能であり、この点からも携帯情報端末装置100のメモリ容量を大きく節約することができる。更に加えて、地図データサーバも不要となるので、監視を行うための全体のシステムを簡素なものとすることが可能となる。
尚、以上に説明した移動経路監視処理では、計測時間間隔が経過する度に、何らかの連絡が、登録しておいた連絡先に向かって行われるものとして説明した。しかし、監視している対象が、移動経路から外れた場合はともかく、移動経路に沿って進んでいるにも計測時間間隔が経過する度に連絡されるのでは、監視する側も煩雑に感じられる場合が起こり得る。そこで、監視対象の携帯情報端末装置100が移動経路から所定の閾値距離以内にある場合には、移動経路の領域を跨ぐ場合にだけ、途中経過報告として連絡するようにしても良い。
例えば、図19に示した例では、移動経路は「領域1」、「領域2」、「領域3」の3つに区分されており、自宅から学校に向かって移動する場合には、学校にたどり着くまでの間に、現在位置の属する領域が「領域1」から「領域3」へと切り換わる。逆に、学校から自宅に戻る場合には、現在位置の属する領域が「領域1」から「領域3」へと切り換わる。そして、移動経路に沿っての移動中に、領域が切り換わったと判断された場合には、予め登録しておいた連絡先に向けて、現在位置の属する領域を連絡する。こうすれば、連絡を受けた側では、領域の連絡を受けることによって、ちょうど今、連絡のあった領域に差し掛かったことを知ることが可能となる。
尚、移動経路から閾値距離より離れた領域に出た後、再び閾値距離の範囲内に戻った場合にも、現在位置の属する領域が切り換わったものと判断しても良い。このようにした場合、一旦、移動経路から離れた旨を連絡した後、移動経路の近傍に戻った場合にも、その旨の連絡をすることができるので、連絡を受ける側では、移動経路の近くまで戻ったこと、および現在、移動経路上のどの辺りにいるかについて、認識することが可能となる。
また、上述した移動経路監視処理では、監視に用いる移動経路を1つ選択し、選択した1つの移動経路を監視するものとして説明した。これに対して、携帯情報端末装置100に記憶されている複数の移動経路を選択し、これら複数の移動経路を監視対象に設定して、複数の移動経路内に監視対象者が居るか否かについてを監視するようにしても良い。
E.移動経路誘導処理 :
本実施例の携帯情報端末装置100には、移動経路に従って、目的地への道順を案内する機能(ナビゲーション機能)も搭載されている(図3参照)。目的地への道順を案内する場合でも、地図を用いることなく案内することができるので、地図データサーバに接続して地図データを読み込む必要が無く、手軽にナビゲーション機能を利用することができる。加えて、地図データを用いないことから、取り扱うデータ量を抑制することができるので、メモリ容量に大きな制約を受ける機器によっても、十分に実用的なナビゲーション機能を利用することが可能となる。以下では、本実施例の携帯情報端末装置100において、移動経路に基づいて目的地への道順を案内する場合に行われる処理について詳しく説明する。
図20は、本実施例の携帯情報端末装置100において移動経路に従って目的地への道順を案内するために行われる移動経路誘導処理の一部を示すフローチャートである。また、図21は、本実施例の携帯情報端末装置100で行われる移動経路誘導処理の残りの部分を示すフローチャートである。これらの処理は、携帯情報端末装置100の表示画面102上に、図3に示した画面が表示されている状態で、「ナビ実行」と表示されたボタンを選択すると、CPU150がROM152に記憶されているプログラムを読み出すことによって行われる処理である。以下、フローチャートに従って説明する。
移動経路誘導処理を開始すると、先ず初めに、誘導に用いる移動経路および誘導方向を選択する処理を行う(ステップS300)。移動経路および誘導方向の選択は、携帯情報端末装置100の表示画面102上から行うことができる。
図22は、本実施例の携帯情報端末装置100において移動経路誘導処理を開始すると、初めに、移動経路および誘導方向を選択するための画面が表示画面102に表示された様子を示す説明図である。図示されているように、表示画面102には、既に記憶されている複数の移動経路のタイトルが、選択可能な状態で表示されている。また、図13を用いて前述したように、本実施例の携帯情報端末装置100では、移動経路の始点および終点が、移動経路のタイトルとして設定されている。例えば、図22に示した1番目の移動経路には、自宅を始点として学校を終点とする移動経路が記憶されている。また、2番目の移動経路には、自宅から駅前までの移動経路が記憶されている。これら既に記憶されている移動経路のタイトルを見ながら、所望の移動経路にカーソルを合わせて選択ボタン104eを押すことによって、移動経路を選択する。
また、誘導方向は、表示画面102の下部に表示された「正順」あるいは「逆順」の何れかのボタンを選択することによって指定する。これらのボタンは、携帯情報端末装置100の本体部101の上方左側の機能選択ボタン104a、あるいは、上方右側の機能選択ボタン104cを押すことによって選択することができる。「正順」と表示されたボタンを選択した場合には、移動経路の始点から終点に向かう方向に誘導され、「逆順」と表示されたボタンを選択した場合には、移動経路の終点から始点に向かう方向に誘導されることになる。
こうして移動経路と誘導方向とが選択されたら、続いて、開始ボタンが押されたか否かを判断する(ステップS302)。移動経路誘導処理においても、前述した移動経路記憶処理あるいは移動経路監視処理と同様に、本体部101の上部右側に設けられた機能選択ボタン104cが、開始ボタンに設定されている。そして、開始ボタンが押されていない場合は(ステップS302:no)、開始ボタンが押されるまで待機状態となり、開始ボタンが押されたことが確認されたら(ステップS302:yes)、現在位置の座標点(緯度および経度)を計測する(ステップS304)。
次いで、計測した現在位置の座標点から移動経路までの距離を算出する(ステップS306)。移動経路までの距離は、前述した移動経路監視処理の場合と同様にして算出することができる。次いで、算出した距離と閾値距離との大小関係を比較する(ステップS308)。そして、算出した距離が閾値距離よりも小さいと判断された場合には(ステップS308:yes)、移動経路に沿って目的地へと誘導する画面を、表示画面102上に表示する(ステップS310)。
