JP2008120877A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な熱伝導性と、低い誘電正接(tanδ)を両立させることができる樹脂組成物を提供する。
【解決手段】基材樹脂中にセラミックス粒子を含有し、基材樹脂に対する前記セラミックス粒子のtanδ比が0.82以下でかつ、熱伝導率比が1.5以上である樹脂組成物であって、前記セラミックス粒子が以下の要件(I)乃至(III)を満たす樹脂組成物。
(I)セラミックス組成中に、AlまたはMgOと、SiOとの合計量が80重量%以上、(II)AlまたはMgOと、SiOの重量比[(AlまたはMgO)/SiO]が0.1〜15、(III)球形度が0.9以上。
【選択図】なし

Description

本発明は、セラミックス組成中に、AlまたはMgOとSiOとを含むセラミックス粒子を、基材樹脂中に含有する樹脂組成物に関し、特に電気・電子材料用に好適に使用できるものである。
近年、IC、LSI等の半導体の小型高機能化の進展の伴い、その発熱量は急激に増加する傾向にある。そのため、半導体の封止材料や、半導体を搭載する基板などの電気・電子用材料には、より高い放熱性が要求されてきている。
従来、電気・電子用材料の放熱性を高めるには、例えば、絶縁材料を構成する樹脂中にフィラーとしてシリカを添加するなどの手段がとられている(例えば、特許文献1参照)が、放熱性は十分ではない。
そこで、より熱伝導性の高いアルミナを添加するような工夫を施す手法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、下記の特許文献3には、鋳造用鋳型に好適に使用されるセラミックス粒子として、MgOおよびSiO2を主成分として含有してなり、MgO/SiO2重量比率が0.1〜10、平均粒径が0.001〜1.5mmである火炎溶融法で製造されたセラミックス粒子が開示されている。なお、この文献には、セラミックス粒子である鋳物砂が、プラスチック等への充填材として使用できる旨が記載されているが、それ以上の具体的な記載は存在しない。
特開平4−164953号公報 特開2005−68258号公報 特開2006−150451号公報
上記従来技術のうち、特許文献2に記載されたアルミナを添加する方法では、アルミナの添加により、誘電正接(tanδ)が増加し、半導体の信号伝播速度の低下によるエラーのリスクが高まるなどの問題がある。また、誘電正接(tanδ)の増加は、消費電力や発熱の増大を引き起こす。
さらに、半導体のみならず、近年携帯電話に代表される情報通信端末機器が、小型化、高速化する傾向の中で、端末機器に用いられる基板などの電気・電子用材料の放熱対応が望まれている。情報通信機器は、情報通信量の高密度・高速化に伴い、電波周波数が増大しており、電気・電子用材料の電波吸収性が問題視されている。電波吸収は材料のtanδに比例して増大することが知られており、その増大により、高周波信号の減衰を引き起こしたり、発熱するなどの問題を生ずる。従って、電気・電子材料には、高熱伝導特性とともに、tanδの低い材料が求められている。
一方、特許文献3では、鋳造用鋳型への使用を目的として、鋳物砂としての物性のみが評価されており、電気・電子材料用の樹脂組成物などに使用した場合の電気特性等は全く示唆されていない。また、この文献で具体的に製造されている鋳物砂の平均粒子径は、約0.2mm以上であり、このようなセラミックス粒子を樹脂組成物に使用する場合、基材樹脂への分散性が低下し、また、熱伝導性や誘電特性が不十分となることが判明した。
そこで、本発明の目的は、良好な熱伝導性と、低い誘電正接(tanδ)を両立させることができる樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、セラミックス組成中に、AlまたはMgOとSiOとを含むセラミックス粒子を含有する樹脂組成物が、良好な熱伝導性を維持しながら、アルミナやシリカを使用する場合に比べてより低い誘電正接を有し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の樹脂組成物(第1の実施様態)は、基材樹脂中にセラミックス粒子を含有し、基材樹脂に対する前記セラミックス粒子のtanδ比が0.82以下でかつ、熱伝導率比が1.5以上である樹脂組成物であって、前記セラミックス粒子が以下の要件(I)乃至(III)を満たすことを特徴とする。
(I)セラミックス組成中に、AlまたはMgOと、SiOとの合計量が80重量%以上。
(II)AlまたはMgOと、SiOの重量比[(AlまたはMgO)/SiO]が0.1〜15。
(III)球形度が0.9以上。
なお、本発明における各種の物性値は、具体的には実施例に記載の方法で測定される値である。
