JP2008120637A - 酸素供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素ポンプ能力を大きくしても、供給空気に制限を受けることなく、熱回収しながら負電極側に必要な空気が供給されるため、消費電力も小さく抑えることを目的とする。
【解決手段】少なくとも固体電解質1の表面に正電極膜と負電極膜が形成され、前記固体電解質1が接合された金属箔部材9に対して、上方部に位置する負電極膜側に通気性を有する第一断熱材14が配置され、さらに前記第一断熱材14と所定の空間部17を有しながら対峙する第二断熱材15が配置され、下方部に位置する正電極膜側に通気性を有する第三断熱材22が配置され、前記第三断熱材22には前記正電極膜側と絶縁材を介してヒータ21が埋設され、前記空間部17は所定の勾配を有して通気流路が設けられ、前記負電極膜側には前記第一断熱材14と第二断熱材15とによるトンネル効果を利用して空気が自然供給されるようにしたものである。
【選択図】図6

Description

本発明は、酸素イオン伝導性の固体電解質を用いた酸素供給装置に関するものである。
従来、この種の酸素ポンプは通気機能を有する断熱材に囲まれた構成を有するものであった。
すなわち、図7のように、酸素イオン導電性基板101には正電極膜102と負電極膜103とが形成され、区画手段104上に前記酸素イオン導電性基板101が配置されている。
酸素イオン導電性基板1は加熱手段105にて間接加熱可能な構造を有している。それらは通気機能を有する断熱材106によって囲まれ、また、負電極膜103側には自然対流によって酸素ポンプに必要な空気が供給される構造となっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−215094号公報
しかしながら、前記従来の構成では、負電極膜側に自然対流によって空気が供給される構造となっているところから、酸素ポンプの能力が大きくなった場合には空気の供給が追いつかず、固体電解質での酸素イオン伝導が限界に達してしまう。
それを防止するために断熱材の厚みを薄くした場合には、大きな放熱ロスを生じて消費電力が膨大になってしまう。
本発明はこのような従来の課題を解消したもので、酸素供給を合理的に行うことを目的とするものである。
前記従来の課題を解決するために、本発明の酸素供給装置は、少なくとも固体電解質の表面に正電極膜と負電極膜が形成され、前記固体電解質が接合された金属箔部材に対して、上方部に位置する負電極膜側に通気性を有する第一断熱材が配置され、さらに前記第一断熱材と所定の空間部を有しながら対峙する第二断熱材が配置され、下方部に位置する正電極膜側に通気性を有する第三断熱材が配置され、前記第三断熱材には前記正電極膜側と絶縁材を介してヒータが埋設され、前記空間部は所定の勾配を有して通気流路が設けられ、前記負電極膜側には前記第一断熱材と第二断熱材とによるトンネル効果を利用して空気が自然対流で供給される構造としたものである。
これによって、負電極膜側にはトンネル効果を利用して空気が自然対流で供給される構造を有しているため、固体電解質の酸素ポンプ能力を大きくしても、酸素ガス不足になることはない。
第一断熱材の上方には所定の空間部を有しながら対峙する第二断熱材が配置されているので、第一断熱材からの放熱ロスをある程度抑制することができる。その結果、酸素供給装置の消費電力も小さくすることが可能となる。
固体電解質を酸素イオン伝導可能な状態にするために必要な加熱用ヒータは正電極膜側に通気性を有する絶縁材を介して配置することで、被加熱物と極力近接させた構造を保つことができる。
正電極膜側に配置する絶縁材は電極膜表面で生じた酸素ガスが通気できるだけの通気構造を有していればよい。
本発明の酸素供給装置は、酸素ポンプ能力を大きくしても、負電極側から空気を自然給気できるとともに、消費電力も小さく抑えることができる。