図23は、移動経路に沿って目的地へと誘導する画面を例示した説明図である。図23(a)は、移動経路に沿って進むためには、このまま真っ直ぐに進めばよいことを示す画面であり、図23(b)は、斜め右方向に進めばよいことを示す画面である。このような画面は次のようにして表示されている。まず、移動経路上の座標点の中から、現在位置から誘導方向に見て、最も近い折れ点を検出する。そして、現在位置と検出した折れ点との相対座標を算出して、進むべき方向を決定する。次いで、内蔵されている方位磁石134を用いて、携帯情報端末装置100の向きを検出し、表示画面102上に表示する矢印の向きを決定する。あるいは、方位磁石134を用いて携帯情報端末装置100の向きを検出する代わりに、1つ前に現在位置として計測した座標点と、今回、現在位置として計測した座標点とを結ぶ方向を検出し、この方向を携帯情報端末装置100の向きであると仮定して、表示画面102上に表示する矢印の向きを決定しても良い。
また、図23に示されているように、本実施例の携帯情報端末装置100では、画面の下部に、目的地までの直線距離と、大まかな所要時間も表示されるようになっている。これらの表示内容は、次のようにして決定されている。まず、現在位置の緯度および経度は分かっており、また、目的地の座標値も、記憶されている移動経路から知ることができる。すなわち、誘導方向が「正順」であれば、移動経路の終点が目的地であり。誘導方向が「逆順」であれば移動経路の始点が目的地となる。従って、移動経路として記憶されている座標値の中から、目的地の座標値を選び出し、現在位置の座標値との偏差を求めれば、目的地までの直線距離を算出することができる。
更に、目的地への大まかな所要時間は、次のようにして求めることができる。図15に示したように、移動経路には、折れ点の緯度および経度に加えて、移動経路の記憶を開始してからの経過時間も記憶されている。従って、現在位置が何れの折れ点の近傍にあるかが分かれば、あるいは何れの折れ点の間にあるかが分かれば、現在位置から目的地に到着するまでの大まかな所要時間を求めることができる。図23に示した目的地までの直線距離および所要時間は、このようにして求めた数値が表示されている。
現在位置が、移動経路から閾値距離以内の範囲にある場合は(ステップS308:yes)、このようにして、図23に示すような誘導画面を表示する(ステップS310)。一方、現在位置が、移動経路から閾値距離の範囲外にあると判断された場合は(ステップS308:no)、移動経路への復帰画面を、表示画面102上に表示する(ステップS312)。
また、矢印に加えて、現在位置の近傍にある線分と、その線分の終点(すなわち、折れ点)の向こう側にある線分とを読み出して、画面上に表示するようにしても良い。図24には、移動経路として記憶されている折れ線の少なくとも一部を画面上に表示した様子を例示した説明図である。図示した例では、現在位置の近傍にある線分L1 と、折れ点P5 を介して向こう側の線分L2 とからなる折れ線によって、移動経路が表示されている。図示した例では、現在位置の近傍にある線分L1 と、折れ点P5 を介して向こう側の線分L2 とは、異なる態様で(例えば、線の太さや、線の色、あるいは線種などを異ならせて)表示されている。このため、現在、移動経路のどの辺りを進んでいるのか、大まかな情報や、進む方向などを予め把握することができる。もちろん、折れ点を介して隣接する線分だけでなく、より遠くまで(あるいは目的地まで)の線分を表示して、大まかな道順を表示しても良い。更には、現在位置の座標値から折れ点P5 までの距離を算出し、その結果を、図24に示されているように画面上に表示することとしても良い。
図25は、移動経路に復帰するために表示される画面を例示した説明図である。図25(a)は、斜め右方向に進めば移動経路に戻れる旨を表示した画面であり、図25(b)は、真っ直ぐ進めば移動経路に戻れる旨を表示した画面である。また、表示されている方向が、移動経路上を目的地に向かって進むための方向ではなく、移動経路に戻るための方向であることを明確にするために、図25では矢印が破線によって表示され、矢印の進む先には移動経路をイメージさせる太い線が表示されている。
移動経路へ復帰するための画面に表示される矢印の向きは、次のようにして決定されている。まず、現在位置から、移動経路上の最も近い線分を検出する。そして、この線分に向かって現在位置から垂線を下ろして交点を検出し、現在位置と交点との相対座標を算出して、移動経路に戻るための方向を決定する。次いで、内蔵されている方位磁石134を用いて、携帯情報端末装置100の向きを検出し、表示画面102上に表示する矢印の向きを決定する。また、図25に示されているように、移動経路に復帰するための画面にも、現在位置から移動経路までの直線距離が表示されるようになっている。ここに表示される距離は、図20に示した移動経路誘導処理のステップS306において算出された距離を、そのまま表示すればよい。尚、方位磁石134を使用する代わりに、ジャイロを内蔵しておき、携帯情報端末装置100の向きを判断して、表示画面102上に矢印を表示するようにしても良い。更には、所定時間内に複数箇所(代表的には2箇所あるいは3箇所)で取得した座標点の差異に基づいて、演算により進行方向を予測し、予測結果に基づいて矢印を表示することも可能である。通常、携帯情報端末装置100の保持者は、携帯情報端末装置100を進行方向に向けて半ば掲げるようにして、表示画面102の表示を見ながら進むものと考えられるから、表示画面102の上部が、演算によって求めた進行方向を向いているものと仮定して、移動経路に戻るための向きを矢印で表示することも可能である。更には、このような場合には、表示画面102に表示された矢印の向きは、表示画面102の上部を進行方向に向けたときに、移動経路の戻るための方向を示している旨を、表示画面102上に表示するようにしても良い。
また、以上の説明では、移動経路への復帰画面を表示するために、先ず移動経路を構成する複数の線分の中で現在位置から最も近い線分を検出し、次いで、現在位置からその線分に復帰する方向を示すものとして説明した。しかし、これに代えて、現在位置から誘導方向に向かって最も近い折れ点を検出して、その折れ点に向かう方向を表示することとしても良い。こうしておけば、現在位置と移動経路との位置関係によっては、目的地とは逆方向に戻ってしまうことも回避することができる。また、現在位置から線分へ下ろした垂線の足(垂線と線分との交点)を算出する必要もないので、携帯情報端末装置100内での処理負担を軽減することも可能となる。