また、本発明の樹脂組成物(第2の実施様態)は、基材樹脂中にセラミックス粒子を含有し、基材樹脂に対する前記セラミックス粒子のtanδ比が0.82以下でかつ、熱伝導率比が1.5以上である樹脂組成物であって、前記セラミックス粒子が、以下の要件(IV)及び(V)を満たす粉末粒子を、火炎中で溶融して得られるものである。
(IV)セラミックス組成中に、AlまたはMgOと、SiOとの合計量が80重量%以上。
(V)AlまたはMgOと、SiOの重量比[(AlまたはMgO)/SiO]が0.1〜17。
本発明の樹脂組成物によると、セラミックス組成中にAlまたはMgOとSiOとを特定の比率で十分な量を含み、球形度が大きいセラミックス粒子を含有するため、良好な熱伝導性を維持しながら、アルミナやシリカを使用する場合に比べてより低い誘電正接を有することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、セラミックス粒子を基材樹脂(以下「基材」と略称する場合がある)中に含有するものであるが、セラミックス粒子が要件(I)乃至(III)を満たす第1の実施様態と、セラミックス粒子が要件(IV)及び(V)を満たす粉末粒子を火炎中で溶融して得られるものである第2の実施様態の何れでもよい。
本発明の樹脂組成物は、電気特性に優れかつ熱伝導性に優れたものであるため、特に電気・電子材料用に好適に使用できる。ここで、電気・電子材料用の樹脂組成物とは、半導体の封止材料や電気・電子基板などに用いられる電気絶縁性を有する樹脂組成物を指す。
(1)第1の実施様態
第1の実施態様は、基材中にセラミックス粒子を含有してなる、樹脂組成物であって、該セラミックス粒子が以下の要件(I)乃至(III)を満たすものである。
(I)セラミックス組成中に、AlまたはMgOと、SiOとの合計量が80重量%以上。
(II)AlまたはMgOと、SiOの重量比[(AlまたはMgO)/SiO]が0.1〜15。
(III)球形度が0.9以上。
要件(I)においては、好適な誘電特性の観点から、セラミックス組成中、AlとSiOの含有割合、あるいは、MgOとSiOの含有割合は、80重量%以上であり、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、特に好ましくは100重量%である。
本発明に使用するセラミックス粒子において、AlまたはMgOと、SiOとで構成される成分以外の成分中に含まれ得るもの(以下、副成分ともいう)としては、例えば、CaO、Fe、TiO、KO、NaO、ZrO等の金属酸化物やカーボンなどが挙げられる。Al−SiOが主成分の場合は副成分としてMgOが含有されていてもよく、MgO−SiOが主成分の場合は副成分としてAlが含有されていてもよい。
本発明の樹脂組成物では、好適な電機絶縁性や誘電特性などの観点から、副成分の合計量は、セラミックス粒子中、20重量%未満であり、5重量%未満が好ましく、0.1重量%未満がより好ましい。副成分中にNaO、Feやカーボンが含まれる場合、特に電気絶縁性の観点から、それらの含有量としては、それぞれ1重量%未満が好ましく、0.5重量%未満がより好ましく、0.1重量%未満が特に好ましい。
要件(II)においては、セラミックス粒子の高い熱伝導性と良好な電気特性を確保する観点から、AlとSiOの重量比Al/SiO、または、MgOとSiOの重量比MgO/SiOは、0.1〜15であり、好ましくは0.2〜12、より好ましくは0.3〜9である。
本発明に使用するセラミックス粒子の球形度は、熱伝導性や誘電特性を良好にする観点から、0.9以上であり、0.95以上が好ましく、0.98以上がより好ましい。球形度がこの範囲であると、基材樹脂への分散性が良好で、高添加が可能となり、より高い熱伝導性を付与しやすい。また、球形粒子のほうが周波数変化に対する誘電正接(tanδ)の変化が少なく安定した電気特性を維持できる。さらに、より高い球形度の粒子を添加することにより、金型磨耗性などを低減することができ、樹脂組成物の製造効率が高くなるなどのメリットがある。
(2)第2の実施様態
第2の実施態様は、基材中にセラミックス粒子を含有してなる、樹脂組成物であって、該セラミックス粒子が以下の要件(IV)及び(V)を満たす粉末粒子を、火炎中で溶融して得られるものである樹脂組成物である。
(IV)セラミックス組成中に、AlまたはMgOと、SiOとの合計量が80重量%以上。
(V)AlまたはMgOと、SiOの重量比[(AlまたはMgO)/SiO]が0.1〜17。