第1の発明は、酸素供給装置に対して、少なくとも固体電解質の表面に正電極膜と負電極膜が形成され、前記固体電解質が接合された金属箔部材に対して、上方部に位置する負電極膜側に通気性を有する第一断熱材が配置され、さらに前記第一断熱材と所定の空間部を有しながら対峙する第二断熱材が配置され、下方部に位置する正電極膜側に通気性を有する第三断熱材が配置され、前記第三断熱材には前記正電極膜側と絶縁材を介してヒータが埋設され、前記空間部は所定の勾配を有して通気流路が設けられ、前記負電極膜側には前記第一断熱材と第二断熱材とによるトンネル効果を利用して空気が自然供給される構造を有することにより、固体電解質の負電極側には第一断熱材と第二断熱材との空間部にはトンネル効果による熱対流によって絶えず新鮮な空気が流通しており、負電極側に必要な空気は第一断熱材を介して供給される。
第一断熱材からの放熱ロスは第二断熱材によってある程度抑制することができるので、第二断熱材を配置しない場合に比べるとはるかに省エネルギー化が可能である。
第2の発明は、第1の発明の酸素供給装置に対して、第二断熱材の側面近傍と第一断熱材の側面近傍には、少なくとも一方にトンネル効果を補助する補助部材が設けられていることにより、第一断熱材と第二断熱材との空間部に対する熱対流を促進して第一断熱材へ絶えず新鮮な空気が流通する環境を導くことができる。
第3の発明は、第1の発明の酸素供給装置に対して、第三断熱材と所定の空間部を有しながら下方に対峙する第四断熱材が配置され、前記空間部には酸素導出口が設けられていることにより、固体電解質の正電極側からの放熱ロスを抑制しながら、発生した酸素ガスを外部へと導くことができる。
第4の発明は、特に、第1の発明の金属箔部材に対して、複数の開口部を備え、前記開口部に絶縁膜を有して固体電解質が前記金属箔部材と絶縁構造でガスシールされながら複数配置され、前記固体電解質の両面には正電極膜と負電極膜が形成され、前記正電極膜または前記負電極膜のいずれか一方は前記固体電解質の縁面部に導電膜を設けることで導電部を他方側に導くことで、電圧を印加する側を同一方向とし、複数の固体電解質は前記正電極膜および前記負電極膜が電気的に直列回路となるように構成されることにより、固体電解質に印加される電圧を積み上げることができ、酸素ポンプ素子を高電圧小電流化して汎用的な電源で動作させることが可能となる。
複数の固体電解質を同一方向から結線できるため製造プロセスが簡素化できる。また固体電解質は金属箔部材上に配置されているので、熱衝撃、熱歪に対しても十分な柔軟性を有している。
第5の発明は、特に、第1の発明の固体電解質に対して、一枚の固体電解質はワイヤー
ボンディング方法で複数本が電気的に直列回路となるように結線されることにより、流れる電流が固体電解質上の一箇所に集中することなく、分散できるとともに、複数の固体電解質を自動化して結線できるため、製造プロセスが大幅に簡素化される。
第6の発明は、特に、第1の発明の金属箔部材に対して、一枚の金属箔部材で複数の固体電解質が接する空間部を区画する区画手段として構成されることにより、複数の固体電解質を介して両側に位置する空間部は一枚の金属箔部材によって区分されるので十分なガスシール性を保持させることができる。
第7の発明は、特に、第4の発明の絶縁膜に対して、主体がSiO2―ZnO―CaO−BaO系、SiO2―ZnO―CaO−BaO系あるいはSiO2―Al2O3―CaO−BaO系でアルカリ土類金属の酸化物を15〜25wt%含有し、アルカリ金属の酸化物を2wt%以下含有する結晶化ガラスとすることにより、高い耐熱性を有しながら、固体電解質基板と熱膨張係数を整合化させることができるので熱歪を生じることなく、固体電解質基板と金属箔部材との間に必要な絶縁性を保持させることができる。