もちろん、本実施例の移動経路誘導処理では、地図データを使用しないので、特に移動経路から外れてしまった場合には、表示された方向の道が存在するとは限らない。例えば、移動経路に戻るためには右斜め方向に進めばよい旨が表示されたとしても、右斜め方向に進む道が存在しなければ、右斜め方向に進むことはできない。しかし、このような場合でも、現在位置が移動経路から離れていること、および移動経路に戻るためにはどちらの方向に進めばよいかを知るだけで、十分に道案内の役に立てることができる。例えば、右斜め方向の表示が出たにも拘わらず、そちら方向に向かう道が無かった場合には、取り敢えずそのまま直進し、右折する道に出たところで右折すれば、全体として右斜め方向に進んだことになるので、やがて移動経路に戻ることが可能となる。
あるいは、移動経路に戻るための方向を表示する代わりに、目的地が何れに方向にあるかを、表示画面102に表示するようにしても良い。たとえ移動経路から外れてしまった場合でも、取り敢えず、目的地に向かって進んでいれば、やがて移動経路の近傍に戻ることができるので、目的地の方向を表示してもよい。もちろん、移動経路に戻るための方向と、目的地の方向とを同時に表示することも可能である。
以上のようにして、移動経路に沿って誘導する画面、あるいは移動経路に戻るための画面を表示したら(ステップS310、ステップS312)、計測時間間隔が経過したか否かを判断する(ステップS312)。ここで計測時間間隔とは、図23あるいは図25に例示した表示画面102の表示を更新する間隔に設定されている所定の時間である。前述した移動経路監視処理と同様に、移動経路誘導処理においても、計測時間間隔は、比較的長い値の固定時間に設定されている。そして、計測時間間隔が経過したと判断された場合は(ステップS314:yes)、ステップS304に戻って現在位置の緯度および経度を計測した後、上述した続く一連の処理を行うことにより、表示画面102の画面の表示を更新する。
一方、計測時間間隔が経過していないと判断された場合は(ステップS314:no)、今度は、地図を読み込むか否かを判断する(図21のステップS316)。図23あるいは図25に示されているように、表示画面102の下方左側には「地図」と表示されたボタンが設けられており、このボタンを選択すると、地図を読み込むものと判断される(ステップS316:yes)。そして、この場合は、現在位置から目的地までの範囲を含む地図データを読み込む処理を行う(ステップS318)。すなわち、無線基地局14を介してインターネットなどの通信回線上に設けられた地図データサーバに接続した後、地図データサーバに対して、現在位置および目的地の座標値を出力することによって、現在位置および目的地を含んだ地図データを選択する。次いで、選択した地図データを、無線基地局14を介して取り込んで、携帯情報端末装置100のメモリ(RAM154や、メモリカード112など)に記憶する。
こうして地図データを読み込んだら、地図データに基づいて現在位置周辺の地図を表示画面102に表示するとともに、地図上に現在位置および目的地を表示する(ステップS320)。このとき、現在位置および目的地に加えて、移動経路も表示することとしても良い。また、地図が大きいために、表示画面102上に全てを表示できない場合は、表示画面102で地図をスクロール可能な形式で表示すればよい。
図26は、地図データサーバから読み込まれた地図が表示画面102上に表示されている様子を例示した説明図である。図中に示した黒い矢印は、現在位置を表している。このように、地図データサーバからは、現在位置と目的地(学校)とを含むような地図データが読み込まれて表示画面102に表示される。また、図中に示した一点鎖線は、移動経路を表している。本実施例の携帯情報端末装置100では、仮に移動経路に戻れなくなってしまった場合や、何らかの理由で地図を確認したくなった場合などには、直ちに現在位置を含む地図を、表示画面102上で確認することが可能となっている。
図21のステップS316で、地図を読み込むと判断された場合は、こうして表示画面102に地図を表示させた後(ステップS320)、続いて、地図を閉じて良いか否かを判断する(ステップS322)。図26に示されているように、表示画面102の下方左側には「閉じる」と表示されたボタンが設けられており、表示画面102に表示されている地図を閉じて良い場合には、本体部101の上部左側に設けられた機能選択ボタン104aを押すことによって、「閉じる」ボタンを選択することが可能となっている。「閉じる」ボタンが選択されていない場合は(ステップS322:no)、ボタンが選択されるまで、そのまま待機状態となる。このため、携帯情報端末装置100の操作者は、必要なだけ時間をかけて地図を確認することができる。
そして、操作者が十分に地図を確認したら、「閉じる」ボタンが選択されるので、地図を閉じて良いものと判断して(ステップS322:yes)、今度は、終了ボタンが押されたか否かを判断する(図20のステップS324)。前述したように、終了ボタンは、本体部101の上部右側に設けられた機能選択ボタン104cに設定されている。そして、終了ボタンが押されていないと判断された場合は(ステップS324:no)、ステップS314に戻って、計測時間間隔が経過したか否かを判断し、計測時間間隔が経過していれば(ステップS314:yes)、ステップS304に戻って現在位置の緯度および経度を計測した後、表示画面102の表示を更新する(ステップS310、またはステップS312)。こうした処理を繰り返して実行し、終了ボタンが押されたと判断されたら(ステップS324:yes)、図20および図21に示した移動経路監視処理を終了する。
図20および図21に示した移動経路誘導処理では、以上のような処理を実行しており、その結果、移動経路に従って目的地まで誘導することが可能となっている。以上に説明した移動経路誘導処理によれば、予め記憶しておいた移動経路に従って、目的地まで誘導することができる。このため、地図データを用いる必要が無く、メモリ容量は処理能力の乏しい機器を用いた場合でも、軽快なナビゲーション機能を実現することが可能となる。もちろん、地図データを読み込んで表示画面102に表示させることで、必要に応じて地図を確認することも可能である。このとき、自動的に地図を用いたナビゲーション機能に切り換えることとしても良いが、既に地図で確認しているので、移動経路を用いて誘導するだけでも、容易に目的地に到着することが可能となる。
F.変形例 :
以上に説明した実施例では、始点を抽出すると、その始点から、続いて計測された座標点への方向を検出し、複数個の座標点について求めた方向を平均することによって、直線を抽出するものとして説明した。このような方法では、一旦、始点を抽出すると、その始点の位置は確定したものとして、その始点から伸びる直線を抽出していることになる。これに対して、始点の位置を固定することなく直線を抽出し、抽出結果を受けて始点の位置を確定することとしても良い。
