JP2008121843A - 自動変速機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】入力軸1上に、エンジンE側から順に、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータ4と、常時増速機構として機能する第1プラネタリギアセットG1と、カウンタ軸2に回転駆動力を出力するカウンタドライブギア5と、変速要素を構成する第2プラネタリギアセットG2と、同様に変速要素を構成する第3プラネタリギアセットG3とを並設して配置している。
【選択図】図1
Description
また、その下流の変速要素を、第2のシングルピニオン型プラネタリギアセットと第3のシングルピニオン型プラネタリギアセットで構成することで、ロングピニオンを使用することなく変速要素を構成することができる。
このため、第1のシングルピニオン型プラネタリギアセットの下流に位置する第1クラッチ及び第2クラッチに対して伝達する駆動トルクを入力トルクに対し増大させることがなく、下流のギアトレインへ伝達する駆動トルクも増大させることがない。また、ロングピニオンを使用しないため、ギアの傾きも生じることがなく、ギアノイズの発生も防止することができる。
上記構成によれば、直結段を第3速とすることで、通常走行時に使用頻度の高い第4速から第6速の高速段位の全てを、入力軸の回転よりも速い回転速度で回転させることができる。
このため、自動変速機のギアトレインに作用する伝達トルクを、全体的に低減することができ、ギアトレインに対する負荷を軽減することができる。
よって、自動変速機を軽量コンパクトに構成しつつも、ギアトレインの耐久性を高めることができる。
上記構成によれば、エンジンに近い側から、第1、第2、第3のシングルピニオン型プラネタリギアセットを、順に入力軸上に並設して、エンジンに近い側の第1、第2のシングルピニオン型プラネタリギアセットの間に、出力部を設置することになる。
このため、エンジンを変速機に並設するエンジン横置きのFFタイプ(フロントエンジンフロントドライブ)の車両において、この自動変速機を用いた場合に、エンジンに近い位置、すなわち車幅方向中心位置に、駆動トルクを出力することができる。よって、ファイナルギアとの間を繋ぐカウンタ軸を短く構成することができ、自動変速機をよりコンパクトに構成することができる。
特に、エンジンと出力部との間には、トルクコンバータ以外に第1のシングルピニオン型プラネタリギアセットしか配置しないため、よりカウンタ軸を短くできる。
よって、自動変速機をコンパクトに構成することができ、駆動系全体をコンパクトに構成することができる。
なお、「出力部」としての動力伝達手段は、ギア伝達、チェーン伝達等が考えられる。
上記構成によれば、エンジンに遠い側から、入力軸上に第1、第2、第3のシングルピニオン型プラネタリギアセットを順に並設して、このうち第1、第2のシングルピニオン型プラネタリギアセットの間に、出力部を設置することになる。
このため、エンジンを変速機に並設するエンジン横置きのFFタイプの駆動系にこの自動変速機を用いた場合に、エンジンに比較的近い位置、すなわち車幅方向中心位置に、駆動トルクを出力することができる。よって、ファイナルギアとの間を繋ぐカウンタ軸を短く構成することができ、自動変速機をよりコンパクトに構成することができる。
よって、自動変速機をコンパクトに構成することができ、駆動系全体をコンパクトに構成することができる。
上記構成によれば、第1のシングルピニオン型プラネタリギアセットの近傍に、第1クラッチと第2クラッチを配置することで、第1のシングルピニオン型プラネタリギアセットと各クラッチとの間の連結部材を短くすることができる。
よって、自動変速機のコンパクト化に有利なレイアウトにすることができる。
上記構成によれば、第1クラッチと第2クラッチの少なくとも一方を、第1のシングルピニオン型プラネタリギアセットと軸方向で重合しない位置に配置することで、その一方のクラッチの径方向サイズを、第1のシングルピニオン型プラネタリギアセットに制限されることなく、小さくすることができる。
よって、第1クラッチと第2クラッチの少なくとも一方のクラッチを径方向でコンパクトに構成でき、自動変速機のコンパクト化を図ることができる。
上記構成によれば、第3のシングルピニオン型プラネタリギアセットの近傍に第3クラッチを配置することで、第3のシングルピニオン型プラネタリギアセットと第3クラッチとの間の連結部材を短くすることができる。
よって、自動変速機のコンパクト化に有利なレイアウトにすることができる。
上記構成によれば、第3クラッチを、第3のシングルピニオン型プラネタリギアセットと軸方向で重合しない位置に配置することで、その第3クラッチの径方向サイズを、第3のシングルピニオン型プラネタリギアセットに制限されることなく、小さくすることができる。