第8の発明は、特に、第1の発明の正電極膜と負電極膜に対して、固体電解質に直接接合する第一電極膜と、前記第一電極膜上に形成された第二電極膜とで構成され、固体電解質上に複合金属酸化物成分を主体とする膜を第一電極膜とし、貴金属成分を主体とする膜を第二電極膜として前記第一電極膜上に配設した構成とすることにより、第二電極膜は導電性の高い材料で構成されるので、ある程度の面積を有する電極部に対して等しい電位を印加することができた。また第一電極膜は固体電解質と第二電極膜の中間層として酸素を解離吸着する電極反応を高めることができるので酸素分子から酸素イオンへと変化するための良好な触媒作用を得ることができる。
第9の発明は、特に、第1の発明の固体電解質に対して、ランタンガレートを使用することにより、ランタンガレートはランタンとガリウムを主成分としたペロブスカイト型複合金属酸化物であり、400℃以上で酸素イオン伝導性を有す。したがって酸素ポンプ素子の動作温度を600℃程度の比較的低温に保持することで十分な能力を得ることができるため、長期的にも酸素ポンプ素子の劣化を抑制できる。
第10の発明は、特に、第8または第9のいずれか一つの発明の第一電極膜の複合金属酸化物として、ペロブスカイト型構造を使用することにより、固体電解質と第二電極膜の中間層として酸素を解離吸着する電極反応を高めることができるので酸素ポンプ素子としての酸素イオン伝導性を向上させることができる。
第11の発明は、特に、第1の発明の金属箔部材として、アルミニウムを含有したフェライト系ステンレスを使用することにより、高温酸化に対して優れた特性を有するようになり、800℃付近で長期使用に対して安定した特性を維持できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1〜図3において、固体電解質1は置換型のランタンガレート(La0.8、Sr0.2、Ga0.8、Mg0.2)の焼結体を任意の厚さの平板状に成型したものであり、表面上には第一電極膜として、負電極膜2と正電極膜3が酸素イオン伝導性を発現するように形成されている。ここでは固体電解質1として寸法15×15.5mm、厚み80μmを想定して説明する。
負電極膜2と正電極膜3には、導電性を有するペロブスカイト型複合酸化物を用いた。具体的には、Sm0.5、Sr0.5、CoOを有機溶剤であるセルロース系ビヒクルと混合したペーストを、スクリーン印刷により印刷膜、寸法12×12mmを形成し、乾燥後、1100℃にて焼成することにより膜厚約15μmの多孔性を有した電極膜を形成した。
更に、負電極膜2と正電極膜3の表面上には、第二電極膜としてAu多孔性の負第二電極膜4、正第二電極膜5を積層した。この場合、Auペーストを使い、スクリーン印刷により印刷膜、寸法12.2×12.2mmを形成し、乾燥後、930℃にて焼成することにより膜厚約3μmの第二電極膜を形成した。
負第二電極膜4、正第二電極膜5は、負電極膜2と正電極膜3間に電圧を印加した時の電位に対して固体電解質1の面分布ムラを改善できる。
正第二電極膜5の周囲には導電膜A6を形成した。導電膜A6としてAuにBaO-CaO-Al2O3-SiO2系のガラスセラミック粒子が7wt%含有されるAuペーストを使用し、スクリーン印刷により印刷膜、内寸法12×12mm、外寸法15×15.5mmを形成した。
その後負第二電極膜4側に1.5mmの間隔を設けて導電膜B7を形成した。導電膜B7も導電膜A6と同じガラスセラミック粒子含有のAuペーストを使用し、スクリーン印刷により印刷膜、幅0.5mm、長さ15mmを形成した。
さらに導電膜A6と導電膜B7とが導通構造となるように固体電解質1の端面部に導電膜C8を形成した。
導電膜C8も導電膜A6と同じガラスセラミック粒子含有のAuペーストを使用し、ポッティング印刷によって形成した。導電膜A6、導電膜B7、導電膜C8は乾燥後、920℃にて焼成することにより形成した。この結果正第二電極膜5は導電膜A6と導電膜C8を介して導電膜B7と導通構造となっている。