要件(IV)においては、好適な誘電特性の観点から、AlとSiOの含有割合、あるいは、MgOとSiOの含有割合は、80重量%以上であり、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、特に好ましくは100重量%である本発明に使用するセラミックス粒子において、AlまたはMgOと、SiOとで構成される成分以外の成分中に含まれ得るもの(以下、副成分ともいう)としては、例えば、CaO、Fe、TiO、KO、NaO、ZrO等の金属酸化物やカーボンなどが挙げられる。Al−SiOが主成分の場合は副成分としてMgOが含有されていてもよく、MgO−SiOが主成分の場合は副成分としてAlが含有されていてもよい。
本発明の樹脂組成物では、好適な電機絶縁性や誘電特性などの観点から、副成分の合計量は、セラミックス粒子中、20重量%未満であり、5重量%未満が好ましく、0.1重量%未満がより好ましい。副成分中にNaO、Feやカーボンが含まれる場合、特に電気絶縁性の観点から、それらの含有量としては、それぞれ1重量%未満が好ましく、0.5重量%未満がより好ましく、0.1重量%未満が特に好ましい。
要件(V)においては、セラミックス粒子の高い熱伝導性と良好な電気特性を確保する観点から、AlとSiOの重量比率Al/SiO、または、MgOとSiOの重量比率MgO/SiOは、0.1〜17であり、好ましくは0.2〜15、より好ましくは0.3〜12である。
第2の実施様態において得られるセラミックス粒子の球形度は、要件(III)と同様に、熱伝導性や誘電特性を良好にする観点から、0.9以上が好ましく、0.95以上がより好ましく、0.98以上が更に好ましい。
以下、本発明の第1の実施様態と第2の実施様態との共通する事項について述べる。
本発明に使用するセラミックス粒子の平均粒径は、好適な電機絶縁性や誘電特性を確保し、該セラミックス粒子を基材に添加した際の分散性を確保し、得られる樹脂組成物の機械的強度を確保する観点から、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、30μm以下が更に好ましく、20μm以下が更に好ましい。また、粒子の凝集・合一を抑制し、セラミックス粒子の粒径分布をあまり大きくしない観点や球形度の観点から、0.01μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましく、1μm以上が更に好ましく、5μm以上が更に好ましい。平均粒径は、実施例に記載する方法で測定する。前記観点を総合した観点から、0.01〜100μmが好ましく、0.01〜50μmがより好ましく、0.1〜50μmが更に好ましく、1〜20μmが更に好ましい。
セラミックス粒子としては、樹脂組成物内に余分な気泡の発生を抑制し、熱伝導性を達成する観点から、粒子の表面には気孔が少ないことが好ましい。表面の気孔の程度として、セラミックス粒子の吸水率を指標とすることができる。即ち、セラミックス粒子の気孔は、吸水率は低い方が少ない傾向にあり、従って、セラミックス粒子の吸水率は10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、1重量%以下が更に好ましい。セラミックス粒子の平均粒径を大きくすることで、吸水率を低減でき、火炎溶融処理することで、吸水率を更に低減できる。吸水率は、JIS A1109に従って測定される値である。
本発明に使用するセラミックス粒子の色は、樹脂組成物の意匠性を損ねることがないことが好ましいことから、白色であることが好ましい。白色度としては、分光式色彩計により測定されるL*値が、85以上であることが好ましく、90以上であることがより好ましく、95以上であることが特に好ましい。白色度を向上させる観点からも、副成分の合計量は、セラミックス粒子中、20重量%未満であり、5重量%未満が好ましく、0.1重量%未満がより好ましく、また、副成分中のFeの含有量としては、1重量%未満が好ましく、0.5重量%未満がより好ましく、0.1重量%未満が特に好ましい。
本発明に使用するセラミックス粒子は、AlまたはMgOと、SiOとで構成される成分を主成分として含有してなる複合化合物であり、その構造は、非晶構造(非晶質)もしくは結晶構造(結晶質)をとりうるが、耐熱性、耐薬品性または耐光性に優れ、安定した樹脂組成物を得る観点から、結晶質のものが好ましい。
本発明に使用するセラミックス粒子として、AlまたはMgOと、SiOの重量比[(AlまたはMgO)/SiO]が0.3〜9のものを使用して、セラミックス粒子の結晶相が、X線回折パターン測定により主たるピークがJCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards)のNo.15−776のMulliteに帰属されるピークまたは、JCPDSのNo34−189のForsteriteに帰属されるピークまたはJCPDSのNo35−610のClinoenstatiteに帰属されることが好ましい。上記結晶を有するセラミックス粒子を配合した樹脂組成物は、好適な熱伝導性と誘電特性を有することから好ましい。