よって、第3クラッチの径方向をコンパクトに構成でき、自動変速機のコンパクト化を図ることができる。
上記構成によれば、第1ブレーキと第2ブレーキを、第2のシングルピニオン型プラネタリギアセットと第3のシングルピニオン型プラネタリギアセットの外周側に配置して、軸方向に並設することで、伝達トルク容量を考慮する必要が少ないブレーキを、第2のシングルピニオン型プラネタリギアセットと第3のシングルピニオン型プラネタリギアセットの外周側のスペースを利用して、有効にレイアウトできる。
よって、自動変速機のコンパクト化に有利なレイアウトにすることができる。
よって、複数のプラネタリギアセットとクラッチとブレーキによって前進6速を得る自動変速機において、コンパクト且つ軽量に前進6速を構成しつつも、クラッチ容量を少なくすることができ、また、下流のギアトレインもコンパクトに構成でき、さらに、ギアノイズの発生も抑えることができる。
図1は本発明の第一実施形態の自動変速機を採用したパワートレインの平面スケルトン図である。図2はこの自動変速機の各軸の位置関係を示す側面図である。
この自動変速機Mは、図1に示すように、車両に対して横置き搭載されるいわゆるFFタイプのパワートレインに適用される。この自動変速機Mは各々車幅方向に延びる入力軸1とカウンタ軸2とドライブ軸3とを有する3軸構成のトランスアクスルとして構成している。
自動変速機Mの入力軸1上には、エンジンE側(以下、ミッション前方側)から順に、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータ4と、常時増速機構として機能する第1プラネタリギアセットG1と、カウンタ軸2に回転駆動力を出力するカウンタドライブギア5と、変速要素を構成する第2プラネタリギアセットG2と、同様に変速要素を構成する第3プラネタリギアセットG3とを並設して配置している。
第1プラネタリギアセットG1は、第1サンギアS1を変速機ケースZに固定(常時連結)するとともに、第1キャリアK1を入力軸1に常時連結することで、第1リングギアR1から、入力軸1の回転を増速して出力するように構成している。このため、第1プラネタリギアセットG1は、常時増速機構として機能する。
このため、第2プラネタリギアセットG2と第3プラネタリギアセットG3は、第2サンギアS2を第1変速要素(D1)、第2キャリアK2・第3リングギアR3を第2変速要素(D2)、第2リングギアR2・第3キャリアK3を第3変速要素(D3)、第3サンギアS3を第4変速要素(D4)とする合計4自由度を有する変速ユニットとして機能する。
また、この実施形態では、第2ブレーキB2と並列にワンウェイクラッチOWCを設けているため、前進1速では第2ブレーキB2を締結せずに、例えば、マニュアルモードやホールドモード等のエンジンブレーキが必要な場合のみ、第2ブレーキB2を締結するようにしている(括弧書きとしているのは、そのためである)。但し、ワンウェイクラッチOWCがない場合には、前進1速では第2ブレーキB2を締結する。このため、本明細書では、便宜上、ワンウェイクラッチOWCがない場合の制御方法で説明する。
また、第3サンギアS3と第3キャリアK3の間隔も、第3キャリアK3と第3リングギアR3の間隔を1とした場合の、第3リングギアR3の歯数(Zr3)÷第3サンギアS3の歯数(Zs3)で決定している(=2.220)。
さらに、第2サンギアS2と第2キャリアK2の間隔も、同様に、第2キャリアK2と第2リングギアR2の間隔を1とした場合の、第2リングギアR2の歯数(Zr2)÷第2サンギアS2の歯数(Zs2)で決定している(=1.618)。
例えば、第1プラネタリギアセットG1では、第1サンギアS1が固定(速度比0)されているため、第1キャリアK1に所定の回転速度(速度比1)を入力すると、第1リングギアR1には、同一方向の増速回転(速度比1.55)が出力される(第1サンギアS1の固定点と第1キャリアK1の入力点を結ぶ直線と第1リングギアR1の軸線とが交差する点が出力点となる)。このうち、第1リングギアR1から出力するか(速度比1.55)、第1キャリアK1から出力するか(速度比1)を決定して、第1プラネタリギアセットG1から出力する回転速度を切換える。
このことは、段位間ステップにも表れており、第1・2速間が1.7424、第2・3速間が1.5026、第3・4速間が1.3410、第4・5速間が1.3425、第5・6速間が1.2503となり、図6(a)に示すように、高速段になるに従い、変化が徐々に少なくなるように設定している。
このようなギアレシオ設定にすることにより、低速走行時の加速性能を向上しつつ、高速走行時の変速ショックを緩和して、高速走行時の車両の乗り心地を向上している。