図27は、変形例の方法によって直線を抽出している様子を概念的に示した説明図である。図27(a)は、始点P0 に続いて計測された4つの座標点を検出し、これら座標点に対して最小二乗法を適用することによって、直線を抽出している様子を表している。こうして直線を抽出したら、前述した実施例と同様にして、新たな座標点を計測するたびに、その座標点が直線によって近似可能か否か、すなわち、直線から所定の閾値距離以上離れているか否かを判断する。そして、直線によって近似できない座標点(閾値距離以上離れた座標点)が検出されたら、一つ前に計測された座標点を新たな始点として抽出し、その始点に続いて計測された所定の複数個の座標点に対して最小二乗法を適用することにより、新たな直線を抽出する。
図27(b)は、このようにして新たな直線が抽出された様子を表している。前述した実施例とは異なり、直線を最小二乗法によって抽出しているために、抽出した直線は、もはや先に検出した始点を通過するとは限らない。そこで、抽出した直線と、先に抽出した直線との交点を検出し、この交点を最終的に確定された折れ点として抽出する。
図28は、変形例の方法によって折れ点を抽出しながら移動経路を記憶する様子を示した説明図である。図中に示した黒丸は、携帯情報端末装置100が時系列的に計測した座標点を表している。今、紙面上で左下から右上の方向に向かって移動しているとする。この方向に進んでいる間は、直線で近似することが可能である。ところが交差点を曲がると、もはや直線では近似できなくなるから、所定個数(図28では4個)の座標点を検出して、新たな直線を抽出する。そして、新たに抽出した直線と、一つ前に抽出されていた直線との交点を求め、その交点を、折れ点として確定する。図中に示した白丸は、こうして確定された折れ点を表している。図示されているように、移動経路に沿って複数の座標点が計測されているが、適切な折れ点は、必ずしも実際に計測された座標点の中に存在しているとは限らない。そこで、計測した座標点は直線を抽出するために使用し、折れ点は、座標点の中から選択するのではなく、直線から交点を算出して生成する。こうすれば、移動経路を折れ線によって、より適切に近似することが可能となる。
以上、本発明について各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上述した移動経路監視処理、あるいは移動経路誘導処理においては、予め移動経路を記憶しておき、この移動経路を読み出して、監視あるいは誘導に使用するものとして説明した。しかし、移動経路のデータはデータ量もそれ程大きなものではないので、他の携帯情報端末装置100に記憶されている移動経路のデータを、通信回線を介して取り込んで、監視あるいは誘導に利用することも可能となる。こうすれば、例えば道順を説明する場合にも、電話などで説明する代わりに、移動経路のデータを相手の携帯情報端末装置100に送信することで、簡単に且つ正確に道順を伝えることも可能となる。
また、ナビモードの最中にも、時系列的に計測した座標点から折れ線を生成して記憶しておき、複数回に亘って蓄積した結果に基づいて移動経路を修正するようにしても良い。例えば、同じ経路を辿っている限りは、ほぼ同じような位置に折れ点が抽出されるものと考えられる。換言すれば、各折れ点は、異なる折れ線の折れ点であっても、同じような位置に固まって抽出される傾向がある。そこで、これら固まって抽出された折れ点の座標値の平均を算出して、得られた座標値を正しい折れ点としてもよい。また、ある折れ線では折れ点が検出されているが、異なる折れ線については近くに折れ点が検出されていない場合には、その孤立した折れ点は不適切な折れ点である可能性が高い。そこで、複数の折れ線を蓄積した後に、孤立した折れ点を削除するようにしてもよい。
更には、上述した実施例では、GPS衛星から送信される緯度経度情報を利用して、携帯情報端末装置100の現在位置を検出したり、あるいは進行方向を決定するものとして説明した。しかし、GPS衛星からの情報に代えて、所在位置の分かっている電波発信装置(例えば、携帯電話の無線基地局など)から、無線電波機器に対して出力される電波の強度を利用することで、位置情報を取得したり、進行方向を決定したり、あるいはこれら情報を用いて位置や方向を補正するようにしても構わない。
本実施例の携帯情報端末装置の大まかな構成を示した説明図である。 携帯電話を例にとって本実施例の携帯情報端末装置の大まかな構成を示したブロック図である。 本実施例の携帯情報端末装置を用いて現在位置の監視や道順の案内を行う際に表示画面に最初に表示される画面を例示した説明図である。 本実施例の携帯情報端末装置に搭載された各種の操作ボタンを示した説明図である。 本実施例の携帯情報端末装置で移動経路を記憶するために実行される処理の流れを示すフローチャートである。 本実施例の携帯情報端末装置において計測モードとして設定すべき項目を例示した説明図である。 移動経路を記憶するために複数個の座標点から直線を抽出する直線抽出処理の流れを示したフローチャートである。 所定個数の座標点から直線の傾きを抽出している様子を示した説明図である。 移動経路を記憶するために直線の折れ点を抽出する折れ点抽出処理の流れを示したフローチャートである。 座標点から直線までの距離を算出して閾値距離と比較することにより折れ点を抽出している様子を概念的に示した説明図である。 折れ点を自動で抽出した後に、その折れ点を始点とする新たな直線を抽出する様子を示した説明図である。 手動折れ点設定処理の流れを示したフローチャートである。 本実施例の携帯情報端末装置の表示画面に移動経路のタイトルを設定する画面が表示された様子を示す説明図である。 移動経路記憶処理を行うことによって自宅から学校までの道順が移動経路として記憶された様子を概念的に表した説明図である。 移動経路が記憶されているデータ構造を示した説明図である。 移動経路を用いて携帯情報端末装置の現在位置を監視するために実行される処理の流れを示すフローチャートである。 携帯情報端末装置の現在位置を監視するための移動経路を選択している画面を例示した説明図である。 監視モードを設定する際に表示される画面を例示した説明図である。 現在位置が属する領域を検出している様子を概念的に示した説明図である。 移動経路に従って目的地への道順を案内するために行われる移動経路誘導処理の一部を示すフローチャートである。 移動経路誘導処理の残りの部分を示すフローチャートである。 移動経路誘導処理を開始すると初めに移動経路および誘導方向を選択するための画面が表示画面に表示された様子を示す説明図である。 移動経路に沿って目的地へと誘導する画面を例示した説明図である。 移動経路として記憶されている折れ線の少なくとも一部を画面上に表示した様子を例示した説明図である。 移動経路に復帰するために表示される画面を例示した説明図である。 地図データサーバから読み込まれた地図が表示画面上に表示されている様子を例示した説明図である。 変形例の方法によって直線を抽出している様子を概念的に示した説明図である。 変形例の方法によって折れ点を抽出しながら移動経路を記憶する様子を示した説明図である。