本発明に使用するセラミックス粒子は、基材中での分散性を向上させる観点から、シランカップリング剤、シリコーン、脂肪酸石鹸等で表面処理を行うことが好ましい。
本発明に使用するセラミックス粒子を基材に添加する際及びその後の加工性を向上する観点から、該セラミックス粒子は適度の流動性を有することが好ましい。流動性は、パウダーテスターによって測定される安息角が指標となり、安息角が、好ましくは55度以下、より好ましくは50度以下であり、更に好ましくは48度以下であり、安息角はセラミックス粒子の球形度を調節することで好ましい範囲に調整できる。安息角は、JIS R9301−2−2記載の方法で測定できる。
安息角を上記範囲にするため、セラミックス粒子の球形度は、0.95以上が好ましく、0.98以上がより好ましい。上記好適球形度は、火炎溶融法によってセラミックス粒子を合成することにより容易に得ることができる。
本発明のセラミックス粒子の製造方法としては、沈殿法、ゾルゲル法、乳化法、噴霧熱分解法、水熱法、CVD法といった公知の手法を用いて得ることが出来るが、高い球形度を有するセラミックス粒子を得る観点から、噴霧造粒−焼成法、電融アトマイズ法、火炎溶融法などの手法により製造することが好ましく、特に高い球形度を得るには火炎溶融法により製造することがより好ましい。
以下では、本発明のセラミックス粒子の製造を行うのに最も適している手法である火炎溶融法について詳細に説明するが、第1の実施態様におけるセラミックス粒子の製造方法は、火炎溶融法に限定されない。火炎溶融法は、後に具体的に例示する原料粉末粒子を酸素等のキャリアガスに分散させ、火炎中に投入することによって、原料粉末粒子を溶融させ球状化を行う方法である。
火炎は、プロパン、ブタン、メタン、天然液化ガス、LPG、重油、灯油、軽油、微粉炭等の燃料を、酸素と燃焼させることによって発生させる。また、Nなどの不活性ガス等を電離させて生じるプラズマジェット火炎でもよい。
燃料の対酸素比は、完全燃焼の観点から容量比で1.01〜1.3が好ましい。高温の火炎を発生させる観点から、酸素・ガスバーナーを用いるのが好適である。特にバーナーの構造は限定するものではないが、特開平7−48118号公報、特開平11−132421号公報、特開2000−205523号公報または特開2000−346318号公報で開示されているバーナーが好ましい。
火炎温度は、原料粉末粒子を溶融球状化させる観点から、原料粉末粒子の融点以上であることが好ましい。具体的には1700℃以上が好ましく、2000℃以上がより好ましく、2600℃以上が更に好ましい。
火炎中への原料粉末粒子の投入は、キャリアガス中に分散して行うことが好ましい。キャリアガスとしては、酸素が好適に用いられる。この場合、キャリアガスの酸素は燃料燃焼用として消費できる利点がある。ガス中の粉体濃度は、粉末粒子の充分な分散性を確保する観点から、0.1〜20kg/Nmが好ましく、0.2〜10kg/Nmがより好ましい。更に、火炎中に投入する際には、メッシュ、スタティックミキサー、ベンチュリー管構造を有するディスパージョンノズル等を通過させて分散性を高めることがより好ましい。
火炎中での球状化を速やかに行なうと共に、粒径の分布の巾があまり大きくない球形度の高いセラミックス粒子を得る観点から、原料粉末粒子の形状と組成を選択することが好ましい。形状としては、火炎中での滞留時間確保や溶融、球状化を速やかに行なう観点から、原料粉末粒子の長軸径/短軸径比が9以下であるのが好ましく、より好ましくは4以下、さらに好ましくは2以下である。
Al源としての原料としては、ボーキサイト、バン土頁岩、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミナゾル、アルミニウムイソプロポキシドなどのアルミニウムアルコキシド等を挙げることができる。
SiO源としての原料としては、珪石、珪砂、石英、クリストバライト、非晶質シリカ、長石、パイロフィライト、ヒュームドシリカ、ケイ酸エチル、シリカゲル等を挙げることができる。
Al+SiO源としての原料としては、カオリン、バン土頁岩、ボーキサイト、雲母、シリマナイト、アンダルサイト、ムライト、ゼオライト、モンモリロナイト、ハイロサイト等を挙げることができる。
これらの原料はそれぞれ単独で、もしくは2種以上を混合して使用することができる。選択された出発原料は、その含水率を低下させるため、あるいはその溶融を容易にするために仮焼して使用するのが好ましい。仮焼された原料粉末粒子としては、仮焼バン頁、仮焼ムライト、仮焼ボーキサイト、仮焼した水酸化アルミニウムとカオリンとの混合物等を挙げることができる。