このトルク分担率の表から見て分かるように、駆動トルクを伝達する第1〜第3クラッチC1,C2,C3は、1〜0.250の低い値で伝達トルクを分担するようになっている。
この第2プラネタリギアセットG2の第2キャリアK2と第3プラネタリギアセットG3の第3リングギアR3を溶接部Wによって連結(常時連結)して、第2プラネタリギアセットG2の第2リングギアR2と第3プラネタリギアセットG3の第3キャリアK3を連結部SP2を介して連結(常時連結)している。このように連結することで、第2プラネタリギアセットG2と第3プラネタリギアセットG3を、前述のように4自由度を持った変速ユニットとして構成している。
この第3クラッチC3は、入力軸1にスプライン結合SP6によって固定した連結固定ハブ部34に固定されるシールプレート30と、軸方向に移動してシールプレート30との間で受圧室31を形成するピストンプレート32と、そのピストンプレート32を開放位置に戻すリターンスプリング33とからなる油圧サーボQ3とを備え、連結固定ハブ部34とドラム連結部材35との間で互い違いに設置した複数のクラッチプレート36からなる多板クラッチP3を備えて、構成している。
この実施形態の自動変速機Mによると、第1サンギアS1をギアケーシングZ2に円筒状部材16を介して固定して、第1キャリアK1を入力軸1に固定したことにより、入力回転を受ける第1プラネタリギアセットG1を、いわゆる常時増速機構として機能させることになる。
また、その下流の変速要素の第2プラネタリギアセットG2と第3プラネタリギアセットG3を、シングルピニオン型プラネタリギアセットで構成することで、ロングピニオンを使用することなく変速要素を構成することができる。
このため、第1プラネタリギアセットG1の下流に位置する第1クラッチC1及び第2クラッチC2に対して伝達する駆動トルクを入力トルクに対し増大させることがなく、下流のギアトレインへ伝達する駆動トルクも増大させることがない。また、ロングピニオンを使用しないため、ギアの傾きも生じることがなく、ギアノイズの発生も防止することができる。
これにより、通常走行時に使用頻度の高い第4速から第6速の高速段位の全てを、入力軸1の回転よりも高い回転速度で回転させることができる。
このため、自動変速機Mのギアトレインに作用する伝達トルクを、全体的に低くすることができ、ギアトレインに対する負荷を軽減することができる。
よって、自動変速機Mを軽量コンパクトに構成しつつも、ギアトレインの耐久性を高めることができる。
特に、エンジンEとカウンタドライブギア5との間には、トルクコンバータ4以外に第1プラネタリギアセットG1しか配置されないため、よりカウンタ軸1を短くできる。
よって、自動変速機Mをコンパクトに構成することができ、駆動系全体をコンパクトに構成することができる。
なお、本実施形態では、カウンタドライブギア5とカウンタドリブンギア6との間で駆動力を伝達するように構成しているが、そのほか、チェーンとスプロケットを使ったチェーン伝達手段で駆動力を伝達してもよい。
これにより、第1プラネタリギアセットG1と第1クラッチC1、第2クラッチC2との間の連結部材等を短くすることができる。
よって、自動変速機Mのコンパクト化に有利なレイアウトにすることができる。
これにより、第2クラッチC2の径方向サイズを、第1プラネタリギアセットG1に制限されることなく、小さくすることができる。
よって、第2クラッチC2を径方向でコンパクトに構成でき、自動変速機Mのコンパクト化を図ることができる。
なお、第1クラッチC1を、第1プラネタリギアセットG1と軸方向に重合しない位置に設置した場合も、同様の効果を得ることができる。
これにより、第3プラネタリギアセットG3と第3クラッチC3との間の連結部材等を短くすることができる。
よって、自動変速機Mのコンパクト化に有利なレイアウトにすることができる。
これにより、第3クラッチC3の径方向サイズを、第3プラネタリギアセットG3に制限されることなく、小さくすることができる。
よって、第3クラッチC3の径方向をコンパクトに構成でき、自動変速機Mのコンパクト化を図ることができる。
これにより、伝達トルク容量をさほど考慮する必要のないブレーキB1,B2を、第2プラネタリギアセットG2と第3プラネタリギアセットG3の外周側のスペースを有効に利用して、効率的にレイアウトできる。
特に、ブレーキB1,B2のためのスベースを軸方向に確保しなくてもよいため、自動変速機Mの軸方向長さ(全長)を短くすることができる。
よって、自動変速機Mのコンパクト化をより図ることができる。
これにより、エンジンE′に比較的近い位置、すなわち車幅方向中心位置に、駆動トルクを出力することができる。よって、エンジンE′から最も離れた位置から出力するよりも、カウンタ軸102を短く構成することができ、自動変速機M′をコンパクトに構成することができる。