符号の説明
12…携帯電話、 14…無線基地局、 50…人工衛星、
100…携帯情報端末装置、 101…本体部、 102…表示画面、
104…操作ボタン、 104a…機能選択ボタン、
104b…機能選択ボタン、 104c…機能選択ボタン、
104d…カーソルボタン、 104e…選択ボタン、
104f…通話開始ボタン、 104g…通話終了ボタン、
104h…入力ボタン、 106…集音マイク、 108…スピーカ、
110…アンテナ、 112…メモリカード、 120…ビデオドライバ、
124…ボタンキードライバ、 126…サウンドプロセッサ、
128…アンテナドライバ、 130…カードドライバ、 134…方位磁石、
150…CPU、 152…ROM、 154…RAM

Claims (20)

  1. 地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した携帯情報端末装置であって、
    前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する現在位置検出手段と、
    前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記携帯情報端末装置の移動経路として記憶する移動経路記憶手段と、
    前記位置特定機能を用いて特定した前記携帯情報端末装置の現在位置と、予め記憶されている前記移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する偏差距離算出手段と、
    前記算出された偏差距離が、所定の閾値距離よりも大きい場合には、前記携帯情報端末装置が該閾値距離の範囲外にある旨を、予め登録されている連絡先に連絡する連絡手段と
    を備え、
    前記移動経路記憶手段は、
    前記現在位置検出手段によって所定の複数個の座標点が検出されると、該座標点から直線を抽出する直線抽出手段と、
    前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する折れ点抽出手段と
    を備えるとともに、
    前記直線抽出手段は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する手段である携帯情報端末装置。
  2. 請求項1に記載の携帯情報端末装置であって、
    前記直線抽出手段は、前記複数個の座標点に対して最小二乗法を適用することにより、直線を抽出する手段であり、
    前記折れ点抽出手段は、前記折れ点より以降に検出された前記複数個の座標点に基づいて前記直線が抽出された場合には、該直線と、一つ前に抽出された直線との交点を検出し、該検出した交点を、最終的に抽出された折れ点として確定する手段である携帯情報端末装置。
  3. 請求項1に記載の携帯情報端末装置であって、
    前記移動経路記憶手段は、
    前記隣接する折れ点間で検出された複数の座標点に対して最小二乗法を適用して直線を抽出することにより、前記直線抽出手段によって抽出された直線を更新する直線更新手段と、
    前記更新された直線と、一つ前に更新された直線との交点を検出し、前記確定された折れ点を、該検出した交点によって更新する折れ点更新手段と
    を備える携帯情報端末装置。
  4. 請求項1に記載の携帯情報端末装置であって、
    前記連絡手段は、前記現在位置から前記移動経路への距離が前記閾値距離よりも小さい場合には、前記携帯情報端末装置が該閾値距離の範囲内にある旨を、前記連絡先に所定の頻度で連絡する手段である携帯情報端末装置。
  5. 請求項1に記載の携帯情報端末装置であって、
    前記移動経路記憶手段は、前記移動経路を、複数の領域に区分した状態で記憶している手段であり、
    前記連絡手段は、前記現在位置から前記移動経路への距離が前記閾値距離よりも小さい場合には、該現在位置から最も近い前記領域を検出し、該検出した領域が切り換わる度に、該新たな領域を前記連絡先に連絡する手段である携帯情報端末装置。
  6. 地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した情報端末装置であって、
    前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する現在位置検出手段と、
    前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記情報端末装置の移動経路として記憶する移動経路記憶手段と、
    前記移動経路上で始点に向かう方向または終点に向かう方向の何れか一方を、誘導方向として選択する誘導方向選択手段と、
    前記位置特定機能を用いて特定した前記情報端末装置の現在位置と、予め記憶されている前記移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する偏差距離算出手段と、
    前記算出された偏差距離が、所定の閾値距離より小さい場合には、該移動経路に沿って前記誘導方向に進むための方向に関する情報を出力し、該算出された偏差距離が該閾値距離よりも大きい場合には、該現在位置から該移動経路に戻るための方向に関する情報を出力することにより、前記情報端末装置の保持者を誘導する誘導手段と
    を備え、
    前記移動経路記憶手段は、
    前記現在位置検出手段によって所定の複数個の座標点が検出されると、該座標点から直線を抽出する直線抽出手段と、
    前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する折れ点抽出手段と
    を備えるとともに、
    前記直線抽出手段は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する手段である情報端末装置。
  7. 地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した情報端末装置であって、