MgO源としての原料としては、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、カンラン石、輝石ズン岩、蛇紋石、オリビン系鉱物等を挙げることができる。
また、(MgO+SiO)源としての原料としては、フォルステライト、クリノエンスタタイト、エンスタタイト、カンラン石、輝石、ズン岩、蛇紋岩、玄武岩、オリビン系鉱物、タルク等を挙げることができる。
これらの原料はそれぞれ単独で、もしくは2種以上を混合して使用することができる。選択された出発原料は、その含水率を低下させるため、あるいはその溶融を容易にするために仮焼して使用するのが好ましい。仮焼された原料粉末粒子としては、仮焼蛇紋岩、仮焼カンラン石、仮焼輝石、仮焼ズン石フォルステライト、仮焼エンスタタイト等が例示される。
本発明の樹脂組成物は、半導体の封止材料や電気・電子基板などに用いられる電気絶縁性を有する樹脂組成物として有用である。
より具体的な用途としては、バリスター、抵抗、コンデンサー、コイルなど、過負荷や自己発熱を伴う電子部品を衝撃等の外力や湿気から保護する塗料や、トランジスタ、IC、LSI、ダイオードなどの半導体を保護するための封止材料、電子部品を高密度実装するためのプリント基板、共振器、フィルタ、インダクタ、アンテナ等の高周波用電子材料用の基板などに好適に用いられる。また、高圧送電のための開閉装置用の絶縁スペーサやモールド変圧器などの高電圧用絶縁体にも好適に用いられる。これら例示したものはいずれも小型化、高密度化、高容量化が求められているものであり、電気特性を低下させずに放熱させることが重要な材料であることから、本発明の樹脂組成物を使用することが好適である。
本発明の樹脂組成物は、基材樹脂中にセラミックス粒子を含有するものであり、基材樹脂とセラミックス粒子を主とした組成物となる。セラミックス粒子の配合量は、樹脂組成物中20〜90重量%が好ましく、25〜85重量%がより好ましく、30〜80重量%が更に好ましい。
本発明の樹脂組成物の基材樹脂は、熱可塑性樹脂及び熱可塑性樹脂の少なくとも1種であることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンエーテル系樹脂、脂環式炭化水素系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエステルイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いられても良く、2種以上が併用されても良い。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、熱硬化型ポリイミド系樹脂、ユリア系樹脂、アリル系樹脂、ケイ素系樹脂、ベンゾオキサジン系樹脂、フェノール系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ビスマレイミドトリアジン系樹脂、アルキド系樹脂、フラン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アニリン系樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は、単独で用いられても良く、2種以上が併用されても良い。
上記の基材樹脂のうち、電気特性や機械的特性に優れ、成形加工性も良いという点から、フェノール樹脂、エポキシ樹脂が好ましく用いられ、その中でもエポキシ樹脂が最も好ましく用いられる。
基材樹脂の硬化剤については、基材樹脂がフェノール樹脂の場合、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを用いることが好ましく、その使用量は、フェノール樹脂100重量部に対して5〜50重量部が好ましい。また、基材樹脂がエポキシ樹脂の場合の硬化剤としては、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のフェノール系硬化剤、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸等の酸無水物等をあげることができる。その使用量は、エポキシ樹脂100重量部に対し30〜90重量部が好ましい。
本発明の樹脂組成物には、本発明のセラミックス粒子以外の充填材を添加することができる。例えば補強効果の高い繊維状の充填材としてガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、スチール繊維、ステンレス繊維、パルプなどを添加しても良く、その他、木粉、粘土鉱物、炭酸カルシウム、タルクなど公知のフィラーを添加しても良い。その使用量は樹脂組成物中1〜40重量%が好ましい。これら充填材は単独で用いられても良く、2種以上が併用されても良い。