図4は酸素ポンプ素子の概略構成を示すもので、ここでは固体電解質1が36個使用された酸素ポンプ素子について説明する。個々の固体電解質1は正電極膜3側が1枚の金属箔部材9と連結されている。金属箔部材9としてはFe−20Cr−5Al、12μmを使用した。
金属箔部材9には、固体電解質1の正第二電極膜5面が露出するように36個の開口部、12×12mmが設けられている。固体電解質1の外周部負電極側は絶縁構造でガスシールできるように金属箔部材15と接合されている。
固体電解質1の寸法は15×15.5mmに対して金属箔部材9に設けられた開口部は12×12mmなので絶縁膜による接合部は固体電解質の周囲に対してほぼ1.5mm幅となる。
金属箔部材9の開口部に絶縁膜10として、具体的にはBaO-CaO-Al2O3-SiO2系のガラスセラミックペーストを、スクリーン印刷により印刷膜を形成し、880℃にて焼成することにより膜厚約20μmの絶縁膜16を形成した。その後さらに同様なガラスセラミックペーストを、スクリーン印刷により印刷膜を形成し、個々の固体電解質1に50gの荷重を加えながら乾燥後、850℃にて焼成することにより、固体電解質1を金属箔部材9と接合させた。
隣合う固体電解質1の負第二電極膜4と導電膜B7とが結線されることで電気的に直列回路となっている。結線はφ0.03mmの金線11を30本、ピッチ300μmでボールボンディングすることによって行った。
図4において、個々の固体電解質には直列回路に結線した序列を番号付けしている。36個の固体電解質1に対して最終的には1番目の固体電解質1の正第二電極膜11と結線されたリード部12と、36番の固体電解質の負第二電極膜と電気的に導通する導電膜と結線されたリード部13から酸素ポンプ素子全体に電圧を印加する構成となる。
リード部12およびリード部13も固体電解質の一箇所に電流が集中するのを抑制するために3箇所からのφ0.10mmの金線リードを撚り線にする構成とした。
本実施の形態では固体電解質1と金属箔部材9との絶縁構造を維持させるためにガラスセラミック膜で接合させている。固体電解質1と金属箔部材9との絶縁構造を維持させる方法として、金属箔部材9上にガラスセラミック膜で絶縁層を形成した後、導電体で接合する方法もある。
しかし、その場合には導電体の印刷時あるいは焼成時にガラスセラミック膜のミクロな細孔部に導電体が進入して絶縁性が低下するというリスクを回避できない。したがって製造プロセス的には導電体を焼成して形成した後に絶縁層を形成したほうが、信頼性の高い絶縁構造を保持させることができた。
図5,6は上記酸素ポンプ素子を使用した酸素供給装置を示すものであり、36個の固体電解質に対して空間区画手段となる一枚の金属箔部材9には、上部方向に第一断熱材14がほぼ固体電解質と接するように配置されている。第一断熱材14は厚み5mmである。さらに第一断熱材14の上方には第二断熱材15が約5mmの間隔を保ちながら配置され、第一断熱材14と第二断熱材15との間にはスペーサーとして長方形の断熱部材16が配置されている。
第一断熱材14と第二断熱材15と断熱部材16によって通気流路となる空間部17を形成している。
第二断熱材15は厚み20mmであり、通気性は必要ない。空間部17は約20度の勾配を有している。また傾斜した第二断熱材15の側面には約10mm幅の上部方向への通気流路が形成できるように補助部材A18が配設され、傾斜した第一断熱材14の側面には約10mm幅の上部方向への通気流路が形成できるように補助部材B19が配設されている。
通気流路となる空間部17は所定の勾配と補助部材A18と補助部材B19によって熱対流が促進されるように構成され、必要な空気が通気性を有する第一断熱材14を介して供給できるように構成されている。