    前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する現在位置検出手段と、
    前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記情報端末装置の移動経路として記憶する移動経路記憶手段と、
    前記移動経路上で始点に向かう方向または終点に向かう方向の何れか一方を、誘導方向として選択する誘導方向選択手段と、
    前記位置特定機能を用いて特定した前記情報端末装置の現在位置と、予め記憶されている前記移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する偏差距離算出手段と、
    前記算出された偏差距離が、所定の閾値距離より小さい場合には、該移動経路に沿って前記誘導方向に進むための方向に関する情報を出力し、該算出された偏差距離が該閾値距離よりも大きい場合には、該現在位置から前記終点に向かう方向に関する情報を出力することにより、前記情報端末装置の保持者を誘導する誘導手段と
    を備え、
    前記移動経路記憶手段は、
    前記現在位置検出手段によって所定の複数個の座標点が検出されると、該座標点から直線を抽出する直線抽出手段と、
    前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する折れ点抽出手段と
    を備えるとともに、
    前記直線抽出手段は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する手段である情報端末装置。
  8. 請求項1、請求項6、または請求項7の何れかに記載の情報端末装置であって、
    前記移動経路記憶手段は、
    前記移動経路の記憶中に所定の操作を行うと、該操作を行った位置での緯度および経度を検出し、得られた緯度および経度が表す座標点を、前記折れ点として設定する折れ点設定手段を備えており、
    前記直線抽出手段は、前記折れ点が設定された場合にも、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する手段である情報端末装置。
  9. 請求項1、請求項6、または請求項7の何れかに記載の情報端末装置であって、
    前記現在位置検出手段は、前記直線を抽出するために検出する座標点については、他の座標点よりも高い頻度で検出する手段である情報端末装置。
  10. 請求項1、請求項6、または請求項7の何れかに記載の情報端末装置であって、
    前記折れ点抽出手段には、前記折れ点の抽出中に前記現在位置検出手段が座標点を検出する頻度を変更する検出頻度変更手段が設けられている情報端末装置。
  11. 請求項1、請求項6、または請求項7の何れかに記載の情報端末装置であって、
    前記移動経路の記憶を開始するための経路記憶開始ボタンと、
    前記移動経路の記憶を終了するための経路記憶終了ボタンと
    を備え、
    前記移動経路記憶手段は、前記経路記憶開始ボタンが操作されたことを検出して前記移動経路の記憶を開始するとともに、前記経路記憶終了ボタンが操作されたことを検出して前記移動経路の記憶を終了する手段である情報端末装置。
  12. 地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した携帯情報端末装置であって、
    前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する現在位置検出手段と、
    前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記携帯情報端末装置の移動経路として記憶する移動経路記憶手段と、
    前記位置特定機能を用いて特定した現在位置から、予め記憶されている前記移動経路までの距離が、所定の閾値距離よりも大きい場合には該閾値距離の範囲外にある旨を、予め登録されている連絡先に連絡することにより、前記携帯情報端末装置の現在位置を監視する監視手段と、
    前記移動経路記憶手段に関連付けられた第1の選択肢、および前記監視手段に関連付けられた第2の選択肢を、前記携帯情報端末装置の画面上に表示する選択肢表示手段と、
    前記第1の選択肢または前記第2の選択肢が選択されたことを検出して、該選択肢に関連付けられた前記移動経路記憶手段または前記監視手段を起動する起動手段と
    を備え、
    前記移動経路記憶手段は、
    前記現在位置検出手段によって所定の複数個の座標点が検出されると、該座標点から直線を抽出する直線抽出手段と、
    前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する折れ点抽出手段と
    を備えるとともに、
    前記直線抽出手段は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する手段である携帯情報端末装置。
  13. 地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した情報端末装置であって、
    前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する現在位置検出手段と、
    前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記情報端末装置の移動経路として記憶する移動経路記憶手段と、
    前記移動経路上の始点または終点の何れか選択しておいた側に向かって、該移動経路に沿って進むための方向に関する情報を出力することにより、前記情報端末装置の保持者を誘導する誘導手段と
    前記移動経路記憶手段に関連付けられた第1の選択肢、および前記誘導手段に関連付けられた第3の選択肢を、前記情報端末装置の画面上に表示する選択肢表示手段と、
    前記第1の選択肢または前記第3の選択肢が選択されたことを検出して、該選択肢に関連付けられた前記移動経路記憶手段または前記誘導手段を起動する起動手段と
    を備え、
    前記移動経路記憶手段は、
    前記現在位置検出手段によって所定の複数個の座標点が検出されると、該座標点から直線を抽出する直線抽出手段と、
    前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する折れ点抽出手段と
    を備えるとともに、
    前記直線抽出手段は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する手段である情報端末装置。