本発明の樹脂組成物には、さらに必要に応じて、以下の硬化促進剤、触媒、加硫剤、滑剤・離型剤、安定剤、着色剤、難燃剤、カップリング剤等を配合することができる。その使用量は、樹脂組成物中0.1〜10重量%が好ましい。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエンなどの溶剤を用いて、粘度調整しても良い。
本発明のセラミックス粒子を含有する樹脂組成物は、上記した各成分の所定量をヘンシェルミキサー等により充分混合後、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、らいかい機、ホモミキサー、2軸押出機、1軸押出機等の公知の混練手段により混練して製造することができる。また、混練の際には、混合度を高める目的等で、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン等を添加しても良い。こうして得られた樹脂組成物は、押出成形、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等手法により成形し、電気・電子材料として使用される。
本発明の樹脂組成物は、電気特性と熱伝導性が良好な電気・電子材料用樹脂組成物である。電気特性とは、主として電気絶縁性、誘電性のことを指すが、本発明の樹脂組成物では誘電性に特徴がある。誘電性の指標には誘電率と誘電正接(tanδ)があるが、電磁波の吸収ロス特性は以下の式で表せられる。
=W・tanδ・D・E/2
(P:単位体積当りの吸収電力、W:角周波数、D:マイクロ波の電位、E:マイクロ波の電界強度)
すなわち本式は電気・電子材料の使用される絶縁材料のtanδが大きい場合、電気・電子機器から発生する電磁波をより多く吸収する特性があることを示している。電磁波吸収が大きい場合の弊害としては、電気信号の減衰にともなうエラーやノイズの発生や消費電力の増加がある。また、吸収された電磁波は熱となることから、電気・電子機器の熱による損傷を引き起こすリスクが高くなる。従って、樹脂組成物のtanδは小さいものが望まれている。
また、誘電率であるが、樹脂組成物を電気・電子機器の基板に使用した場合、基板中では電磁波の波長は1/√εに短縮されるため、誘電率εが大きいほど基板の小型化が可能となる。電気・電子機器の小型化が望まれている近年では、誘電率が高い材料を用いる方が、小型化には有利である。
本発明の樹脂組成物の誘電率は、良好な電気特性の観点から、3.6以上が好ましく、3.7以上がより好ましい。
本発明の樹脂組成物のtanδは、良好な電気特性の観点から、1.74以下が好ましく、1.4以下がより好ましい。
本発明の樹脂組成物のtanδ(A)とセラミックス粒子を含まない樹脂組成物のtanδ(B)の比、すなわちA/Bは、0.82以下が好ましく、0.81以下がより好ましく、0.8以下がより好ましい。このような範囲となるようにtanδ比を低下させるには、セラミックス粒子の含有量を多くする、球形度を大きくする、又は平均粒径を前記した好適範囲に調製して均一混合すること等によって調整することができる。
本発明の樹脂組成物の熱伝導率は、0.36W/(m・K)以上が好ましく、0.37W/(m・K)以上がより好ましく、0.4W/(m・K)以上が更に好ましい。
本発明の樹脂組成物の熱伝導率(A)とセラミックス粒子を含まない樹脂組成物の熱伝導率(B)の比、すなわち熱伝導率比(A/B)が1.5以上が好ましく、1.65以上がより好ましい。このような範囲となるように熱伝導率比を増大させるには、セラミックス粒子の含有量を多くする、又は平均粒径を前記した好適範囲に調製して均一混合すること等によって調整することができる。
本発明の樹脂組成物の体積抵抗は、電気絶縁性を高める観点から、1.3E+13Ω・cm以上が好ましく、1.4E+15Ω・cm以上がより好ましく、3.0E+15Ω・cm以上がより好ましい。
以下、本発明を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
(1)組成
蛍光X線法(JIS R2216「耐火れんが及び耐火モルタルの蛍光X線分析法」)による元素分析を行って、Al、Mg、Siの各原子の組成を定量する。X線回折測定を行い、回折パターンから、Al、MgO、SiOあるいはこれらの複合化合物の存在を確認する。回折パターンが得られない場合は、ラマン分光、IR、NMR等の測定によりAl、MgO、SiOの存在を確認する。以上から、AlまたはMgOと、SiOとの合計量、及び、AlまたはMgOと、SiOの重量比〔(AlまたはMgO)/SiO〕を算出する。
(2)平均粒径
平均粒径は、D50(体積基準の50%の中位粒径)を意味し、堀場製作所LA−920によるレーザー回折/散乱法で測定する。
(3)球形度