金属箔部材9の下部方向には、絶縁材として厚み1mmのセラミックペーパー20がほぼ接するように配置され、セラミックペーパー20と接して下部にはヒータ21が配設されている。
ここではヒータ21としてFe-20Cr-5Alからなるリボンヒータを使用した。セラミックペーパー20とヒータ21は第三断熱材22に埋設される構成となっている。第三断熱材22は厚み10mmである。
さらに第三断熱材22の下方には第四断熱材23が約5mmの間隔を保ちながら配置され、第三断熱材22と第四断熱材23との間にはスペーサーとして断熱部材24が周囲に配置されて、空間部25を形成している。
第四断熱材23は厚み20mmであり、通気性は必要ない。空間部25は発生した酸素ガスが通気性を有する第三断熱材22を通過した後の淀み空間となる。
断熱部材24には発生酸素を導くための酸素導出口26が設けられ、空間部25から外部へと導かれる。
ここで使用した断熱材は、シリカとアルミナとチタニアを主成分とする平板状に成型された断熱部材を所定の形状に加工して使用した。
酸素ポンプ素子のリード部12,13には、導線を介して電圧印加手段27が接続されており、電圧印加手段27には、電圧制御手段28が接続されている。
固体電解質の温度を検知する手段29を有する温度制御手段30が加熱手段31に信号を送っている。固体電解質の温度を検知する手段29は、温度センサーあるいは他の方法であってもよい。センサーの場合、固体電解質の近傍に配置されるかあるいは、任意の個所に配置してよい。温度制御手段30が検知する固体電解質の温度によって、加熱手段31を構成するヒータ21への入力制御を行う。
酸素ポンプ素子および断熱材等が収納されている容器32から酸素ガス排出口33を介して、ガスの混合手段34が連結されている。
混合手段34は、ガス誘導管35と、被混合ガス導入管36と、ガス混合器37と、ガスポンプ38と、混合ガス排出管39によって構成されている。
以上のように構成された酸素供給装置について、以下その動作、作用を説明する。
温度制御手段30によってヒータ21に通電すると、固体電解質の温度が上昇する。温度制御手段30は、固体電解質が無理なく動作するのに必要な温度、約600℃となるようにヒータ21を制御しながら通電していく。
但し、この温度が限定を受けるものではなく、固体電解質1の特性に合わせて、任意の温度の動作も可能である。ここではヒータ21に250Wを入力して酸素ポンプ素子の起動を行った。
その結果、約60secで600℃とすることができた。その後は酸素供給装置全体への熱拡散も考慮しながら、温度制御手段30で制御する。
固体電解質1のイオン伝導可能な温度に達した時点で、正第二電極膜5と負第二電極膜4を介して個々の固体電解質1に電圧を印加すると、負電極膜側の表面近傍の酸素が電気化学反応によって固体電解質1の内部を酸素イオンとして正電極膜へと移動し、正電極膜側の表面から酸素分子として放出される。
36個の固体電解質1からなる酸素ポンプ素子に18Vを印加することによって4.0Aの電流が流れる。その結果、酸素イオン伝導によって酸素ポンプ素子の正極側から酸素ガス約530ml/minを得ることが可能となる。
その後ヒータ21への入力を徐々に低減させていくとともに、酸素ポンプ素子の電流値4.0Aを維持させるように、印加する電圧を徐々に上昇させた。最終的には酸素ポンプ素子への印加電圧を27Vとして、ヒータ21への入力をゼロにすることができた。
すなわち酸素イオン伝導によって生じた27V、4.0Aの108Wによって断熱部材内部は熱ロスも含めて熱平衡となり、固体電解質1を定常的に動作可能とさせることができた。
したがって金属箔部材9は1枚で構成されているため、固体電解質1を動作させる高温雰囲気でも絶縁膜10は少なくとも27Vの1/2以上の絶縁破壊電圧を有することが要求されたが、本実施の形態では約60V以上の絶縁破壊電圧を有するように設計した。