  14. 地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した情報端末装置であって、
    前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する現在位置検出手段と、
    前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記情報端末装置の移動経路として記憶する移動経路記憶手段と、
    前記移動経路上で始点に向かう方向または終点に向かう方向の何れか一方を、誘導方向として選択する誘導方向選択手段と、
    前記位置特定機能を用いて特定した前記情報端末装置の現在位置と、予め記憶されている前記移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する偏差距離算出手段と、
    前記算出された偏差距離が、所定の閾値距離より小さい場合には、該移動経路に沿って前記誘導方向に進むための方向に関する情報を出力し、該算出された偏差距離が該閾値距離よりも大きい場合には、該現在位置から該移動経路に戻るための方向に関する情報を出力することにより、前記情報端末装置の保持者を誘導する誘導手段と、
    前記移動経路記憶手段が移動経路として記憶した前記折れ線を、前記携帯情報端末装置の画面上に表示する移動経路表示手段と
    を備え、
    前記移動経路記憶手段は、
    前記現在位置検出手段によって所定の複数個の座標点が検出されると、該座標点から直線を抽出する直線抽出手段と、
    前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する折れ点抽出手段と
    を備えるとともに、
    前記直線抽出手段は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する手段である情報端末装置。
  15. 地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した携帯情報端末装置の現在位置を監視する現在位置監視方法であって、
    前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する第1の工程と、
    前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記携帯情報端末装置の移動経路として記憶する第2の工程と、
    前記位置特定機能を用いて特定した前記携帯情報端末装置の現在位置と、予め記憶されている前記移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する第3の工程と、
    前記算出された偏差距離が、所定の閾値距離より大きい場合には、前記携帯情報端末装置が該閾値距離の範囲外にある旨を、予め登録されている連絡先に連絡する第4の工程と
    を備え、
    前記第2の工程は、
    前記第1の工程によって所定の複数個の座標点が検出されたことを受けて、該座標点から直線を抽出する副工程(2−1)と、
    前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する副工程(2−2)と
    を備えるとともに、
    前記副工程(2−1)は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する副工程である現在位置監視方法。
  16. 地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した情報端末装置を用いて、該情報端末装置の保持者を誘導する誘導方法であって、
    前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する工程(A)と、
    前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記情報端末装置の移動経路として記憶する工程(B)と、
    前記移動経路上で始点に向かう方向または終点に向かう方向の何れか一方を、誘導方向として選択する工程(C)と、
    前記位置特定機能を用いて特定した前記情報端末装置の現在位置と、予め記憶されている前記移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する工程(D)と、
    前記算出された偏差距離が、所定の閾値距離より小さい場合には、該移動経路に沿って前記誘導方向に進むための方向に関する情報を出力し、該算出された偏差距離が該閾値距離よりも大きい場合には、該現在位置から該移動経路に戻るための方向に関する情報を出力することにより、前記情報端末装置の保持者を誘導する工程(E)と
    を備え、
    前記工程(B)は、
    前記工程(A)によって所定の複数個の座標点が検出されたことを受けて、該座標点から直線を抽出する副工程(B−1)と、
    前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する副工程(B−2)と
    を備えるとともに、
    前記副工程(B−1)は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する副工程である誘導方法。
  17. 地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した情報端末装置を用いて、該情報端末装置の保持者を誘導する誘導方法であって、
    前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する工程(ア)と、
    前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記情報端末装置の移動経路として記憶する工程(イ)と、
    前記移動経路上で始点に向かう方向または終点に向かう方向の何れか一方を、誘導方向として選択する工程(ウ)と、
    前記位置特定機能を用いて特定した前記情報端末装置の現在位置と、予め記憶されている前記移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する工程(エ)と、