球形度は、セラミックス粒子について、リアルサーフェースビュー顕微鏡(VF−7800、キーエンス社製)で測定して得られたSEM像の粒子投影断面の面積及び該断面の周囲長を求め、次いで、〔粒子投影断面の面積と同じ面積の真円の円周長〕/〔粒子投影断面の周囲長〕を計算し、任意の50個の粒子につき、それぞれ得られた値を平均して求める。
(4)誘電率およびtanδ
70mmΦ×3mmのサンプルを誘電体損失自動測定装置TR−1100型(安藤電気製)を用いて測定する。その際、サンプルの温度を25℃、測定周波数を1MHzとする。
(5)熱伝導率
50mmΦ×3mmのサンプルを熱伝導率測定装置GH−1(アルバック理工製)を用いてASTM E1530に基づき定常熱流測法で測定する。その際、測定温度を52℃とする。
(6)電気抵抗
70mmΦ×3mmのサンプルをハイレジスタンスメータHP4339A(ヒューレッドパッカード製)を用いて体積抵抗率を測定する。
セラミックス粒子1(球状ムライト)の製造例
平均粒径1μmのアルミナ(純度99.9%)100重量部と平均粒径2.5μmのシリカ(純度99.5%)39.2重量部をボールミルで混合し、1600℃、4時間で焼成した。えられた焼成物を粉砕し、平均粒径12μmの焼成体粉末を得た。この焼成体粉末を酸素をキャリアガスとして用い、プロパンガスを対酸素比(容量比)1.1で燃焼させた火炎中(火炎温度約2000℃)に投入し、平均粒径12μm、球形度0.98のセラミックス粒子1を得た。得られたセラミックス粒子のX線回折スペクトル解析を行った結果、主たるピークがJCPDS No.15−776記載のムライトに帰属された。また、Al/SiO重量比は2.6であり、AlとSiOとの合計量はセラミックス組成中99.7重量%であった。
セラミックス粒子2(球状フォルステライト)の製造例
平均粒径4μmの水酸化マグネシウム(純度99.2%)100重量部と平均粒径2.5μmのシリカ(純度99.5%)51.5重量部をボールミルで混合し、1600℃、4時間で焼成した。えられた焼成物を粉砕し、平均粒径6μmの焼成体粉末を得た。この焼成体粉末を酸素をキャリアガスとして用い、プロパンガスを対酸素比(容量比)1.1で燃焼させた火炎中(火炎温度約2000℃)に投入し、平均粒径6μm、球形度0.95のセラミックス粒子2を得た。得られたセラミックス粒子のX線回折スペクトル解析を行った結果、主たるピークがJCPDS No.34−189記載のフォルステライトに帰属された。またMgO/SiO重量比は1.3であり、MgOとSiOとの合計量はセラミックス組成中96.1重量%であった。
比較粒子1(球状シリカ)の製造方法
平均粒径13μmのシリカ(純度99.5%)を酸素をキャリアガスとして用い、プロパンガスを対酸素比(容量比)1.1で燃焼させた火炎中(火炎温度約2000℃)に投入し、平均粒径13μm、球形度0.90の球状シリカ(比較粒子1)を得た。
比較粒子2(球状アルミナ)の製造方法
平均粒径10μmのアルミナ(純度99.9%)を酸素をキャリアガスとして用い、プロパンガスを対酸素比(容量比)1.1で燃焼させた火炎中(火炎温度約2000℃)に投入し、平均粒径10μm、球形度0.94の球状アルミナ(比較粒子2)を得た。
比較粒子3(大粒径の球状フォルステライト)の製造方法
セラミックス粒子2の製造例において、焼成物の粉砕条件を変えて得られた焼成体粉末(平均粒径約290μm)を火炎中で溶融すること以外は、同様にして、平均粒径
260μm、球形度0.98の比較粒子3を得た。得られたセラミックス粒子のX線回折スペクトル解析を行った結果、セラミックス粒子2と同等のフォルステライト組成であった。
実施例1
ノボラック型フェノール樹脂100重量部、ヘキサメチレンテトラミン12重量部、ステアリン酸亜鉛1重量部、セラミックス粒子1を66.7重量部を100℃でロール混練し、冷却、粉砕して樹脂組成物1を得た。これを170℃に加熱した金型内にトランスファー注入硬化し、セラミックス粒子1が23vol%添加された70Φ×3mmの円盤状のフェノール樹脂成形体を作製した。この成形体の誘電特性、熱伝導率、体積抵抗を測定した結果を表1に示す。
実施例2
セラミックス粒子1をセラミックス粒子2に変えて、実施例1と同様の方法でセラミックス粒子2を23vol%含有するフェノール樹脂成形体を作製した。成形体の物性を表1に示す。
実施例3
ノボラック型エポキシ樹脂100重量部、ノボラック型フェノール樹脂41.2重量部、2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール1重量部、カルナバワックス1.4重量部、セラミックス粒子1を110重量部を100℃でロール混練し、冷却、粉砕して樹脂組成物を得た。これを170℃に加熱した金型内にトランスファー注入硬化し、セラミックス粒子1が24vol%添加された70Φ×3mmの円盤状のエポキシ樹脂成形体を作製した。この成形体の誘電特性、熱伝導率、体積抵抗を測定した結果を表1に示す。