よって、自動変速機Mをコンパクトに構成することができ、駆動系全体をコンパクトに構成することができる。
また、その他の作用効果については、第1実施形態と同様である。
この発明の出力部は、実施形態のカウンタドライブギア5に対応し、
以下、同様に
第1のシングルピニオン型プラネタリギアセットは、第1プラネタリギアセットG1に対応し、
第2のシングルピニオン型プラネタリギアセットは、第2プラネタリギアセットG2に対応し、
第2のシングルピニオン型プラネタリギアセットは、第2プラネタリギアセットG3に対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる自動変速機に適用する実施形態を含むものである。
G1…第1プラネタリギアセット
G2…第2プラネタリギアセット
G3…第3プラネタリギアセット
C1…第1クラッチ
C2…第2クラッチ
C3…第3クラッチ
B1…第1ブレーキ
B2…第2ブレーキ
1…入力軸
5…カウンタドライブギア
Z…変速機ケース
Claims (9)
- 入力軸と同軸上に出力部を配設して、第1乃至第3のシングルピニオン型プラネタリギアセットと複数のクラッチとブレーキを備え、該クラッチとブレーキを選択的に作動して前記入力軸から前記出力部までの動力伝達経路を切換えて前進6速を得る自動変速機であって、
前記第1のシングルピニオン型プラネタリギアセットが、第1サンギアと第1キャリアと第1リングギアを有し、前記第2のシングルピニオン型プラネタリギアセットが、第2サンギアと第2キャリアと第2リングギアを有し、前記第3のシングルピニオン型プラネタリギアセットが、第3サンギアと第3キャリアと第3リングギアを有し、
前記第1サンギアと変速機ケース、前記第1キャリアと入力軸、前記第2リングギアと第3キャリア、前記第3リングギアと第2キャリアと出力部、の各々を常時連結し、
前記入力軸と第2サンギアとを断接する第1クラッチと、前記第1リングギアと第3キャリアとを断接する第2クラッチと、前記入力軸と第3サンギアとを断接する第3クラッチと、前記第3サンギアと変速機ケースとを断接する第1ブレーキと、前記第3キャリアと変速機ケースとを断接する第2ブレーキと、を備え、
前記第1クラッチと第2ブレーキを締結することで第1速、前記第1クラッチと第1ブレーキを締結することで第2速、前記第1クラッチと第3クラッチを締結することで第3速、前記第1クラッチと第2クラッチを締結することで第4速、前記第2クラッチと第3クラッチを締結することで第5速、前記第2クラッチと第1ブレーキを締結することで第6速を達成するように構成した
自動変速機。 - 前記第3速を、入力軸からの回転をそのままの回転速度で出力部から出力する直結段とした
請求項1記載の自動変速機。 - 前記入力軸の一方端に、エンジンに連結して、
該一方端側から、前記第1のシングルピニオン型プラネタリギアセット、前記第2のシングルピニオン型プラネタリギアセット、前記第3のシングルピニオン型プラネタリギアセットを、順に入力軸上に並設し、
前記出力部を、該第1のシングルピニオン型プラネタリギアセットと第2のシングルピニオン型プラネタリギアセットとの間に設けた
請求項1記載の自動変速機。 - 前記入力軸の一方端を、エンジンに連結して、
他方端側から、前記第1のシングルピニオン型プラネタリギアセット、前記第2のシングルピニオン型プラネタリギアセット、前記第3のシングルピニオン型プラネタリギアセットを、順に入力軸上に並設し、
前記出力部を、該第1のシングルピニオン型プラネタリギアセットと第2のシングルピニオン型プラネタリギアセットとの間に設けた
請求項1記載の自動変速機。 - 前記第1クラッチと第2クラッチを、前記第1のシングルピニオン型プラネタリギアセットの近傍に配置した
請求項3又は4記載の自動変速機。 - 前記第1クラッチと第2クラッチの少なくとも一方を、前記第1のシングルピニオン型プラネタリギアセットと軸方向で重合しない位置に配置した
請求項5記載の自動変速機。 - 前記第3クラッチを、前記第3のシングルピニオン型プラネタリギアセットの近傍に配置した
請求項3乃至6いずれか記載の自動変速機。 - 前記第3クラッチを、前記第3のシングルピニオン型プラネタリギアセットと軸方向で重合しない位置に配置した
請求項7記載の自動変速機。 - 前記第1ブレーキと第2ブレーキを、前記第2のシングルピニオン型プラネタリギアセットと第3のシングルピニオン型プラネタリギアセットの外周側に配置して、軸方向に並設した
請求項3乃至8いずれか記載の自動変速機。
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