この時金属箔部材9も600℃の雰囲気温度に加えて高温状態に曝されることになる。金属箔部材9として、アルミニウムを含有するフェライト系ステンレスを使用することで優れた耐酸化性を得ることができる。
負電極膜側の表面近傍は、酸素ポンプ素子の動作によって酸素濃度が低下するが、酸素ポンプ素子近傍は雰囲気温度が高いので熱対流によって、窒素リッチな空気が通気性を有する第一断熱材14を介して、新鮮な空気と置換される。通気流路を構成する空間部17にはトンネル効果によって、窒素リッチな空気が淀むことはない。
正電極膜側の表面近傍は、発生した酸素ガスによって純酸素に近い状態となり、正電極側の表面から、通気性を有する第三断熱材22を通過することになる。したがって、第一断熱材14と第三断熱材22に対して、空間を区画する手段となる金属箔部材9が、負電極膜側からのガスリークを防ぐ手段として有効に作用する。また固体電解質と金属箔部材9とをガスシールする絶縁膜10も負電極膜側からのガスリークを防ぐ手段として有効に作用する。
正電極側から放出される酸素ガスは、第三断熱材22を通過した後、空間部25で淀んだ状態を維持しながら、酸素導出口26、酸素ガス排出口33を通り、ガス混合手段34を構成するガス誘導管33と、被混合ガス導入管35と、ガス混合器37とによって被混合ガスと混合される。本実施の形態例では、被混合ガスは大気である。生成される混合ガスは酸素富化ガスであり、その流量は、ガスポンプ38の吸引と排出速度によって決められる。
また、混合ガス中の酸素濃度は、混合ガス流量と、固体電解質を流れる酸素イオン量すなわちイオン電流の大きさによって決められる。電圧制御手段28による電圧制御とガスポンプ38による混合ガス流量の制御によって、任意の酸素濃度ガスを安定的に得ることができる。
本実施の形態の酸素供給装置によって得られる混合ガス中の酸素濃度は27Vで動作時、酸素濃度約95%、0.5L/min〜酸素濃度約30%、4L/minを供給することが可能であった。
比較のために第二断熱材を設けない構成で酸素供給装置を作製した場合には、第一断熱材として厚み5mmを使用した場合には、上部方向への放熱ロスが大きく、酸素ポンプ素子自体の電力によって自立化させることは困難であった。また第一断熱材の厚みを厚くした場合には負電極側からの酸素供給が追随できず、固体電解質を劣化させることになってしまった。
実施の形態では通気流路となる空間部の勾配を約20度にして行ったがこれに限定されるものではない。第一断熱材と第二断熱材との隙間間隔によって適正な勾配も異なってくる。隙間間隔が狭い場合には勾配は大きくし、広い場合には勾配は小さくても良い。消費電力を少なく抑えるという目的に即して考えると、勾配として15〜30度程度、隙間間隔としては3〜10mm程度が適正と判断できる。
また、通気流路となる空間部に対するトンネル効果を補助する目的で第二断熱材の側面近傍と第一断熱材の側面近傍の両方に補助部材を設けたが、少なくとも一方に設けられていればかなりの効果を得ることができた。
また、固体電解質の負電極側に位置する第一断熱材は厚み5mmを使用し、正電極側に位置する第三断熱材は厚み10mmを使用したが、負電極側は21%酸素が含まれている空気を通気させるのに対して、正電極側は発生した純酸素ガスだけを通気させればよいためである。
したがって第三断熱材は第一断熱材と比較すると厚みが厚い構成となる。しかしむやみに厚くすると発生した酸素ガスが下方へ拡散しにくくなってしまうので注意する必要がある。
また、ワイヤーボンディングとして、φ0.03mmの金線を30本、ピッチ300μmでボールボンディングすることによって行った。これによって電流4Aは9mm幅に拡散分布しながら供給されることになる。その結果1箇所に集中する場合よりも大幅に固体電解質がクラックに至ることを大幅に防止できた。金線の本数は流す電流値を考慮しながら決めればよい。