実施例4
セラミックス粒子1をセラミックス粒子2に変えて、実施例3と同様の方法でセラミックス粒子2を24Vol%含有したエポキシ樹脂成形体を作製した。成形体の物性を表1に示す。
比較例1
セラミックス粒子1を66.7重量部のかわりに比較粒子1を68.3重量部添加して、実施例1と同様の方法で比較粒子1を23Vol%含有したフェノール樹脂成形体を作製した。成形体の物性を表1に示す。
比較例2
セラミックス粒子1を66.7重量部のかわりに比較粒子2を100重量部添加して、実施例1と同様の方法で比較粒子2を23Vol%含有したフェノール樹脂成形体を作製した。成形体の物性を表1に示す。
比較例3
ノボラック型フェノール樹脂100重量部、ヘキサメチレンテトラミン12重量部、ステアリン酸亜鉛1重量部を100℃でロール混練し、冷却、粉砕して樹脂組成物を得た。これを170℃に加熱した金型内にトランスファー注入硬化し、セラミックス粒子を含まない70Φ×3mmの円盤状のフェノール樹脂成形体を作製した。この成形体の誘電特性、熱伝導率、体積抵抗を測定した結果を表1に示す。
比較例4
セラミックス粒子1を110重量部添加するかわりに比較粒子1を94.1重量部添加して、実施例3と同様の方法で比較粒子1を24Vol%含有したエポキシ樹脂成形体を作製した。成形体の物性を表1に示す。
比較例5
セラミックス粒子1を110重量部添加するかわりに比較粒子2を141重量部添加して、実施例3と同様の方法で比較粒子2を24Vol%含有したエポキシ樹脂成形体を作製した。成形体の物性を表1に示す。
比較例6
ノボラック型エポキシ樹脂100重量部、ノボラック型フェノール樹脂41.2重量部、2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール1重量部、カルナバワックス1.4重量部を100℃でロール混練し、冷却、粉砕して樹脂組成物を得た。これを170℃に加熱した金型内にトランスファー注入硬化し、セラミックス粒子を含まない70Φ×3mmの円盤状のエポキシ樹脂成形体を作製した。この成形体の誘電特性、熱伝導率、体積抵抗を測定した結果を表1に示す。
比較例7
セラミックス粒子1を比較粒子3(大粒径の球状フォルステライト)に変えて、実施例1と同様の方法で比較粒子3を23vol%含有するフェノール樹脂成形体を作製した。成形体の物性を表1に示す。
Figure 2008120877
実施例1及び2と比較例1〜3の結果を比較すると、フェノール樹脂のみ(比較例3)や公知の球状シリカや球状アルミナを含有するフェノール樹脂よりも、本発明のセラミックス粒子を含有したフェノール樹脂のほうが、低tanδでかつ高熱伝導率でありバランスのとれたものであることがわかる。また、実施例3および4と比較例4〜6を比較しても本発明のセラミックス粒子を含有したエポキシ樹脂のほうが、tanδが低くかつ高熱伝導率であることがわかる。
なお、大粒径の球状フォルステライトを用いた比較例7では、実施例2と比較して粒子が均一に分散されなかった結果、tanδが過大となり、熱伝導率比が過小となった。また、本発明の樹脂組成物は、いずれも絶縁材料として十分な絶縁性を有していた。

Claims (4)

  1. 基材樹脂中にセラミックス粒子を含有し、基材樹脂に対する前記セラミックス粒子のtanδ比が0.82以下でかつ、熱伝導率比が1.5以上である樹脂組成物であって、前記セラミックス粒子が以下の要件(I)乃至(III)を満たす樹脂組成物。
    (I)セラミックス組成中に、AlまたはMgOと、SiOとの合計量が80重量%以上。
    (II)AlまたはMgOと、SiOの重量比[(AlまたはMgO)/SiO]が0.1〜15。
    (III)球形度が0.9以上。
  2. セラミックス粒子が火炎溶融法により製造されたものである請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 基材樹脂中にセラミックス粒子を含有し、基材樹脂に対する前記セラミックス粒子のtanδ比が0.82以下でかつ、熱伝導率比が1.5以上である樹脂組成物であって、前記セラミックス粒子が、以下の要件(IV)及び(V)を満たす粉末粒子を、火炎中で溶融して得られるものである樹脂組成物。
    (IV)セラミックス組成中に、AlまたはMgOと、SiOとの合計量が80重量%以上。
    (V)AlまたはMgOと、SiOの重量比[(AlまたはMgO)/SiO]が0.1〜17。
  4. 電気・電子材料用に使用されるものである請求項1〜3いずれか記載の樹脂組成物。
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