JP2008120706A - 皮膚洗浄剤 - Google Patents

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克人 畠中
Maya Koizumi
まや 小泉
Hitomi Ohira
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Abstract

【課題】従来のピーリング剤と呼ばれる洗浄剤では、また市販されているものもすべて、洗浄効果としてはポリマーが汚れを取り込む能力及び界面活性剤の洗浄力がすべてであった。よって、より微細なものを吸着する機能や、スクラブ剤のような物理的除去機能はまったく有していない。そこで、本発明は、消しゴムの屑状のものを出すタイプであって、微細なものを吸着する機能や、スクラブ剤のような物理的除去機能を有するものを提供する。
【解決手段】皮膚に塗布し摩擦することにより、消しゴムの屑状のものに変化しその屑状のものと共に汚れや古くなった角質等を除去するものであって、少なくとも、水、カチオンと反応する反応基を有するポリマー、カチオン系界面活性剤及び炭粉末を含有するもの。
【選択図】 なし

Description

本発明は、皮膚洗浄剤に関するものである。
皮膚洗浄剤とは、皮膚の汚れや古い角質を除去するためのものである。ここでは、皮膚に塗布し軽く擦ることによって、固形化したものと一緒にそれらを除去するタイプのものをいう。
従来の皮膚洗浄剤は、カチオン系界面活性剤とそれと反応して固形化するポリマーからなるものであった。例えば、特許文献1のような皮膚洗浄料である。
特開2005−187338
この従来例は、皮膚に少し塗布し軽くマッサージすることによって消しゴムの屑状のものを出し、それと共に汚れや古くなった角質を除去できるもので、洗浄できたことが視覚的に分かるものである。
しかしながら、上記の従来例では、また市販されているものもすべて、洗浄効果としてはポリマーが汚れを取り込む能力及び界面活性剤の洗浄力がすべてであった。
よって、より微細なものを吸着する機能や、スクラブ剤のような物理的除去機能はまったく有していない。
そこで、本発明は、消しゴムの屑状のものを出すタイプであって、微細なものを吸着する機能や、スクラブ剤のような物理的除去機能を有するものを提供する。
以上のような状況に鑑み、本発明者は鋭意研究の結果本発明皮膚洗浄剤を完成したものであり、その特徴とするところは、皮膚に塗布し摩擦することにより、消しゴムの屑状のものに変化しその屑状のものと共に汚れや古くなった角質等を除去するものであって、少なくとも、水、カチオンと反応する反応基を有するポリマー、カチオン系界面活性剤及び炭粉末を含有する点にある。
ここでカチオンと反応する反応基を有するポリマーとは、アニオン性の水溶性ポリマーであり、一般的にはカルボキシビニルポリマーである。これはアクリル酸系のモノマーが重合したものである。これも種々のものがあるが、カチオン系界面活性剤と反応し摩擦することにより消しゴムの屑状のもの(ゲル)になるものであればどのようなものでもよい。
このポリマーの含有量は、本発明皮膚洗浄剤全体の0.2〜7重量%が適当である。0.2%以下ではゲルの生成が不十分であり、7%以上になるとゲルの粘度が高くなり使用し難い。
カチオン系界面活性剤は、上記したポリマーと反応するものであればよい。通常はアンモニウム塩である。例えば、モノアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩その他である。
この混合量は、上記と同様0.2〜7重量%が適当である。
炭粉末とは、炭を粉末にしたものでその製法は自由である。これは種々の加工を施したものでもよい。この炭の混合量は、限定はしないが水との混合が悪いため多くは混合できない。通常は、0.01〜1重量%程度である。
また、この炭粉体に代えて、又は追加して多孔質シリカに内包されている炭の微粉末を用いてもよい。多孔質シリカに内包されている炭の微粉末とは、炭の微粉末をシリカでコーティングしたようなものである。炭の微粉末のサイズは、数百nm〜数百μm程度(混合物の平均粒径として)である。炭自体の原料は通常の木材だけでなく、竹やその他のもの等なんでもよい。
シリカに内包させる方法は、特に限定はしない。例えば、炭の微粉末と、それと同程度のサイズのシリカ微粉末を混合する。混合比率は、重量比で、炭/シリカ=50〜1程度が好適である。これと別に純粋に水溶性カップリング剤(アルコキシチタネート等)を溶解して分散媒質を作る。微粒子と分散媒質を均質に混合し二次凝集粒子がないようにする。
これに界面活性剤を混合した有機溶剤を投入して乳化液を得る。
この乳化液の沈殿物を洗浄して乾燥させてカプセル化した炭を得る。
この多孔質シリカに内包された炭は、シリカで覆われているため(完全に覆われていることはない)周囲に水酸基(−OH)が多数存在する。これによって、炭のような疎水性のものが水にきれいに乳化させることができるようになる。また、完全に覆われていない(多孔質被覆)ため、炭が持つ効果も備えている。
このような多孔質シリカに内包させる方法は、特開平7−804号や特開2000−26205等に記載の方法でもよい。
この多孔質シリカ内包の炭の混合料は、全体の0.01〜5重量%程度が好適である。これ以下では効果がほとんどなく、これ以上ではかえって邪魔になる。
炭の微粉末を含有することが本発明の第1の特徴である。
炭を含有するため、炭自体が有する種々の効果を具備することとなる。即ち、吸着効果、スクラブ剤効果が得られるのである。吸着効果があるため、脱臭効果も期待できる。
また、炭の効果をより視覚的に強調するため、他の黒色顔料や染料を混合してもよい。例えば、カーボン、いかすみ、グラファイト、黒色染料、絵の具その他である。この混合量は、0〜10重量%程度である。
更に、本発明には、上記した必須成分以外に種々の成分を加えてもよい。
例えば、油剤とノニオン系界面活性剤を追加するものがある。これは、油剤によってエモリエント感を出すのである。またこの油剤を混合するため、ノニオン系界面活性剤も混合する。
油剤としては、スクワラン、流動パラフィン、ホホバ油等の炭化水素系とミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸エチル、2−エチルヘキサン酸ステアリル等のエステル系がある。エステルとしては水に不溶な炭素数(5以上)を有するものが好適である。
この油剤の含有量は、0.5〜10重量%である。0.5%以下では効果がほとんどなく、10%以上ではべとつき感がで、また混合も難しい。
ノニオン系界面活性剤は、水に油剤を乳化させるために用いるもので、一種の乳化剤である。よって、本発明洗浄剤は乳化状態になり非常に使いやすい。またノニオン系にしているのは、前記したポリマーやカチオン系界面活性剤と反応するためイオン性のものが使用できないためである。
ノニオン系界面活性剤は、非イオン系であり親水性のものである。HLBで言えば、10〜18が好適である。10以下では添加してもほとんど効果がなく、添加しない場合とあまり変わらない。使用できるものとしては、ソルビタンオレエート、グリセリンステアレート等が挙げられる。