また、固体電解質の正電極膜側にヒータと接しながら配置する絶縁材としてセラミックペーパー、1mmを使用したがこれに限定されるものではない。電極膜表面で発生した酸素を無理なく通気できるとともに、絶縁状態を保ちながらヒータの熱を固体電解質側に伝達できるものであれば良い。
また、固体電解質としてランタンガレートを使用したがこれに限定させるものではなく、イットリウムドープ型のジルコニア(YSZ)、サマリウムト゛ープ型のセリア(SDC)などであっても良い。但し現状ではランタンガレート系の材料が酸素イオン伝導体として動作温度が低いので材料の耐久性を鑑みた場合、もっとも好ましい材料といえる。
また、第一電極膜の複合金属酸化物としてSm0.5、Sr0.5、CoOを使用したがこれに限定されるものではない。しかしペロブスカイト型構造を有する複合金属酸化物は酸素分子との電極反応性が高く、かつそれ自体が導電性を有するので優れた酸素イオン伝導性を実現することができる。特に、ペロブスカイト型複合酸化物の中でもAサイトにランタン、サマリウムの少なくとも1種と、Bサイトにコバルト、鉄、マンガンの少なくとも1種で構成されるもの、また、Aサイトの一部をストロンチウムで置換したものが優れた導電性と高い酸素分子の電極反応性を有していた。
また、絶縁膜となるガラスセラミック膜としてSiO2―ZnO―CaO−BaO系でアルカリ土類金属の酸化物を15〜25wt%含有し、アルカリ金属の酸化物を2wt%以下含有するもの使用したがこれに限定されるものではない。金属箔部材との充分な絶縁性が維持でき、電極膜や導電膜となる材料と製造工程での処理温度に不具合を生じないものであればよい。その他SiO2−B2O3−MgO−BaO系またはSiO2―Al2O3―CaO−BaO系も適用可能であった。アルカリ金属の酸化物含有率を抑えること
でガラスの特性は高温化し、アルカリ土類金属酸化物の含有率を15〜25wt%とすることで結晶化開始温度は750〜850℃とすることができ、金属箔部材との接合温度を800〜900℃にすることができた。
また、金属箔部材としてFe−20Cr−5Alの材料を使用したがこれに限定させるものではなく、高温酸化に対して耐久性を有する材料であれば他の金属箔材料を使用することができる。しかし現状ではアルミニウムを含有したフェライト系ステンレスが高温酸化に対して優れた特性を有していた。さらに耐高温酸化性を向上させる目的で希土類金属を添加することも可能である。また厚み12μmを使用したが金属箔部材としては5〜20μmが好ましいと考えられる。すなわち固体電解質で発生した熱を外周部方向へと伝熱拡散させないためには厚みが薄いほど好ましい。しかし5μm以下になると製造時でのハンドリングが悪くなるためである。
また、金属箔部材の構成として負電極膜側に接合させて固体電解質が空間部を区画する区画手段として使用した場合についてだけ説明したが、逆に正電極膜側に接合させて空間部を区画する区画手段として使用してもかまわない。
また、第二電極膜、導電膜としてAu系を使用したがこれに限定させるものではなく、抵抗値の小さな耐熱性を有する材料であれば他にもAg系、AgPd系のものが使用できる。
また、固体電解質表面上の正電極膜と負電極膜にさらに第二電極膜を配置した場合について説明したが、第二電極膜を配置しない構造についても適用できる。たとえば固体電解質表面上に形成される電極膜の寸法が5×5mmであれば、流す電流値も0.5A程度となり、電極膜上で生ずる電位ムラもそれ程大きくないので第二電極膜は必要とならない。
以上のように、本発明にかかる酸素ポンプ素子および酸素供給装置は、長期間に渡って安定した良好な電気電流特性が得られるため、酸素を利用する空気清浄機や空調機器あるいは健康促進機器、健康増進機器など広範な用途に適用できる。