    前記算出された偏差距離が、所定の閾値距離より小さい場合には、該移動経路に沿って前記誘導方向に進むための方向に関する情報を出力し、該算出された偏差距離が該閾値距離よりも大きい場合には、該現在位置から前記終点に向かう方向に関する情報を出力することにより、前記情報端末装置の保持者を誘導する工程(オ)と
    を備え、
    前記工程(イ)は、
    前記工程(ア)によって所定の複数個の座標点が検出されたことを受けて、該座標点から直線を抽出する副工程(イ−1)と、
    前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する副工程(イ−2)と
    を備えるとともに、
    前記副工程(イ−1)は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する副工程である誘導方法。
  18. 地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した携帯情報端末装置の現在位置を監視する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
    前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する第1の機能と、
    前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記携帯情報端末装置の移動経路として記憶する第2の機能と、
    前記位置特定機能を用いて特定した前記携帯情報端末装置の現在位置と、予め記憶されている前記移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する第3の機能と、
    前記算出された偏差距離が、所定の閾値距離より大きい場合には、前記携帯情報端末装置が該閾値距離の範囲外にある旨を、予め登録されている連絡先に連絡する第4の機能と
    をコンピュータにより実現させるとともに、
    前記第2の機能は、
    前記第1の機能によって所定の複数個の座標点が検出されたことを受けて、該座標点から直線を抽出する副機能(2−1)と、
    前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する副機能(2−2)と
    を備え、
    前記副機能(2−1)は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する副機能であるプログラム。
  19. 地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した情報端末装置を用いて、該情報端末装置の保持者を誘導する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
    前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する機能(A)と、
    前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記情報端末装置の移動経路として記憶する機能(B)と、
    前記移動経路上で始点に向かう方向または終点に向かう方向の何れか一方を、誘導方向として選択する機能(C)と、
    前記位置特定機能を用いて特定した前記情報端末装置の現在位置と、予め記憶されている前記移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する機能(D)と、
    前記算出された偏差距離が、所定の閾値距離より小さい場合には、該移動経路に沿って前記誘導方向に進むための方向に関する情報を出力し、該算出された偏差距離が該閾値距離よりも大きい場合には、該現在位置から該移動経路に戻るための方向に関する情報を出力することにより、前記情報端末装置の保持者を誘導する機能(E)と
    をコンピュータにより実現させるとともに、
    前記機能(B)は、
    前記機能(A)によって所定の複数個の座標点が検出されたことを受けて、該座標点から直線を抽出する副機能(B−1)と、
    前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する副機能(B−2)と
    を備え、
    前記副機能(B−1)は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する副機能であるプログラム。
  20. 地球上での緯度および経度を検出することにより現在位置を特定する位置特定機能を搭載した情報端末装置を用いて、該情報端末装置の保持者を誘導する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
    前記現在位置の緯度および経度によって示される座標点を、前記位置特定機能を用いて時系列的に検出する機能(ア)と、
    前記時系列的に検出された座標点の集まりを折れ線によって近似し、該折れ線を、複数の折れ点の緯度および経度によって表された態様で、前記情報端末装置の移動経路として記憶する機能(イ)と、
    前記移動経路上で始点に向かう方向または終点に向かう方向の何れか一方を、誘導方向として選択する機能(ウ)と、
    前記位置特定機能を用いて特定した前記情報端末装置の現在位置と、予め記憶されている前記移動経路との隔たりを表す偏差距離を算出する機能(エ)と、
    前記算出された偏差距離が、所定の閾値距離より小さい場合には、該移動経路に沿って前記誘導方向に進むための方向に関する情報を出力し、該算出された偏差距離が該閾値距離よりも大きい場合には、該現在位置から前記終点に向かう方向に関する情報を出力することにより、前記情報端末装置の保持者を誘導する機能(オ)と
    をコンピュータにより実現させるとともに、
    前記機能(イ)は、
    前記機能(ア)によって所定の複数個の座標点が検出されたことを受けて、該座標点から直線を抽出する副機能(イ−1)と、
    前記直線が抽出されたことを受けて、以降に検出される座標点が該直線によって近似できるか否かを判断し、近似できないと判断された場合には、一つ前に検出された座標点を前記移動経路の折れ点として抽出する副機能(イ−2)と
    を備え、
    前記副機能(イ−1)は、前記折れ点が抽出された場合には、該折れ点より以降に検出された前記所定の複数個の座標点に基づいて、新たな直線を抽出する副機能であるプログラム。
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