このノニオン系界面活性剤の含有量は、本発明皮膚洗浄剤全体の0.1〜5重量%が適当である。0.1%以下では効果が不十分であり、5%以上は不要である。
また、上記の油剤とノニオン系界面活性剤に代えて、ノニオン系親油性界面活性剤とノニオン系親水性界面活性剤を混合してもよい。
ノニオン系親油性界面活性剤は、HLBが2〜8であり、特に3〜7が好適である。例としては、ポリオキシエチレン(5)ポリオキシプロピレングリコール(HLB5.8)、ポリオキシエチレン(3)ヒマシ油(HLB3.0)、ポリオキシエチレン(5)ベヘニルエーテル(HLB7.0)等がある。
このノニオン系親油性界面活性剤の含有量は、0.1〜5重量%である。0.1%以下では効果がほとんどなく、5%以上ではべとつき感がで、また混合も難しい。
ノニオン系親水性界面活性剤は、HLBが12〜18であり、13〜17が好適である。例としては、ポリオキシエチレン(12)2級アルキルエーテル(HLB14.5)、ポリオキシエチレン(9)2級アルキルエーテル(HLB13.5)、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(20EO)(HLB16.9)等がある。
このノニオン系親水性界面活性剤の含有量は、0.1〜5重量%である。0.1%以下では効果がほとんどなく、5%以上では混合が難しい。
更に、上記の油剤とノニオン系界面活性剤に代えて、両性界面活性剤を混合してもよい。
両性界面活性剤とは、分子内に陽イオン活性基と陰イオン活性基を含む界面活性剤である。両性界面活性剤としては、アルキルアミノ脂肪酸塩、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド等があり、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキルーN−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド液、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン液等があげられる。どれも使用できるが、皮膚への刺激が少ないことからアルキルベタインが好ましい。
この両性界面活性剤の混合量は、0.1〜5重量%が好適であり、0.5〜3重量%がさらに好適である。0.1以下では効果が小さく、5以上では泡立ちが多くなり、反応性が悪くなる。この両性界面活性剤を加えることによって、皮膚が少々濡れていても消しゴムの屑状物が非常に出やすく、耐水性が向上する。これは、入浴中に使用できるという大きなメリットをもたらす。
また、カチオン活性剤と比べて刺激が少なく安全性も高い。
更に、上記の必須成分に、親水性増粘剤やグリセリンのような多価アルコールを混合してもよい。親水性増粘剤としては、ペクチン、カラギーナン、キサンタンガム、グアーガム、メチルセルロース等がある。この親水性増粘剤を混合すると、洗浄剤自体の安定性がよくなるだけでなく、肌に保湿効果を与え、消しゴムの屑状物も出やすくなる。増粘剤の混合量は、特に限定はしないが、0.01〜5重量%程度が好適である。
多価アルコールの効果としては、保湿効果と、消しゴムの屑状のものがさらに出やすくなるためである。多価アルコールとしては前記グリセリンだけでなく、エチレングリコールやポリエチレングリコール等が使用できる。混合量としては1〜20重量%であり、3〜15重量%がより好適である。
以上の成分を水を加えて100重量%にして完成であるが、本発明の趣旨を逸脱しない限り他の成分を加えてもよい。例えば、植物抽出物、ビタミン類、着色剤、香料等である。
本発明洗浄剤の使用法は、本洗浄剤を皮膚(濡れていてもよい)に適量、塗布し軽くマッサージするように肌に擦りつける。このようにすると、液剤が固形化し消しゴムの屑状になる。それが、汚れや古くなった角質をまきこんで皮膚から除去する。
その後は屑状物を水やぬるま湯で洗い流す。これは簡単にできる。そして、通常の洗浄後の手入れはしてもしなくてもよい。
本発明皮膚洗浄剤には次のような効果がある。
(1) 固形状にして汚れ等を除去するため視覚的にわかりやすく使用者に好まれる。
(2) 炭の微粉末が含まれているため、炭の持つ吸着性能、スクラブ剤効果等がある。
(3) 全体が黒いため、視覚的に炭の効果を予感又は実感させる。
(4) 炭のほとんどを多孔質シリカに内包されたものを用いると、水と混合性や乳化性の悪い炭がきれいに乳化される。
以下実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明する。
実施例1
次の成分を混合して実施例や比較例を作成した。
カチオンと反応する反応基を有するポリマーと、カチオン系界面活性剤、シリカ内包の炭、その他の界面活性剤等を水と混合して実施例を作成した。混合量は表1の通りであり、表中の成分名は次の通りである。
A:カルボキシビニルポリマーであるノベオン社のカーボポール940
B:ベヘニルトリメチルアンモニウム塩
C:炭の粉末(サイズは数μm〜数十μm程度)
D:シリカ内包炭微粉末(0012項で述べた方法で製造されたもので、平均粒子径が1〜4μm程度のもの)。
E:黒色の染料(黒の染料)
F:油剤である、スクワラン
G:ノニオン系界面活性剤である、ソルビタンモノオレイン酸エステル
H:ノニオン系親油性界面活性剤である、ポリオキシプロピレングリコール(HLBは5.8)
I:ノニオン系親水性界面活性剤である、ポリオキシエチレン(12)2級アルキルエーテル(HLBは14.5)
J:両性界面活性剤である、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン
K:グリセリン
L:水
Figure 2008120706
これらの例を少し皮膚に塗布し、その上から軽くマッサージして固形化するようにした。そして種々の効果を判断した。その結果も表1に示す。
ここで屑状物の発生状況において、◎は「非常によい」、○は「よい」、△は「屑状にはなるが効果は少ない」を表す。
洗浄性においては、◎は「非常によく落ちる」、○は「よく落ちる」、△は「少し悪い」を表す。
さっぱり感においては、◎は「非常にさっぱりする」、○は「ある程度さっぱりする」、×は「さっぱり感がほとんどない」を表す。
エモリエント感において、◎は「しっとり感が強い」、○は「しっとり感がある」、△は「しっとり感は感じられないが、かさつくこともない」、×は「かさつきが感じられる」を表す。
安定性において、◎は「非常に安定である」、○は「安定である」、×は「不安定(分離等)である」を表す。
次に比較例も同様のものを表1に示す。
比較例1は炭を入れないもの、比較例2は炭を入れないがグリセリンを入れたもの、比較例3は炭を入れないが油剤とノニオン活性剤を入れたものである。
表1から炭の微粉末はある程度の量を混合した方がいいことが分かる。また、油剤やノニオン活性剤を混合した方がエモリエント感が優れている。比較例では洗浄性やさっぱり感が劣る。