本発明の実施の形態1における酸素ポンプ素子となる固体電解質正極側の概略構成図 同酸素ポンプ素子となる固体電解質負極側の概略構成図 同酸素ポンプ素子となる固体電解質の断面図 同酸素ポンプ素子の概略構成図 同酸素供給装置の正断面図 同酸素供給装置側面の側断面図 従来の特許文献1参照による酸素ポンプの断面図
符号の説明
1 固体電解質
2 負電極膜
3 正電極膜
4 負第二電極膜
5 正第二電極膜
6 導電膜A
7 導電膜B
8 導電膜C
9 金属箔部材
10 絶縁膜
11 金線
12,13 リード部
17 空間部
21 ヒータ

Claims (11)

  1. 少なくとも固体電解質の表面に正電極膜と負電極膜が形成され、前記固体電解質が接合された金属箔部材に対して、上方部に位置する負電極膜側に通気性を有する第一断熱材が配置され、さらに前記第一断熱材と所定の空間部を有しながら対峙する第二断熱材が配置され、下方部に位置する正電極膜側に通気性を有する第三断熱材が配置され、前記第三断熱材には前記正電極膜側と絶縁材を介してヒータが埋設され、前記空間部は所定の勾配を有して通気流路が形成され、前記負電極膜側には前記第一断熱材と第二断熱材とによるトンネル効果を利用して空気が自然対流で供給される構造を有することを特徴とする酸素供給装置。
  2. 第二断熱材の側面近傍と第一断熱材の側面近傍には、少なくとも一方にトンネル効果を補助する補助部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の酸素供給装置。
  3. 第三断熱材と所定の空間部を有しながら下方に対峙する第四断熱材が配置され、前記空間部には酸素導出口が設けられていることを特徴とする請求項1記載の酸素供給装置。
  4. 金属箔部材は複数の開口部を備え、前記開口部に絶縁膜を有して固体電解質が前記金属箔部材と絶縁構造でガスシールされながら複数配置され、前記固体電解質の両面には正電極膜と負電極膜が形成され、前記正電極膜または前記負電極膜のいずれか一方は前記固体電解質の縁面部に導電膜を設けることで導電部を他方側に導くことで、電圧を印加する側を同一方向とし、複数の固体電解質は前記正電極膜および前記負電極膜が電気的に直列回路となるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の酸素供給装置。
  5. 一枚の固体電解質はワイヤーボンディング方法で複数本が電気的に直列回路となるように結線されていることを特徴とする請求項1記載の酸素供給装置。
  6. 一枚の金属箔部材は複数の固体電解質が接する通気空間部を区画する区画手段として構成されることを特徴とする請求項1記載の酸素供給装置。
  7. 絶縁膜の主体がSiO2―ZnO―CaO−BaO系、SiO2−B2O3−MgO−BaO系またはSiO2―Al2O3―CaO−BaO系でアルカリ土類金属の酸化物を15〜25wt%含有し、アルカリ金属の酸化物を2wt%以下含有する結晶化ガラスであることを特徴とする請求項4記載の酸素供給装置。
  8. 正電極膜と負電極膜は固体電解質に直接接合する第一電極膜と、前記第一電極膜上に形成された第二電極膜とで構成され、前記固体電解質上に複合金属酸化物成分を主体とする膜を前記第一電極膜とし、貴金属成分を主体とする膜を前記第二電極膜として前記第一電極膜上に配設したことを特徴とする請求項1記載の酸素供給装置。
  9. 固体電解質がランタンガレートであることを特徴とする請求項1記載の酸素供給装置。
  10. 第一電極膜の複合金属酸化物がペロブスカイト型構造であることを特徴とする請求項8または9記載の酸素供給装置。
  11. 金属箔部材がアルミニウムを含有したフェライト系ステンレスであることを特徴とする請求項1記載の酸素供給装置。
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