Claims (7)

  1. 皮膚に塗布し摩擦することにより、消しゴムの屑状のものに変化しその屑状のものと共に汚れや古くなった角質等を除去するものであって、少なくとも、水、カチオンと反応する反応基を有するポリマー、カチオン系界面活性剤及び炭粉末を含有することを特徴とする皮膚洗浄剤。
  2. 該炭粉末は、多孔質シリカに内包されているものである請求項1記載の皮膚洗浄剤。
  3. 該炭は、単なる粉末及び多孔質シリカに内包されているものの両方である請求項1記載の皮膚洗浄剤。
  4. 更に、黒色の着色剤を混合したものである請求項1〜3記載の皮膚洗浄剤。
  5. 更に、油剤及びノニオン系界面活性剤を含有し、その含有量が、油剤は0.5〜10重量%、ノニオン系界面活性剤は0.1〜5重量%である請求項1〜4記載の皮膚洗浄剤。
  6. 更に、ノニオン系親油性界面活性剤及びノニオン系親水性界面活を含有し、その含有量がノニオン系親油性界面活性剤は0.1〜5重量%、ノニオン系親水性界面活性剤0.1〜5重量%である請求項1〜4記載の皮膚洗浄剤。
  7. 更に、両性界面活性剤を含有し、その含有量が0.1〜5重量%である請求項1〜4記載の皮膚洗浄剤。
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